JP3530508B2 - 印刷機の変速制御方法及び印刷機 - Google Patents
印刷機の変速制御方法及び印刷機Info
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Description
印刷機に用いて好適の加速制御方法及びその方法を適用
可能な印刷機に関する。
は、例えば図15の要部概略構成図に示すように、給紙
部1,インフィード部2,印刷部3,ドライヤ部4,冷
却部5,ウェブパス部6,折り機部7及びこれらを制御
する制御部8等をその要部として備えている。
れるリールスタンド(図示略)を備えており、印刷稼働
の途上で新,旧巻取紙を互いに接続して連続的にウェブ
10を給送すべく機能する。ここでは図示しないが、使
用中の巻取紙11のほかに、次の使用のために他の巻取
紙が準備されている。また、インフィード部2は、巻取
紙11から連続的にウェブ(帯状の用紙)10を引き出
す部分であり、いずれも図示しないが、ウェブ10を挟
持して回転移送するインフィードドラグと、下流側へウ
ェブテンション(ウェブ張力)を適宜にコントロールす
るダンサローラとを具備している。インフィードドラグ
は、メインモータ9と図示しない無段変速機を介して連
結され、このメインモータ9からの回転駆動力が伝達さ
れるようになっている。なお、メインモータ9及び無段
変速機は制御部8の印刷速度制御装置8aにより作動を
制御される。
タ,イエロー(墨,藍,紅,黄)の4色それぞれに対応
した4組の印刷ユニット31a〜31dがウェブ走行方
向に沿って並設されている。そして、ウェブ10を各印
刷ユニット31a〜31dへ順次通紙させることによっ
て多色印刷ができるようになっている。なお、各印刷ユ
ニット31a〜31dによる印刷はウェブ10上におけ
る同一領域に対して行われ、こうして各色が同一領域上
で重ね合わされることで一の絵柄が構成されるようにな
っている。また、各印刷ユニット31a〜31dには、
インキ元ローラ(インキ供給元)3dをはじめとする複
数のローラが備えられており、インキ元ローラ3dから
供給されるインキを図示しないインキローラ群を介して
版胴3aに巻着された刷版(図示略)に供給して更にブ
ランケット胴3bを経てウェブ10に転写するようにな
っている。
は、次工程のドライヤ部4で加熱乾燥された後、冷却部
5にて冷却されウェブパス部6へ移送される。ドライヤ
部4は、印刷部3を通過したウェブ10上の余剰インキ
を乾燥させるための装置であり、冷却部5は、ドライヤ
部4での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブ10を適当な
温度まで冷却するための装置である。
が、ウェブパス部6にはウェブパスドラグ(図示略)が
装備されている。これらのクーリングドラグ及びウェブ
パスドラグも、上記のインフィードドラグと同様に、そ
れぞれメインモータ9と図示しない無段変速機を介して
連結され、メインモータ9からの回転駆動力が伝達され
るようになっている。ウェブ10は、これらクーリング
ドラグ,ウェブパスドラグ及び上記のインフィードドラ
グの回転によって回転移送され、印刷機内を走行するよ
うになっている。
は、ウェブパス部6から折機部7へ移送される。折機部
7の詳細は図示しないが、折機部7内において、ウェブ
10は、三角板を経て縦に二つ折りされた後、リードイ
ンローラ,折機ドラグを順次経由し、鋸胴及び折胴によ
って印刷部3において印刷された絵柄を単位とした大き
さに裁断されると共に折り畳まれ、目的とする折帖に形
成されて外部へ搬出されるようになっている。
ンキについて、意図した色を印刷物で再現するために、
紙面上の絵柄面積率100%部分の濃度(ベタ濃度とい
う)を基準濃度に合わせる作業が通常行われるが、これ
を一般に「色合わせ」という。また、上記の四色インキ
を用紙上の同一領域に一色毎に重ねて印刷するので、各
色の印刷位置を正確に合わせることも、印刷品質上極め
て重要となる。ちなみに、この「印刷位置合わせ」のこ
とを、一般に「見当合わせ」という。
は、用紙上に、本来の絵柄とともに、見当ずれを計測す
るための特殊マーク(以下、見当マークという)を併せ
て印刷しておき、印刷後の用紙における見当マークを自
動見当センサ3fで捕らえ、所定位置からのずれが発生
した場合には、印刷機の自動見当装置(見当修正装置)
8bを作動させて見当を合わせることが、従来から行わ
れている。
といった調整作業は、一般に、印刷機の運転開始時に刷
版交換等の作業とともに行なわれ、特に、印刷機を低速
運転しながら行なわれる。つまり、輪転印刷機では、印
刷速度制御装置8aによりメインモータ9の回転速度を
制御することによって、印刷機内でのウェブ10の走行
速度、即ち、印刷速度を可変制御できるようになってい
る。そして、運転開始時には、印刷機を起動して、給紙
部1からのウェブ10の供給を開始し、印刷機が生産速
度よりも低い準備速度で運転されている時に、「色合わ
せ」や「見当合わせ」といった調整作業が行なわれる。
そして、調整の完了後は、準備速度から所定の生産速度
まで印刷速度を直線的に加速させるようにする。
と、ウェブ10のテンション変動やタック量(ウェブ1
0がインキによってローラに連れ回る量)の変化、さら
にはインキ消費量の変化等により、各印刷ユニット31
a〜31d間での印刷位置の天地見当や折機部7での断
裁見当がずれたり、各印刷ユニット31a〜31dにお
ける印刷濃度が変化したりして、生産される折帖の品質
が変化してしまう。そこで、従来の輪転印刷機では、印
刷速度の変更が完了して定常状態になったときには、次
のような品質を安定化させるための制御を行っている。
