JP2010004648A - 駆動ユニット - Google Patents

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智浩 江川
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Abstract

【課題】駆動幅(ストローク)および駆動速度等の機能を高いレベルに維持しながら低背化(小型化)が可能な駆動ユニットを提供する。
【解決手段】駆動ユニットは、一部が固定部材9によって固定されるとともに電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材1と、上記屈曲変位部材1の第一面に固定されている駆動部材2とを備え、上記屈曲変位部材1は、第一面の裏面にあたる第二面側に被駆動体3が位置するように配置されており、上記駆動部材2は、上記屈曲変位部材1の屈曲変位による駆動力の方向を異なる方向に変換するL字型もしくは凹字型の駆動変換部材6と、摩擦部材7とを備え、上記摩擦部材7と上記被駆動体3とが常に接触するように、上記屈曲変位部材1、上記駆動部材2または上記被駆動体3に予圧をかける予圧部材8をさらに備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動ユニットに関するものである。
従来、電気機械変換素子(圧電素子)を用いて被駆動体を駆動する駆動ユニットが提案されている。このような駆動ユニットは、例えば、光学装置におけるレンズの駆動に用いられている。
上記駆動ユニットとしては、例えば下記特許文献1に記載された駆動ユニットが挙げられる。
すなわち、特許文献1は、鏡筒の駆動方向(光軸方向)に伸縮可能な圧電素子と、該圧電素子の一端部に連結された駆動部材とを備えた駆動ユニットに関する発明を開示している。当該駆動ユニットでは、駆動部材が鏡筒と摩擦係合し、圧電素子の光軸方向への伸縮動作により、駆動部材と鏡筒との間で摩擦力が発生し、該摩擦力によって鏡筒が光軸方向に駆動されるようになっている。
図4は、特許文献1における駆動ユニットの構成を示す概略の側面図である。従来の駆動ユニットは、圧電素子301、光軸方向と平行に設けられた棒状の駆動部材302、鏡筒(被駆動体)304、レンズ3011、CCD等の撮像素子3012、及び回路基板3013を備え、これら各部材が筐体306に収納された構成を有している。
駆動部材302の一端部には、圧電素子301が連結されている。そして、鏡筒304は、駆動部材302に摩擦係合されている。
また、鏡筒304には、レンズ3011が嵌め込まれており、鏡筒304の下部には、撮像素子3012が配置されている。撮像素子3012は、回路基板3013に、ハンダ付け等により固定されている。
そして、上記駆動ユニットにおいては、圧電素子301が駆動部材302の長さ方向に伸縮することによって、当該駆動部材302が光軸方向に駆動される。その結果、駆動部材302と摩擦係合している鏡筒304が、光軸方向に駆動されるようになっている。
特開平4−69070号公報(平成4(1992)年3月4日公開)
しかしながら、上記従来の技術は、以下の問題点を有している。
すなわち、圧電素子の伸縮方向と鏡筒の駆動方向とが一致する構成においては、駆動ユニットの低背化(小型化)が困難である。圧電素子を小型化すると、圧電素子の変位量および推力が小さくなってしまい、駆動速度も低下する。一方、駆動部材を小型化すると、駆動ストロークが減少してしまう。つまり、駆動ユニットの低背化を実現するためには、駆動ユニットの構成部品である圧電素子と駆動部材とを小型にしなければならないが、機能が低下するという矛盾が生じる。よって、上記の従来技術においては、駆動ユニットの低背化を実現するのが困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動幅(駆動ストローク)および駆動速度等の機能を高いレベルに維持しながら低背化(小型化)が可能な駆動ユニットを提供することにある。
