JP5568259B2 - 排水の処理方法および排水の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排水の処理方法等に係り、より詳しくは、例えば過酸化水素および銅イオンを含む酸性排水を処理する方法等に関する。
例えば、半導体を製造する工場において、近年はシリコン基板に銅配線を形成することで製品の製造を行なうことがある。そしてこの際に銅配線は、ウェットエッチングを行なうことで形成する。またこの工程で不良が生じた場合は、シリコン基板上の銅配線を同様にウェットエッチングにより除去し、シリコン基板を再生して再利用する方法が採られている。そして、このようなエッチング工程において、ウェットエッチング液として硫酸等の酸および酸化剤として過酸化水素を含むものが使用されることが多い。そしてウェットエッチングした後は、超純水によってシリコン基板の洗浄を行う。その結果、排水として銅イオンおよび過酸化水素が含まれる酸性排水が発生する。
一方、排水放流量の法的規制や使用する水に要するコスト削減のため、工場外部に放出する排水の量をできるだけ減らすことが求められている。そのため発生する酸性排水についても回収水として再利用するため所定の回収処理が必要である。また、排水を工場外部に放出する場合でも含有する過酸化水素等を所定の濃度以下にして排出することが好ましい。
ここで、過酸化水素が含まれる排水に還元剤または酵素を用いて処理することで過酸化水素を除去する排水処理技術が存在する。また活性炭を使用して過酸化水素を分解する排水処理技術が存在する。
特許文献1には、過酸化水素を含む半導体製造排水をpH8〜11にpH調整した後、カタラーゼと接触させて過酸化水素を分解する過酸化水素を含む半導体製造排水の処理方法が開示されている。
また特許文献2には、過酸化水素含有排水と触媒とを接触させて、排水中の過酸化水素を分解する排水の処理方法であって、触媒は、均一粒径の球状活性炭である排水処理方法が開示されている。
また更に特許文献3には、過酸化水素含有廃水にアルカリ性化合物と銅塩を添加し、アルカリ性のpH条件下で過酸化水素と銅塩を反応させて銅化合物のフロックを形成させ、これを光触媒として紫外線を照射し、過酸化水素を分解させる過酸化水素含有廃水の処理方法が開示されている。
特開平6−170355号公報 特開2006−827号公報 特開2000−288536号公報
しかしながら、過酸化水素が含まれる排水に還元剤または酵素を用いて処理することで過酸化水素を除去する排水処理方法では、高濃度の過酸化水素が排水に含まれていた場合は、還元剤または酵素の使用量が膨大となる。
また活性炭を充填した塔に過酸化水素を含む排水を通水する方法では、設備が複雑になる。更に処理できる過酸化水素の量が少ないため高濃度の過酸化水素を含む排水に対しては適用困難である。
更に、過酸化水素含有廃水にアルカリ性化合物と銅塩を添加して銅化合物のフロックを形成させ、これを光触媒として紫外線を照射する方法でも、紫外線照射装置を別途設ける必要があり設備が複雑になる。また光触媒により処理できる過酸化水素の量が少ないため高濃度の過酸化水素を含む排水に対しては適用困難である。
本発明は、従来の技術が有する上記の問題点に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を処理する際に、銅イオンおよび過酸化水素をより効率よく除去することができる排水の処理方法等を提供しようとするものである。
かくして本発明によれば、銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する第1の過酸化水素分解工程と、還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する第2の過酸化水素分解工程と、凝集剤を添加することで銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する凝集工程と、凝集物を分離する凝集物分離工程と、を有することを特徴とする排水の処理方法が提供される。
ここで、第1の過酸化水素分解工程は、中和の反応を30分以上かけて行ない、第2の過酸化水素分解工程は、過酸化水素を分解する反応を60分以上かけて行なうことが好ましく、凝集工程は、無機凝集剤により凝集を行なった後、高分子凝集剤により凝集を行なうことが好ましい。
また、凝集工程と凝集物分離工程との間に散水を行なう散水工程を更に有することが好ましく、酸性排水は、半導体製造工程におけるエッチング工程において発生するものであることが好ましい。