ユニット31dの出口部等に備えられた自動見当センサ
3fにより各色の色ずれ量を検出し、検出した各色の色
ずれ量に応じて制御部8の自動見当装置(見当修正装
置)8bにより各印刷ユニット31a〜31dの版胴3
aに備えられた天地見当モータ3cを駆動して見当修正
を行うことにより、各色の色ずれ量をゼロに近づける。
口直前に備えられたカットオフセンサ91により絵柄全
体の位相を検出し、検出した位相に応じて制御部8のカ
ットオフコントローラ(見当修正装置)8cによりウェ
ブパス部6内の全幅コンペンモータ6aを駆動して見当
修正を行うことにより、絵柄位相を折機位相に合致させ
る。
インキ供給量制御装置8dにより印刷速度に応じて各イ
ンキ元モータ3eの回転速度を変化させることで、各速
度におけるインキ消費量に見合ったインキ量を供給する
ようにしている。
輪転印刷機では、変速時には以下のような課題がある。
まず、印刷物の色再現の重要要素である印刷濃度につい
ての課題がある。つまり、インキ供給量制御装置によ
り、どの速度で印刷しても、収束する濃度が目標濃度値
と等しくなるように、速度に応じたインキ供給量を予め
設定し供給することができるが、変速時には紙面の濃度
が変化してしまうことである。これは、速度によるイン
キの転写率が変わることによると考えられている。
度に応じて各インキ元モータ8eの回転速度を昇速す
る。これは、ローラ速度によってインキの転写率が変わ
り、インキ供給量が変化するためである。加えて、イン
キ元モータ8eの回転速度の変化がウェブ10に転写さ
れるインキ濃度の変化に反映されるまでの遅れ時間が発
生し、紙面の濃度が変化してしまうものと考えられる。
例えば、印刷機作動開始直後から定常運転に至るまでの
加速時や、印刷機の定常運転から停止に至るまでの減速
時等が考えられる。このような変速(加速や減速)は、
印刷機の運転上必須となる運転形態ないし工程と考えら
れる。また、上記課題と同様に、変速時に見当について
も課題がある。つまり、印刷機を走行する用紙の速度が
変わる際には、この速度変化に起因して当該用紙の伸び
等が発生する場合があり、この場合には、従来の印刷機
ではそのずれに対応した見当合わせができないという課
題である。
た場合であっても、自動見当センサ等の情報に基づいて
当該見当ずれを検知,修正するべきものではあるが、見
当修正装置は、見当ずれを検知した場合にこれを修正す
るものなので、少なくとも見当ずれが発生した事実が必
要であり、見当ずれを未然に防ぐものではない。また、
見当修正は、シリンダの位相変化を伴うため修正に要す
る応答性を高めにくく、発生した見当ずれを修正するの
に時間を要していた。
の加速度で200rpmから800rpmまで30秒で
直線的に加速した場合、300μm以上の天地見当のず
れが発生することがある。天地見当モータ自体は十分な
応答性能(50μm/秒程度)を有しているものの、ハ
ンチングを防止する必要から自動見当装置(見当修正装
置)8bにおけるフィードバック制御の制御時定数は大
きく設定する必要があり、応答性を高めにくいため、上
記のような加速中等の変速中(減速中を含む)に天地見
当の許容限度以上のずれが発生し易い。輪転印刷機の始
動時の加速や停止時の減速に際して、自動見当装置機能
のフィードバック制御による天地見当のずれ修正が追い
つかず、天地見当のずれが次第に大きくなっていくこと
になる。速度が大きい場合には、自動見当装置のフィー
ドバック制御では制御時定数上、追従することができな
い。
化した印刷物や、許容限度以上見当ずれが生じた印刷物
は、商品とすることができず、いわゆる損紙と称して廃
棄処分していた。したがって、変速中の印刷物の多く
は、紙面濃度の不適正や見当ずれによって商品とするこ
とができない損紙となり、これらを廃棄処分せざるを得
ず、運用コスト上の不利を招いていた。
おいても同様な課題が発生する。すなわち、折機におい
ては、用紙に印刷された絵柄一単位毎に断裁が行われな
ければならないが、用紙の速度変更中は正確な位置での
断裁が行われない可能性が大きい。例えば、加速中に
は、特にドライヤ部4においてウェブ10のテンション
が変動し、また、ドライヤ部4の制御遅れによる乾燥度
合いの変動により、ウェブ10の長さが変化してしま
う。このため、ウェブ10上の絵柄位相も折機位相に対
して変化してしまい、折機部7において断裁見当のずれ
が発生してしまう。この断裁見当のずれに対してはカッ
トオフコントローラ(見当修正装置)8cによる全幅コ
ンペンモータ6aのフィードバック制御が行われるが、
自動見当装置82と同様、カットオフコントローラ8c
の制御時定数も大きく設定されているため、断裁見当の
ずれ速度が大きい場合には追従することができない。
ると、これらの用紙も損紙となってしまい、結局、廃棄
処分となり、やはり運用コスト上の不利を招いていた。
なお、特開2000−301700号公報には、上記の
ような見当ずれ及び断裁ずれを抑えるようにして損紙の
発生を抑制しようとする技術が開示されている。しか
し、この技術では、印刷濃度変化を考慮していないの
で、印刷濃度不良による損紙の発生を抑制することがで
きない。また、この技術では、印刷機の運転中に見当,
断裁量を計測して、この結果が許容範囲内であるどうか
を判定するアルゴリズムを有し、この判定結果に基づい
てモータを制御するので、アルゴリズムが複雑であり、
その分だけ制御上のトラブルを招く可能性が生じる。
ので、シンプルなアルゴリズムで損紙を発生させること
なく印刷速度を変更できるようにした、印刷機の変速制
御方法及び印刷機を提供することを目的とする。
機の変速制御方法(請求項1)は、用紙の見当,印刷濃
度,断裁位置をフィードバック制御により自動修正する