本発明に係る駆動ユニットは、上記の課題を解決するために、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動ユニットであって、上記駆動機構は、一部が固定部によって固定されるとともに電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材の第一面に固定されている駆動部材とを備え、上記屈曲変位部材は、第一面の裏面にあたる第二面側に被駆動体が位置するように配置されており、上記駆動部材は、上記屈曲変位部材の屈曲変位による駆動力の方向を異なる方向に変換して伝達するL字型もしくは凹字型の駆動変換部と、摩擦部とを備え、上記駆動機構は、上記摩擦部と上記被駆動体とが常に接触するように、上記屈曲変位部材、上記駆動部材または上記被駆動体に予圧をかける予圧部材をさらに備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、電気的制御により屈曲変位部材の屈曲変位が励起されると、屈曲変位部材に連結された駆動部材も屈曲することになり、従って駆動部材の歪みまたは曲げが発生する。そして、この駆動部材の歪みまたは曲げにより、該駆動部材は、被駆動体に接触可能に屈曲変位方向に垂直な面内で運動することになる。つまり、該駆動部材が被駆動体に接触可能に屈曲変位部材の屈曲変位方向と異なる方向に駆動することになる。すなわち、上記駆動部材は、屈曲変位部材の屈曲力を上記の屈曲変位の方向とは異なる方向へ変換して被駆動体へ伝達し、被駆動体を駆動させる。上述のとおり、屈曲変位部材と被駆動体の駆動方向が異なるため、被駆動体の駆動方向における駆動ユニットの寸法を決めるには屈曲変位部材の寸法のみを考慮すればよい。すなわち、従来の駆動ユニットと比較して、駆動ユニットの駆動方向における寸法を小さくすることができ、駆動ユニットの低背化を実現することが可能である。また、屈曲変位部材の厚さの設定に整合させて駆動部材を長くすることができるため、小型化でありながら駆動変位量がより大きく、駆動速度がより速い駆動ユニットを提供することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記固定部が上記屈曲変位部材の第一面の一部と接触していることが好ましい。
上記の構成によれば、上記屈曲変位部材の固定端がより安定して保持され、駆動ユニットの目的機能に適った屈曲方向及び屈曲幅において上記屈曲変位部材を屈曲させることができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記駆動変換部および上記摩擦部の材料が互いに同一であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記駆動変換部と上記摩擦部とを同じ管理値で管理することによって、同じ屈曲変位量を実現することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記駆動変換部および上記摩擦部の材料が互いに異なることが好ましい。
上記の構成によれば、屈曲変位部材への接着に適した材料、もしくは、被駆動体との接触に適した材料を、それぞれ別々に選定することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記摩擦部が曲面を有することが好ましい。
上記の構成によれば、駆動前後及び駆動中において、被駆動体と接触部とを常に接触させることができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記摩擦部の曲面が、1軸方向に対してのみ曲率を有する形状であることが好ましい。
上記の構成によれば、駆動部材と被駆動体との接触が線接触となり、被駆動体の位置決め、もしくは回転止めに応用することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記摩擦部の曲面が、球面状であることが好ましい。
上記の構成によれば、駆動部材と被駆動体との接触角度を自由に設定することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記屈曲変位部材と上記駆動部材との固定箇所に、屈曲変位部材の変位量が最大となる点が含まれていることが好ましい。
