JP6973708B2 - 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材 - Google Patents

乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6973708B2
JP6973708B2 JP2018042324A JP2018042324A JP6973708B2 JP 6973708 B2 JP6973708 B2 JP 6973708B2 JP 2018042324 A JP2018042324 A JP 2018042324A JP 2018042324 A JP2018042324 A JP 2018042324A JP 6973708 B2 JP6973708 B2 JP 6973708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricating film
dry lubricating
film composition
polyamide
sliding layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018042324A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018150528A (ja
Inventor
治彦 日紫喜
徹也 小川
健治 二村
絵里奈 安田
大樹 小早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Metal Co Ltd
Sumico Lubricant Co Ltd
Original Assignee
Daido Metal Co Ltd
Sumico Lubricant Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Metal Co Ltd, Sumico Lubricant Co Ltd filed Critical Daido Metal Co Ltd
Publication of JP2018150528A publication Critical patent/JP2018150528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6973708B2 publication Critical patent/JP6973708B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Lubricants (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材に関する。
従来、自動車エンジン用軸受等のすべり軸受等の摺動部材においては、金属層上に、固体潤滑剤を含有した摺動層を被覆形成することにより、耐摩耗性・非焼付性・初期なじみ性の向上を図ることが行われている。
例えば、特許文献1や特許文献2等に示されるように、円筒形状の内周面を有する基材の表面に、ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)、ポリイミド樹脂(PI樹脂)、エポキシ樹脂(EP樹脂)等の熱硬化性樹脂に固体潤滑剤等を含有した摺動層を被覆形成することにより、耐摩耗性、非焼付性、初期なじみ性の向上を図ることが行われている。また、特許文献3に示されるように、保護層を、固体潤滑剤と、極性溶媒に可溶な熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂とにより構成して、なじみ性を維持しつつ、早期の耐摩耗性の向上を図ることが行われている。
また、すべり軸受使用時において、潤滑油中でキャビティー(気泡)が発生し、その結果、軸受表面にエロージョンが発生する現象がある。これは、潤滑油中に発生したキャビティーが高い圧力のもとで崩壊し、崩壊時のエネルギーが軸受表面を侵蝕的に破壊させる現象である。その対策として、摺動層の材料強度を上げることにより耐キャビテーション性を向上させる提案がなされており、例えば特許文献4には、ポリベンゾイミダゾール樹脂(PBI樹脂)に固体潤滑剤等を含ませた摺動層を設けることで、耐摩耗性、非焼付性、耐キャビテーション性の向上を図ることが行われている。さらに、特許文献5には、鉛を含む固体潤滑剤と、PAI樹脂、PI樹脂、EP樹脂、及びPBI樹脂の少なくとも1種からなる樹脂バインダーとにより、摺動特性を改善させる提案がなされている。
近年、内燃機関の高出力及び高回転による高性能化、高荷重化の要求は増々高まっており、その要求に対してすべり軸受等の摺動部材の軸受性能をさらに向上させることが望まれている。
特開平4−83914号公報 特開平9−79262号公報 特開2001−343022号公報 特開2004−19758号公報 特開2003−56566号公報
