JP2009038888A - 駆動装置、撮像装置、撮像機器、及び駆動装置の組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることができる駆動装置を提供する。
【解決手段】本発明の駆動装置は、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材1A・1Bと、屈曲変位部材1A・1Bに連結されているとともに、鏡筒4と接触し、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位方向A・Bと異なる方向に変位方向を変換して鏡筒4を駆動する弾性部材2及び摩擦部材3とを備え、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2及び摩擦部材3に予め応力がかけられた状態で、屈曲変位部材1Aが固定されているので、摩擦係合部における予圧を微調整することができる。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の駆動装置は、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材1A・1Bと、屈曲変位部材1A・1Bに連結されているとともに、鏡筒4と接触し、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位方向A・Bと異なる方向に変位方向を変換して鏡筒4を駆動する弾性部材2及び摩擦部材3とを備え、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2及び摩擦部材3に予め応力がかけられた状態で、屈曲変位部材1Aが固定されているので、摩擦係合部における予圧を微調整することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、駆動装置、撮像装置、撮像機器、及び駆動装置の組立方法に関するものである。
従来、電気機械変換素子(圧電素子)を用いて被駆動体を駆動するための駆動装置が提案されている。このような駆動装置は、例えば、カメラの撮影レンズ等、光学装置におけるレンズの駆動に用いられる。
従来、このような分野の技術としては、例えば特許文献1に開示された技術が挙げられる。
特許文献1は、鏡筒の駆動方向(光軸方向)に伸縮可能な圧電素子と、該圧電素子の一端に連結された駆動部材とを備えた駆動装置に関する発明である。特許文献1では、駆動部材が鏡筒と摩擦係合している。そして、圧電素子の光軸方向への伸縮により、駆動部材と鏡筒との間で摩擦力が発生し、該摩擦力により、鏡筒が光軸方向に駆動するようになっている。
図9は、特許文献1に開示された従来の駆動装置の構成を説明するための説明図である。図9に示されるように、従来の駆動装置は、圧電素子301、棒状の駆動部材302、鏡筒(被駆動体)304、レンズ3011、CCD等の撮像素子3012、及び回路基板3013を備え、これら部材が、筐体306に収納された構成である。
駆動部材302の一端には、圧電素子301が連結されている。そして、鏡筒(被駆動体)304は、駆動部材302に摩擦係合されている。
また、鏡筒304には、レンズ3011がはめ込まれており、鏡筒304の下部には、撮像素子3012が配置されている。撮像素子3012は、回路基板3013に、半田付け等により固定されている。
図9に示された従来の駆動装置においては、圧電素子301が矢印の方向に伸縮するため、駆動部材302が光軸方向に駆動される。その結果、駆動部材302と摩擦係合している鏡筒304が光軸方向に駆動されるようになる。
特開平4−69070号公報(平成4年(1992) 3月 4日公開)
しかしながら、特許文献1に開示された駆動装置には、以下の問題が生じる。
すなわち、従来の駆動装置では、駆動部材302の一端に圧電素子301が光軸方向に連結されており、圧電素子301の伸縮方向と鏡筒304の駆動方向とが一致した構成になっている。このため、駆動部材302と圧電素子301とが駆動方向に並列した(積み上がった)構成になり、駆動装置の低背化が困難であるという課題がある。
また、従来の駆動装置では、鏡筒304は、駆動部材302との摩擦係合により、駆動されている。駆動部材302と鏡筒304の組立ばらつきにより、この摩擦係合部に加えられている摩擦力及び予圧力にばらつきが発生する。その結果、従来の駆動装置では、鏡筒302の駆動特性にばらつきが発生するという問題がある。さらに、このような摩擦力及び予圧力のばらつきを抑えるために、別途部材を設ける必要がある。しかしながら、従来の駆動装置の低背化・小型化に際し、このような部材を設けるスペースがなく、結果として、部材のサイズが小さくなり、部材を扱いにくくなるという課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることができる駆動装置、撮像装置、撮像機器、及び駆動装置の組立方法を提供することにある。
本発明に係る駆動装置は、上記課題を解決するために、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、上記駆動機構は、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材が固定されていることを特徴としている。
本発明の駆動装置は、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、上記駆動機構は、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備えている。それゆえ、駆動方向変換部材が屈曲変位部材の屈曲変位により被駆動体と接触し、該被駆動体を屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して駆動するようになっている(被駆動体の駆動方向と駆動源としての屈曲変位部材の屈曲変位方向とが異なっている)ので、駆動装置の駆動方向における寸法を、屈曲変位部材の駆動方向における寸法のみを考慮して決定することが可能になる。したがって、上記の構成によれば、従来の駆動装置と比較して、駆動装置の駆動方向における寸法を小さく設計することができ、駆動装置の低背化を実現することが可能になる。