上記の構成によれば、屈曲変位部材が所定長さを有する条件において、最大の屈曲変位量を得ることができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記屈曲変位部材に電圧を印加するための駆動回路と、上記駆動回路を介して屈曲変位部材の屈曲変位量を制御する制御手段とを備え、上記駆動回路に入力される駆動電圧の波形が矩形波形、もしくは、パルス波形であることが好ましい。
上記の構成によれば、駆動回路を介して屈曲変位部材へ印加する電圧を調整することにより、屈曲変位部材の屈曲変位量を制御し、結果的に被駆動体の駆動方向および駆動速度等を制御することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記屈曲変位部材が、圧電材料層とシム材とを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、駆動ユニットから発生する磁界によって駆動機能に支障が生じることを抑制することができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記屈曲変位部材が、2つの圧電材料層の積層体からなることが好ましい。
上記の構成によれば、より大きい屈曲変位量を得ることができる。
本発明にかかる駆動ユニットは、上記被駆動体にはレンズが取り付けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、より低背化したレンズ駆動機構を実現することができる。
本発明に係る駆動ユニットは、以上のように、被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動ユニットであって、上記駆動機構は、一部が固定部によって固定されるとともに電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材の第一面に固定されている駆動部材とを備え、上記屈曲変位部材は、第一面の裏面にあたる第二面側に被駆動体が位置するように配置されており、上記駆動部材は、上記屈曲変位部材の屈曲変位による駆動力の方向を異なる方向に変換して伝達するL字型もしくは凹字型の駆動変換部と、摩擦部とを備え、上記駆動機構は、上記摩擦部と上記被駆動体とが常に接触するように、上記屈曲変位部材、上記駆動部材または上記被駆動体に予圧をかける予圧部材をさらに備えている構成である。
それゆえ、駆動機構の駆動方向と被駆動体の駆動方向とが互いに異なるという特徴的な機能が生まれ、駆動幅および駆動速度等の機能を高いレベルに維持しながら低背化が可能な駆動ユニットを提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る駆動ユニットは、被駆動体にはレンズが取り付けられている構成とすることもできるため、比較的ピント調整幅が広く、調整速度が速く、かつ、小型なレンズ駆動ユニットを提供することができるという効果も奏する。
〔実施の形態1〕
(屈曲変位部材)
本発明に係る駆動ユニットは、屈曲変位部材と、屈曲変位部材に電圧を印加するための駆動回路と、上記駆動回路を介して上記屈曲変位部材の屈曲変位を電気的に制御する制御手段とを備えている。すなわち、屈曲変位部材は制御手段によって電気的に制御されることにより、屈曲変位が励起されるようになっている。まず、電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材について説明する。屈曲変位部材の一例としては、例えば図3(a)〜(c)に示されるバイモルフ構造の屈曲変位部材が挙げられる。
図3は、バイモルフ構造の屈曲変位部材の構成を示しており、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は屈曲変位部材が屈曲した状態を示す側面図である。
