JP5562018B2 - エンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品 - Google Patents

エンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品 Download PDF

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Description

本発明は、エンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品に関し、さらに詳しくは、エンジンオイルが変成、劣化したオイルスラッジのエンジン部品への付着及び堆積の防止に有効なエンジン部品用コーティング組成物、並びにそれを用いたオイルコントロールリング等のエンジン部品に関する。
自動車エンジンを中心とする内燃機関においては、エンジンの運転状況に応じてエンジンオイルはオイル添加剤も含め酸化や熱により変性し、劣化していく。酸化したオイルは外気の水分を抱き込みやすくなり、熱により分解されたオイルは、エンジンの熱によりさらに熱重合され分子量が大きくなる。オイルの劣化要因として、水分混入、燃料希釈、未燃燃料のナイトレーション等が明らかにされているが、最終的にオイルは泥状の沈殿物(オイルスラッジ)へ変わり、エンジン部品に付着し、固体状態のデポジットとなって堆積する。こうなると、部品を摩耗させたり、オイルの通路を塞いだり、最悪の場合には部品同士が固着し、その機能に支障を来たすことになる。
図3はピストン9のリング溝91内に装着されたコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング100を示す。オイルリング本体200は、円環状で、合口を有し、軸方向上下に形成された一対のレール部110, 110とその間を連結するウェブ120とから構成されている。コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング100は、上記オイルリング本体200と、オイルリング本体200を径方向外方に押圧するコイルエキスパンダ300からなり、シリンダ壁に(必要最小限の)適度なオイル量を保持する、いわゆるオイルコントロール機能を有している。このようなオイルコントロールリング100では、オイルスラッジがコイルエキスパンダ300の外周面やオイルリング本体200の内周溝部130に、さらにはオイル孔140や外周溝部150にも付着及び堆積して、オイル孔140を塞ぐおそれがある。オイル孔140が塞がれるとオイルコントロール機能が発揮されず、オイル消費量が増大する。また、コイルエキスパンダ300のピッチ間にオイルスラッジが付着及び堆積すると、ピッチ間で固着して張力が失われてしまうおそれもある。特に、燃費向上を重視し、コイルエキスパンダ300を低張力仕様とした場合には、ピッチ間に付着及び堆積したオイルスラッジによりコイルエキスパンダ300が固着し、オイルリング本体200を押圧する力がなくなり、オイルコントロールリング100のシリンダ壁への追従性が低下する。
一方、図4はピストン9のリング溝91内に装着されたスチール組合せオイルコントロールリング500を示す。スチール組合せオイルコントロールリング500は、合口を有する一対の円環状サイドレール600, 600と、サイドレール600, 600を支持するスペーサエキスパンダ700からなり、スペーサエキスパンダ700の角度をもった耳部160によりサイドレール600が半径方向及び軸方向に分力をもって押圧され、上記オイルコントロール機能に加えて、シリンダ壁面及びリング溝の上下面においてシール機能を発揮している。特に、軸方向幅、すなわちh寸法を小さくした薄幅組合せオイルコントロールリング500は、シリンダ壁面に対する追従性が良く、サイドシール機能もあることから、低張力にしてもオイル消費を増加させることなく摩擦損失を低減できる。しかし、この組合せオイルコントロールリング500でも、特にスペーサエキスパンダ700の耳部160より外周側の平坦部170とサイドレール600との間の空間180に、オイルスラッジが付着及び堆積しやすい。特に薄幅化した場合にオイルスラッジが堆積してサイドレール600がスペーサエキスパンダ700に固着することにより、サイドレール600のシリンダ内周面への追従性が低下して、オイル消費量が増大する。
上述したオイルコントロールリングや、ピストン等のエンジン部品へのオイルスラッジの付着及び堆積の防止法として、従来、撥油処理が検討されてきた。これは、エンジン部品の表面に撥油性被膜を形成することにより、エンジンオイル中のオイルスラッジの付着を防止しようとするものである。撥油処理に用いられる材料としては、フッ素系材料が多く、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化アルキルシラン等が挙げられる。例えば、特許文献1では、金属アルコキシドと、アルコキシル基の一部がフルオロアルキル基により置換されたフルオロアルキル基置換金属アルコキシドからゾル−ゲル法により撥油膜を形成する方法が提案されている。フルオロアルキル基を含む物質は撥水撥油性を有することが知られており、このフルオロアルキル基を被膜の表面に存在させることによりエンジン部品に撥油性を付与し、オイルスラッジの付着及び堆積の防止を図っている。
しかしながら、特許文献2には、フルオロアルキル基置換金属アルコキシドを用いてゾルーゲル法で形成した特許文献1の被膜は非常に薄く、実用に適さないことが記載されている。このため、特許文献2及び3においては、コーティング溶液を基材に塗布する前にフルオロアルキル基置換アルコキシドの重合を促進させることにより、厚膜化する方法が提案されている。
