JP2000027995A - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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JP2000027995A
JP2000027995A JP10200738A JP20073898A JP2000027995A JP 2000027995 A JP2000027995 A JP 2000027995A JP 10200738 A JP10200738 A JP 10200738A JP 20073898 A JP20073898 A JP 20073898A JP 2000027995 A JP2000027995 A JP 2000027995A
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alkoxide
film
coating
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piston ring
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Setsu Shimura
節 志村
Yoshihiro Teramachi
嘉浩 寺町
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて薄く形成することが容易でありかつカ
ーボン等のデポジットの剥離性を高めて排出し易くした
被膜を形成したピストンリングの提供。 【解決手段】 オイルリング2のサイドレール12,1
4は、アルコキシドとフルオロアルキル基置換アルコキ
シドとを含有する溶液を塗布して焼成することにより形
成された被膜を有している。この被膜は極めて薄くで
き、被膜厚さを均一に形成することが容易であるためオ
イルクラリアランスの設定の見直しは不要である。また
カーボン等のデポジットの剥離性が高く、リング溝から
排出速度も速く、ピストンリング摺動部の固着も防止で
きる。更に、形成されている被膜はサイドレール12,
14の基材の表面粗さをほとんど減少させることがない
ので、ピストンに組み込まれた場合でも、エキスパンダ
16との間に合口の位相差を十分に維持できる摩擦力を
生じ、オイルシール効果を低下させることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のピスト
ンに組み付けられるオイルリング等のピストンリングに
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の軽量化のためにピストンの高
さを低くする傾向にある。このようにピストンの高さを
低くすると、自ずとピストンリングの厚さを薄くするこ
とを検討しなくてはならない。例えば、図4に示すごと
く、上下一対のサイドレール102,104とその間に
配置されているエキスパンダ106とを備えたオイルリ
ング100も、その厚さHを薄幅化することが検討され
ている。
【0003】このように、薄幅化されたサイドレール1
02,104やエキスパンダ106の耐久性や耐摩耗性
の向上・維持のために、従来、窒化層、硬質クロムメッ
キ等の硬質化処理したものをベースにして、表面にフェ
ロックス被膜処理、錫メッキ、銅メッキ、軟質合金メッ
キ、燐酸塩被膜処理、硫化物被膜処理、フッ化樹脂被膜
処理等の軟質被膜処理する技術(特開平5−44575
号公報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した被膜
処理は、カーボン等のデポジットの剥離性が低く、オイ
ルリング溝から排出しにくいという問題が存在する。特
に、薄くされたピストンリングの場合、例えば、図4に
示した構成のオイルリング100では、サイドレール1
02,104やエキスパンダ106との間隙108,1
10に入り込んだデポジットの排出速度が遅くなり、最
終的にリング固着に至るおそれがある。
【0005】このようなリング固着が生じると、ピスト
ンリングにおける重要な性質であるシリンダ内周面への
追随性が低下して、オイル消費の悪化、フリクションの
上昇といった問題が生じる。
【0006】また、上述した被膜は、厚さ数μm〜数十
μmと厚く形成されてしまい、被膜厚さを均一に形成す
ることが困難であるためオイルクラリアランスの設定も
見直しが必要となる。
【0007】このような問題はオイルリングばかりでな
く、他のピストンリングにおいても同様である。本発明
は、極めて薄く形成することが容易であり、かつカーボ