図3(a)〜(c)に示される屈曲変位部材は、2つの圧電材料層22X・22Yと、金属からなるシム材21とを備えており、2つの圧電材料層22X・22Yがシム材21を挟んで圧着された3層構造、すなわち積層体になっている。2つの圧電材料層を設けることによって、より大きい屈曲変位量を得ることができ、シム材を上記2つの圧電材料層の間に挟むことによって磁界の発生を抑制することができる。さらに、2つの電極20X・20Yが上記3層構造を挟んで構成されるとともに、これら電極20X・20Yは駆動回路を介して図示しない制御手段に接続されている。また、シム材21にも駆動回路と電気的に接続し、接地電圧(0V)を付与する結線がなされている。すなわち、上記駆動回路および2つの電極20X・20Yを介して上記制御手段による電圧変化等の制御信号が上記2つの圧電材料層22X・22Yへ伝達されることにより、当該圧電材料層22X・22Yの屈曲変位が制御されるようになっている。屈曲変位部材は、シム材21、もしくは、2つの圧電材料層22X・22Yの一端部が固定部によって固定されることにより、他端部が屈曲変位するようになっている。圧電材料層の一端部を固定することにより、非固定の他端部の屈曲変位量を最大にすることができる。
なお、以下の説明においては、屈曲変位部材の屈曲変位方向、すなわち圧電材料層22X・22Yとシム材21とからなる3層構造の積層体の積層方向を厚さ方向とし、上記積層方向と垂直で、屈曲変位部材の固定端と被固定端とを通る方向を長さ方向とし、上記厚さ方向および長さ方向と直交する方向を幅方向とする。また、厚さ方向において、圧電材料層22X側をX側とし、圧電材料層22Y側をY側とする。
図3(b)に示す屈曲変位部材においては、圧電材料層22Xは電極20Xとシム材21との間の電圧が正になった場合に縮小し、電極20Xとシム材21との間の電圧が負になった場合に伸長するように分極されており、圧電材料層22Yは電極20Yとシム材21との間の電圧が正になった場合に伸長し、電極20Yとシム材21との間の電圧が負になった場合に縮小するように分極されている。
つまり、制御手段から電極20X・20Yへ電圧(+V〔V〕)が印加されると、屈曲変位部材が厚さ方向においてX側に屈曲変位するようになっている。具体的には、図3(c)に示すように、シム材21の一端部(図3(c)中の黒三角印で示した部分)が固定部によって固定されており、制御手段により、電極20X・20Yとシム材21との間(図3(c)中のア−イ間)に正の電圧が印加されると、屈曲変位部材の他端部は厚さ方向のX側に屈曲変位する。一方、図示していないが、制御手段により、電極20X・20Yとシム材21との間に負の電圧が印加されると、屈曲変位部材の他端部は、厚さ方向のY側に屈曲変位する。
このように、屈曲変位部材は制御手段による電圧の印加によって屈曲変位するようになっている。なお、本発明に係る駆動ユニットにおける屈曲変位部材は、上記の3層構造に限定されるものではなく、電気的制御により屈曲変位部材が屈曲変位するという本発明の駆動原理に適った構造であればよい。例えば、1つの圧電材料層と1つのシム材とによって構成されたモノモルフ構造の屈曲変位部材であってもよく、2つの圧電材料層が積層された2層構造(積層体)、いわゆるシムレスバイモルフ構造であってもよい。また、本発明に係る駆動ユニットにおける屈曲変位部材は、電圧印加等の電気的制御により屈曲変位する部材であればよく、その厚さ、長さ、幅等の寸法や形状は、特に限定されるものではない。
以下、便宜上、電気的制御により屈曲変位が励起される上記屈曲変位部材を単に、「屈曲変位部材」と称することにする。
(駆動ユニット)
本発明の一実施形態について、図1〜3に基づいて説明すると以下の通りである。図1は駆動ユニットの概略の構成を被駆動体とともに示しており、(a)は斜視図であり、(b)は側面図であり、(c)は駆動ユニットが備える駆動変換部材の形状を示す平面図である。
まず、図1に示すように、本発明にかかる駆動ユニットは、屈曲変位部材1、駆動部材2、被駆動体3の駆動を案内する摺動軸4、制御手段に接続されている駆動回路5、および、上記屈曲変位部材1,上記駆動部材2または上記被駆動体3に予圧をかける予圧部材8を備え、被駆動体3を駆動するようになっている。上記屈曲変位部材1は、例えば駆動ユニットを収容する筐体に設けられた固定部材9に固定されている。上記駆動部材2は、駆動変換部材(駆動変換部)6と摩擦部材(摩擦部)7とが一体化されることによって構成されている。そして、屈曲変位部材1と、駆動部材2と、予圧部材8とで、被駆動体3を駆動させる駆動機構が構成されている。