このように従来のオイルスラッジの付着及び堆積に起因したエンジン部品の固着防止法としては、エンジン部品の表面を撥油処理する方法が検討されてきた。しかしながら、運転中のエンジン内ではエンジンオイルは高温に曝され、常温状態とはその特性及び挙動が異なるため、従来の撥油性被膜では高温状態のオイルスラッジに対して十分な付着防止効果を発揮できないことがわかってきた。そのため、高温運転下でエンジン部品に部分的に付着したオイルスラッジが、高速運転下でさらに加熱されることにより、エンジン部品の表面で固まり、部品の摩耗や、ピストンリングの固着等を引き起こすことになる。このように、現状では、長期間に亘って、オイルスラッジの付着及び堆積を防止しうるエンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品は得られていない。
特開平7−246365号公報 特開平10−157013号公報 特開2000−27995号公報
従って、本発明は、長期間に亘るエンジン運転においても、エンジン部品へのオイルスラッジの付着及び堆積、特に、オイルコントロールリングの固着を防止できるエンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ポリフルオロアルキル基及び/又はポリフルオロポリエーテル基とオルガノポリシロキサン基を有する化合物を利用することでエンジン部品の表面へのオイルスラッジの付着及び堆積を抑制し、また固体状態のデポジット(となったオイルスラッジ)の除去(剥離)を容易にする表面物性を与える組成物が得られることを見出した。さらに、これらの組成物の被膜が対象の基材から容易に剥離することを防ぐために、アルコキシシリル基を同時に含有させることで被膜と基材との密着性を向上し、長期にわたりその性能を維持させることを可能とした。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、下記式(a)で表される化合物から導かれる重合単位、下記式(b)で表される化合物から導かれる重合単位、及び下記式(c)で表される化合物から導かれる重合単位を含有する重合体(1)を含むことを特徴とする。ここで、
CH=C(R)−C(O)O−Q−R………(a)
CH=C(R)−C(O)O−Q−Y………(b)
CH=C(R)−C(O)O−Q−Si(R)(R)(R)………(c)
であり、上記式中、
:水素原子又はメチル基、
:単結合又は2価の連結基、
:ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基、
Y:1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基、
、R、R:アルコキシル基
である。全重合単位質量に対し、前記式(a)で表される化合物から導かれる重合単位は50〜90質量%、前記式(b)で表される化合物から導かれる重合単位は9〜40質量%、前記式(c)で表される化合物から導かれる重合単位は1〜10質量%であることが好ましい。
また、本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、下記式(a)で表される化合物、下記式(b)で表される化合物、及び下記式(c)で表される化合物の全てを共重合した重合体を含むエンジン部品用コーティング組成物であって、前記各化合物の合計の質量に対し、前記式(a)で表される化合物が50〜90質量%、前記式(b)で表される化合物が9〜40質量%、前記式(c)で表される化合物が1〜10質量%であることを特徴とする。ここで、
CH=C(R)−C(O)O−Q−R………(a)
CH=C(R)−C(O)O−Q−Y………(b)
CH=C(R)−C(O)O−Q−Si(R)(R)(R)………(c)
であり、上記式中、
:水素原子又はメチル基、
:単結合又は2価の連結基、
:ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基、
Y:1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基、
、R、R:アルコキシル基
である。
さらに、前記オルガノポリシロキサン基の数平均分子量(Mn)は5,000〜30,000であることが好ましく、10,000〜15,000であることがさらに好ましい。
また、本発明のエンジン部品は、オイルスラッジの存在するエンジンの燃焼室内の部品に上記エンジン部品用コーティング組成物を少なくともその一部に被覆したエンジン部品であり、具体的には、ピストン、ピストンリング、シリンダライナ、シリンダヘッド等の燃焼室周りの部品に適している。
