JP2007314475A - トリアシルグリセロール合成抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に優れ、高脂血症、とりわけ食後高脂血症の予防あるいは改善に有効なトリアシルグリセロール合成抑制剤の提供。
【解決手段】柿の葉(Diospyros kaki)、メグスリノキ(Acer nikoense)、甜茶(Rubus suavissimus)、マカ(Lepidium meyenii Walp)及びウイキョウ(Foeniculum vulgare)から選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とするトリアシルグリセロール合成抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、高脂血症、とりわけ食後高脂血症の予防あるいは改善に有効なトリアシルグリセロール合成抑制剤に関する。
近年、食生活の欧米化に伴い、脂質の摂取量が増加している。恒常的な脂肪の過剰摂取は、肥満や血清脂質の上昇を引き起こすが、さらに肥満、高脂血症はしばしば、糖尿病、高血圧、動脈硬化といった生活習慣病を合併するため、国民の健康維持・増進の観点において大きな社会問題となっている。また、最近では、虚血性心疾患のリスクとして、血中トリアシルグリセロール濃度が問題視されている(非特許文献1〜3参照)。
我々の日常のほとんどは、食後という状態にあることから、代謝や動脈硬化を考える上で、食後の代謝状態は重要な意味をもつと考えられる。摂取脂肪量にもよるが、健常人においても、脂肪分を含む食事をした後の数時間、一過的に血中トリアシルグリセロール濃度の増加が起こる。脂肪分を過剰に摂取すると、トリアシルグリセロール濃度の増加がより長時間続くことになる。さらに、食後に血清脂質が異常な増加を示し、かつこの増加が蔓延する状態を一般的に食後高脂血症と呼び、食後高脂血症者は、高血圧や、虚血性心疾患などの動脈硬化性疾患の発症につながる危険性が高いことが指摘されている(非特許文献4、5参照)。
食餌として摂取したトリアシルグリセロールは、小腸内でリパーゼの働きにより、2−モノアシルグリセロールと脂肪酸に分解された後、小腸上皮細胞に吸収される。吸収された脂質は、小腸上皮細胞内でトリアシルグリセロールに再合成され、小腸細胞が特異的に生成するアポ蛋白B48と会合することにより、カイロミクロン(CM)として血中に放出される。また、肝臓で合成されるトリアシルグリセロールは、肝臓で合成される低比重リポ蛋白(VLDL)として血中に放出される。
このようにCMやVLDLの合成及び放出の増加は、食後高脂血症の原因の一つであり、トリアシルグリセロール合成はCMやVLDL合成及び放出に深く関与している。
従来の高脂血症抑制を目的としたアプローチの代表例として、食事療法や食欲抑制剤(非特許文献6、7参照)、脂質代謝改善薬(非特許文献8、9参照)を用いる方法が挙げられる。しかし、食事療法は長期的に実行するには非常な困難を伴い、また、食欲抑制剤や脂質代謝改善薬を長期服用する場合においては副作用が懸念される。そのため、副作用が少ない安全な食品素材の開発が期待されている。
このような観点から、特に日常的に摂取しうる天然物由来の高脂血症抑制剤の探索が行われ、リパーゼ阻害活性や脂質吸収抑制活性を有する食品素材が見出されてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、これまでに見出されている食品素材は、その有効性において十分満足のいくものではない。さらに、食品への嗜好性を考えると、多様性の観点からも、有効性に優れ、食経験が豊富で安全性の高い食品素材の探索がさらに必要とされる。
一方、柿の葉(Diospyros kaki)は、カキノキ科の落葉高木の葉であり、ケンフェロール配糖体、ケルセチン配糖体、ビタミンA、ビタミンC、シブオール、カロチンを含み、視力回復、動脈硬化、高血圧の予防・改善効果の他、近年、抗アレルギー作用、特にI型アレルギーに対する抑制作用が明らかにされている(例えば非特許文献10,11参照)。また、メグスリノキ(Acer nikoense)は、チョウジャノキ、ミツバナ、センリガンの別名でも知られる日本特産のカエデ科の落葉高木であり、その樹皮には、エピ・ロドデンドリンというアルカロイドに類似した物質が生理活性物質として含まれ、麦粒腫、肝臓病を抑える等の効果があることが報告されている(例えば非特許文献12参照)。