上記の構成によれば、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材が固定されているので、この応力により、屈曲変位部材、及びそれに連結する駆動方向変換部材全体は、バネ性を有するようになる。このバネ性を利用することにより、駆動方向変換部材に付与される予圧力を微調整することが可能になる。
また、本発明に係る駆動装置では、上記屈曲変位部材は、屈曲変位方向に屈曲変形した状態で固定されていることが好ましい。
これにより、屈曲変位部材内部には、該屈曲変形した形状を元の形状に戻ろうとする応力が発生する。この応力により、屈曲変位部材、及びそれに連結する駆動方向変換部材全体は、バネ性を有するようになる。このバネ性を利用することにより、駆動方向変換部材に付与される予圧力を微調整することが可能になる。
また、本発明に係る駆動装置では、上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を収容する筐体を備え、上記筐体の側壁には、屈曲変位部材を屈曲変形した状態で固定する固定部が設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記筐体の側壁には、屈曲変位部材を屈曲変形した状態で固定する固定部が設けられているので、駆動装置の組立を行うだけで、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材を固定することが可能になる。それゆえ、より簡易に予圧力を微調整することが可能になる。
また、本発明に係る駆動装置では、上記駆動方向変換部材における被駆動体との接触部が球面を有する形状になっていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記駆動方向変換部材における被駆動体との接触部が球面を有する形状になっているので、駆動方向変換部材における接触部が被駆動体と傾いて接触した場合でも、摩擦特性が変化しにくいという効果を奏する。
また、本発明に係る駆動装置では、駆動方向変換部材における被駆動体との接触部が球形状になっていることが好ましい。
これにより、駆動方向変換部材における接触部が被駆動体とあらゆる方向に傾いて接触した場合でも、摩擦特性が変化しにくいという効果を奏する。
また、本発明に係る駆動装置は、上記屈曲変位部材として、第1の屈曲変位方向に屈曲する第1の屈曲変位部材と、第2の屈曲変位方向に屈曲する第2の屈曲変位部材とを備え、上記駆動方向変換部材は、被駆動体を、第1及び第2の屈曲変位方向と異なる方向に駆動するようになっている構成であってもよい。
上記の構成でも、駆動方向変換部材に付与される予圧力を微調整することが可能である。
また、本発明に係る駆動装置では、上記第1及び第2の屈曲変位部材は、これらの屈曲変位方向が互いに直交するように配されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1及び第2の屈曲変位部材は、これらの屈曲変位方向が互いに直交するように配された状態で、予め応力がかけられるので、屈曲変位部材を固定する固定部を簡易に配置することができるとともに、固定部の作製が容易になる。
本発明に係る撮像装置は、上記の課題を解決するために、上記被駆動体として、レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する上記駆動装置と、上記レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴としている。
これにより、低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることができる撮像装置を実現することができる。
本発明に係る撮像機器は、上記の課題を解決するために、上記撮像装置を備えたことを特徴としている。
これにより、低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることができる撮像機器を実現することができる。
本発明に係る駆動装置の組立方法は、上記の課題を解決するために、被駆動体を駆動させる駆動機構として、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備えた駆動装置の組立方法であって、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材を固定する工程を含むことを特徴としている。
これにより、低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることができる駆動装置の組立方法を実現することができる。
本発明に係る駆動装置は、以上のように、上記駆動機構は、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材が固定されている構成である。
また、本発明に係る撮像装置は、以上のように、上記被駆動体として、レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する上記駆動装置と、上記レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えた構成である。
また、本発明に係る撮像機器は、以上のように、上記撮像装置を備えた構成である。
また、本発明に係る駆動装置の組立方法は、以上のように、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材を固定する工程を含む構成である。
