以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
図1はこの発明の一実施の形態を示す印刷機の胴着脱装置のブロック図である。同図において、21は印刷開始スイッチ、22は印刷停止スイッチ、23は胴入センサ、24は回転速度設定器、25は紙厚設定器、26は印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ、27は給紙装置、28は記憶装置、29は胴着脱用モータ、30は胴着脱制御装置である。
この胴着脱装置において、胴入センサ23は、給紙装置27から印刷機へ給紙される用紙の搬送経路中に設けられ、給紙装置2から最初の用紙が所定の位置に達した時にオンとされる。回転速度設定器24からは、印刷速度としてVPspが設定され、緩動速度としてVPSLが設定される。紙厚設定器25からは印刷機によってこれから印刷しようとする用紙の厚さPtが設定される。印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ26は印刷機の所定回転角度毎に1パルスのクロック信号を発生する。
胴着脱用モータ29は、図73中の胴着脱用モータ6に対応し、印刷ユニット10毎に設けられている。この例では、印刷機を4色の枚葉輪転印刷機とし、各色の印刷ユニット10−1〜10−4に胴着脱用モータ29−1〜29−4が設けられている。なお、この例では、胴着脱用モータ29(29−1〜29−4)をステッピングモータとするが、必ずしもステッピングモータでなくてもよい。後述する実施の形態2では、胴着脱用モータ29をDCサーボモータとし、実施の形態3では胴着脱用モータ29をステッピングモータとする。
記憶装置28には、印刷ユニット10(10−1〜10−4)毎に、印刷機の回転位相と胴着脱用モータの着動作中の駆動量との関係を示す曲線(着動作中の動作パターン)が基準の回転位相変換用テーブルTB1(TB11〜TB14)として、印刷機の回転位相と胴着脱用モータの脱動作中の駆動量との関係を示す曲線(脱動作中の動作パターン)が基準の回転位相変換用テーブルTB2(TB21〜TB24)として格納されている。
図2に基準の回転位相変換用テーブルTB11の一例を示す。同図において、横軸は印刷機の回転位相ψ、縦軸は胴着脱用モータの回転位相θMを示す。本実施の形態では、この動作パターンに従って、印刷ユニット10−1における胴着脱用モータ29−1の回転位相θMをθM0からθMmaxまで変化させる。なお、この例では、印刷ユニット10−1において、印刷機の回転位相ψが30゜〜110゜の間で版胴1へのゴム胴2の着動作が行われ、110゜〜250゜の間でゴム胴2が版胴1に対して着完了した位置から圧胴3に対して着開始する位置まで移動され、250゜〜320゜の間で圧胴3へのゴム胴2の着動作が行われるものとする。言い換えれば、図2の30゜〜110゜が図75(a)の版胴1のP切欠とゴム胴2のB切欠とが対接する角度θ1に対応し、250゜〜320゜が図75(b)のゴム胴2のB切欠と圧胴3のI切欠とが対接する角度θ2に対応する。
胴着脱制御装置30は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して制御装置としての各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。この胴着脱制御装置30が行う処理動作のフローチャートを図3〜図8に分割して示す。以下、このフローチャートを参照しながら、胴着脱制御装置30が行う本実施の形態特有の処理動作について説明する。
胴着脱制御装置30は、印刷開始スイッチ21がオンとされると(ステップS1のYES)、紙厚設定器25を介して設定されている用紙の厚さPtを読み込む(ステップS2)。そして、記憶装置28に格納されている基準の回転位相変換用テーブルTB11〜TB14およびTB21〜TB24を読み出し、この読み出した基準の回転位相変換用テーブルTB11〜TB14およびTB21〜TB24を用紙の厚さPtで修正し、回転位相変換用テーブルTB11’〜TB14’およびTB21’〜TB24’を得る(ステップS3,S4)。例えば、図2に示した基準の回転位相変換用テーブルTB11について言えば、用紙の厚さPtに応じて縦軸の胴着脱用モータの回転位相θMの値を修正し、回転位相変換用テーブルTB11’を得る。
そして、胴着脱制御装置30は、N=1とし(ステップS5)、給紙装置27へ給紙開始指令を送る(ステップS6)。これにより、給紙装置27から印刷機への給紙が開始される。また、胴着脱制御装置30は、給紙装置27への給紙開始指令と同時に、タイマTの零からの計時を開始する(ステップS7)。この場合、タイマTの計時値が制御用時間間隔TCとなるまではステップS14へ進み、タイマTの計時値Tが制御用時間間隔TCとなればステップS9へ進む。
ステップS14では胴入センサ23がオンとなったか否かを確認する。給紙装置27から印刷機への給紙が開始された時点では、まだ胴入センサ23はオンとなっていないので(ステップS14のNO)、ステップS15へ進む。ステップS15では、現在の胴入れ・胴抜き用回転位相ψD(後述)が1色目の胴入れ開始回転位相ψDIST1以上であるか否かをチェックするが、ここではまだψD<ψDIST1であるので(ステップS15のNO)、ステップS8へ戻ってタイマTの計時を続ける。
そして、ステップS8においてT=TCとなると、印刷機への指令回転速度VPCに予め定められている増速時の回転速度修正値Δαを加算し、新たな指令回転速度VPCとする(ステップS9)。なお、この実施の形態において、指令回転速度VPCの初期値は零とされているものとする。
そして、印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPspに達していないことを確認のうえ(ステップS10のNO)、その印刷機への指令回転速度VPCを出力する(ステップS12)。これにより、印刷機が指令回転速度VPC、すなわちΔαで回転し始める。
胴着脱制御装置30は、印刷機への指令回転速度VPCの出力後(ステップS12)、その出力した指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとして記憶したうえ(ステップS13)、ステップS7へ戻る。この処理動作の繰り返しにより、制御用時間間隔TC毎に、指令回転速度VPCがΔαずつアップされながら、印刷機の速度が増速して行く。
この処理動作の繰り返し中、給紙装置2からの最初の用紙が所定の位置に達して胴入スイッチ23がオンとなると(ステップS14のYES)、胴着脱制御装置30は、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDの零からのカウントを開始する(ステップS16)。すなわち、その時の胴入れ・胴抜き用回転位相ψDを零とし、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ26からのクロック信号の数をカウントし、そのカウント値から胴入れ・胴抜き用回転位相ψDを求める。
〔1色目の印刷ユニットでの胴入れ〕
胴着脱制御装置30は、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴入れ開始回転位相ψDIST1以上となると(ステップS15のYES)、その時の印刷機の回転位相ψを現在の印刷機の回転位相ψRとする(図4:ステップS17)。
なお、印刷機の回転位相ψのカウントは、印刷機の原点位置毎にそのカウント値をリセットしながら、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ26からのクロック信号の数をカウントすることによって行う。また、この実施の形態では、胴入れ開始回転位相ψDIST1において、印刷機の回転位相ψが0゜となるように設定されているものとする。
次に、胴着脱制御装置30は、前回の指令回転速度VPColdに回転速度修正値Δαを加算して修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS18)。そして、この修正した指令回転速度VPCnewが印刷速度VPspに達していないことを確認のうえ(ステップS19のNO)、修正した指令回転速度VPCnewに制御用時間間隔TCを乗じて次回制御時までに印刷機が進む回転位相ΔψCを求める(ステップS21)。また、現在の印刷機の回転位相ψRに次回制御時までに印刷機が進む回転位相ΔψCを加算して次回制御時の印刷機の予想される回転位相ψCを求める(ステップS22)。
そして、回転位相変換用テーブルTB11’から、現在の印刷機の回転位相ψRに応じた胴着脱用モータの回転位相θMをθMR’として求める(ステップS23)。また、回転位相変換用テーブルTB11’から、次回制御時の印刷機の予想される回転位相ψCに応じた胴着脱用モータの回転位相θMをθMC’として求める(ステップS24)。
そして、次回制御時の予想される印刷機の回転位相ψCに応じた胴着脱用モータの回転位相θMC’から現在の印刷機の回転位相ψRに応じた胴着脱用モータの回転位相θMR’を差し引いて、次回制御時までに印刷ユニット10−1における胴着脱用モータ29−1が進むべき回転位相ΔθM’を求め(ステップS25)、このΔθM’を制御用時間間隔TCで除して胴着脱用モータ29−1への指令回転速度VMC1を求める(ステップS26)。この指令回転速度VMC1は次回制御時までの胴着脱用モータ29−1の駆動量を表す。
そして、ステップS18で修正した指令回転速度VPCnewを印刷機への指令回転速度VPCとして出力すると共に(ステップS27,S28)、ステップS26で求めた胴着脱用モータ29−1への指令回転速度VMC1を今回制御時の指令回転速度として出力する(ステップS29)。この場合、出力した指令回転速度VPCは、前回の指令回転速度VPColdとして記憶する(ステップS30)。
そして、胴着脱制御装置30は、タイマTの零からの計時を開始し(図5:ステップS31)、タイマTの計時値が制御用時間間隔TCとなるまではステップS33へ進み、タイマTの計時値Tが制御用時間間隔TCとなればステップS17(図4)へ戻る。
ステップS33では胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴入れ完了回転位相ψDIED1以上となったか否かを確認する。この場合、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDはまだψD<ψDIED1であるので(ステップS33のNO)、ステップS32へ戻ってタイマTの計時を続け、T=TCとなった時点で(ステップS32のYES)、ステップS17(図4)へ戻り、ステップS17〜S33の処理動作を繰り返す。
これにより、制御用時間間隔TC毎に、指令回転速度VPCがΔαずつアップされながら、印刷機の速度が増速されて行く。また、この印刷機の増速中、制御用時間間隔TC毎に、現在の印刷機の回転位相ψRに応じて求められる指令回転速度VMC1で、1色目の印刷ユニット10−1における胴着脱用モータ29−1が回転する。これにより、1色目の印刷ユニット10−1において、印刷機の速度の変化(印刷機の回転位相の変化スピード)に追従し、適切な動作パターンで胴入れが行われるものとなる。
