JP2012008204A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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傑 大石
Mitsuo Nakajima
三生 中島
Hiroshi Yamashita
博司 山下
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Abstract

【課題】レンズ光軸に垂直な方向に小型化が可能なレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】
レンズ駆動装置は、ベース10と、径の異なる複数のレンズ81〜84と、レンズ81〜84が光軸方向に並ぶようにこれらレンズを保持するホルダ60と、ホルダ60に装着された磁石70と、磁石70に向き合うようにベース10に装着されたコイル20とを備える。ホルダ60には、レンズ81〜84に対応する複数の段部61a〜61dが設けられ、各レンズ81〜84は、対応する段部61a〜61dに直接嵌め込まれるようにして、ホルダ60に装着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ駆動装置に関し、特に、カメラモジュールに搭載されるレンズ駆動装置に用いて好適なものである。
従来、携帯電話機等にはカメラモジュールが搭載されている。かかるカメラモジュールは、フォーカス調節のためにレンズ駆動装置を備えている。レンズ駆動装置は、制御信号に応じてレンズを光軸方向に変位させる。これにより、被写体に対するフォーカス調節が行われる。
レンズ駆動装置の一つとして、ムービングマグネット方式のレンズ駆動装置が知られている(たとえば、特許文献1)。この種のレンズ駆動装置では、レンズを保持するホルダに、磁石が装着される。ホルダは、ベースに対し、レンズの光軸方向に変位可能に支持される。ベースには、ホルダ側の磁石に向き合うようにコイルが配置される。コイルに電流を印加することにより生じる電磁駆動力によって、ホルダが磁石とともに、レンズの光軸方向に駆動される。
特開2008−185749号公報
上記レンズ駆動装置では、一般に、複数のレンズが円筒状のバレルに装着され、このバレルがホルダの開口に装着される。たとえば、バレルの外周にネジが形成され、このネジに噛み合うネジがホルダの開口に形成される。これら2つのネジを互いに噛み合わせてバレルをホルダに装着することにより、レンズがホルダに装着される。
この構成では、バレルが用いられるため、レンズを保持するホルダの形状をバレルより小さくすることができない。また、磁石を円筒形のバレルの外径よりも内側に配置することができず、バレルの外側に磁石の配置スペースが必要となる。このため、レンズ光軸に垂直な方向におけるレンズ駆動装置の小型化が困難である。
本発明は、かかる課題を解消するために為されたものであり、レンズ光軸に垂直な方向に小型化が可能なレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の主たる態様に係るレンズ駆動装置は、ベースと、径の異なる複数のレンズと、前記複数のレンズが光軸方向に並ぶようにこれらレンズを保持するホルダと、前記ホルダに装着された磁石と、前記磁石に向き合うように前記ベースに装着されたコイルとを備える。前記ホルダには、前記各レンズに対応する複数の段部が設けられる。前記各レンズは、対応する前記段部に直接嵌め込まれるようにして、前記ホルダに装着される。
この構成によれば、バレルを用いずにレンズがホルダに直接装着されるため、レンズを保持するホルダの形状を小さくすることができる。また、径が最も大きい前記レンズの外周より内側であって、径の小さな前記レンズに対応する位置に、磁石を配置できるため、磁石を含むホルダの外形を、レンズ光軸に垂直な方向に小型化できる。よって、レンズ駆
動装置全体の外形寸法を小さくすることができる。
以上のとおり、本発明によれば、レンズ光軸に垂直な方向に小型化が可能なレンズ駆動装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