ン等のデポジットの剥離性を高めて排出し易くした被膜
を形成したピストンリングの提供を目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のピストン
リングは、内燃機関のピストンに組み付けられる少なく
とも被膜処理下地が金属製または金属化合物製であるピ
ストンリングであって、アルコキシドグループから選択
された1種以上のアルコキシドと、前記アルコキシドグ
ループのアルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で
置換されたフルオロアルキル基置換アルコキシドグルー
プから選択された1種以上のフルオロアルキル基置換ア
ルコキシドとを含有する溶液が前記被膜処理下地に塗布
されて焼成されてなる被膜が形成されていることを特徴
とする。
【0009】このように、本発明のピストンリングは、
アルコキシドとフルオロアルキル基置換アルコキシドと
を含有する溶液を塗布して焼成することにより形成され
た被膜を有している。この被膜は、極めて薄く形成する
ことができ、被膜厚さを均一に形成することが容易であ
るためオイルクラリアランスの設定の見直しは不要であ
る。また、カーボン等のデポジットの剥離性が高く、リ
ング溝から排出速度も速く、ピストンリング摺動部の固
着も防止できる。
【0010】請求項2記載のピストンリングは、請求項
1の構成において、オイルリングであることを特徴とす
る。このように、特にオイルリングにおいて、請求項1
にて述べた作用効果によりリング摺動部の固着が防止さ
れるので、オイル消費の悪化の防止、フリクションの上
昇防止が可能となる。
【0011】請求項3記載のピストンリングは、請求項
2記載の構成において、前記オイルリングは、一対のサ
イドレールと、該一対のサイドレールに挟まれたエキス
パンダからなり、前記被膜は、前記一対のサイドレール
および前記エキスパンダのいずれか一方または両方に形
成されていることを特徴とする。
【0012】このように、特に、一対のサイドレールと
エキスパンダとの組み合わせにおいて、請求項2に述べ
た作用効果が顕著となる。更に、請求項3の構成では、
請求項2の作用効果に加えて、次のような作用効果が存
在する。すなわち、一対のサイドレールにはそれぞれ合
口が存在するため、一対のサイドレールとエキスパンダ
とを組み合わせてオイルリングを構成する場合には、最
もオイルシール効果を高めるために、サイドレールの合
口同士は通常180°位相の異なる位置に配置する。し
かし、従来のごとく、表面処理がメッキである場合には
メッキが本質的に厚く形成されることから、メッキ処理
後はサイドレールあるいはエキスパンダの表面粗さが減
少し、サイドレールとエキスパンダとの間の摩擦係数が
低くなる傾向にある。このため、ピストンに取り付けら
れた後に内燃機関の駆動によりオイルリングに生じる周
期的な加速度変化が、合口同士が近づく作用を生じるお
それがある。これを防止するため、従来では表面を粗く
する処理をわざわざ実行している。ところが、本発明の
ような被膜を用いると、非常に薄く生成される性質があ
り、かつこのように薄くても請求項1の作用効果は十分
に存在することから、メッキのようにサイドレールある
いはエキスパンダの表面粗さを減少させることがなく、
わざわざ粗くする処理工程を実行する必要がない。この
ため、少ない行程で、サイドレールとエキスパンダとの
間の摩擦係数を高く維持でき、合口同士が近づくことが
防止できる。
【0013】請求項4記載のピストンリングは、請求項
1〜3のいずれか記載の構成において、前記アルコキシ
ドグループは、Li、Na、Cu、Ca、Sr、Ba、
Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、S
b、V、Ta、W、LaおよびNdのアルコキシドを含
むことを特徴とする。
【0014】このようなアルコキシドグループから1つ
以上選択されたアルコキシドを用いることにより、ピス
トンリングの被膜処理下地に、極めて薄く形成すること
が容易となり、かつカーボン等のデポジットの剥離性が
高くて排出しやすい被膜を形成することができる。ただ
し、請求項1〜3の作用効果は、請求項4に挙げた元素
のみのアルコキシドに限るものではない。
【0015】請求項5記載のピストンリングは、請求項
4記載の構成において、前記アルコキシドは、メトキシ
化合物、エトキシ化合物、プロポキシ化合物およびブト
キシ化合物の内の1種以上であることを特徴とする。
【0016】このようなアルコキシドを用いることによ