甜茶(Rubus suavissimus)は、バラ科の多年生潅木であり、GODポリフェノール(甜茶ポリフェノール)とルブソシドを有効成分として含み、抗アレルギー作用や消炎作用があることが報告されている(例えば非特許文献13参照)。マカ(Lepidium Meyenii Walp)は、アブラナ科の植物で、ジャガイモの様な形状の根が食用に用いられ、豊富な栄養素の他に、アルカロイド、タンニンを多く含有しており、滋養強壮、持久力、月経不順、女性ホルモン調整等の機能があることが報告されている(例えば非特許文献14,15参照)。さらに、ウイキョウ(Foeniculum vulgare)はセリ科の多年草で、フェンネルとも称され、芳香健胃作用が報告されている(例えば非特許文献16参照)。
しかしながら、柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウ又はその抽出物にトリアシルグリセロールの合成抑制剤作用があることは全く知られていない。
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本発明の目的は、安全性に優れ、高脂血症、とりわけ食後高脂血症の予防あるいは改善に有効なトリアシルグリセロール合成抑制剤を提供することにある。
本発明者らは、細胞内トリアシルグリセロール合成の抑制に着目し、トリアシルグリセロールの合成を抑制する作用を有する物質について探索を行った結果、柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウ又はその抽出物に優れたトリアシルグリセロール合成抑制作用があることを見出した。
すなわち、本発明は、柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウから選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とするトリアシルグリセロール合成抑制剤を提供するものである。
また、本発明は、これらの植物体又はその抽出物を有効成分とする高脂血症の予防及び/又は改善剤、並びに食後高脂血症の予防及び/又は改善剤を提供するものである。
さらに、本発明は、これらの植物体又はその抽出物を有効成分とし、トリアシルグリセロール合成抑制作用を有するものであることを特徴とし、トリアシルグリセロールの合成抑制又は高脂血症の予防又は改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲料又は食品を提供するものである。
本発明のトリアシルグリセロール合成抑制剤は、優れたトリアシルグリセロール合成抑制作用を有し、かつ安全性も高いため、高脂血症、特に食後高脂血症の予防及び/又は改善に極めて有用である。
本発明において、柿の葉とは、カキノキ科(Ebenaceae)の柿(Diospyros kaki)の葉又はカキノキ科に属するその近縁種の葉を意味する。メグスリノキとは、カエデ科(Aceraceae)のメグスリノキ(Acer nikoense)又はカエデ科に属するその近縁種を意味する。甜茶とは、バラ科(Rosaceae)の甜葉懸鈎子(Rubus suavissimus S. Lee)又はバラ科に属するその近縁種を意味する。マカとは、アブラナ科(Brassicaceae)のマカ(Lepidium Meyenii Walp)又はアブラナ科に属するその近縁種を意味する。ウイキョウとは、セリ科(Umbelliferae)のウイキョウ(Foeniculum vulgare)又はセリ科に属するその近縁種を意味する。メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウの使用部位は、花、花穂、果実、果皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根茎、根皮、根、種子又は全草を用いることができるが、主としてメグスリノキは葉又は樹皮を、甜茶は葉又は茎を、マカは根を、ウイキョウは果実を、それぞれ用いるのが好ましい。
これらは植物体をそのまま又は乾燥粉砕して用いることができる。
柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ又はウイキョウの抽出物としては、前記の用部をそのままあるいは乾燥した後に適用な大きさに切断したり、粉砕加工したりしたものを抽出して得られる抽出エキスの他、さらに分離精製して得られる活性の高い画分(成分)が包含される。