実施の形態に係るレンズ駆動装置の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態に係るベースの構成を示す図である。 実施の形態に係るホルダの構成を示す図である。 実施の形態に係るプリント基板に対するコイルの接続方法を示す図である。 実施の形態に係るレンズ駆動装置の組み立て過程を示す図である。 実施の形態に係るレンズ駆動装置の構成を示す断面図である。 実施の形態に係るレンズ駆動装置の動作を説明する図である。 実施の形態に係るカメラモジュールの構成を示す図である。 実施の形態の変更例に係るレンズ駆動装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、レンズ駆動装置の構成を示す分解斜視図である。図1(a)は、上側から見た分解斜視図、図1(b)は、下側から見た分解斜視図である。
図1(a)、(b)を参照して、レンズ駆動装置は、ベース10と、コイル20と、2つの磁性板30と、プリント基板40と、ベースカバー50と、ホルダ60と、磁石70と、レンズ群80と、シャフト90と、カバー100とを備えている。
ベース10は、下面が開放された箱形状であって、平面視で、角が面取りされた正方形の形状を有する。ベース10には、一続きのコイル20が2段に分けて巻き付けられる。各段のコイル20は、巻き方向が互いに逆になっている。コイル20の外側面に磁性板30、30が接着される。また、ベース10には、側面にプリント基板40が装着される。このプリント基板40に、コイル20の2つの端部が半田付けされる。ベース10の下面には、ベースカバー50が装着される。
ホルダ60には、レンズ群80を収容するためのレンズ収容部61が形成されている。レンズ群80は、光軸が互いに一致するように、レンズ収容部61に収容される。レンズ収容部61にレンズ群80が装着された後、レンズ収容部61が下方からフィルタ(図示せず)によって塞がれる。このフィルタは、赤外線除去フィルタである。なお、レンズ群80は、径が異なる4つのレンズ81〜84からなっている。
また、ホルダ60には、4つの磁石装着部64が形成されている。これら4つの磁石装着部64は、レンズ群80の光軸の周りに90度の間隔で配される。また、レンズ群80の光軸から各磁石装着部64までの距離は同じである。これら磁石装着部64に、それぞれ磁石70が装着される。
4つの磁石70は、たとえば、ネオジウム等からなる焼結磁石であり、片面にNとSが
着磁された2極配置構造を有している。各磁石70のサイズおよび磁気強度は互いに等しくなっている。4つの磁石装着部64にそれぞれ磁石70が装着されると、2つの磁石70は、レンズ群80の光軸に対して対称に配置され、残り2つの磁石70もレンズ群80の光軸に対して対称に配置される。
ホルダ60には、対角の位置に、孔63が形成されている。これら孔63にシャフト90が通されて、ホルダ60がレンズの光軸方向に変位可能に支持される。シャフト90は金属製の部材からなり、断面が円形である。
カバー100は、平面視で、角が面取りされた正方形の形状を有する。平面視におけるカバー100の外形は、ベース10の外形と略等しい。また、平面視におけるカバー100の内側面の形状は、コイル20と磁性板30、30が装着されたベース10の外形と略同じである。カバー100には、光を通すための開口101が形成されている。
図2(a)は、ベース10を上から見たときの斜視図、図2(b)は、ベース10を下から見たときの斜視図である。
図示の如く、ベース10は、下面が開放された箱状の部材からなっている。ベース10は、樹脂材料を射出成形することにより単一部材として一体的に形成されている。ベース10の下面には、ベース10内部にホルダ60を挿入するための開口11が形成されている。また、ベース10の上面には、ホルダ60の最上部を通すための開口12が形成されている。さらに、ベース10の上面には、対角の位置に、シャフト90を嵌入するための孔13が形成されている。
ベース10の各側面には、それぞれ、磁石70を通すための切欠き14が形成されている。さらに、ベース10の側面には、コイル20を上下2段に分けるための仕切り15が形成されている。
図2(b)を参照して、ベース10の一つの側面には、プリント基板40を装着するための凹部16が形成されている。凹部16が形成された側面に、2つの切り溝17が形成されている。図2(b)の右側の仕切り15には、高さが1段高い凸部15aが形成されている。また、凹部16近傍の下面から、2つの突起18が突出している。さらに、ベース10の下面には、2つの窪み19が形成されている。
図3は、ホルダ60の構成を示す図である。同図(a)は、ホルダ60を上から見たときの斜視図、同図(b)は、ホルダ60を下から見たときの斜視図、同図(c)は同図(a)のA−A’断面図、同図(d)は、ホルダ60を上から見たときの平面図である。