本発明は、上述した従来の実情に鑑みて提案されたものであり、乾性潤滑被膜により摺動層を形成した摺動部材において、その摺動層の摺動特性をより向上させることができる乾性潤滑被膜組成物、及びその摺動部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、摺動層を特定の構造を有するポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤とを含む乾性潤滑被膜により構成することにより、摺動特性をより向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として含み、該バインダー樹脂と固体潤滑剤とを含有する、乾性潤滑被膜組成物である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記固体潤滑剤の含有量が、全固形分に対して15質量%〜75質量%である、乾性潤滑被膜組成物である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記固体潤滑剤が、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、二硫化タングステン、窒化ホウ素、及びグラフェンから選ばれる1種以上である、乾性潤滑被膜組成物である。
(4)本発明の第4の発明は、基材の表面に摺動層を備える摺動部材であって、前記摺動層は、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤とを含む乾性潤滑被膜により構成されている、摺動部材である。
(5)本発明の第5の発明は、第4の発明において、前記摺動層は、摺動層表面粗さがRa1.5μm以下である、摺動部材である。
(6)本発明の第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記摺動層は、摺動層膜厚が1μm〜30μmである、摺動部材である。
本発明によれば、摺動特性がより向上した摺動層を形成することができる乾性潤滑被膜組成物を提供することができる。また、その乾性潤滑被膜組成物を用いて形成される乾性潤滑被膜により基材の表面に摺動層を構成した摺動部材によれば、安定的に、より優れた摺動特性を発揮させることができる。
すべり軸受の構成を示す断面図である。 実施例1〜3、比較例1〜5の乾性潤滑被膜組成物により形成された乾性潤滑被膜についてのトルク測定結果を示すグラフ図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお本発明は、その要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更することができる。また、本明細書にて、「x〜y」(x、yは任意の数値)の表記は、特に断らない限り「x以上y以下」の意味である。
≪1.乾性潤滑被膜組成物≫
本実施の形態に係る乾性潤滑被膜組成物は、例えば、基材の表面に摺動層を備える摺動部材において、その摺動層を構成する乾性潤滑被膜を形成するためのものであり、いわゆる乾性潤滑被膜形成用塗料である。なお、摺動層をその表面上に形成させる基材としては、例えば鋼製の基材が挙げられる。
具体的に、この乾性潤滑被膜組成物は、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として含み、そのバインダー樹脂と、固体潤滑剤とを含有している。なお、乾性潤滑被膜組成物においては、バインダー樹脂、固体潤滑剤等の成分が、有機溶剤により希釈されている。
<1−1.構成成分について>
[バインダー樹脂]
乾性潤滑被膜組成物は、バインダー樹脂として、ポリアミド樹脂を含有する。このポリアミド樹脂は、下記化学式(1)に示すように、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂である。
Figure 0006973708
ポリアミドイミド樹脂は、ポリイミド樹脂の主鎖にアミド結合を導入した樹脂であり、摺動特性に優れている。また、耐熱性にも優れており、熱成形が可能で、良好な機械的強度、耐薬品性、電気特性を奏する。
このようなポリアミドイミド樹脂の中でも、化学式(1)に示すように、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として用い、後述する固体潤滑剤を分散させることで、摺動時にトルクを有効に低減させ低い摩擦係数を示し、より優れた摺動特性を発揮させることができる。
ここで、従来、ポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として固体潤滑剤を分散させた乾性潤滑被膜組成物が種々提案されている。ところが、本発明者らは、そのようなポリアミドイミド樹脂を含む組成物に比べて、特に、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として用いることにより、得られる乾性潤滑被膜の摩擦係数がより低減され、すべり軸受等の摺動部材の摺動層を構成したときトルクを有効に減少させることができることを見出した。
このように、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として用いることによって優れた低摩擦性の効果を発現するメカニズムは定かではないが、以下のように推測される。すなわち、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂では、そのジフェニルエーテルの分子内におけるエーテル結合(−C−O−C−)が酸素原子に隣接水素が存在しない結合であるため回転エネルギーが小さく自由回転性に富み、したがって、弾性変形しやすく柔軟性を有する。これにより、このポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として含む潤滑被膜は、摺動による応力を緩和し、その結果として安定的に低い摩擦係数が得られると推測される。
