JP5574116B2 - 印刷装置 - Google Patents

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本発明は、被印刷媒体を搬送しつつ印刷を行う印刷装置に関する。
テープ状の被印刷媒体に所望の印刷を行う印刷装置として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術の印刷装置では、搬送モータ(ステッピングモータ)の駆動力により搬送ローラ(プラテンローラ)が被印刷媒体(テープ)を搬送し、その搬送される被印刷媒体に対しサーマルヘッド(ヘッドユニット)が所望の印刷を行う。印刷後の被印刷媒体に対し、切断手段(カッター)が切断を行う。この際、サーマルヘッドによる被印刷媒体への印刷がまだ終了していない状態で、いったん搬送を停止し切断手段による切断を行う場合がある。
ここで、前述のように搬送ローラはモータの駆動力により駆動されて回転し、被印刷媒体に接触して摩擦により回転を伝達して搬送を行う。その際、上記搬送停止の際、搬送ローラの慣性により、モータが回転停止しても搬送ローラはやや遅れてわずかに動いた後に停止したり、その動きにより搬送ローラにねじれや歪みが残存した状態で停止する場合がある。またその後の搬送再開の際には、上記同様、搬送ローラの慣性により、モータが回転再開しても搬送ローラはやや遅れて回転開始したり、上述の搬送ローラのねじれや歪みが残っている場合にはそれらを開放してから搬送ローラが回転開始する場合がある。このような挙動が搬送停止時に生じる場合には、そのままでは、搬送再開後、搬送ローラが加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間に、搬送挙動と印刷動作との不整合により印刷の乱れ(実印刷図像の歪み、かすれ、変形等)が生じる。
そこで、上記従来技術では、これを解消するために、印刷制御手段が、上記のように搬送再開時に複雑な態様となる搬送挙動に合わせて、サーマルヘッドの発熱素子の通電タイミングの切り替えを実行する。すなわち、例えば、上記のような搬送ローラの回転開始遅れやねじれ・歪みを考慮に入れ、そのような挙動が生じても結果として意図する形状の所望の印刷図像が印刷物に形成されるような、発熱素子の通電タイミングの切り替えパターンが予め算出され設定されている。そして搬送再開時に、搬送ローラが加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間は、その設定された通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印刷が行われる。
特開平10−827号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。すなわち、上記の搬送再開時の挙動は、搬送ローラやモータがある速度で回転動作している状態と、回転せず停止している状態との、2つの状態の大きな違いに基づき、上述したような種々の要因が複合することで生じるものである。したがって、定常搬送時に実行される搬送速度の大小によって、当該挙動の態様は大きく異なる。この結果、上記のように、搬送停止後の搬送再開から所定の搬送速度に到達するまでの間の通電切り替えパターンを予め設定しておいたとしても、搬送速度が例えば大きな値に変われば、当該設定された通電切り替えパターンは使用できない。このため、印刷装置の製造者は、印刷装置の製造販売時に、実験やシミュレーション等により多大な労力を払って通電切り替えパターンを設定していたとしても、その後の当該印刷装置のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合には、再度一から実験やシミュレーションを行って新たな通電切り替えパターンを作成する必要があった。この結果、製造者の負担が非常に大きくなっていた。
本発明の目的は、印刷装置のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合における、製造者の負担を低減できる、印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、搬送モータと、前記搬送モータの駆動力を用いて所定の第1速度で被印刷媒体を搬送するための搬送手段と、前記被印刷媒体を前記搬送手段により搬送する搬送方向と直交する方向に配列され、前記被印刷媒体を前記搬送方向に印刷解像度に分割してなる各印刷ライン上に少なくとも各ドットを形成する、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドと、前記搬送手段による搬送の開始後、印刷を行うための印刷データを1つの前記印刷ライン単位に分割したライン印刷データごとに通電態様を切り替えつつ、前記印刷データに対応した前記複数の発熱素子の通電制御を行う印刷制御手段と、前記サーマルヘッドより搬送方向下流側に配置される切断手段と、前記搬送手段による搬送の開始後、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印字開始位置から印字方向とは逆方向に設定された所定長さの前余白部の、前記搬送方向上流側の端部が前記切断手段に正対する位置で停止するように、前記搬送モータを制御する搬送制御手段と、前記搬送手段による前記被印刷媒体の搬送が停止したときに、前記切断手段が前記被印刷媒体を切断するように、前記切断手段を制御する切断制御手段と、を有する印刷装置であって、前記搬送制御手段は、前記切断手段による前記被印刷媒体の切断後、停止状態から加速して前記被印刷媒体の搬送を開始し、前記第1速度より小さな所定の第2速度で前記被印刷媒体の搬送が行われるまで、前記搬送モータの回転速度を上昇制御する一次加速制御手段と、前記一次加速制御手段の制御によって前記被印刷媒体の搬送速度が前記第2速度に到達したら、所定の第1期間、前記被印刷媒体が前記第2速度で等速搬送されるよう、前記搬送モータの回転速度を制御する第1等速制御手段と、前記第1等速制御手段の制御によって前記被印刷媒体が前記第1期間前記第2速度で搬送された後、その状態から、前記第1速度で前記被印刷媒体の搬送が行われるまで、前記搬送モータの回転速度を上昇制御する二次加速制御手段と、を備えており、前記印刷制御手段は、前記一次加速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短縮化制御する一次短縮化制御手段と、前記第1等速手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を一定間隔に保持する第1保持制御手段と、前記二次加速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短縮化制御する二次短縮化制御手段と、を備えており、前記一次短縮化制御手段及び前記二次短縮化制御手段は、前記一次加速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、及び、前記二次加速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、に対し、前記サーマルヘッドにより前記被印刷媒体に形成された実印刷図像の形状が前記印刷データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められた所定の一次短縮時切り替え特性及び二次短縮時切り替え特性に基づき、前記ライン印刷データごとの通電切り替えを行うことを特徴とする。
本願発明の印刷装置においては、搬送モータの駆動力により搬送手段が被印刷媒体を搬送し、その搬送される被印刷媒体に対しサーマルヘッドが所望の印刷を行う。印刷後の被印刷媒体に対し、切断手段が切断を行う。この際、切断手段が搬送方向に沿ってサーマルヘッドよりも下流側に設けられていることから、切断手段の切断位置からサーマルヘッドまでの間に搬送方向に沿ってある程度の距離がある。すなわち、今回印刷装置が搬送、印刷、切断動作を開始する際に、前回の切断動作による切断位置からサーマルヘッドまでの間は必然的に印刷できない空白部分となる。