上記摺動軸4は、光軸方向と平行になるように配置された棒状の部材であり、例えば駆動ユニットを収容する筐体に設けられたベースに固定されている。摺動軸4は、被駆動体3に形成された穴部に挿通されており、被駆動体3の光軸方向への移動をガイドするようになっている。被駆動体3は、摩擦部材7と摩擦接触するように、摺動軸4によって支持されている。つまり、被駆動体3は、当該被駆動体3と摩擦部材7との摩擦接触による駆動により、摺動軸4に沿って光軸方向に移動可能となっている。ここで、被駆動体3において、摩擦部材7との摩擦接触部に別途接触部材を設けても構わない。このような部材も含めて被駆動体3とする。
なお、上記被駆動体3は、穴部が形成されている構成の他に、穴部が形成された別部材を被駆動体3に接着してなる構成であってもよい。また、上記被駆動体3は、当該被駆動体3と摩擦部材7とが摩擦接触する部位に、所望の摩擦係数を得るための摩擦調節部材が設けられた(あるいは貼付された)構成であってもよい。
屈曲変位部材1は、上述した通り、2つの圧電材料層がシム材を挟んで圧着された3層構造であるバイモルフ構造、1つの電圧材料層とシム材とからなるモノモルフ構造、或いは、2つの圧電材料層が積層された2層構造、いわゆるシムレスバイモルフ構造等の構造をしている。
屈曲変位部材1は、その一端部が固定部材9によって固定されており、自由端である他端部には駆動変換部材6が連結されている。より具体的には、上記屈曲変位部材1と上記駆動変換部材6との固定箇所に、屈曲変位部材1の変位量が最大となる点が含まれるように、屈曲変位部材1と駆動変換部材6とが連結されている。上記駆動変換部材6の先端部には摩擦部材7が固定されており、当該摩擦部材7は被駆動体3と常に接触している。また、摺動軸4は、被駆動体3の駆動方向である光軸方向(図1(a)でX方向)と平行になるように、配置されている。従って、摩擦部材7の接触面と被駆動体3の接触面との摩擦力によって、被駆動体3は摺動軸4に沿って駆動されるようになっている。
なお、本実施形態では、駆動部材2における駆動変換部材6と摩擦部材7とを別個の部材として説明するが、両部材は一体的に形成されていても構わない。つまり、上記駆動変換部材6および摩擦部材7の材料は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
以下の説明においては、便宜上、上記屈曲変位部材1における、駆動変換部材6が固定されている側の面を屈曲変位部材の第一面、上記第一面の裏面を第二面と称するとともに、屈曲変位部材1からみて光軸方向と直交し、被駆動体3が存在する方向(屈曲変位部材に対して垂直な方向)をZ方向とする。従って、固定部材9は、屈曲変位部材1の第一面の一部と接触していることになる。
図1(c)に示すように、駆動変換部材6は薄板状であり、その形状がL字型もしくは凹字型に形成されている。また、駆動変換部材6は、弾性率が比較的低い材料、例えば、金属、セラミックまたは樹脂等によって構成されている。駆動変換部材6は上記材料で上記形状に形成されているので、上記屈曲変位部材1の屈曲変位によって生じる駆動力の方向を、上記駆動変換部材6が撓んで異なる方向へ変換して摩擦部材7を介して被駆動体3へ伝達することによって、屈曲変位部材1と被駆動体3とが互いに異なる方向に駆動するようになっている。つまり、図1(a)に示すように、上記X方向に直交する方向であり、屈曲変位部材1の被駆動体3に近づく方向および遠ざかる方向(図1(a)でZ方向)への屈曲変位によって生じる駆動力が、駆動変換部材6により、摩擦部材7の先端部における上記Z方向に直交する方向(図1(a)でX方向)への駆動力に変換されるようになっている。従って、摩擦部材7と被駆動体3とが摩擦接触しているので、両者の摩擦力により、被駆動体3は摺動軸4に案内されて、光軸方向に駆動される。
上記摩擦部材7は、被駆動体3との間の摩擦係数に応じて所望の材料が選択され、例えば、金属、セラミック、樹脂、カーボン等が挙げられる。摩擦部材3の先端部は、曲面を有するように形成されていることが好ましく、光軸方向および屈曲変位部材1の駆動方向と直交する方向(図1(a)でY方向)に対してのみ曲率を有する形状であること、または、球面状であることがより好ましい。摩擦部材3の先端部がY方向に対してのみ曲率を有する形状である場合には、被駆動体3と摩擦部材7との接触は線接触となる。つまり、接触部分はY軸と平行になり、被駆動体3のZ方向への位置決めが可能となる。また、被駆動体3のX方向を軸とした回転を防止することが可能となる。
