JP2713549B2 - 防湿性漢方製剤 - Google Patents
防湿性漢方製剤Info
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Description
る。とくに本発明は濃縮漢方エキス、トウモロコシデン
プン、およびハリエンジュ・ガムや食用澱粉などの賦形
剤からなる防湿性漢方製剤に関する。
製剤は製剤のなかで広範に使用されている製剤であり、
その生産においては、ほとんどのものが賦形剤を使用し
ている。漢方薬による治療法を考える際には、使用する
賦形剤の性質により製品の安全性、有効性および安定性
が影響を受けることを考慮しなければならない。現在ま
でのところ、濃縮漢方薬は吸湿性が高く、安定性が低い
ために、大量の賦形剤を使用することにより防湿効果を
上げるようにしている。しかしながら、大量の賦形剤を
用いることにより漢方薬の濃縮倍数を高めることが難し
く、ともすると大量の濃縮漢方薬を患者に服用させて初
めて治療効果をえていた。したがって、適切な賦形剤と
してどのような新しい補助材料を選択し、濃縮漢方薬の
品質を改善するかということが、濃縮漢方薬に「少量で
高品質」という効果をあげさせるためのきわめて重要な
課題となっていた。
の漢方薬エキス固形物、50〜200重量部のトウモロ
コシデンプン、および5〜50重量部の水溶性多糖類か
らなる防湿性漢方製剤に関する。本発明によれば、単一
処方(1〜2種類の漢方薬を組合わせて単一の症状を治
療するための処方)または複数処方(2種類以上の漢方
薬を組合わせて複数の症状を治療するための処方)にお
いて、市販品の製造方法、すなわち、従来の混合して顆
粒を作る方法または噴霧によって顆粒を作る方法と比較
して、いずれも顕著な効果が奏されるものである。
全性が高い水溶性多糖類を賦形剤として濃縮漢方薬エキ
スに添加することで、吸湿凝集の問題を解消するもので
あるとともに、少量の賦形剤を添加するだけでよいもの
となるゆえに、従来の賦形剤の大量使用という問題を解
消して、間接的に漢方薬の濃縮倍数を向上させるもので
ある。
カッコで示し、漢方療法の専門用語については鍼(し
ん)療所・不動院の小林次郎氏の解説(『最新中国情報
辞典』前文6頁下から6行、小学館・1985年初版発
行を参照)にしたがって説明している。
キス、トウモロコシデンプンおよび水溶性多糖類からな
る漢方製剤である。
一般的な漢方処方手引書にある漢方処方の記載にしたが
って浸出されたものであればいずれのものでもよい。か
かる濃縮漢方エキスの具体例としては、たとえば、当帰
(トウキ)エキス、熟地(ジュクジ)エキス、桂園(ケ
イエン)エキス、大棗(タイソウ)エキス、麦門冬(バ
クモンドウ)エキス、半夏(ハンゲ)エキス、甘草(カ
ンゾウ)エキス、麦門冬湯(バクモンドウトウ)エキ
ス、四物湯(シモツトウ)エキス、帰脾湯(キヒトウ)
エキス、四君子湯(シクンシトウ)エキスまたは補中益
気湯(ホチュウエッキトウ)エキスなどがあげられる。
のまま、または湯通ししたのちに乾燥したもので、血行
促進、強壮、鎮静または鎮痛剤として、婦人の貧血、生
理不順または更年期障害などに用いる。
ウ)ともいう。ゴマノハグサ科の地黄の根を縮砂(シュ
クシャ)、陳皮(チンピ)とともに酒で繰り返し蒸して
加工したもので、貧血、動悸、子宮出血、寝汗、耳鳴
り、眩暈または遺精などの症状に用いる。
ク)のことであり、龍眼(リュウガン)はムクロジ科の
植物で、その実を半乾燥させてえられる。鎮静または滋
養強壮剤として、神経衰弱、健忘症または不眠症などに
用いる。
ツメの果実を乾燥したもので、緩和、強壮または利尿剤
として、筋肉の引きつり、知覚過敏の緩和解消、せき、
いらいら、痛みまたは腹痛などの症状に用いる。
ヒゲの根の肥大部を乾燥し、煎じたもので、粘滑性消
炎、滋養強壮、鎮咳または去痰薬として用いる。のぼせ
症の人に対し、強心利尿効果がある。
ャクの塊茎の外皮を除去し乾燥したもので、嘔吐の抑
制、鎮静または去痰薬として用い、胃内停水からくる悪
心、嘔吐、せき、動悸または不眠症などの症状に効果が
ある。
ゾウ(西北甘草)およびウラルカンゾウ(東北甘草)の
根と根茎で、緩和、鎮咳、鎮痛または去痰薬として用
い、筋肉の急激な緊張による痛みなどの急迫症状をよく
緩和解消するので、胃痙攣または胃潰瘍にも用いる。
(バクモンドウ)、半夏(ハンゲ)、うるち米、大棗
(タイソウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)の
6種を配合し、煎じたもので、肺機能の増強、健胃また
は整腸などに用いる。
川きゅう(センキュウ)、白芍(ビャクシャク)および
熟地黄(ジュクジオウ)の4種を配合し、煎じたもの
で、貧血気味の女性の月経不順、閉経、子宮出血、眩暈
または動悸などの症状に用いる。また血液循環をよくす
るので高血圧や心臓疾患にも用いられる。
黄耆(オウギ)、当帰(トウキ)、龍眼肉(リュウガン
ニク)、酸棗仁(サンソウニン)および遠志(オンジ)
などを配合し、煎じたもので体質虚弱な女性の月経過
多、体力欠乏、不眠症または健忘症などの症状に用い
る。
ン)、白朮(ビャクジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、生
姜(ショウキョウ)、大棗(タイソウ)および甘草(カ
ンゾウ)の6種を配合し、煎じたもので、胃腸虚弱、精
神疲労、食欲不振または軟便などの症状に用いる。
(オウギ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、白
朮(ビャクジュツ)、当帰(トウキ)、升麻(ショウ
マ)、柴胡(サイコ)、陳皮(チンピ)、紅棗(コウソ
ウ)および生姜(ショウキョウ)の10種を配合し、煎
じたもので、脱肛または子宮下垂などの症状に常用され
る。
は、それ以外のデンプンにおきかえることができる。
ハリエンジュ・ガム(Locustbean gu
m)、グアー・ガム(Guar gum)およびアラビ
ア・ガム(Acabic gum)などから1または2
種以上を選択して用いる。
することができる。かかる剤形の具体例としては、たと
えば粉体製剤として顆粒剤、成形製剤として錠剤または
丸剤などがあげられる。これらの各種剤形の製剤は常法
にしたがい、治療目的に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊
剤などの製剤技術分野において通常使用される担体を用
いて調製することができる。このような担体としては、
たとえば、乳糖、白糖、ブドウ糖、結晶セルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ゼラチン、メタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、無水リン酸カルシウム、クエン酸、クエン酸ナト
リウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトー
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリビニルピロリド
ン、植物油(落花生油、オリーブ油など)、ベンジルア
ルコール、プロピレングリコール、水などがあげられ
る。
キス100重量部に対してトウモロコシデンプンを50
〜200重量部および水溶性多糖類5〜50重量部を混
合し、乾燥して製剤とする。
説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定
されるものではない。
(バクモンドウ)45kg、半夏(ハンゲ)30kg、
うるち米12.5kg、大棗(タイソウ)12.5k
g、人参(ニンジン)7.5kgおよび甘草(カンゾ
ウ)7.5kgを配合)を805リットルの水に2時間
漬けたのち、加熱した。沸騰してから1時間煎じて、粗
い目のふるいで濾過したのち149μm(100メッシ
ュ)の標準ふるいを用いて煎じた液を濾過収集した。二
番煎じとして575リットルの水を加えて1時間煎じた
のち、前記ふるいを用いて煎じた液を濾過収集し、これ
ら2種類の煎じた液を合わせて減圧濃縮し、約50〜6
0%の水分含有率の麦門冬湯(バクモンドウトウ)エキ
ス溶液をえた。
%)と、0.62kgのハリエンジュ・ガムとを均一に
混合したのち、えられた混合物を製造例1で製造したエ
キス溶液(水分含有率60.88%)10kgに加えて
均一に混合し、乾燥機に入れて60〜70℃の熱風で乾
燥させ、乾燥したものを取り出して粉砕し、日本薬局法
の規定にしたがいふるい分けを行い、麦門冬湯(バクモ
ンドウトウ)顆粒製剤をえた。
て各麦門冬場(バクモンドウトウ)顆粒製剤をえた。な
お、参考例においては水溶性多糖類として、アベベ(A
