JP5563824B2 - ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤 - Google Patents

ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5563824B2
JP5563824B2 JP2009538281A JP2009538281A JP5563824B2 JP 5563824 B2 JP5563824 B2 JP 5563824B2 JP 2009538281 A JP2009538281 A JP 2009538281A JP 2009538281 A JP2009538281 A JP 2009538281A JP 5563824 B2 JP5563824 B2 JP 5563824B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
ligand
pparδ
activity
plant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009538281A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009054504A1 (ja
Inventor
享一 小倉
満 前田
智裕 櫓木
義徳 北川
香 江川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suntory Holdings Ltd
Original Assignee
Suntory Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suntory Holdings Ltd filed Critical Suntory Holdings Ltd
Priority to JP2009538281A priority Critical patent/JP5563824B2/ja
Publication of JPWO2009054504A1 publication Critical patent/JPWO2009054504A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5563824B2 publication Critical patent/JP5563824B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/105Plant extracts, their artificial duplicates or their derivatives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/06Antihyperlipidemics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Description

本発明は、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は治療に有効なペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)のリガンド剤に関する。さらに本発明は、上記疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物及び/又は飲食品に関する。
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(Peroxisome proliferator−activated receptor:PPAR)は、脂質及び糖代謝を維持する遺伝子群の発現制御を担う核内受容体ファミリーに属するリガンド依存的に転写を制御する因子であり、PPARα、PPARγ、PPARδ(PPARβ)の3種のサブタイプの存在が知られている。
PPARαは主に肝臓、心筋などに発現して脂質代謝を調節しており、特に肝臓において高発現が認められている。PPARαのリガンドとしては、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの脂肪酸類や、ベザフィブレートやクロフィブレート等のフィブラート系抗高脂血症薬などの合成化合物が知られ、肝臓のPPARαを活性化して脂質代謝を促進することにより血中の脂質低下作用を示すことが知られている(非特許文献1,2)。
PPARγは主に脂肪組織に発現し、小型脂肪細胞の分化に関与し、またインスリン抵抗性を惹起するTNFαや遊離脂肪酸の産生や分泌が亢進している肥大脂肪細胞のアポトーシスを誘導することで、インスリン抵抗性を改善し、血糖値低下作用などを有している。PPARγのリガンドとしては、α−リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸や、トログリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン等のチアゾリジン系糖尿病治療薬などの合成化合物が知られ、肥大脂肪細胞の過形成を抑制し、インスリン感受性の小型脂肪細胞を増加させることでインスリン抵抗性を改善し、血糖値を低下させることが知られている(非特許文献1,2)。
PPARδは組織普遍的に発現しているため、機能予測が難しく、その生理的作用が明らかでなかったが、最近になり、骨格筋細胞に高発現していること、更には、骨格筋細胞や脂肪組織において、脂肪酸代謝関連の遺伝子の発現に関与し、脂肪酸代謝を促進させる機能を有していることが明らかとなっている。また、PPARδリガンドは肥満マウスモデルの高脂肪食負荷による体重増加を抑制する他に、インスリン抵抗性の改善効果を示すことも分かっている。また、骨格筋にPPARδを過剰発現させたトランスジェニックマウスでは高脂肪食負荷による肥満やインスリン抵抗性が生じにくく、脂肪細胞が小型化することも明らかとなっている(非特許文献1)。
PPARδのリガンドとしては、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸などの多価不飽和脂肪酸類、プロスタグランジンA1やプロスタグランジンD2などのエイコサノイド類、半合成プロスタグランジンのカルバサイクリンなどが報告されている(非特許文献2)。
その他、PPARリガンドとして、没食子酸エステル、ガロイルタンニン類、ケルセチン類、フラボン、イソフラボン、カテキン、エピカテキンなどのポリフェノール類が報告されている(特許文献1)。
特開2002−80362号公報 特開2003−95968号公報 特開2006−42816号公報 特開2003−26694号公報 特開2005−8572号公報 特開2006−16330号公報 特開2005−126405号公報 特開2006−20606号公報 特開2006−230225号公報 特開2006−22095号公報 特開2006−520804号公報 WO97/28149 日本臨床 , 2005年,63巻 557〜583項 Journal of Medicinal Chemistry,2000年,43巻,527〜550頁 Journal of Periodontology,2006年,77巻,271〜279頁 Phytother. Res.,2007年,21巻,391〜394頁 Journal of Agricultural and Food Chemistry,54,335−341(2006) Annals of Medicine,2005年,37巻,270〜275頁、 Exp. Biol. Med., 2005年,230巻,225〜234頁
上記のように、PPARリガンド(本明細書中、「PPARのリガンド剤」とも表記する)は、脂質代謝や糖代謝を亢進させることにより、肥満及び肥満に伴うインスリン抵抗性、更には高脂血症、高血圧、糖尿病改善などを予防及び/又は改善することが期待される。しかし、既存のPPARリガンドは、医薬品の長期投与による副作用などが危惧される他、食品由来のポリフェノール類などは、十分なPPARリガンド作用(本明細書中、「リガンド活性」とも表記する)が得られず、PPARリガンド剤としての効力が必ずしも満足いくものではなかった。
本発明の目的は、安全で、優れたPPARリガンド作用を有するPPARリガンド剤を提供することにある。
本発明者らは、長期摂取しても安全で副作用の少ないPPARリガンドを得るべく、各種植物の抽出物からPPARリガンドを鋭意探索した結果、優れたPPARリガンド作用を有する特定の食用植物の抽出物を得ることに成功した。そして、そのリガンド作用の特性が、溶媒の種類等により異なることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、好ましい態様として下記の態様を含む。
[態様1]
以下の植物:
ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を有効成分として含有する、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)のリガンド剤。
[態様2]
PPARが、PPARδである、態様1に記載のリガンド剤。
[態様3]
植物が、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上である態様1又は2に記載のリガンド剤。
[態様4]
抽出物が、アルコール又はアルコール水溶液抽出物である、態様1〜3のいずれか1態様に記載のリガンド剤。
[態様5]
アルコールが、エタノールである、態様4に記載のリガンド剤。
[態様6]
植物が、アマ、アギタケ、マンシュウウコギ、アサから選択される1種又は2種以上である態様1又は2に記載のリガンド剤。
[態様7]
抽出物が熱水抽出物である、態様1、2又は6に記載のリガンド剤。
[態様8]
以下の植物:
ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上の植物抽出物と、薬学上許容される添加剤とを含有する、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は治療のために用いる医薬組成物。
[態様9]
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患が、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病から選択される1種又は2種以上の疾患である、態様8に記載の医薬組成物。
[態様10]
以下の植物:
ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上の植物抽出物と、飲食物として許容される添加剤とを含有する、飲食品。
[態様11]
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は改善のために用いる、態様10に記載の飲食品。
[態様12]
セイヨウニワトコ、アニス、セイヨウサンザシ及びセキガイチャ、からなる群から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を有効成分として含有する、抗肥満剤。
[態様13]
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患を、予防及び/又は治療するための方法であって、当該予防及び/又は治療を必要とする個体に、
以下の植物:
ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を含有する医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
[態様14]
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は治療のために用いる医薬組成物の製造のための使用であって、
以下の植物:
ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギ
から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を含む前記医薬組成物の製造のための使用。
[態様15]
肥満を予防及び/又は治療するための方法であって、当該予防及び/又は治療を必要とする個体に、セイヨウニワトコ、アニス、セイヨウサンザシ及びセキガイチャからなる群から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を含有する、抗肥満剤を投与することを含む、前記方法。
[態様16]
肥満を予防及び/又は治療のために用いる抗肥満剤の製造のための使用であって、セイヨウニワトコ、アニス、セイヨウサンザシ及びセキガイチャからなる群から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を含む前記抗肥満剤の製造のための使用。
本発明によると、優れたPPARリガンド剤、及びそれを有効成分として含有する組成物(医薬組成物、飲食品)が提供される。
