JP5569535B2 - 駆動機構およびそれを用いた撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話の撮像装置等に好適に用いられる駆動機構およびそれを用いた撮像装置に関し、特に、前記駆動機構として、オートフォーカスやズーム等を実現するにあたって、SIDM(Smooth Impact Drive Mechanism(登録商標))から成る超音波リニアアクチュエータを使用するものに関する。
前記携帯電話の撮像装置等に用いられる小型のレンズユニットでは、駆動機構として、前記超音波リニアアクチュエータを用いたものが実用化されている。この超音波リニアアクチュエータは、圧電素子の伸縮をロッドに伝え、そのロッドに所定の摩擦力で係合している移動レンズ群を、前記圧電素子の伸張時と縮小時との速度差を利用して移動させるものである。このような超音波リニアアクチュエータでは、例えばロッドをゆっくりと伸張させることによって、そのロッドに摩擦係合している移動レンズ群も移動する一方、前記所定の摩擦力を超える程、ロッドを瞬時に縮小させると、前記移動レンズ群が伸張位置に取り残される。このようなロッドの伸長と収縮とを繰返し行うことで、超音波リニアアクチュエータは、前記移動レンズ群を前記ロッドの軸方向に移動させることができる。このような超音波リニアアクチュエータのロッドをレンズ光軸方向に設置し、移動させるべきレンズ群の保持部材を前記ロッドに係合させることで、前記オートフォーカスやズーム等の機能が可能となる。
このような超音波リニアアクチュエータにおいて、特許文献1では、図29で示すように、移動体本体1001は、V溝1002と対向するバネ状部品の押圧部材1003との間で、超音波リニアアクチュエータのロッド1004を抱え込んで(挟持して)いる。そして、押圧部材1003の基端103aは、移動体本体1001に固定され(移動体本体1001から延設され)、遊端1003bがロッド1004に圧接している。
このような超音波リニアアクチュエータでは、押圧部材1003のバネとして機能する部分の長さ(移動体本体1001での固定点からロッド1004への当接点)が短くなり、バネ感度、すなわちたわみ量変化に対するバネ押さえ力の変化量の割合が大きくなる。このため、部品寸法誤差が発生すると、超音波リニアアクチュエータの摩擦力(挟持力)にバラツキが発生し、駆動性能(速度など)が不安定になってしまう。なお、押圧部材1003を移動体本体1001から切離した平板または断面V字状の板状体とし、その板状体と移動体本体1001のV溝1002の周縁部との間に、巻きバネを張架することで、比較的安定な摩擦力(挟持力)を得ることができる。しかしながら、携帯電話に用いられる小型の撮像装置では、その巻きバネが占めるアクチュエータ周りのスペ−スが大きくなり、小型化の障害になるとともに、組立ても困難である。
また、超音波リニアアクチュエータにおいて、特許文献2では、図30で示すように、レンズホルダ1101には、圧電素子1102およびロッド1103から成る超音波リニアアクチュエータ1104が設けられ、ロッド1103に係合するベース1105側の受け部1106は、軸直角断面がV字状の溝107を有するブロック1108と、前記軸直角断面がV字状の板バネ1109とで構成されている。
また、特許文献3でも、図31で示すように、ロッド1111は、軸直角断面がV字状の溝1112を有する移動体1113と、前記軸直角断面がV字状の板状体1114とで挟み込まれ、コ字形状のバネ1115は、これらに弾発力(摩擦力)を作用させている。図31(A)は、分解斜視図であり、図31(B)は、組立て状態を示す斜視図である。
このような超音波リニアアクチュエータでは、V字形状を構成する2つの面は、平面である。このため、前記V字の2つの平面に対して、ロッドは、2つの線当りとなり、例えば図31(B)の切断面線X−Xで示す1つの当り面の切断面を見ると、図32で示すようになる。したがって、移動体1113のロッド1111と接触する2つの面1112は、成形や加工のバラツキによって、図33で示すように湾曲すると、移動体1113とロッド1111との接触状態が安定せず、駆動性能にバラツキが発生したり(速度ムラやしゃくり動作など)、移動体1113がレンズユニットの場合には、移動体1113の傾きによって光学性能が悪化するおそれがある。
特開2007−49878号公報 特開2009−124857号公報 特開2006−311794号公報
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、超音波リニアアクチュエータを用いた駆動機構において、前記超音波リニアアクチュエータにおける移動体の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる駆動機構およびそれを用いた撮像装置を提供することである。
本発明にかかる駆動機構および撮像装置は、圧電素子の伸縮に応じて往復移動するロッドを備える超音波リニアアクチュエータと、前記ロッドに所定の摩擦力で係合する移動体とを備え、前記移動体は、前記摩擦力のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させるように、前記ロッドと係合する部材を備えている。したがって、本発明にかかる駆動機構および撮像装置は、前記超音波リニアアクチュエータにおける移動体の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
本発明の実施の一形態に係る撮像装置の縦断面図である。 図1に示す撮像装置の分解斜視図である。 図2をさらに細かく分解した斜視図である。 図1の切断面線IV−IVにおける断面を拡大して示し、本発明の実施の一形態に係るレンズユニットの保持部材に対する接合構造を示す図である。 図4に対して、レンズが2枚である場合の構造を示す断面図である。 図4に対して、本実施の形態を、レンズと玉枠との接着に用いた場合の構造を示す断面図である。 図1における参照符号αで示す部分を拡大して示し、本発明の実施の一形態に係る通気構造を示す断面図である。 一部の光学素子の図である。 図7に示す通気構造を実現するための接着剤の塗布状態を示す斜視図である。 図1に示す撮像装置における、内部構造を除く前後のフレームの組立て状態を示す斜視図である。 図10に示す後フレームの図である。 図10に示す前フレームの図である。 超音波リニアアクチュエータの取付け角の調整を行うとともに、接着を行う治具の構造を示す断面図である。 後フレームの成型時の様子を拡大して示す模式的な断面図である。 後フレームの成型時の様子を示す模式的な平面図である。 後フレームの他の成型時の様子を示す模式的な平面図である。 他のフレーム構造およびその成型時の断面図である。 前フレームの成型時の様子を拡大して示す模式的な断面図である。 前記前フレームに対する超音波リニアアクチュエータの組付け時の様子を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の一形態に係る超音波リニアアクチュエータのリード線の引回しを説明するための断面図である。 図20の切断面線XXI−XXIから見た断面図である。 第1群ユニットの保持構造を説明するための正面図である。 前記図22の分解斜視図である。 図22に対応する他の押圧部材による保持構造を示す正面図である。 図22の切断面線XXV−XXVから見た断面図である。 図22に対応する他の保持部材および押圧部材による保持構造を示す正面図である。 図25に対応する他の押圧部材による保持構造を示す図である。 図25に対応するさらに他の押圧部材による保持構造を示す図である。 超音波リニアアクチュエータに対する典型的な従来技術の移動体の係合構造を説明するための断面図である。 超音波リニアアクチュエータに対する移動体の係合部分の従来例を示す斜視図である。 超音波リニアアクチュエータに対する移動体の係合部分の他の従来例を示す図である。 図31(B)の切断面線X−Xから見た断面図である。 図32に対応する従来例を説明するための断面図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
図1は、本発明の実施の一形態に係る撮像装置1の縦断面図である。図2は、その分解斜視図であり、図3は、さらに細かく分解した斜視図である。この撮像装置1は、図1ないし図3に示すように、移動レンズユニットである第1群ユニット2と、固定レンズユニットである第2群ユニット3と、第1群ユニット2を光軸方向に駆動する超音波リニアアクチュエータ4と、それらの第1および第2群ユニット2,3および超音波リニアアクチュエータ4を収容する筐体5と、フィルタ6と、撮像素子7とを備えて構成される。この撮像装置1は、携帯電話の端末装置に好適に搭載される。
撮像素子7は、CCDタイプやCMOSタイプのイメージセンサを備えて構成されており、前記端末装置側のプリント基板に搭載される。また、フィルタ6は、その撮像素子7に一体に取付けられている赤外線カットフィルタから成る。図2および図3を含めて、以降フィルタ6および撮像素子7は、省略して示す。
第1および第2群ユニット2,3は、2群5枚の固定焦点のレンズユニットを構成している。超音波リニアアクチュエータ4は、オートフォーカスを実現するために第1群ユニット2を駆動する。第1群ユニット2は、3枚の光学素子21,22,23と、これら光学素子21,22,23を保持する保持部材24と、遮光板25,26と、後述する押圧部材30とを備えて構成される。第2群ユニット3は、2枚の光学素子31,32と、遮光板33,34とを備えて構成され、これら光学素子31,32は、保持部材である後述の後フレーム51に保持されている。
各光学素子21,22,23;31,32は、例えばプラスチックレンズから成り、光路を形成するレンズ部211,221,231;311,321と、前記レンズ部211,221,231;311,321を外周側から保持する保持部212,222,232;312,322とを備え、それらが一体成型されて成る。そして、各レンズ部211,221,231,311,321間には、不要光を遮断するための前記遮光板25,26,33,34がそれぞれ設けられている。