機能を備えた印刷機の速度変更時の制御方法であって、
上記の見当,印刷濃度,断裁位置のずれがいずれも許容
範囲内に収まるだけの限定された変速幅又は変速時間だ
け変速運転を行う変速運転ステップと、該フィードバッ
ク制御により上記の見当,印刷濃度,断裁位置を所定の
ものに収束制御しうる微小変速度運転或いは一定速度運
転を行う安定速度運転ステップとを、交互に繰り返し
て、目標速度まで階段状に変速することを特徴としてい
る。
間は、試験結果に基づいて予め設定されていることが好
ましい(請求項2)。また、上記変速運転ステップの変
速幅又は変速時間は、運転速度域毎の適値に設定されて
いることが好ましい(請求項3)。さらに、上記変速運
転ステップの変速幅又は変速時間は、印刷絵柄の面積率
に応じた適値に設定されていることが好ましい(請求項
4)。
基づいて予め設定された印刷部数又は運転時間だけ行な
われることが好ましい(請求項5)。また、上記安定速
度運転ステップの印刷部数又は運転時間は、運転速度域
毎の最適値に設定されていることが好ましい(請求項
6)。さらに、上記安定速度運転ステップの印刷部数又
は運転時間は、印刷絵柄の面積率に応じた適値に設定さ
れていることが好ましい(請求項7)。
は、予め設定されたパターンによる自動運転によって行
なわれることが好ましい(請求項8)。そして、本発明
の印刷機(請求項9)は、用紙の見当,印刷濃度,断裁
位置をフィードバック制御により自動修正する機能を備
えた印刷機であって、印刷速度を制御する制御手段と、
該制御手段に変速信号を入力する変速信号入力手段とを
備え、該制御手段は、該変速信号入力手段から上記変速
信号が入力されたときには、上記の見当,印刷濃度,断
裁位置のずれがいずれも許容範囲内に収まるだけの限定
された変速幅又は変速時間だけ変速運転を行う変速運転
と、該フィードバック制御により上記の見当,印刷濃
度,断裁位置を所定のものに収束制御しうる微小変速度
運転或いは一定速度運転を行う安定速度運転とを、交互
に繰り返して、目標とする速度まで階段状に変速するこ
とを特徴としている。
速運転と安定速度運転とを交互に繰り返す運転パターン
を印刷条件毎に記憶したデータベースを備え、該制御手
段は、該変速信号入力手段から上記変速信号が入力され
たときには、該データベースから今回の印刷条件に応じ
た運転パターンを検索し、検索した運転パターンに基づ
き印刷速度を制御することが好ましい(請求項10)。
施の形態を説明する。まず、第1実施形態を説明する
と、図1〜図7は本発明の第1実施形態を示すものであ
る。なお、本実施形態にかかる印刷機は、従来の一般的
な輪転印刷機に適用したものであり、本実施形態にかか
る印刷機については、図15を参照して説明する。
5(要部概略構成図)に示すように、給紙部1,インフ
ィード部2,印刷部3,ドライヤ部4,冷却部5,ウェ
ブパス部6,折り機部7及びこれらを制御する制御部8
等をその要部として備えている。これら各部のうち、制
御部8の構成の一部を除いて既に説明した従来の輪転印
刷機と同様であるので、ここでは説明を一部省略する。
示すように、メインモータ9及び無段変速機の作動を制
御する印刷速度制御装置(制御手段)8aと、各印刷ユ
ニット31a〜31dの版胴3aに備えられた天地見当
モータ3cを駆動して見当修正を行って各色の色ずれ量
をゼロに近づける自動見当装置(見当修正装置)8b
と、ウェブパス部6内の全幅コンペンモータ6aを駆動
して見当修正を行うことにより、絵柄位相を折機位相に
合致させるカットオフコントローラ(見当修正装置)8
cと、印刷速度に応じて各インキ元モータ3eの回転速
度を変化させることで、各速度におけるインキ消費量に
見合ったインキ供給量に制御するインキ供給量制御装置
8dとをそなえている。
では、印刷機の始動時及び停止時に、従来技術のように
一気に直線的に加速させたり減速させたりするのではな
く、図1に示すように、所定の変速幅(以下、加速時に
は、この変速幅のことを速度増分と称し、減速時には、
この変速幅のことを速度減分と称す)αだけ変速運転を
行う変速運転ステップと、所定の印刷部数分βだけ一定
速度運転を行う定速運転ステップ(安定速度運転ステッ
プ)とを、交互に繰り返して、目標速度まで階段状に変
速させるようにしている。
わせ等の各種の調整に適した速度(調整速度)まで加速
し、この調整速度で定速運転しながら、色合わせ,見当
調整,断裁調整の調整を行う。調整が完了したら、所定
の速度増分αだけ加速し、その後は、所定の印刷部数分
βだけ定速運転を行う。このような、加速運転(変速運
転ステップ)と定速運転(安定速度運転ステップ)とを
繰り返しながら、営業運転速度まで運転速度を上げてい
くのである。
開始時には、見当調整,色合わせ(印刷濃度調整),断
裁調整が適正に行なわれており印刷濃度や見当や断裁位
置が適正状態になっているが、自動見当装置8b,イン
キ供給量制御装置8d,カットオフコントローラ8cの
制御が追いつかないため、加速運転(変速運転ステッ
プ)が進むにしたがって、印刷濃度や見当や断裁位置が
適正状態からずれていく。しかし、本実施形態の場合、
加速運転(変速運転ステップ)時の速度増分(変速幅)
αが、見当,印刷濃度,断裁位置の各ずれがいずれも許
容範囲内に収まる程度に限定されているので、この加速
運転時の見当,印刷濃度,断裁位置の各ずれは、許容範
囲(製品として許容できる範囲)内に保持される。
後の定速運転(安定速度運転ステップ)では、自動見当
装置8b,インキ供給量制御装置8d,カットオフコン
トローラ8cの制御により見当,印刷濃度,断裁位置の
各ずれが修正されてこれらの見当,印刷濃度,断裁位置
が何れも次第に適正値に近づいていく。そして、本実施