vebe)MD14(ブラジルのレフィナコエス デ
ミルホ)(Refinacoes De Milho)
社製)および食用加工デンプンであるパセリ(Pase
lli)Pac(オランダのアベベ(Avebe)社
製)を用いた。
kg、熟地黄(ジュクジオウ)15kg、白芍(ビャク
シャク)12.5kgおよび川きゅう(センキュウ)
7.5kgを配合)を400リットルの水に2時間漬け
たのち加熱した。沸騰してから1時間煎じたのち、14
9μm(100メッシュ)の標準ふるいで煎じた液を濾
過収集し、二番煎じとして350リットルの水を加えて
30分間沸騰させたのち、前記と同様にして煎じた液を
濾過収集し、2種類の煎じ液を合わせて、減圧濃縮して
四物湯(シモツトウ)エキス溶液をえた。
%)と、0.93kgのハリエンジュ・ガムとを均一に
混合したのち、えられた混合物を製造例2で製造した
9.75kgの四物湯(シモツトウ)エキス溶液(水分
含有率60%)に加えて均一に混合し、乾燥機に入れて
65〜70℃の熱風で乾燥し、乾燥したものを取り出し
て粉砕し、日本薬局法の規定にしたがいふるい分けを行
い、四物湯(シモツトウ)顆粒製剤をえた。
して各四物湯(シモツトウ)顆粒製剤をえた。
5kg、人参(ニンジン)2.07kg、白朮(ビャク
ジュツ)3.45kg、茯苓(ブクリョウ)3.45k
g、酸棗仁(サンソウニン)3.45kg、龍眼肉(リ
ュウガンニク)3.45kg、当帰(トウキ)2.07
kg、遠志(オンジ)2.07kg、甘草(カンゾウ)
1.4kg、木香(モッコウ)1.4kg、生姜(ショ
ウキョウ)2.07kgおよび大棗(タイソウ)1.6
7kgを配合)を300リットルの水に2時間漬けたの
ち加熱した。沸騰してから1時間煎じて、粗い目のふる
いで濾過したのち149μm(100メッシュ)の標準
ふるいで煎じた液を濾過収集し、二番煎じとして250
リットルの水を加えて30分間沸騰させたのち、前記と
同様にして煎じた液を濾過収集し、2種類の煎じ液を合
わせてから、減圧濃縮して33kgの帰脾湯(キヒト
ウ)エキス溶液(水分含有率75.2%)をえた。
%)と、0.93kgのハリエンジュ・ガムとを均一に
混合したのち、えられた混合物を製造例3で製造した1
5.72kgの帰脾湯(キヒトウ)エキス溶液(水分含
有率75.2%)に加えて均一に混合し、乾燥機に入れ
て70〜75℃の熱風で乾燥させ、乾燥したものを取り
出して粉砕し、日本薬局法の規定にしたがいふるい分け
を行い、帰脾湯(キヒトウ)顆粒製剤とした。
して各帰脾湯(キヒトウ)顆粒製剤をえた。
ン)10.3kg、白朮(ビャクジュツ)7.77k
g、茯苓(ブクリョウ)6.4kg、甘草(カンゾウ)
5.2kg、生姜(ショウキョウ)5.2kgおよび大
棗(タイソウ)5.2kgを配合)を400リットルの
水に2時間漬けたのち加熱した。沸騰してから1時間煎
じて、粗い目のふるいで濾過したのち149μm(10
0メッシュ)の標準ふるいで煎じた液を濾過収集し、二
番煎じとして250リットルの水を加えて30分間沸騰
させたのち、前記と同様にして煎じた液を濾過収集し、
2種類の煎じ液を合わせてから減圧濃縮して25kgの
四君子湯(シクンシトウ)エキス溶液(水分含有率5
8.74%)をえた。
%)と、0.93kgのハリエンジュ・ガムとを均一に
混合したのち、えられた混合物を製造例4で製造した
9.45kgの四君子湯(シクンシトウ)エキス溶液
(水分含有率58.74%)に加えて均一に混合し、乾
燥機に入れて70〜75℃の熱風で乾燥させ、乾燥した
ものを取り出して粉砕し、日本薬局法の規定にしたがい
ふるい分けを行い、四君子湯(シクンシトウ)顆粒製剤
をえた。
して各四君子湯(シクンシトウ)顆粒製剤をえた。
(バクモンドウ)45kg、半夏(ハンゲ)30kg、
うるち米12.5kg、大棗(タイソウ)12.5k
g、人参(ニンジン)7.5kgおよび甘草(カンゾ
ウ)7.5kg)を805リットルの水に2時間漬けた
のち加熱した。沸騰してから1時間煎じたのち、製造例
1と同様に煎じた液を濾過収集した。二番煎じとして5
75リットルの水を加えて1時間煎じたのち、前記と同
様にして煎じた液を収集してから、これら2種類の煎じ
液を合せて減圧濃縮し、約50〜60%の水分含有率の
麦門冬湯(バクモンドウトウ)エキス溶液をえた。
分含有率12%)と、10kgの麦門冬湯(バクモンド
ウトウ)エキス溶液(水分含有率60.88%)とを均