り、ピストンリングの被膜処理下地に、極めて薄く形成
することが容易となり、かつカーボン等のデポジットの
剥離性が高くて排出しやすい被膜を形成することができ
る。ただし、請求項4の作用効果は、請求項5に挙げた
アルコキシドのみに限るものではない。
【0017】なお、前記請求項4,5にて示したアルコ
キシドグループに属するものとして、具体的な例を挙げ
ると、例えば、LiOCH3,NaOCH3,Cu(OC
H3)2,Ca(OCH3)2,Sr(OCH3)2,Ba
(OCH3)2,Zn(OCH3)2,B(OCH3)3,A
l(OCH3)3,Al(OC2H5)3,Al(OC3H
7)3,Al(OC4H9)3,Ga(OC2H5)3,Y(O
C4H9)3,Si(OC2H5)4,Ge(OC2H5)4,
Pb(OC4H9)3,PO(OCH3)3,PO(OC2H
5)3,PO(OC3H7)3,PO(OC4H9)3,Sb
(OC2H5)3,VO(OC2H5)3,Ta(OC3H7)
5,W(OC2H5)6,La(OC3H7)3,Nd((O
C2H5)3等が挙げられ、更に、これらアルコキシドの
アルコキシ基ORの一部がアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、その他のアルキ
ル基)で置換されたアルキル基置換アルコキシドも含ま
れる。
【0018】また、被膜形成方法としては、ゾルゲル法
が挙げられる。ゾルゲル法とは、金属等の有機もしくは
無機化合物を溶液とし、溶液中で前記化合物の加水分解
・重縮合反応を進ませてゾルをゲルとして固化し、ゲル
の加熱によって酸化物固体を製造する方法である。
【0019】なお、この内、アルミニウムアルコキシド
(例えば、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al(O
C3H7)3、Al(OC4H9)3等)は、前記ゾルゲル法に
より酸化アルミニウムとなる。この酸化アルミニウム
は、特に、ピストンリングの被膜処理下地がアルミニウ
ム、アルミニウム合金あるいはアルミニウム化合物とし
て製造されている場合には、ピストンリングとの結合性
が高いので、得られる被膜の密着性が一層高くなる。
【0020】また、燐アルコキシド(例えば、PO(O
CH3)3,PO(OC2H5)3,PO(OC3H7)3,PO(O
C4H9)3等)は、ピストンリングの被膜処理下地がアル
ミニウム、アルミニウム合金あるいはアルミニウム化合
物として製造されている場合には、ピストンリングの表
面と被膜の界面において燐酸アルミニウムを形成し、こ
の結果、一層密着性を高めることができる。また、燃料
中に含まれるアルカリ成分は被膜にダメージを与え劣化
させるが、この燐イオンはこのアルカリ成分をトラップ
し、劣化を防ぐ作用効果がある。
【0021】また、アルキル基置換アルコキシドは、こ
れを用いた場合には、ゾルゲル法により形成した被膜内
にアルキル基が残存し、このアルキル基に由来する靱性
が被膜に付与される。この結果として熱的環境に起因す
る被膜への応力の影響が緩和され、密着性が一層向上す
る。このアルキル基置換アルコキシドの量は、アルコキ
シド全体の5モル%以上であることが好ましい。
【0022】上述したアルミニウムアルコキシド、燐ア
ルコキシドおよびアルキル基置換アルコキシドは、その
少なくとも1種を用いることにより、これらを含まない
被膜に比較して、上述したごとく密着性は一層向上する
が、これらの組合せ、特にそのすべてを用いることが好
ましい。
【0023】また、本発明に用いるアルコキシドとし
て、これらアルミニウムアルコキシド、燐アルコキシド
およびアルキル基置換アルコキシドのいずれかのみを用
いてもよいが、加水分解速度の制御等の理由により、他
のアルコキシド、例えばシリコンアルコキシド等に混合
することが好ましい。
【0024】フルオロアルキル基置換アルコキシドは、
上記アルコキシドのアルコキシル基の一部がフルオロア
ルキル基で置換されているものである。このフルオロア
ルキル基の存在により、得られた被膜に撥水性が付与さ
れ、カーボン等のデポジットの付着が防止される。フル
オロアルキル基置換アルコキシドの量は多いほどその効
果は高いが、逆に多くなり過ぎると被膜の強度が低下す
る傾向が生じる。したがって、その量はアルコキシド全
体の量の0.3〜30モル%であることが好ましい。
【0025】これらのアルコキシドおよびフルオロアル
キル基置換アルコキシドに水(加水分解用)、アルコー
ル(均質溶液調製用)、酸もしくは塩基(触媒作用)を