切断後の印刷物において上記のような空白部分をなるべく少なくするために、本願発明の印刷装置では前余白部が設定され、この前余白部は、上記の一連の搬送、印刷、切断動作の最中に切断され、印刷物の本体から分離される。すなわち、搬送手段による搬送が開始されて印刷制御手段によってサーマルヘッドによる印刷が開始された後、上記前余白部の搬送方向上流側の端部(後端部)が切断手段に正対したら、搬送手段の制御により搬送モータの駆動が停止し、搬送手段による被印刷媒体の搬送が停止する。この際、印刷制御手段の制御によりサーマルヘッドによる印刷も停止する。この状態で、切断制御手段の制御により、切断手段が被印刷媒体を切断する。これにより、上記の空白部分を含む前余白部が、それ以外の印刷物本体から分離される。その後は、搬送手段の制御により搬送モータの駆動が再開して搬送手段による被印刷媒体の搬送が再開され、印刷制御手段の制御によるサーマルヘッドの印刷も再開される。印刷ヘッドによりすべての印刷データに対応した印刷が完了し、所定の被印刷媒体の後端位置が切断手段に正対したら、上記同様、搬送手段による被印刷媒体の搬送が停止され、切断手段が被印刷媒体を切断する。これにより、所望の長さの印刷物が完成する。
上記のように、本願発明の印刷装置では、1回の印刷物の生成動作の中で、印刷及び搬送を開始した後に、印刷及び搬送の一時停止そして再開、という手順を含む。ここで、前述のように搬送手段はモータの駆動力により駆動されて回転し、被印刷媒体に接触して摩擦により回転を伝達して搬送を行う。その際、上記搬送停止の際、搬送手段の慣性により、モータが回転停止しても搬送手段はやや遅れてわずかに動いた後に停止したり、その動きにより搬送手段にねじれや歪みが残存した状態で停止する場合がある。モータの種類によっては、モータ自体の慣性により、停止するまでの間にモータがわずかに回転する場合もある。そして、その後の搬送再開の際には、上記同様、搬送手段の慣性により、モータが回転再開しても搬送手段はやや遅れて回転開始したり、上述の搬送手段のねじれや歪みが残っている場合にはそれらを開放してから搬送手段が回転開始する場合がある。また、上記同様、モータの種類によっては、モータ自体の慣性により、回転を開始するまでの間にわずかに応答遅れがある場合もある。
一方、サーマルヘッドは、搬送方向と直交する方向に配列された複数の発熱素子を備えている。それら複数の発熱素子は、被印刷媒体の各印刷ライン上にドットを形成することにより、印刷を行う。具体的には、印刷制御手段の制御により、搬送手段により被印刷媒体が搬送され発熱素子の位置を被印刷媒体の印刷ラインが順次通過していくのに対応して、発熱素子の通電態様がライン印刷データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルヘッドは、搬送手段による被印刷媒体の搬送速度に合わせた印刷速度で、印刷を行うことができる。
そして、サーマルヘッドはさらに、印刷制御手段の制御により、上記の搬送停止及び搬送再開の際には、印刷停止及び印刷再開を行う。但し、搬送停止時に上述のような挙動が生じる場合には、そのままでは、搬送再開後、搬送手段が加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間に、搬送挙動と印刷動作との不整合により印刷の乱れ(実印刷図像の歪み、かすれ、変形等)が生じる。これを解消するために、印刷制御手段は、上記のように搬送再開時に複雑な態様となる搬送挙動に合わせて、上記発熱素子の通電切り替えを実行する。すなわち、例えば、上記のような搬送手段の回転開始遅れやねじれ・歪みを考慮に入れ、そのような挙動が生じても結果として意図する形状の所望の印刷図像が印刷物に形成されるような、発熱素子の通電切り替えパターンを予め算出し設定しておく。そして搬送再開時に、搬送手段が加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間は、その設定された通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印刷が行われる。
そこで、本願発明においては、搬送停止後の搬送再開時に、所定の搬送速度まで搬送手段の回転を一気に加速するのではなく、中間の搬送速度を設け、当該搬送速度まで一次的に加速して当該速度で等速回転させた後、さらに加速して上記所定の搬送速度に到達する制御を行う。すなわち、搬送モータを制御する搬送制御手段が、一次加速制御手段と、第1等速制御手段と、二次加速制御手段とを備えている。搬送再開時には、まず一次加速制御手段の制御により、搬送モータは、停止状態から加速され、定常運転時の搬送速度である第1速度より小さな第2速度で搬送が行われるまで、回転速度が上昇する。その後、第1等速制御手段の制御により、搬送モータは、所定の期間等速で回転する。これにより、搬送手段は、当該所定の期間、上記第2速度で等速で搬送を行う。その後、二次加速制御手段の制御により、搬送モータは、さらに加速され、定常運転時の搬送速度である第1速度で搬送が行われるまで、回転速度が上昇する。
そして上記に対応して、サーマルヘッドを制御する印刷制御手段が、一次短縮化制御手段と、第1保持制御手段と、二次短縮化制御手段とを備えている。一次短縮化制御手段は、搬送再開直後における上記一次加速制御手段による搬送モータの加速制御に対応して、サーマルヘッドに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短くするように短縮化制御する。その後、第1保持制御手段が、上記第1等速手段による搬送モータの等速制御に対応して、サーマルヘッドの上記通電タイミングの間隔を一定間隔に保持する。そして、二次短縮化制御手段が、上記二次加速制御手段による搬送モータの加速制御に対応して、サーマルヘッドのライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短くするように短縮化制御する。
以上のように、本願発明においては、搬送再開後の搬送モータの加速区間を、前半加速区間(一次加速制御手段による第2速度までの加速制御)と後半加速区間(二次加速制御手段による第1速度までの加速制御)とに分割する制御態様とする。本願発明の印刷装置の製造者は、上記一次加速制御手段による加速制御に対応した一次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンと、上記二次加速制御手段による加速制御に対応した二次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンとを、実験やシミュレーション等により算出し設定する。
ここで、前述のように、搬送速度の増大の必要が生じた場合、それに応じて加速の最終到達目標である第1速度は当該必要に応じて変更しなければならない。しかしながら、中間速度である第2速度はそのまま変更せずに搬送制御及び印刷制御を実行することができる。したがって、このような場合であっても、製造者は、一次加速制御手段による加速制御に対応した上記一次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンはそのまま使用することができ、前述の従来手法のように新たに実験やシミュレーションを行う必要はない。
但し、二次加速制御手段による加速制御に対応した上記二次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンは、新たに実験やシミュレーション等を行う必要がある。ここで、前述の従来手法での通電切り替えパターンは、搬送手段やモータがある速度で回転動作している状態、及び、回転せず停止している状態の、大きな違いのある2つの状態に対応するものである。これに対し、上記二次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンは、搬送手段やモータにより被印刷媒体が第2速度で搬送されている状態と、搬送手段やモータにより被印刷媒体が第1速度で搬送されている状態と、いずれも搬送手段及びモータは回転動作している状態であり、上述ほどは2つの状態に大きな違いはない。この結果、上述した搬送速度の増大に伴う、上記二次短縮化制御手段のための通電切り替えパターンの再作成に必要な実験やシミュレーション等は、上記従来手法に必要な実験やシミュレーション等に比べると、はるかに容易かつ簡易なもので足りる。したがって、印刷装置のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合における、製造者の負担を低減することができる。
本発明によれば、印刷装置のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合における、製造者の負担を低減することができる。