〔2色目、3色目、4色目の印刷ユニットでの胴入れ〕
胴着脱制御装置30は、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴入れ完了回転位相ψDIED1以上となると(ステップS33のYES)、N=N+1=2とし(ステップS34)、N=5となるまで(ステップS35のYES)、ステップS7(図3)〜S35の処理動作を繰り返す。これにより、2色目、3色目、4色目の印刷ユニット10−2,10−3,10−4においても、1色目の印刷ユニット10−1と同様にして印刷機の速度の変化(印刷機の回転位相の変化スピード)に追従し、適切な動作パターンで胴入れが行われるものとなる。
なお、例えば、4色目の印刷ユニット10−4での胴入れに入る前に、印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPsp以上となるような場合もある。このような場合には、ステップS10でのYESに応じてステップS11へ進み、印刷機への指令回転速度VPCをVPspとする。また、修正した指令回転速度VPCnewが印刷速度VPsp以上となる場合には(ステップS19のYES)、修正した指令回転速度VPCnewを印刷速度VPspとして(ステップS20)、ステップS21以降の処理を進める。これにより、印刷機の速度が印刷速度VPspまで増速された後も、上述と同様にして、残された印刷ユニットでの胴入れが行われる。
また、ステップS35においてN=5となった場合には、印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPspであるか否かをチェックし(ステップS36)、印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPspに達していなければ(ステップS36のNO)、制御用時間間隔TC毎に印刷機への指令回転速度VPCをΔαずつアップして行く(ステップS37〜S40)。
印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPspに達していれば(ステップS36のYES)、またステップS37〜S40での処理により印刷機への指令回転速度VPCが印刷速度VPsp以上となれば、ステップS41への処理へと進む。ステップS41では印刷停止スイッチ22の状態を監視する。
〔印刷機の停止〕
胴着脱制御装置30は、印刷停止スイッチ22がオンとされると(図5:ステップS41のYES)、印刷機の回転位相ψが予め定められている減速開始回転位相ψSLとなった時点で(図6:ステップS42のYES)、N=1とし(ステップS43)、タイマTの零からの計時を開始する(ステップS44)。この場合、タイマTの計時値が制御用時間間隔TCとなるまではステップS49へ進み、タイマTの計時値Tが制御用時間間隔TCとなればステップS46へ進む。
ステップS49では、現在の胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴抜き開始回転位相ψDOST1以上であるか否かをチェックするが、ここではまだψD<ψDOST1であるので(ステップS49のNO)、ステップS45へ戻ってタイマTの計時を続ける。
そして、ステップS45においてT=TCとなると、印刷機への指令回転速度VPCから予め定められている減速時の回転速度修正値Δβを減算し、新たな指令回転速度VPCとする(ステップS46)。そして、印刷機へその指令回転速度VPCを出力する(ステップS47)。これにより、それまで印刷速度VPspで運転されていた印刷機の速度がΔβだけ減速される。
胴着脱制御装置30は、印刷機への指令回転速度VPCの出力後(ステップS47)、その出力した指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとして記憶したうえ(ステップS48)、ステップS44へ戻る。この処理動作の繰り返しにより、制御用時間間隔TC毎に、指令回転速度VPCがΔβずつダウンされながら、印刷機の速度が減速して行く。
〔1色目の印刷ユニットでの胴抜き〕
この処理動作の繰り返し中、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴抜き開始回転位相ψDOST1以上となると(ステップS49のYES)、胴着脱制御装置30は、その時の印刷機の回転位相ψを現在の印刷機の回転位相ψRとする(ステップS50)。なお、この実施の形態では、胴入れ開始回転位相ψDOST1において、印刷機の回転位相ψが0゜となるように設定されているものとする。
次に、胴着脱制御装置30は、前回の指令回転速度VPColdから回転速度修正値Δβを減算して修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS51)。そして、修正した指令回転速度VPCnewに制御用時間間隔TCを乗じて次回制御時までに印刷機が進む回転位相ΔψCを求める(ステップS52)。また、現在の印刷機の回転位相ψRに次回制御時までに印刷機が進む回転位相ΔψCを加算して次回制御時の予想される印刷機の回転位相ψCを求める(ステップS53)。
そして、回転位相変換用テーブルTB21’から、現在の印刷機の回転位相ψRに応じた胴着脱用モータの回転位相θMをθMR’として求める(ステップS54)。また、回転位相変換用テーブルTB21’から、次回制御時の予想される印刷機の回転位相ψCに応じた胴着脱用モータの回転位相θMをθMC’として求める(図7:ステップS55)。
そして、次回制御時の予想される印刷機の回転位相ψCに応じた胴着脱用モータの回転位相θMC’から現在の印刷機の回転位相ψRに応じた胴着脱用モータの回転位相θMR’を差し引いて、次回制御時までに印刷ユニット10−1における胴着脱用モータ29−1が進むべき回転位相ΔθM’を求め(ステップS56)、このΔθM’を制御用時間間隔TCで除して胴着脱用モータ29−1への指令回転速度VMC1を求める(ステップS57)。この指令回転速度VMC1は次回制御時までの胴着脱用モータ29−1の駆動量を表す。
そして、ステップS51で修正した指令回転速度VPCnewを印刷機への指令回転速度VPCとして出力すると共に(ステップS58,S59)、ステップS57で求めた胴着脱用モータ29−1への指令回転速度VMC1を今回制御時の指令回転速度として出力する(ステップS60)。この場合、出力した指令回転速度VPCは、前回の指令回転速度VPColdとして記憶する(ステップS61)。
そして、胴着脱制御装置30は、タイマTの零からの計時を開始し(ステップS62)、タイマTの計時値が制御用時間間隔TCとなるまではステップS64へ進み、タイマTの計時値Tが制御用時間間隔TCとなればステップS50へ戻る。
ステップS64では胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴抜き完了回転位相ψDOED1以上となったか否かを確認する。この場合、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDはまだψD<ψDOED1であるので(ステップS64のNO)、ステップS63へ戻ってタイマTの計時を続け、T=TCとなった時点で(ステップS63のYES)、ステップS50(図6)へ戻り、ステップS50〜S64の処理動作を繰り返す。
これにより、制御用時間間隔TC毎に、指令回転速度VPCがΔβずつダウンされながら、印刷機の速度が減速されて行く。また、この印刷機の減速中、制御用時間間隔TC毎に、現在の印刷機の回転位相ψRに応じて求められる指令回転速度VMC1で1色目の印刷ユニット10−1における胴着脱用モータ29−1が回転する。これにより、1色目の印刷ユニット10−1において、印刷機の速度の変化(印刷機の回転位相の変化スピード)に追従し、適切な動作パターンで胴抜きが行われるものとなる。
〔2色目、3色目、4色目の印刷ユニットでの胴抜き〕
胴着脱制御装置30は、胴入れ・胴抜き用回転位相ψDが1色目の胴抜き完了回転位相ψDOED1以上となると(ステップS64のYES)、N=N+1=2とし(ステップS65)、N=5となるまで(ステップS66のYES)、ステップS44〜S66の処理動作を繰り返す。これにより、2色目、3色目、4色目の印刷ユニット10−2,10−3,10−4においても、1色目の印刷ユニット10−1と同様にして、印刷機の速度の変化に追従し(印刷機の回転位相の変化スピード)、適切な動作パターンで胴抜きが行われるものとなる。
胴着脱制御装置30は、N=5となると(ステップS66のYES)、制御用時間間隔TC毎に印刷機への指令回転速度VPCをΔβずつダウンして行く(図8:ステップS67〜S73の処理の繰り返し)。なお、この減速の途中で、指令回転速度VPCが緩動速度VPSL以下となれば(ステップS70のYES)、指令回転速度VPCを緩動速度VPSLとする(ステップS71)。
そして、胴着脱制御装置30は、印刷機の回転位相ψが予め定められている排紙完了時の胴入れ・胴抜き用回転位相ψOENDとなった時点で(ステップS73のYES)、再度、制御用時間間隔TC毎に印刷機への指令回転速度VPCをΔβずつダウンして行く(ステップS74〜S78の処理の繰り返し)。そして、指令回転速度VPCがVPC≦0となったところで(ステップS77のYES)、指令回転速度VPCをVPC=0として出力し(ステップS79)、一連の胴入れ・胴抜きの処理動作を終了する。
なお、この実施の形態1では、版胴1および圧胴3とこれら両胴間に配設されたゴム胴2とによって1組の印刷部が構成されているが、例えば、圧胴3の1つに対してその前後にゴム胴2と版胴1を1組ずつ設けるような構成も考えられる。すなわち、前後2つのゴム胴と版胴の組で、圧胴を共用する場合もあり得る。このような場合、圧胴は1つしかないが、印刷部は2組あるものとみなす。
〔実施の形態2〕
図9および図13に、さらに詳細な実施の形態(実施の形態2)として、本発明に係る印刷機の胴着脱装置を含む印刷機の胴着脱制御システムのブロック図を示す。同図において、100は印刷機の制御装置、200(2001〜2004)は印刷ユニットの胴着脱用制御装置(1色目の印刷ユニットの胴着脱用制御装置〜4色目の印刷ユニットの胴着脱用制御装置)である。図9は印刷機の制御装置100の構成を主として示した図、図13は印刷ユニットの胴着脱用制御装置200(2001〜2004)の構成を主として示した図である。本発明に係る印刷機の胴着脱装置は印刷機の制御装置100にその主要構成要素をなす各手段が含まれている。