なお、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂としては、特には限定されず、市販されているものを有効に適用することができる。
ポリアミドイミド樹脂の含有量としては、特には限定されないが、当該乾性潤滑被膜組成物に含まれる全固形分に対して、10質量%〜60質量%程度であることが好ましく、20質量%〜50質量%程度であることがより好ましい。ポリアミドイミド樹脂の含有量が、全固形分に対して10質量%未満であると、摺動性の向上効果が十分に得られない可能性があり、また摩耗量が増加することがある。一方で、60質量%を超えると、後述する固体潤滑剤との比率(P/B)が相対的に減少し、摩擦低減効果が得られない可能性がある。
また、バインダー樹脂として、さらにポリアミド樹脂を含んでいてもよい。ポリアミド樹脂は、ナイロンとも呼ばれ、アミド結合によって形成されるポリマーの総称であり、主として直鎖脂肪族ポリアミド構造をはじめとする種々のモノマーから合成されたものである。ラクタムあるいはアミノカルボン酸重合や、ジアミンとジカルボン酸の重合により得られる直鎖脂肪族ポリアミド以外にも、非晶性芳香族含有透明ポリアミドや、変性ポリオレフィンの混合物、あるいはグラフト重合ポリアミドや、ポリエーテルあるいはポリエステルをソフトセグメントとするポリアミドエラストマー等が挙げられる。
ここで、乾性潤滑被膜組成物を構成するバインダー樹脂においては、その構造中におけるポリアミドイミド樹脂に由来する残基であるジフェニルエーテルの構造の含有比率が、バインダー樹脂の構造のすべての酸基及び残基に対して20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。このように、バインダー樹脂の構造中におけるポリアミドイミド樹脂に由来するジフェニルエーテルの構造の含有比率が20%以上であることにより、より効果的に、トルクの低減効果を発揮させることができ、摺動時における摺動特性を向上させる。
このようなジフェニルエーテルの構造の含有比率については、乾性潤滑被膜組成物を用いて形成される乾性潤滑被膜をサンプリングし、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析により、熱分解して得られる分解物のピーク面積の割合から算出することができる。
なお、バインダー樹脂の構造中におけるジフェニルエーテルの構造の含有比率の上限値は、70%以下であることが好ましい。
ポリアミド樹脂の含有量としては、特に限定されないが、当該乾性潤滑被膜組成物に含まれる全固形分に対して、1質量%〜30質量%程度とすることが好ましい。
[固体潤滑剤]
乾性潤滑被膜組成物においては、固体潤滑剤を含有する。このように、固体潤滑剤が含まれていることにより、形成される乾性潤滑被膜の摩擦係数を小さくすることができ、優れた摺動特性を発揮する。また、非焼付性を向上させることもできる。
固体潤滑剤としては、特には限定されず、例えば、二硫化モリブデン(MoS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、グラファイト、二硫化タングステン(WS)、窒化ホウ素(BN)、グラフェン等が挙げられる。その中でも、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、及び二硫化タングステンから選ばれる固体潤滑剤を用いることが、より優れた低摩擦性を発揮し、また化学的安定性に優れるという点から、特に好ましい。これらの固体潤滑剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
固体潤滑剤の含有量としては、特には限定されないが、当該乾性潤滑被膜組成物に含まれる全固形分に対して、15質量%〜75質量%程度であることが好ましく、25質量%〜65質量%程度であることがより好ましい。固体潤滑剤の含有量が、全固形分に対して15質量%未満であると、摩擦低減効果が十分に発揮されない可能性がある。一方で、75質量%を超えると、形成される乾性潤滑被膜の摩耗量が多くなり、優れた耐摩耗性が発揮されない可能性がある。
また、上述したバインダー樹脂(B)と固体潤滑剤(P)との含有比率(P/B)としては、0.5〜5.0の範囲であることが好ましく、1.0〜4.5の範囲であることがより好ましく、1.5〜3.5の範囲であることが特に好ましい。なお、含有比率とは、バインダー樹脂(B)と固体潤滑剤(P)との質量比の値をいう。
[有機溶剤]
有機溶剤は、例えばバインダー樹脂を溶解させるためのものである。有機溶剤としては、特には限定されないが、使用するバインダー樹脂に対する溶解力、乾燥性等を考慮して選定することが好ましい。具体的には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、シクロペンタノン等の有機溶剤が挙げられる。有機溶剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
[その他]
なお、乾性潤滑被膜組成物においては、必要に応じて、種々の添加剤成分を含有させることができる。具体的には、例えば、充填剤、沈降防止剤、湿潤分散剤、消泡剤、表面調整剤等の添加剤を使用することができる。