印字ラベル作成装置を斜め上方向から見た外観を表す斜視図である。 印字ラベル作成装置の外観を表す平面図である。 透明パネルを外した状態での印字ラベル作成装置の外観を表す斜視図である。 印字ラベル作成装置の分解斜視図である。 カートリッジの内部構造を模式的に表す拡大平面図である。 印字ラベル作成装置の制御系を表す概念図である。 被印刷媒体の搬送・切断挙動の概要を説明する説明図である。 印刷速度およびモータ回転速度の時間的変化を表す図である。 搬送再開前後の印刷図像の形成状態を表す図である。 印刷速度とモータ回転速度とを合致させるための一般的制御手法を表す図である。 搬送速度の高速化が要求された場合の印刷速度およびモータ回転速度の時間的変化を表す図である。 本発明の一実施形態における、印刷速度とモータ回転速度とを合致させるための制御手法を表す図である。 制御回路により実行される制御手順を表すフローチャートである。 図13のステップS5の詳細手順を表すフローチャートである。 図13のステップS7の詳細手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、本発明を印刷装置としての印字ラベル作成装置1に適用したものである。この印字ラベル作成装置1は、所望の印刷を行った印字済ラベル用テープを所定の長さに切断することにより印字ラベルを作成するものである。まず、この印字ラベル作成装置1の概略構成について説明する。
<装置概略構成>
図1に示すように、印字ラベル作成装置1の外郭を構成する筐体2は、装置下面を構成しかつ装置側面と一体となった樹脂製の下カバー15と、装置上面を構成する樹脂製の上カバー17とにより構成されている。上カバー17は、上面後部側にてカートリッジ8を装着するために開放可能とした、カートリッジカバー17aを備えている。上カバー17には、前方向から後方向に向けて、文字入力等の種々の操作が行われるキーボード3と、電源スイッチや印刷キー等の印字ラベル作成装置1の各種機能を実行させるための機能キー群4と、例えば矩形開口状の開口部6と、この開口部6を塞ぐように装着された透明パネル7とが設けられている。開口部6の内側には、入力した文字や記号等を表示するための液晶ディスプレイ5が配置されている。
図2〜図4に示すように、上記開口部6は、液晶ディスプレイ5を筐体2の外側から視認可能とするために当該筐体2に設けられている。筐体2の内部には、例えば液晶ディスプレイ5の下側に配置され、電子素子(ICチップ等)を実装するとともに後述の制御回路210(図6参照)等を備えたメイン基板(図示せず)と、メイン基板の上記制御回路210にコネクタ5a(図4参照)を介して接続され、複数のキー用接点を有するキー基板50とが設けられている。
キー基板50は、基材上に導電材料により形成した配線パターンを電気絶縁性のレジスト層により被覆したプリント配線基板である。また、キー基板50は、基材上に導電材料により形成された回路用配線パターン及び接地用配線パターンと、回路用配線パターンに接続されカーボン等により形成された複数のキー用接点と、を有している。
キー用接点は、前述したキーボード3及び機能キー群4を構成する各キーに対応する位置にそれぞれ設けられている。このキー用接点は、操作者がキーボード3及び機能キー群4の各キーを操作した際に閉成される。回路用配線パターンは、少なくとも1つのキー用接点と対応するコネクタ5aの端子とを接続してキー回路を構成する。接地用配線パターンは、例えば回路用配線パターンの周囲を覆うように、キー基板の外周部に沿って、端子孔の穿設部分を除く基板周囲全体に形成されている。
<カートリッジホルダ及びカートリッジ>
図5を用いて、カートリッジホルダ及びカートリッジの構造を説明する。図5に示すように、印字ラベル作成装置1の上面後部側には、印字済ラベル用テープ109を供給するカートリッジ8を着脱可能なカートリッジホルダ9が設けられている。このカートリッジホルダ9は、上記カートリッジカバー17aによって常時閉塞されており、カートリッジカバー17aを開放するとカートリッジホルダ9が露出されるようになっている。カートリッジホルダ9には、カートリッジ8内の使用済みのインクリボン105を巻き取るためのリボン巻取りローラ駆動軸107と、印字済ラベル用テープ109を搬送するためのテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段)とが設けられている。またカートリッジホルダ9には、カバーフィルム103(被印刷媒体)に所望の印刷を行うサーマルヘッド23が、カートリッジ8の装着時にその開口部に位置するように設けられている。
カートリッジ8は、筐体8Aと、この筐体8A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104(実際は渦巻き状であるが、図では簡略的に同心円状に示す)と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のインクリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ8のテープ排出部の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ(搬送ローラ)27を有する。
第1ロール102は、リール部材102aの周りに上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101は、例えば、内側に巻かれる側よりその反対側へ向かって、貼り合わせ用の粘着剤層、ベースフィルム、貼り付け用の粘着剤層、剥離紙の順序で積層され構成されている。第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済みラベル用テープ109としつつ、図5中矢印Aで示す方向にテープ送りを行う。なお、リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、ローラ駆動用モータ208(搬送モータ。後述の図6参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって、連動して回転駆動される。
また、印字済ラベル用テープ109の搬送経路に沿ってテープ送りローラ27及び圧着ローラ28の下流側には、カッターレバーの操作により印字済ラベル用テープ109を所定の長さに切断するための、カッタ40(切断手段)が設けられている。
上記構成において、カートリッジ8が上記カートリッジホルダ9に装着されると、カバーフィルム103及びインクリボン105がサーマルヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図5中矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、テープ送りローラ27へ供給される。なお、圧着ローラ28及びプラテンローラ26は、例えば、上記テープ送りローラ27の駆動によるテープ搬送により回転する被駆動ローラである。あるいは、圧着ローラ28及びプラテンローラ26が図示しないギヤ機構により上記テープ送りローラ駆動軸108と同期して(テープ送りローラ27と同じ搬送速度を与えるように)回転駆動してもよい。この場合は、上記テープ送りローラ駆動軸108、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が各請求項記載の搬送手段を構成する。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、後述する印刷駆動回路205によりサーマルヘッド23の複数の発熱素子23a(後述の図6参照)が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に所望の印字R(後述の図6参照)が印刷される。
そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済みラベル用テープ109として形成され、テープ排出部よりカートリッジ8外へと搬出される。カバーフィルム103への印字Rの形成が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
その後、印字済ラベル用テープ109は、カッターレバーの操作に基づくカッタ40の動作によって所定の長さに切断され、印字ラベルL(後述の図7(e)参照)が生成される。
<制御系>
図6を用いて、印字ラベル作成装置1の制御系を説明する。図6において、前述したように、第2テープロール104から繰り出されたカバーフィルム103に対しサーマルヘッド23の発熱素子23aによって所望の印字Rが形成される。そして、この印字形成後のカバーフィルム103と、第1テープロール101から繰り出された基材テープ101とが、テープ送りローラ27によって貼り合わされ、印字済みラベル用テープ109が形成される。印字済みラベル用テープ109はカッタ40により所望の長さに切断され、印字ラベルLが形成される。