印刷機の制御装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、印刷開始スイッチ104と、印刷停止スイッチ105と、入力装置106と、表示器107と、出力装置108と、回転速度設定器109と、紙厚設定器110と、給紙装置111と、胴入センサ112と、D/A変換器113と、原動モータドライバ114と、原動モータ115と、原動モータ用ロータリエンコーダ116と、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117と、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ118と、印刷機の回転位相検出用カウンタ119と、印刷機の原点位置検出用センサ120と、内部クロックカウンタ121と、インタフェース122〜133と、メモリ134とを備えている。
尚、印刷機回転位相検出用ロータリーエンコーダ118は、印刷機に用紙9が1枚給紙される毎に1回転するように印刷機の回転部材に設けられ、印刷機が所定角度回転する毎にクロックパルスを1パルス発生するようになっている。また、印刷機の原点位置検出用センサ120は、印刷機の回転位相の原点位置毎に1パルスを発生し、印刷機の回転位相検出用カウンタ119をリセットするようになっている。
印刷ユニットの胴着脱用制御装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、入力装置204と、表示器205と、出力装置206と、D/A変換器207と、胴着脱用モータの駆動モータドライバ208と、胴着脱用モータの駆動モータ(胴着脱用モータ)209と、胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタ210と、胴着脱用モータの駆動モータ用ロータリエンコーダ211と、胴着脱用モータの原点位置検出用センサ212と、インタフェース213〜216と、メモリ217とを備えている。この実施の形態2において、胴着脱用モータ209は、DCサーボモータとされている。
尚、胴着脱用モータの原点位置検出用センサ212は、通常胴抜きする為に動作される範囲よりゴム胴2が版胴1からより離れる範囲に設けられ、メンテナンスの為に、胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタ210をリセットするようになっている。
図10〜図12に印刷機の制御装置100におけるメモリ134の構成を分割して示す。メモリ134はメモリM1〜M37を備えている。メモリM1には設定回転速度(印刷速度)VPspが格納され、メモリM2には紙厚Ptが格納され、メモリM3には胴着脱用モータの総回転位相θMTが格納される。メモリM4には胴着脱用モータの基準の総回転位相θMTBが格納されている。メモリM5には胴着脱用モータの必要回転位相比率γが格納され、メモリM6にはカウント値Nが格納される。
メモリM7には、印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの基準の回転位相変換用テーブルTB1N(TB11〜TB14)が格納されており、メモリM8には、印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB1N’(TB11’〜TB14’)が格納される。
メモリM9には、印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの基準の回転位相変換用テーブルTB2N(TB21〜TB24)が格納されており、メモリM10には、印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB2N’(TB21’〜TB24’)が格納される。
メモリM11には、印刷ユニットの総数(=4)が格納されている。メモリM12には前回の指令回転速度VPColdが格納される。メモリM13には制御用時間間隔TCが格納されており、メモリM14には増速時の回転速度修正値Δαが格納されている。メモリM15には修正した指令回転速度VPCnewが格納され、メモリM16には指令回転速度VPCが格納され、メモリM17には印刷ユニット番号が格納される。
メモリM18には胴入れ胴抜き位相検出用カウンタのカウント値が格納され、メモリM19には現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが格納される。メモリM20には、胴入れ開始回転位相ψDISTN(ψDIST1〜ψDIST4)が格納されており、メモリM21には、胴入れ完了回転位相ψDIEDN(ψDIED1〜ψDIED4)が格納されている。
メモリM22には、印刷機の回転位相検出用カウンタのカウント値が格納され、メモリM23には、印刷機の現在の回転位相ψRが格納され、メモリM24には次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCが格納され、メモリM25には次回制御時の印刷機の回転位相ψCが格納され、メモリM26には、N番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’が格納される。メモリM27には胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIENDN(ψIEND1〜ψIEND4)が格納されている。
メモリM28には、N番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’が格納され、メモリM29には、次回制御までにN番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’が格納され、メモリM30にはN番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCが格納される。
メモリM31には印刷機の減速開始用回転位相ψSLが、メモリM32には緩動回転速度VPSLが、メモリM33には減速時の回転速度修正値Δβが格納されている。メモリM34には、胴抜き開始回転位相ψDOSTN(ψDOST1〜ψDOST4)が格納されており、メモリM35には、胴抜き完了回転位相ψDOEDN(ψDOED1〜ψDOED4)が格納されている。メモリM36には、胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOENDN(ψOEND1〜ψOEND4)が格納されており、メモリM37には、排紙完了時の胴入れ胴抜き用回転位相ψDEXが格納されている。
図14に胴着脱用制御装置200におけるメモリ217の構成を示す。メモリ217はメモリM50〜M58を備えている。メモリM50には胴着脱用モータの指令回転速度VMCが格納され、メモリM51には胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’が格納される。メモリM52には胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタのカウント値が格納される。
メモリM53には胴着脱用モータの現在の回転位相θMRが格納され、メモリM54には胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRが格納され、メモリM55には胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値が格納される。メモリM56には胴着脱用モータの回転位相差の許容値ΔθMRpが格納されており、メモリM57には胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRと指令回転速度の補正値σとの関係を示す胴着脱用モータの現在の回転位相差−指令回転速度の補正値変換テーブルが格納されている。メモリM58には胴着脱用モータの指令回転速度の補正値σが格納される。
図15〜図38に印刷機の制御装置100におけるCPU101が実行する処理動作のフローチャートを分割して示す。図39および図40に印刷ユニットの胴着脱用制御装置200におけるCPU201が実行する処理動作のフローチャートを分割して示す。以下、図15〜図38を用いて、印刷機の制御装置100のCPU101が実行する処理動作について説明し、次に、図39および図40を用いて、印刷ユニットの胴着脱用制御装置200のCPU201が実行する処理動作について説明する。
〔印刷機の制御装置100のCPU101の処理動作〕
<印刷開始前>
印刷を開始する前に、オペレータは、回転速度設定器109より印刷機の設定回転速度(印刷速度)VPspを入力し、紙厚設定器110より印刷用紙の紙厚Ptを入力する。
印刷機の制御装置100のCPU101は、回転速度設定器109より設定回転速度VPspが入力されると(図15:ステップS102のYES)、入力された設定回転速度VPspをメモリM1に格納し(ステップS104)、紙厚設定器110より印刷用紙の紙厚Ptが入力されると(ステップS103のYES)、入力された印刷用紙の紙厚PtをメモリM2に格納する(ステップS105)。
<印刷開始>
この後、オペレータは、印刷開始スイッチ104をオンとする。すると、CPU101は、印刷開始スイッチ104のオンを確認し(ステップS101のYES)、メモリM2より印刷用紙の紙厚Ptを読み出し(ステップS106)、この読み出した印刷用紙の紙厚Ptより胴着脱用モータの総回転位相θMTを演算する(ステップS107)。演算した胴着脱用モータの総回転位相θMTはメモリM3に格納する。
次に、CPU101は、胴着脱用モータの基準の総回転位相θMTBをメモリM4より読み出し(ステップS108)、ステップS107で求めた総回転位相θMTを基準の総回転位相θMTBで除して胴着脱用モータの必要回転位相比率γを演算する(ステップS109)。演算した必要回転位相比率γはメモリM5に格納する。
<テーブルTB1およびTB2の修正>
そして、CPU101は、メモリM6中のカウント値NをN=1とし(ステップS110)、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの基準の回転位相変換用テーブルTB11をメモリM7より読み出し(図16:ステップS111、S112)、この読み出した基準の回転位相変換用テーブルTB11中の各基準の回転位相にステップS109で求めた必要回転位相比率γを乗算して、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’を求め、この求めたN=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’をメモリM8に格納する(ステップS113、S114)。
次に、CPU101は、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの基準の回転位相変換用テーブルTB21をメモリM9より読み出し(ステップS115、S116)、この読み出した基準の回転位相変換用テーブルTB21中の各基準の回転位相にステップS109で求めた必要回転位相比率γを乗算して、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’を求め、この求めたN=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’をメモリM10に格納する(ステップS117、S118)。