さらに、本発明のエンジン部品は、200℃のパラフィン系潤滑油において、エンジン部品用コーティング組成物が被覆された部分で、接触角が60度以上、転落角が5度以上20度以下となることが好ましい。転落角が5度以上15度以下であればより好ましく、5度以上10度以下であればさらに好ましい。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、ポリフルオロアルキル基及びポリフルオロポリエーテル基の少なくとも1種、オルガノポリシロキサン基、並びにアルコキシシリル基の三種類の官能基を含有する。この被膜は、基材への密着性に優れ、オイルスラッジの付着及び堆積の防止性能と固体状態のデポジットの除去(剥離)性能を有するため、この被膜を被覆した本発明のエンジン部品では、オイルスラッジが存在しても、長期間に亘り、オイルスラッジの付着及び堆積を防止し、仮にオイルスラッジが固体状態のデポジットとなって堆積したとしても容易に除去(剥離)され、所望の性能を維持できる。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物を被覆したコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングがピストンのリング溝に装着された状態を示す図である。 本発明のエンジン部品用コーティング組成物を被覆したスチール組合せオイルコントロールリングがピストンのリング溝に装着された状態を示す図である。 コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングがピストンのリング溝に装着された状態を示す図である。 スチール組合せオイルコントロールリングがピストンのリング溝に装着された状態を示す図である。
以下に本発明のエンジン部品用コーティング組成物及びそれを用いたエンジン部品について詳細に説明する。
(1) 本発明のエンジン部品用コーティング組成物
本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、ポリフルオロアルキル基及びポリフルオロポリエーテル基の少なくとも1種、オルガノポリシロキサン基、並びにアルコキシシリル基の三種類の官能基を含有する以下に示す化合物から導かれる重合単位を含むか、それらの重合単位を含有する重合体(1)を含むものとする
撥油性のポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基を有する重合性化合物は次式(a)で表される。
CH=C(R)−C(O)O−Q−R………(a)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Qは単結合又は2価の連結基、Rはポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基である。
式(a)において、Rは水素原子又はメチル基であるが、オイルスラッジの付着及び堆積防止機能に優れることから、メチル基とするのが好ましい。また、Qは単結合又は2価の連結基であれば適宜選択できるが、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基、アミノ基、スルホニル基、又はこれらを組合せて得られる2価の連結基であることが好ましい。中でも、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
基はポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基であるが、ポリフルオロアルキル基とは、アルキル基の水素原子の2個乃至全部がフッ素原子に置換された部分フルオロ置換、又はパーフルオロ置換アルキル基を意味する。上記R基で示されるポリフルオロアルキル基は、直鎖構造又は分岐構造のいずれであってもよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等の直鎖構造、又は分岐構造のアルキル基に対応する部分フルオロ置換、又はパーフルオロ置換アルキル基等が挙げられる。分岐構造のポリフルオロアルキル基としては、イソプロピル基、3−メチルブチル基のパーフルオロ置換アルキル基等が挙げられる。また、ポリフルオロポリエーテル基とは、上記ポリフルオロアルキル基中の1箇所以上の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基を意味する。
基は、炭素数が8以上であっても性能的には問題ないが、生体及び環境への影響を考慮して、炭素数6以下であることがより好ましい。また、R基は直鎖構造、又は分岐構造の何れであってもよいが、R基の配向性を上げる観点から直鎖構造が好ましい。同様の理由から、分岐構造である場合には、分岐部分がR基の末端部分に存在する構造であるのが好ましい。またR基としてはポリフルオロアルキル基が好ましい。さらに、R基は実質的に全てフッ素置換されたパーフルオロアルキル基(R基)が好ましく、直鎖のR基であることがより好ましい。
式(a)で表される化合物のうちでも特に、次式(a1)で表される化合物を用いるのが好ましい。
CH=C(R)−C(O)O−(CH)n−R………(a1)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはポリフルオロアルキル基、nは1〜6の整数である。
オルガノポリシロキサン基を有する重合性化合物は次式(b)で表される。
CH=C(R)−C(O)O−Q−Y………(b)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Qは単結合又は2価の連結基、
Yは1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基である。
式(b)においても、式(a)と同様のR及びQが用いられる。
Yは1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基であるが、オルガノポリシロキサン基としては、−(SiO)x−で表される繰り返し単位のケイ素原子に、水素原子、アルキル基、又はフェニル基等が置換した基が挙げられる。中でも、−(Si(CHO)−で表されるポリジメチルシロキサン基が好ましい。また、オルガノポリシロキサン基の末端は、重合性基を有しないのが好ましい。特に、アルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。なお、アルキル基、アルコキシ基、ポリエーテル基は置換基を有していてもよい。