そして、本発明に係る駆動ユニットにおいては、摩擦部材7の先端部が被駆動体3と常に接触するように、屈曲変位部材1,駆動部材2または被駆動体3に予圧をかける予圧部材8を備えている。すなわち、図1(a)または(b)に示すように、予圧部材8として例えばバネ等の弾性体を用いる場合には、摩擦部材7に予圧をかけることができる位置に予圧部材8を配置し、被駆動体3を屈曲変位部材1または駆動部材2の方に押し付ける(付勢する)構成とすればよい。または、屈曲変位部材1または駆動部材2に予圧をかけることができる位置に予圧部材8を配置し、摩擦部材7を被駆動体3の方に押し付ける(付勢する)構成としても構わない。また、予圧部材8として例えば紐や引張バネ等を用いる場合には、被駆動体3を屈曲変位部材1または駆動部材2の方に所定の力で牽引することができる位置に予圧部材8を配置し、被駆動体3を摩擦部材7の方に押し付ける(引張力によって牽引する)構成とすればよい。または、屈曲変位部材1または駆動部材2を被駆動体3の方に所定の力で牽引することができる位置に予圧部材8を配置し、摩擦部材7を被駆動体3の方に押し付ける(引張力によって牽引する)構成としても構わない。さらに、ベースに固定されている摺動軸4の固定位置を調節して(若干、屈曲変位部材1側に近づく位置に固定して)、当該摺動軸4に予圧部材8としての機能を付与し、当該摺動軸4によって被駆動体3を摩擦部材7の方に押し付ける構成とすることもできる。この場合、摺動軸4が2本備わった構成でもよい。このように予圧部材8によって屈曲変位部材1,駆動部材2または被駆動体3に予圧をかけることにより、摩擦部材7の先端部が被駆動体3と常に接触するように、両者を配置することができる。
図3に示すように、上記屈曲変位部材1の第一面および第二面には、電極20X・20Yが形成されており、これら電極20X・20Yは互いに電気的に接続されることにより、駆動回路5の一部を形成している。屈曲変位部材1に電圧を印加するための駆動回路5は、制御回路を備えた制御手段に電気的に接続されており、制御回路により制御されている。すなわち、制御回路による電圧が駆動回路5を経由して屈曲変位部材1へ印加されて、屈曲変位部材1の屈曲変位を励起するようになっている。つまり、駆動回路5は、図2に示すような波形の電圧を屈曲変位部材1へ印加する。図2は、駆動ユニットの屈曲変位部材に印加される駆動電圧の波形を示す駆動電圧曲線の図である。駆動電圧の波形は、図2の上側の図で示す波形ではなく、図2の下側の図で示す矩形波形、もしくは、パルス波形であることが好ましい。制御手段は、上記駆動回路5を介して屈曲変位部材1へ印加する駆動電圧を調整することによって、屈曲変位部材1の屈曲変位量を制御するので、結果的に被駆動体3の駆動方向および駆動速度等を制御することができる。
なお、上記制御手段による屈曲変位部材1の屈曲変位量の電気的制御は、電圧による制御にのみ限定されるものではない。例えば、屈曲変位部材1として、バイメタルや形状記憶合金を用い、熱によって屈曲変位を励起する場合には、屈曲変位部材1の屈曲変位量の電気的制御は、電流の増減による制御になる。つまり、屈曲変位部材1の一部が発生する熱量を、当該屈曲変位部材1に流す電流の増減によって制御することにより、屈曲変位部材1の温度を調整し、屈曲変位量を制御することになる。あるいは、電流を流すことで発熱する例えばニクロム線やカンタル線等の発熱線等で構成された熱発生手段を屈曲変位部材1に近接して設け、熱発生手段が発生する熱量を、当該熱発生手段に流す電流の増減によって制御することにより、屈曲変位部材1の温度を調整し、屈曲変位量を制御することもできる。また、例えば、屈曲変位部材1として、磁歪素子を用い、磁界によって屈曲変位を励起する場合には、電流を流すことで磁界を発生する電磁石等の磁界発生手段を屈曲変位部材1に近接して設け、磁界発生手段が発生する磁界の強さを、当該磁界発生手段に流す電流の増減によって制御することにより、屈曲変位部材1の屈曲変位量を制御することになる。
次に、屈曲変位部材1の第一面に駆動変換部材6が固定され、第二面側に被駆動体3が配置されている構成が奏する効果について、具体的な実施例を挙げて説明する。