移動レンズ群である第1群ユニット2の駆動機構である超音波リニアアクチュエータ4は、例えば本件出願人が先に特開2001−268951号公報などで提案した小型化に好適なアクチュエータであり、SIDM(Smooth Impact Drive Mechanism(登録商標))アクチュエータと称される。この超音波リニアアクチュエータ4は、軸方向に伸縮する圧電素子41の一端にロッド42が接続され、圧電素子41の他端に錘43が接続され、そして、圧電素子41の伸縮でロッド42が往復移動し、第1群ユニット2の保持部材24がロッド42に所定の摩擦力で係合していることによって、第1群ユニット2が光軸方向に移動される。
より詳しくは、この超音波リニアアクチュエータ4では、圧電素子41に矩形波を与えることによって該圧電素子41の変位が三角波状となり、前記矩形波のデューティを変えることによって振幅の上昇時と下降時とで傾きの異なる三角波が発生する。超音波リニアアクチュエータ4の駆動メカニズムは、これを利用するものである。例えば、ロッド42をゆっくりと伸張させることで、そのロッド42に摩擦係合している第1群ユニット2も前記伸長に応じて移動し、前記所定の摩擦力を超える程の瞬時に、ロッド42を縮小すると、第1群ユニット2が伸張位置に取り残される。このようなロッド42の伸長と縮小とを繰返し行うことで、第1群ユニット2をロッド42の軸方向に移動させることが可能となる。
錘43は、圧電素子41の伸縮による変位をロッド42側のみに発生させるためのものであり、圧電素子41の他端が筐体5に取付けられるなどして、錘43の機能と同様の機能を発揮することができる場合には、錘43は、省略されてもよい。
超音波アクチュエータ4の圧電素子41は、複数の圧電層が積層され、一対の側面に各圧電層の電極が共通に引出されて構成されている。その側面の電極411,412は、個別のリード線44,45を介して外部接続端子46,47にそれぞれ接続されている。外部接続端子46,47の先端461,471は、前記携帯電話の端末装置側のプリント基板に半田付けされ、或いは前記プリント基板に実装されたコネクタに嵌り込む。この超音波アクチュエータ4の取付けや配線引回しについては、後に詳述する。
筐体5は、樹脂成型品である後フレーム51と、その後フレーム51と組合わせられて箱体を形成する前フレーム52と、板金加工によって形成され、電磁シールド対策および外観対策上の部品である前カバー53とを備えて構成される。この筐体5の構造についても、後に詳述する。
図4は、図1の切断面線IV−IVにおける断面を拡大して示す図である。この図4は、第1群ユニット2における光学素子21,22,23間の互いの接合およびその接合されて成るレンズブロックの保持部材24への接合構造を詳しく説明するための図である。この第1群ユニット2の組立てでは、先ず、光学素子22,23間に遮光板26が挟み込まれて、該光学素子22,23が互いに胴付け接着され、さらに光学素子21,22間に遮光板25が挟み込まれて、光学素子21の調芯の後、該光学素子21,22が互いに胴付け接着されて、前記レンズブロックが完成する。
次に、そのレンズブロックが筒状の保持部材24へ光学素子21側から嵌め込まれ、保持部212の前端面212aが前記保持部材24の前端(物体)側に内向きのフランジ状に形成されている押え板241の後面(像側の面)241aに当接し、光学素子22の保持部222の外周面222aが保持部材24の筒部242の内周面242aに当接した状態で、最も後(像)側の光学素子23の保持部232の外周面232aと、筒部242の端面242bとの間が、接着剤27によって接着固定されて該第1群ユニット2が完成する。
ここで、このように複数枚の光学素子21,22,23を相互に接合して成る第1群ユニット2において、保持部212,222,232は、相互に隣接する光学素子21,22,23におけるレンズ部211,221,231同士の間隔を規定する当接面212b;222b,222c;232cと、予め定める間隔d1,d2を開けて対向する接着剤塗布面212d;222d,222e;232eとを有し、それらの境界に、接着剤塗布面212d;222d,222e;232eから当接面212b;222b,222c;232c側への接着剤28の侵入を防ぐために、周方向に延びる溝部212f;222f,222g;232gが形成されている。相互に対向する当接面212b,222b;222c,232cは、径方向の幅がそれぞれW11,W12で環状に形成され、接着剤塗布面212d,222d;222e,232eは、径方向の幅がそれぞれW21,W22で環状に形成される。間隔d1,d2は、例えば0.005〜0.01mmに設定され、幅W21,W22は、例えば0.4mmに設定される。
このように構成することで、各保持部212,222,232において、相互に対向する接着剤塗布面212d,222d;222e;232eの少なくとも一方に接着剤28を塗布し、隣接する光学素子21,22,23を互いに押圧して、加熱や紫外線照射などで接着剤28を硬化させることで、光学素子21,22,23同士を胴付けによって、簡単かつ強固に接合することができる。さらに、前記押圧の際に、参照符号28aで示すように、余剰となった接着剤は、溝部212f;222f,222g;232gに流れ込み、これによって当接面212b;222b,222c;232cへの接着剤28のはみ出しを防止することができ、前記レンズ部21,22,23同士の間隔に余計な誤差が乗ることなく、光学性能を確保することができる。
また、保持部212,222,232において、当接面212b;222b,222c;232cを外周側に、そして、接着剤塗布面212d;222d,222e;232eを内周側に配置することで、保持部212,222,232の外周側でレンズ部211,221,231同士の間隔を規定することになり、内周側で規定するよりも、当接面212b,222b;222c,232cの間隔(スパン)が拡がる。このため、製造誤差による間隔の誤差(傾きを含む)や偏心を、より小さくすることができるとともに、余剰分の接着剤28aの保持部212,222,232の外周側からのはみ出しを防止し、接合された光学素子21,22,23の保持部材24への組付けを、正確に行うことができる。
さらにまた、保持部212,222において、相互に対向する接着剤塗布面212d,222d;222e;232eのレンズ部211,221,231側にも、溝部212h,222hが形成される。こうして、保持部212,222の最内周付近にも溝部212h,222hを形成することで、参照符号28aで示す余剰分の接着剤の前記レンズ部211,221,231側へのはみ出しも防止することができ、光学性能を確保することができる。
また、保持部212に環状に形成される溝部212hに対して、対向する保持部222には、溝部212hに遊嵌する突起または突条222kが形成され、前記突起または突条222kの外径に対して、溝部212hの内径が所定寸法だけ大きく形成される。すなわち、光学素子21,22同士を胴付けする場合に、それらの一方に参照符号28aで示す余剰接着剤が流れ込む溝部212hが、大き目の環状に形成され、他方には小さ目に突起または突条222kが形成され、両者を接着する際に、前記突起または突条222kによって余剰接着剤28aが溝部212hから溢れないようにしつつ、前記突起または突条222kが溝部212hに嵌り込むようになっている。そして、これら前記突起または突条222kと溝部212hとの関係は、前記突起または突条222kの外径に対して、前記溝部212hの内径が所定寸法だけ大きく形成されており、隣接する光学素子21,22同士で光軸と直交方向にずれが許容されている。
したがって、本実施形態の撮像装置1における第1群ユニット2は、前記ずれを調整することで、後に詳述するようにして光学素子21の調芯を行うことができ、その調芯後に接着剤28を硬化させて光学素子21,22同士を固定することで、従来用いていたような調芯用玉枠を廃止することができる。
さらにまた、光学素子21,22,23は、プラスチックレンズから成り、保持部212,222,232は、レンズ部211,221,231の外周縁の少なくとも一部分から延設される保持片から成り、それらは一体成型され、また上述のように保持部212,222,232同士で胴付けが行われる。ここで、レンズ部がガラスレンズから成る場合、保持部となる保持枠が別体で設けられることが多く、この保持枠が上記のようにして接着固定されることになるが、上述のような光学素子21,22,23同士の胴付けを行うことで、光学素子21,22,23間の接着に、別部品の保持枠を用いる必要がなくなる。
一方、上述のような第1群ユニット2において、複数枚の光学素子21,22,23を筒状の保持部材24で保持してレンズユニットを構成するために、予め光学素子21,22,23同士を接着固定して前記レンズブロックを構成しておくことで、保持部材24と嵌合する光学素子22と、接着する光学素子23とを分けることが可能になる。これを利用して、接着すべき光学素子23と保持部材24との間には、接着剤27の通常の厚盛りによる接着剤溜まり部27bに加えて、それらの間に微小間隔d3を形成することで、接着剤層27aが設けられている。
より具体的には、プラスチックレンズから成る光学素子21,22,23を保持部材24に嵌め込む際に、少なくとも1つの光学素子、好ましくは線膨張係数の小さい材料から成る光学素子22が筒状の保持部材24の内周面242aに嵌合、すなわち保持部材24の径方向に係合される。これに対して、残余の光学素子21,23は、光学素子22に予め接合して前記レンズブロックを構成しておくことで、光軸合わせや傾き調整などの位置決めが行われている。そして、その残余の光学素子21,23における少なくとも一部の光学素子、好ましくは前記筒状の保持部材24に最後に嵌め込まれる後(像)側の光学素子23には、保持部材24の内周面242aと予め定める微小間隔d3を開けて平行となる外周面232aが形成され、それらの内周面242aと外周面232aとの間に接着剤27が充填されて、前記レンズブロックが保持部材24に接着される。
こうして、光学素子23と保持部材24との間に充填された接着剤27は、内周面242aと外周面232aとの間は、接着剤層27aを形成するとともに、筒部242の端面242bと外周面232aとの間は、接着剤溜まり部27bとなる。このように構成することで、レンズ押さえのような別部材を用いることなく、また前記レンズ押えやかしめのように奥行き方向に余分なスペースが発生することなく、相互に平行な保持部材24の内周面242aと光学素子23の外周面232aとの間の微小間隔d3に形成される接着剤層27aによって、そのせん断方向の保持力を利用して接着強度を向上することができる。これによって、振動および衝撃に対する信頼性を向上させつつ、小型および低背化することができる。