そして、メモリM6内のカウント値Nに1を加算し(ステップS119、S120)、このカウント値NとメモリM11に格納されている印刷ユニットの総数とを比較し(ステップS121〜S123)、カウント値Nが印刷ユニットの総数を超えるまで、ステップS111〜S123の処理を繰り返す。
これにより、必要回転位相比率γによって修正された印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’〜TB14’がメモリM8に格納され、必要回転位相比率γによって修正された印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’〜TB24’がメモリM10に格納される。
<給紙開始、印刷機の増速>
CPU101は、テーブルTB11〜TB14、TB21〜TB24の修正を終えると(ステップS123のYES)、給紙装置111に給紙開始指令を出力し(図17:ステップS124)、印刷機への給紙を開始する。
また、各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に印刷開始指令を送信し(ステップS125)、印刷を開始することを各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に知らせる。
また、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdを0とし(ステップS126)、内部クロックカウンタ121にリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS127)、リセット信号の出力を停止して(ステップS128)、内部クロックカウンタ121における零からのカウント動作(タイマ時間Tの計時)を開始させる。
CPU101は、このタイマ時間Tの計時中、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS129)、この読み出した制御用時間間隔TCとタイマ時間Tとを比較する(ステップS130、S131)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなれば(ステップS131のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM1内の設定回転速度VPspを読み出し(ステップS132、S133)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと設定回転速度VPspとを比較する(図18:ステップS134)。
この場合、前回の指令回転速度VPColdは0であり、VPCold≠VPspであるので、ステップS134のNOに応じてステップS135へ進み、メモリM14から増速時の回転速度修正値Δαを読み出す。そして、この読み出した増速時の回転速度修正値Δαを前回の指令回転速度VPColdに加算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS136)。修正した指令回転速度VPCnewはメモリM15に格納する。
そして、メモリM1から設定回転速度VPspを読み出し(ステップS137)、修正した指令回転速度VPCnewと設定回転速度VPspとを比較する(ステップS138)。この場合、修正した指令回転速度VPCnewは設定回転速度VPspを超えていないので(ステップS138のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとして(ステップS140)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS142、S143)。
CPU101は、原動モータドライバ114への指令回転速度VPCの出力後、その指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込む(ステップS144)。そして、ステップS145を経て、ステップS127(図17)へ戻り、同様の動作を繰り返す。これにより、制御用時間間隔TC毎に、印刷機の速度がΔαずつ増速して行く。
なお、ステップS134において、前回の指令回転速度VPColdが設定回転速度VPspと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを設定回転速度VPspとして(ステップS141)、ステップS142へ進む。また、ステップS138において、修正した指令回転速度VPCnewが設定回転速度VPspを超えていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを設定回転速度VPspとして(ステップS139)、ステップS140へ進む。
この処理動作の繰り返し中、胴入れセンサ112がオンとなると(ステップS145のYES)、CPU101は、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117にリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS146)、リセット信号の出力を停止して(ステップS147)、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117における零からのカウント動作(胴入れ胴抜き用回転位相ψDRの計測)を開始させる。
また、これと同時に、CPU101は、メモリM17に印刷ユニット番号として1を書き込み(図19:ステップS148)、このメモリM17に書き込んだ印刷ユニット番号を読み出して(ステップS149)、メモリM6にカウント値Nとして書き込む(ステップS150)。また、内部クロックカウンタ121にリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS151)、リセット信号の出力を停止して(ステップS152)、内部クロックカウンタ121における零からのカウント動作(タイマ時間Tの計時)を開始させる。
CPU101は、このタイマ時間Tの計時中、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS153)、この読み出した制御用時間間隔TCとタイマ時間Tとを比較する(ステップS154、S155)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなれば(ステップS155のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM1内の設定回転速度VPspを読み出し(ステップS168、S169)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと設定回転速度VPspとを比較する(図20:ステップS170)。
ここで、前回の指令回転速度VPColdがVPspに達していないことを確認すれば(ステップS170のNO)、CPU101は、メモリM14から増速時の回転速度修正値Δαを読み出し、この読み出した増速時の回転速度修正値Δαを前回の指令回転速度VPColdに加算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS172)。
そして、メモリM1より設定回転速度VPspを読み出し(ステップS173)、修正した指令回転速度VPCnewと設定回転速度VPspとを比較する(ステップS174)。ここで、修正した指令回転速度VPCnewが設定回転速度VPspを超えていないことを確認すれば(ステップS174のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとして(ステップS176)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS177、S178)。
CPU101は、原動モータドライバ114への指令回転速度VPCの出力後、その指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込む(ステップS179)。そして、ステップ180を経て、ステップS151(図19)へ戻り、同様の動作を繰り返す。
これにより、胴入れセンサ112がオンとなった時点で、胴入れ胴抜き用回転位相ψDRの計測が開始されると共に、制御用時間間隔TC毎に、印刷機の速度がΔαずつ増速して行く。
なお、ステップS170において、前回の指令回転速度VPColdが設定回転速度VPspと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを設定回転速度VPspとして(ステップS181)、ステップS177へ進む。また、ステップS174において、修正した指令回転速度VPCnewが設定回転速度VPspを超えていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを設定回転速度VPspとして(ステップS175)、ステップS176へ進む。
<胴入れ>
この処理動作の繰り返し中、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ118よりパルスが出力されると(図21:ステップ156のYES)、CPU101は、メモリM17に格納されている印刷ユニット番号およびメモリM11に格納されている印刷ユニット総数を読み出し(ステップS157、S158)、この読み出した印刷ユニット番号と印刷ユニット総数とを比較する(ステップS159)。
ここで、印刷ユニット番号が印刷ユニット総数以下であればステップS160へ進み、印刷ユニット番号が印刷ユニット総数を超えていればステップS153(図19)へ戻る。この場合、印刷ユニット番号は1であり、印刷ユニット総数以下であるので、ステップS160へ進む。
ステップS160において、CPU101は、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値を読み込む。そして、この読み込んだ胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値より、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRを求める(ステップS161)。
そして、メモリM6中のカウント値N=1を読み込み(ステップS162)、N=1番目の印刷ユニットの胴入れ開始回転位相ψDIST1をメモリM20より読み出し(ステップS163)、この読み出した印刷ユニットの胴入れ開始回転位相ψDIST1と現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRとを比較する(ステップS164)。