当該実施例においては、屈曲変位部材1における圧電材料層22X・22Yの各寸法を、長手方向(Y方向)の自由長(長さ)3mm、幅(X方向)6mm、厚さ(Z方向)0.25mmとし、屈曲変位部材1に印加される印加電圧(駆動電圧)を5Vとして、被駆動体3の駆動を行った。また、圧電材料層22X・22Yは、それぞれ、厚さ0.05mmの単層が5層積層された構造とした。シム材21の厚さ(Z方向)は0.05mmとした。また、駆動変換部材6の厚さ(Z方向)は0.1mmとし、摩擦部材7の長さ(Z方向)は2mmとした。よって、屈曲変位部材1および駆動部材2全体の総厚さ(Z方向)は、2.1mmとなった。このように、屈曲変位部材1の第一面に駆動変換部材6を固定し、第二面側で被駆動体3と摩擦部材7とを摩擦接触させるので、屈曲変位部材1の厚さの分だけ、小型化を実現しながら摩擦部材7の長さを長くすることができる。
上記構成の屈曲変位部材1および駆動部材2を用いて被駆動体3を駆動させた場合には、摩擦部材7の先端部の屈曲変位量は1.41μmであり、共振周波数は23.4kHzであった。従って、駆動速度に寄与する「屈曲変位量×共振周波数」の値は約33であった。
一方、比較例として、屈曲変位部材の第二面に駆動変換部材を固定し、屈曲変位部材および駆動部材全体の総厚さ(Z方向)が2.1mmとなるように、摩擦部材の長さ(Z方向)を調整した。当該摩擦部材の長さは1.35mmとなった。上記構成の屈曲変位部材および駆動部材を用いて被駆動体を駆動させた場合には、摩擦部材の先端部の屈曲変位量は0.8μmであり、共振周波数は28.4kHzであった。従って、駆動速度に寄与する「屈曲変位量×共振周波数」の値は約22.7であった。
上記の結果から明らかなように、本発明にかかる駆動ユニットの構成は、比較例の構成と比較して、屈曲変位部材および駆動部材全体の総厚さ(Z方向)が同じである場合には、摩擦部材7の先端部の屈曲変位量が約76%増加し、「屈曲変位量×共振周波数」の値が約45%増加していることが判る。
次に、固定部材9における屈曲変位部材1の固定面(屈曲変位部材1の第一面と対向する面)を基準面とした場合の、当該基準面から、被駆動体3と摩擦部材7との接触面までの寸法誤差について説明する。上記実施例の場合には、寸法誤差は、摩擦部材7の長さ(Z方向)の誤差のみが反映されることになる。これに対して、上記比較例の場合には、寸法誤差は、摩擦部材の長さ(Z方向)の誤差と、屈曲変位部材の厚さ(Z方向)の誤差と、駆動変換部材の厚さ(Z方向)の誤差との合計が反映されることになる。従って、本発明にかかる駆動ユニットの構成の方が、組立性(組立のし易さ)に優れているだけでなく、予圧部材8による予圧の制御性(制御のし易さ)も向上することが判る。
以上のように、本発明にかかる駆動ユニットは、一部が固定部材9によって固定されるとともに電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材1と、上記屈曲変位部材1の第一面に固定されている駆動部材2とを備え、上記屈曲変位部材1は、第一面の裏面にあたる第二面側に被駆動体3が位置するように配置されており、上記駆動部材2は、上記屈曲変位部材1の屈曲変位による駆動力の方向を異なる方向に変換するL字型もしくは凹字型の駆動変換部材6と摩擦部材7とを備え、上記摩擦部材7と上記被駆動体3とが常に接触するように、上記屈曲変位部材1、上記駆動部材2または上記被駆動体3に予圧をかける予圧部材8をさらに備えているので、駆動幅(駆動ストローク)および駆動速度等の機能を高いレベルに維持しながら低背化(小型化)が可能となる。
上記被駆動体3は、レンズ等の光学部品が取り付けられた構造であってもよい。レンズが取り付けられたレンズ駆動ユニットは、従来技術と比較してより小型化されているので、撮像装置や撮像機械等へのより幅広い利用を期待することができる。
本発明によれば、従来技術と比較して、駆動幅(駆動ストローク)および駆動速度等の機能を高いレベルに維持しながら低背化(小型化)が可能な駆動ユニットを提供することができる。レンズが取り付けられた駆動ユニットは、撮像装置や撮像機械等へのより幅広い利用を期待することができる。