前記微小間隔d3は、0.1mm以下が好ましい。それは、0.1mm以下とすると、接着剤層27aにおいて、大きな剪断方向の保持力を発生させることができ、すなわち該接着剤層27aの接着を外すためには、大きな剪断力が必要になり、レンズブロックを保持部材24から外れ難くすることができるためである。
また、上述のように3枚の光学素子21,22,23を互いに接合する場合に、中間の光学素子22と後(像)側の光学素子23との保持部222,232には、相互に嵌り合い、互いの光軸と直角方向の変位を阻止する光軸方向の段差222i,232iが設けられている。これによって、接着剤塗布面222e,232eを互いに接着するだけで、保持部222,232間の光軸と直角(径)方向の変位が阻止され、調芯を行うことができる。
一方、前記中間の光学素子22と前(物体)側の光学素子21との保持部222,212には、当接面222b,212bおよび接着剤塗布面222d,212dが互いの光軸と直角方向の変位を許容する平滑面を形成しており、光学素子22,21間は、溝部212hと前記突起または突条222kによって許容される範囲で調芯可能となっている。そこで、光学素子22,23が接着された後、この光学素子21を接着する際は、接着剤塗布面222d,212dに接着剤28として紫外線硬化性の接着剤が塗布され、調芯が行われた後、紫外線が照射されて接着剤28が固化される。
この光学素子22,23に対する光学素子21の接着時には、光学素子22,23は、光学素子31,32および撮像素子7に相当する部材と共に、一方の治具に仮組され、光学素子21が他方の治具に取付けられ、撮像素子7の撮像出力を確認しながら(光学的な性能を見ながら)、2つの治具の位置が調整されることで調芯が行われる。より具体的には、物体側にチャートが置かれ、この置かれたチャートが、前記仮組の光学素子21,22,23,31,32を通して撮像素子7で撮影され、この撮影された像の状態(片ボケなど)に応じて光学素子21(他方の治具)が、光軸に垂直な方向に移動させる。このようにして、所定の光学性能が得られるように調整しつつ、光学素子21,22,23を一体化することができる。
そして、前記レンズブロックとして一体化された光学素子21,22,23の内、上述のように中間の光学素子22を筒状の保持部材24の内周面242aに嵌合し、後(像)側の光学素子23の外周面232aを前記保持部材24の内周面242aに接着することで、前記振動および衝撃に対する信頼性を向上させることができる。また、上述のような3枚の光学素子21,22,23の構成において、調芯を行う場合、従来では、光学素子22,23を一体で保持する玉枠に対して、光学素子21は調芯用玉枠に保持され、位置調整の後、玉枠同士が接着されることになるが、本実施の形態では、上述のように光学素子21を光学素子22に胴付けによって接着するので、前記の調芯用玉枠を削減し、小型・低背化することができる。
上述の例では、保持部材24の前端(物体)側に抜け止めの押え板241が形成され、前記レンズブロックとして一体化された光学素子21,22,23は該保持部材24の後方(像側)から嵌め込まれたけれども、押え板241が後端(像)側に設けられ、光学素子21,22,23が前方(物体側)から嵌め込まれる場合、前方(物体)側の光学素子21が保持部材24に接着されることになる。
また、第1群ユニット2を構成する光学素子21,22,23は、3枚であったけれども、2枚や、4枚以上であってもよい。2枚で保持部材24の後方(像側)から嵌め込まれる場合、図5で示すように、前方(物体)側の光学素子21’が保持部材24’に嵌合し、後方(像側)の光学素子23’が保持部材24’に接着されることになる。また、光学素子が4枚以上の場合、少なくとも略中間の光学素子が保持部材24に嵌合していることが好ましい。
さらにまた、上述の実施形態では、光学素子21,22,23は、レンズ部211,221,231と、その外周縁部から延びて形成される保持部212,222,232とを備える構成において、保持部212,222,232における当接面212b;222b,222c;232cと接着剤塗布面212d;222d,222e;232eとを区画するように溝部212f;222f,222g;232gが形成されたが、図6で示すように、単体レンズ20を、鏡筒や玉枠などの保持部材29などに接着する場合に用いられてもよい。
すなわち、レンズ部20aと、そのレンズ部20aの外周側に延在する外縁部20bとを有する単体レンズ20と、それを保持する保持部材29とを接合して成るレンズユニット2’において、保持部材29は、外縁部20bと当接して光軸方向の位置決めを行う当接面29aと、外縁部20bと予め定める間隔d4を開けて対向し、接着剤28’が塗布されるべき接着剤塗布面29bとを有し、その当接面29aと接着剤塗布面29bとの境界に、周方向に延びる溝部29cが形成される。このように構成することによって、接着剤塗布面29bから当接面29a側への接着剤28’のはみ出しを防止することができ、単体レンズ20の保持部材29への取付けに余計な誤差が乗ることなく、光学性能を確保することができる。
一方、第2群ユニット3では、後フレーム51に形成された嵌合孔511に光学素子32、遮光板34および光学素子31が順に嵌め込まれ、接着剤35によって接着固定される。ここで、固定レンズ群であり、後(像)側に撮像素子7を備える第2群ユニット3において、後(像)側の光学素子32の保持部322には、その保持部材である後フレーム51との当接面323における周方向の一部において、段差324が形成されるとともに、外周面325には、その段差324に連なる切欠き326が形成されている。これに対応して、前(物体)側の光学素子31の保持部312の外周面315にも、切欠き316が形成され、これらの段差324および切欠き326,316を通してのみ、該第2群ユニット3と撮像素子7との間の空間8が、外部に連通している。
図7は、図1における参照符号αで示す部分を拡大して示す断面図である。また、図8(A)は、光学素子32の正面図であり、図8(B)は、その保持部322の周縁部付近を拡大して示す断面図である。後フレーム51の嵌合孔511には、後端(像)側に、内向きのフランジ(鍔)状に形成されている押え板511aが設けられており、この押え板511aは、光学素子32の保持部322の当接面323を保持する。したがって、この当接面323の一部に形成される段差324によって、押え板511aとの間には、間隔d5の隙間が形成される。
また、プラスチックレンズから成る光学素子32,31は、射出成型によって成型された後に、ゲート位置には、バリ取りの工程でDカットが施される。このDカットによって切欠き326,316が形成され、そのDカットによる範囲を図8(A)において区間d6で示し、そのDカットによる径のバラツキの範囲を、図7および図8(B)では網掛けで示す。なお、図8では、段差324を強調して示している。そして、光学素子32,31を後フレーム51に組付けた後に、図9で示すように、前記Dカットの区間d6だけ、接着剤35を塗布しないで、切欠き326,316による隙間317が外部に開放される。接着剤35に代えて、かしめや溶着が用いられる場合には、区間d6だけ、そのような固定(閉塞)を行わないようにすればよい。区間d6は、例えば0.3〜0.8mm程度である。
ここで、レンズ交換のできない小型の撮像装置において、オートフォーカスやズームのための移動レンズ群の周囲は、該移動レンズ群の移動の障害とならないように外気に開放(外部と連通)しているが、動かない構成である固定レンズ群から、その像(背後)側に設けられる撮像素子の間の空間は、ゴミの侵入を防止するために、通常、密閉空間としたり、或いは温度や気圧の変化による前記空間内の空気の膨張や収縮に対応するために、その空間への通路にフィルタなどを設けたりすることによって、前記外気の流入に制約が設けられている。
これに対して本実施の形態では、既存の部品である第2群ユニット3における光学素子32,31と、その保持部材である後フレーム51との構造を、上述のように工夫すること(クリアランスの見直し)で、図7において参照符号Fで示すような空気通路が形成され、前記温度や気圧の変化による前記空間8内の空気の膨張や収縮に対応する。すなわち、光学素子32の保持部322における段差324および切欠き326、ならびに光学素子31の保持部312における切欠き316を連通させることで、前記空気通路が形成される。そして、その空気通路の幅、高さ、径を前記ゴミの径よりも狭く形成しておく。より具体的には、段差324による当接面323と押え板511aとの間隔d5が、画像のシミになるゴミの最小サイズである0.02mm以下に形成される。
このように構成することで、段差324および切欠326,316部分が、ゴミが侵入出来ないラビリンス構造を実現し、しかもその構造を、既存の構成部品で、部品点数の増加を招くことなく、かつ別部品も発生せずに、簡単かつ低コストに実現することができている。
また、切欠き326,316に、光学素子32,31の射出成型時におけるゲート位置に形成されるDカットを利用することで、成型時のバリ取り等の工程で前記Dカットを形成することができ、工程の増加を無くすことができる。
なお、前記空気通路を形成する段差324および切欠き326,316の少なくとも一部分が前記ゴミの最小サイズより狭く形成されていればよい。また、同じ光学素子32に設けられる段差324と切欠326とは周方向に同じ位置、すなわち上述のように連通している必要があるが、光学素子32,31間で、前記切欠き326,316は、必ずしも周方向の位置が一致している必要はない。しかしながら、一致している方が、確実に空気の抜け道を形成することができる。
さらにまた、段差324および切欠326,316は、光学素子32,31と後フレーム51との何れに形成されてもよいが、上述のように光学素子32,31側に形成された場合、保持部材である後フレーム51のコア加工が容易になり、一方、後フレーム51側に形成された場合、光学素子32,31のコア加工が容易になり、それぞれの部品の精度を向上することができる。