式(b)で表される化合物のうちでも特に、次式(b1)で表される化合物を用いるのが好ましい。中でも、ポリジメチルシロキサン基の数平均分子量が5,000〜30,000である構造の化合物が好ましく、10,000〜15,000であればさらに好ましい。
CH=C(R)−C(O)O−(CH)n−(Si(CHO)m−Si(CH−R………(b1)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはアルキル基、mは10〜800の整数、nは1〜6の整数である。
式(b1)中のRはアルキル基であり、置換基を有していてもよいが、基中に重合性官能基は含まない。Rの置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アシル基、カルボキシル基、スルホニル基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、ホスホニル基、アミノ基、アミド基、アルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシアシルオキシ基等が挙げられる。また、Rの置換基から除外される重合性官能基としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の重合性不飽和基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられる。Rは炭素数1〜5のアルキル基であるのが好ましい。
アルコキシシリル基を有する重合性化合物は次式(c)で表される。
CH=C(R)−C(O)O−Q−Si(R)(R)(R)………(c)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Qは単結合又は2価の連結基、R、R及びRはアルコキシ基である。
式(c)においても、式(a)と同様のR及びQが用いられる。
、R及びRは、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。なお、R、R及びRは同一のアルコキシ基であっても、異なるアルコキシ基であってもよい。
式(c)で表される化合物のうちでも特に、次式(c1)で表される化合物を用いるのが好ましい。
CH=C(R)−C(O)O−(CH)n−(Si(OR………(c1)
式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜6の整数である。
前述の通り、本発明のエンジン部品用コーティング組成物としては、式(a)で表される化合物、式(b)で表される化合物及び式(c)で表される化合物の1種若しくは2種を重合又は共重合した重合体と、残りの1種若しくは2種を重合又は共重合した重合体との混合物を用いることもできるし、式(a)で表される化合物、式(b)で表される化合物及び式(c)で表される化合物の全てを共重合した重合体(1)を用いることもできる。中でも、オイルスラッジの付着及び堆積防止効果を長期に亘って発揮する性能に優れることから、式(a)で表される化合物、式(b)で表される化合物及び式(c)で表される化合物の全てを共重合した重合体(1)を用いることが好ましい。
ここで、被膜成分は、式(a)で表される化合物から導かれる重合単位が50〜90質量%であるのが好ましく、70〜80質量%であるのがさらに好ましい。また、式(b)で表される化合物から導かれる重合単位が9〜40質量%であるのが好ましい。また、式(c)で表される化合物から導かれる重合単位が1〜10質量%であるのが好ましい。なお、重合体(1)において、式(b)で表される化合物の、オルガノポリシロキサン基の数平均分子量が約10,000である場合は、式(a)で表される化合物から導かれる重合単位が50〜70質量%、式(b)で表される化合物から導かれる重合単位が29〜40質量%、式(c)で表される化合物から導かれる重合単位が1〜10質量%であることが好ましい。同様に、式(b)で表される化合物の、オルガノポリシロキサン基の数平均分子量が約12,000である場合は、式(a)で表される化合物から導かれる重合単位が70〜80質量%、式(b)で表される化合物から導かれる重合単位が19〜29質量%、式(c)で表される化合物から導かれる重合単位が1〜10質量%であることが好ましい。本発明において、重合体における各重合単位の質量比率は、重合に使用した原料がすべて重合単位を構成するとみなした値である。したがって、たとえば重合体(1)において、式(a)で表される化合物から導かれる重合単位の質量比率(全重合単位質量に対する、そこに含まれる前記重合単位の質量の百分率)は、実質的に、重合に使用した化合物(a)の質量の、重合原料化合物の全質量に対する割合として求められる。重合体における他の重合単位の質量比率も同様に求められる。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、上記の式(a)で表される化合物から導かれる重合単位、式(b)で表される化合物から導かれる重合単位、並びに式(c)で表される化合物から導かれる重合単位を含むこと必須とするが、その他の化合物(重合単位)を含んでいてもよい、その他の化合物としては、上記必須重合単位とブレンドできる化合物又は上記必須成分の重合単位を形成する化合物と共重合しうる化合物から導かれる重合単位であれば特に限定されず、スチレン系化合物、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステル化合物、エポキシ系化合物等から導かれる構造が挙げられる。その他の化合物(重合単位)は、その種類によっても異なるが、被覆成分の仕込量の合計を100とした場合、50質量%以下とするのが好ましく、20質量%以下とするのがより好ましい。ただし、その他の化合物(重合単位)の中でも親油基を有する化合物は、0.1質量%未満であることが好ましく、含まないことがより好ましい。なお、ここで言う親油基とは、オルガノポリシロキサン基以外の親油基であり、例えば、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は環状の炭化水素基等が挙げられる。