抽出は、室温又は加熱した状態で溶剤に含浸させるか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて行われる溶剤抽出の他に、水蒸気蒸留等の蒸留法を用いて抽出する方法、炭酸ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出法、あるいは圧搾して抽出物を得る圧搾法等を用いることができる。
溶剤抽出に用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができ、これらを混合して用いることもできる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類;超臨界二酸化炭素;油脂、ワックス、その他オイル等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、溶剤を変えて繰り返し行うことも可能である。このうち、水、エタノール又は水・エタノール混液を用いるのが好ましい。
抽出は、例えば上記植物体1重量部に対して1〜50重量部の溶剤を用い、常温〜溶媒の沸点の範囲で数時間〜数日浸漬又は加熱還流するのが好ましい。
抽出物としては、例えば柿の葉、メグスリノキ又はマカの根を常温の50%エタノール水溶液に浸漬し、50%エタノール水溶液可溶成分を抽出して得られる抽出物が挙げられる。また、甜茶を常温の20%エタノール水溶液に浸漬し、20%エタノール水溶液可溶成分を抽出して得られる抽出物が挙げられる。また、ウイキョウ果実を熱水に浸漬し、水溶液可溶成分を抽出して得られる抽出物が挙げられる。
抽出物の分離精製手段としては、例えば、抽出物を活性炭処理、液液分配、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ゲル濾過、精密蒸留等を挙げることができる。
本発明の抽出物は、斯くして得られる抽出液や画分をそのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、水・エタノール混液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウ又はその抽出物は、後記実施例に示すように、トリアシルグリセロールの合成を有意に抑制する作用を有する。従って、これらの植物体又はその抽出物は、トリアシルグリセロール合成抑制剤、又は高脂血症、特に食後高脂血症の予防あるいは改善剤としてとして使用することができる。また、トリアシルグリセロール合成抑制剤、又は高脂血症、特に食後高脂血症の予防あるいは改善剤を製造するために使用することができる。また、当該トリアシルグリセロール合成抑制剤は、トリアシルグリセロールの合成を抑制することにより、肥満や高脂血症から派生する各種生活習慣病等の発症を予防あるいは改善することが期待される。さらに、これらの植物体又はその抽出物を有効成分とし、トリアシルグリセロール合成抑制作用を有するものであることを特徴とし、トリアシルグリセロールの合成抑制、又は高脂血症の予防又は改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲料及び食品として使用することができる。
本発明のトリアシルグリセロール合成抑制剤、並びに高脂血症の予防及び/又は改善剤は、医薬品として経口、経腸、経粘膜、注射等により投与できる。その投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は静脈内注射、筋肉注射剤、坐剤、吸入薬、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等による非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、上記植物体又はその抽出物を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。これらの投与形態のうち、好ましい形態は経口投与であり、経口投与用製剤として用いる場合の該製剤中の上記植物体の含有量は、一般的に0.01〜80質量%とすることが好ましく、特に5〜80質量%とすることが好ましい。一方、抽出物の含有量は、一般的に固形分換算で0.2〜80質量%とすることが好ましく、特に0.5〜80質量%とすることが好ましい。
本発明のトリアシルグリセロール合成抑制剤、並びに高脂血症の予防及び/又は改善剤は、通常製剤中に0.01〜80質量%、特に0.5〜80質量%配合されるのが好ましい。