形態の場合、定速運転(安定速度運転ステップ)を行う
所定の印刷部数βが、見当,印刷濃度,断裁位置を所定
のものに収束制御しうる数に設定されているので、この
定速運転時に、見当,印刷濃度,断裁位置を所定のもの
(適正値)に収束する。
すように、見当,印刷濃度,断裁位置が所定のもの(適
正値)に収束している状態(加速直前を参照)で印刷機
の運転速度の加速が開始され、加速運転によって、見
当,印刷濃度,断裁位置が適正値からずれていくが、見
当,印刷濃度,断裁位置が許容範囲内に収まっている間
に、加速運転から定速運転に移行し定速運転によって見
当,印刷濃度,断裁位置の各ずれが修正されて再び適正
値に収束していく。
り返していくことにより[図1,図3参照]、即ち、目
標速度まで階段状に変速することにより、見当,印刷濃
度,断裁位置を許容範囲内に収めながら、印刷機の運転
速度を営業運転速度へと上げていくことができるのであ
る。また、印刷機の停止時には、所定の速度減分αだけ
減速し、その後は、所定の印刷部数分だけ定速運転を行
い、このような、減速運転(変速運転ステップ)と定速
運転(安定速度運転ステップ)とを繰り返しながら、停
止まで減速するのである。
プ)開始時には、見当調整,色合わせ(印刷濃度調
整),断裁調整が適正に行なわれており印刷濃度や見当
や断裁位置が適正状態になっているが、減速運転(変速
運転ステップ)が進むにしたがって、印刷濃度や見当や
断裁位置が適正状態からずれていく。しかし、本実施形
態の場合、減速運転(変速運転ステップ)時の速度減分
(変速幅)αが、見当,印刷濃度,断裁位置の各ずれが
いずれも許容範囲内に収まる程度に限定されているの
で、この減速運転時の見当,印刷濃度,断裁位置の各ず
れは、許容範囲(製品として許容できる範囲)内に保持
される。
後の定速運転(安定速度運転ステップ)では、自動見当
装置8b,インキ供給量制御装置8d,カットオフコン
トローラ8cの制御により見当,印刷濃度,断裁位置の
各ずれが修正されてこれらの見当,印刷濃度,断裁位置
が何れも次第に適正値に近づいていく。そして、本実施
形態の場合、定速運転(安定速度運転ステップ)を行う
所定の印刷部数βが、見当,印刷濃度,断裁位置を所定
のものに収束制御しうる数に設定されているので、この
定速運転時に、見当,印刷濃度,断裁位置を所定のもの
(適正値)に収束する。
り返していくことにより、即ち、目標速度まで階段状に
変速することにより、見当,印刷濃度,断裁位置を許容
範囲内に収めながら、印刷機を停止させることができる
のである[図3参照]。なお、本制御の実施に際し、濃
度制御のため、どの印刷速度で印刷しても収束する濃度
が同じになるよう、事前に調整しておくことが必要とな
る。
上記の各要素に加えて、図2に示すように、データベー
ス8eとデータベース8eの検索を行う検索装置8fと
が新たに設けられている。データベース8e内には、上
記の変速幅(速度増分,速度減分)αや所定枚数βが一
つの運転パターンとして印刷条件毎に記憶されている。
検索装置8fは、上記のデータベース8eから印刷条件
に合致した運転パターンを検索し印刷速度制御装置8a
に入力する。そして、印刷速度制御装置8aは、加速信
号の入力をトリガとして検索装置8fからの運転パター
ンに従い加速制御を開始するようになっている。
介して入力される。この入力装置は、キーボード等のオ
ペレータが手入力で入力するものでもよく、印刷機の外
部からオンラインで入力するものでもよい。また、変速
信号(始動信号,停止信号)は、オペレータによるスイ
ッチ操作等により発信されるものでもよく、予め決めら
れたシーケンシャルプログラムによって制御部8内部で
ソフト的に発信されるものでもよい。この場合、変速に
かかる信号を発信する何らかの手段が加速信号入力手段
となる。
βは、印刷機械ごとに、一つの運転パターンとして印刷
条件毎に記憶されているが、これらは、例えば以下のよ
うにして設定することができる。つまり、上記の変速幅
αは、加速運転に伴う印刷濃度の変動や天地見当のずれ
や断裁見当のずれが印刷物の品質に及ぼす影響が許容範
囲に収まる最大値(例えば40rpm程度)に設定する
ことが好ましい。また、上記の所定枚数は、見当修正装
置としての自動見当装置8bやカットオフコントローラ
8cによる見当ずれの自動修正の結果や、インキ供給制
御装置8dによる印刷速度に応じたインキ供給の結果が
印刷物上に反映されるまでの最小印刷枚数に設定するこ
とが好ましい。このように上記の所定量、所定枚数を設
定することで、従来のように印刷速度を直線的に加速さ
せる場合に対する加速遅れを最小限にとどめながら損紙
の発生を抑制することが可能になる。
特性は印刷機の運転速度に依存するので、この点を考慮
して変速幅αや所定印刷部数βを設定する必要がある。
例えば、対象の印刷機での使用運転範囲について、各速
度域において、それぞれ複数種の速度増分をもって加速
するテストを行い濃度,見当,断裁の変動分を調査す
る。各速度として、ここでは、低速,中速,高速の3つ
の速度を選定し、それぞれの速度から各複数種の速度増
分でテストし、濃度,見当,断裁が許容範囲内の変動と
なる速度増分を求めると、図4に示すような結果が得ら
れた。ここで、低速,中速,高速の3パターンで求まっ
た速度増分αが異なる場合は最小のものを選択する。こ
のようにして、各速度域で、濃度,見当,断裁がいずれ
も許容範囲内の変動となる速度増分を求め、これを上記
の変速幅(速度増分,速度減分)αとすればよい。図4
に示す場合は、α=α3である。
分,速度減分)αが決まったら、決定された速度増分α
で加速したとき、何部印刷すれば、濃度,見当,断裁が
安定するかを、各速度域(ここでは、低速,中速,高速