ここで、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴入れ開始回転位相ψDIST1以上であれば(ステップS164のYES)、メモリM6中のカウント値N=1を読み込み(ステップS165)、N=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了回転位相ψDIED1をメモリM21より読み出し(ステップS166)、この読み出した印刷ユニットの胴入れ完了回転位相ψDIED1と現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRとを比較する(ステップS167)。
ここで、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴入れ完了回転位相ψDIED1を超えていないことを確認すると(ステップS167のYES)、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(図22:ステップS182)、計時中のタイマ時間Tと制御用時間間隔TCとを比較する(ステップS183、S184)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCと等しくなれば(ステップS184のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM1内の設定回転速度VPspを読み出し(ステップS185、S186)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと設定回転速度VPspとを比較する(ステップS187)。
すなわち、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴入れ開始回転位相ψDIST1以上となった場合、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなった時点で、前回の指令回転速度VPColdと設定回転速度VPspとを比較する(ステップS187)。
ここで、前回の指令回転速度VPColdが設定回転速度VPspに達していないことを確認すれば(ステップS187のNO)、CPU101は、メモリM14から増速時の回転速度修正値Δαを読み出し、この読み出した増速時の回転速度修正値Δαを前回の指令回転速度VPColdに加算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS189)。
そして、メモリM1から設定回転速度VPspを読み出し(ステップS190)、修正した指令回転速度VPCnewと設定回転速度VPspとを比較する(ステップS191)。ここで、修正した指令回転速度VPCnewが設定回転速度VPspを超えていないことを確認すれば(ステップS191のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとする(ステップS193)。
なお、ステップS187において、前回の指令回転速度VPColdが設定回転速度VPspと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを設定回転速度VPspとする(ステップS194)。また、ステップS191において、修正した指令回転速度VPCnewが設定回転速度VPspを超えていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを設定回転速度VPspとする(ステップS192)。
次に、CPU101は、印刷機の回転位相検出用カウンタ119よりカウント値を読み込み(図23:ステップS195)、そのカウント値より印刷機の現在の回転位相ψRを求める(ステップS196)。求めた印刷機の現在の回転位相ψRはメモリM23に格納する。
そして、メモリM16より指令回転速度VPCを読み出し(ステップS197)、メモリM13より制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS198)、指令回転速度VPCに制御用時間間隔TCを乗じて、次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCを求める(ステップS199)。求めた次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCはメモリM24に格納する。
そして、メモリM23より印刷機の現在の回転位相ψRを読み出し(ステップS200)、この読み出した印刷機の現在の回転位相ψRに次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCを加算し、次回制御時の印刷機の回転位相ψCを求める(ステップS201)。求めた次回制御時の印刷機の回転位相ψCはメモリM25に格納する。
そして、メモリM6よりカウント値N=1を読み出し(ステップS202)、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’をメモリM8より読み出し(ステップS203)、この読み出したN=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’より、印刷機の現在の回転位相ψRに応ずる胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’として求める(ステップS204、S205)。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’はメモリM26に格納する。
次に、CPU101は、メモリM25より次回制御時の印刷機の回転位相ψCを読み出し(ステップS206)、N=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIEND1をメモリM27より読み出し(ステップS207、S208(図24))、次回制御時の印刷機の回転位相ψCとN=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIEND1とを比較する(ステップS209)。
この場合、次回制御時の印刷機の回転位相ψCはN=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIEND1を超えていないので、ステップS209のNOに応じてステップS214へ進む。
ステップS214において、CPU101は、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB11’より、次回制御時の印刷機の回転位相ψCに応ずる胴入れ時の胴着脱用モータの回転位相を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’として求める。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’はメモリM28に格納する。
そして、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’よりN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を減算し、次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’を求める(図25:ステップS215)。求めた次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’はメモリM29に格納する。
そして、次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’を制御用時間間隔TCで除して、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCを求める(ステップS216、S217)。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCはメモリM30に格納する。
そして、メモリM26よりN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を読み出し(ステップS218)、ステップS217で求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCとステップS218で読み出したN=1番目の印刷ユニットの現在の仮想の回転位相θMR’を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に送信する(ステップS219)。また、メモリM16より指令回転速度VPCを読み出し(ステップS220)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS221)。
この後、CPU101は、原動モータドライバ114に出力した指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込み(ステップS222)、ステップS149(図19)の処理へと戻り、同様の動作を繰り返す。
この処理動作中、ステップS209(図24)において、次回制御時の印刷機の回転位相ψCがN=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIEND1を超えると、CPU101は、メモリM17内の印刷ユニット番号を読み出し(ステップS210)、この読み出した印刷ユニット番号に1を加算し、新たな印刷ユニット番号としてメモリM17に書き込む(ステップS211)。この場合、印刷ユニット番号は1であるので、新たな印刷ユニット番号を2として、メモリM17に書き込む。
そして、メモリM25にN=1番目の印刷ユニットの胴入れ完了時の印刷機の回転位相ψIEND1を次回制御時の印刷機の回転位相ψCとして書き込み(ステップS212)、このメモリM25に書き込んだ次回制御時の印刷機の回転位相ψCを読み出して(ステップS213)、ステップS214以降の処理へと進む。
CPU101は、上述した1色目の印刷ユニットと同様にして、2色目、3色目、4色目の印刷ユニットについても、胴着脱用モータの指令回転速度VMCおよび胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を求め、各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に送信する。これにより、各印刷ユニットにおいて、印刷機の速度の変化(印刷機の回転位相の変化スピード)に追従し、適切な動作パターンで胴入れが行われて行く。
<印刷終了>
今、所望の印刷を完了し、オペレータが印刷停止スイッチ105をオンとしたとする。すると、CPU101は、印刷停止スイッチ105のオンを確認し(図20:ステップS180のYES)、図26に示すステップS301の処理へと進む。