加えることで、溶液が調製される。アルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール等が用いられる。触媒として用いられる酸と
しては、塩酸、硫酸、酢酸、フッ酸が例示される。塩基
としては、処理後に揮発によって除去できるアンモニア
が用いられる。また、この溶液にゾルゲル法において公
知の添加剤、例えばアセチルアセトン等を加えてもよ
い。
【0026】こうして製造した溶液を、ピストンリング
に塗布する。塗布法は、ディッピング、スピンコート、
スプレー等の公知の塗布方法を用いることができる。塗
布膜の厚さは特に制限はないが、請求項6に示したごと
く、焼成後に、被膜の厚さが、例えば、10nm〜10
0nmとなるように塗布する。溶液に対するアルコキシ
ドおよびフルオロアルキル基置換アルコキシドの濃度を
調整するのみで、あるいは塗布方法も調整することで、
焼成後に被膜の厚さが10nm〜100nmとなるよう
に塗布することは極めて容易である。
【0027】次いで、この塗布膜を焼成する。通常、こ
の焼成工程の前に水や溶媒を除去する乾燥工程が行われ
る。この乾燥工程において、フルオロアルキル基が塗膜
の表面上に濃縮する。その結果、得られる被膜の表面上
に多くのフルオロアルキル基が偏在し、撥水性に大きく
寄与する。焼成工程はゾルゲル法における一般的な方法
によって行ってよく、大気中もしくは非酸化性雰囲気中
で200〜500℃において行われる。大気中で焼成を
行う場合は、フルオロアルキル基の分解を防ぐため35
0℃以下で行うことが好ましい。
【0028】これらの工程により、本発明の被膜が得ら
れる。厚くなり過ぎなければ、さらに、この被膜の上に
フッ素樹脂を被覆してもよい。本発明の被膜はフルオロ
アルキル基を含んでおり、さらにフルオロアルキル基が
表面に偏在しているため、フッ素樹脂とのなじみがよ
く、より密着性の高いフッ素樹脂被膜が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用されたオイルリング2が用いられている内
燃機関のピストン4とシリンダ6とを示し、図2はオイ
ルリング2の一部を示す破断斜視図である。
【0030】図1に示したごとく、ピストン4には、そ
の外周面4aの全周にわたって、3本のリング溝4b,
4c,4dが設けられている。これらのリング溝4b,
4c,4dにはそれぞれ、上からトップリング8、セカ
ンドリング10およびオイルリング2の合計3本のピス
トンリングが配置されている。
【0031】オイルリング2は、一対のサイドレール1
2,14と1つのエキスパンダ16とから構成されてい
る。各サイドレール12,14は図3の斜視図に示すご
とく、一部に合口12a,14aを形成したリング状の
金属板である。この2つの合口12a,14aは、オイ
ルリング2として組み合わされて、ピストン4のリング
溝4dに配置される際には、エキスパンダ16を間にし
て、180°の位相差(図3の配置状態)で配置されて
いる。また、エキスパンダ16は、その内周側に存在す
る環状に配列された突出部16aにより、これら一対の
サイドレール12,14をシリンダ6側に付勢してい
る。このことにより、サイドレール12,14の外周側
がシリンダ6の内周面6aに摺動状態で接触して、クラ
ンク室側のオイルが燃焼室側に侵入するのを阻止してい
る。
【0032】なお、オイルリング2を構成する金属とし
ては、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鋼等が用いら
れる。上述したサイドレール12,14には、外面全体
に被膜が形成されている。この被膜の形成のための処理
例を次に示す。
【0033】 [処理例1] 下記成分 テトラエトキシシラン 160g アルミニウムトリブトキシド 38g CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3 5.46g エタノール 426.5g アセチルアセトン 50g を1リットルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでさらに 水 83g 0.1N塩酸水溶液 104g を加え、2時間攪拌混合した。混合後、この溶液を密封
容器に移し、25℃において24時間放置した。
【0034】こうして得られたアルコキシド溶液にサイ
ドレールを浸漬し、引上げ速度30mm/minにて引
上げ、サイドレール表面上にアルコキシドのウエット塗
膜を形成した。次いでこの塗膜を250℃において1時
間焼成し、被膜を形成した。