更に、本発明によれば、銅イオンおよび過酸化水素を含む第1の酸性排水と過酸化水素を含む第2の酸性排水とを混合し混合酸性排水とする混合工程と、混合酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する第1の過酸化水素分解工程と、還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する第2の過酸化水素分解工程と、凝集剤を添加することで、銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する凝集工程と、凝集物を分離する凝集物分離工程と、を有することを特徴とする排水の処理方法が提供される。
また更に、本発明によれば、銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する処理と、還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する処理と、凝集剤を添加することで銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する処理と、凝集物を分離する処理と、を行なう反応槽と、反応槽により分離された凝集物を脱水する脱水手段と、を備えることを特徴とする排水の処理装置が提供される。
本発明によれば、銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を処理する際に、銅イオンおよび過酸化水素をより効率よく除去することができる排水の処理方法を提供することができる。
本実施の形態による排水の処理装置の一例を示す図である。 図1に示した排水の処理装置である排水処理装置を使用して酸性排水を処理する手順を示したフローチャートである。 銅イオンと過酸化水素を含む酸性排水、および銅イオンは含まず過酸化水素は含む酸性排水を混合して酸性排水を処理する手順を示したフローチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
(酸性排水)
本実施の形態の排水の処理方法で処理する被処理水は酸性排水である。本実施の形態において酸性排水としては特に限定されるものではないが、特に半導体製造工程におけるエッチング工程において発生する排水に対して好ましく適用できる。半導体を製造する際には、上述の通りシリコン基板上に銅配線を形成するためや除去するためのエッチング工程において硫酸等の酸を使用する。そのためその洗浄排水に酸が多く含まれており、そのpHは大体0〜2である。
また本実施の形態で処理される酸性排水には、酸化剤として用いられる過酸化水素水が高濃度で含まれており、その濃度は、例えば、0.1wt%〜20wt%である。
更に本実施の形態で処理される酸性排水には、エッチング除去された銅配線に由来する銅イオンが高濃度に含まれている。その濃度は、例えば0.1wt%〜10wt%である。
(還元剤)
本実施の形態で使用する還元剤は、過酸化水素を還元することができる化合物であれば特に限定されることはない。このような化合物としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸塩、チオ硫酸塩などが挙げられる。より具体的には、亜硫酸ナトリウム(NaSO)及び亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、チオ硫酸ナトリウム(Na)等を好適に使用することができる。
(酵素)
本実施の形態で使用する酵素は、過酸化水素を分解する酵素であり、所謂過酸化水素分解酵素である。過酸化水素分解酵素としては、例えば、カタラーゼ、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ヘムペルオキシダーゼ等が挙げられる。
本実施の形態では、このうちカタラーゼを好適に用いることができる。カタラーゼは、好気的な代謝を営む生物全般に広く存在し、下記(1)式によって過酸化水素を水に分解する。
Figure 0005568259
本実施の形態では、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼとして、三菱ガス化学株式会社製のアスクスーパー(登録商標)を使用している。添加量としては排水中に存在する過酸化水素濃度の1/100程度の濃度になるように添加することが好ましい。
(無機凝集剤)
本実施の形態で使用する無機凝集剤は特に限定されるものではなく、一般的に利用されているものを使用できる。
例えば、ポリ塩化アルミニウム(PAC:Poly Aluminum Chloride);硫酸アルミニウム(硫酸バンド);硫酸第一鉄(FeSO)、硫酸第二鉄(Fe(SO)、塩化第二鉄(FeCl)、ポリ硫酸第二鉄、ポリ塩化第二鉄等の鉄系凝集剤、などが使用できるが、本実施の形態では凝集作用の効果の観点から、特にポリ硫酸第二鉄等の鉄系凝集剤が好適に使用できる。
この無機凝集剤は、被処理水に添加することで、被処理水中に分散している粒子表面の電荷を中和し、ファンデルワールス力(分子間引力)により粒子を集合させる凝結作用により凝集を生じさせる。
(高分子凝集剤)