例えば充填剤としては、フッ化カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ムライト、リン酸カルシウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化シリコン、酸化マグネシウムなどの酸化物、モリブデンカーバイド、炭化ケイ素などの炭化物、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素(立方晶窒化ホウ素)、ダイヤモンド等が挙げられる。これらの充填剤は、1種単独で、あるいは2種以上を併せて用いることができる。
また、バインダー樹脂として、上述したポリアミドイミド樹脂に、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の熱可塑性樹脂など、他の樹脂を含有させるようにしてもよい。
<1−2.乾性潤滑被膜組成物の製造方法>
本実施の形態に係る乾性潤滑被膜組成物の製造方法としては、特には限定されず、従来公知の方法により製造することができる。
具体的には、固形成分であるバインダー樹脂(ポリアミドイミド樹脂を含有)と、固体潤滑剤と、揮発成分である有機溶剤とを、所定の割合となるように配合させ混練することによって製造することができる。このとき、有機溶剤により均一溶解させたバインダー樹脂中に、固体潤滑剤が均一に分散した状態とすることが重要となる。
例えば、この乾性潤滑被膜組成物の製造方法としては、先ず、各成分を所定量秤量し、次に、撹拌容器内に有機溶剤を投入し、その後、バインダー樹脂、固体潤滑剤を投入して、これらの材料が均一に溶解するまでディゾルバー型撹拌機やボールミル等の撹拌機により撹拌する。その後、サンドミル型、三本ロール型等の分散機を用いて、バインダー樹脂中に固体潤滑剤を均一に分散させる分散処理を実施する。なお、分散後に有機溶剤を添加することで希釈して組成物としてもよい。
≪2.摺動部材≫
図1は、本実施の形態に係る摺動部材であるすべり軸受の構成を示す断面図である。図1に示すように、すべり軸受1は、裏金13の表面に接合された、例えば銅系合金、アルミニウム系合金等から構成される基材11の表面に、摺動層12が設けられた構成を有している。
なお、例えば銅系合金やアルミニウム系合金等から構成される基材11は、マイクロビッカース硬度計で測定されるビッカース硬度が30以上のものを用いることができる。
そして、すべり軸受1においては、摺動層12が、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤とを含む乾性潤滑被膜により構成されていることを特徴としている。このようなすべり軸受1では、従来に比して有効にトルクが減少して低い摩擦性を示し、摺動層12において優れた摺動特性を発揮する。
ここで、摺動層12においては、摺動層表面粗さが粗いと油膜切れが生じやすく、また、摺動層表面と相手軸とが接触しやすくなって、摩擦による発熱によって焼付きが生じやすくなる。このことから、摺動層表面粗さとしては、Ra1.5μm以下であることが好ましい。摺動層表面粗さがRa1.5μm以下であることにより、摺動層表面に油が供給されて油膜が形成されやすくなり、焼付きが生じ難くなる。また、摺動層表面粗さとしては、Ra1.0μm以下であることがより好ましく、Ra0.5μm以下であることがさらに好ましい。
また、摺動層12においては、摺動層膜厚が1μm〜30μmであることが好ましい。例えば、内燃機関用軸受のように、摺動する相手軸に撓みや振動が起こるような条件では、摺動層と相手軸との局部的な接触を起こしやすい。このとき、接触する箇所において、摺動層が塑性変形、弾性変形、又は摩耗することにより、局部的な負荷の上昇が緩和されて、発熱による摺動層の材料低下が起こらず、焼付が発生しにくくなる。このような局部的な負荷の上昇を緩和する観点から、摺動層12の厚さとしては1μm〜30μmであることが好ましい。
また、摺動層12においては、さらに必要に応じて、硬質粒子、軟質金属粒子等を含有させることができる。硬質粒子として、例えば、窒化珪素(Si)等の窒化物、酸化アルミニウム(Al)、酸化珪素(SiO)、酸化チタン(TiO)等の酸化物、炭化珪素(SiC)等の炭化物などを用いることができる。また、軟質金属粒子として、銅、銀、金、アルミニウム、錫、亜鉛、ビスマス等、及びこれらの合金などを用いることができる。
摺動層12は、基材11の表面に、上述した乾性潤滑被膜組成物を塗布して乾性潤滑被膜を形成させることによって構成することができる。乾性潤滑被膜組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、エアースプレー塗布により行うことができる。また、浸漬(ディッピング)塗布、刷毛塗り、吹付けによるタンブリング、スクリーン印刷等の手法により行うようにしてもよい。これらの塗布方法の選択は、基材11の表面形状等に応じて適宜決定することができる。
このように、基材11の表面に乾性潤滑被膜組成物を塗布した後、乾燥処理を施し、150℃〜300℃程度の温度で焼成することによって、乾性潤滑被膜により構成される摺動層12を形成することができる。なお、乾性潤滑被膜組成物を基材11に塗布するに先立ち、脱脂処理や、乾性潤滑被膜の密着性を高めるための表面処理、あるいは洗浄処理等を行うことができる。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪実施例、比較例について≫