同図(a)、(b)を参照して、ホルダ60には、下方からレンズ群80を収容するための円形のレンズ収容部61が形成されている。レンズ収容部61には、径の異なる4つのレンズ81〜84(図1(a)参照)が収容される。レンズ収容部61は、これらレンズ81〜84の径に応じて、その径が段階的に小さくなっている。レンズ収容部61には、径が変化する位置に、段部61a〜61dが形成されている。段部61a〜61dで区切られた内側面の径は、対応するレンズの径と略同じである。
図1に示すように、各レンズ81〜84は、光軸方向に所定の厚みを有し、外周は円筒面となっている。各段部61a〜61dに、それぞれ、対応するレンズを嵌めこむと、各段部61a〜61dの内側面と、対応するレンズの外側面が接する。このように、各段部61a〜61dに、対応するレンズを嵌合させつつ、各段部61a〜61dの上面に、対応するレンズの上面を押し付けることにより、各レンズがホルダ60に対して位置決めさ
れる。これにより、レンズ81〜84の光軸が整合され、レンズ間の距離が適正な状態に調整される。
こうしてレンズ81〜84がホルダ60に対して位置決めされた状態で、各段部61a〜61dに、それぞれ、レンズ81〜84が接着固定される。これにより、ホルダ60には、4つのレンズが、光の入射側から径が小さい順に並ぶように保持される。
同図(a)に示すように、ホルダ60の外側面は、レンズ収容部61の内側面の形状が略反映された形状となっている。すなわち、ホルダ60の外側面もまた、レンズ収容部61の内側面と同様、光の入射側に向かって段階的に径が小さくなっている。ホルダ60の上面には、光を通すための開口62が形成されている。また、ホルダ60の外側面には、対角の位置に、シャフト90を通すための孔63が形成されている。
さらに、ホルダ60の外側面には、上記のように、4つの磁石装着部64が形成されている。これら磁石装着部64に、それぞれ磁石70が装着される。なお、磁石装着部64は、側面から見てE字の形状となっている。磁石装着部64の天面と底面との間の段差64aには、磁石70を磁石装着部64に装着する際に、余分な接着剤が溜まる。
同図(a)、(c)に示すように、磁石装着部64は、ホルダ60の外側面の最も下の段に乗るようにして形成されている。磁石装着部64に磁石70を装着すると、磁石70の上面は、ホルダ60外側面の上から2番目の平面S2より高く、最上面S1より低くなる。また、同図(d)に示すように、4つの磁石装着部64は、ホルダ60の最下段の外周面よりも内側に配置されている。磁石装着部64に磁石70が装着されると、磁石70は、最も径が大きいレンズ84の径の範囲Wdの内側に位置づけられる。
なお、レンズ群80(図1参照)は、被写領域の光をイメージセンサ200に適正に照射するために、4つのレンズ81〜84からなっている。レンズ81は、被写領域の光を取り込むためのもので、曲率が小さくなっている。被写領域の光は、レンズ81によって取り込まれ、小さく絞り込まれる。レンズ82〜84は、レンズ81によって絞りこまれた光を、イメージセンサ200のセンサ領域のサイズに適合するよう、徐々に拡張する。レンズ82〜84には、光の収差を抑制するためのレンズが含まれている。このような光学作用に基づき、レンズ群80は4つのレンズ81〜84からなっており、これらレンズ81〜84の径は、互いに異なっている。
図4は、プリント基板40に対するコイル20の接続方法を示す斜視図である。
同図(a)に示すように、プリント基板40が凹部16に嵌め込まれ、接着固定される。次に、同図(b)に示すように、コイル20の端部20a、20bが、それぞれ、左右の突起18に巻き付けられる。端部20aは、仕切り15に設けられた凸部15aに引っ掛けられ、さらに、左の切り溝17を通されて、左の突起18に巻き付けられる。端部20bは、右の切り溝17を通されて、右の突起18に巻き付けられる。これにより、端部20a、20bは、プリント基板40の電極40a、40bに沿うようになる。なお、端部20a、20bは、絶縁用の被膜が剥がされている。
その後、同図(c)に示すように、端部20a、20bと電極40a、40bの交差部分に半田21が付され、端部20a、20bと電極40a、40bが互いに接続される。そして、同図(d)に示すように、2つの突起18が切断され、さらに、半田21より突起18側の端部20a、20bが切断される。こうして、プリント基板40に対するコイル20の接続が完了する。
組立時には、図1(a)、(b)に示すように、ホルダ60の磁石装着部64に磁石70を接着固定し、さらに、レンズ収容部61にレンズ群80を接着固定する。また、ベース10にコイル20を装着し、さらに、上記のようにベース10にプリント基板40を接着固定して、コイル20をプリント基板40に接続する。なお、図1(b)には、突起18が切断される前の状態が示されている。