次に、筐体5の構成について説明する。図2および図3において、この筐体5を構成する部材の内、前カバー53は、電磁シールドおよび外観(意匠)上設けられる板金加工品であり、フレーム51,52が組付けられた後、前フレーム52側から被せられ、側壁531に設けられた係止爪531aがそれぞれ後フレーム51の側壁512に形成された係止凹部512aに嵌り込むことで、該後フレーム51に固定される。
フレーム51,52は、前述のように相互に組合わせられて箱体を形成し、その内部に第1群ユニット2および第2群ユニット3ならびに超音波リニアアクチュエータ4を少なくとも収容する。これらフレーム51,52は、箱体が、光軸方向である前後に2分割された形状を有する樹脂成型品から成り、かつ前記箱体の側壁512,521は、貫通孔が無い形状に形成され、これによって箱体内が気密に形成される(前記係止凹部512aは、貫通孔ではなく、底が閉塞された凹所である)。
図10は、第1群ユニット2および第2群ユニット3ならびに超音波リニアアクチュエータ4などを除き、フレーム51,52だけを組合わせた状態を示す斜視図である。また、図11は、後フレーム51の図であり、(A),(B)は、前面(物体)側から見た斜視図、(C)は、後面(像)側から見た斜視図、(D)は、前面(物体)側から見た正面図である。同様に、図12は前フレーム52の図であり、(A)は、前面(物体)側から見た斜視図、(B),(S)は、後面(像)側から見た斜視図、(D)は、後面(像)側から見た正面図である。
上述の図10〜図12に、図1および図2も合わせて参照して、後フレーム51は、大略的に、矩形のベース513の外周側から側壁512が立設されるとともに、内周側には保持筒514が立設されて成る。保持筒514の内周側は、嵌合孔511となって、第2群ユニット3を保持する。側壁512において、4面総ての側壁には、その後端(像)側に、前カバー53の係止爪531aが嵌り込む係止凹部512aが形成され、相互に平行な一対の側壁には、前フレーム52の側壁521に形成された係止孔521aに嵌り込む係止突起512bが形成されている。これによって、特別な固定の作業を行うことなく、嵌め込むだけで、該後フレーム51に、前フレーム52および前カバー53を取付けることができるようになっている。
また、後フレーム51には、複数の位置決め用のボス515が、適宜分散して配置されており、前フレーム52側の対応する位置決め孔525に嵌り込むことで、これらのフレーム51,52の光軸とは直交方向のずれが防止されている。
さらにまた、後フレーム51の1つの隅角部には、超音波リニアアクチュエータ4を収納するための収納凹部516が形成されるとともに、対角線上の隅角部には、第1群ユニット2を案内する一対の案内壁517が形成されている。さらにまた、その収納凹部516から離れた側壁に、外部接続端子46,47に対応する取付け凹部518,519が形成されている。
前フレーム52は、矩形の前面板522の外周側から側壁521が立設されるとともに、内周側には第1群ユニット2が外部に臨む開口523が形成されている。前フレーム52の1つの隅角部には、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42の先端部が嵌り込む嵌合孔526が形成されるとともに、対角線上の隅角部には、第1群ユニット2を案内する一対の案内壁527が形成されている。
そして、これらのフレーム51,52の組立てには、先ず、前述のように後フレーム52の嵌合孔511に光学素子32、遮光板34および光学素子31が順に嵌め込まれ、接着剤35によって接着固定されて第2群ユニット3が完成される。次に、超音波リニアアクチュエータ4が後フレーム51の収納凹部516に組み込まれ、該超音波リニアアクチュエータ4の外部接続端子46,47が取付け凹部518,519に嵌め込まれるとともに、一対のリード線44,45が第2群ユニット3の周囲を引回され、遮光板33で抑え込まれる。続いて、前述のようにして組立てられた第1群ユニット2が超音波リニアアクチュエータ4のロッド42に係合された後、その先端部が嵌合孔526に嵌合されつつ、2つのフレーム51,52が組合わせられ、係止突起512bが係止孔521aに嵌り込むことで、フレーム51,52が相互に固定される。
この状態では、超音波リニアアクチュエータ4は、ロッド42の先端1点で固定されているだけで、圧電素子41側は、変位可能である。これは、超音波リニアアクチュエータ4のフレーム51,52に対する取付け角(チルト角)を調整可能とするためで、調整後は、錘43の背面43aを、後フレーム51のベース513に接着することで、圧電素子41を固定する。そのため、ベース513において、収納凹部516に連なる調整孔516aが形成されている。この調整孔516aは、錘43よりも小径に形成される。なお、錘43が省略されている場合は、圧電素子41の背面がベース513に接着されればよい。
図13は、そのような超音波リニアアクチュエータ4の取付け角(チルト角)の調整を行うとともに、接着を行う調整治具9の構造を示す断面図である。この調整治具9は、大略的に、第1治具91と、第2治具92と、接着剤充填部93とを備えて構成される。第1治具91は、第2群ユニット3が取付けられた後フレーム51において、撮像素子7の取付け基準面となり、撮像素子7の素子面と平行で、かつ該第2群ユニット3の光軸と垂直に形成されているベース513の後面513aと当接する当接面911を有し、該後フレーム51を把持する。第2治具92は、第1群ユニット2の基準面となり、該第1群ユニット2の光軸と垂直に形成されている押え板241の前面241bと当接し、第1治具91側の当接面911と平行な当接面921を有する。
したがって、第2治具92が第1群ユニット2を吸着することで、該第1群ユニット2の光軸における、撮像素子7の素子面に対する角度を垂直に調整することができる。接着剤充填部93は、調整孔516a付近に吐出口931を有している。そして、上述のようにして第1群ユニット2の光軸調整が行われた後、該吐出口931から錘43の後端面43aに向けて紫外線硬化性の接着剤48が吐出され、紫外線が照射されると、錘43がベース513に固定される。
こうして組立てられた後に、調整治具9から取外され、前カバー53を嵌め込んだ状態が図1に示されている。このような調整治具9を用いることで、移動レンズ群である第1群ユニット2の傾き調整および超音波リニアアクチュエータ4の後フレーム51への接着固定を容易に行うことができる。
ここで、第2治具92において、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42の先端部42aに当接し、該超音波リニアアクチュエータ4の取付け高さを規定する位置決めピン922は、その当接部分922aの形状が球形状に形成されている。したがって、当接部分922aは、ロッド42の先端部42aの中心と点当りとなり、傾き調整の安定化を図ることができる。
なお、撮像素子7を後フレーム51に組付けた後に、その撮像画像をモニタしながら、画質が最良となるところに、調整孔516aから錘43の背面43aを動かすという簡単な作業で、超音波リニアアクチュエータ4の傾き調整を行い、さらに第2群ユニット3に対する撮像素子7の位置調整などを行った後、超音波リニアアクチュエータ4のフレームへの接着固定を行うようにしてもよい。その場合、複数群のレンズ構成で、移動レンズ群である第1群ユニット2以外の性能劣化の要因も含めてキャンセルすることができ、撮像装置トータルとしての性能出しが可能になる。
以上のように、例えばオートフォーカスのために超音波リニアアクチュエータ4を用いて第1群ユニット2を光軸方向に移動させるようにした撮像装置1において、該撮像装置1の概ね外形状を形成するフレーム51,52を、箱体を光軸方向の前後に2分割した形状で形成し、さらに前フレーム52の前面板522によって超音波リニアアクチュエータ4のロッド42の先端部を、後フレーム51のベース513によって、錘43を介して圧電素子42を保持することで、フレーム51,52の側壁512,521を気密、すなわち貫通孔の無い形状に形成することができる。これによって、ゴミの侵入を防ぐことができるとともに、前面からの耐押し強度等、フレーム51,52の剛性を高め、該フレーム51,52に掛かる圧力による超音波リニアアクチュエータ4の破壊を防止することもできる。
また、前フレーム52の前面板522には、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42の先端部42aが嵌挿し、その先端部を該超音波リニアアクチュエータ4が所定範囲で傾倒(チルト)可能に支持する嵌合孔526が設けられ、後フレーム51のベース513には、錘43の背面43aに臨み、該背面43aより狭小に形成される調整孔516aが形成され、第1群ユニット2の光軸における、撮像素子7の素子面に対する角度が垂直となるように、錘43を調整孔516aに対して位置調整した後、調整孔516aに接着剤48を充填して錘43が固定される。このため、超音波リニアアクチュエータ4のフレーム51,52に対する取付け角が調整可能とされ、移動レンズ群である第1群ユニット2の傾き精度を部品精度に依存することなく向上することができる。また、嵌合孔526は、ロッド42の先端部42aによって、調整孔516aは、錘43の背面43aおよび接着剤48によって、それぞれ閉塞されるので、ゴミが侵入することはなく、また嵌合孔526を閉塞するために、前記成型品(前フレーム52)に肉厚が不要となり、低背化を図ることができる。
また、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42は、その先端側のみが前面板522に支持されるだけであるので、該ロッド42の長さは、大略的に、前フレーム52に支持される部分の長さに、第1群ユニット2の移動長さを加えた長さに抑えることができる。すなわち、軸支持部分が従来では2箇所であるが1箇所で済むので、その軸嵌合長分の長さだけ装置高さを低くすることが可能となり、低背化することができる。さらにまた、第1群ユニット2の傾き調整を行うように調整孔516aを形成しても、その調整孔516aには接着剤48を充填して、錘43との間で閉塞するので、ゴミの侵入も防ぐことができる。