本発明のリガンド剤の有効成分である植物抽出物は、天然由来の食物として摂取されており、安全性が高いので、長期摂取が可能である。したがって、経口用組成物として日常的に摂取して、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患、例えば、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病等の予防用組成物として利用することができる。また、長期に渡る治療及び改善が必要な上記疾患の治療用及び改善用組成物としても利用することができる。
[発明を実施するための形態]
I.PPARリガンド剤
本発明は、特定の植物抽出物を有効成分として含有する、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)のリガンド剤及び/又は抗肥満剤に関する。
(植物抽出物)
本発明のリガンド剤の原料となる植物は、以下の23種類の植物のグループから選択される1種又は2種以上の食用植物である。
(1)セイヨウニワトコ(Sambucus nigra);
(2)セキガイチャ(Adinandra nitida);
(3)チャボトケイソウ(Passiflora incarnata);
(4)サクナ(Peucedanum japonicum);
(5)アニス(Pimpinella anisum);
(6)セイヨウニンジンボク(Vitex agnus−castus);
(7)アシュワガンダ(Withania somnifera);
(8)ギョリュウモドキ(Calluna vulgaris);
(9)セイヨウサンザシ(Crataegus monogyna);
(10)アマ(Linum usitatissimum);
(11)アギタケ(Pleurotus ferulae);
(12)ハリエンジュ(Robinia pseudoacacia);
(13)マンシュウウコギ(Acanthopanax sessiliflorus);
(14)アサ(Cannabis sativa);
(15)カルダモン(Elettaria cardamomum);
(16)アンゼリカ(Angelica archangelica);
(17)グァバ(Psidium guajava);
(18)コクシリ(Prumus spinosa);
(19)ノコギリヤシ(Serenoa repens);
(20)ナツグミ(Eleagnus multiflora);
(21)センキュウ(Ligusticum chuaxiong);
(22)エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)及び
(23)アサイ(Euterpe oleracea、又はE. edulis)。
以下、各植物について説明する。
(1)セイヨウニワトコ:スイカズラ科の植物であり、本発明においては好ましくは花を用いる。セイヨウニワトコの花は別名をエルダーフラワーとも言われ、ヨーロッパでは古くから用いられているハーブであり、風邪や咽喉炎、関節炎などの改善に有効であることが知られている。また歯周病の初期炎症の抑制効果についての報告がある(非特許文献3)。しかし、セイヨウニワトコの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(2)セキガイチャ(石崖茶):ツバキ科の植物であり、本発明においては好ましくは葉を用いる。セキガイチャは中国南部、広西荘族自治区特産の茶で、消炎、解毒作用があり、咽喉炎や口腔炎に良いとされ、降圧効果や癌予防効果があるとされている。しかし、セキガイチャの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(3)チャボトケイソウ:トケイソウ科の植物であり、本発明においては好ましくは地上部を用いる。チャボトケイソウの地上部はパッションフラワーといわれ、ヨーロッパでは神経不安や不眠症に用いられるハーブである。チャボトケイソウ(パッションフラワー)を含む数種のポリフェノール素材を1種以上とニンニク素材を含む循環器疾患予防組成物が知られている(特許文献2)。また、ダイエットによる精神的ストレス軽減作用を目的とした食物繊維を含有するダイエット食品が開示され、その中にはパッションフラワーが配合されたダイエット食品が記載されている(特許文献3)。しかしいずれの文献も、チャボトケイソウ単独の生理作用に関する言及はなく、チャボトケイソウの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは示唆も開示もない。
(4)サクナ:和名をボタンボウフウともいい、セリ科の植物であり、本発明においては好ましくは地上部を用いる。特許文献4には、サクナの乾燥粉末又は抽出物が二糖類分解酵素阻害活性を有し、抗糖尿病や抗肥満に有効であるとの記載があるが、サクナの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(5)アニス:セリ科の植物であり、本発明においては好ましくは種子を用いる。アニスの種子は芳香性のハーブとして飲料や焼き菓子、ハーブティーなどに使用され、民間療法薬として利尿、消化不良や気管支炎などに用いられている。しかし、アニスの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(6)セイヨウニンジンボク:クマツヅラ科の植物であり、本発明においては好ましくは果実を用いる。ヨーロッパではセイヨウニンジンボクの果実はスパイスとして、また、月経不順、月経前緊張症に民間療法薬として用いられてきた。また、エタノール抽出物に含まれるフラボノイド類の抗酸化活性に関する報告(非特許文献4)がある。しかし、セイヨウニンジンボクの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(7)アシュワガンダ:ナス科の植物であり、本発明においては好ましくは根を用いる。アシュワガンダの葉や根はインドの伝統医療アーユルヴェーダでは長寿の薬サラヤンとして古くから用いられている。滋養強壮、強精、抗不安、抗欝、リュウマチなどの関節炎の緩和などの効能が知られている。しかし、アシュワガンダの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(8)ギョリュウモドキ:ツツジ科の植物であり、本発明においては好ましくは花を用いる。ヨーロッパではギョリュウモドキの花は尿路感染予防、利尿、関節炎、不眠症、呼吸器疾患などに効果のあるハーブとして用いられ、葉・茎も同様の効果を有する健康茶として用いられている。特許文献5にはリパーゼ阻害による脂肪吸収阻害剤として抗肥満やニキビ改善の効果が開示されているが、これはPPARリガンド剤としての脂質代謝改善効果とは異なる作用であり、ギョリュウモドキの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(9)セイヨウサンザシ:バラ科の植物であり、本発明においては好ましくは果実を用いる。ヨーロッパではセイヨウサンザシの花、葉、果実は心臓病のハーブとして用いられ、特に果実は動脈硬化症や腎臓病に効果のあるハーブとして用いられる。しかし、セイヨウサンザシの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(10)アマ:アマ科の植物であり、好ましくは種子を用いる。アマ種子はω3脂肪酸を多く含み、血中のコレステロール低下作用が知られ、また、アマ種子を摂取しているフィンランドでは前立腺癌や乳癌などのホルモン感受性癌の罹患率が低いことが疫学的に知られている。上述のとおり、脂肪酸がPPARリガンド剤であることは知られているが、アマの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは、具体的に開示されておらず、示唆もされていない。
(11)アギタケ:シメジ科の植物であり、本発明においては好ましくは子実体を用いる。免疫を高める抗腫瘍効果や膵臓機能を上げて糖尿病に有効であることが知られている。しかし、アギタケの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(12)ハリエンジュ:ニセアカシアとも呼ばれるマメ科の植物であり、本発明においては好ましくは花を用いる。漢方薬としては花が下血、喀血に用いられる。特許文献6にはプロアントシアニジンを有効成分とする脂質燃焼促進剤に関する素材としてニセアカシアの果実が開示されているが、好ましい使用部位は異なり、また、PPARリガンド剤としての示唆も開示もない。
(13)マンシュウウコギ:ウコギ科の植物であり、本発明においては好ましくは葉を用いる。マンシュウウコギの根皮は漢方薬の五加皮として抗炎症、鎮痛、強壮に用いられ、葉は食用、健康茶として用いられている。非特許文献5には、マンシュウウコギの葉のサポニンが膵臓リパーゼを阻害することによる抗肥満効果に関する報告がなされているが、これはPPARリガンド剤としての脂質代謝改善効果とは異なる作用であり、マンシュウウコギの溶媒抽出物が、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(14)アサ:アサ科の植物であり、好ましくは種子を用いる。アサの葉や花冠に含まれる向神経性物質カンナビノイドが神経系に作用して食欲やエネルギー代謝に関与するという報告(非特許文献6及び7)があるが、アサの実(種子)が脂質代謝を亢進することは知られておらず、また、アサの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(15)カルダモン:ショウガ科の植物であり、本発明においては好ましくは種子を用いる。カルダモンの種子は、スパイスとして用いられる。特許文献7に、水溶性ガラクトマンナン及び食品乳化剤、酵母粉末、ビタミンB類を配合したことを特徴とする肥満防止剤が開示され、その中にカルダモンの製油を配合するとの記載があるが、この特許は水溶性ガラクトマンナンによる胃の膨満感食事制限とグルコースと脂肪の吸収の低下、遅延させることによって肥満を防止することが主な作用で、精油の配合により体内の代謝を促進させるとの記載はあるが、証明はされておらず、カルダモンの溶媒抽出物がPPARリガンド剤として作用することは示唆も開示もされていない。
(16)アンゼリカ:セリ科の植物であり、本発明においては好ましくは根を用いる。アンゼリカの根はヨーロッパでは食欲不振、消化不良、膨満感などの症状に用いられるハーブである。アンゼリカについては高血圧、貧血、糖尿、神経痛、利尿、疲労回復、血栓形成予防などの効能が知られているが、PPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(17)グァバ:フトモモ科の植物であり、好ましくは未成熟果実を用いる。特許文献8及び9に、グァバ茶の肥満防止及び改善作用に関する開示がある。しかし、その作用は特許文献8では炭水化物、脂肪の消化酵素阻害による脂肪、澱粉、糖分の吸収をコントロールすることにあり、特許文献9では糖質消化酵素の阻害効果による糖の吸収抑制であり、グァバの未成熟果実が脂質代謝を亢進することは知られておらず、また、グァバの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(18)コクシリ(黒刺李):本発明においては好ましくは果実を用いる。コクシリの果実はヨーロッパではハーブティーとして、また、口腔や咽頭粘膜の炎症に民間療法薬として用いられる。しかし、コクシリの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(19)ノコギリヤシ:ヤシ科の植物であり、本発明においては好ましくは果実を用いる。ノコギリヤシの果実には抗アンドロゲン作用があり、前立腺障害に効果があることが知られている。しかし、ノコギリヤシの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(20)ナツグミ:グミ科の植物であり、本発明においては好ましくは果実を用いる。ナツグミの果実は漢方ではモクハンゲ(木半夏)と称し、打撲傷やリウマチによる関節痛の治療に用いられる。しかし、ナツグミの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(21)センキュウ:セリ科の植物であり、本発明においては好ましくは地上部を用いる。同植物の根茎は漢方でセンキュウとして強壮、鎮静、鎮痛薬として用いられる。しかし、センキュウの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(22)エゾウコギ:ウコギ科の植物であり、本発明においては好ましくは根皮を用いる。根皮は五加皮として抗炎症、鎮痛、強壮に用いられており、葉は抗ストレス作用を有し健康茶として用いられている。特許文献10にはエゾウコギの葉のサポニンのリパーゼ阻害活性による脂質吸収阻害、抗肥満、高脂血改善効果などについて開示されているが、エゾウコギの根皮が脂質代謝を亢進することは知られておらず、また、エゾウコギの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