それゆえ、低背化を実現し、かつ、新たな部材を設けることなく簡便に摩擦係合部における予圧を微調整して与えることが可能になる。
本発明の駆動装置は、屈曲変位部材と、該屈曲変位部材の屈曲変位を電気的に制御する制御手段とを備えている。すなわち、本駆動装置では、制御手段による電気的制御により、屈曲変位部材の屈曲変位が励起されるようになっている。まず、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材について説明する。屈曲変位部材の一例としては、例えば図8(a)〜(c)に示されるバイモルフ構造の圧電素子が挙げられる。
図8は、バイモルフ構造の圧電素子の構成を示し、図8(a)は平面図であり、図8(b)は側面図であり、図8(c)は、圧電素子の屈曲変位の様子を示す図である。
図8(a)〜(c)に示される圧電素子は、2つの圧電材料層22X・22Yと、金属からなるシム材21とを備え、2つの圧電材料層22X・22Yがシム材21を挟んで圧着された3層構造になっている。そして、2つの電極20X・20Yが、この3層構造を挟んでいる。この2つの電極20X・20Yは、図示しない制御手段に接続されている。そして、シム材21の一端が固定支持されている(図8(b)・(c)において黒三角印で示された「固定点」)。なお、図8(a)〜(c)では、圧電材料層22X・22Yと、及びシム材21からなる3層構造の積層方向を厚み方向とし、図8(a)に示す平面視において、圧電素子の長手方向を長さ方向とし、該長さ方向と直交する方向を幅方向としている。さらに、厚み方向において、圧電材料層22X側をX側とし、圧電材料層22Y側をY側としている。
図8(a)・(b)に示す圧電素子では、制御手段から電極20X・20Yへ電圧が印加されると、圧電素子が厚み方向に屈曲変位するようになっている。
例えば、圧電材料層22Xは、電極20Xとシム材21との間の電圧が正になった場合に縮小し、電極20Xとシム材との間の電圧が負になった場合に伸長するように分極されている。また、圧電材料層22Yは、電極20Yとシム材21との間の電圧が正になった場合に伸長し、電極20Yとシム材21との間に電圧が負になった場合に縮小するように分極されている。
上記のように分極された圧電材料層22X・22Yに対し、制御手段が電圧を印加した場合について説明する。図8(c)に示すように、制御手段は、電極20X・20Yとシム材21との間(図8(c)中のア−イ間)に、正の電圧を印加するようになっている。そして、シム材21における黒三角印で示した部分が固定されている。この場合、同図に示すように、圧電素子は、厚み方向X側に屈曲変位する。一方、図示していないが、制御手段がア−イ間に負の電圧を印加すると、圧電素子は、厚み方向Y側に屈曲変位する。
このように、図8(a)〜(c)に示された圧電素子は、制御手段による電圧印加により屈曲変位するようになっている。なお、本発明の駆動装置における屈曲変位部材は、図8(a)〜(c)に示された圧電素子に限定されず、電気的制御により屈曲変位を制御することが可能な構造を有する部材であればよい。例えば、屈曲変位部材としては、1つの圧電材料層
とシム材とで構成されたモノモルフ構造の圧電素子が挙げられる。モノモルフ構造の圧電素子は、バイモルフ構造の圧電素子と同様の動作概念で、電気的制御による屈曲変位が可能である。
とシム材とで構成されたモノモルフ構造の圧電素子が挙げられる。モノモルフ構造の圧電素子は、バイモルフ構造の圧電素子と同様の動作概念で、電気的制御による屈曲変位が可能である。
本発明の駆動装置における屈曲変位部材は、以上のように、電圧の印加等の電気的制御により屈曲変位する部材を指しており、その構造はもちろん、厚み、長さ、幅などの寸法や形状に限定をうけるものではない。
以下、説明を簡単にするために、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材を単に「屈曲変位部材」と称することにする。
また、本明細書では、屈曲変位部材が駆動装置内に配置されているとき、被駆動体の移動方向を被駆動体移動方向あるいは(屈曲変位部材の)幅方向と呼び、屈曲変位部材が屈曲する方向を屈曲方向あるいは(屈曲変位部材の)厚み方向とよび、被駆動体移動方向(幅方向)に直交しかつ屈曲方向(厚み方向)に直交する方向を(屈曲変位部材の)長さ方向と呼ぶ。これは、屈曲変位部材の寸法や屈曲変位部材の固定部の位置に影響されるものではない。
〔第1の実施形態〕
本発明の一実施形態について、図1(a)・(b)ないし図2(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、本実施形態の駆動装置(以下、本駆動装置と記す)の構成を示し、図1(a)は、斜視図であり、図1(b)は分解斜視図である。なお、図1(a)・(b)に示される駆動装置は、小型カメラモジュールのフォーカス調整機構に適用した最適の実施形態を示す。
本発明の一実施形態について、図1(a)・(b)ないし図2(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図1は、本実施形態の駆動装置(以下、本駆動装置と記す)の構成を示し、図1(a)は、斜視図であり、図1(b)は分解斜視図である。なお、図1(a)・(b)に示される駆動装置は、小型カメラモジュールのフォーカス調整機構に適用した最適の実施形態を示す。
まず、本駆動装置の構成の概要について説明する。図1(a)・(b)に示されているように、本駆動装置は、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材(駆動方向変換部材)2、摩擦部材(駆動方向変換部材:接触部)3、鏡筒(被駆動体)4、ガイド軸5、カメラモジュール筐体6、及び駆動回路(制御手段)7A・7Bを備えている。
本駆動装置では、弾性部材2が、屈曲変位部材1Aと屈曲変位部材1Bとの間を連結している。そして、弾性部材2には、鏡筒4と摩擦係合する摩擦部材3が連結されている。