【0035】 [処理例2] 下記成分 テトラエトキシシラン 160g アルミニウムトリブトキシド 38g 燐トリメトキシド 9g CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3 5.46g エタノール 426.5g を1リットルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでさらに 水 83g 0.1N塩酸水溶液 104g を加え、2時間攪拌混合した。混合後、この溶液を密封
容器に移し、25℃において24時間放置した。
【0036】こうして得られたアルコキシド溶液を用
い、処理例1と同様にしてサイドレール表面上に被膜を
形成した。 [処理例3] 下記成分 テトラエトキシシラン 120g アルミニウムトリブトキシド 38g CH3Si(OCH3)3 33g 燐トリメトキシド 9g CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3 5.46g エタノール 426.5g を1リットルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでさらに 水 83g 0.1N塩酸水溶液 104g を加え、2時間攪拌混合した。混合後、この溶液を密封
容器に移し、25℃において24時間放置した。
【0037】こうして得られたアルコキシド溶液を用
い、処理例1と同様にしてサイドレール表面上に被膜を
形成した。 [処理例4] 下記成分 テトラエトキシシラン 200g CF3(CF2)7C2H4Si(OCH3)3 5.46g エタノール 426.5g を1リットルのビーカーに入れ、20分間攪拌混合した。次いでさらに 水 83g 0.1N塩酸水溶液 104g を加え、2時間攪拌混合した。混合後、この溶液を密封
容器に移し、25℃において24時間放置した。
【0038】こうして得られたアルコキシド溶液を用
い、処理例1と同様にしてサイドレール表面上に被膜を
形成した。上記処理例1〜4において被膜を形成したサ
イドレール12,14および被膜を全く形成していない
サイドレールをピストンに組み付けたトヨタ製直列4気
筒ガソリンエンジンを用いて、1000時間までの耐久
試験を行い、サイドレール頂面の堆積重量を測定した。
【0039】その結果、上記処理例1〜4において被膜
を形成したサイドレール12,14は、何らの処理をし
ていないサイドレールにおいて同様に耐久試験した場合
に比較して、処理例1は約1/3、処理例2,3は1/
10以下、処理例4は約2/3の堆積重量であった。
【0040】この結果より、いずれの処理例においても
未処理のサイドレールに比較してデポジットの付着量が
少ないことがわかる。なお、処理例4においては500
時間前後から堆積量が増加し、処理例1においては80
0時間前後から堆積量が増加した。これは、被膜の剥離
あるいはオイル中のアルカリ成分によるSi−O鎖の切
断が理由であると考えられる。すなわち、処理例4と比
較し処理例1においてはアルミニウムアルコキシドを含
んでおり、サイドレール12,14の基材とのなじみが
よく、密着性が向上していると考えられる。また処理例
1の劣化に関しては被膜の剥離と被膜表面からのフルオ
ロアルキル基の遊離が考えられる。すなわち、処理例
2,3においては燐アルコキシドを添加したことによ
り、燐酸アルミニウムが基材と被膜の界面に形成され被
膜の密着性が向上し、さらに燐イオンによるアルカリ
(土類)元素のトラップによりオイル中に存在するアル
カリ(土類)元素イオンによるSi−O鎖の切断を防止
したため1000時間の耐久試験の後においても、特に
顕著な効果を保持していたと考えられる。
【0041】また、処理例1〜4のすべてにおいて、被
膜の厚さは100nm以下であった。このため、表面粗
さは基材の粗さをほとんど変更することがなく、図3に
示したごとくの配置を維持するために必要な、エキスパ
ンダ16との間での摩擦は十分であった。
【0042】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).サイドレール12,14は、上述のごとく形成
された被膜により、カーボン等のデポジットの剥離性が
高く、リング溝4dから排出し易いので、堆積量が多く
ならず、オイルリング2の固着も防止できる。
【0043】(ロ).形成されている被膜は、極めて薄
く形成でき、かつ容易に形成できる。したがって、被膜
厚さを均一に形成することが容易となり、オイルクラリ
アランスの設定の見直しが不要となる。
【0044】(ハ).形成されている被膜はサイドレー