の3パターン)で調査する。そして、各速度域における
濃度,見当,断裁が安定する印刷部数の最大値を所定印
刷部数βとすれば、各運転速度域で、濃度,見当,断裁
を安定させることができる。図5に示す例では、濃度,
見当,断裁が安定するのに要する部数が、低速ではβ
1、中速ではβ2、高速ではβ3と、高速ほど多くな
り、高速における必要部数βbを所定の印刷部数βとし
て選択すればよい。
は、インキ種,紙種等の種々の印刷条件によって変化す
るので、常に加速遅れを最小限にとどめながら損紙の発
生を抑制することできるようにするためには、印刷条件
に応じて設定することが好ましい。また、これらの変速
幅αや所定印刷部数βは、上記のようにテスト(実地試
験)結果に基づき設定するほか、予めこれらに関する種
々の特性データが得られていれば、これらに基づく推定
や演算等によって設定したりするなど、他の手法を用い
て設定しても良い。
上述のように構成されるので、例えば、図6のフローチ
ャートに示すように、印刷機の変速制御方法を実施する
ことができる。つまり、印刷準備ルーチンとしての図6
(a)に示すように、印刷条件が入力されると(ステッ
プa10)、制御部8の検索装置8fが、データベース
8eから印刷条件に合致した運転パターンを検索して
(ステップa20)、印刷速度制御装置8aに入力する
(ステップa30)。
に示すように、始動信号が入力されると(ステップb1
0)、印刷速度制御装置8aは、運転パターンに従いス
テップb20以降の加速制御を行う。すなわち、印刷速
度制御装置8aは、ステップb20で加速運転を行い、
速度増分(変速幅)が運転パターンにより特定される速
度増分(変速幅)αに達したら(ステップb30)、ス
テップb40に進んで印刷速度が目標速度に達したか否
かを判断し、印刷速度が目標速度に達しない限りは、ス
テップb50に進んで定速運転に切り替える。そして、
印刷部数が運転パターンにより特定される所定の印刷部
数βに達したら(ステップb60)、再びステップb2
0に進んで加速運転に切り替える。
運転中に印刷速度が目標速度に達したら(ステップb4
0)、加速制御を終了して目標速度での定速運転に移行
する。さらに、停止ルーチンとしての図6(c)に示す
ように、停止信号が入力されると(ステップc10)、
印刷速度制御装置8aは、運転パターンに従いステップ
c20以降の減速制御を行う。すなわち、印刷速度制御
装置8aは、ステップc20で減速運転を行い、速度減
分(変速幅)が運転パターンにより特定される速度減分
(変速幅)αに達したら(ステップc30)、ステップ
c40に進んで印刷速度が印刷完了速度に達したか否か
を判断し、印刷速度が印刷完了速度に達しない限りは、
ステップc50に進んで定速運転に切り替える。そし
て、印刷部数が運転パターンにより特定される所定の印
刷部数βに達したら(ステップc60)、再びステップ
c20に進んで減速運転に切り替える。
運転中に印刷速度が印刷完了速度に達したら(ステップ
c40)、減速制御終了し、その後、現状どおりに減速
停止となる。このようにして、階段状(図1参照)に加
速又は減速していくことによって、加速時や減速時にお
いて、紙面の濃度が許容限度以上変化した印刷物や、許
容限度以上見当ずれが生じた印刷物や、許容限度以上断
裁ずれが生じた印刷物の発生、即ち、廃棄処分しなくて
はならない損紙の発生を抑制することができ、効率よく
印刷を行うことができ、運用コスト上有利なものにな
る。
の発生状況を示す図であり、図中の斜線部分は本実施形
態の変速制御による正紙の発生を示し、図中の網掛け部
分は従来の変速制御及び本実施形態の変速制御による正
紙の発生を示す。本実施形態の変速制御によれば、従来
損紙となっていた斜線部分を正紙とすることができ、損
紙の発生を大幅に抑制できることがわかる。
転時の印刷部数βを適切に設定することにより、加速遅
れを最小限にとどめながら損紙の発生を抑制することが
可能になる。なお、印刷条件は多岐にわたるため、デー
タベース8eに未だ登録されていない印刷条件が存在す
る場合がある。この場合は、その印刷条件において上記
のようにして所定のテストパターンにてテスト印刷を行
い、得られた印刷物の計測結果(天地見当のずれ,断裁
見当のずれ,印刷濃度)に基づき最適な運転パターンを
作成し、データベース8eに追加登録していけばよい。
れていない印刷条件における変速幅αや所定印刷部数β
は、上記のようなテストパターン(実地試験)結果に基
づき設定するほか、予め得られているこれらに関する種
々の特性データに基づく推定や演算等によって設定した
りするなど、他の手法を用いて設定するなど、上記の手
法に限定されるものではない。
を行う場合、従来のように一気に直線的に加減速を行う
場合に比較して加減速時間は延長され、正紙を印刷する
ために必要な時間も延びてしまうが、従来は損紙になっ
ていた加速中の印刷物の正紙として扱うことができるこ
とから、実質的には、印刷時間の延長は殆どないか例え
あっても極めて僅かなものに抑えることができる。
する代わりに、時間で制御する方法も考えられる。具体
的には、変速幅は変速時間、一定速度での印刷部数は、
一定速度での待機時間として制御する方法である。ま
た、安定速度運転ステップとしては、一定速度で運転す
る代わりに、微小な変速度(微小加速度又は微小減速
度)で変速(加速又は減速)を行ってもよい。つまり、
安定速度運転ステップでは、自動見当装置8b,インキ
供給量制御装置8d,カットオフコントローラ8cの制
御により見当,印刷濃度,断裁位置の各ずれが修正され
ていく状態であればよく、変速(加速又は減速)を行っ
てもこれが微小変化率(微小加速度又は微小減速度)で