この場合、CPU101は、印刷機の回転位相検出用カウンタ119よりカウント値を読み込み(ステップS301)、そのカウント値より印刷機の現在の回転位相ψRを求める(ステップS302)。そして、メモリM31に格納されている印刷機の減速開始用回転位相ψSLを読み出し(ステップS303)、印刷機の現在の回転位相ψRと比較する(ステップS304)。
ここで、印刷機の現在の回転位相ψRが印刷機の減速開始用回転位相ψSLとなれば(ステップS304のYES)、給紙装置111に給紙停止指令を出力する(ステップS305)。
また、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117にリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS306)、リセット信号の出力を停止して(ステップS307)、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117における零からのカウント動作(胴入れ胴抜き用回転位相ψDRの計測)を開始させる。
また、メモリM17に印刷ユニット番号として1を書き込み(ステップS308)、このメモリM17に書き込んだ印刷ユニット番号をメモリM6にカウント値Nとして書き込む(ステップS309、S310(図27))。
また、内部クロックカウンタ121にリセット信号およびイネーブル信号を送り(ステップS311)、リセット信号の出力を停止して(ステップS312)、内部クロックカウンタ121における零からのカウント動作(タイマ時間Tの計時)を開始させる。
CPU101は、このタイマ時間Tの計時中、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS313)、この読み出した制御用時間間隔TCとタイマ時間Tとを比較する(ステップS314、S315)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなれば(ステップS315のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM32内の緩動回転速度VPSLを読み出し(ステップS325、S326)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと緩動回転速度VPSLとを比較する(図28:ステップS327)。
この場合、前回の指令回転速度VPColdは緩動回転速度VPSLを上回っているので、ステップS327のNOに応じてステップS328へ進み、メモリM33から減速時の回転速度修正値Δβを読み出す。そして、この読み出した減速時の回転速度修正値Δβを前回の指令回転速度VPColdから減算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS329)。
そして、メモリM32から緩動回転速度VPSLを読み出し(ステップS330)、修正した指令回転速度VPCnewと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS331)。この場合、修正した指令回転速度VPCnewは緩動回転速度VPSLを上回っているので(ステップS331のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとして(ステップS333、S334)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS335、S336)。
CPU101は、原動モータドライバ114への指令回転速度VPCの出力後、その指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込む(ステップS337)。そして、ステップS311(図27)へ戻り、同様の動作を繰り返す。
これにより、印刷機の現在の回転位相ψRが印刷機の減速開始用回転位相ψSLとなった時点で、胴入れ胴抜き用回転位相ψDRの計測が開始されると共に、制御用時間間隔TC毎に、印刷機の速度がΔβずつ減速して行く。
なお、ステップS327において、前回の指令回転速度VPColdが緩動回転速度VPSLと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを緩動回転速度VPSLとして(ステップS338)、ステップS335へ進む。また、ステップS331において、修正した指令回転速度VPCnewが緩動回転速度VPSLを下回っていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを緩動回転速度VPSLとして(ステップS332)、ステップS333へ進む。
<胴抜き>
この処理動作の繰り返し中、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ118よりパルスが出力されると(図29:ステップ316のYES)、CPU101は、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値を読み込み(ステップS317)、この読み込んだ胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値より、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRを求める(ステップS318)。
そして、メモリM6中のカウント値N=1を読み込み(ステップS319)、N=1番目の印刷ユニットの胴抜き開始回転位相ψDOST1をメモリM34より読み出し(ステップS320)、この読み出した印刷ユニットの胴抜き開始回転位相ψDOST1と現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRとを比較する(ステップS321)。
ここで、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴抜き開始回転位相ψDOST1以上であれば(ステップS321のYES)、メモリM6中のカウント値N=1を読み込み(ステップS322)、N=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了回転位相ψDOED1をメモリM35より読み出し(ステップS323)、この読み出した印刷ユニットの胴抜き完了回転位相ψDOED1と現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRとを比較する(ステップS324)。
ここで、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴抜き完了回転位相ψDOED1を超えていないことを確認すると(ステップS324のYES)、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(図30:ステップS339)、計時中のタイマ時間Tと制御用時間間隔TCとを比較する(ステップS340、S341)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCと等しくなれば(ステップS341のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM32内の緩動回転速度VPSLを読み出し(ステップS342、S343)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS344)。
すなわち、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが胴抜き開始回転位相ψDOST1以上となった場合、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなった時点で、前回の指令回転速度VPColdと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS344)。
ここで、前回の指令回転速度VPColdが緩動回転速度VPSLに達していないことを確認すると(ステップS344のNO)、CPU101は、メモリM33から減速時の回転速度修正値Δβを読み出し(ステップS345)、この読み出した減速時の回転速度修正値Δβを前回の指令回転速度VPColdから減算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS346)。
そして、メモリM32から緩衝回転速度VPSLを読み出し(ステップS347)、修正した指令回転速度VPCnewと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS348)。ここで、修正した指令回転速度VPCnewが緩動回転速度VPSLを下回っていないことを確認すると(ステップS348のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとする(ステップS350、S351)。
なお、ステップS344において、前回の指令回転速度VPColdが緩動回転速度VPSLと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを緩動回転速度VPSLとする(ステップS352)。また、ステップS348において、修正した指令回転速度VPCnewが緩動回転速度VPSLを下回っていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを緩動回転速度VPSLとする(ステップS349)。
次に、CPU101は、印刷機の回転位相検出用カウンタ119よりカウント値を読み込み(図31:ステップS354)、そのカウント値より印刷機の現在の回転位相ψRを求める(ステップS355)。求めた印刷機の現在の回転位相ψRはメモリM23に格納する。
そして、メモリM16より指令回転速度VPCを読み出し(ステップS356)、メモリM13より制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS357)、指令回転速度VPCに制御用時間間隔TCを乗じて、次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCを求める(ステップS358)。求めた次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCはメモリM24に格納する。
そして、メモリM23より印刷機の現在の回転位相ψRを読み出し(ステップS359)、この読み出した印刷機の現在の回転位相ψRに次回制御までに印刷機が進む回転位相ΔψCを加算し、次回制御時の印刷機の回転位相ψCを求める(ステップS360)。求めた次回制御時の印刷機の回転位相ψCはメモリM25に格納する。