なお、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42が後フレーム51のベース513に支持され、錘43が前フレーム52の前面板522に支持されてもよい。
ここで、図14に後フレーム51の成型時の様子を示す(便宜上、上下が逆転している)。フレーム51,52には、構造的に、前後(光軸)方向、すなわち金型の抜き方向とは直交方向にせり出す部材が形成されていない。したがって、フレーム51を成型する金型は、固定コア94と、その固定コア94に対して前記抜き方向に近接離反可能な可動コア95とを設けるとともに、前記抜き方向とは直交方向に可動のスライドコア96とを設け、それぞれは、矢符94a,95a,96aに型抜きされる。この際、係止凹部512aや係止突起512bを形成するために、この図14で示すように、外部からのスライドコア96にこれらを形成させることで、可動コア95は、そのまま矢符95a、すなわち前後(光軸)方向に型抜きすることができる。
そして、図15に示すように、左右2面のスライドコア961,962でフレーム51,52の側面を形成する場合、係止凹部512aや係止突起512bとなる部分であって、型抜き時に引っ掛かる部分に、参照符号512a1で示すような、抜き方向96aに沿ったテーパ面が形成される。テーパ面512a1のフレーム51,52の側面との角度βは、45°以内である。これによって、左右2面のスライドコア961,962によって、フレーム51,52の側面に凹凸を形成することができる(図11(D)で示す後フレーム51の正面図において、外部接続端子46,47に対応する取付け凹部518,519に顕著に表れている)。
このように構成することで、型抜きが容易であるとともに、型構成上、中子が無く、前記のように側壁512,521に貫通孔が無い箱体を形成することができ、ゴミの侵入を防ぐことができるとともに、フレーム51,52の剛性を高めることができる。
図16には、図15のようなスライドコア961,962を用いて複数(図16の例では4)個のフレーム51を形成する例を示す。こうして、左右2面のスライドコア961,962だけでフレーム51,52の側面の凹凸を形成できることで、成型品(フレーム51,52)を相互に近付けて成型することができ、部品の取れ数が上がり、コストを削減することができる。
なお、図17(A)で示すように、フレーム51’にフレーム52’や図示しない前フレーム53が、接着によって固定される場合、該フレーム51’,52’の側面に凹凸は無く、図17(B)で示すような前後に型抜きするコア97,98のみで成型することができ、さらに部品の取れ数を増やすことができる。
一方、図18には、前フレーム52の成型時の様子を示す。前フレーム52には、その前面板522に、ロッド42の嵌合孔526が形成される。この嵌合孔526は、可動コア100で形成され、また前面板522の裏面となる側には、嵌合孔526の外周にテーパ526aが形成される。したがって、固定コア99と型締めし、成型を行った場合、タッチバリ(ヒゲ)は、形成されたとしても、前フレーム52の外面側に形成されることになる。
したがって、図19で示すように、ロッド42を嵌合孔526に嵌合させる際には、バリの影響はなく、また、このバリは、気密なフレーム51,52内に侵入することなく、移動部材24の係合部243に噛み込んだりすることはない。これによって、超音波リニアアクチュエータ4は、円滑な動作を行うことができる。また、ロッド42は、1箇所の嵌合孔526に嵌合させるだけでよく、さらにその入口にはテーパ526aが形成されているので、容易に組立てることができる。
また、図20および図21は、リード線44,45の引回しを説明するための図であり、図20は、撮像装置1の断面図であり、図21は、図20の切断面線XXI−XXIから見た断面図である。これら図20および図21では、リード線44,45は、半田付けされるものとしている。前述のようなフレーム51,52の構成において、本実施形態では、超音波リニアアクチュエータ4へのリード線44,45の引回しおよび外部接続端子46,47の取付け構造が工夫されている。
より具体的には、先ず、超音波アクチュエータ4における圧電素子41の電極411,412には、フレーム51,52中を引回される変形容易な個別のリード線44,45の一端441,451が、それぞれ参照符号481,491で示すように半田付けされる。リード線44,45の他端442,452は、外部接続端子46,47に、それぞれ参照符号482,492で示すように半田付けされる。
ここで、外部接続端子46,47は、板金によって、図3や図20で示すように、大略的にJ字形状に形成され、そのJ字の短片462,472に前記各リード線44,45の他端442,452がそれぞれ半田付けされる。また、前記J字の長片463,473の先端461,471が、外部の基板などに導電接続され、或いはコネクタなどに嵌り込む。
一方、前述のように、第1群ユニット2および第2群ユニット3ならびに超音波リニアアクチュエータ4を少なくとも収容するフレーム51,52は、箱体が2つに分割形成されて成り、外部接続端子46,47は、その屈曲部464,474が、前記2つに分割されたフレーム51,52の突き合わせ面519,529で挟持されるとともに、フレーム51の側壁512を該外部接続端子46,47の前記板金による弾発力によって、前記J字の内周面465,475で挟込むことで固定される。
このように構成することで、外部接続端子46,47やリード線44,45等、超音波リニアアクチュエータ4を駆動するための構成に、個々に汎用性の高い安価な部品を用いることで、インサート成型などに比べて、低コスト化を図ることができる。また、フレーム51の側壁512の肉厚は、最小限でよく、また超音波リニアアクチュエータ4の電極411,412へのリード線44,45の接続方法は、単なる半田付けであり、参照符号481,491で示すその半田付け部分の投影面積を小さくすることができ、小型化を図ることができる。さらにまた、リード線44,45の自由な引回しを実現するにあたって、金属製の外部接続端子46,47を用いることで、フレキシブル基板に比べて、フレーム51,52の突き合わせ面520,530で挟み込んだ時に精度が出易く、このため気密を維持でき、ゴミを侵入し難くすることができる。
さらにまた、第1群ユニット2の駆動機構として、前述のような超音波リニアアクチュエータ4を用いることで、小型化に好適であるだけでなく、その駆動メカニズムが前述のとおり圧電素子41に矩形波を与えるだけで、その端子(電極)は、参照符号411,412で示すように、2つでよい。したがって、上述のように個別の外部接続端子46,47にリード線44,45を用いても、端子数や線数は、最小限で済み、これらを用いる上記のような構成に、特に好適である。
また、矩形のフレーム51,52の中央にレンズの第1および第2群ユニット2,3が配置され、超音波リニアアクチュエータ4がフレーム51,52の隅角部に設置されることになるので、外部接続端子46,47を、4つの側壁512の内、超音波リニアアクチュエータ4に隣接していない側壁5121に設けることで、これらの外部接続端子46,47と超音波リニアアクチュエータ4との位置関係が該撮像装置1の投影面内でほぼ最遠となるように配置することができる。これによって、このような構成の撮像装置1では、超音波リニアアクチュエータ4を固定する際に、リード線44,45のコシの影響が最小となり、光学性能を確保し易くなる。
また、前述のように2つの電極411,412によって駆動することができ、これら電極411,412を圧電素子41の対向面に配置して成る超音波リニアアクチュエータ4を用い、それをフレーム51,52の隅角部に設置した場合、図21や図3で示すように、2本のリード線44,45は、該超音波リニアアクチュエータ4から相互に反対方向に引回され、対応する外部接続端子46,47に到達することになることを利用して、前記リード線44,45は、絶縁被服のない裸線とすることができる。したがって、このような構成の撮像装置1では、半田付けの工程での被服除去の工程が省け、組立てを簡素化し、作業性を向上することができるとともに、該超音波リニアアクチュエータ4を固定する際に、前記被覆がない分、リード線44,45のコシがさらに小さくなり、光学性能をより確保し易くなる。
さらに、リード線44,45を、固定レンズ群である第2群ユニット3の周囲を引回すことで、該リード線44,45の引回しのために専用のスペースを確保する必要が無くなり、このような構成の撮像装置1では、スペース効率を向上することができ、小型化することができる。また、リード線44,45の引回しは、固定レンズ群である第2群ユニット3の周囲であるので、このような構成の撮像装置1では、移動レンズ群である第1群ユニット2の作動不良の虞はなく、また該リード線44,45自身にも断線などの故障の可能性が小さくなり、信頼性を向上することができる。
さらにまた、リード線44,45を、レンズへの有害光線の入射を遮断することを目的とした遮光板33によって、前記移動レンズ群である第1群ユニット3が配置された空間から隔離しておくことで、第1群ユニット2とリード線44,45との接触を防止することができ、信頼性を向上することができる。
また、外部接続端子46,47は、SUSなどの相対的に半田の濡れ性が悪い材料から成る基材に対して、前記半田付けが行われるJ字の短片462,472およびJ字の長片463,473における先端461,471部分には、半田メッキ、金メッキ、銀メッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキの何れかの処理が施され、半田の濡れ性が良くされている。したがって、このように構成することによって、半田付け部分に良好な導電性を得ることができるとともに、半田付けが行われる部分以外への不所望な半田の回り込みによる他部品との干渉を防ぐことができ、信頼性を向上することができる。
さらにまた、外部接続端子46,47は、磁性を有する材料で形成されることが好ましい。これによって、半田付けのための治具にセットし易くなり(吸着し)、作業性を向上することができる。本実施形態では、外部接続端子46,47には、オーステナイト系ステンレス(SUS304)が使用されている。オーステナイト系ステンレスは、一般的には非磁性材料であるが、本実施形態では、曲げ加工によって生じる微弱な磁気を利用している。外部接続端子46,47には、磁性材料であるフェライト系ステンレスを使用してもよい。なお、前記磁性を有する材料を基材として、上述のように、半田付けが行われる部分にメッキ処理が施されてもよい。