本発明のトリアシルグリセロール合成抑制剤、並びに高脂血症の予防及び/又は改善剤を医薬として使用する場合、成人1人当たりの1日の投与量は、年齢、体重、性別、投与方法などの種々の要因によって異なるが、経口投与の場合は上記植物体又はその抽出物(固形分換算)として、0.1〜5000mg、特に30〜2000mg、より好ましくは100〜1000mgの範囲を1日1回〜数回に分けて投与することが好ましい。
本発明のトリアシルグリセロール合成抑制剤、並びに高脂血症の予防及び/又は改善剤を食品として用いる場合の形態としては、上述した経口投与製剤と同様の形態(錠剤、カプセル剤、シロップ等)が挙げられる。また、種々の飲料、スナック類、乳製品、調味料、でんぷん加工製品、加工肉製品等に適宜配合してもよい。
種々の形態の飲食品を調製するには、上記植物体又はその抽出物を単独で、又は他の食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤等を適宜組み合わせて用いることができる。
当該食品中の植物体の含有量は、一般的に0.002〜2質量%とすることが好ましく、特に0.02〜1質量%とすることが好ましい。一方、抽出物の含有量は、一般的に固形分換算で0.001〜2質量%とすることが好ましく、特に0.01〜1質量%とすることが好ましい。
[抽出物]
柿の葉エキスについては、株式会社栃本天海堂より購入した柿(Diospyros kaki Thunb)の葉部200gを、20倍量(4リットル)の50%エタノールに常温で10日間浸漬し、不溶物を濾別後、減圧濃縮し抽出エキス末を得た(固形分33g)。メグスリノキエキスは、メグスリノキ(Acer nikoense Maxim)の木部より30%エタノールを用いて抽出された固形分1%を含むエキス液(松浦薬業株式会社)をそのまま、あるいは、減圧濃縮し抽出エキス末として使用した。甜茶エキスは、甜茶(Rubus suavissimus S. Lee)の葉部より熱水にて抽出されたエキス末(松浦薬業株式会社)を使用した。マカエキスは、マカ(Lepidium Meyenii Walp)の乾燥塊根よりエタノール/水で抽出されたエキス末(コペルニックスジャパン株式会社)を使用した。ウイキョウエキスは、ウイキョウ(Foeniculum vulgare)より精製水にて抽出されたエキス末(アスク薬品株式会社)を使用した。
実施例1 小腸細胞TG合成抑制評価
小腸由来細胞株IEC−6細胞を、24穴プレートに1ウエル当たり1x105細胞となるように播き、10%牛胎児血清を添加したダルベッコ変法イーグル培地培地(DMEM)で1日培養した。次いで、各被験物質(固形成分として終濃度0.01%)と牛胎児血清(10%)を添加したDMEMに換え、1日間培養した。さらに、各被験物質(固形成分として終濃度0.01%)とオレイン酸(1mM)を、ウシ血清アルブミン(脂肪酸不含、250μM)を含むDMEM培地に換えた後、6時間培養した。培養した細胞は、氷冷したリン酸緩衝液(Phospate−Buffered Saline)で洗浄した後、トリプシン処理によりプレートより剥離し、10%牛胎児血清を添加したDMEMを用いて回収した。3500rpm、5分間の遠心分離した後、上清を除去して、細胞を100ng/ml ナイルレッドを含むリン酸緩衝液に懸濁してトリアシルグリセロール(TG)を染色した後、フローサイトメーター(ベクトンデッキンソン社製)を用いて染色された細胞10000個について蛍光強度を調べた。
被験物質のTG合成は、被験物質である抽出エキスの存在下でオレイン酸(OA)の添加に伴う平均蛍光強度の増加量を、溶媒添加時(エキス無添加;溶媒コントロール)におけるOAの添加に伴う平均蛍光強度の増加と比較することにより行った。すなわち、TG合成を以下の様に定義した。
(TG合成)=((OA・エキス添加時の平均蛍光強度)−(OA・エキス無添加時の平均蛍光強度))/((OA添加時・溶媒添加時の平均蛍光強度)−(OA・エキス無添加時の平均蛍光強度))
各被験物質存在下で培養した小腸細胞株IEC−6細胞におけるTG合成を、表1に示す。結果は溶媒コントロールのTG合成を100とした相対値で表す。
Figure 2007314475
表1に示すように、柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウがTG合成抑制に有効であることがわかる。
実施例2 高脂血症抑制作用