一に混合したのちに加えて均一に混合し、乾燥機に入れ
て60〜70℃の熱風で乾燥させ、乾燥したものを取り
出して粉砕し、日本薬局法の規定にしたがいふるい分け
を行い、麦門冬湯(バクモンドウトウ)顆粒製剤をえ
た。
15〜25℃の温度条件において吸湿試験を実施した。
そして、その結果を以下の表5に示した。なお、表5中
の安息角(angle of repose)は、粒体
の流動性を表す単位で、数値が小さいほど流動性が大き
い。
好で吸湿凝集せず、「良」は流動性が良好で吸湿凝集せ
ず、「可」は流動性があまり良くなくすでに吸湿が始ま
っており、「不可」は流動性が非常に悪く吸湿による吸
湿凝集が発生することをそれぞれ示しており、「市販
品」として市販の麦門冬湯顆粒を用いた。なお、比較例
の顆粒は流動性がよくないため安息角を測定することが
できなかった。また、このばあい、流動性良好というの
は顆粒剤がさらさらしている状態をいう。
いて微量水分を定量し、水分含有率を求めた。機種は京
都電子工業株式会社(Kyoto Electronics Manufacturin
g Co.,Ltd.)製のカール−フィッシャ水分計MKC−2
10であった。結果を次の表6に示す。表中、水分含有
率10%以下を「合格」として示す。
顆粒製剤について以下の条件でTLC鑑別試験を行なっ
た。その結果、各顆粒製剤はいずれも台湾行政院衛生署
の薬物食品検験局より出版された「中薬検験方法専輯」
中の製剤薄層層析法に記載された製品規格に適合してい
ることが確認された。
54 0.2mm 展開溶媒:n−ブタノール:酢酸:H2 O(4:1:
1) 展開距離:8cm 検出方法:UV 366nm Rf :0.53黄色螢光斑点
漢方製剤は、食用可能な水溶性多糖類重合物を賦形剤と
して採用して、濃縮漢方薬エキスの防湿性を向上させ、
しかも安全性が高いものである。さらに、賦形剤の添加
量を大幅に減少させることができるので、漢方薬の濃縮
倍数を向上させて、間接的に漢方薬の1回の服用量を減
少させることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 100重量部の漢方薬エキス固形物、5
0〜200重量部のトウモロコシデンプン、および5〜
50重量部の水溶性多糖類からなる防湿性漢方製剤。 - 【請求項2】 水溶性多糖類が、ハリエンジュ・ガム、
グアー・ガムおよびアラビア・ガムからなる群から選択
される少なくとも1種類の水溶性多糖類である請求項1
記載の防湿性漢方製剤。
Priority Applications (1)
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JP6103064A JP2713549B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 防湿性漢方製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6103064A JP2713549B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 防湿性漢方製剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07309768A JPH07309768A (ja) | 1995-11-28 |
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ID=14344247
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6103064A Expired - Lifetime JP2713549B2 (ja) | 1994-05-17 | 1994-05-17 | 防湿性漢方製剤 |
Country Status (1)
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JPS53104716A (en) * | 1977-02-21 | 1978-09-12 | Tsumura Juntendo Kk | Production of solid herb medicine for oral dose |
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