ル12,14の基材の表面粗さをほとんど減少させるこ
とがないので、ピストン4に組み込まれた場合でも、エ
キスパンダ16との間に合口12a,14aの位相差を
十分に維持できる摩擦力を生じ、オイルシール効果を低
下させることがない。
【0045】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1において、アルコキシドとフルオロ
アルキル基置換アルコキシドとを含有する溶液による被
膜形成は、サイドレール12,14のみになされていた
が、エキスパンダ16にも同様にアルコキシドとフルオ
ロアルキル基置換アルコキシドとを含有する溶液による
被膜を形成してもよい。このようにすると更にデポジッ
トの堆積が抑制される。また、サイドレール12,14
は被膜処理せずに、エキスパンダ16のみ被膜処理して
もよい。
【0046】・前記実施の形態1の処理例1〜4に示し
たアルコキシドおよびフルオロアルキル基置換アルコキ
シドの組み合わせ以外にも、課題を解決するための手段
の項で述べたアルコキシドグループからの1種以上とフ
ルオロアルキル基置換アルコキシドグループからの1種
以上を組み合わせて用いてもよく、実施の形態1の場合
と同様な効果が得られる。
【0047】・前記実施の形態1において、オイルリン
グ2はアルミニウム合金、ステンレス鋼、鋼等であった
が、これ以外に、アルミナ等の金属化合物でもよい。 ・前記実施の形態1ではオイルリング2に対する被膜形
成であったが、トップリング8やセカンドリング10に
対しても、少なくとも被膜処理下地が金属製または金属
化合物製であれば、実施の形態1の場合にオイルリング
2に対して行ったと同様な被膜形成をおこなって、ピス
トン4に組み込んでもよく、実施の形態1に示した
(イ)および(ロ)と同じ作用効果が得られる。
【0048】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実
施形態を有するものであることを付記しておく。
【0049】(1).内燃機関のピストンに組み付けら
れる少なくとも被膜処理下地がアルミニウム製、アルミ
ニウム合金製またはアルミニウム化合物製であるピスト
ンリングであって、燐アルコキシドを少なくとも含むア
ルコキシドグループから選択された1種以上のアルコキ
シドと、前記アルコキシドグループのアルコキシル基の
一部がフルオロアルキル基で置換されたフルオロアルキ
ル基置換アルコキシドグループから選択された1種以上
のフルオロアルキル基置換アルコキシドとを含有する溶
液が前記被膜処理下地に塗布されて焼成されてなる被膜
が形成されていることを特徴とするピストンリング。
【0050】(2).内燃機関のピストンに組み付けら
れる少なくとも被膜処理下地がアルミニウム製、アルミ
ニウム合金製またはアルミニウム化合物製であるピスト
ンリングであって、アルミニウムアルコキシドを少なく
とも含むアルコキシドグループから選択された1種以上
のアルコキシドと、前記アルコキシドグループのアルコ
キシル基の一部がフルオロアルキル基で置換されたフル
オロアルキル基置換アルコキシドグループから選択され
た1種以上のフルオロアルキル基置換アルコキシドとを
含有する溶液が前記被膜処理下地に塗布されて焼成され
てなる被膜が形成されていることを特徴とするピストン
リング。
【0051】(3).内燃機関のピストンに組み付けら
れる少なくとも被膜処理下地が金属製または金属化合物
製であるピストンリングであって、アルコキシル基の一
部がアルキル基で置換されたアルキル基置換アルコキシ
ドを少なくとも含むアルコキシドグループから選択され
た1種以上のアルコキシドと、前記アルコキシドグルー
プのアルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置換
されたフルオロアルキル基置換アルコキシドグループか
ら選択された1種以上のフルオロアルキル基置換アルコ
キシドとを含有する溶液が前記被膜処理下地に塗布され
て焼成されてなる被膜が形成されていることを特徴とす
るピストンリング。
【0052】(4).アルコキシドグループから選択さ
れた1種以上のアルコキシドと、前記アルコキシドグル
ープのアルコキシル基の一部がフルオロアルキル基で置
換されたフルオロアルキル基置換アルコキシドグループ
から選択された1種以上のフルオロアルキル基置換アル
コキシドとを混合しアルコキシド溶液を形成する工程、
前記溶液を内燃機関のピストンに組み付けられる少なく
とも被膜処理下地が金属製または金属化合物製であるピ
ストンリングに塗布し塗膜を形成する工程、および前記