なお、「駆動方向変換部材」とは、弾性部材2と摩擦部材3とからなる部材のことをいう。本駆動装置では、弾性部材2と摩擦部材3とが別々の部材として示されている。しかしながら、本発明においては、後述するように、駆動方向変換部材は、弾性部材2と摩擦部材3とが別々の部材となった構成に限定されない。
屈曲変位部材1A・1Bは、上述した2つの圧電材料層がシム材を挟んで圧着された3層構造になった、バイモルフ構造の圧電素子である。そして、図1(a)・(b)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bの一方の端部(本実施形態ではシム材の延長)が、カメラモジュール筐体6に接着やはめ込み等により固定されている。そして、他方の端部が、弾性部材2に連結されている。
弾性部材2は、金属または樹脂といった、比較的弾性率が低い材料で構成されている。また、本駆動装置では、摩擦部材3が鏡筒4と接触(摩擦係合)することで、鏡筒4が光軸方向に移動するようになっている。それゆえ、摩擦部材3の材料としては、金属、樹脂、カーボン等が挙げられ、鏡筒4との所望の摩擦係数により選択される。
また、本駆動装置には、鏡筒4の光軸方向移動をガイドするガイド軸5が設けられている。そして、鏡筒4には、ガイド軸5が挿通する穴部が設けられている。ガイド軸5は、光軸方向に延びた棒状体であり、カメラモジュール筐体6の底部(あるいは天井部)に固定されている。また、ガイド軸5は、摩擦部材3と鏡筒4とが接触(摩擦係合)する位置に鏡筒4が位置するように支持する役割がある。本駆動装置では、摩擦部材3と鏡筒4との摩擦係合により、鏡筒4がガイド軸5に沿って、光軸方向に移動するようになっている。なお、本駆動装置において、鏡筒4は、ガイド軸5を挿通する穴部と一体的に形成されるものに限定されない。穴部を含む穴部材が別途鏡筒に接着された構成であってもよい。また、鏡筒4は、摩擦部材3との摩擦係合部分に、所望の摩擦係数を得るための摩擦調節部材が連結された(あるいは貼り付けられた)構成であってもよい。すなわち、ここでは、上記の穴部材、または摩擦調節部材を備えた構成も含めて、鏡筒と称する。
屈曲変位部材1A・1Bはそれぞれ、駆動回路7A・7Bに接続されている。駆動回路7Aは、屈曲変位部材1Aに対し電圧等を印加することにより、屈曲変位部材1Aの屈曲変位を励起する。駆動回路7Bは、屈曲変位部材1Bに対し電圧等を印加することにより、屈曲変位部材1Bの屈曲変位を励起する。駆動回路7A・7Bは、上位の制御回路(図示せず)により制御されており、後述する駆動波形に応じた電圧を屈曲変位部材1A・1Bへ出力する。なお、「制御手段」とは、駆動回路7A・7Bとその上位の制御回路とを備えたもののことをいう。
なお、制御手段による屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位の電気的制御は、電圧による制御に限定されない。例えば、屈曲変位部材1A・1Bとして、バイメタルや形状記憶合金を使用し、熱により屈曲変位を励起する場合、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位の電気的制御は、電流の増減による制御になる。この場合、屈曲変位部材1A・1Bに流す電流の増減により屈曲変位部材1A・1Bの一部が発生する熱を制御して屈曲変位部材1A・1Bの温度を制御することになる。あるいは、ニクロム線やカンタル線等の発熱線等で構成された電流を流すことで熱を発生する熱発生手段を屈曲変位部材1A・1Bに近接して設け、熱発生手段に流す電流の増減により熱発生手段が発生する熱を制御して屈曲変位部材1A・1Bの温度を制御することになる。また、例えば、屈曲変位部材1A・1Bとして磁歪素子を使用し、磁界により屈曲変位を励起する場合、電磁石など電流を流すことで磁界を発生する磁界発生手段を設けて、その電流の増減を制御して屈曲変位部材1A・1Bに加える磁界を制御することになる。
また、図1(a)・(b)には示されていないが、鏡筒4にはレンズ等の光学部品がはめ込まれており、鏡筒4の底部には、CCD等の撮像素子が配置されたモジュール型の撮像装置となる。そして、この撮像装置はデジタルカメラのような撮像機器に搭載される。
本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3から構成された駆動機構により、鏡筒4がガイド軸5に沿って駆動されるようになっている。これにより、鏡筒4にはめ込まれた光学部品が光軸方向に駆動され、焦点調整が行われる。なお、本実施形態では、鏡筒4が移動する被駆動体移動方向は、光軸方向と同義語として扱う。また、本明細書では、鏡筒4にはめ込まれた光学部品が物体を結像する方向(鏡筒4と物体とを結ぶ直線の方向)を「光軸方向」とする。
カメラモジュール筐体6は、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、摩擦部材3、鏡筒4、及びガイド軸5を収容する部材である。本駆動装置では、カメラモジュール筐体6は、直方体形状になっており、側壁6a〜6dを有している。図1(a)・(b)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bは、カメラモジュール筐体6の側壁の一部として設けられている。つまり、屈曲変位部材1A・1Bは、カメラモジュール筐体6の側壁6c・6dを兼ねた構成になっている。屈曲変位部材1A・1Bは、屈曲変位部材1A上の任意の1点(例えば図2(b)に示されたS点)と、屈曲変位部材1B上の任意の1点(例えば図2(b)に示されたT点)とを結ぶ直線のうち、鏡筒4を通過する直線(例えばS点とT点とを結ぶ直線)が少なくとも1つ存在するように配置されている。また、弾性部材2及び摩擦部材3は、屈曲変位部材1A・1Bそれぞれを兼ねた2つの側壁6c・6dにより形成されたコーナー部に配されている。なお、屈曲変位部材1A・1Bは、筐体6の側壁の一部として設けられている構成に限定されてはおらず、筐体6の側壁の内側に設けられる構成でも構わない。