次に、第1群ユニット2の保持構造について説明する。図22は、前記第1群ユニット2の正面図であり、図23は、その分解斜視図である。図22には、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42も示されている。この第1群ユニット2は、前述のように胴付けされた光学素子21〜23等を保持する保持部材24に、押圧部材30が組付けられて構成され、ロッド42の軸線方向に移動される移動体となる。押圧部材30は、移動体本体である保持部材24に対向して、該保持部材24との間でロッド42を抱え込み、該保持部材24をロッド42に所定の摩擦力で係合させるものである。
保持部材24は、略矩形に形成され、その1つの隅角部付近は、該隅角部付近に配置された超音波リニアアクチュエータ4のロッド42への係合部243となり、対角線上の隅角部付近には、案内片244が形成されている。案内片244は、フレーム51,52における一対の案内壁517,527(図11,12参照)間に嵌り込み、これによって該保持部材24のロッド42回りの回転が阻止され、かつロッド42の軸線方向に移動可能となっている。一方、係合部243に隣り合う隅角部の一方には、押圧部材30の係合部となる前後一対のボス245が立設されている。
これに対して、押圧部材30は、弾性を発揮する板ばね部材が板金加工によって略中央部分で屈曲した略く字状に形成されて成り、その略中央部分である前記く字形状における屈曲点が係合部301となって、ボス245に係合して、参照符号Rで示すように揺動自在となっている。そして、この押圧部材30では、そのく字形状における2辺が板ばね部材として用いられ、一辺302の先端が、ロッド42を矢符H1方向に押圧する押圧部302aとなり、もう一辺303の先端が、保持部材24の当接部246に当接して、押圧部302aがロッド42を押圧することで発生した矢符H2方向の反力を受ける受け部303aとなる。
このように構成することで、略中央部分で押圧部材30を支持しても、その揺動支点(係合部301)を超えて、該押圧部材30の略全長で弾性を発揮させることができ、該押圧部材30の力点(受け部303a)から作用点(押圧部302a)までの長さを長くすることができる。
ここで、一般に、板ばね部材のたわみ量は、固定点から作用点までの距離の3乗に比例し、力量に比例する。したがって、従来から広く用いられているように、保持部材に一端を固定し.他端でロッドを押圧するようにした板ばねの場合、固定点から押圧点までの距離をL、発生する力をFとする場合に、たわみ量yは、
y=L×F/(3EI) (I:断面2次モーメント、E:ヤング率)
で表される。
これに対して、本実施の形態の場合、同じく固定点(係合部301)から作用点(押圧部302a)までの距離をLとし、固定点(係合部301)から反力支持部(受け部303a)までの距離をL1とすると、同じ力Fを発生させるときのたわみ量y1は、
y1=(L+L1×L)×F/(3EI)
となる。
したがって、yとy1とを比較すると、L1は、正の値であるので、L1×Lが加算されるだけ、y1の方が大きくなる。したがって、本実施の形態の方が、板波ばね部材に同じたわみ量に変化があった場合、前記距離が長い分、力量、すなわちロッド42に対する移動体の摩擦力(挟持力)Fの変化を小さくすることができる。こうして、押圧部材30のバネ感度を小さくし、超音波リニアアクチュエータ4の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
また、板ばね部材から成る押圧部材の略中央部分を揺動自在に支持する場合に、図24で示す押圧部材30’のように、保持部材24’の周囲の部品レイアウトなどに対応して、直線状の板ばね部材が用いられてもよい。しかしながら、押圧部材30のように、略矩形に形成される保持部材24のほぼ2辺に亘るく字形状の板ばね部材を用いることで、弾性を発揮する板ばね部分を長くすることができ、前記バネ感度を一層小さくすることができる。
さらにまた、押圧部材30における保持部材24への係合部301は、板状の保持部材24を厚み方向(前後)から挟み込む一対の係合片3011,3012を備えて成り、その係合片3011,3012に形成された係合孔3011a,3012aが、保持部材24の前後に立設された一対のボス245にそれぞれ係合される。これによって、該押圧部材30は、前述のように、参照符号Rで示すように揺動自在に支持される。そして、ボス245は、例えば円柱状等の曲周面を有する柱状に形成され、係合孔3011a,3012aは、ボスが緩やかに嵌り込む四角形に形成され、その四角形の対向する対の2辺V11,V12;V21,V22が、それぞれ押圧部材30における押圧部302a側の一辺302と、受け部303a側のもう一辺303辺と平行に配置される。
したがって、押圧部材30が弾発力を発揮し、く字形状が閉じる方向の力、すなわち矢符H3で示すボス245が係合孔3011a,3012aから外れようとする方向の力が作用すると、円柱状のボス245は、四角形の係合孔3011a,3012aの隣接した2辺V11,V21に当接するようになる。これによって、ボス245や係合孔3011a,3012aの公差が緩くても(例えば、これらが多少ずれたり、形状が崩れていても)、押圧部材30が安定した弾発力を発揮することができる。
また、押圧部材30を保持部材24に互いの凸凹を係合させて取付けるので、取付けのための別部品が不要になり、組立を容易にできるとともに、一対の係合片3011,3012で保持部材24を挟み込むことで、安定した揺動動作を実現することもできる。また、ボス245は、保持部材24の内方側245aが円柱状となっているのに対して、外方側245bは、案内斜面となっており、係合片3011,3012の該ボス245からの抜け止めを行いつつ、前記組立を容易に行うことができる。なお、係合片3011,3012にボス245が形成され、保持部材24に係合孔3011a,3012aが形成されてもよい。
また、保持部材24において、超音波リニアアクチュエータ4付近には、押圧部材30の押圧部302aが、超音波リニアアクチュエータ4のロッド42に係合して、該ロッド42の軸方向に移動することを規制する一対の規制部材2471,2472が設けられている。同様に、係合部301側にも、一対の規制部材2481,2482が設けられている。
このように構成することによって、板ばね部材から成る押圧部材30において、係合部301から押圧部302a側の一辺302は、該押圧部302aが超音波リニアアクチュエータ4のロッド42に係合していることから、保持部材24の移動に伴い、捻れや撓みが生じる可能性があるのに対して、前記一辺302を移動方向の両側から保持する一対の規制部材2471,2472;2481,2482を設けることで、前記捻れや撓みを抑制し、超音波リニアアクチュエータ4の摩擦力(挟持力)Fの変動を抑えることができる。
上述の例では、前記一辺302の移動を規制する部材として、移動方向の両側から保持する一対の規制部材2471,2472;2481,2482を用いたが、例えば前記一辺302に1ヶ所の係止孔を形成しておき、その係止孔に緩やかに嵌り込むピンなどが用いられてもよい。
続いて、第1群ユニット2のロッド42に対する係合部分の構造について説明する。図25は、その係合部分の断面図であり、図22の切断面線XXV−XXVから見ている。前記図22および図23を合わせて参照して、ロッド42は、円柱状に形成され、保持部材24におけるロッド42への当接部である係合部243は、V字状の接触片243a,243bが、ロッド42の軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられて構成されている。
接触片243a,243bは、ロッド42の外周を取り巻くように前記V字状に連続して形成されなくてもよく、接触片243a,243bは、図26の接触片243c,243dで示すように、実際にロッド42に接触する4点のチップから構成されてもよい。また、反対側には前記押圧部材が臨むので、ロッド42の周方向に180°未満の間隔を開けて配置されればよい。また、ロッド42は、角柱ではなく、円柱であればよく、軸直角断面が真円または楕円のいずれであってもよい。
さらにまた、前記V字状の接触片243a,243bや個別の接触片243c,243dは、ロッド42上を摺動するので、その材料としては、液晶ポリマー(LCP)またはポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)に添加物を加えて硬度を高くしたものを用いることが望ましい。前記添加物としては、ガラスファイバー、カーボンファイバー、酸化チタン、チタン酸カリウムを用いることが好ましい。前記ポリフェニレンサルファイド樹脂および液晶ポリマーは、流動性が良く、精密成形に好適であり、さらに添加物を加えて硬度を高くすることで駆動性能(速度)を向上することができる。
このように構成することで、前面からの投影面で見れば、図22で示すように、押圧部材30を含めて、ロッド42は、3点で支持されることになる。これによって、保持部材24と押圧部材30との相対位置が若干ずれたとしても、押圧部材30は、ロッド42に対して、接触片243a,243bとは反対側で、各接触片243a,243bに対して、略均等に押圧力を発揮することになる。したがって、係合部243がロッド42の軸線方向に連続したU溝やV溝である場合のように、それぞれ面や一対の線での接触に比べて、4点での接触では、係合部243の成型や加工によるバラツキに対する許容量が大きくなり、保持部材24の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
好ましくは、各接触片243a,243bにおけるロッド42と接触している部分の軸線方向の長さ、すなわち接触長K1,K2が、係合部243の幅K0の1/3以下、したがって2組の接触片243a,243bの間隔K3が1/3以上とされる。このように構成することで、各接触片243a,243bは、ロッド42に点当りとなり、上記の効果を高めることができる。