本実施の形態で使用する高分子凝集剤は特に限定されるものではなく、一般的に利用されているものを使用できる。
高分子凝集剤は、例えば、分子量10〜10程度の長鎖の有機ポリマーであって、カチオン系高分子凝集剤、アニオン系高分子凝集剤、ノニオン系高分子凝集剤などに分類される。カチオン系高分子凝集剤としては、例えば、アクリレート系4級塩、メタクリレート系4級塩、メタクリレート系3級塩、両性4級塩、アミニジン、ポリアミニジン系、ポリアクリルエステル系、ポリアクリルアミド系のものが挙げられる。またアニオン系高分子凝集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系のものが挙げられる。更にノニオン系高分子凝集剤としては、例えばポリアクリルアミド系のものが挙げられる。
高分子凝集剤は、その吸着・架橋作用により凝集物を更に大きな凝集物とすることができる。本実施の形態では、無機凝集剤により凝結した凝集物である微小フロックを、更に大きな凝集物である粗大フロックとすることで、沈降分離を行ないやすくする。
次に、図面に基づき、本実施の形態が適用される酸性排水の処理装置および本実施の形態が適用される酸性排水の処理方法を具体的に説明する。
図1は、本実施の形態による排水の処理装置の一例を示す図である。また図2は、図1に示した排水の処理装置である排水処理装置10を使用して酸性排水を処理する手順を示したフローチャートである。
以下、図1および図2を使用して説明を行なう。
図1に示す排水処理装置10は、半導体製造工程において発生した銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を導入し一時的な保管を行なう排水原水槽12と、酸性排水に中和剤等を添加することで酸性排水中に含まれる過酸化水素を分解し、また酸性排水中に含まれる銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成させる反応槽14と、反応槽14で生成した凝集物に含まれる水分を分離する脱水手段の一例としての脱水機16とから主要部が構成される。
また、排水原水槽12、反応槽14、脱水機16とは、ステンレス等からなる配管によって直列に接続されている。また更に酸性溶液を排水原水槽12に導入する配管と、反応槽14や脱水機16から回収水を送る配管を備える。そして、排水原水槽12と反応槽14とを接続する配管の途中に排水原水槽12から反応槽14へ酸性排水を送出する原水移送ポンプ18aを備える。更に反応槽14と脱水機16とを接続する配管の途中に反応槽14の底部に沈殿した凝集物を脱水機16へ送出する汚泥移送ポンプ18bを備える。
以下、このように構成された排水処理装置10を使用して、銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を処理する方法について説明を行う。
まず、酸性排水を排水原水槽12に導入する。上述したような半導体製造工程での製品不良によるエッチング工程で排出される酸性排水は、通常それほど多量ではない。そのため、この排水原水槽12に一時的に保管し、一定の量以上になったときに後述する処理を行なうことで、より効率的に酸性排水の処理を行なうことができる。
次に、原水移送ポンプ18aを使用して、排水原水槽12から反応槽14へ酸性排水を送出する。
そして、反応槽14では、まず工業用水を注入し、過酸化水素の濃度が予め定められた濃度範囲になるように希釈を行なう。これは、本実施の形態の酸性排水の処理方法が、過酸化水素濃度として5wt%を超えると後述する第1の過酸化水素分解工程において、反応が激しくなりやすく危険であるためである。なお酸性排水中の過酸化水素濃度が5wt%以下であるときは希釈は不要である。
次に反応槽14に中和剤を添加して酸性排水の中和を行なう。本実施の形態では、この中和の反応と共に過酸化水素の大部分が分解され、除去される(ステップ101:第1の過酸化水素分解工程)。この過酸化水素が分解される仕組みについては、必ずしも明らかではないが、酸性排水に含まれる銅イオンまたは後述する銅の水酸化物等の化合物が触媒として作用し、過酸化水素を分解するものと考えられる。
なおこの過酸化水素の分解作用は、中和の反応開始直後では生じにくく、30分以上経過後に生じやすくなる。そのため中和の反応は30分以上かけて行なうことが好ましい。
本実施の形態において、中和剤としては、例えば苛性ソーダ(NaOH)を使用することができ、苛性ソーダ溶液を添加することで上記中和反応を行なうことができる。そしてこの第1の過酸化水素分解工程によって、過酸化水素の濃度は、約10ppm〜20ppm程度に減少する。
またこの工程において、銅イオンと水酸化イオンが反応し、銅イオンから生成する化合物となる。この化合物としては、例えば、銅の水酸化物である水酸化銅(Cu(OH))などである。この化合物は、この時点では微粒子として水中に分散している。なおここで銅イオンから生成する化合物は、銅イオン溶液を過酸化水素の共存下でアルカリ性とした場合のみに得られる所謂CuxOyHzで表される化合物とは異なるものである。このCuxOyHzは、不定形の銅酸化物あるいは銅水酸化物であると考えられる。