しかる後、磁石70とレンズ群80が装着されたホルダ60を、下方からベース10に収容し、さらに、ベース10の下面にベースカバー50を装着する。
ベースカバー50には、平面視においてベース10の開口11と略同じ形状の段部51が形成され、この段部51に、ホルダ60の最下部を通すための開口52が形成されている。また、段部51には、対角の位置に、シャフト90が嵌入する2つの孔53が形成されている。さらに、ベースカバー50には、ベース10下面の窪み19と嵌合する突起54が形成されている。
ベースカバー50は、段部51をベース10の開口18に嵌合させつつ、2つの突起54をベース10の2つの窪み19に嵌合させることにより、ベース10の下面に取り付けられる。さらに、ベースカバー50とベース10の接合部に接着材が付与され、ベースカバー50がベース10に接着固定される。
こうしてベース10にベースカバー50が装着されると、ベース10の2つの孔13とベースカバー50の2つの孔53が、レンズ群80の光軸方向に並ぶ。この状態で、さらに、ホルダ60の一方の孔63を孔13と孔53の間に位置づけて、シャフト90を孔13から嵌入し、シャフト90の下端が孔53に嵌入するまでシャフト90を押し込む。同様に、ホルダ60の他方の孔63を孔13と孔53の間に位置づけて、シャフト90を孔13から嵌入し、シャフト90の下端が孔53に嵌入するまでシャフト90を押し込む。これにより、2つのシャフト90が2つの孔63に通されて、ホルダ60がこれらシャフト90に支持される。2つの孔63の径はシャフト90の径よりも大きいため、ホルダ60はシャフト90に沿って、レンズ群80の光軸方向に移動可能となる。
しかる後、コイル20の2つの側面に、それぞれ、磁性板30を接着固定する。
図5(a)は、シャフト90が装着され、さらに、磁性板30が装着されたときの組立状態を示す図である。同図に示すように、2つの磁性板30と磁石70との間の磁力により、ホルダ60は、図中の点線矢印方向に力を受ける。この力により、ホルダ60の孔63がシャフト90に押し付けられる。これにより、コイル20への通電が中止されたときに、ホルダ60が通電中止時の位置に保持されるようになる。
しかる後、図5(b)に示すように、上方からカバー100がベース10に装着される。これにより、レンズ駆動装置の組み立てが完了する。
図6(a)は、図5(b)のB−B’断面図、図6(b)は、図5(b)のC−C’断面図である。また、図6(c)は、図6(a)の右側部分の拡大図である。なお、同図には、レンズ群80の図示が省略されている。
図6(b)に示すように、ホームポジションにおいて、ホルダ60は、ベースカバー50の上に乗っている。この状態から、ホルダ60は、シャフト90に沿って、同図上方向に移動可能である。この移動の際、ホルダ60の最上部は、ベース10の開口12を通る。また、磁石70は、ベース10の切欠き14を通る。同図(c)のように、磁石70の上には、切欠き14によるスペースSが存在する。ホームポジションからホルダ60が移
動すると、磁石70はこのスペースSを通る。
図7は、レンズ駆動装置の駆動動作を説明する図である。この図は、図5(b)のB−B’断面を模式的に示す図である。なお、図中、円に黒点のマークおよび円にバツのマークは、電流が流れる方向を示す。円に黒点のマークは図面参照者に向かってくる方向を示し、円にバツのマークは図面参照者から遠ざかる方向を示す。また、同図には、レンズ81〜84が破線により模式的に示されている。
図示のように、コイル20の上段部分には、磁石70のN極の領域が対向し、下段部分には、磁石70のS極の領域が対向している。コイル20に図7(a)に示す方向の電流が流れると、磁石70に図の上方向の推進力が作用し、ホルダ60は図の上方向に変位する。これにより、ホルダ60は、同図(b)に示すように、上方向に変位する。この状態で、電流の印加が中止されると、ホルダ60は、磁性板30、30と磁石70との間の磁力によってシャフト90に押し付けられ、電流印加中止時の位置に保持される。また、図7(b)の状態において、コイル20に逆方向の電流が印加されると、ホルダ60は下方向に変位される。
このようにして、ホルダ60が上方向と下方向に変位されることにより、レンズ群80がオンフォーカス位置に位置づけられる。なお、ホルダ60のホームポジションは、図6(a)、(b)に示すように、ホルダ60がベースカバー50に載置される位置である。