このように本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1Bをカメラモジュール筐体6の壁部の一部とし、空間的余裕があるコーナー部に弾性部材2及び摩擦部材3が配されているので、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体6内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。また、本駆動装置は、従来の駆動装置のように、駆動部材302及び圧電素子301が光軸方向に並列した構成になっていないので、装置の低背化を実現することができる。
本駆動装置では、屈曲変位部材1A・1Bの屈曲変位方向と垂直な方向に鏡筒4が駆動するように、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3が配置されている。以下、本駆動装置における、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3の位置関係について説明する。
(位置関係)
図2(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3の位置関係を示した側面図である。また、図2(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図2(a)では、屈曲変位部材1Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材1Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材1A及び1Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線(第1の直線)L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。また、この仮想線L1は、連結点A及び連結点Bを含む面内にあり、かつ被駆動体の駆動方向と垂直な方向に延びた直線であるともいえる。
図2(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材1A・1B、弾性部材2、及び摩擦部材3の位置関係を示した側面図である。また、図2(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図2(a)では、屈曲変位部材1Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材1Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材1A及び1Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線(第1の直線)L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。また、この仮想線L1は、連結点A及び連結点Bを含む面内にあり、かつ被駆動体の駆動方向と垂直な方向に延びた直線であるともいえる。
図2(a)に示されるように、屈曲変位部材1A・1Bはともに、仮想線L1上に並んで配されている。言い換えれば、屈曲変位部材1Aの中心を通過し長さ方向に平行な線と、屈曲変位部材1Bの中心を通過し長さ方向に平行な線とが、同一の仮想線L1で重複しているような配置である。
また、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。また、同図に示すように、連結点Aは、仮想線L1に対し、上側に配置されている。一方、連結点Bは、仮想線L1に対し、下側に配置されている。
また、摩擦部材3は、連結点Aと連結点Bとを結ぶ仮想線AB上に配されている。すなわち、摩擦部材3における鏡筒4との接触部は、仮想線ABの任意の点を通過し、かつ連結点A及びBを含む面に対し垂直な直線を第2の直線L1’としたとき、この第2の直線L1’を通過するように配されている。
また、図2(b)に示したように、屈曲変位部材1Aは、屈曲変位方向Aと称した矢印の方向に変位するので、弾性部材2の連結点Aには弾性部材変位方向Aと称した矢印の方向に変位ベクトルが励起される。また、屈曲変位部材1Bは、屈曲変位方向Bと称した矢印の方向に変位するので、弾性部材2の連結点Bには弾性部材変位方向B称した矢印の方向に変位ベクトルが励起される(つまり図2(a)の連結点A・Bには紙面と垂直な方向に変位ベクトルが励起される)。なお、連結点A・Bには上記以外の方向にも変位ベクトルが励起されるが、駆動との関係は小さいため説明を省略する。これらにより、摩擦部材3のz方向への変位ベクトルにより、鏡筒4をz方向に駆動させることができる。
本駆動装置は、屈曲変位部材1A・1B及び「駆動方向変換部材」としての弾性部材2及び摩擦部材3が予め応力がかけられた状態で、屈曲変位部材1A・1Bが固定されていることを特徴している。図2(b)に示されるように、屈曲変位部材1Aは、予め予圧方向Aに屈曲変形した状態で固定されている。屈曲変位部材1Bは、弾性部材2及び摩擦部材3を介して屈曲変位部材1Aと連結しているので、上記の屈曲変位部材1Aの固定により、予め応力がかけられた状態になる。それゆえ、本駆動装置では、屈曲変位部材1Aが予め予圧方向Aに屈曲変形した状態で固定されたとき、この屈曲変形に応じて、屈曲変位部材1B、弾性部材2及び摩擦部材3も屈曲変形した状態になる。なお、図2における予圧方向Aは、屈曲変位方向Aと平行な方向になっている。
なお、上述のように、屈曲変位部材1Aが予圧方向Aに屈曲変形した状態で固定されているため、実際の屈曲変位部材1Aは、筐体6の側壁6bに対し所定角度だ傾斜するように取り付けられている。図2(b)においては、駆動装置の構成を簡潔にするために、屈曲変位部材1Aが筐体6の側壁6bに対し垂直になるように構成している。