実験動物は、日本クレアから購入したC57BL/6マウス(7週齢)を約1週間馴化した後使用した。トリアシルグリセロール合成抑制剤としては、上記で調製した柿の葉エキスを用いた。試験群及び対象群につき、一群19匹のマウスを用いた。対象群には、100gあたり、5gトリアシルグリセロール油、13gスクロース、20gカゼイン、4gセルロースパウダー、3.5gミネラル混合、1gビタミン混合、53.5gポテトスターチを含有する餌を与えて飼育した。試験群には、上記の餌から、0.5gのポテトスターチを柿の葉エキスに置き換えた餌を与え、飲水は水道水を自由摂取させた。3週間の飼育期間の後、15時間の絶食を行い、尾静脈採血を行った後、脂質負荷試験に供した。脂質負荷は、体重1g当たり40μlの脂質エマルジョン(10%トリアシルグリセロール油、1%卵黄レシチン、4%ウシ血清アルブミン)を、胃ゾンデを用いて経口投与することで行った。試験群に与える脂質エマルジョンにはさらに柿の葉エキスを終濃度0.5%となるように添加して用いた。投与1、2、4、6時間後に採血を行い、血漿中のトリアシルグリセロール濃度を測定した。TG濃度の測定は、トリグリセライドE−テストワコー(和光純薬工業株式会社)を用いて、グリセリン消去法により行った。反応は、96ウエルプレート中で行い、バイオラド社マイクロプレートリーダーMODEL550を用いてOD595nmの吸光度を測定した。キット付属のグリセリン標準液を用いて作製した検量線より、血漿に含まれるトリアシルグリセロール濃度を求めた。トリアシルグリセロール濃度の変化及び変化量(Δ)の結果を、それぞれ表2と表3に示す。
Figure 2007314475
Figure 2007314475
表2に示すように、3週間飼育後、脂質エマルジョンの経口投与を行ったところ、投与1〜2時間後をピークとした血漿TG濃度の上昇が認められた、試験食摂取群では、脂質負荷後の血中TG濃度の低下が確認された。投与2時間後のTGレベルにおいては、試験食摂取群において、コントロール群と比較して、血漿TG濃度が有意に低下していた。また、表3に示す様に、試験食摂取群では、脂質エマルジョン経口投与後の血漿TG濃度の変化量においても、コントロール群と比較して、TG濃度の増加が有意な抑制が確認された。従って、柿の葉は高脂血症、とりわけ食後高脂血症の抑制に有効であると考えられる。
実施例3
下記の成分を混合後ゼラチンカプセルに充填し、1錠250mgの軟カプセル剤を得た。
(組成) (%)
柿の葉エキス 30
甜茶エキス 30
メグスリノキエキス 20
乳糖 10
結晶セルロース 10
実施例4
下記の成分を混合後ゼラチンカプセルに充填し、1錠250mgの軟カプセル剤を得た。
(組成) (%)
マカエキス 20
ウイキョウエキス 10
メグスリノキエキス 20
乳糖 25
結晶セルロース 25
実施例5
下記成分を用い、常法に従って1錠200mgの錠剤を製造した。
(組成) (%)
柿の葉エキス 26.5
ヒドロキシプロピルセルロース 21
軽質無水ケイ酸 5.5
乳糖 13
結晶セルロース 13
タルク 13
ジアシルグリセロール 8
実施例6
下記成分を用い、常法に従って1錠200mgの錠剤を製造した。
(組成) (%)
メグスリノキエキス又は甜茶エキス 10
デンプン 65
ステアリン酸マグネシウム 5
乳糖 20

Claims (4)

  1. 柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウから選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とするトリアシルグリセロール合成抑制剤。
  2. 柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウから選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とする高脂血症の予防及び/又は改善剤。
  3. 柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウから選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とする食後高脂血症の予防及び/又は改善剤。
  4. 柿の葉、メグスリノキ、甜茶、マカ及びウイキョウから選ばれる1種以上の植物体又はその抽出物を有効成分とし、トリアシルグリセロール合成抑制作用を有するものであることを特徴とし、トリアシルグリセロールの合成抑制又は高脂血症の予防又は改善のために用いられるものである旨の表示を付した飲料又は食品。
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