そして、メモリM6よりカウント値N=1を読み出し(ステップS361)、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’をメモリM10より読み出し(ステップS362)、この読み出したN=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’より、印刷機の現在の回転位相ψRに応ずる胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’として求める(ステップS363、S364)。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’はメモリM26に格納する。
次に、CPU101は、メモリM25より次回制御時の印刷機の回転位相ψCを読み出し(図32:ステップS365)、N=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOEND1を読み出し(ステップS366、S367)、次回制御時の印刷機の回転位相ψCとN=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOEND1とを比較する(ステップS368)。
この場合、次回制御時の印刷機の回転位相ψCはN=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOEND1を超えていないので、ステップS368のNOに応じてステップS373へ進む。
ステップS373において、CPU101は、N=1番目の印刷ユニットの印刷機の回転位相−胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相変換用テーブルTB21’より、次回制御時の印刷機の回転位相ψCに応ずる胴抜き時の胴着脱用モータの回転位相を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’として求める。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’はメモリM28に格納する。
そして、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの次回制御時の仮想の回転位相θMC’よりN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を減算し、次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’を求める(図33:ステップS374)。求めた次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’はメモリM29に格納する。
そして、次回制御までにN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータが進むべき回転位相ΔθM’を制御用時間間隔TCで除して、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCを求める(ステップS375、S376)。求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCはメモリM30に格納する。
そして、メモリM26よりN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を読み出し(ステップS377)、ステップS376で求めたN=1番目の印刷ユニットの胴着脱用モータの指令回転速度VMCとステップS377で読み出したN=1番目の印刷ユニットの現在の仮想の回転位相θMR’を、N=1番目の印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に送信する(ステップS378)。また、メモリM16より指令回転速度VPCを読み出し(ステップS379)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS380)。
この後、CPU101は、原動モータドライバ114に出力した指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込み(ステップS381)、メモリM17中の印刷ユニット番号およびメモリM11中の印刷ユニット総数を読み出し(ステップS382、S383)、印刷ユニット番号が印刷ユニット総数以下であることを確認のうえ(ステップS384のYES)、ステップS309(図26)の処理へと戻り、同様の動作を繰り返す。
この処理動作中、ステップS368(図32)において、次回制御時の印刷機の回転位相ψCがN=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOEND1を超えると、CPU101は、メモリM17内の印刷ユニット番号を読み出し(ステップS369)、この読み出した印刷ユニット番号に1を加算し、新たな印刷ユニット番号としてメモリM17に書き込む(ステップS370)。この場合、印刷ユニット番号は1であるので、新たな印刷ユニット番号を2として、メモリM17に書き込む。
そして、メモリM25にN=1番目の印刷ユニットの胴抜き完了時の印刷機の回転位相ψOEND1を次回制御時の印刷機の回転位相ψCとして書き込み(ステップS371)、このメモリM25に書き込んだ次回制御時の印刷機の回転位相ψCを読み出して(ステップS372)、ステップS373以降の処理へと進む。
CPU101は、上述した1色目の印刷ユニットと同様にして、2色目、3色目、4色目の印刷ユニットについても、胴着脱用モータの指令回転速度VMCおよび胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’を求め、各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に送信する。これにより、各印刷ユニットにおいて、印刷機の速度の変化(印刷機の回転位相の変化スピード)に追従し、適切な動作パターンで胴抜きが行われて行く。
4色目の印刷ユニットでの胴抜きが完了し、ステップS384での印刷ユニット番号が印刷ユニット総数を超えると、CPU101は、内部クロックカウンタ121にリセット信号およびイネーブル信号を送り(図34:ステップS385)、リセット信号の出力を停止して(ステップS386)、内部クロックカウンタ121における零からのカウント動作(タイマ時間Tの計時)を開始させる。
CPU101は、このタイマ時間Tの計時中、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS387)、この読み出した制御用時間間隔TCとタイマ時間Tとを比較する(ステップS388、S389)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCとなれば(ステップS389のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM32内の緩動回転速度VPSLを読み出し(ステップS395、S396)、この読み出した前回の指令回転速度VPColdと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS397)。
ここで、前回の指令回転速度VPColdが緩動回転速度VPSLに達していないことを確認すると(ステップS397のNO)、CPU101は、メモリM33から減速時の回転速度修正値Δβを読み出し(図35:ステップS398)、この読み出した減速時の回転速度修正値Δβを前回の指令回転速度VPColdから減算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS399)。
そして、メモリM32より緩動回転速度VPSLを読み出し(ステップS400)、修正した指令回転速度VPCnewと緩動回転速度VPSLとを比較する(ステップS401)。ここで、修正した指令回転速度VPCnewが緩動回転速度VPSLを下回っていないことを確認すると(ステップS401のNO)、修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとして(ステップS403、S404)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS405、S406)。
CPU101は、原動モータドライバ114への指令回転速度VPCの出力後、その指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込む(ステップS407)。そして、ステップS385(図34)へ戻り、同様の動作を繰り返す。これにより、4色目の印刷ユニットでの胴抜きの完了後も、制御用時間間隔TC毎に、印刷機の速度がΔβずつ減速して行く。
なお、ステップS397において、前回の指令回転速度VPColdが緩動回転速度VPSLと等しくなった場合には、指令回転速度VPCを緩動回転速度VPSLとして(ステップS408)、ステップS405(図35)へ進む。また、ステップS401において、修正した指令回転速度VPCnewが緩動回転速度VPSLを下回っていた場合には、修正した指令回転速度VPCnewを緩動回転速度VPSLとして(ステップS402)、ステップS403へ進む。
<排紙完了>
この処理動作の繰り返し中、印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ118よりパルスが出力されると(図36:ステップ390のYES)、CPU101は、胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値を読み込み(ステップS391)、この読み込んだ胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ117のカウント値より、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRを求める(ステップS392)。
そして、メモリM37より排紙完了時の胴入れ胴抜き用回転位相ψDEXを読み出し(ステップS393)、この読み出した排紙完了時の胴入れ胴抜き用回転位相ψDEXと現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRとを比較する(ステップS394)。
ここで、現在の胴入れ胴抜き用回転位相ψDRが排紙完了時の胴入れ胴抜き用回転位相ψDEXを超えたことを確認すると(ステップS394のYES)、メモリM13に格納されている制御用時間間隔TCを読み出し(ステップS409)、計時中のタイマ時間Tと制御用時間間隔TCとを比較する(ステップS410、S411)。
ここで、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCと等しくなれば(ステップS411のYES)、メモリM12内の前回の指令回転速度VPColdとメモリM33内の減速時の回転速度修正値Δβを読み出す(ステップS412、S413(図37))。そして、この読み出した減速時の回転速度修正値Δβを前回の指令回転速度VPColdから減算して、修正した指令回転速度VPCnewを求める(ステップS414)。そして、この修正した指令回転速度VPCnewを指令回転速度VPCとして(ステップS415)、原動モータドライバ114に出力する(ステップS416、S417)。