また、印字ラベル作成装置1には、上記サーマルヘッド23の発熱素子23aへの通電を行う印刷駆動回路205と、上記テープ送りローラ27を回転させるテープ送りローラ駆動軸108(図3及び図5参照)とリボン巻取りローラ106を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸107とを駆動するローラ駆動用モータ208を制御するローラ駆動回路209と、カッタ40を切断動作させるカッタソレノイド280への通電を制御するカッタソレノイド駆動回路300と、印刷駆動回路205、ローラ駆動回路209、カッタソレノイド駆動回路300等を介し、印字ラベル作成装置1全体の動作を制御するための制御回路210と、が設けられている。この操作部は制御回路210に接続され、操作部による上記各設定に応じて、制御回路210を通じて印刷駆動回路205、ローラ駆動回路209、プラテンローラ用モータ208、カッタソレノイド駆動回路300等を制御する。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う。またこの制御回路210は、電源回路により給電されるとともに、通信回路を介し例えば通信回線に接続され、この通信回線に接続された図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。なお、制御回路210にはまた、上記キー基板50に設けられキーボード3及び機能キー群4の操作に対応して閉成されるキー用接点からの操作信号が入力される。
以上の基本構成である印字ラベル作成装置1において、本実施形態の最大の特徴は、カバーフィルム103に対するサーマルヘッド23による印字(印刷)動作と、カバーフィルム103、基材テープ101、及び印字済みラベル用テープ109(以下適宜、単に「テープ103等」と称する)に対するテープ送りローラ27による(言い換えればテープ送りローラ駆動軸108による、以下同様)搬送動作との、連携制御態様にある。以下、その詳細を、順を追って説明する。
<搬送・切断動作の概要>
上記したように、本実施形態においては、ローラ駆動用モータ208の駆動力によりテープ送りローラ27がテープ103等を搬送し、搬送されるカバーフィルム103に対しサーマルヘッド23が所望の印刷を行う。印刷後のカバーフィルム103を含む印字済みラベル用テープ109に対し、カッタ40が切断を行う。この際、カッタ40が搬送方向に沿ってサーマルヘッド23よりも下流側に設けられていることから、カッタ40による切断位置からサーマルヘッド23までの間に搬送方向に沿って所定の距離Xが必然的に存在する(図5及び図6参照)。すなわち、今回、印字ラベル作成装置1がテープ103等に対して搬送、印刷、切断動作を開始する際、カバーフィルム103の前回のカッタ40の切断動作による切断位置Cfからサーマルヘッド23に正対する位置までの間の部分(上記距離Xに相当)は必然的に、印刷できない空白部分となる(図7(a)参照)。
そこで、切断後の印字ラベルにおいて上記のような空白部分をなるべく少なくするために、本実施形態では、前余白部S1が設定される。そして、この前余白部S1が上記の一連の搬送、印刷、切断動作の最中に切断され、分離される。すなわち、テープ送りローラ27による搬送が開始されてサーマルヘッド23によって所望の印字Rの印刷が開始された後(図7(b)、図7(c)参照)、上記前余白部S1の搬送方向上流側の端部(後端部)Cbがカッタ40に正対したら、テープ送りローラ27によるテープ103等の搬送が停止する(図7(d)参照)。この際、サーマルヘッド23による印刷も一時停止する。この状態で、カッタ40が印字済みラベル用テープ109の上記端部Cbを切断する。これにより、上記の前余白部がS1がそれ以外の部分から分離される(図7(d)参照)。その後は、テープ送りローラ27によるテープ103等の搬送が再開され、サーマルヘッド23の印刷も再開される。サーマルヘッド23により印字ラベルLのすべての印刷データに対応した印刷が完了し、印字済みラベル用テープ109の所定の後端位置Crがカッタ40に正対したら、上記同様、テープ送りローラ27によるテープ103等の搬送が停止され、カッタ40がカバーフィルム103の当該後端位置Crを切断する。これにより、所望の長さの印字ラベルL(印刷物)が完成する(図7(e)参照)。なお、図7(a)〜図7(c)に示す減速境界線Cp及びこれに係わる減速距離Pについては、後述する。
<印刷と搬送のずれが生じる原理>
上記のように、本実施形態では、1回の印字ラベルLの生成動作の中で、印刷及び搬送を開始した後に、印刷及び搬送の一時停止、印刷及び搬送の再開、という手順を含む(図8(a)参照)。ここで、前述のようにテープ送りローラ27はローラ駆動用モータ208の駆動力により駆動されて回転し、テープ103等に接触して摩擦により回転を伝達して搬送を行う。その際、上記印刷及び搬送の一時停止の際、テープ送りローラ27の慣性により、ローラ駆動用モータ208が回転停止してもテープ送りローラ27はやや遅れてわずかに動いた後に停止したり、その動きによりテープ送りローラ27にねじれや歪みが残存した状態で停止する場合がある。ローラ駆動用モータ208の種類によっては自体の慣性により、停止するまでの間にローラ駆動用モータ208がわずかに回転する場合もある(図8(b)参照)。
また、その後の搬送再開の際には、上記同様、テープ送りローラ27の慣性により、ローラ駆動用モータ208が回転再開してもテープ送りローラ27はやや遅れて回転開始したり、上述のテープ送りローラ27のねじれや歪みが残っている場合にはそれらを開放してからテープ送りローラ27が回転開始する場合がある。また、上記同様、ローラ駆動用モータ208の種類によっては、自体の慣性により、回転を開始するまでの間にわずかに応答遅れがある場合もある(図8(b)参照)。
<サーマルヘッドの通電制御>
一方、サーマルヘッド23は、上述したように、搬送方向と直交する方向に配列された複数の発熱素子23aを備えている。それら複数の発熱素子23aは、カバーフィルム103の各印刷ライン上に上記印刷データに対応したドットを形成することにより、印刷を行う。具体的には、上記制御回路210が、上記キーボード3や機能キー群4を介した操作者の操作により取得された例えば文字列情報から、発熱素子23aでドットを形成するための上記印刷データを生成する。すなわち、制御回路210は入力された文字列と制御回路210内のCG−ROM(図示せず)等に予め格納されていたドットパターンとに基づいて、印刷対象とする印刷データ(ドット単位のデータで構成されたイメージデータ)を生成し、更にその印刷データを、サーマルヘッド23に列設された発熱素子23aで印刷される1ライン単位に分割する。例えば、印刷解像度が360dpiに設定されている場合には1インチ当たり360ラインに分割したライン印刷データが生成される。そして、上記印刷駆動回路205が、制御回路210からの上記ライン印刷データに基づき、サーマルヘッド23に駆動信号を供給し、サーマルヘッド23の駆動態様を制御する。すなわち、印刷駆動回路205は、発熱素子23a毎に対応付けられたストローブ番号に基づいて、各発熱素子23aの通電の有無を制御することで、サーマルヘッド23全体の発熱態様を制御する。
ここで、サーマルヘッド23への通電により、カバーフィルム103の各印刷ライン上にドットが形成される過程について詳述する。ここで印刷ラインとは、一列の発熱素子23aに一印刷周期の通電がなされることによりカバーフィルム103の幅方向に一列のドットが形成されるラインであり、カバーフィルム103の搬送方向の単位長さを解像度により分割した間隔ごとにある。また、一印刷周期とは、カバーフィルム103の幅方向に一列のドットを形成するために必要な時間であり、印刷開始時のサーマルヘッド23の熱容量不足を補うための“予備加熱1”の時間と、対応する発熱素子23aの温度を熱転写が可能となる(即ち、インクリボン105のインク層を溶融させることが可能な)所定温度(以下、インク溶融必要温度といい、例えば90°である)へと上昇させるための“予備加熱2”の時間と、対応する発熱素子23aの温度をインク溶融必要温度で一定に保つための“本加熱”の時間と、からなる。なお、一印刷周期の長さは解像度とテープ103等の搬送速度により変わる。例えば、360dpi、40mm/sでの印刷時の一印刷周期は、360dpiでの印刷ライン間(約0.07mm)を40mm/sで通過するのに必要な時間(約1.8ms)である。