(23)アサイ:和名をワカバキャベツといい、ヤシ科の植物であり、本発明においては好ましくは果実を用いる。果実には抗酸化作用を有するポリフェノールや、アミノ酸や必須脂肪酸も多く含んでおり、抗酸化作用を有するジュカラ及びアサイ果実ベースの健康補助食品に関する知見(特許文献11)はあるが、脂質代謝や肥満の予防、改善に関する記載はなされていない。また、アサイの溶媒抽出物がPPARリガンド剤であることは全く知られていない。
本発明で使用する植物の植物抽出物における各々の植物体の使用部位は、上述した部位が好ましいが、これに制限されるものではなく、蕾、花、果実、果皮、種子、葉、枝、幹、樹皮、根、根皮、地上部、全草などの全ての部位を使用することができる。また、上述の好ましい部位に加えて、上記の全ての部位から選択される1種又は2種以上を併用しても用いてもよい。
原料となる植物体は、生又は乾燥したものを用いることができ、必要により、粉砕、細切、粉末化等の加工をして用いることができる。また、生薬として入手可能なものはそれを利用してもよい。
植物抽出物は、これら各種の抽出部位から溶媒を用いて直接抽出することで得られるものの他、水蒸気蒸留や、超臨界抽出技術を用いた二酸化炭素抽出、さらには圧搾処理を施した後に得られる圧搾液(搾汁)及び/又は残渣に溶媒を加えて抽出することで得られるもの、前記の圧搾液そのものも、本発明の植物抽出物の定義に含まれる。
また、本発明者らは、上記の23種類の植物のアルコール水溶液による抽出物を得、これに酢酸エチル、n−ブタノール又は水を加えて液層分配して得られる酢酸エチル分画物、ブタノール分画物及び水分画物においても、一つ又はそれ以上の分画物に優れたPPARリガンド活性があることを確認している。本発明の植物抽出物には、このような溶媒抽出物の分画物も含まれる。
本発明の植物抽出物は、必要に応じ、カラムクロマトグラフィー等でその活性成分を分画精製してもよい。
(抽出方法)
本発明においては、上述の植物抽出物やその精製物を使用することができる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
植物抽出物を得るために用いる抽出溶媒としては、特に限定されないが、水、炭素数が1ないし4の低級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、液状多価アルコール(例えば1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
原料植物として、(1)セイヨウニワトコ(特に花)、(2)セキガイチャ(特に葉)、(3)チャボトケイソウ(特に地上部)、(4)サクナ(特に地上部)、(5)アニス(特に種子)、(6)セイヨウニンジンボク(特に果実)、(7)アシュワガンダ(特に根)、(8)ギョリュウモドキ(特に花)、(9)セイヨウサンザシ(特に果実)、(10)アマ(特に種子)、(11)アギタケ(特に子実体)、(12)ハリエンジュ(特に花)、(13)マンシュウウコギ(特に葉)を用いる場合は、溶媒としてアルコール、特に低級アルコール又はその水溶液を用いることが好ましい。
溶媒としてアルコール又はその水溶液を用いる場合、アルコールの濃度は所望するリガンド作用により適宜選択すればよい。通常、抽出溶媒中におけるアルコールの濃度は、約10〜100容量%、好ましくは約10〜70容量%である。本発明のリガンド剤は、医薬組成物又は飲食品等の経口用組成物として好適に利用されるものであることから、安全性の観点からは、アルコールとしてエタノールを用いることが好ましい。
さらに、原料植物として、(10)アマ(特に種子)、(11)アギタケ(特に子実体)、(13)マンシュウウコギ(特に葉)を用いる場合は、上記アルコール又はアルコール水溶液の他、溶媒として熱水を用いることも好ましい態様である。また、原料植物として、(14)アサ(特に種子)を用いる場合にも、溶媒として熱水を用いることが好ましい。本明細書でいう熱水とは、具体的には50〜100℃、より好ましくは50〜85℃の水をいう。
上記の溶媒、すなわち熱水、アルコール又はアルコール水溶液には、本発明の特徴とするPPARリガンド作用や抽出効率が大きく損なわない範囲であれば、任意の他の成分が含まれていてもよい。
抽出方法としては、特に限定されるものではなく、溶媒を上記植物原料と接触させることにより行われる。具体的には、溶媒中に原料を浸漬させて静置保存してもよいし、攪拌や加熱還流やなど、抽出様式は公知手段に従い、所望に応じて適宜設定することができる。抽出温度は、特に制限されるものではなく、溶媒の温度に応じて適宜設定すればよいが、操作上の観点から、溶媒の沸点以下であることが好ましい。また、必要に応じて、加圧や減圧等の条件を設定することもできる。
抽出時間は、用いる植物原料の種類や抽出溶媒の種類及び使用量等により適宜設定すればよい。具体的には、溶媒としてアルコール又はアルコール水溶液を用いる場合、その使用量は、通常、原料1重量部に対して1〜1000倍、好ましくは1〜100倍、さらに好ましくは1〜10倍であり、抽出時間は、通常、約10分〜1ヶ月程度、好ましくは10分〜7日程度である。また、溶媒として熱水を用いる場合、その使用量は、通常、原料1重量部に対して1〜1000倍、好ましくは1〜100倍、さらに好ましくは1〜10倍であり、抽出時間は、通常、約10分〜7日程度、好ましくは10分〜1日程度、さらに好ましくは10分〜1時間程度である。
本発明の植物抽出物は、上記の抽出操作の後、抽出残渣を分離して抽出液の形態とする。この分離手段としては、公知の方法を用いることができ、例えば濾過、遠心分離などが挙げられる。本発明においては、上記抽出液のまま使用してもよいし、必要に応じて抽出液の濃縮物又は乾燥物(濃縮乾固物)として使用してもよく、輸送の簡便性等の観点からは、濃縮物又は乾燥物とすることが好ましい。濃縮は常圧又は減圧下で行うことができ、濃縮によって濃縮液の容積を約10〜50容量%、好ましくは約10〜30容量%に減少させるのがよい。乾固物は、PPARリガンド活性成分を含む抽出液から溶媒を好ましくは減圧下で乾燥させることによって得られる。
上述のとおり、本発明の植物抽出物には、上記植物原料に溶媒を接触して得られる抽出物の分画物(例えば、酢酸エチル分画物、ブタノール分画物、水分画物)も含まれる。この分画物は、通常、植物原料のアルコール又はアルコール水溶液による抽出物から液層分配して得られる。液層分配の方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。
(PPARリガンド剤及び抗肥満剤)
本発明のPPARリガンド剤及び抗肥満剤は、上述のとおり、ノコギリヤシ、エゾウコギ、アサイ、カルダモン、アンゼリカ、グァバ、コクシリ、ナツグミ、センキュウ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギから選択される1種又は2種以上の植物の溶媒抽出物を有効成分として含有する。
ここで、本明細書中におけるPPARリガンド剤とは、PPARリガンド結合領域に結合する能力、すなわちPPARリガンド作用を有するものの総称をいう。リガンド剤はアゴニストでもアンタゴニストであってもよいが、好ましくはアゴニストである。
本発明のPPARリガンド剤は、インスリン抵抗性、高脂血症、糖尿病、高血圧及び肥満などの生活習慣病に関わる各種遺伝子の発現を正又は負に制御することができる。前記各種遺伝子とは、例えば、アシルCoAオキシダーゼ、中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ、長鎖アシルCoA合成酵素、脂肪酸結合タンパク質、リポ蛋白リパーゼ、アポリポタンパク質、脱共役タンパク質などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
PPARリガンド活性は、例えば、PPARリガンド結合領域とGAL4との融合タンパクに対する結合をルシフェラーゼの発現で表現するレポーターアッセイ(Cell,1995年,83巻,803〜812頁)や、PPARリガンド結合領域を含むタンパクを用いたコンペティション・バインディング・アッセイ(Cell,1995年,83巻,813〜819頁)などにより測定することができる。これらのアッセイにおいて、サンプルの活性は一般に溶媒対照と比較して、溶媒対照より高い活性を示すサンプルを「PPARリガンド活性あり」と評価する。本発明においては、溶媒対照に比較して1.3倍以上の活性を示したものを「PPARリガンド活性あり」と評価している。
本発明のPPARリガンド剤は、PPARα、γ、δの内、少なくとも1種以上のPPARに対し、リガンド作用を有していればよい。後述の実施例でも示されるように、本発明のPPARリガンド剤は、特に、PPARδのリガンド剤として有用である。
本発明で使用しうる23種類の植物由来の抽出物はいずれも少なくともPPARδサブタイプに対してリガンド活性を有するので、上記のPPARδのリガンド剤として有用である。本明細書の[背景技術]の項目に記載したとおり、PPARδの生理的作用が明らかかになったのは、最近のことである。PPARδについては、PPARδを活性化できるアゴニストには、HDLコレステロ−ル上昇作用、それによる動脈硬化進展抑制やその治療、脂質低下剤や血糖降下剤としての応用が期待される。しかしながら、十分な活性を有し臨床応用されているものは知られていない。したがって、本発明のPPARのリガンド剤は、PPARδアゴニストとして、特に血中脂質低下剤や抗肥満剤として有望視されるものである。
さらに、後述の実施例で明確にされたように、αサブタイプ及びγサブタイプのPPARに対しては由来する植物の種類に応じて、リガンド活性を有する場合と有しない場合がある。具体的には、カルダモンの水分画物、アマの酢酸エチル分画物及びn−ブタノール分画物はPPARα活性を示した(実施例2)。また、エゾコウギ、ナツグミ、アサ、セイヨウニワトコ、セキガイチャ、アニス及びギョリュウモドキの酢酸エチル分画物、並びにセキガイチャのn−ブタノール分画物はPPARγ活性を示した(実施例4)。本発明の開示により、当業者は必要に応じ使用する植物材料を選択することにより、所望のリガンド剤を調製することが可能である。好ましくは、PPARδとPPARγの双方にリガンド活性を示す。
また、実施例6に後述するとおり、本発明の抗肥満剤をマウスに16日間投与したところ、体重増加の抑制、体脂肪蓄積の抑制、血中中性脂肪濃度の低下作用が認められた。従って、本発明の抗肥満剤は、体重増加抑制剤、体脂肪蓄積抑制剤、血中中性脂肪低下剤などとしても使用することができる。本発明の抗肥満剤は、好ましくは、セイヨウニワトコ、アニス、セイヨウサンザシ及びセキガイチャからなる群から選択される1種又は2種以上の植物抽出物を含有する。
具体的には、投与を受けない対照群の試験終了時の体重を100%とした場合、セイヨウニワトコ抽出物投与群(300mg/kg/day)では約92%、アニス抽出物投与群(1000mg/kg/day)では約93%、セイヨウサンザシ抽出物投与群(1000mg/kg/day)では約94%、セキガイチャ抽出物投与群(100mg/kg/day)では約69%程度に体重増加が抑制された。また、投与を受けない対照群の試験終了時の体脂肪量を100%とした場合、セイヨウニワトコ抽出物投与群(300mg/kg/day)では約81%、アニス抽出物投与群(1000mg/kg/day)では約88%、セイヨウサンザシ抽出物投与群(1000mg/kg/day)では約80%、セキガイチャ抽出物投与群(100mg/kg/day)では約88%程度に体脂肪の蓄積が抑制された。さらには、投与を受けない対照群の試験終了時の血中中性脂肪濃度を100%とした場合、セイヨウニワトコ抽出物投与群(300mg/kg/day)では約80%、アニス抽出物投与群(1000mg/kg/day)では約87%、セキガイチャ抽出物投与群(100mg/kg/day)では約63%程度に中性脂肪濃度が低減された。
さらにまた、本発明の抗肥満剤は、本発明の植物抽出物を投与された生体の血中の遊離脂肪酸濃度を変化させうる。血中の遊離脂肪酸濃度が増加することは、脂肪細胞に蓄えられていた中性脂肪もしくは血中の中性脂肪が分解されて血中に遊離し、エネルギー源となることを意味する。限定されるわけではないが、セイヨウニワトコ、アニス及びセイヨウサンザシからの抽出物を含む抗肥満剤の場合に、血中の遊離脂肪酸濃度が増加の効果が得られる。血中の遊離脂肪酸濃度が減少することは、遊離した脂肪酸が肝臓などに取り込まれ更に燃焼が亢進している状況で、血液中の濃度が下がった状態を意味する。限定されるわけではないが、セキガイチャからの抽出物を含む抗肥満剤の場合に、血中の遊離脂肪酸濃度が減少の効果が得られる。
II.医薬用組成物及び飲食品
本発明において、種々の植物由来の抽出物よりPPARリガンド剤を調製することが可能となった。本発明は、このPPARリガンド剤と、薬学上許容される添加剤や飲食可能な添加剤とを含有する医薬組成物や飲食品も提供する(総称して、「本発明の組成物」という表記することもある)。本発明の組成物は、PPARの生体内分布や生理活性に応じて、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は治療のために用いることができる。具体的には、本発明の組成物は、肥満、高脂血症、高血圧、高血糖、インスリン抵抗性、糖尿病の予防又は改善に有効である。