本発明において、重合性化合物を共重合した場合、共重合体の数平均分子量が2,000〜2,000,000であるのが好ましく、10,000〜500,000であるのがより好ましく、20,000〜200,000であるのがさらに好ましい。共重合体の重合形態は、特に限定されず、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等のいずれでもよいが、ランダム共重合が好ましい。また、製造方法についても特に限定されないが、一般には、各化合物中の不飽和基に基づいて付加重合させる方法が用いられる。重合は、公知の不飽和化合物の付加重合条件を適宜選択して行うことができる。重合開始剤は、特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等、通常の重合開始剤が利用できる。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物は、前記重合性化合物を炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、フッ素系溶剤中で共重合させることにより、液状組成物として直接調整するのが好ましいが、重合溶剤と液状組成物として調整する際に使用する溶剤が異なっていても構わない。重合性化合物が、塩化ビニル等のガス原料である場合には、圧力容器を用いて、加圧下で連続供給してもよい。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物の溶剤としては、被膜(有効)成分を溶解又は分散できるものであれば特に限定されないが、炭化水素系溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、オクタン、エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、フッ素系溶剤としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)又はハイドロフルオロエーテル(HFE)が挙げられる。
中でも乾燥性に優れるフッ素溶剤が好ましい。使用可能なフッ素系溶剤の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
m-キシレンヘキサフルオリド
p-キシレンヘキサフルオリド
CFCHCFCH
CFCHCF
13OCH
13OC
13CHCH
OCH
OC
13
CFHCFCHOCFCF
CFCFHCFHCFCH
CF(OCFCF)n(OCF)mOCF
17OCH
15OCH
OCH
OC
CHCH
CFCHOCFCFCF
CFCHOCFCHF
(上記例示中、m、nは各々1〜20の整数を表す。)
およびこれらの混合物。
たとえばCF(CFOCと(CFCFCFOCとのハイドロフルオロエーテル混合物がノベックHFE7200(3M社製)の商品名で入手可能である。
(2)本発明のエンジン部品
本発明のエンジン部品用コーティング組成物を被覆するエンジン部品としては、ピストン、ピストンリング、シリンダライナ、シリンダヘッド等の燃焼室周りの部品が挙げられる。例えば、シリンダヘッドの内壁面やピストンヘッドの壁面に本発明のコーティング組成物を被覆することにより、これらの部品へのオイルスラッジの付着を防止できる。また、図1に示すコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングや図2に示すスチール組合せオイルコントロールリング等のオイルコントロールリングに本発明のエンジン部品用コーティング組成物による被膜4を被覆することにより、オイルスラッジの付着及び堆積が防止でき、オイルコントロールリングの固着防止に有効である。
本発明のエンジン部品用コーティング組成物をエンジン部品に被覆する方法は、特に限定されないが、簡便で、低コストであるディップコーティングやスプレーコーティング等の液相法が好ましい。被覆方法に応じて、適切な溶液粘度が得られるように溶液中の有効成分濃度を調整する。例えば、ディップコーティングを行う場合には、有効成分の総量が溶液全体の0.1〜10質量%であるのが好ましく、1〜5質量%であるのがより好ましい。
本発明のエンジン部品は、本発明のエンジン部品用コーティング組成物が少なくともその表面の一部に被覆されており、以下の方法に基づく被覆表面の200℃におけるパラフィン系エンジンオイルの接触角が60度以上、転落角が5度以上20度以下であることが好ましい。転落角が、5度以上15度以下であればより好ましく、5度以上10度以下であればさらに好ましい。接触角及び転落角が上記範囲の被覆表面を有するエンジン部品は、オイルスラッジの付着及び堆積防止性能と固体状態のデポジットの優れた除去(剥離)性能を示し、長期間に亘り、オイルスラッジの付着及び堆積を防止でき、仮にオイルスラッジが固体状態のデポジットとなって堆積したとしても容易に除去され、所望の性能を維持できる。