あれば、見当,印刷濃度,断裁位置の各ずれを修正しう
るためである。
図11は本発明の第2実施形態を示すものである。な
お、本実施形態かかる印刷機は、従来の一般的な輪転印
刷機に適用したものであるためその全体構成の説明は省
略する。また、本実施形態にかかる印刷機及び変速制御
方法は、第1実施形態のものを一部変更したものなの
で、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
や収束の特性は印刷機の運転速度(印刷速度)に依存す
る点に着目し、この点を考慮して変速幅α及び/又は所
定印刷部数βを運転速度(印刷速度)毎に最適なものに
設定している。なお、本実施形態の場合も、制御の実施
に際し、濃度制御のため、どの印刷速度で印刷しても収
束する濃度が同じになるよう、事前に調整が必要とな
る。
濃度調整),見当調整、断裁調整後、図8,図9,図1
0に示すように、予め設定した速度幅で一旦、加速した
後、一定速度にて濃度,見当,断裁が安定するのに要す
る印刷部数だけ印刷し、この加速,一定速度での運転を
交互に繰り返して、所望の速度(これも加速開始前に設
定しておく)まで加速していく。しかし、本実施形態の
場合、図8に示す例では、変速幅αのみを速度によって
変更しており、図9に示す例では、一定速度で印刷する
部数βのみを速度によって変更しており、図10に示す
例では変速幅α、及び、一定速度で印刷する部数βの両
方を速度によって変更している。
数βについては一定とするが、変速幅αについては速度
によって変更している。ここでは、低速域ほど速度増分
αを大きく設定しているが、これは、印刷機が低速であ
るほど変速幅αが大きくても濃度,見当,断裁の変動が
許容範囲に収まり易く、逆に、印刷機が高速になるほど
僅かな変速幅αでも濃度,見当,断裁の変動が許容範囲
を超え易くなるという傾向を考慮したものである。
明したように、印刷機の使用運転範囲の中で、低速,中
速,高速の3領域に分け、各速度に対してそれぞれ複数
の速度増分をもって加速するテストを行い濃度,見当,
断裁の変動分を調査して、各速度域に対して、濃度,見
当,断裁が許容限度範囲内の変動となる速度増分を求
め、これらをそれぞれ変速幅α1,α2,α3としてい
る。
幅αをα1とし、中速B2では変速幅αをα2(α2<
α1)とし、高速B3では変速幅αをα3(α3<α
2)とし、低速B1と中速B2との間の変速幅α、及
び、中速B2と高速B3との間の変速幅αは、図11
(a)に示すように補間法を用いて設定している。ここ
では、低速B1と中速B2との間,中速B2と高速B3
との間にそれぞれ1段ずつの変速運転ステップが設けら
れるので、低速B1と中速B2との間の変速幅をα1a
とし、中速B2と高速B3との間の変速幅をα2aとす
ると、例えば最もシンプルには次式から変速幅α1a,
α2aを算出できる。
単純平均値とは限らず、変速幅α2aに対応する速度は
中速B2と高速B3との単純平均値とは限らないので、
この場合には、対応する速度に基づく加重平均等を用い
ればよい。
2と高速B3との間により多くの変速運転ステップを設
ける場合、求めるべき速度に応じて補間法により各変速
幅を求めることができる。図9に示す例では、変速幅α
については一定とするが、一定速度で印刷する部数βに
ついては速度によって変更している。ここでは、高速域
ほど部数βを大きく設定しているが、これは、印刷機が
高速であるほど濃度,見当,断裁の収束に部数βを要
し、逆に、印刷機が低速になるほど僅かな部数βで濃
度,見当,断裁が収束するという傾向を考慮したもので
ある。
うに、印刷機の使用運転範囲の中で、低速,中速,高速
の3領域に分け、各速度に対してそれぞれ複数の速度増
分をもって加速するテストを行い濃度,見当,断裁の変
動分を調査して、各速度域に対して、濃度,見当,断裁
が最適値に収束する印刷部数を求め、これらをそれぞれ
一定速度での印刷部数β1,β2,β3としている。
度での印刷部数βをβ1とし、中速B2では一定速度で
の印刷部数βをβ2(β2>β1)とし、高速B3では
一定速度での印刷部数βをβ3(β3>β2)とし、低
速B1と中速B2との間の印刷部数β、及び、中速B2
と高速B3との間の印刷部数βは、図11(b)に示す
ように補間法を用いて設定している。
速B2と高速B3との間にそれぞれ1段ずつの変速運転
ステップが設けられるので、低速B1と中速B2との間
の印刷部数をβ1a、中速B2と高速B3との間の印刷
部数をβ2aとすると、例えば最もシンプルには次式か
ら変速幅β1a,β2aを算出できる。 β1a=(β1+β2)/2 β2a=(β2+β3)/2 この場合も印刷部数β1aに対応する速度は低速B1と
中速B2との単純平均値とは限らず、印刷部数β2aに
対応する速度は中速B2と高速B3との単純平均値とは
限らないので、この場合には、対応する速度に基づく加
重平均等を用いればよい。
2と高速B3との間により多くの変速運転ステップを設
ける場合、求めるべき速度に応じて補間法により各印刷
部数を求めることができる。図10に示す例では、変速
幅αについても、一定速度で印刷する部数βについても
速度によって変更している。すなわち、図8,図9の各
例を組み合わせたもので、上記の理由により、低速域ほ
ど変速幅αは大きく印刷部数βは小さく設定し、高速域
ほど変速幅αは小さく印刷部数βは大きく設定してい
る。
いて第1実施形態と同様に構成されている。本発明の第
2実施形態にかかる印刷機及び印刷機の変速制御方法
は、上述のように構成されるので、見当,濃度,断裁の
変化の速度依存性に対して、より細かな設定をすること
ができ、加速開始から加速完了までの印刷部数を少なく
することができ、かつ、所望の運転速度に速く到達でき