なおこの工程における以上の処理は、酸性〜中性の領域で行なうことができる。この領域はpHでは大体0〜8の領域である。
次に反応槽14に還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を更に分解する(ステップ102:第2の過酸化水素分解工程)。そしてこの工程を行なう時点で、過酸化水素は大部分除去されているため、使用する還元剤や酵素は非常に少なくて済む。そのため処理コストを大幅に低減することができる。
この第2の過酸化水素分解工程により過酸化水素に関しては、十分に低濃度にすることができる。例えば、1ppm以下の濃度とすることが可能である。
なお本実施の形態では、第2の過酸化水素分解工程は、過酸化水素を分解する反応を60分以上かけて行なうことが好ましい。これにより十分に過酸化水素の濃度を低濃度とすることができる。
そして次に反応槽14に凝集剤を添加することで、前述した水酸化銅等の化合物を凝集させる。その結果、銅イオンから生成する化合物を含む凝集物が形成される(凝集工程)。
本実施の形態では、凝集剤として、無機凝集剤と高分子凝集剤を用いる。そして、無機凝集剤により凝集を行なった後、高分子凝集剤により凝集を行なう。即ち、凝集工程を無機凝集剤添加工程(ステップ103)と高分子凝集剤添加工程(ステップ104)に分けて行なう。そしてこれにより銅イオンを凝集した銅化合物としての凝集物をより効率よく形成することができる。
なお、無機凝集剤を添加した後であって、高分子凝集剤を添加する前に最終的な中和処理を行なってもよい。
更に、凝集工程の後に、反応槽14の上部から散水を行なう散水工程を設けてもよい。散水を行なうことで過酸化水素が分解する際に出る酸素ガス等により生成し反応槽14の上部に溜まる泡を除去することができる。即ち、この泡には、凝集物が付着しているため泡を除去することで次の凝集物分離工程において、より効率よく凝集物を沈殿させることができる。
以上の反応槽14における処理は、撹拌を行ないつつ行なうが、次に攪拌を停止して静置を行なう。これにより銅イオンから生成する化合物を含む凝集物は沈殿し、汚泥として反応槽14の底部に溜まる。これにより凝集物を分離することができる(ステップ105:凝集物分離工程)。そして、底部に溜まった汚泥は、反応槽14の下部から抜き取られ、汚泥移送ポンプ18bにより脱水機16に送出される。また汚泥を除去した後の上澄み水は回収水として回収される。
脱水機16では、汚泥から更に水分が除去され、除去された水分は回収水として回収される(ステップ106:脱水工程)。また、水分が除去された汚泥は、脱水ケーキとして廃棄される。
なお上述の回収水は、必ずしも再利用する必要はなく、そのまま廃棄してもよい。
以上詳述したように本実施の排水の処理装置は、種々の反応や凝集物の分離を単一の反応槽14で行なうことができるため、設備として小規模なもので済む。但し、このことは、他の反応槽を別途設けて、上記の各工程における処理をそれぞれの反応槽で行なうことを妨げるものではなく、各工程を別々の反応槽で行なってもよい。
なお排水原水槽12には銅イオンを含まず、過酸化水素を含む酸性排水を導入することができる。即ち、上述したように本実施の形態における過酸化水素の分解効率は非常に高いため、過酸化水素を含む他の酸性排水を混合して併せて過酸化水素を分解する処理を行なうことができる。これにより後述する還元剤または酵素の使用量を大幅に削減することができる。
図3は、銅イオンと過酸化水素を含む酸性排水、および銅イオンは含まず過酸化水素を含む酸性排水を混合して酸性排水を処理する手順を示したフローチャートである。
図3に示したように第1の過酸化水素分解工程の前に上記の2種の酸性排水を混合する混合工程(ステップ201)が設けられている。なお図3に示したように銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を第1の酸性排水とすると、銅イオンを含まず過酸化水素を含む酸性排水は第2の酸性排水と把握することができる。また混合した後の酸性排水は混合酸性排水として捉えることができる。なお以後の処理は、図2を用いて説明をした場合と同様であり、ステップ202〜ステップ207の各工程は、図2におけるステップ101〜ステップ106の各工程にそれぞれ対応する。
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、排水処理装置として図1に示した排水処理装置10を用いた。
そして、酸性排水としてpHが0.8の硫酸溶液を使用した。この硫酸溶液には、硫酸が、35000ppm(3.5wt%)含有している。また更に銅イオンが5000ppm(0.5wt%)含有し、また過酸化水素が142000ppm(14.2wt%)含有している。