本発明において、肥満の予防とは、内臓肥満を含み、日本肥満学会が肥満・肥満症の指導マニュアル第2 版(2001年7月発行) にて、肥満又は肥満症であると定義している状態になるのを防ぐ又は遅らせることを指す。また、肥満の改善とは、上記学会が肥満症又は肥満であると定義している状態から、上記学会が正常域と定義している状態に近づけることを指す。
本発明において、高脂血症の予防とは、日本動脈硬化学会が動脈硬化性疾患診療ガイドライン(2002年9月発行) にて定義している高脂血症の状態又は境界域の状態になるのを防ぐ又は遅らせることを指す。また、高脂血の改善とは、上記に示す高脂血症の状態又は境界域の状態から、上記ガイドラインにて正常域と定義している状態に近づけることを指す。
本発明において、インスリン抵抗性とは、肝臓・脂肪細胞・骨格筋で、インスリンの主な作用である糖の吸収促進作用が弱っている状態を指す。インスリン抵抗性の予防とは、SSPG(steady-state plasma glucose)法などによるインスリン抵抗性の指標となる値がより悪化するのを防ぐ又は遅らせることを指す。インスリン抵抗性の改善とは、上記のインスリン抵抗性の指標となる値をより改善することを指す。 本発明において、糖尿病の予防とは、日本糖尿病学会が糖尿病治療ガイド2002−2003(2002年5月発行)にて定義している糖尿病の状態又は境界域の状態になるのを防ぐ又は遅らせることを指す。また、糖尿病の改善とは、上記の糖尿病の状態又は境界域の状態から、上記ガイドにて正常域と定義している状態に近づけることを指す。
本発明の組成物は、その形態を限定されず、例えば、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、特定保健用食品などの飲食品及び医薬品として使用することができる。
本発明の飲食品は、上述の23種類の植物抽出物の1種又は2種以上と、飲食物として許容される添加剤とを含有する。ここで添加剤とは、飲食品に通常用いられる添加剤であり、例えば、ビタミンE、ビタミンC等のビタミン類、糖類、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤沢剤、乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、香料、凝固剤、pH調整剤、増粘剤、エキス粉末、生薬、無機塩等が挙げられるが、本発明のリガンド剤の所望の効果を損なわない限り、これらに限定されない。特に本発明の飲食物がサプリメントである場合、例えば、ビタミンE、ビタミンC等のビタミン類、サプリメントを調製する時に通常配合される乳化剤、緊張化剤(等張化剤)、緩衝剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化剤、抗酸化剤等を適宜配合することができる。
飲食品としては、チューインガム、チョコレート、キャンディー、ゼリー、ビスケット、クラッカーなどの菓子類、アイスクリーム、氷菓などの冷菓類、茶、清涼飲料、栄養ドリンク、美容ドリンクなどの飲料、うどん、中華麺、スパゲティー、即席麺などの麺類、蒲鉾、竹輪、はんぺんなどの練り製品、ドレッシング、マヨネーズ、ソースなどの調味料、マーガリン、バター、サラダ油などの油脂類、パン、ハム、スープ、レトルト食品、冷凍食品など、すべての飲食品に使用することができる。当該抽出物の摂取量は、特に限定されるものではないが、PPARリガンド活性、更には肥満及び肥満に伴い発症するインスリン抵抗性、高脂血、高血圧、糖尿病を予防及び/又は改善を期待して摂取する場合、その摂取量は当該抽出物として成人一人一日当たり0.01〜1000mg/kg体重、好ましくは1〜300mg/kg体重である、さらに好ましくは2〜20mg/kg体重である。
本発明の医薬組成物は、上述の23種類の植物抽出物の1種又は2種以上と、薬学上許容される添加剤とを含有する。ここでいう添加剤としては、例えば、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、酸化防止剤、着色剤、凝集防止剤、吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤などが例示される。医薬組成物の形態は特に限定されず、例えば、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、注射剤、座薬、貼付剤などが挙げられるが、特に経口用組成物としての形態が好ましい。経口用組成物の場合、当該抽出物の摂取量は、特に限定されるものではないが、PPARリガンド活性、更には肥満及び肥満に伴い発症するインスリン抵抗性、高脂血、高血圧、糖尿病を予防及び/又は改善を期待して摂取する場合、その投与量は当該抽出物として成人一人一日当たり0.01〜1000mg/kg体重、好ましくは0.1〜300mg/kg体重、さらに好ましくは2〜20mg/kg体重となるよう、一回又は数回に分けて投与する。当業者は、患者の状態(年齢、性別、症状など)、及び投与態様等を考慮し、適宜投与量を決定することができる。
「予防及び/又は治療方法」、並びに「医薬組成物の製造のための使用」
本発明はまた、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患を、予防及び/又は治療するための方法であって、当該予防及び/又は治療を必要とする個体に、本発明の植物抽出物を含有する医薬組成物を投与することを含む、前記方法を提供する。
本発明はさらに、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体が関連する疾患の予防及び/又は治療のために用いる医薬組成物の製造のための、本発明の植物抽出物の使用を提供する。
本発明はまた、肥満を予防及び/又は治療するための方法であって、当該予防及び/又は治療を必要とする個体に、本発明の植物抽出物を含有する、抗肥満剤を投与することを含む、前記方法を提供する。
本発明はさらにまた、本発明の植物抽出物の、肥満を予防及び/又は治療のために用いる抗肥満剤の製造のための使用を提供する。
本発明の「予防及び/又は治療方法」、並びに「医薬組成物の製造のための使用」について、投与態様、投与量等については、「医薬組成物」に関して上述した通りである。
図1は、セイヨウニワトコ抽出物投与時の体重推移を示す。白菱形は、抽出物を投与しない対照、四角は、100mg/kg/day投与、三角は、300mg/kg/day投与の結果である。 図2は、セイヨウニワトコ投与時の体脂肪量を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、横縞棒は、100mg/kg/day投与、濃黒棒は、300mg/kg/day投与の結果である。 図3は、セイヨウニワトコ投与時の血中遊離脂肪酸濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、横縞棒は、100mg/kg/day投与、濃黒棒は、300mg/kg/day投与の結果である。**P<0.01 対対照 図4は、セイヨウニワトコ投与時の血中中性脂肪濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、横縞棒は、100mg/kg/day投与、濃黒棒は、300mg/kg/day投与の結果である。 図5は、アニス抽出物投与時の体重推移を示す。白菱形は、抽出物を投与しない対照、黒四角は、1000mg/kg/day投与の結果である。 図6は、アニス投与時の体脂肪量を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、1000mg/kg/day投与の結果である。 図7は、アニス投与時の血中遊離脂肪酸濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、1000mg/kg/day投与の結果である。**P<0.01 図8は、アニス投与時の血中中性脂肪濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、1000mg/kg/day投与の結果である。 図9は、セイヨウサンザシ抽出物投与時の体重推移を示す。丸は、抽出物を投与しない対照、四角は、100mg/kg/day投与、菱形は、300mg/kg/day投与、三角は、1000mg/kg/day投与の結果である。 図10は、セイヨウサンザシ投与時の体脂肪量を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、薄黒棒は、100mg/kg/day投与、横縞棒は、300mg/kg/day投与、黒棒は、1000mg/kg/day投与の結果である。 図11は、セイヨウサンザシ投与時の血中遊離脂肪酸濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、薄黒棒は、100mg/kg/day投与、横縞棒は、300mg/kg/day投与、黒棒は、1000mg/kg/day投与の結果である。**P<0.01 対対照 図12は、セキガイチャ抽出物投与時の体重推移を示す。白菱形は、抽出物を投与しない対照、黒四角は、100mg/kg/day投与の結果である。 図13は、セキガイチャ投与時の体脂肪量を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、100mg/kg/day投与の結果である。 図14は、セキガイチャ投与時の血中遊離脂肪酸濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、100mg/kg/day投与の結果である。**P<0.01 図15は、セキガイチャ投与時の血中中性脂肪濃度を示す。白棒は、抽出物を投与しない対照、黒棒は、100mg/kg/day投与の結果である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
植物材料
本明細書中の実施例において使用した植物と、その使用部位を表1に示す。サンプル調製においては、各植物の使用部位の乾燥粉砕物を使用した。破砕には(株)トーショー製錠剤粉砕機TS−10M型もしくは(株)吉田製作所製ウィレー型粉砕機1029−JAS型を用いた。
Figure 0005563824
※1 「果汁粉末」は、生の果実を搾汁して得られた果汁を凍結乾燥して得られた粉末である。
※2 「地上部」とは、茎葉部、花を含む場合もある。
サンプル調製例1
表1に示す植物の破砕物1gをそれぞれ70容量%エタノール、10ml(10(W/V)倍量)に浸し、室温下、1日1回攪拌操作を加えて7日間抽出し、濾過して抽出液を得た。抽出液5mlを濃縮後、凍結乾燥し抽出物を得た。抽出物を蒸留水、1mlに溶解又は懸濁させ、水飽和酢酸エチル、3mlを加えて攪拌、遠心分離後、分離した酢酸エチル層を採取した。さらに水層に水飽和n−ブタノール、1mlを加えて攪拌、遠心分離後、n−ブタノール層と水層に分離した。得られた酢酸エチル層、n−ブタノール層及び水層を濃縮後、凍結乾燥し、酢酸エチル分画物、n−ブタノール分画物及び水分画物を得た。
サンプル調製例2
セイヨウニワトコ、セキガイチャ、チャボトケイソウ、サクナ、アニス、セイヨウニンジンボク、アシュワガンダ、ギョリュウモドキ、セイヨウサンザシ、アマ、アギタケ、ハリエンジュ、マンシュウウコギの破砕物を、それぞれ表1に示す重量の10(W/V)倍量の70容量%エタノールに浸し、室温下、1日1回攪拌操作を加えて7日間抽出し、濾過して抽出液を得た。抽出液を濃縮後、凍結乾燥しエタノール抽出物を得た。
サンプル調製例3
アマ、アギタケ、マンシュウウコギ、アサの破砕物を、それぞれ表1に示す重量の20(W/V)倍量の蒸留水を加え、10分毎に攪拌操作を加えながら、80℃で30分間抽出を行なった。抽出液を水で冷却した後、3000rpm、10分間遠心して得られた上清を濾過した。濾液を凍結乾燥し、熱水抽出物を得た。
実施例1 PPARδリガンド活性の測定
サンプル調製例1で得られた各植物の酢酸エチル分画物、n−ブタノール分画物、水分画物について、下記に示す方法を用いてPPARδリガンド活性を測定した。
HepG2細胞(ヒト肝臓癌由来の培養細胞)を96穴培養プレートに1x10cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO条件下で24時間培養した。培地には、10%FBS(ウシ胎仔血清;Equitech−Bio社)、0.3g/L L−Glutamine(日水製薬)を含むRPMI1640(日水製薬)を用いた。その細胞をOPTI−MEM(Gibco社)で洗浄した後、pBIND/GAL4::mPPARδとpG5luc(Promega社)を用いてトランスフェクションした。なお、pBIND/GAL4::mPPARδは、酵母由来転写因子GAL4融合タンパク発現プラスミドであるpBIND(Promega社)にマウスPPARδ遺伝子を挿入したプラスミドであり、pG5lucはルシフェラーゼ遺伝子の上流にGAL4の応答配列(UAS)を5回組み込んだレポーター・プラスミドである(Cell,1995年,83巻,803〜812頁などに記載の方法で作成可能)。