(転落角の測定方法)
ヒーターが設置されたアルミニウム製のホットステージに測定試料を固定し、熱電対により測定試料表面の温度を測定し、200±2℃になるように調整した。測定試料を水平に保持した状態で、マイクロピペットにより30μLのパラフィン系エンジンオイル(新日本石油(株)製パラフィン系原料用潤滑油「スーパーオイルN100」)を試料の表面に滴下した。その後、測定試料を1°ずつ傾斜させ、油滴の後退側が動き始めた時の傾斜角度を転落角とした。なお、1°傾斜毎に1分間静止させ、油滴の後退側が移動しないことを確認してから、さらに試料を傾斜させた。それぞれの測定試料につき、5箇所で測定を行い、平均値をその試料の転落角とした。
(接触角の測定方法)
ヒーターが設置されたアルミニウム製のホットステージに測定試料を固定し、熱電対により測定試料表面の温度を測定し、200±2℃になるように調整した。マイクロピペットにより10μLのパラフィン系エンジンオイル(新日本石油(株)製パラフィン系原料用潤滑油「スーパーオイルN100」)を試料の表面に滴下した。この時の測定試料と液滴と空気の3相の接触点で液滴に引いた接線と、測定試料表面とのなす角度のうち液滴を含む方の角度を接触角とした。それぞれの測定試料につき、10箇所で測定を行い、平均値をその試料の接触角とした。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載における「%」は、特に断りのない限り、「質量%」を表すものとする。また、以下の実施例では、ポリフルオロアルキル基を有する重合性化合物を(a)、オルガノポリシロキサン基を有する重合性化合物を(b)、アルコキシシリル基を有する重合性化合物を(c)として、次に示す構造の市販の試薬を用いた。
(a)略称:C6FMA
構造式:CH=C(CH)−COO−(CH−C13
(b)略称:PolySiMA
構造式:CH=C(CH)−COO−(CH−(Si(CHO)−R
ここで、オルガノポリシロキサン基の数平均分子量は約10,000、Rはアルキル基。
(c)略称:SiMA
構造式:CH=C(CH)−COO−(CH−Si(OCH
(実施例1〜5の組成物の調整)
密閉容器に、表1に記載の配合比で、各モノマー、重合溶剤、及び重合開始剤をそれぞれ仕込み、70℃で26時間反応を進行させ、重合組成物1〜5を得た。得られた重合組成物を、重合体の含有量が1質量%になるように、重合溶剤と同じ溶剤で希釈し、組成物1〜5とした。但し、重合組成物5については、オルガノポリシロキサン基の数平均分子量が約12,000のものを用いた。なお、重合開始剤としては和光純薬工業(株)製のV−601を用い、溶剤としてはメタキシレンヘキサフルオリド(m−XHF)を用いた。
実施例2の重合組成物について、H、13C、及び19FのNMRスペクトルを測定した。測定試料は、前記反応後の試料に含まれる重合溶剤を減圧濃縮機により蒸発させた後、重ベンゼンに溶解して調整した。HのNMRスペクトルでは、0.24ppm付近に(b)のSi−CH、3.50ppm付近に(c)のSi−OCHのプロトンに起因するピークが認められた。また、(a)、(b)及び(c)に共通する−COO−CH−のプロトンに起因するピークが4.1ppm付近に確認された。13CのNMRスペクトルでは、1.3ppm付近に(b)のSi−CH、50ppm付近に(c)のSi−OCH、107〜129ppm付近に(a)の−CF及び−CF−のカーボンに起因するピークが認められた。また(a)、(b)及び(c)に共通する−C(O)−のカーボンに起因するピークが176〜177ppm付近に確認された。さらに、19FのNMRスペクトルでは、(a)の−CF及び−CF−のFに起因するピークがそれぞれ−82ppm及び−114〜−127ppmに認められた。
(比較例の組成物(比較例1〜2)の調整)
実施例の組成物の調製と同様に、密閉容器に表1に記載の配合比で、各モノマー、重合溶剤、及び重合開始剤をそれぞれ仕込み、70℃で26時間反応を進行させ、比較重合組成物1〜2を得た。得られた重合組成物を、重合体の含有量が1質量%になるように、重合溶剤と同じ溶剤で希釈し、比較組成物1〜2とした。なお、重合開始剤としては和光純薬工業(株)製の開始剤V−601を用い、溶剤としてはメタキシレンヘキサフルオリド(m−XHF)又はトルエン(比較例2)を用いた。
組成物被覆用基材としては、大気中にて500℃で熱処理して表面に酸化被膜を形成したステンレス(SUS304)製平板(算術平均粗さRa:10nm以下)を使用した。前記組成物1〜5及び比較組成物1〜2のそれぞれの組成物中に各基材を30秒間浸漬後、電気炉に入れて大気中にて、120℃で1時間熱処理して基材表面に被膜を形成し、測定試料とした(実施例1〜5及び比較例1〜2)。被膜の厚さは約0.8μmであった。また、大気中にて500℃で熱処理したのみで、表面にコーティング用組成物による被膜を形成していないステンレス(SUS304)製平板を比較例3とした。
Figure 0005562018
それぞれの測定試料について前述の方法で、200℃における転落角と接触角を測定した結果を表2に示す。なお、転落角及び接触角の測定には、協和界面科学(株)製自動接触角計DM500を用いた。比較例3は、基材上にパラフィン系エンジンオイルを滴下したが、液が基材上に広がり、液滴が形成されなかったため転落角及び接触角とも測定できなかった。
(オイルスラッジ付着試験)