また、本駆動装置の上記構成は、以下の駆動装置組立方法で実現可能である。すなわち、屈曲変位部材1A・1Bを筐体6の側壁に固定する工程で、屈曲変位部材1Aを予め予圧方向Aに変形させてから屈曲変位部材1A・1Bを筐体6の側壁に固定することで、本駆動装置を実現することができる。
このように、屈曲変位部材1Aが予め予圧方向Aに屈曲変形した状態で固定されているので、摩擦部材3に予圧方向Bの予圧力が付与される。この予圧力により、摩擦部材3の先端が常に鏡筒4と接触した構成になる。
この構成によれば、摩擦部材3に付与される予圧力を微調整することが可能である。それゆえ、鏡筒4の駆動制御を微調整した上で、駆動装置の組立を行うことが可能になる。以下、図3及び図4を参照して、摩擦部材3に働く予圧力について、説明する。図3は、予め屈曲変位部材1Aを予圧方向Aの方向に変形させてから屈曲変位部材1A・1Bを固定した場合の様子を示す説明図である。
この構成によれば、摩擦部材3に付与される予圧力を微調整することが可能である。それゆえ、鏡筒4の駆動制御を微調整した上で、駆動装置の組立を行うことが可能になる。以下、図3及び図4を参照して、摩擦部材3に働く予圧力について、説明する。図3は、予め屈曲変位部材1Aを予圧方向Aの方向に変形させてから屈曲変位部材1A・1Bを固定した場合の様子を示す説明図である。
図3において、点線で示した形状は、屈曲変位部材1Aを屈曲変形する前の形状を示したものである。そして、実線で示された形状は、屈曲変位部材1Aを屈曲変形して固定した後の形状を示すものである。同図に示されるように、屈曲変位部材1Aは、弾性部材2と反対側の端部を予圧方向Aへ変位させた状態で筐体6の側壁6bに固定されている。これにより、屈曲変位部材1Aは、屈曲変形した状態で固定されることになる。これにより、弾性部材2、摩擦部材3、及び屈曲変位部材1Bは、応力がかけられ、屈曲変形した状態になる。
このように、屈曲変位部材1Aが屈曲変形した状態で固定されることにより、屈曲変位部材1Aに連結している弾性部材2及び摩擦部材3は、鏡筒4側に変位することになる。また、屈曲変位部材1A内部には、該屈曲変形した形状を元の形状に戻ろうとする応力が発生する。この発生した応力により、屈曲変位部材1A・1B、及びそれに連結する弾性部材3全体は、バネ性を有するようになる。このバネ性を利用することにより、摩擦部材3が鏡筒4に対し予圧方向Bの予圧力を付与することになる。
図4は、屈曲変位部材1Aにおける(弾性部材2と反対側の)端部固定位置の変位量と、摩擦部材3に付与される予圧方向Bの予圧力との関係を示すグラフである。なお、図4のグラフは、屈曲変位部材1A・1Bの寸法を、長さ3mm、幅2mm、総厚さ0.3mmとし、弾性部材2の厚さを0.1mmとし、摩擦部材3の長さを0.5mmとした場合の関係を示すグラフである。図4に示されるように、屈曲変位部材1Aにおける端部固定位置の変位量と予圧方向Bの予圧力とは、比例関係になっていることがわかる。そして、屈曲変位部材1A・1B、及びそれに連結する弾性部材3全体は、バネ性を有することがわかる。図3のグラフより、バネ定数は、0.15gf/μmとなる。
屈曲変位部材1Aを屈曲変形させずに、屈曲変位部材1A・1Bを筐体6の側壁に対し垂直になるように固定した状態で摩擦部材3を変位させた場合、バネ定数は、60gf/μmとなる。一方、屈曲変位部材1Aが屈曲変形した状態で固定された本駆動装置では、図3のグラフより、バネ定数は、0.15gf/μmとなり、摩擦部材3に付与される予圧力の微調整に最適なバネ定数であることがわかる。
なお、上記の構成では、屈曲変位部材1Aを予め予圧方向Aに変形させてから屈曲変位部材1A・1Bが筐体6の側壁に固定されていた。しかしながら、本駆動装置は、屈曲変位部材及び駆動方向変換部材(弾性部材2及び摩擦部材3)に予め応力がかけられた状態で、屈曲変位部材が固定されている構成であれば、固定状態について特に限定されない。例えば、屈曲変位部材1A・1Bにおける圧電材料層が接着やはめ込みによって固定された構成であってもよい。
また、本駆動装置は、筐体6の側壁における、屈曲変位部材1A・1Bを屈曲変形した状態で固定する固定部を複数備えた構造であってもよい。そして、屈曲変位部材1A・1Bそれぞれに対し、固定部を複数備えた構造であってもよい。
また、屈曲変位部材1A、または、屈曲変位部材1Bを変位させ、屈曲変位部材1A及び1Bの屈曲変位方向が互いに直交する配置で応力が与えられる状態とし、その状態で固定するという構成でも構わない。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、図5(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図5(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図5(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図5(a)では、屈曲変位部材21Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材21Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材21A及び21Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
本発明の他の実施形態について、図5(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図5(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図5(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図5(a)では、屈曲変位部材21Aと弾性部材2とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、屈曲変位部材21Bと弾性部材2とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)としている。また、屈曲変位部材21A及び21Bの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