CPU101は、原動モータドライバ114への指令回転速度VPCの出力後、その指令回転速度VPCを前回の指令回転速度VPColdとしてメモリM12に書き込む(ステップS418)。そして、内部クロックカウンタ121によるタイマ時間Tの計時を開始させ(ステップS419、S420)、タイマ時間Tと制御用時間間隔TCとを比較し(ステップS421〜S423)、タイマ時間Tが制御用時間間隔TCに達する毎に(ステップS423のYES)、印刷機の速度をΔβずつ減速させて行く(ステップS424〜S431(図38))。
そして、修正した指令回転速度VPCnewが0を下回った時点で(ステップS427のYES)、各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200に印刷停止指令を送信すると共に(ステップS432)、原動モータドライバ113に停止指令を出力する(ステップS433)。これにより、印刷機が停止する。
〔各印刷ユニットの胴着脱用制御装置200のCPU201の処理動作〕
胴着脱用制御装置200のCPU201は、印刷機の制御装置100より印刷開始指令が送信されてくると(図39:ステップS501のYES)、ステップS502において、印刷機の制御装置100からの胴着脱用モータの指令回転速度VMCおよび現在の仮想の回転位相θMR’の送信を待つ。また、ステップS503において、印刷機の制御装置100からの印刷停止指令の送信を待つ。
印刷機の制御装置100から胴着脱用モータの指令回転速度VMCおよび現在の仮想の回転位相θMR’が送信されてくると(ステップS502のYES)、CPU201は、この胴着脱用モータの指令回転速度VMCおよび現在の仮想の回転位相θMR’を受信して、胴着脱用モータの指令回転速度VMCをメモリM50に格納し、現在の仮想の回転位相θMR’をメモリM51に格納する(ステップS504)。
そして、胴着脱用モータの回転位相検出カウンタ210のカウント値を読み込み(ステップS505)、この読み込んだ胴着脱用モータの回転位相検出カウンタ210のカウント値より、胴着脱用モータの現在の回転位相θMRを求める。求めた胴着脱用モータの現在の回転位相θMRはメモリM53に格納する。
そして、胴着脱用モータの現在の仮想の回転位相θMR’より胴着脱用モータの現在の回転位相θMRを減算し、胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRを求める(図40:ステップS507)。求めた胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRはメモリM54に格納する。
また、胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRより、胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値を求める(ステップS508)。求めた胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値はメモリM55に格納する
そして、メモリM56内の胴着脱用モータの回転位相差の許容値ΔθMRpを読み出し(ステップS509)、この読み出した胴着脱用モータの回転位相差の許容値ΔθMRpと胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値とを比較する(ステップS510)。
ここで、胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値が胴着脱用モータの回転位相差の許容値ΔθMRp以内であれば(ステップS510のYES)、メモリM50から胴着脱用モータの指令開演速度VMCを読み出し(ステップS511)、胴着脱用モータの駆動モータドライバ208へ出力する。
胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRの絶対値が胴着脱用モータの回転位相差の許容値ΔθMRpを超えていれば(ステップS510のNO)、メモリM57内の胴着脱用モータの現在の回転位相差−指令回転速度の補正値変換テーブルを読み出し(ステップS513)、この胴着脱用モータの現在の回転位相差−指令回転速度の補正値変換テーブルから胴着脱用モータの現在の回転位相差ΔθMRに応ずる胴着脱用モータの指令回転速度の補正値σを求める(ステップS514、S515)。求めた胴着脱用モータの指令回転速度の補正値σはメモリM58に格納する。
そして、メモリM50から胴着脱用モータの指令回転速度VMCを読み出し(ステップS516)、この読み出した胴着脱用モータの指令回転速度VMCにステップS514で求めた胴着脱用モータの指令回転速度の補正値σを加算し、胴着脱用モータの指令回転速度VMCとしてメモリM50に上書きし(ステップS517)、この上書きした胴着脱用モータの指令回転速度VMCを胴着脱用モータの駆動モータドライバ208へ出力する(ステップS518)。
〔実施の形態3〕
図41および図45に、さらに詳細な別の実施の形態(実施の形態3)として、本発明に係る印刷機の胴着脱装置を含む印刷機の胴着脱制御システムのブロック図を示す。
上述した実施の形態2では、胴着脱用モータとしてDCサーボモータを使用していたが、この実施の形態3では、胴着脱用モータとしてステッピングモータを使用している。以下、この実施の形態3で使用する胴着脱用モータを胴着脱用ステッピングモータと呼ぶ。
この実施の形態3では、実施の形態2と区別するために、印刷機の制御装置を符号100’で示し、各色の印刷ユニットの胴着脱用制御装置を符号200’で示している。
印刷機の制御装置100’の基本構成は、実施の形態2における印刷機の制御装置100と同じであるが、メモリ134に格納される内容が胴着脱用ステッピングモータ用のものとされている。図42〜図44にメモリ134に格納される内容を示す。
胴着脱用制御装置200’は、図13に示した実施の形態2で用いられている胴着脱用制御装置200と比較して分かるように、胴着脱用モータの駆動モータ209に代えて胴着脱用ステッピングモータ219が用いられ、胴着脱用モータの駆動モータドライバ208に代えて胴着脱用ステッピングモータのステッピングモータドライバ218が用いられている。また、胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタ210に代えて胴着脱用ステッピングモータの回転位相検出用カウンタ220が用いられ、胴着脱用モータの原点位置検出センサ212に代えて胴着脱用ステッピングモータの原点位置検出センサ221が用いられている。
この胴着脱用制御装置200’において、胴着脱用ステッピングモータ219は、ステッピングモータドライバ218からの正転パルスおよび逆転パルスを受けて回転する。胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタ210のカウント値は、胴着脱用ステッピングモータ219への正転パルスによりカウントアップされ、逆転パルスによってカウントダウンされる。
この胴着脱用制御装置200’において、メモリM217に格納される内容は、印刷機の制御装置100’と同様、胴着脱用ステッピングモータ用のものとされている。図46にメモリ217に格納される内容を示す。
図47〜図70に印刷機の制御装置100’におけるCPU101が実行する処理動作のフローチャートを分割して示す。図71および図72に印刷ユニットの胴着脱用制御装置200’におけるCPU201が実行する処理動作のフローチャートを分割して示す。図47〜図57に示したフローチャートにおいてステップS601〜S722の処理は、図15〜図25に示したフローチャートにおけるステップS101〜S222の処理に対応する。また、図58〜図70に示したフローチャートにおいてステップS801〜S933の処理は、図26〜図38に示したフローチャートにおけるステップS301〜S433の処理に対応する。また、図71および図72に示したフローチャートにおいてステップS1001〜S1018の処理は、図39および図40に示したステップS501〜S518の処理に対応する。
なお、この図47〜図72に示したフローチャートに従う処理動作については、胴着脱用モータをDCサーボモータからステッピングモータに置き換えたのみで、実施の形態2で説明したものと同様であるので、その説明は省略する。
1…版胴、2…ゴム胴、3…圧胴、PC…P切欠、BC…B切欠、IC…I切欠、10(10−1〜10−4)…印刷ユニット、21…印刷開始スイッチ、22…印刷停止スイッチ、23…胴入センサ、24…回転速度設定器、25…紙厚設定器、26…印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ、27…給紙装置、28…記憶装置、29(29−1〜29−4)…胴着脱用モータ、30…胴着脱制御装置、TB1(TB11〜TB14)…基準の回転位相変換用テーブル(着動作用)、TB2(TB21〜TB24)…基準の回転位相変換用テーブル(脱動作用)、100,100’…印刷機の制御装置、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…印刷開始スイッチ、105…印刷停止スイッチ、106…入力装置、107…表示器、108…出力装置、109…回転速度設定器、110…紙厚設定器、111…給紙装置、112…胴入センサ、113…D/A変換器、114…原動モータドライバ、115…原動モータ、116…原動モータ用ロータリエンコーダ、117…胴入れ胴抜き位相検出用カウンタ、118…印刷機回転位相検出用ロータリエンコーダ、119…印刷機の回転位相検出用カウンタ、120…印刷機の原点位置検出用センサ、121…内部クロックカウンタ、122〜133…インタフェース、134(M1〜M37)…メモリ、200(2001〜2004),200’(200’1〜200’4)…印刷ユニットの胴着脱用制御装置、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…入力装置、205…表示器、206…出力装置、207…D/A変換器、208…胴着脱用モータの駆動モータドライバ、209…胴着脱用モータの駆動モータ、210…胴着脱用モータの回転位相検出用カウンタ、211…胴着脱用モータの駆動モータ用ロータリエンコーダ、212…胴着脱用モータの原点位置検出用センサ、213〜216…インタフェース、217(M50〜M58)…メモリ、218…胴着脱用ステッピングモータのステッピングモータドライバ、219…胴着脱用ステッピングモータ、220…胴着脱用ステッピングモータの回転位相検出用カウンタ、221…胴着脱用ステッピングモータの原点位置検出用センサ。