したがって、カバーフィルム103の幅方向に1列のドットを形成するに当たり、サーマルヘッド23には制御回路210が生成した1印刷ライン分のライン印刷データが転送され、転送された1印刷ライン分のライン印刷データに基づいて、対応する発熱素子23aが通電される。1印刷ライン分のライン印刷データとは、一列の発熱素子23aに一印刷周期の通電がなされることによりカバーフィルム103の幅方向に一列のドットが形成されるための印刷データである。よって1印刷ライン分のライン印刷データに基づいて通電された発熱素子23aはインク層のインクを溶融させるのに必要なインク溶融必要温度(例えば90°)まで発熱する。その結果、インクリボン105のインク層の内、サーマルヘッド23と接触する箇所のインクがサーマルヘッド23の加熱により溶融する。そして、溶融されたインク層のインクがカバーフィルム103に接着され、その後、インクリボン105をカバーフィルム103から離間させることにより、接着されたインクのみが1印刷ライン分のドットとしてカバーフィルム103へと転写される。そして、カバーフィルム103及びインクリボン105を適宜の搬送速度(詳細は後述する)で搬送しつつ、上記熱転写の処理を1印刷ラインずつ繰り返し実行する。サーマルヘッド23に配列された多数の発熱素子23aはその都度、制御回路210から転送される各印刷ライン分の印刷データに基づいて選択的かつ間欠的に通電される。その結果、カバーフィルム103には、上述した、上記キーボード3や機能キー群4を介した操作者の操作に対応した、操作者が所望するドット画像(テキスト文字など)が印字Rとして形成される。
上記のようにして、本実施形態では、カバーフィルム103が搬送され発熱素子23aの位置をカバーフィルム103の印刷ラインが順次通過していくのに対応して、発熱素子23aの通電態様がライン印刷データごとに順次切り替えられる。これにより、サーマルヘッド23は、テープ103等の搬送速度に合わせた印刷速度で、印刷を行うことができる(図9(a)参照)。
一方、上述したように、本実施形態では、図7(a)〜(d)を用いて前述したように、前余白部S1の端部Cbを切断するためにテープ103等の搬送が停止・再開されるとき、サーマルヘッド23もこれに合わせて印刷停止・印刷再開を行う。但し、搬送停止時に上述のような挙動が生じる場合には、そのままでは、搬送再開後、テープ送りローラ27が加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間に、搬送挙動と印刷動作との不整合により印刷の乱れ(実印刷図像の歪み、かすれ、変形等)が生じる。また、搬送停止時にも、所定の搬送速度からテープ送りローラ27が減速されて停止するまでの間に、上記同様、搬送挙動と印刷動作との不整合により印刷の乱れ(実印刷図像の歪み、かすれ、変形等)が生じる(図9(b)参照)。
<印刷乱れの解消のための一般的手法>
上記の印刷の乱れを解消するために、通常、上記のように搬送再開時に複雑な態様となる搬送挙動に合わせて、上記発熱素子23aの通電切り替えが実行される。すなわち、例えば、上記のようなテープ送りローラ27の回転開始遅れやねじれ・歪み等を考慮に入れ、そのような挙動が生じても結果として意図する形状の所望の印刷図像(印字R等)が印字ラベルLに形成されるような、発熱素子23aの通電切り替えパターンを予め算出し設定しておく。そして搬送再開時に、テープ送りローラ27が加速されて所定の搬送速度に到達し定常的に回転するまでの間は、その設定された通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印刷が行われる(図10の(a)及び図10(b)参照)。同様に、搬送停止時においても、テープ送りローラ27が所定の搬送速度で定常的に回転している状態から減速されて停止するまでの間も、所定の通電切り替えパターンに沿って発電素子の通電が切り替えられ、印刷が行われる。
しかしながら、上記の搬送再開時の挙動及び搬送停止時の挙動は、テープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208がある速度で回転動作している状態と、回転せず停止している状態との、2つの状態の大きな違いに基づき、上述したような種々の要因が複合することで生じるものである。したがって、定常搬送時に実行される搬送速度の大小によって、当該挙動の態様は大きく異なる。この結果、上記のように、搬送停止後の搬送再開から所定の搬送速度に到達するまでの間(又は所定の搬送速度から減速して搬送停止するまでの間)の通電切り替えパターンを予め設定しておいたとしても、搬送速度が例えば大きな値に変われば、当該設定された通電切り替えパターンは使用できない。このため、印字ラベル作成装置1の製造者は、装置の製造販売時に、実験やシミュレーション等により多大な労力を払って通電切り替えパターンを設定していたとしても、その後の当該印字ラベル作成装置1のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合(図11(a)及び図11(b)の破線参照)には、再度一から実験やシミュレーションを行って新たな通電切り替えパターンを作成する必要があった。
<印刷乱れの解消のための本実施形態の手法原理>
そこで、本実施形態においては、搬送停止後の搬送再開時に、所定の搬送速度までテープ送りローラ27の回転を一気に加速するのではなく、図12(a)に示すように、中間の搬送速度(第2速度)を設け、当該搬送速度まで一次的に加速して当該速度で等速回転させた後、さらに加速して上記所定の搬送速度に到達する制御を行う。
すなわち、搬送再開時には、まず一次加速制御により、ローラ駆動用モータ208は、停止状態から加速され、定常運転時の搬送速度である第1速度より小さな第2速度で搬送が行われるまで、回転速度が上昇する。その後、ローラ駆動用モータ208は、所定の期間等速で回転する。これにより、テープ送りローラ27は、当該所定の期間、上記第2速度で等速搬送を行う。その後、二次加速制御により、ローラ駆動用モータ208は、さらに加速され、定常運転時の搬送速度である第1速度で搬送が行われるまで、回転速度が上昇する。
そして上記に対応して、サーマルヘッド23に対しては、一次短縮化制御及び二次短縮化制御が行われる。一次短縮化制御では、搬送再開直後における上記一次加速制御によるローラ駆動用モータ208の加速制御に対応して、上述した、サーマルヘッド23に対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短くするように短縮化制御される(言い換えれば印刷速度を加速するよう制御する。以下同様)。その後、上記ローラ駆動用モータ208の等速制御に対応して、サーマルヘッド23の上記通電タイミングの間隔が一定間隔に保持される。そして、二次短縮化制御で、上記二次加速制御によるローラ駆動用モータ208の加速制御に対応して、サーマルヘッド23のライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短くするように短縮化制御される。
また、本実施形態においては、搬送停止時においても、上記の搬送再開時と同様、所定の搬送速度からテープ送りローラ27の回転を一気に減速して停止するのではなく、中間の搬送速度(第3速度)を設け、当該搬送速度まで一次的に減速して当該速度で等速回転させた後、さらに減速して搬送停止する制御を行う。すなわち、搬送停止時には、まず一次減速制御により、ローラ駆動用モータ208は、第1速度で搬送が行われている状態から減速され、第1速度より小さな第3速度で搬送が行われるまで、回転速度が下降する。その後、ローラ駆動用モータ208は、所定の期間等速で回転する。これにより、テープ送りローラ27は、当該所定の期間、上記第3速度で等速で搬送を行う。その後、二次減速制御により、ローラ駆動用モータ208は、さらに減速され、搬送が停止するまで、回転速度が下降する。
そして上記に対応して、サーマルヘッド23に対しては、一次伸長化制御及び二次伸長化制御が行われる。一次伸長化制御では、搬送減速開始直後における上記一次減速制御によるローラ駆動用モータ208の減速制御に対応して、上述した、サーマルヘッド23に対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を長くするように伸長化制御される(言い換えれば印刷速度を減速するよう制御する。以下同様)。その後、上記ローラ駆動用モータ208の等速制御に対応して、サーマルヘッド23の上記通電タイミングの間隔が一定間隔に保持される。そして、二次伸長化制御で、上記二次減速制御によるローラ駆動用モータ208の減速制御に対応して、サーマルヘッド23のライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を長くするように伸長化制御される。
<制御内容の詳細>
上記の制御内容を実行するために、制御回路210が実行する制御手順を、図13〜図15により説明する。