なお、本駆動装置における駆動原理は、上記第1の実施形態で説明した駆動原理と同様であるので、説明を省略する。
連結点A及びBは、図5(a)に示されるように、上記第1の実施形態と同様の配置になっている。すなわち、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。また、同図に示すように、連結点Aは、仮想線L1に対し、上側に配置されている。一方、連結点Bは、仮想線L1に対し、下側に配置されている。
本駆動装置において、第1の実施形態と異なる点は、弾性部材2及び摩擦部材3が、カメラモジュール筐体26のコーナー部に配されていない点である。屈曲変位部材21A・21Bは、カメラモジュール筐体26の側壁面のうち一面だけを利用して配置されている。つまり、屈曲変位部材21A・21Bはともに、カメラモジュール筐体26の側壁26a〜26dのうち、ただ1つの側壁26dを兼ねた構成になっている。そして、弾性部材2、摩擦部材3、及びガイド軸5は、側壁26dの中央部に配されている。
このような構成により、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体26内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
本駆動装置においては、屈曲変位部材21A・21Bのサイズはそれぞれ、側壁26dの半分以下になる。それゆえ、第1の実施形態の駆動装置と比較して、本駆動装置は、鏡筒4の駆動力が小さくなる。しかしながら、レンズ(光学部材)及び鏡筒4の質量を軽量化することで、鏡筒4の駆動が十分可能である。また、本駆動装置は、第1の実施形態の駆動装置と比較して、従来よりも駆動装置を低背化できるという点で有利である。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、図6(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図6(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図6(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図6(a)では、屈曲変位部材51Aの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
本発明のさらに他の実施形態について、図6(a)・(b)に基づいて説明すると以下の通りである。図6(a)は、本駆動装置における、屈曲変位部材、弾性部材、及び摩擦部材の位置関係を示した側面図である。また、図6(b)は、本駆動装置の構成を示した平面図である。図6(a)では、屈曲変位部材51Aの中心を通過し、かつ長さ方向に平行な線を仮想線L1としている。また、この仮想線L1は、摩擦部材3を通過している。
図6(a)に示されるように、本駆動装置は、1つの屈曲変位部材51Aを備えた1枚構成になっている。屈曲変位部材51Aは、カメラモジュール筐体56のただ1つの側壁56cの一部として設けられている。そして、弾性部材52及び摩擦部材3は、側壁56c(屈曲変位部材51A)と側壁56dとにより形成されるコーナー部に配されている。つまり、弾性部材52及び摩擦部材3における屈曲変位部材51Aと反対側に、側壁56dが連結されている。
ここで、屈曲変位部材51Aと弾性部材52とが連結する点を連結点A(図中X印で示している)とし、側壁56cと弾性部材52とが連結する点を連結点B(図中X印で示している)とする。図6(a)に示されるように、連結点A及び連結点Bは、これら2点を結ぶ仮想線ABが、仮想線L1と交差するように配置されている。
このような構成により、駆動機構の配置にカメラモジュール筐体56内の空間を有効利用することができ、駆動装置の小型化が可能になる。
(本駆動装置における駆動方向変換部材について)
上記第1〜第3の実施形態の駆動装置において、摩擦部材3は、鏡筒4と接触する部分の形状が球面を有する形状であることが好ましい。さらに、この形状は、球形状であってもよい。以下、本駆動装置における摩擦部材3の構成例について、図7(a)〜(c)に基づいて、説明する。図7(a)〜(c)は、本駆動装置における摩擦部材3の構成例を示す斜視図である。
上記第1〜第3の実施形態の駆動装置において、摩擦部材3は、鏡筒4と接触する部分の形状が球面を有する形状であることが好ましい。さらに、この形状は、球形状であってもよい。以下、本駆動装置における摩擦部材3の構成例について、図7(a)〜(c)に基づいて、説明する。図7(a)〜(c)は、本駆動装置における摩擦部材3の構成例を示す斜視図である。
まず、図7(a)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材62aと摩擦部材63aとを備え、これらが連結された構成になっている。そして、摩擦部材63aにおける鏡筒と接触する部分が球形状になっている。
また、図7(b)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材62bと摩擦部材63bとを備え、これらが連結された構成になっている。弾性部材62bには、鏡筒側に突出した突出部64cが形成されている。そして、突出部64cにおける鏡筒側の先端部には、摩擦部材63bが貼り付けられている。摩擦部材63bにおける鏡筒と接触する部分が、球形状になっている。