塗膜を焼成し被膜を形成する工程からなる、ピストンリ
ングに被膜を形成する方法。
【0053】(5).アルミニウムアルコキシドを少な
くとも含むアルコキシドグループから選択された1種以
上のアルコキシドと、前記アルコキシドグループのアル
コキシル基の一部がフルオロアルキル基で置換されたフ
ルオロアルキル基置換アルコキシドグループから選択さ
れた1種以上のフルオロアルキル基置換アルコキシドと
を混合しアルコキシド溶液を形成する工程、前記溶液を
内燃機関のピストンに組み付けられる少なくとも被膜処
理下地がアルミニウム製、アルミニウム合金製またはア
ルミニウム化合物製であるピストンリングに塗布し塗膜
を形成する工程、および前記塗膜を焼成し被膜を形成す
る工程からなる、ピストンリングに被膜を形成する方
法。
【0054】(6).燐アルコキシドを少なくとも含む
アルコキシドグループから選択された1種以上のアルコ
キシドと、前記アルコキシドグループのアルコキシル基
の一部がフルオロアルキル基で置換されたフルオロアル
キル基置換アルコキシドグループから選択された1種以
上のフルオロアルキル基置換アルコキシドとを混合しア
ルコキシド溶液を形成する工程、前記溶液を内燃機関の
ピストンに組み付けられる少なくとも被膜処理下地がア
ルミニウム製、アルミニウム合金製またはアルミニウム
化合物製であるピストンリングに塗布し塗膜を形成する
工程、および前記塗膜を焼成し被膜を形成する工程から
なる、ピストンリングに被膜を形成する方法。
【0055】(7).アルコキシル基の一部がアルキル
基で置換されたアルキル基置換アルコキシドを少なくと
も含むアルコキシドグループから選択された1種以上の
アルコキシドと、前記アルコキシドグループのアルコキ
シル基の一部がフルオロアルキル基で置換されたフルオ
ロアルキル基置換アルコキシドグループから選択された
1種以上のフルオロアルキル基置換アルコキシドとを混
合しアルコキシド溶液を形成する工程、前記溶液を内燃
機関のピストンに組み付けられる少なくとも被膜処理下
地が金属製または金属化合物製であるピストンリングに
塗布し塗膜を形成する工程、および前記塗膜を焼成し被
膜を形成する工程からなる、ピストンリングに被膜を形
成する方法。
【0056】
【発明の効果】請求項1記載のピストンリングは、アル
コキシドとフルオロアルキル基置換アルコキシドとを含
有する溶液を塗布して焼成することにより形成された被
膜を有している。この被膜は、通常極めて薄く形成され
るものであり、被膜厚さを均一に形成することが容易で
あるためオイルクラリアランスの設定の見直しは不要で
ある。また、カーボン等のデポジットの剥離性が高く、
リング溝から排出速度も速く、ピストンリング摺動部の
固着も防止できる。
【0057】請求項2記載のピストンリングは、請求項
1の構成において、オイルリングであることとしてい
る。このように、特にオイルリングにおいて、請求項1
にて述べた効果によりリング摺動部の固着が防止される
ので、オイル消費の悪化の防止、フリクションの上昇防
止が可能となる。
【0058】請求項3記載のピストンリングにおいて
は、請求項2記載の構成において、前記オイルリング
は、一対のサイドレールと、該一対のサイドレールに挟
まれたエキスパンダからなり、前記被膜は、前記一対の
サイドレールおよび前記エキスパンダのいずれか一方ま
たは両方に形成されている。このように、特に、一対の
サイドレールとエキスパンダとの組み合わせにおいて、
請求項2に述べた効果が顕著となる。
【0059】更に、請求項3の構成では、請求項2の効
果に加えて、本発明のような被膜が用いられているの
で、被膜は非常に薄く生成される性質があり、かつこの
ように薄くても請求項1の効果は十分に存在することか
ら、メッキのようにサイドレールあるいはエキスパンダ
の表面粗さを減少させることがなく、わざわざ粗くする
処理工程を実行する必要がない。このため、少ない行程
で、サイドレールとエキスパンダとの間の摩擦係数を高
く維持でき、合口同士が近づくことが防止できる。
【0060】請求項4記載のピストンリングにおいて
は、請求項1〜3のいずれか記載の構成において、前記
アルコキシドグループは、Li、Na、Cu、Ca、S
r、Ba、Zn、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、P
b、P、Sb、V、Ta、W、LaおよびNdのアルコ
キシドを含む。このようなアルコキシドグループから1
つ以上選択されたアルコキシドを用いることにより、ピ
ストンリングの被膜処理下地に、極めて薄く形成するこ