あらかじめ、エンジンの運転に使用してオイルスラッジが混在した劣化オイルを加熱して、油温80℃となるように調整した。測定試料を前記劣化オイル中に1分間浸漬して取り出した後、炉内温度200℃に設定した電気炉中に入れ、4分間熱処理した。劣化オイル中への浸漬と200℃での熱処理を370回繰り返した後、測定試料の表面観察を行い、オイルスラッジの付着状態を評価した。また、炭化水素系洗浄剤((株)ジャパンエナジー製NSクリーン)中に浸漬し、5分間超音波を照射した後の表面の状態を観察し、オイルスラッジの剥離(除去)状態を評価した。それぞれの試料のオイルスラッジ付着状態及び剥離(除去)状態を評価した結果を表2に示す。ここで、オイルスラッジの付着状態は、測定試料全体の面積を100としてオイルスラッジが付着している部分の面積率を画像処理により求め、以下の判断基準で評価した。また、オイルスラッジの剥離(除去)状態は、超音波照射前のオイルスラッジ付着部分の面積を100として、超音波照射後のオイルスラッジ付着部分の面積率を求め、以下の判断基準で評価した。
■ 付着状態
◎:付着ほとんどなし、○:0%超え20%未満、△:20%以上90%以下、
×:90%超える(ほぼ全面に付着)。
■ 剥離状態
◎:0%(100%剥離)、○:0%超え5%未満、△:5%以上90%以下、
×:90%超える(ほとんど剥離しない)。
Figure 0005562018
コーティング処理を行っていない比較例3、ポリオルガノシロキサン基とアルコキシシリル基とを含有するもののパーフルオロアルキル基を含有しない組成物を被覆した比較例2では、測定試料のほぼ全面にオイルスラッジが付着、堆積し、オイルスラッジは固体状態のデポジットとなっていた。これらの試料を炭化水素系洗浄剤中で超音波照射した後もデポジットはほとんど除去できなかった。但し、ポリオルガノシロキサン基を含まないもののパーフルオロアルキル基とアルコキシシリル基を含有する比較例1は、デポジットの除去状態は改善されているものの、付着防止効果は十分とはいえなかった。一方、実施例1〜5では、オイルスラッジの付着は非常に少なく、優れた付着防止効果を示していた。実施例1〜5について、さらに測定試料全体の面積に対してオイルスラッジ付着面積が20%程度になるまで、劣化オイル中への浸漬と200℃での熱処理を繰り返した。これらの試料を前述のとおり、炭化水素系洗浄剤中に浸漬し、超音波を照射した後、表面のデポジットの剥離(除去)状態を観察した。その結果、特に、実施例5は、極めて優れたデポジットの剥離(除去)状態を示していた。デポジットの除去性能は、転落角が低下するにつれて向上する傾向にあった。
(ディーゼルエンジン試験)
転落角、接触角、及びオイルスラッジ付着試験に使用した測定試料への被覆と同様に、実施例1〜5のコーティング組成物及び比較例1及び2のコーティング組成物を次のコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングに被覆し、それぞれ、実施例6〜10(実施例1〜5の組成物)、比較例4、5(比較例1、2の組成物)とした。被膜の厚さは約0.8μmであった。また、コーティングを施さないものを比較例6とした。
オイルリング本体
材質:SUS440B、ランド部当たり面の表面処理:窒化処理、
呼び径:95mm、リング幅:3mm、リング厚さ:2mm、
窓幅:0.6mm、窓長さ:3mm、柱長さ:5mm
コイルエキスパンダ
材質:SUS304、線材径:0.6mm×1.2mm、外径:92.3mm、
ピッチ:2.0mm
エンジン試験は、排気量2.8リットルの4気筒ディーゼルエンジンを用いて行った。実施例6〜8、及び比較例6のコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングを各気筒の各ピストンに組み込んだ。また共通の、外周がバレルフェースのトップリング、外周がテーパーフェイスのセカンドリングを装着した。エンジンオイルは劣化オイルを使用し、停止状態から最高出力回転数までの運転条件と、低温から高温までの油水温条件とを連続的に繰り返すサイクリック評価試験を行った。所定時間の評価試験終了後、エンジンを解体し、オイルリングが装着された状態でオイル孔を観察した。オイルリングはピストンから取り外し、コイルエキスパンダを外した後、オイルリング本体の内周溝部を観察した。またコイルエキスパンダはオイル孔に面する部分が最もオイルスラッジが付着、堆積しやすいので、その部分のオイルスラッジの付着とコイルピッチ隙間の閉塞状況を観察した。続いて、コイルエキスパンダ及びオイルリング本体をアセトンで洗い流し、充分に乾燥させた。乾燥後のコイルエキスパンダ及びオイルリング本体を振動させた後付着、堆積物をほぼ全て掻き落とした。集まった付着、堆積物を120℃で60分間乾燥させ、デシケーター中で放冷した後に秤量した。表3に結果を示す。なお堆積物量は比較例6の値を100として相対値で表した。実施例9、10及び比較例4、5のコイルエキスパンダ付きオイルコントロールリングについても、上述の4気筒ディーゼルエンジンの各気筒に装着し、上記ディーゼルエンジン試験と同じ評価試験、観察を行った。同じく結果を表3に示す。
Figure 0005562018
表3に示すように、実施例6〜10及び比較例4では、コイルエキスパンダのオイル孔に面するピッチ隙間に微量の付着は認められるが閉塞はなかった。また、オイルリング内周溝部では微量の付着物が観察された。なお、比較例4の堆積物量は実施例6〜10に比べ、3〜15倍程度多かった。比較例5では、コイルエキスパンダのオイル孔に面した部分でスラッジが付着、堆積し、ピッチ間隙間が閉塞されていた。またオイルリング本体の内周溝部にも比較的多くの堆積物が観察された。比較例6では黒色の堆積物が多かった。