さらに、図7(c)に示されるように、駆動方向変換部材は、弾性部材62cと摩擦部材63cとを備え、これらが連結された構成になっている。弾性部材62cには、鏡筒側に突出した突出部64’cが形成されている。この突出部64’cは、弾性部材62cに対し垂直になるように配されている(摩擦部材63c側を上面とした場合の突出部64’cの側面が弾性部材62cに対し垂直になっている)。そして、突出部64’cにおける鏡筒側の先端部には、摩擦部材63cが貼り付けられている。摩擦部材63cにおける鏡筒と接触する部分が、球形状になっている。
図7(a)〜(c)に示されるように、摩擦部材における鏡筒と接触する部分が球形状になっているので、駆動方向変換部材における接触部が鏡筒と傾いて接触した場合でも、摩擦特性が変化しにくいという効果を奏する。また、接触部としての摩擦部材の形状は、半球形状であってもよい。また、弾性部材と摩擦部材と突出部が一体化していても構わない。
また、摩擦部材63a、63b、及び63cを構成する材料としては、カーボン素材であっても構わない。これは、温度や湿度の変化による摩擦係数の変化が少ない材料を容易に選択できるという点で有利である。
以上により、低背化が実現できる駆動装置において、屈曲変位部材、及び、駆動方向変換部材に応力をかけた状態で屈曲変位部材を固定すると、屈曲変位部材、及び、駆動方向変換部材全体のバネ性を利用することにより、予圧を微調整して与えることができた。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本駆動装置は、装置の小型化・低背化を実現することが可能であるので、例えば、カメラの撮影レンズ等、光学装置におけるレンズの駆動の用途に適用できる。
1A 屈曲変位部材(第1の屈曲変位部材)
1B 屈曲変位部材(第2の屈曲変位部材)
2 弾性部材(駆動方向変換部材)
3 摩擦部材(駆動方向変換部材;接触部)
4 鏡筒(被駆動体)
5 ガイド軸
6 カメラモジュール筐体(筐体)
7A,7B 駆動回路(制御手段)
1B 屈曲変位部材(第2の屈曲変位部材)
2 弾性部材(駆動方向変換部材)
3 摩擦部材(駆動方向変換部材;接触部)
4 鏡筒(被駆動体)
5 ガイド軸
6 カメラモジュール筐体(筐体)
7A,7B 駆動回路(制御手段)
Claims (10)
- 被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動装置であって、
上記駆動機構は、
電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、
上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備え、
屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材が固定されていることを特徴とする駆動装置。 - 上記屈曲変位部材は、屈曲変位方向に屈曲変形した状態で固定されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
- 上記屈曲変位部材及び上記駆動方向変換部材を収容する筐体を備え、
上記筐体の側壁には、屈曲変位部材を屈曲変形した状態で固定する固定部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。 - 上記駆動方向変換部材における被駆動体との接触部が球面を有する形状になっていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動装置。
- 上記駆動方向変換部材における被駆動体との接触部が球形状になっていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動装置。
- 上記屈曲変位部材として、第1の屈曲変位方向に屈曲する第1の屈曲変位部材と、第2の屈曲変位方向に屈曲する第2の屈曲変位部材とを備え、
上記駆動方向変換部材は、被駆動体を、第1及び第2の屈曲変位方向と異なる方向に駆動するようになっていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の駆動装置。 - 上記第1及び第2の屈曲変位部材は、これらの屈曲変位方向が互いに直交するように配されていることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
- 上記被駆動体として、レンズが取り付けられた鏡筒を駆動する請求項1〜7の何れか1項に記載の駆動装置と、
上記レンズにより結像した像を撮像する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。 - 請求項8に記載の撮像装置を備えたことを特徴とする撮像機器。
- 被駆動体を駆動させる駆動機構として、
電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、
上記屈曲変位部材に連結されているとともに、被駆動体と接触し、屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に変位方向を変換して被駆動体を駆動する駆動方向変換部材とを備えた駆動装置の組立方法であって、
屈曲変位部材及び駆動方向変換部材に予め応力がかけられた状態で、上記屈曲変位部材を固定する工程を含むことを特徴とする駆動装置の組立方法。
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WO2011093307A1 (ja) * | 2010-01-27 | 2011-08-04 | 石川県 | 超音波モータ用振動子摩擦接触部材および超音波モータ用振動子 |
JP5569535B2 (ja) * | 2009-11-04 | 2014-08-13 | コニカミノルタ株式会社 | 駆動機構およびそれを用いた撮像装置 |
-
2007
- 2007-08-01 JP JP2007200708A patent/JP2009038888A/ja active Pending
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