JPH0798137B2 - ポリイミド気体分離膜 - Google Patents

ポリイミド気体分離膜

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JPH0798137B2
JPH0798137B2 JP11912191A JP11912191A JPH0798137B2 JP H0798137 B2 JPH0798137 B2 JP H0798137B2 JP 11912191 A JP11912191 A JP 11912191A JP 11912191 A JP11912191 A JP 11912191A JP H0798137 B2 JPH0798137 B2 JP H0798137B2
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polyimide
methyl
pyrrolidone
nitrogen
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武郎 寺本
浩信 川里
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Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドよりなる気
体分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、気体の分離に使用されるポリイミ
ド材料としては、ピロメリット酸二無水物と芳香族ジア
ミンとからなるポリイミド膜、ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物と芳香族ジアミンとから得られるポリイミ
ド膜、あるいは、脂肪族系酸二無水物と芳香族ジアミン
とから得られるポリイミド膜等が知られている(例え
ば、特開昭57−15,819号公報、特開昭60−8
2,103号公報及び特開昭60−257,805号公
報)が、これらは、そのいずれも気体の透過速度が小さ
いため、気体の分離膜として使用した際に分離のための
コストが高くなるほか、工業的な実用化が難しいという
問題があった。
【0003】一方、従来より酸素富化膜として、例え
ば、ポリジメチルシロキサンからなるシリコーン系の膜
素材が知られている。この気体分離膜は、その気体透過
係数は大きいが、機械的強度が小さいためにその膜厚を
薄くすることが難しく、結局気体の透過速度を高くする
ことが困難であり、しかも、気体分離係数が小さいため
に、一定の気体分離能力を得るためには気体分離装置を
大型にせざるを得ないという問題があった。
【0004】また、気体分離を必要とす混合気体が高温
であったり、医療用途では高温殺菌が必要な場合もあ
り、かかる場合には特に耐熱性が高く、機械的強度に優
れた材料であることが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、特に酸素濃度の高い酸素富化空気を大量に製造する
ための有用な素材を見出すべく鋭意検討した結果、フル
オレン骨格と脂肪鎖とを有したポリイミドが、この材料
に適していることを見出して本発明を完成した。従っ
て、本発明の目的は、気体透過係数が大きく、選択率が
高く、機械強度及び耐熱性に優れているポリイミドを用
いた気体分離膜を提供することにある。また、本発明の
他の目的は、種々の混合気体の分離、濃縮等に使用でき
るものではあるが、特に酸素と窒素あるいは二酸化炭素
と窒素の分離性能に優れている分離膜を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記一般式(1)
【化2】 (但し、式中Rは−H、−CH3 、−C2 5 、−C3
7 の何れかである)で表される芳香族ジアミン及び下
記一般式(2) H2 N−Cn m −NH2 (2) (但し、式中nは2〜20の整数であり、mは2〜40
の整数である)で表される脂肪族ジアミンとテトラカル
ボン酸類とを反応させて得られた対数粘度(N−メチル
−2−ピロリドン溶媒、濃度0.5g/100ml溶
媒、30℃で測定)0.2dl/g以上の可溶性ポリイ
ミドを成膜して得られるポリイミド気体分離膜である。
【0007】本発明で用いる芳香族ジアミンとしては、
前記の一般式(1)で示されるものであり、9,9−ビ
ス(3−メチル−4−アミノフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(3−エチル−4−アミノフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレ
ン等である。また一般式(1)で示される芳香族ジアミ
ンは、その1種のみを単独で使用してもよいほか、2種
以上を併用しても差し支えない。
【0008】もう一方の原料としては、一般式(2)で
示される脂肪族ジアミンが用いられる。この一般式
(2)におけるn、mは、nが2〜20の範囲内の整数
であって、mが2〜40の範囲内の整数であると、良好
な溶剤可溶性とフイルム化したときの十分なフイルム強
度が得られる。好ましくは、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタメチレンジア
ミン、2−メチル−1,5−ペンテン、ヘキサメチレン
ジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデシルジアミ
ン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等で
ある。また、この脂肪族ジアミンは、その1種のみを単
独で使用してもよいほか、2種以上を併用しても差し支
えない。
【0009】更に、本発明で使用するテトラカルボン酸
類とは、分子内に互いに隣接している2組のカルボキシ
ル基を有しているテトラカルボン酸類を意味し、具体的
には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
2,2−ビス(3,4−ビスカルボキシフェニル)−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無
水物等が挙げられる。また、このテトラカルボン酸二無
水物は、その1種のみを単独で使用してもよいほか、2
種以上を併用しても差し支えない。上記一般式(2)で
示される脂肪族ジアミンと一般式(1)で示される芳香
族ジアミンのモル比は、分離膜作成に必要な易加工性と
高耐熱性を維持するために、90/10〜1/99の範
囲内であることが望ましい。この範囲以外では、本発明
の目的とする気体の透過係数や分離係数が共に小さくな
り、しかも、耐熱性や機械的物性の点でも優れた性能の
分離膜が得られない。すなわち、一般式(2)で示され
る脂肪族ジアミンと一般式(1)で示される芳香族ジア
ミンのとモル比が90/10より大きいと、十分な機械
的特性、耐熱性、溶剤可溶性が得られず、反対に1/9
9より小さくなると、気体の透過性や分離性の向上に大