図8は、上記構成のレンズ駆動装置を搭載するカメラモジュールの概略構成を示す図である。図中、1がレンズ駆動装置である。なお、便宜上、レンズは楕円で示されている。
ベースカバー50の下方には、イメージセンサ201が装着された回路基板200が配されている。また、ベース10には、位置センサとしてホール素子110が配され、ホール素子110からの信号をもとにホルダ60の位置検出が行われる。
フォーカス動作時、CPU(Central Processing Unit)301は、ドライバ302を
制御して、ホルダ60をホームポジションから予め定められた位置までレンズの光軸方向に変位させる。このとき、ホール素子110からの位置検出信号がCPU301に入力される。同時に、CPU301は、イメージセンサ201から入力される信号を処理して撮像画像のコンストラスト値を取得する。そして、このコンストラスト値が最良となるホルダ60の位置をオンフォーカス位置として取得する。
その後、CPU301は、取得したオンフォーカス位置に向けてホルダ60を駆動する。その際、CPU301は、ホール素子110からの信号をモニタし、ホール素子110からの信号がオンフォーカス位置に対応する状態になるまで、ホルダ60を駆動する。これにより、ホルダ60がオンフォーカス位置に位置づけられる。
以上、本実施の形態によれば、バレルを用いずにレンズ81〜84がホルダ60に直接装着されるため、ホルダの形状を小さくすることができる。また、たとえば図3に示すように、径が小さいレンズ81〜83によってホルダ60の外側面に生じるスペースを利用して、径が最も大きいレンズ84の外周より内側に、磁石70が配置されるため、磁石70を含むホルダ60の外形を、レンズ群80の光軸に垂直な方向に、小型化することができる。よって、レンズ駆動装置全体の外形寸法を小さくすることができる。
また、本実施の形態によれば、段部61a〜61dの内側面が、対応するレンズの外側面に接するよう段部61a〜61dが形成されており、段部61a〜61dの内側面が、対応するレンズの外側面に接するよう、レンズ81〜84を対応する段部に嵌め込むこと
で、レンズ81〜84がホルダ60に位置決めされる。このため、ホルダ60に対するレンズ81〜84の位置決めおよび装着のための作業を、簡易なものとすることができる。
また、本実施の形態によれば、たとえば、図5(a)に示すように、開口12と切欠き14によって、ホルダ60の最上部と磁石70の移動が可能となっているため、ホルダ60の最上部および磁石70とベース10上部の内側面との間に、ホルダ10および磁石70の移動ストロークに応じた隙間を設ける必要がない。よって、高さ方向におけるベース10の寸法を小さくすることができ、レンズ駆動装置全体の外形寸法を小さくすることができる。
また、本実施の形態によれば、4つの磁石70が、レンズ群80の記光軸に対称な位置に配置されているため、安定した駆動力をホルダ60に付与できる。
また、ベース10は、底部に開口11を有する箱形状を有するため、レンズ群80と磁石70が装着されたホルダ60を開口11から容易にベース10内に収容することができる。さらに、ベースカバー50を開口11に装着することで、ホルダ60をベース10内に規制でき、この状態で、シャフト90を装着することで、ベース10に対しホルダ60を支持することができる。このように、本実施の形態によれば、レンズ駆動装置の組み立て作業を簡易なものとすることができる。
なお、本実施の形態では、ホルダ60が下方の開口11からベース10内に挿入されるため、図2(a)に示すように、ベース10の上部は、天面によって連結されている。このため、ベース10の上部は機械的強度が高く、側面にコイル20が巻かれても、内側に撓むことがない。この天面に、孔13が形成されているため、コイル20が巻かれても、孔13の位置がずれることがない。よって、シャフト90に軸ブレが起こり難く、ホルダ60を安定して光軸方向に移動させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も上記以外に種々の変更が可能である。
たとえば、上記実施の形態では、磁石70を磁石装着部64に上から載置するようにしたが、図9(a)に示すように、磁石70を横から磁石装着部64に嵌め込むようにしても良い。この場合、磁石装着部64は、磁石70の側面と略同形の輪郭を有する方形状の凹部により構成され、ベース10の切欠き14は、ホルダ60の磁石70の上方に位置する部分64bが通過可能な大きさに変更される。