トランスフェクションの約24時間後、植物抽出物を含む培地に交換し、24時間培養した。溶媒対照にはDMSOを用い、培地に1/100量添加した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS−)で洗浄した後、細胞溶解液(Cell Culture Lysis Reagent:Promega社)で細胞を溶解させ、Luciferase Assay Reagent(Promega社)を添加してマルチラベルカウンター(Wallac社)にてルシフェラーゼの発光強度を測定した。また、PPARδの合成アゴニストであるL−165041(Sigma社 濃度25μM)をポジティブコントロールとして用いた。リガンド活性の評価は、コントロール(溶媒対照)の発光強度に対するサンプルの発光強度の比をサンプルのPPARδリガンド活性発光度比とし、1.3以上を示したものについて、PPARδのリガンド活性があると判断した。活性測定に供したサンプル濃度(培地中のサンプル濃度)と、リガンド活性(発光度比)を表2に示す。
Figure 0005563824
実施例2 PPARαリガンド活性の測定
実施例1に記載の方法のうち、融合タンパク発現プラスミドとして、pBIND/GAL4::mPPARδの代わりに、pBIND/GAL4::mPPARαを用いる以外は、実施例1と同様に実施し、PPARαリガンド活性の測定を行った。なお、pBIND/GAL4::mPPARαとは、pBIND(Promega社)にマウスPPARα遺伝子を挿入したプラスミドである。また、PPARαの合成アゴニストであるWY−14643(Sigma社 濃度25μM)をポジティブコントロールとして用いた。活性測定に供したサンプル濃度(培地中のサンプル濃度)と、リガンド活性(発光度比)を表3に示す。
Figure 0005563824
実施例3 PPARγリガンド活性の測定
PPARγリガンド活性測定用CHO細胞を以下の方法で取得した。
PPARレポータープラスミド(pPPRE−Luc)は、SV40プロモーター遺伝子、蛍ルシフェラーゼ遺伝子を含むレポータープラスミド pGL3(Promega社)のSV40プロモーター遺伝子の上流にPPAR応答配列(PPRE)を3回組み込んだレポータープラスミドである。PPARγ発現プラスミド(pKD−rPPARγ)はSV40プロモーターによる哺乳類細胞用発現プラスミドにラットPPARγ遺伝子を組み込んだプラスミドである。pPPRE−LucとpKD−rPPARγを、Lipofectamine(Invitorgen社)を用いてCHO(dhfr−)細胞(チャイニーズハムスター卵巣由来細胞ジヒドロ葉酸還元酵素欠損株)にコトランスフェクションした。チミジンをほとんど含有しない透析ウシ胎児血清(GIBCO社)を含むD−MEM培地(GIBCO社)で細胞を培養することにより、pPPRE−LucとpKD−rPPARγを保持する安定形質転換株(CHO/PPARγ/PPRE)を取得した。
上記細胞を96穴培養プレートに1x10cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO条件下で24時間培養した。培地には、10%FBS(ウシ胎仔血清;Equitech−Bio社)、0.3g/L L−Glutamine(日水製薬)、10ml/L MEM用非必須アミノ酸溶液(大日本住友製薬)を含むDMEM(日水製薬)を用いた。24時間培養後、植物抽出物を含む培地に交換し、24時間培養した。溶媒対照にはDMSOを用い、培地に1/100量添加した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS−)で洗浄した後、細胞溶解液(Cell Culture Lysis Reagent:Promega社)で細胞を溶解させ、Luciferase Assay Reagent(Promega社)を添加してマルチラベルカウンター(Wallac社)にてルシフェラーゼの発光強度を測定した。また、PPARγの合成アゴニストであるCiglitizone(Sigma社 濃度25μM)をポジティブコントロールとして用いた。活性測定に供したサンプル濃度(培地中のサンプル濃度)と、リガンド活性(発光度比)を表4に示す。
Figure 0005563824
実施例4 エタノール抽出物のPPARδリガンド活性の測定
サンプル調製例2で得られた各植物のエタノール抽出物のPPARδリガンド活性を、実施例1に記載の方法で測定した。活性測定に供したサンプル濃度(培地中のサンプル濃度)と、リガンド活性(発光度比)を表5に示す。
Figure 0005563824
実施例5 熱水抽出物のPPARδリガンド活性の測定
サンプル調製例3で得られた各植物の熱水抽出物のPPARδリガンド活性を、実施例1に記載の方法で測定した。活性測定に供したサンプル濃度(培地中のサンプル濃度)と、リガンド活性(発光度比)を表6に示す。
Figure 0005563824
以上実施例1〜5の通り、各植物抽出物において、PPARのリガンド活性が認められた。具体的には以下の通りである。
(1)セイヨウニワトコにおいては、酢酸エチル分画物にPPARδ及びPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、更にはエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(2)セキガイチャにおいては、酢酸エチル分画物にPPARδ及びPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδ及びPPARγのリガンド活性が、更にはエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(3)チャボトケイソウにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(4)サクナにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(5)アニスにおいては、酢酸エチル分画物にPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、更にはエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(6)セイヨウニンジンボクにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(7)アシュワガンダにおいては、水分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(8)ギョリュウモドキにおいては、酢酸エチル分画物にPPARδ及びPPARγのリガンド活性が、また水分画物にPPARδのリガンド活性が、更にはエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(9)セイヨウサンザシにおいては、水分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(10)アマにおいては、酢酸エチル分画物にPPARαのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARαのリガンド活性が、また水分画物にPPARδのリガンド活性が、更にはエタノール抽出物にPPARδ活性が、更には熱水抽出物にPPARδ活性が認められた。
(11)アギタケにおいては、水分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が、更には熱水抽出物にPPARδ活性が認められた。
(12)ハリエンジュにおいては、水分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が認められた。
(13)マンシュウウコギにおいては、水分画物にPPARδのリガンド活性が、またエタノール抽出物にPPARδ活性が、更には熱水抽出物にPPARδ活性が認められた。
(14)アサにおいては、酢酸エチル分画物にPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、更に水分画物にPPARδのリガンド活性が、更には熱水抽出物にPPARδ活性が認められた。
(15)カルダモンにおいては、酢酸エチル分画物にPPARδのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、更に水分画物にPPARαのリガンド活性が認められた。
(16)アンゼリカにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(17)グァバにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(18)コクシリにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(19)ノコギリヤシにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、また水分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(20)ナツグミにおいては、酢酸エチル分画物にPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(21)センキュウにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(22)エゾウコギにおいては、酢酸エチル分画物にPPARγのリガンド活性が、またn−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、更に水分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
(23)アサイにおいては、n−ブタノール分画物にPPARδのリガンド活性が、また水分画物にPPARδのリガンド活性が認められた。
実施例6 抗肥満作用の検証
(試験方法)
セイヨウニワトコ、セキガイチャ、アニス、セイヨウサンザシの各植物抽出物の抗肥満作用を、以下に示す方法により検証した。動物は、ddYマウス、雄性、6週齢(紀和実験動物)用い、1週間標準飼料(CE‐2(日本クレア)にて馴化飼育した後、サンプルを投与した。サンプル投与は、サンプル調製例2と同様の方法で調整したセイヨウニワトコ、セキガイチャ、アニス、セイヨウサンザシの各植物抽出物を3%アラビアゴムを含む精製水に懸濁させ、後述する投与量を1日1回午前中に、17日間のうち合計12回強制経口投与した。また、コントロール群には3%アラビアゴムのみを含む精製水を投与した。サンプル投与期間中の飼料には、45kcal%の脂肪分を含有するリサーチダイエット社の高脂肪食(D12451)を用い、試験期間中の摂水は自由とした。
解剖前日である投与開始16日目に実験動物用X線CT装置(Latheta LCT−100・アロカ株式会社)を用いて体脂肪量を測定した。解剖当日は投与を行わず、マウスを4時間絶食させた後に、エーテル麻酔下で腹大静脈から全身血を採取し、遠心後に血漿を得て、−80℃に保存した。後日、血中の中性脂肪、遊離脂肪酸を自動分析装置(日立7070・株式会社 日立製作所)を用いて測定した。
6−1 セイヨウニワトコ
(結果)
セイヨウニワトコ抽出物を100、300mg/kg/day(投与液量は10mL/kg)となるように投与したときの試験期間中の体重の推移を図1に、投与16日目の体脂肪量、試験終了時の血中遊離脂肪酸濃度及び血中中性脂肪濃度をそれぞれ図2、図3、図4に示す。
図1−4に示されるように、セイヨウニワトコ抽出物は用量依存的に体重増加と体脂肪蓄積を抑制した。また、血中遊離脂肪酸のレベルは有意に上昇させ、一方で、中性脂肪のレベルを低下させた。
6−2 アニス
(結果)
アニス抽出物を1000mg/kg/day(投与液量は10mL/kg)となるように投与したときの試験期間中の体重の推移を図5に、投与16日目の体脂肪量、試験終了時の血中遊離脂肪酸濃度及び血中中性脂肪濃度をそれぞれ図6、図7、図8に示す。
図5−8に示されるように、アニス抽出物の投与により体重増加、体脂肪蓄積が抑制された。また、血中遊離脂肪酸のレベルを有意に上げた一方で、中性脂肪のレベルを低下させた。
6−3 セイヨウサンザシ
(結果)
セイヨウサンザシ抽出物を100、300、1000mg/kg/day(投与液量は10mL/kg)となるように投与したときの試験期間中の体重の推移を図9に、投与16日目の体脂肪量を図10に、試験終了時の血中遊離脂肪酸濃度の測定結果を図11に示す。
図9−11に示されるように、セイヨウサンザシ抽出物は用量依存的に体重増加と体脂肪蓄積を抑制した。また、血中遊離脂肪酸濃度を用量依存的に有意に増加させた。
6−4 セキガイチャ
(結果)
セキガイチャ抽出物を100mg/kg/day(投与液量は10mL/kg)となるように投与したときの試験期間中の体重の推移を図12に、投与16日目の体脂肪量、験終了時の血中遊離脂肪酸濃度及び血中中性脂肪濃度をそれぞれ図13、図14、図15に示す。
セキガイチャ抽出物の投与により有意な体重増加抑制が認められ、体脂肪蓄積量も抑制された。また、遊離脂肪酸のレベルは有意に低下し、中性脂肪のレベルも低下した。