また、図22で示すように、前記一対の接触片243a,243bの接触箇所の間隔θ1が、周方向に120°、すなわち前記一対の接触箇所における接線N1,N2同士が交差する角度θ2が60°となるように配置されてもよい。その場合、押圧部材30の押圧部302aが上述のように平板の板バネから成ることで、前記軸直角断面の3点が略120°間隔となり、押圧部材30からの押圧力を一対の接触片243a,243bの接触箇所に均等に与えることができる。
また、図26で示すように、押圧部材30’の押圧部302a’も、軸直角断面がV字状の板状体から形成されてもよい。この場合、押圧部302a’は、ロッド42に対して2線で当接することになる。したがって、押圧力を分散させることができる。
さらにまた、図27の押圧部302a''で示すように、ロッド42の軸線方向の中央部が隆起して、実際にロッド42に接触する接触部304が形成されてもよい。こうして押圧部302a''側も点接触とすることで、前記ロッド42の軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられる接触片243a,243bに対して、略均等に押圧力を与えることができる。
あるいは、接触部304を、点(突起)ではなく、突条とし、その接触長を押圧部302a''の幅の1/2以下とすることで、上述のように2組の接触片243a,243bに略均等に押圧力を与えることができるとともに、単位面積当りの押圧力を小さくし、耐摩耗性を向上することもできる。
また、図26で示すようなく字形状の押圧部302a’において、一対の接触片305a,305bのそれぞれに、図28で示すように、ロッド42の軸線方向に相互に間隔を開けて、2組の接触片305c、305dが設けられてもよい。この場合、保持部材24側で4点、それに対向して押圧部302a’側でも4点で、ロッド42の外周面を支持することになる。これによって、単位面積あたりの押圧力を小さくし、耐摩耗性を向上させることができる。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様にかかる駆動機構は、圧電素子の伸縮に応じて前記圧電素子に接続されたロッドが軸方向に往復移動する超音波リニアアクチュエータと、前記ロッドに所定の摩擦力で係合することで、前記ロッドの軸線方向に移動される移動体とを備え、前記移動体は、移動体本体と、該移動体本体に対向して、該移動体本体との間で前記ロッドを挟み込む押圧部材とを備え、前記押圧部材は、前記ロッドを押圧する押圧部となる一端と、前記移動体本体に係合する略中央部分と、前記移動体本体に当接して前記押圧部が前記ロッドを押圧することで発生した反力を受ける受け部となる他端とを備え、揺動可能な板ばね部材である。
上記構成によれば、例えば撮像装置におけるオートフォーカスやズーム等のために光軸方向にレンズ群を移動させるために用いられ、圧電素子の伸縮をロッドに伝え、そのロッドに所定の摩擦力で前記レンズ群から成る移動体が係合していることで、該移動体を、前記圧電素子の伸張時と縮小時との速度差を利用して移動させる超音波リニアアクチュエータを用いる駆動機構において、その移動体のロッドに対する係合、特に前記レンズ群等から成る移動体本体との間で前記ロッドを抱え込む(挟持する)押圧部材の構造が工夫される。
より具体的には、前記押圧部材は、弾性を発揮する板ばね部材で形成され、その略中央部分を前記移動体本体に係合させて、シーソー式に揺動可能とされる。そして、その押圧部材の一端は、前記ロッドを押圧する押圧部とされ、他端は、前記移動体本体に当接して前記押圧部が前記ロッドを押圧することで発生した反力を受ける受け部とされる。
したがって、略中央部分で押圧部材を支持しても、その揺動支点を超えて、押圧部材の略全長で弾性を発揮させることができ、押圧部材の力点(受け部)から作用点(押圧部)までの長さを長くすることができる。ここで、一般に、板ばね部材のたわみ量は、固定点から作用点までの距離の3乗に比例し、力量に比例するので、たわみ量に変化があった場合、前記距離が長い分、力量、すなわちロッドに対する移動体の摩擦力(挟持力)の変化を小さくすることができる。こうして、押圧部材のバネ感度を小さくし、超音波リニアアクチュエータの摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記移動体本体は、略矩形に形成され、前記超音波リニアアクチュエータは、前記矩形の複数の隅角部のうちの1つの隅角部付近に配置され、前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部に隣り合う隅角部付近に配置され、前記押圧部材における前記受け部は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部と対角線上の隅角部付近に配置される。
上記構成によれば、前記移動体本体が略矩形に形成され、前記超音波リニアアクチュエータがその1つの隅角部付近に配置される場合、前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部に隣り合う隅角部付近とされ、前記押圧部材における前記受け部は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部と対角線上の隅角部付近とされる。すなわち、前記押圧部材は、略く字状に形成され、そのく字形状の屈曲点が、前記のように移動体本体にシーソー式に揺動自在に係合し、そのく字形状の2辺が、板ばね部材として使用される。
したがって、上記構成によれば、弾性を発揮する板ばね部分を長くすることができ、前記バネ感度を一層小さくすることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分は、前記移動体本体が板状に形成され、前記押圧部材がその移動体本体を厚み方向から挟み込む一対の係合片を備え、かつ前記移動体本体と係合片とのいずれか一方に立設されたボスが、いずれか他方に形成された係合孔に嵌り込むことで構成され、前記ボスは、例えば円柱状等の曲周面を有する柱状に形成され、前記係合孔は、前記ボスが緩やかに嵌り込む四角形に形成され、その四角形の対向する2辺の対が、それぞれ前記押圧部材における一端(押圧部)側の辺と、他端(受け部)側の辺と平行に配置される。
上記構成によれば、前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分を、板状の移動体本体を厚み方向から一対の係合片で挟み込み、それらの一方に立設したボスを他方に形成した係合孔に嵌め込むことで実現するために、前記ボスは、円柱状に形成され、前記係合孔は、前記ボスよりも大きな四角形に形成され、その四角形の向きが、前記く字状の押圧部材に合わせられる。すなわち、四角形の対向する2辺の対は、それぞれ前記押圧部材の2辺と平行に配置される。
したがって、上記構成によれば、押圧部材が弾発力を発揮し、前記く字が閉じる方向、すなわち前記ボスが係合孔から外れようとする方向の力が作用すると、円柱状のボスは、四角形の係合孔の隣接した2辺に当接するようになる。これによって、ボスや係合孔の公差が緩くても(多少ずれたり、形状が崩れていても)、押圧部材が安定した弾発力を発揮することができる。また、押圧部材を移動体本体に互いの凸凹を係合させて取付けるので、取付けのための別部品が不要になり、組立を容易にできるとともに、一対の係合片で移動体本体を挟み込むことで、安定した揺動動作を実現することもできる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記移動体本体において、前記超音波リニアアクチュエータ付近には、前記押圧部材の押圧部が、前記超音波リニアアクチュエータのロッドに係合して、該ロッドの軸方向に移動することを規制する規制手段をさらに備えることを特徴とする。
上記構成によれば、板ばね部材から成る前記押圧部材において、前記移動体本体への係合部分から押圧部側の辺は、該押圧部が超音波リニアアクチュエータのロッドに係合していることから、移動体の移動に伴い、捻れや撓みが生じる可能性がある。そこで、前記移動体本体において、前記超音波リニアアクチュエータ付近に、該押圧部材の押圧部がロッドの軸方向に移動することを規制する規制手段(ガイド)をさらに設ける。前記規制手段は、押圧部材を移動方向の両側から保持する片や、押圧部材に形成した1ヶ所の孔に緩やかに嵌り込むピンなどで実現することができる。
したがって、上記構成によれば、移動体の移動に対して、押圧部材の捻れや撓みを抑制することができ、超音波リニアアクチュエータの摩擦力(挟持力)の変動を抑えることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記移動体本体における超音波リニアアクチュエータのロッドとの係合部の材料には、LCPまたはPPSに添加物を加えて硬度を高くしたものを用いることを特徴とする。
上記構成によれば、移動体本体と超音波リニアアクチュエータのロッドとは互いに摺動するので、移動体本体の材料には、LCPやPPSに添加物を加えて硬度を高くしたものが望ましい。
そして、他の一態様にかかる駆動機構は、圧電素子の伸縮に応じて前記圧電素子に接続されたロッドが軸方向に往復移動する超音波リニアアクチュエータと、前記ロッドに所定の摩擦力で係合することで、前記ロッドの軸線方向に移動される移動体とを備え、前記移動体は、移動体本体と、該移動体本体に対向して、該移動体本体との間で前記ロッドを挟み込む押圧部材とを備えて構成され、前記ロッドは、円柱状に形成され、前記移動体本体における前記ロッドの当接部は、前記ロッドの周方向に間隔を開けて配置される一対の接触片を、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組備える。
上記構成によれば、例えば撮像装置におけるオートフォーカスやズーム等のために光軸方向にレンズ群を移動させるために用いられ、圧電素子の伸縮をロッドに伝え、そのロッドに所定の摩擦力で前記レンズ群から成る移動体が係合していることで、該移動体を、前記圧電素子の伸張時と縮小時との速度差を利用して移動させる超音波リニアアクチュエータを用いる駆動機構において、その移動体のロッドに対する係合、特に前記レンズ群などから成る移動体本体と板バネなどの押圧部材との間で前記ロッドを抱え込む(挟持する)にあたって、移動体本体側の当接部の構造が工夫される。