きな効果が得られない。
【0010】本発明で用いるポリイミドは、これまでに
提案された数多くのポリイミドの一般的製造法の何れを
利用しても製造可能である。例えば、所定量の9,9−
ビス(4−アミノフェニル)フルオレンとヘキサメチレ
ンジアミンとをm−クレゾールに溶解し、攪拌しながら
窒素気流下に180℃で8時間反応させると、黄色透明
な均一溶液が得られる。次に、この反応溶液を放冷した
後、大量のメタノール中に投入し、沈澱した重合体を濾
過して乾燥すると、目的とするポリイミド粉末が得られ
る。ここで得られた重合体は、m−クレゾール、テトラ
クロロエタン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド等の溶媒に10wt%以上の濃度
で溶解可能である。この様にして得られたポリイミド粉
末を所定の溶媒に所定の濃度で溶解し、得られた溶液を
ガラス板上に塗布して製膜する等の手段で分離膜を製造
する。以上で述べたポリイミド分離膜の製造法は一例に
すぎず、これらによって本発明は限定されるものではな
い。
【0011】本発明で用いるポリイミドは、このポリイ
ミドの機械的強度が十分であるために、ポリイミド0.
5gをN−メチル−2−ピロリドン100mlに溶解し
た溶液を30℃で測定した値に基づく対数粘度が0.2
dl/g以上、好ましくは0.3dl/g以上であるこ
とが必要である。この対数粘度が0.2dl/g未満で
あると、得られる分離膜の強度が不十分である。
【0012】また、これらのポリイミドは、脂肪族ジア
ミンの種類と共重合の割合を制御することによって酸素
/窒素の気体分離能が9以上という極めて優れた気体分
離性能が得られることに加え、優れた溶媒可溶性を有す
るため、気体分離膜として使用する場合に必要な加工性
にも優れており、湿式法を用いて薄膜化、あるいは中空
糸化を可能とする。また、気体分離膜の安定した成膜の
ために必要な機械的強度も、ポリイミドであるために優
れており、フィルム状態で測定した引張強度は10kg
/cm2 以上である。同様に、ポリイミドであるために
耐熱性も優れており、気体分離膜に用いられる滅菌過程
の加熱処理に十分に耐えるだけの耐熱性を持っている。
【0013】
【実施例】以下、実施例及び比較例にもとづいて、本発
明を具体的に説明する。
【0014】実施例1 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(B
AF)13.938gと一般式(2)のヘキサメチレン
ジアミン(HMDA)4.649gとをモル比でBA
F:HMDA=5:5となるように仕込み、そこにベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物25.778gを
加え、m−クレゾール400ccを添加し、窒素気流下
に180℃で8時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な
均一溶液を得た。得られた反応溶液をメタノールに注
ぎ、沈澱した重合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末
を得た。
【0015】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.80d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0016】実施例2 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(B
AF)8.363gとヘキサメチレンジアミン(HMD
A)6.508gとをモル比でBAF:HMDA=3:
7となるように仕込み、そこにベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物25.778gを加え、更にm−クレ
ゾール400ccを添加し、窒素気流下に180℃で8
時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な均一溶液を得
た。得られた反応溶液をメタノールに注ぎ、沈澱した重
合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0017】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.95d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0018】実施例3 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン(B
AF)19.510gとヘキサメチレンジアミン(HM
DA)2.789gとをモル比でBAF:HMDA=
7:3となるように仕込み、そこにベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物25.778gを加え、更にm−
クレゾール400ccを添加し、窒素気流下に180℃
で8時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な均一溶液を
得た。得られた反応溶液をメタノールに注ぎ、沈澱した
重合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0019】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、1.15d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0020】実施例4 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである、4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン
(BAF)13.938gとヘキサメチレンジアミン
(HMDA)4.648gとをモル比でBAF:HMD
A=5:5となるように仕込み、そこにビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物23.531gを加え、更にm−
クレゾール400ccを添加し、窒素気流下に180℃
で8時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な均一溶液を
得た。得られた反応溶液をメタノールに注ぎ、沈澱した
重合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0021】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、1.18d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0022】実施例5 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである、4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン
(BAF)13.938gと2−メチル−1,5−ジア
ミノペンタン(MDAP)4.648gとをモル比でB
AF:MDAP=5:5となるように仕込み、そこにベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物25.779g
を加え、更にm−クレゾール400ccを添加し、窒素
気流下に180℃で8時間攪拌しながら反応させ、黄色
透明な均一溶液を得た。得られた反応溶液をメタノール
に注ぎ、沈澱した重合体を濾別し、乾燥してポリイミド
粉末を得た。
【0023】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.81d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0024】実施例6 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである、4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン
(BAF)13.938gとジアミノドデカン(DAD
O)8.015gとをモル比でBAF:DADO=5:
5となるように仕込み、そこにベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物25.778gを加え、更にm−クレ
ゾール400ccを添加し、窒素気流下に180℃で8
時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な均一溶液を得
た。得られた反応溶液をメタノールに注ぎ、沈澱した重
合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0025】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.91d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0026】実施例7 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである、4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン
(BAF)13.938gとジアミノブタン(DAB
U)3.526gとをモル比でBAF:DABU=5:
5となるように仕込み、そこにベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物25.778gを加え、更にm−クレ
ゾール400ccを添加し、窒素気流下に180℃で8
時間攪拌しながら反応させ、黄色透明な均一溶液を得
た。得られた反応溶液をメタノールに注ぎ、沈澱した重
合体を濾別し、乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0027】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.64d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0028】実施例8 温度計、窒素導入管、エステル縮合管及び攪拌装置を備
えた500mlの4つ口フラスコに一般式(1)のRが
Hである、4,4’−ビスアミノフェニルフルオレン
(BAF)13.938gと1,4−ビス(アミノフェ
ニル)シクロヘキサン(BACH)5.690gとをモ
ル比でBAF:BACH=5:5となるように仕込み、
そこにベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物25.
778gを加え、更にm−クレゾール400ccを添加
し、窒素気流下に180℃で8時間攪拌しながら反応さ
せ、黄色透明な均一溶液を得た。得られた反応溶液をメ
タノールに注ぎ、沈澱した重合体を濾別し、乾燥してポ
リイミド粉末を得た。
【0029】このポリイミド粉末0.5gを30℃で1
00mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解して得ら
れた溶液を測定して求められた対数粘度は、0.53d
l/gであった。このポリイミド粉末のN−メチル−2
−ピロリドン10wt%溶液をガラス板上に塗布し、N
−メチル−2−ピロリドンを完全に蒸発させ、厚さ30
μmの気体分離膜を調製した。この様にして得られた分
離膜について、酸素透過係数(PO2 )、二酸化炭素透
過係数(PCO2 )及び窒素透過係数(PN2 )を測定
し、酸素と窒素の分離係数(α)を求めた。結果を表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のポリイミド分離膜は、実用的に
使用し得る優れた機械強度と、可溶性のポリイミドであ
るので、フィルム化にしても、中空糸化にしてもきわめ
て容易にできる利点がある。また、このポリイミド分離
膜は、従来のフルオレンを含むポリイミド膜の優れた透
過係数と同等の透過係数を保持しつつ、分離係数を著し
く上げることができる。この分離膜を用いることによ
り、酸素濃度の高い酸素富化空気を容易かつ大量に製造
することができる。この酸素富化空気は、例えば燃焼
用、医療用、菜園用、養魚用、汚泥処理用、発酵等に広
く利用でき、実用的意義が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−194905(JP,A) 特開 平2−261524(JP,A) 特開 平3−89929(JP,A) 特開 平3−127616(JP,A) 特開 平3−174232(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中Rは−H、−CH3 、−C2 5 、−C3
    7 の何れかである)で表される芳香族ジアミン及び下
    記一般式(2) H2 N−Cn m −NH2 (2) (但し、式中nは2〜20の整数であり、mは2〜40
    の整数である)で表される脂肪族ジアミンとテトラカル
    ボン酸類とを反応させて得られた対数粘度(N−メチル
    −2−ピロリドン溶媒、濃度0.5g/100ml溶
    媒、30℃で測定)0.2dl/g以上の可溶性ポリイ
    ミドを成膜して得られるポリイミド気体分離膜。
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JP5821094B2 (ja) * 2011-06-06 2015-11-24 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 積層フィルム

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