このように磁石70を横から嵌め込む場合には、図9(b)に示すように、磁石装着部64を、ホルダ60のやや下側(イメージセンサ201側)に配置しても良い。この場合、ベース10の切欠き14はベース天面まで形成されず、ベース10の天面にはホルダ60の最上部が通る開口12のみが形成される。
また、同図(c)のように、ホルダ60の天面を面一にしても良い。この場合、ベース10の上部には、ホルダ60の天面全体が通過可能な開口が形成される。あるいは、ホルダ60の天面よりも小さな開口をベース10に形成し、ベース10とホルダ60の天面との間に、ホルダ60の移動ストロークに応じた隙間を設けても良い。ただし、こうすると、この隙間の分だけ、レンズ駆動装置がレンズ光軸方向に大きくなる。
また、上記実施の形態では、図3(d)に示すように、径が最も大きいレンズ84の径の範囲Wdに磁石装着部64が全て収まるように磁石装着部64を配置したが、図9(d)のように、磁石装着部64の一部が範囲Wdからはみ出すように磁石装着部64を配置
しても良い。また、図9(d)のように、磁石装着部64を、上記実施の形態よりもさらに内側に配置するようにしても良い。図9(d)の場合、磁石装着部64は、上記実施の形態よりも、上側(光入射側)の位置に配置される。たとえば、上記実施の形態では、図3(a)に示すように、ホルダ60の外側面の最も下の段に載るように磁石装着部64が形成されたが、もう一つ上の段に載るように磁石装着部64が形成されても良い。
また、上記実施の形態では、ホルダ60の一つの側面には一つの磁石70が配されたが、各側面に2つ以上の磁石を配置するようにしても良い。また、磁石70は、ホルダ60の外周に沿うような円弧形状のものを用いても良い。この場合、磁石装着部64も円弧状に形成される。また、ベース10も、コイル20が円形に巻かれるように形成される。
また、上記実施の形態では、2つの磁性板30、30をベース10に配置するようにしたが、1つまたは3つ以上の磁性板をベース10に配置するようにしても良い。ただし、この場合も、上記実施の形態と同様、磁石と磁性板との間に生じる磁力がレンズの光軸に垂直な面内においてアンバランスとなるように、磁性板が配置されるのが望ましい。
また、ホルダ60に収容されるレンズの個数も、4個に限らず、他の個数であっても良い。
さらに、ベース10やホルダ60等の形状も、上記に限られるものではなく、適宜変更が可能である。また、2本のシャフト90の径は同じでなくても良く、シャフト以外のガイド機構によって、ホルダ60がレンズの光軸方向に案内されるようにしても良い。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
1 … レンズ駆動装置
10 … ベース
20 … コイル
60 … ホルダ
61a〜61d … 段部
70 … 磁石
80 … レンズ群

Claims (4)

  1. ベースと、
    径の異なる複数のレンズと、
    前記複数のレンズが光軸方向に並ぶようにこれらレンズを保持するホルダと、
    前記ホルダに装着された磁石と、
    前記磁石に向き合うように前記ベースに装着されたコイルと、を備え、
    前記ホルダには、前記各レンズに対応する複数の段部が設けられ、
    前記各レンズは、対応する前記段部に直接嵌め込まれるようにして、前記ホルダに装着される、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のレンズ駆動装置において、
    前記複数のレンズは、光の入射側から径が小さい順に並ぶように、前記ホルダに保持され、
    前記ホルダの段部は、光の入射側に向かうほど前記光軸に垂直な方向の幅が小さくなっている、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  3. 請求項1または2に記載のレンズ駆動装置において、
    径が最も大きい前記レンズの外周より内側であって、径の小さな前記レンズに対応する位置に、前記磁石が配置される、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一項に記載のレンズ駆動装置において、
    前記各段部の内側面が対応する前記レンズの外周に係合するよう前記各段部が形成され、前記各段部の内側面が対応する前記レンズの外周に係合することで、前記各レンズが前記ホルダに位置決めされる、
    ことを特徴とするレンズ駆動装置。
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