Claims (4)

  1. セイヨウサンザシ抽出物を有効成分として含有する、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)δのリガンド剤。
  2. 抽出物が、アルコール又はアルコール水溶液抽出物である、請求項1に記載のリガンド剤。
  3. アルコールが、エタノールである、請求項2に記載のリガンド剤。
  4. 抽出物が熱水抽出物である、請求項1に記載のリガンド剤。
JP2009538281A 2007-10-24 2008-10-24 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤 Active JP5563824B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009538281A JP5563824B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-24 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007277021 2007-10-24
JP2007277021 2007-10-24
JP2009538281A JP5563824B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-24 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤
PCT/JP2008/069363 WO2009054504A1 (ja) 2007-10-24 2008-10-24 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009054504A1 JPWO2009054504A1 (ja) 2011-03-10
JP5563824B2 true JP5563824B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=40579607

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009538281A Active JP5563824B2 (ja) 2007-10-24 2008-10-24 ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20100249248A1 (ja)
JP (1) JP5563824B2 (ja)
CN (2) CN102406686A (ja)
TW (1) TWI519307B (ja)
WO (1) WO2009054504A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5436838B2 (ja) * 2008-10-31 2014-03-05 エスエス製薬株式会社 中性脂肪蓄積抑制剤
JP2011020954A (ja) * 2009-07-15 2011-02-03 Food Industry Research & Development Inst ウコギ属植物(Eleutherococcusspp.)の抽出物、並びにその調製方法及び使用
JP5770504B2 (ja) * 2010-03-31 2015-08-26 株式会社ファンケル アディポネクチン産生促進剤
JP2011231078A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Nagaoka Koryo Kk 非アルコール性脂肪性肝疾患の予防および/または治療に有効な経口摂取用組成物
WO2012055820A1 (en) * 2010-10-29 2012-05-03 Unilever Nv An edible composition
JP2012201593A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Fancl Corp 糖尿病性脂肪肝の予防・改善・治療用組成物
CN102218103B (zh) * 2011-06-16 2013-07-17 广西壮族自治区中医药研究院 亮叶杨桐叶提取物在制备抗炎镇痛药物中的应用
KR101565964B1 (ko) * 2011-12-12 2015-11-16 경상북도 아위버섯의 물 추출물을 유효성분으로 함유하는 고지혈증 예방 또는 치료용 조성물
JP5819209B2 (ja) * 2012-01-24 2015-11-18 日本メナード化粧品株式会社 幹細胞から褐色脂肪細胞への分化促進剤
MX2015003700A (es) * 2012-09-21 2015-10-30 Reoxcyn Discoveries Group Inc Celda para electrolizar un liquido.
EP3010520A1 (en) * 2013-06-19 2016-04-27 Access Business Group International LLC Plant-based inhibitors of ketohexokinase for the support of weight management
EP3024448B8 (en) * 2013-07-22 2019-08-07 Société des Produits Nestlé S.A. Compositions and methods using p-anisaldehyde
WO2015140798A2 (en) * 2014-03-19 2015-09-24 Yissum Research Development Company Of The Hebrew University Of Jerusalem Ltd. Ostreolysin, functionally related variant thereof, extract comprising ostreolysin and uses thereof
JP5666053B1 (ja) * 2014-08-01 2015-02-12 株式会社 資生堂 長寿遺伝子発現増強剤
KR20160141027A (ko) * 2015-05-27 2016-12-08 경상북도 아위버섯 물 추출물을 유효성분으로 함유하는 대사성질환의 예방 및 치료용 약학적 조성물 또는 건강기능성식품
ITUB20152182A1 (it) * 2015-07-15 2017-01-15 Danilo Mancini Composizione nutraceutica per il dimagrimento.
JP6847577B2 (ja) * 2015-12-28 2021-03-24 森永乳業株式会社 ビフィドバクテリウム属細菌および/または乳酸菌の増殖促進および/または減少抑制剤
US10499584B2 (en) 2016-05-27 2019-12-10 New West Genetics Industrial hemp Cannabis cultivars and seeds with stable cannabinoid profiles
CN106310173A (zh) * 2016-08-24 2017-01-11 厦门三川利生物科技有限公司 含过氧化物酶体增殖物激活受体多维果酸醇及其制备方法
CN108040664A (zh) * 2018-01-21 2018-05-18 王小凤 一种可供糖尿病患者食用的苹果培育剂及其制备方法
CN108124631A (zh) * 2018-01-21 2018-06-08 王小凤 一种低糖多汁的苹果的培育剂及其制备方法
JP2019162055A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 株式会社明治 エネルギー代謝促進用組成物
EP3780974A1 (de) * 2018-04-17 2021-02-24 PM-International AG Guaveextrakt
JP2020188709A (ja) * 2019-05-21 2020-11-26 学校法人立命館 ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体発現抑制用食品組成物
KR20230019285A (ko) * 2021-07-29 2023-02-08 한국식품연구원 시계꽃 추출물을 포함하는 대사성 질환의 예방, 개선 또는 치료용 조성물