図13において、まず、ステップS1で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力し、ローラ駆動用モータ209の駆動を開始する。これにより、テープ送りローラ駆動軸108が回転駆動してテープ送りローラ27の回転が開始されて、前述のように、カバーフィルム103、基材テープ101、及びこれらが貼り合わされた印字済みラベル用テープ109の搬送が開始される。
その後、ステップS2で、制御回路210は、カバーフィルム103の搬送方向位置が所定の印刷開始位置に達したかどうかを公知の手法で判定する。印刷開始位置に達していない場合(ステップS2:NO)の場合は判定が満たされず、ステップS1に戻って同様の手順を繰り返す。印刷開始位置に達したらステップS2の判定が満たされ(ステップS2:YES)、ステップS3に移る。
ステップS3では、制御回路210は、印刷駆動回路205に上記印刷データに基づく制御信号を出力する。これにより、上記印刷データに対応したサーマルヘッド23の発熱素子23aが駆動され、カバーフィルム103に対し、印刷データに対応した印字Rが形成される。その後、ステップS4に移る。
ステップS4では、制御回路210は、ステップS1で搬送開始してからの搬送量が前述の距離Xより所定の減速距離Pだけ小さい値、すなわちX−Pに達したかどうかを判定する。図7(a)〜(d)を用いて前述したように、テープ103等の搬送を開始した後、前余白部S1の端部Cbを切断するためには、搬送開始後の搬送量が上記距離Xとなったときに搬送を停止すればよい。しかしながら、上述したように、本実施形態では、搬送を停止する直前に減速制御(一次減速制御及び二次減速制御)が行われる。したがって、当該減速制御が行われている間の搬送距離をP(予め算出され設定されている)として、搬送開始後の搬送量がX−Pとなったかどうか(言い換えれば減速境界線Cpがカッタ40に正対したかどうか)を検出し、これが検出されたら減速制御を開始するようにしているのである。この搬送量の検出は、適宜の公知の手法を用いればよい。例えばローラ駆動用モータ208がパルスモータである場合には、上記ステップS1でテープ103等の搬送を開始してからのパルス数をカウントしてもよい(なお、ローラ駆動用モータ208はパルスモータではなく通常のDCモータを使用することもできる)。あるいは、テープ103等に設けた適宜の識別子をセンサ等により検出するようにしてもよい。ステップS1での搬送開始後の搬送量がX−PとなるまではステップS4の判定が満たされず(ステップS4:No)ループ待機し、搬送量がX−PとなったらステップS4の判定が満たされ(ステップS4:YES)、ステップS5に移る。
ステップS5では、制御回路210は、搬送停止処理及び印刷停止処理(詳細は後述の図14参照)を行って、テープ103等の搬送及びサーマルヘッド12による印刷を停止する。その後、ステップS6に移る。
ステップS6では、制御回路210は、カッタソレノイド駆動回路300に制御信号を出力する。これにより、カッタソレノイド280が通電されて励磁され、カッタ40が切断動作を行って、印字済みラベル用テープ109を上記前余白部S1の端部Cbにおいて切断する。なお、このステップS6が各請求項記載の切断制御手段として機能する。その後、ステップS7に移る。
ステップS7では、制御回路210は、搬送再開処理及び印刷再開処理(詳細は後述の図15参照)を行って、テープ103等の搬送及びサーマルヘッド23による印刷を再開する。なお、上記ステップS5及びステップS7が、各請求項記載の印刷制御手段及び搬送制御手段として機能する。その後、ステップS8に移る。
ステップS8では、制御回路210は、テープ103等の搬送方向位置が所定の印刷終了位置に達したかどうか(言い換えれば、上記印刷データに対応して決定される、印字Rを形成すべき印字領域の終端部に対向する位置に、サーマルヘッド23が到達したかどうか)を判定する。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされず(ステップS8:NO)ループ待機し、印刷終了位置に到達したらステップS8の判定が満たされ(ステップS8:YES)、ステップS9に移る。
ステップS9では、制御回路210は、印刷駆動回路205に対して制御信号を出力し、上記印刷データに対応したサーマルヘッド23の発熱素子23aの通電を停止し、印刷を終了させる。その後、ステップS10に移る。
ステップS10では、制御回路210は、印字済みラベル用テープ109の搬送方向位置がテープ切断位置まで到達したか、言い換えれば上記後端位置Crがカッタ40に正対したかどうか、を判定する。テープ切断位置に到達するまでは判定が満たされず(ステップS10:NO)ループ待機し、テープ切断位置に到達したらステップS10の判定が満たされ(ステップS10:YES)、ステップS11に移る。
ステップS11では、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力し、ローラ駆動用モータ209の駆動を停止する。これにより、テープ送りローラ駆動軸108の回転駆動が停止してテープ送りローラ27の回転が停止する。この結果、カバーフィルム103、基材テープ101、及びこれらが貼り合わされた印字済みラベル用テープ109の搬送が停止される。
ステップS12では、制御回路210は、上記ステップS6と同様、カッタソレノイド駆動回路300に制御信号を出力する。これにより、カッタソレノイド280が通電されて励磁され、カッタ40が切断動作を行って、印字済みラベル用テープ109を上記後端位置Crにおいて切断し、印字ラベルLを生成する。その後、このフローを終了する。
図13のステップS5の搬送停止・印刷停止処理の詳細を図14を用いて説明する。
図14において、まずステップS21で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することにより、予め定められた所定の第1搬送減速パターンにより、搬送速度を一次減速する(図12(a)参照)。具体的には、ローラ駆動用モータ208の回転が、テープ103等を通常の第1速度で搬送していている状態から減速され、第1速度より小さな所定の第3速度でテープ103等の搬送が行われるようになるまで、回転速度が下降する。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して予め定められた所定の第1印刷減速パターン(一次伸張時切り替え特性)により、印刷速度を一次減速する(図12(b)参照)。具体的には、上記ローラ駆動用モータ208の減速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を長くする伸長化制御が実行される。なお、このステップS21が各請求項記載の一次減速制御手段及び一次伸張化制御手段として機能する。
その後、ステップS22において、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力し、予め定められた所定の第2期間、ローラ駆動用モータ208の回転が上記減速された後の第3速度で等速保持されるよう、駆動制御する(図12(a)参照)。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力し、上記ローラ駆動用モータ208の等速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔が一定に保持されるよう(言い換えれば印刷速度が一定に保持されるよう)、制御する(図12(b)参照)。なお、このステップS22が各請求項記載の第2等速制御手段及び第2保持制御手段として機能する。
そして、ステップS23で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することにより、予め定められた所定の第2搬送減速パターンにより、搬送速度を二次減速する(図12(a)参照)。具体的には、ローラ駆動用モータ208の回転が、テープ103等を上記第3速度で搬送している状態からさらに減速されて搬送停止になるまで、回転速度が下降する。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して、予め定められた所定の第2印刷減速パターン(二次伸張時切り替え特性)により、印刷速度を二次減速する(図12(b)参照)。すなわち、上記ローラ駆動用モータ208の減速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔をさらに長くする伸長化制御が実行される。なお、このステップS23が各請求項記載の二次減速制御手段及び二次伸張化制御手段として機能する。