(ガソリンエンジン試験)
ディーゼルエンジン試験と同様に、実施例1〜5のコーティング組成物及び比較例1、2のコーティング組成物を、それぞれ、実施例11〜15(実施例1〜5の組成物)、比較例7、8(比較例1、2の組成物)として、スチール組合せオイルコントロールに被覆した。また、コーティングを施さないものを比較例9とした。被膜の厚さは0.8μmであった。ここで、スチール組合せオイルコントロールリングの呼び径は75mm、組合せ呼び幅は2.0mm、組合せ厚さは2.5mmであり、サイドレールの幅は0.4mmであり、サイドレールの材質はSUS440、スペーサエキスパンダの材質はSUS304のものを用いた。なお、スペーサエキスパンダには塩浴窒化処理、サイドレールにはラジカル窒化処理を施した。
排気量1.5リットルの4気筒ガソリンエンジンを用いた以外は、ディーゼルエンジン試験と同様にガソリンエンジン試験を行った。所定時間の評価試験終了後、エンジンを解体し、オイルリングが装着された状態でリングの外観観察を行った。また、オイルリングを取り外し、スペーサエキスパンダとサイドレールとの間の固着発生の有無を調査した。続いて、スペーサエキスパンダとサイドレールをアセトンで洗い流し、充分に乾燥させた。乾燥後のスペーサエキスパンダとサイドレールを振動させた後付着、堆積物をほぼ全て掻き落とした。集まった付着、堆積物を120℃で60分間乾燥させ、デシケーター中で放冷した後に秤量した。結果を表4に示す。なお堆積物量は比較例9の値を100として相対値で表した。
Figure 0005562018
表4に示すように、実施例11〜15のオイルリングでは、比較例7〜9のオイルリングと比べて明らかに付着、堆積物が少なく、固着も認められなかった。特に実施例15のスペーサエキスパンダでは、部分的な付着物の偏在も認められなかった。比較例7のオイルリングは、固着は認められなかったものの、堆積物は付着していた。比較例8及び9のオイルリングは、多量の黒色堆積物が付着しており、サイドレールがスペーサエキスパンダに固着した状態になっていた。
1, 100 コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング
2, 200 オイルリング本体
3, 300 コイルエキスパンダ
4 被膜
5, 500 スチール組合せオイルコントロールリング
6, 600 サイドレール
7, 700 スペーサエキスパンダ
9 ピストン
11, 110 レール部
12, 120 ウェブ部
13, 130 内周溝
14, 140 オイル孔
15, 150 外周溝部
16, 160 耳部(押圧部)
17, 170 突起部
18, 180 空間
91 リング溝

Claims (5)

  1. 下記式(a)で表される化合物から導かれる重合単位、下記式(b)で表される化合物から導かれる重合単位、及び下記式(c)で表される化合物から導かれる重合単位を含有する重合体(1)を含むことを特徴とするエンジン部品用コーティング組成物:
    CH=C(R)−C(O)O−Q−R………(a)
    CH=C(R)−C(O)O−Q−Y………(b)
    CH=C(R)−C(O)O−Q−Si(R)(R)(R)………(c)
    上記式中、
    :水素原子又はメチル基、
    :単結合又は2価の連結基、
    :ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基、
    Y:1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基、
    、R、R:アルコキシル基。
  2. 全重合単位質量に対し、前記式(a)で表される化合物から導かれる重合単位が50〜90質量%、前記式(b)で表される化合物から導かれる重合単位が9〜40質量%、前記式(c)で表される化合物から導かれる重合単位が1〜10質量%であることを特徴とする請求項1に記載のエンジン部品用コーティング組成物。
  3. 下記式(a)で表される化合物、下記式(b)で表される化合物、及び下記式(c)で表される化合物の全てを共重合した重合体を含むエンジン部品用コーティング組成物であって、前記各化合物の合計の質量に対し、前記式(a)で表される化合物が50〜90質量%、前記式(b)で表される化合物が9〜40質量%、前記式(c)で表される化合物が1〜10質量%であることを特徴とするエンジン部品用コーティング組成物:
    CH=C(R)−C(O)O−Q−R………(a)
    CH=C(R)−C(O)O−Q−Y………(b)
    CH=C(R)−C(O)O−Q−Si(R)(R)(R)………(c)
    上記式中、
    :水素原子又はメチル基、
    :単結合又は2価の連結基、
    :ポリフルオロアルキル基又はポリフルオロポリエーテル基、
    Y:1,000から60,000の数平均分子量(Mn)を有するオルガノポリシロキサン基、
    、R、R:アルコキシル基
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン部品用コーティング組成物が少なくともその一部に被覆されたことを特徴とするエンジン部品。
  5. 請求項4に記載のエンジン部品であって、エンジン部品用コーティング組成物が被覆された部分において200℃におけるパラフィン系エンジンオイルの接触角が60度以上、転落角が5度以上20度以下であることを特徴とするエンジン部品。
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