とが容易となり、かつカーボン等のデポジットの剥離性
が高くて排出しやすい被膜を形成することができる。
【0061】請求項5記載のピストンリングにおいて
は、請求項4記載の構成において、前記アルコキシド
は、メトキシ化合物、エトキシ化合物、プロポキシ化合
物およびブトキシ化合物の内の1種以上である。このよ
うなアルコキシドを用いることにより、ピストンリング
の被膜処理下地に、極めて薄く形成することが容易とな
り、かつカーボン等のデポジットの剥離性が高くて排出
しやすい被膜を形成することができる。
【0062】請求項6記載のピストンリングにおいて
は、請求項1〜5のいずれか記載の構成において、前記
被膜の厚さは、10nm〜100nmであることとして
いる。溶液に対するアルコキシドおよびフルオロアルキ
ル基置換アルコキシドの濃度を調整するのみで、あるい
は塗布方法も調整することで、焼成後に被膜の厚さが1
0nm〜100nmとなるように塗布することは極めて
容易であり、上述した効果を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるピストンリングの配置
を説明する縦断面図。
【図2】 実施の形態1におけるオイルリングの構成説
明のための斜視図。
【図3】 一対のサイドレールの合口の配置説明図。
【図4】 従来のオイルリングの説明図。
【符号の説明】
2…オイルリング、4…ピストン、4a…外周面、4
b,4c,4d…リング溝、6…シリンダ、6a…内周
面、8…トップリング、10…セカンドリング、12,
14…サイドレール、12a,14a…合口、16…エ
キスパンダ、16a…突出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J043 AA12 BA06 CA06 CB30 DA10 DA11 3J044 AA18 BA01 BB14 BB27 BB40 CB31 DA09 DA17 4K022 AA02 AA48 BA02 BA04 BA08 BA16 BA17 BA20 BA23 BA24 BA25 BA27 BA28 DA06 DB24 DB26 DB29 4K026 AA02 AA04 AA09 BA02 BA03 CA16 CA37 DA02 EB11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のピストンに組み付けられる少
    なくとも被膜処理下地が金属製または金属化合物製であ
    るピストンリングであって、 アルコキシドグループから選択された1種以上のアルコ
    キシドと、前記アルコキシドグループのアルコキシル基
    の一部がフルオロアルキル基で置換されたフルオロアル
    キル基置換アルコキシドグループから選択された1種以
    上のフルオロアルキル基置換アルコキシドとを含有する
    溶液が前記被膜処理下地に塗布されて焼成されてなる被
    膜が形成されていることを特徴とするピストンリング。
  2. 【請求項2】 オイルリングであることを特徴とする請
    求項1記載のピストンリング。
  3. 【請求項3】 前記オイルリングは、一対のサイドレー
    ルと、該一対のサイドレールに挟まれたエキスパンダか
    らなり、前記被膜は、前記一対のサイドレールおよび前
    記エキスパンダのいずれか一方または両方に形成されて
    いることを特徴とする請求項2記載のピストンリング。
  4. 【請求項4】 前記アルコキシドグループは、Li、N
    a、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、Ga、
    Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La
    およびNdのアルコキシドを含むことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか記載のピストンリング。
  5. 【請求項5】 前記アルコキシドは、メトキシ化合物、
    エトキシ化合物、プロポキシ化合物およびブトキシ化合
    物の内の1種以上であることを特徴とする請求項4記載
    のピストンリング。
  6. 【請求項6】 前記被膜の厚さは、10nm〜100n
    mであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載
    のピストンリング。
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