本発明の実施の形態1における駆動ユニットの概略の構成を被駆動体とともに示しており、(a)は斜視図であり、(b)は側面図であり、(c)は駆動ユニットが備える駆動変換部材の形状を示す平面図である。 上記駆動ユニットの屈曲変位部材に印加される駆動電圧の波形を示す駆動電圧曲線の図である。 上記駆動ユニットが一例として備えるバイモルフ構造の屈曲変位部材の構成を示しており、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は屈曲変位部材が屈曲した状態を示す側面図である。 従来の駆動ユニットの構成を示す概略の側面図である。
符号の説明
1 屈曲変位部材
2 駆動部材
3 被駆動体
4 摺動軸
5 駆動回路
6 駆動変換部材(駆動変換部)
7 摩擦部材(摩擦部)
8 予圧部材
9 固定部材
20X・20Y 電極
21 シム材
22X・22Y 圧電材料層
301 圧電素子
302 駆動部材
304 鏡筒(被駆動体)
3011 レンズ
3012 撮像素子
3013 回路基板
306 筐体

Claims (12)

  1. 被駆動体を駆動させる駆動機構を備えた駆動ユニットであって、
    上記駆動機構は、一部が固定部によって固定されるとともに電気的制御により屈曲変位が励起される屈曲変位部材と、上記屈曲変位部材の第一面に固定されている駆動部材とを備え、
    上記屈曲変位部材は、第一面の裏面にあたる第二面側に被駆動体が位置するように配置されており、
    上記駆動部材は、上記屈曲変位部材の屈曲変位による駆動力の方向を異なる方向に変換して伝達するL字型もしくは凹字型の駆動変換部と、摩擦部とを備え、
    上記駆動機構は、上記摩擦部と上記被駆動体とが常に接触するように、上記屈曲変位部材、上記駆動部材または上記被駆動体に予圧をかける予圧部材をさらに備えていることを特徴とする駆動ユニット。
  2. 上記固定部が上記屈曲変位部材の第一面の一部と接触していることを特徴とする請求項1に記載の駆動ユニット。
  3. 上記駆動変換部および上記摩擦部の材料が互いに同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動ユニット。
  4. 上記駆動変換部および上記摩擦部の材料が互いに異なることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動ユニット。
  5. 上記摩擦部が曲面を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  6. 上記摩擦部の曲面が、1軸方向に対してのみ曲率を有する形状であることを特徴とする請求項5に記載の駆動ユニット。
  7. 上記摩擦部の曲面が、球面状であることを特徴とする請求項5に記載の駆動ユニット。
  8. 上記屈曲変位部材と上記駆動部材との固定箇所に、屈曲変位部材の変位量が最大となる点が含まれていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  9. 上記屈曲変位部材に電圧を印加するための駆動回路と、
    上記駆動回路を介して屈曲変位部材の屈曲変位量を制御する制御手段とを備え、
    上記駆動回路に入力される駆動電圧波形が矩形波形、もしくは、パルス波形であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  10. 上記屈曲変位部材は、圧電材料層とシム材とを備えていることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  11. 上記屈曲変位部材は、2つの圧電材料層の積層体からなることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の駆動ユニット。
  12. 上記被駆動体にはレンズが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の駆動ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015060059A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 光学ユニット

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