この酸性排水を排水原水槽12で3倍に希釈した。そして反応槽14により苛性ソーダ(NaOH)溶液により中和した。この中和の反応は撹拌しつつ30分以上である60分かけて行い、60分後に中性であるpH7とすることができた。この第1の過酸化水素分解工程の後に過酸化水素濃度を測定したところ約20ppmであった。
更に過酸化水素分解酵素である三菱ガス化学株式会社製アスクスーパーを100ppmになるように添加した。そして、60分攪拌を行ない過酸化水素を分解した。この第2の過酸化水素分解工程の後に過酸化水素濃度を測定したところ1ppm以下であった。
そして、無機凝集剤としてポリ硫酸第二鉄を50ppmになるように添加し、高分子凝集剤として、ハイモ株式会社製SS−100を3ppmになるように添加して攪拌を行なった。その結果、銅イオンから生成する化合物からなる凝集物であるフロックが生成した。
そして、攪拌を停止し、静置を行なったところ凝集物が沈殿したため、上澄み液を回収水として採取し、また沈殿した凝集物は汚泥として抜き取った。この汚泥は脱水機16により水分を抜き取り、除去された水分は回収水として回収した。また、水分が除去された汚泥は、脱水ケーキとして廃棄した。
(比較例1)
銅イオンを含まない酸性排水を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、酸性排水の処理を行なった。その結果、第1の過酸化水素分解工程の後の過酸化水素は100000ppmであり、更に、第2の過酸化水素分解工程の後でも、過酸化水素は50000ppm残留した。そして、過酸化水素を1ppm以下とするためには、過酸化水素分解酵素を更に1500ppmになるように追加して添加し、過酸化水素を分解する必要があった。
10…排水処理装置、14…反応槽、16…脱水機

Claims (6)

  1. 銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する第1の過酸化水素分解工程と、
    還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する第2の過酸化水素分解工程と、
    凝集剤を添加することで、前記銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する凝集工程と、
    前記凝集物を分離する凝集物分離工程と、
    前記凝集工程と前記凝集物分離工程との間に散水を行なう散水工程と、
    を有することを特徴とする排水の処理方法。
  2. 前記第1の過酸化水素分解工程は、中和の反応を30分以上かけて行ない、前記第2の過酸化水素分解工程は、過酸化水素を分解する反応を60分以上かけて行なうことを特徴とする請求項1に記載の排水の処理方法。
  3. 前記凝集工程は、無機凝集剤により凝集を行なった後、高分子凝集剤により凝集を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の排水の処理方法。
  4. 前記酸性排水は、半導体製造工程におけるエッチング工程において発生するものであることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の排水の処理方法。
  5. 銅イオンおよび過酸化水素を含む第1の酸性排水と過酸化水素を含む第2の酸性排水とを混合し混合酸性排水とする混合工程と、
    前記混合酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する第1の過酸化水素分解工程と、
    還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する第2の過酸化水素分解工程と、
    凝集剤を添加することで、前記銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する凝集工程と、
    前記凝集物を分離する凝集物分離工程と、
    前記凝集工程と前記凝集物分離工程との間に散水を行なう散水工程と、
    を有することを特徴とする排水の処理方法。
  6. 銅イオンおよび過酸化水素を含む酸性排水を中和することで過酸化水素を分解する処理と、還元剤および酵素の少なくとも1種を添加することで過酸化水素を分解する処理と、凝集剤を添加することで当該銅イオンから生成する化合物を含む凝集物を形成する処理と、当該凝集物を分離する処理と、を行なう反応槽と、
    前記反応槽により分離された凝集物を脱水する脱水手段と、
    前記凝集物を形成する処理と当該凝集物を分離する処理との間で散水を行なう手段と、
    を備えることを特徴とする排水の処理装置。
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