より具体的には、前記ロッドが円柱状に形成され、前記当接部は、前記ロッドの周方向に180°未満の間隔を開けて配置される一対の接触片を、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けて構成される。すなわち、移動体本体側は、ロッドに対して4点で接触し、かつ前面からの投影面で見れば、前記押圧部材を含めて、前記ロッドは、3点で支持されることになる。これによって、移動体本体と押圧部材との相対位置が若干ずれたとしても、前記押圧部材は、前記ロッドに対して、前記一対の接触片とは反対側で、各接触片に対して、略均等に押圧力を発揮する。なお、前記ロッドは、角柱ではなく、円柱であればよく、軸直角断面が真円または楕円のいずれであってもよい。
したがって、上記構成によれば、前記当接部がロッドの軸線方向に連続したU溝やV溝である場合のように、それぞれ面や一対の線での接触に比べて、4点での接触では、前記当接部の成型や加工によるバラツキに対する許容量が大きくなり、移動体の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記各接触片における前記ロッドとの軸線方向接触長さは、前記当接部の幅の1/3以下である。
上記構成によれば、前記移動体本体のロッドへの当接部において、各接触片における前記ロッドの軸線方向長さ、すなわち接触長が、当接部の幅の1/3以下、したがって2組の当接部の間隔が1/3以上とされる。
したがって、上記構成によれば、前記各接触片は、ロッドに点当りとなり、上記の効果を高めることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記一対の接触片と前記ロッドとの接触位置は、前記ロッドの周方向において120°離間している。
上記構成によれば、前記一対の接触片を設けるにあたって、その間隔を周方向に120°、すなわち前記一対の接触片の接触箇所における接線同士が交差する角度が60°となるように、前記一対の接触片は、配置される。
したがって、上記構成によれば、例えば前記押圧部材が平板の板バネから成る場合、前記軸直角断面の3点が略120°間隔となり、前記押圧部材からの押圧力を一対の接触片に均等に与えることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材は平板の板バネである。
上記構成によれば、上述のように該押圧部材と一対の接触片との3点の間隔が略120°となり、該押圧部材からの押圧力を一対の接触片に均等に与えることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材は、軸直角断面がV字状の板状体を備える。
上記構成によれば、押圧部材は、ロッドに対して2線で当接することになる。
したがって、上記構成によれば、押圧力を分散させることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材の前記ロッドに対する接触長は、前記当接部の幅の1/2以下である。
上記構成によれば、前記押圧部材のロッドへの接触長が、当接部の幅の1/2以下とされる。
したがって、上記構成によれば、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられる接触片に対して、略均等に押圧力を与えることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材の前記ロッドに対する当接部は、前記移動体本体側の当接部の略中間位置で、点接触である。
上記構成によれば、前記押圧部材のロッドへの接触部が、当接部の略中間位置で、点接触とされる。
したがって、上記構成によれば、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられる接触片に対して、略均等に押圧力を与えることができる。
また、他の一態様では、上述の駆動機構において、好ましくは、前記押圧部材の前記ロッドに対する当接部も、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられる接触片を備える。
上記構成によれば、前記押圧部材側の当接部も、成型や加工によるバラツキに対する許容量が大きくなり、移動体の摩擦力(挟持力)のバラツキを抑え、駆動性能を安定化させることができる。
そして、他の一態様にかかる撮像装置は、これら上述のいずれか1つの駆動機構と、固定レンズ群とを備え、前記移動体は、移動レンズ群である。
上記構成によれば、前記移動レンズ群の移動の安定性を確保することができる撮像装置を実現することができる。
この出願は、2009年11月4日に出願された日本国特許出願特願2009−252794および同2009−252796を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、駆動機構およびそれを用いた撮像装置を提供することができる。

Claims (14)

  1. 圧電素子の伸縮に応じて前記圧電素子に接続されたロッドが軸方向に往復移動する超音波リニアアクチュエータと、
    前記ロッドに所定の摩擦力で係合することで、前記ロッドの軸線方向に移動される移動体とを備え、
    前記移動体は、移動体本体と、該移動体本体に対向して、該移動体本体との間で前記ロッドを挟み込む押圧部材とを備え、
    前記押圧部材は、前記ロッドを押圧する押圧部となる一端と、前記移動体本体に係合する略中央部分と、前記移動体本体に当接して前記押圧部が前記ロッドを押圧することで発生した反力を受ける受け部となる他端とを備え、揺動可能な板ばね部材であること
    を特徴とする駆動機構。
  2. 前記移動体本体は、略矩形に形成され、
    前記超音波リニアアクチュエータは、前記矩形の複数の隅角部のうちの1つの隅角部付近に配置され、
    前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部に隣り合う隅角部付近に配置され、
    前記押圧部材における前記受け部は、前記超音波リニアアクチュエータが配置される隅角部と対角線上の隅角部付近に配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
  3. 前記押圧部材における前記移動体本体への係合部分は、前記移動体本体が板状に形成され、前記押圧部材がその移動体本体を厚み方向から挟み込む一対の係合片を備え、かつ前記移動体本体と係合片とのいずれか一方に立設されたボスが、いずれか他方に形成された係合孔に嵌り込むことで構成され、
    前記ボスは、曲周面を有する柱状に形成され、前記係合孔は、前記ボスが嵌り込む四角形に形成され、その四角形の対向する2辺の対が、それぞれ前記押圧部材における一端側の辺と、他端側の辺と平行に配置されること
    を特徴とする請求項2に記載の駆動機構。
  4. 前記移動体本体において、前記超音波リニアアクチュエータ付近には、前記押圧部材の押圧部が、前記超音波リニアアクチュエータのロッドに係合して、該ロッドの軸方向に移動することを規制する規制部をさらに備えること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載の駆動機構。
  5. 前記移動体本体における超音波リニアアクチュエータのロッドとの係合部の材料には、LCPまたはPPSに添加物を加えて硬度を高くしたものを用いること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の駆動機構。
  6. 圧電素子の伸縮に応じて前記圧電素子に接続されたロッドが軸方向に往復移動する超音波リニアアクチュエータと、
    前記ロッドに所定の摩擦力で係合することで、前記ロッドの軸線方向に移動される移動体とを備え、
    前記移動体は、移動体本体と、該移動体本体に対向して、該移動体本体との間で前記ロッドを挟み込む押圧部材とを備えて構成され、
    前記ロッドは、円柱状に形成され、
    前記移動体本体における前記ロッドの当接部は、前記ロッドの周方向に間隔を開けて配置される一対の接触片を、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組備えること
    を特徴とする駆動機構。
  7. 前記各接触片における前記ロッドとの軸線方向接触長さは、前記当接部の幅の1/3以下であること
    を特徴とする請求項6に記載の駆動機構。
  8. 前記一対の接触片と前記ロッドとの接触位置は、前記ロッドの周方向において120°離間していること
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の駆動機構。
  9. 前記押圧部材は、平板の板バネであること
    を特徴とする請求項8に記載の駆動機構。
  10. 前記押圧部材は、軸直角断面がV字状の板状体を備えること
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載の駆動機構。
  11. 前記押圧部材の前記ロッドに対する接触長は、前記当接部の幅の1/2以下であること
    を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の駆動機構。
  12. 前記押圧部材の前記ロッドに対する当接部は、前記移動体本体側の当接部の略中間位置で、点接触であること
    を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の駆動機構。
  13. 前記押圧部材の前記ロッドに対する当接部は、前記ロッドの軸線方向に相互に間隔を開けて2組設けられる接触片を備えること
    を特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の駆動機構。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の駆動機構と、
    固定レンズ群とを備え、
    前記移動体は、移動レンズ群であること
    を特徴とする撮像装置。
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