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335495A (ja) * 2000-05-23 2001-12-04 Kao Corp 中性エンドペプチダーゼ阻害剤
JP2003342190A (ja) * 2002-03-19 2003-12-03 Fancl Corp 抗ヘリコバクター・ピロリ用組成物
JP2005343873A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Kao Corp アロマターゼ活性化剤
WO2007040006A1 (ja) * 2005-09-06 2007-04-12 Kyoto University ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体PPARγ活性化剤、および該活性化剤を含有する特定症状の予防または改善用組成物
JP2008231031A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Arkray Inc デヒドロエピアンドロステロン産生促進剤およびその用途

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0645548B2 (ja) * 1990-11-08 1994-06-15 エーザイ株式会社 高血圧症予防・治療剤
JP2656727B2 (ja) * 1994-05-17 1997-09-24 財団法人工業技術研究院 防湿性漢方顆粒製剤
JP2713549B2 (ja) * 1994-05-17 1998-02-16 財団法人工業技術研究院 防湿性漢方製剤
KR100195886B1 (ko) * 1996-11-01 1999-06-15 김상조 당뇨병 치료용 의약조성물
JPH10215811A (ja) * 1997-02-07 1998-08-18 Meiji Seika Kaisha Ltd 脂肪の燃焼を促進させる飲食品
JP4428740B2 (ja) * 1998-09-14 2010-03-10 株式会社ロッテ ビフィズス菌増殖促進剤
JP2000239177A (ja) * 1999-02-22 2000-09-05 Sakamoto Yakusoen:Kk 抗糖尿病剤
JP2000319191A (ja) * 1999-03-05 2000-11-21 Takeda Chem Ind Ltd サイクリックgmp特異的ホスホジエステラーゼ阻害剤および性的機能障害改善薬
IT1314199B1 (it) * 1999-10-20 2002-12-06 Ambros Pharma S R L Composizioni contenenti sostanze ad attivita' adrenergica ed estrattivegetali per il trattamento del sovrappeso e obesita'
JP2002275077A (ja) * 2001-01-11 2002-09-25 Kanebo Ltd リパーゼ阻害剤
WO2003000074A1 (fr) * 2001-06-21 2003-01-03 Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd. Procede permettant de produire un extrait vegetal contenant une poudre vegetale
JP4269036B2 (ja) * 2001-07-17 2009-05-27 沖縄県 二糖類分解酵素阻害物質
CN1159044C (zh) * 2001-08-07 2004-07-28 东营市恒仁堂生物工程有限责任公司 一种降脂药片的制作方法
JP4179494B2 (ja) * 2001-10-23 2008-11-12 株式会社カネカ ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤
JP4100911B2 (ja) * 2002-01-11 2008-06-11 一丸ファルコス株式会社 グルタミン酸デカルボキシラーゼ活性化剤
DE10206390A1 (de) * 2002-02-15 2003-08-28 Bionorica Ag Verwendung von selektiv den Estrogenrezeptor beta modulierenden phytoestrogenhaltigen Extrakten
JP4684556B2 (ja) * 2002-03-11 2011-05-18 サントリーホールディングス株式会社 Sdgの製法およびその配合飲食物
JP4507231B2 (ja) * 2002-09-25 2010-07-21 株式会社バイオス医科学研究所 植物性抗糖尿病成分の抽出分離方法
KR20030005086A (ko) * 2002-11-08 2003-01-15 주식회사 이롬라이프 생식 및 식이섬유를 함유하는 다이어트 조성물
JP4376512B2 (ja) * 2002-12-11 2009-12-02 御木本製薬株式会社 アンギオテンシン変換酵素阻害剤および抗高血圧食品
MXPA05006403A (es) * 2002-12-24 2005-12-05 Od Canada Her Majesty The Quee Peptidos inhibitorios de ace de materiales de planta.
CN101238895B (zh) * 2003-03-21 2011-04-13 K2A公司 Jucara和acai果实基营养补充剂
JP2005171003A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Fancl Corp 抗酸化剤
JP2005179193A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Okinawa Hakko Kagaku:Kk 植物性抗腫瘍剤
ES2235642B2 (es) * 2003-12-18 2006-03-01 Gat Formulation Gmbh Proceso de multi-microencapsulacion continuo para la mejora de la estabilidad y almacenamiento de ingredientes biologicamente activos.
JP5345778B2 (ja) * 2004-04-27 2013-11-20 ラジェンドラン,ラムズワーミー 肥満、肥満に関連する障害、および他の障害の治療/管理におけるプレグナン配糖体の使用
JP2006022102A (ja) * 2004-06-11 2006-01-26 Katsutoshi Terasawa アルドースレダクターゼ阻害薬
JP2005350432A (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology プロスタサイクリン生成促進剤
JP2006036681A (ja) * 2004-07-27 2006-02-09 Hirose Yukihiro 血液の中性脂肪の増加を抑制する作用を有する飲料
NZ555842A (en) * 2004-12-09 2010-10-29 Celgene Corp Treatment of various conditions of patients with Tourette syndrome, tics, or a family history thereof sing D-threo methylphenidate free from other isomers
JPWO2006082743A1 (ja) * 2005-02-04 2008-06-26 タカラバイオ株式会社 治療剤
DE102005012832A1 (de) * 2005-03-17 2006-09-28 Schrezenmeier, Jürgen, Prof. Dr. Arzneimittel aus Pflanzenextrakten als Lipaseinhibitor
JP2006347960A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Yukito Akiyama 糖類分解酵素阻害活性剤及びこれを含有する健康食品
JP5064731B2 (ja) * 2005-07-22 2012-10-31 株式会社ファンケル 血圧降下剤
JP2007228872A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Bios Ikagaku Kenkyusho:Kk エゾウコギ抽出物を用いた高血糖値改善作用を有する飲食品
CN1833653A (zh) * 2006-04-18 2006-09-20 浙江大学 石崖茶总黄酮的用途及其制备方法
JP2006348052A (ja) * 2006-09-22 2006-12-28 Fancl Corp グルタチオン増強用組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335495A (ja) * 2000-05-23 2001-12-04 Kao Corp 中性エンドペプチダーゼ阻害剤
JP2003342190A (ja) * 2002-03-19 2003-12-03 Fancl Corp 抗ヘリコバクター・ピロリ用組成物
JP2005343873A (ja) * 2004-06-07 2005-12-15 Kao Corp アロマターゼ活性化剤
WO2007040006A1 (ja) * 2005-09-06 2007-04-12 Kyoto University ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体PPARγ活性化剤、および該活性化剤を含有する特定症状の予防または改善用組成物
JP2008231031A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Arkray Inc デヒドロエピアンドロステロン産生促進剤およびその用途