その後、ステップS24で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することで、テープ103等の搬送を停止する。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して、発熱素子23aの通電を停止して印刷を停止する。その後、このルーチンを終了する。
図13のステップS7の搬送再開・印刷再開処理の詳細を図15を用いて説明する。
図15において、まずステップS21で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することにより、予め定められた所定の第1搬送加速パターンにより、搬送速度を一次加速する(図12(a)参照)。具体的には、ローラ駆動用モータ208の回転が、テープ103等の搬送停止状態から加速され、通常の上記第1速度より小さな所定の第2速度(上記第3速度と同じ値でも異なる値でもよい)でテープ103等の搬送が行われるようになるまで、回転速度が上昇する。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して予め定められた所定の第1印刷加速パターン(一次短縮時切り替え特性)により、印刷速度を一次加速する(図12(b)参照)。具体的には、上記ローラ駆動用モータ208の加速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短くする短縮化制御が実行される。なお、このステップS31が各請求項記載の一次加速制御手段及び一次短縮化制御手段として機能する。
その後、ステップS32において、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力し、予め定められた所定の第1期間(上記第2期間と同じ値でも異なる値でもよい)、ローラ駆動用モータ208の回転が上記加速された後の第2速度で等速保持されるよう、駆動制御する(図12(a)参照)。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力し、上記ローラ駆動用モータ208の等速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔が一定に保持されるよう(言い換えれば印刷速度が一定に保持されるよう)、制御する(図12(b)参照)。なお、このステップS32が各請求項記載の第1等速制御手段及び第1保持制御手段として機能する。
そして、ステップS33で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することにより、予め定められた所定の第2搬送加速パターンにより、搬送速度を二次加速する(図12(a)参照)。具体的には、ローラ駆動用モータ208の回転が、テープ103等を上記第2速度で搬送している状態からさらに加速されてテープ103等を上記第1速度で搬送している状態(定常搬送状態)になるまで、回転速度が上昇する。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して、予め定められた所定の第2印刷加速パターン(二次短縮時切り替え特性)により、印刷速度を二次加速する(図12(b)参照)。すなわち、上記ローラ駆動用モータ208の加速制御に対応して、サーマルヘッド23の発熱素子23aに対するライン印刷データごとの通電タイミングの間隔をさらに短くする短縮化制御が実行される。なお、このステップS33が各請求項記載の二次加速制御手段及び二次短縮化制御手段として機能する。
その後、ステップS34で、制御回路210は、ローラ駆動回路209に制御信号を出力してローラ駆動用モータ208を駆動制御することで、テープ103等を上記第1速度で搬送する定速搬送状態(定常搬送状態)とする。また同時に制御回路210は、印刷駆動回路205に制御信号を出力して、発熱素子23aの通電タイミングの間隔を上記定常搬送状態に対応した一定間隔に保持する。その後、このルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、搬送再開後のローラ駆動用モータ208の加速区間を、前半加速区間(一次加速制御による第2速度までの加速制御)と後半加速区間(二次加速制御による第1速度までの加速制御)とに分割する制御態様とする。ラベル作成装置1の製造者(メーカー)は、上記一次加速制御に対応した一次短縮化制御のための通電切り替えパターンと、上記二次加速制御に対応した二次短縮化制御のための通電切り替えパターンとを、実験やシミュレーション等により算出し設定する。
ここで、前述のように、搬送速度の増大の必要が生じた場合、それに応じて加速の最終到達目標である第1速度は当該必要に応じて変更しなければならない。しかしながら、中間速度である上記第2速度はそのまま変更せずに搬送制御及び印刷制御を実行することができる。したがって、このような場合であっても、製造者は、一次加速制御に対応した上記一次短縮化制御のための通電切り替えパターンはそのまま使用することができ、前述の従来手法のように新たに実験やシミュレーションを行う必要はない。
但し、二次加速制御による加速制御に対応した上記二次短縮化制御のための通電切り替えパターンは、新たに実験やシミュレーション等を行う必要がある。ここで、前述した従来手法での通電切り替えパターンは、テープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208がある速度で回転動作している状態、及び、回転せず停止している状態の、大きな違いのある2つの状態に対応するものである。これに対し、本実施形態における上記二次短縮化制御のための通電切り替えパターンは、テープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208によりテープ103等が上記第2速度で搬送されている状態と、テープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208によりテープ103等が第1速度で搬送されている状態と、いずれもテープ送りローラ27及びローラ駆動用モータ208は回転動作している状態であり、上述ほどは2つの状態に大きな違いはない。この結果、上述した搬送速度の増大に伴う、上記二次短縮化制御のための通電切り替えパターンの再作成に必要な実験やシミュレーション等は、上記従来手法に必要な実験やシミュレーション等に比べると、はるかに容易かつ簡易なもので足りる。したがって、ラベル作成装置1のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合における、製造者の負担を低減することができる。
また、本実施形態においては特に、搬送再開後のローラ駆動用モータ208の減速区間についても、上記同様、前半減速区間(一次減速制御による第3速度までの減速制御)と後半減速区間(二次減速制御による搬送停止までの減速制御)とに分割する制御態様とする。ラベル作成装置1の製造者(メーカー)は、上記一次減速制御に対応した一次伸長化制御のための通電切り替えパターンと、上記二次減速制御に対応した二次伸長化制御のための通電切り替えパターンとを、実験やシミュレーション等により算出し設定する。この結果、前述と同様、搬送速度の増大の必要が生じた場合であっても、製造者は、一次減速制御に対応した上記一次伸長化制御のための通電切り替えパターンはそのまま使用することができ、前述の従来手法のように新たに実験やシミュレーションを行う必要はない。また、上記二次伸長化制御のための通電切り替えパターンは、前述と同様、テープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208により、テープ103等が上記第1速度で搬送されている状態と、テープ103等が上記第2速度で搬送されている状態と、いずれもテープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208は回転動作している状態であり、上述ほどは2つの状態に大きな違いはない。この結果、上述した搬送速度の増大に伴う、上記二次伸長化制御のための通電切り替えパターンの再作成に必要な実験やシミュレーション等は、上記従来手法に必要な実験やシミュレーション等に比べると、はるかに容易かつ簡易なもので足りる。したがって、上記同様、ラベル作成装置1のバージョンアップや新製品の開発等により搬送速度が増大する場合における、製造者の負担を低減することができる。