ることから、第1実施形態のもの以上に生産性を向上で
きる利点がある。
を、時間で制御する方法も考えられる。具体的には、変
速幅および一定速度での印刷部数を、それぞれ、変速時
間、および一定速度での待機時間として制御する方法で
ある。次に、第3実施形態を説明すると、図12〜図1
4は本発明の第3実施形態を示すものである。なお、本
実施形態にかかる印刷機も、従来の一般的な輪転印刷機
に適用したものであるためその全体構成の説明は省略す
る。また、本実施形態にかかる印刷機及び変速制御方法
は、第1,2実施形態のものを一部変更したものなの
で、第1,2実施形態との相違点を中心に説明する。
うに、絵柄面積率の大小で、濃度変動量や濃度安定化に
要する印刷部数が異なることに着目して、絵柄面積率に
応じて、変速幅α、及び一定速度で印刷する部数βを変
更するようにしている。つまり、絵柄面積率の小さい方
が変速に対して濃度変化に鈍感であり、絵柄面積率の大
きい方が変速に対して濃度変化は敏感である。また、濃
度変化量も絵柄面積率の大きい方が大きい傾向がある。
幅α及び一定速度での印刷部数βを設定すると、その設
定が絵柄面積率の小さいものを対象としたものであれ
ば、これをそのまま絵柄面積率の大きいものに適用しよ
うとすると濃度変化が許容範囲を超えてしまうことがあ
る。また、絵柄面積率の大きいものを対象として変速幅
α及び一定速度での印刷部数βを設定し、これを絵柄面
積率の小さいものにそのまま適用すると、必要以上に変
速幅αを狭めたり、必要以上に一定速度での印刷部数β
を大きくしたりして、本来、より短時間で目標速度に到
達させることができるにもかかわらず、時間をかけてし
まうことになる。
幅α及び一定速度での印刷部数βを設定するようにし
て、特に、絵柄面積率が小さいものを印刷する場合、一
律に絵柄面積率の大きいものにあわせた設定値で印刷す
る場合よりも、早く高速度域での印刷を可能にして、生
産効率を上げるようにしているのである。具体的には、
図13に示すように、印刷機より上流の刷版の絵柄面積
率情報をもとに、データ処理装置で、絵柄の平均面積率
を演算する。その平均絵柄面積率によって、予め設定し
てデータベース8e内に記憶された変速幅α、及び、一
定速度での印刷部数βのテーブルの中から(例えば図1
3のように3パターン用意し)、プリセット値のパター
ン選択を実施する。その後、速度制御装置は、選択され
たパターンをプリセット値として使用し、モータを制御
するようにする。
ない場合には、オペレータが手動で入力する方法をとれ
ばよい。さらに、図14に示すように、第2実施形態の
ものに、この絵柄面積率に応じて変速幅α及び一定速度
での印刷部数βを設定する技術を組み合わせても良い。
つまり、各速度域(例えば、高速,中速,低速の3パタ
ーン)について、絵柄面積率に応じた変速幅α、およ
び、一定速度での印刷部数βのテーブル(ここではパタ
ーン1,2,3の3種)を用意し、印刷機より上流の刷
版の絵柄面積率情報をもとに、データ処理装置で演算し
た絵柄の平均面積率がどのパターン(パターン1,2,
3のいずれか)に属するかを判定して、パターン選択を
実施するのである。
合には、オペレータが手動で入力する方法をとればよ
い。図13,図14に示す例では、絵柄の平均面積率
(平均絵柄面積率)が50%以上と大きい場合には、変
速幅αは比較的小さく一定速度で印刷する印刷部数βは
比較的多いパターン1を選択し、平均絵柄面積率が50
%未満で20%以上と中程度の場合には、変速幅α及び
一定速度で印刷する印刷部数βが中程度のパターン2を
選択し、平均絵柄面積率が20%未満と小さい場合には
変速幅αは比較的大きく一定速度で印刷する印刷部数β
は比較的少ないパターン3を選択する。
に応じた変速幅α,印刷部数βの設定を除いて、第1,
2実施形態と同様に構成されている。本発明の第3実施
形態にかかる印刷機及び印刷機の変速制御方法は、上述
のように構成されるので、濃度の変化の絵柄面積率依存
性に対して、より細かな設定をすることができ、加速開
始から加速完了までの印刷部数を少なくすることがで
き、かつ、所望の運転速度に速く到達できることから、
第1,2実施形態のもの以上に生産性を向上できる利点
がある。
した場合、絵柄面積率が小さい場合、変速幅は絵柄面積
率の大きい場合よりも大きく設定でき、生産性を向上で
きる。また、変速幅αを一定とした場合、絵柄面積率の
小さい方が、一定速度で印刷する印刷部数を少なく設定
でき、生産性を向上できる。
ンは、高速,中速,低速の3パターンに限らず、任意に
複数個設定してもよいし、また、速度域のパターンを数
点決め、その間の速度域でのプリセット値を補間する方
法もある。また、図13,図14には平均絵柄面積率を
3パターンに分けたが、3パターンに限らず、任意の複
数個に分けてもよい。
発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施すること
ができる。例えば、上記の各実施形態では、加速時と減
速時とで変速幅α,一定速度での印刷部数βを共通の値
に設定しているが、加速時と減速時とでこれらの最適値
が異なればそれぞれを個別に設定しても良い。
変速制御方法(請求項1)及び本発明の印刷機(請求項
9)によれば、紙面の濃度が許容限度以上変化した印刷
物や、許容限度以上見当ずれが生じた印刷物や、許容限
度以上断裁ずれが生じた印刷物の発生、即ち、廃棄処分
しなくてはならない損紙の発生を抑制することができ、
効率よく印刷を行うことができ、運用コスト上有利なも
のになる。
間を、試験結果に基づいて予め設定することで、実際の
運転段階での検出や判定ロジックを少なくすることがで
き、低コストでより安定した制御を行うことができる