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013029370; Pharmacological Research Vol.52, 2005, P.353-366 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN101835480B (zh) 2013-06-12
TW200934505A (en) 2009-08-16
CN101835480A (zh) 2010-09-15
JPWO2009054504A1 (ja) 2011-03-10
US20100249248A1 (en) 2010-09-30
WO2009054504A1 (ja) 2009-04-30
TWI519307B (zh) 2016-02-01
CN102406686A (zh) 2012-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5563824B2 (ja) ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(ppar)のリガンド剤
Monika et al. The modulating effect of Persea americana fruit extract on the level of expression of fatty acid synthase complex, lipoprotein lipase, fibroblast growth factor-21 and leptin–a biochemical study in rats subjected to experimental hyperlipidemia and obesity
JP2010106001A (ja) Ppar活性化剤
AU2017385661B2 (en) Composition for prevention and treatment of muscular diseases or for improvement of muscle function containing 3,5-dicaffeoylquinic acid or chrysanthemum extract
Sung et al. Nutritional composition and anti-obesity effects of cereal bar containing Allium fistulosum (welsh onion) extract
Chen et al. Polyphenol-rich extracts from Oiltea camellia prevent weight gain in obese mice fed a high-fat diet and slowed the accumulation of triacylglycerols in 3T3-L1 adipocytes
JP6220081B2 (ja) ボリジ抽出物を含む代謝疾患の改善、予防または治療用組成物
KR20140045134A (ko) 섬쑥부쟁이 추출물을 유효성분으로 함유하는 비만 또는 대사성질환의 예방 또는 치료용 약학적 조성물
JP5940347B2 (ja) 過活動膀胱の予防又は改善剤
JP2006335741A (ja) アモルフォファルス属植物由来ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド組成物
JP2008163014A (ja) 11βHSD1阻害剤及びその用途
JP2007314475A (ja) トリアシルグリセロール合成抑制剤
KR101851639B1 (ko) 모과 추출물 또는 이의 분획물을 유효성분으로 함유하는 항비만용 조성물
KR20070044198A (ko) 푸마르산 및 푸마르산 유도체를 유효성분으로 함유하는대사증후군 치료제
KR20150012926A (ko) 구절초 추출물을 포함하는 항비만 조성물
KR101501381B1 (ko) 드라콘토멜론 마크로카펌 추출물을 포함하는 항비만 조성물
Popov et al. Analgesic and other medicinal properties of Safflower (Carthamus tinctorius L.) seeds
JP2009249331A (ja) 植物由来の高脂血症の予防または改善剤
JPWO2004045632A1 (ja) ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体リガンド剤
JPWO2005082391A1 (ja) ヒトβ3アドレナリン受容体アゴニスト剤
JP5770504B2 (ja) アディポネクチン産生促進剤
KR101881146B1 (ko) 복분자 추출물을 유효성분으로 함유하는 pcsk9 유전자의 발현 억제를 통한 저밀도 지단백 수용체 증가용 조성물 및 이의 용도
JP2017109971A (ja) PPARδ活性化剤
US10758519B2 (en) UCP-1 expression promoter
Khanna et al. Moringaoleifera and obesity: A review

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111024

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111024

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130814

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140423

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20140430

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5563824

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250