また、本実施形態では特に、ローラ駆動用モータ208の加速特性に対し調和するように制御回路210がサーマルヘッド23による印刷速度を加速制御している。すなわち、上述した一次短縮化制御及び二次短縮化制御では、所定の第1印刷加速パターン及び第2印刷加速パターンに基づき、ライン印刷データごとの通電切り替えが行われる。このとき、これら第1及び第2印刷加速パターンは、一次加速制御時におけるテープ送りローラ27の搬送特性、及び、二次加速制御時におけるテープ送りローラ27の搬送特性、に対し、サーマルヘッド23によりカバーフィルム103に形成された実印刷図像の形状が上記印刷データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められている。これにより、搬送停止後の搬送再開時にテープ送りローラ27の回転開始遅れやねじれ・歪みが生じたとしても、意図する形状の所望の印刷図像を確実に印字ラベルLにおいて形成することができる。
また、本実施形態では特に、ローラ駆動用モータ208の減速特性に対し調和するように、制御回路210がサーマルヘッド23による印刷速度を減速制御している。すなわち、上述した一次伸張化制御及び二次伸張化制御では、所定の第1印刷減速パターン及び第2印刷減速パターンに基づき、ライン印刷データごとの通電切り替えが行われる。このとき、これら第1及び第2印刷減速パターンは、一次減速制御時におけるテープ送りローラ27の搬送特性、及び、二次減速制御時におけるテープ送りローラ27の搬送特性、に対し、サーマルヘッド23によりカバーフィルム103に形成された実印刷図像の形状が印刷データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められている。これにより、搬送停止時にテープ送りローラ27やローラ駆動用モータ208の停止遅れやテープ送りローラのねじれ・歪みが生じたとしても、意図する形状の所望の印刷図像を確実に印字ラベルLにおいて形成することができる。
なお、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印刷を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。
また、以上は、印刷装置として、印字ラベルLを作成する印字ラベル作成装置に対し本発明を適用した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、印刷装置の一例として、例えばA4、A3、B4、B5サイズ等の通常の被印刷用紙に画像を形成したり文字を印刷するプリンタに対し、本発明を適用してもよい。この場合も同様の効果を得る。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印字ラベル作成装置(印刷装置)
23 サーマルヘッド
23a 発熱素子
40 カッタ(切断手段)
103 カバーフィルム(被印刷媒体)
208 ローラ駆動用モータ(搬送モータ)
210 制御回路
Cb 前余白部の端部
S1 前余白部

Claims (2)

  1. 搬送モータと、
    前記搬送モータの駆動力を用いて所定の第1速度で被印刷媒体を搬送するための搬送手段と、
    前記被印刷媒体を前記搬送手段により搬送する搬送方向と直交する方向に配列され、前記被印刷媒体を前記搬送方向に印刷解像度に分割してなる各印刷ライン上に少なくとも各ドットを形成する、複数の発熱素子を備えたサーマルヘッドと、
    前記搬送手段による搬送の開始後、印刷を行うための印刷データを1つの前記印刷ライン単位に分割したライン印刷データごとに通電態様を切り替えつつ、前記印刷データに対応した前記複数の発熱素子の通電制御を行う印刷制御手段と、
    前記サーマルヘッドより搬送方向下流側に配置される切断手段と、
    前記搬送手段による搬送の開始後、前記サーマルヘッドによる前記被印刷媒体への印字開始位置から印字方向とは逆方向に設定された所定長さの前余白部の、前記搬送方向上流側の端部が前記切断手段に正対する位置で停止するように、前記搬送モータを制御する搬送制御手段と、
    前記搬送手段による前記被印刷媒体の搬送が停止したときに、前記切断手段が前記被印刷媒体を切断するように、前記切断手段を制御する切断制御手段と、
    を有する印刷装置であって、
    前記搬送制御手段は、
    前記切断手段による前記被印刷媒体の切断後、停止状態から加速して前記被印刷媒体の搬送を開始し、前記第1速度より小さな所定の第2速度で前記被印刷媒体の搬送が行われるまで、前記搬送モータの回転速度を上昇制御する一次加速制御手段と、
    前記一次加速制御手段の制御によって前記被印刷媒体の搬送速度が前記第2速度に到達したら、所定の第1期間、前記被印刷媒体が前記第2速度で等速搬送されるよう、前記搬送モータの回転速度を制御する第1等速制御手段と、
    前記第1等速制御手段の制御によって前記被印刷媒体が前記第1期間前記第2速度で搬送された後、その状態から、前記第1速度で前記被印刷媒体の搬送が行われるまで、前記搬送モータの回転速度を上昇制御する二次加速制御手段と、
    を備えており、
    前記印刷制御手段は、
    前記一次加速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短縮化制御する一次短縮化制御手段と、
    前記第1等速手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を一定間隔に保持する第1保持制御手段と、
    前記二次加速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を短縮化制御する二次短縮化制御手段と、
    を備えており、
    前記一次短縮化制御手段及び前記二次短縮化制御手段は、
    前記一次加速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、及び、前記二次加速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、に対し、前記サーマルヘッドにより前記被印刷媒体に形成された実印刷図像の形状が前記印刷データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められた所定の一次短縮時切り替え特性及び二次短縮時切り替え特性に基づき、前記ライン印刷データごとの通電切り替えを行う
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置において、
    前記搬送制御手段は、
    前記第1速度で前記被印刷媒体の搬送が行われている状態から減速して、前記第1速度より小さな所定の第3速度で前記被印刷媒体の搬送が行われるまで、前記搬送モータの回転速度を下降制御する一次減速制御手段と、
    前記一次減速制御手段の制御によって前記被印刷媒体の搬送速度が前記第3速度に到達したら、所定の第2期間、前記被印刷媒体が前記第3速度で等速搬送されるよう、前記搬送モータの回転速度を制御する第2等速制御手段と、
    前記第2等速制御手段の制御によって前記被印刷媒体が前記第2期間前記第3速度で搬送された後、その状態から、前記被印刷媒体の搬送が停止するまで、前記搬送モータの回転速度を下降制御する二次減速制御手段と、
    を備えており、
    前記印刷制御手段は、
    前記一次減速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を伸長化制御する一次伸張化制御手段と、
    前記第2等速手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を一定間隔に保持する第2保持制御手段と、
    前記二次減速制御手段による前記搬送モータの制御に対応して、前記ライン印刷データごとの通電タイミングの間隔を伸張化制御する二次伸張化制御手段と、
    を備えており、
    前記一次伸張化制御手段及び前記二次伸張化制御手段は、
    前記一次減速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、及び、前記二次減速制御手段の制御時における前記搬送手段の搬送特性、に対し、前記サーマルヘッドにより前記被印刷媒体に形成された実印刷図像の形状が前記印刷データの図像イメージの形状と実質的に同一又は相似形状となるようにそれぞれ定められた所定の一次伸張時切り替え特性及び二次伸張時切り替え特性に基づき、前記ライン印刷データごとの通電切り替えを行う
    ことを特徴とする印刷装置。
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