(請求項2)。また、上記変速運転ステップの変速幅又
は変速時間を、運転速度域毎の適値に設定することによ
り、損紙の発生を抑制しながらより速やかに目的とする
速度に到達できるようになる(請求項3)。
は変速時間を、印刷絵柄の面積率に応じた適値に設定す
ることでも、損紙の発生を抑制しながらより速やかに目
的とする速度に到達できるようになる(請求項4)。上
記安定速度運転ステップを、試験結果に基づいて予め設
定された印刷部数又は運転時間だけ行うようにすること
で、損紙の発生を抑制しながらの目的とする速度への到
達を確実に行うことができる(請求項5)。
数又は運転時間を、運転速度域毎の最適値に設定するこ
とにより、損紙の発生を抑制しながらより速やかに目的
とする速度に到達できるようになる(請求項6)。さら
に、上記安定速度運転ステップの印刷部数又は運転時間
を、印刷絵柄の面積率に応じた適値に設定することで
も、損紙の発生を抑制しながらより速やかに目的とする
速度に到達できるようになる(請求項7)。
を、予め設定されたパターンによる自動運転によって行
うことによって、見当,印刷濃度,断裁を確実且つ容易
に適正範囲に収めながら目的とする速度に到達できるよ
うになる(請求項8,10)。
御を示すタイムチャートである。
示すブロック図である。
御を示すタイムチャートであり、(a)は見当,濃度,
断裁の変動を示し、(b)は印刷速度を示す。
御にかかる変速幅αの設定を説明するグラフである。
御にかかる一定速度での印刷部数βの設定を説明するグ
ラフである。
御を示すフローチャートであり、(a)は準備ルーチン
を示し、(b)は始動ルーチンを示し、(c)は停止ル
ーチを示す。
御の効果を示すタイムチャートである。ンを示す。
御の第1例を示すタイムチャートである。
御の第2例を示すタイムチャートである。
制御の第3例を示すタイムチャートである。
制御を説明するグラフであり、(a)は変速幅αの設定
を示し、(b)一定速度での印刷部数βの設定を示す。
制御を説明するグラフであり、絵柄面積率に対する印刷
濃度の変動特性を示す。
制御の第1例を示すブロック図である。
制御の第2例を示すブロック図である。
な側面図である。
段) 8b 自動見当装置(見当修正装置) 8c カットオフコントローラ(見当修正装置) 8d インキ供給制御装置 9 メインモータ 10 ウェブ(用紙) 91 カットオフセンサ
Claims (10)
- 【請求項1】 用紙の見当,印刷濃度,断裁位置をフィ
ードバック制御により自動修正する機能を備えた印刷機
の速度変更時の制御方法であって、 上記の見当,印刷濃度,断裁位置のずれがいずれも許容
範囲内に収まるだけの限定された変速幅又は変速時間だ
け変速運転を行う変速運転ステップと、該フィードバッ
ク制御により上記の見当,印刷濃度,断裁位置を所定の
ものに収束制御しうる微小変速度運転或いは一定速度運
転を行う安定速度運転ステップとを、交互に繰り返し
て、目標速度まで階段状に変速することを特徴とする、
印刷機の変速制御方法。 - 【請求項2】 上記変速運転ステップの変速幅又は変速
時間は、試験結果に基づいて予め設定されていることを
特徴とする、請求項1記載の印刷機の変速制御方法。 - 【請求項3】 上記変速運転ステップの変速幅又は変速
時間は、運転速度域毎の適値に設定されていることを特
徴とする、請求項2記載の印刷機の変速制御方法。 - 【請求項4】 上記変速運転ステップの変速幅又は変速
時間は、印刷絵柄の面積率に応じた適値に設定されてい
ることを特徴とする、請求項2又は3記載の印刷機の変
速制御方法。 - 【請求項5】 上記安定速度運転ステップは、試験結果
に基づいて予め設定された印刷部数又は運転時間だけ行
なわれることを特徴とする、請求項1〜4の何れかの項
に記載の印刷機の変速制御方法。 - 【請求項6】 上記安定速度運転ステップの印刷部数又
は運転時間は、運転速度域毎の最適値に設定されている
ことを特徴とする、請求項5記載の印刷機の変速制御方
法。 - 【請求項7】 上記安定速度運転ステップの印刷部数又
は運転時間は、印刷絵柄の面積率に応じた適値に設定さ
れていることを特徴とする、請求項2〜6の何れかの項
に記載の印刷機の変速制御方法。 - 【請求項8】 上記の目標速度までの階段状の変速運転
は、予め設定されたパターンによる自動運転によって行
なわれることを特徴とする、請求項1〜7の何れかの項
に記載の印刷機の変速制御方法。 - 【請求項9】 用紙の見当,印刷濃度,断裁位置をフィ
ードバック制御により自動修正する機能を備えた印刷機
であって、 印刷速度を制御する制御手段と、 該制御手段に変速信号を入力する変速信号入力手段とを
備え、 該制御手段は、該変速信号入力手段から上記変速信号が
入力されたときには、上記の見当,印刷濃度,断裁位置
がいずれも許容範囲内に収まるだけの限定された変速幅
又は変速時間だけ変速運転を行う変速運転と、該フィー
ドバック制御により上記の見当,印刷濃度,断裁位置を
所定のものに収束制御しうる微小変速度運転或いは一定
速度運転を行う安定速度運転とを、交互に繰り返して、
目標とする速度まで階段状に変速することを特徴とす
る、印刷機。 - 【請求項10】 上記の変速運転と安定速度運転とを交
互に繰り返す運転パターンを印刷条件毎に記憶したデー
タベースを備え、 該制御手段は、該変速信号入力手段から上記変速信号が
入力されたときには、該データベースから今回の印刷条
件に応じた運転パターンを検索し、検索した運転パター
ンに基づき印刷速度を制御することを特徴とする、請求
項9記載の印刷機。
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