[実施例1]
(乾性潤滑被膜組成物の調製)
バインダー樹脂として、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂(PAI)(区別のため「PAI[1]」と記載する)とポリアミド樹脂(PA)とを用い、固体潤滑剤として二硫化モリブデンを、体質顔料として炭酸カルシウムを用いて、下記表1に示すようにそれぞれ秤量し、有機溶剤と共にボールミルに投入して混合撹拌することによって、バインダー樹脂に固体潤滑剤が分散した乾性潤滑被膜組成物(乾性潤滑被膜形成用塗料)を調製した。なお、有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンと、キシレンとエチルベンゼンとを40:60の割合で含む溶剤(キシロール,三協化学社製)とを用いた。
(すべり軸受の作製)
次に、裏金となる鋼板上に銅系軸受金属層を接合して、これを円筒形状に加工した後、脱脂処理を施し、続いて軸受金属層の表面をブラスト加工により粗面化した。さらに、酸洗・湯洗、乾燥を行った後、その軸受金属層の表面に対して、調製した乾性潤滑被膜形成用塗料をエアースプレーで吹き付けて塗布した。その後、組成物中に含まれる有機溶剤を乾燥により除去し、240℃で30分間焼成した。これにより、軸受金属層の表面に乾性潤滑被膜により構成される摺動層を形成させた。なお、摺動層の厚さ(摺動層膜厚)としては10μmとなるようにした。
[実施例2]
実施例2では、下記表1に示すように、バインダー樹脂(B)と固体潤滑剤(P)との比率(P/B)を変更したこと以外は、実施例1と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[実施例3]
実施例3では、下記表1に示すように、バインダー樹脂としてジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂(PAI[1])のみから構成されるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[比較例1]
比較例1では、下記表1に示すように、バインダー樹脂として、ジフェニルメタンを残基とするポリアミドイミド樹脂(区別のため「PAI[2]」と記載する)とポリアミド樹脂とから構成されるものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[比較例2]
比較例2では、下記表1に示すように、バインダー樹脂として、ジフェニルメタンを残基とするポリアミドイミド樹脂とポリアミド樹脂(PAI[2])とから構成されるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[比較例3]
比較例3では、下記表1に示すように、バインダー樹脂として、ジフェニルメタンを残基とするポリアミドイミド樹脂とポリアミド樹脂(区別のため「PAI[3]」と記載する)とから構成されるものを用いたこと以外は、実施例2と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[比較例4]
比較例4では、下記表1に示すように、バインダー樹脂として、ジフェニルメタンを残基とするポリアミドイミド樹脂(PAI[2])のみから構成されるものを用いたこと以外は、実施例3と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[比較例5]
比較例5では、下記表1に示すように、バインダー樹脂として、ジフェニルメタンを残基とするポリアミドイミド樹脂(PAI[3])のみから構成されるものを用いたこと以外は、実施例3と同様にして乾性潤滑被膜組成物を調製した。また同様に、その乾性潤滑被膜組成物を塗布して形成した摺動層を有するすべり軸受を作製した。
[評価]
(トルク測定)
実施例1〜3、比較例1〜5のそれぞれのすべり軸受について、トルク試験機を用いたトルク測定試験を行った。試験条件は以下の通りである。
回転数 :70rpm、700rpm
試験面圧 :10MPa
試験時間 :6時間
潤滑油種 :VG22
潤滑油流量 :200cc/min
潤滑油温度 :80℃
軸材質 :S55C
(硬度測定)
実施例1〜3、比較例1〜5のそれぞれで調製した乾性潤滑被膜組成物による乾性潤滑被膜の硬度について、ダイナミック超微小硬度計(DUH−211S,島津製作所社製)を用いて測定した。試験条件は以下の通りである。
試験モード :負荷・除荷試験
最大負荷 :1.5mN
負荷保持時間 :10秒
除荷保持時間 :5秒
[結果]
下記表1に、実施例1〜3、比較例1〜5のそれぞれで調製した乾性潤滑被膜組成物の組成と、形成された乾性潤滑被膜のトルク測定、硬度測定の結果を併せて示す。また、図2に、各実施例、比較例における回転数70rpmと700rpmでのトルク測定結果をグラフ化した。なお、回転数700rpmのトルク測定は、実施例1〜3及び比較例1の乾性潤滑被膜に対して行い、比較例2〜5では不実施(−)である。
Figure 0006973708
表1、図2の結果に示すように、回転数700rpm、70rpmのトルク測定において、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂を含むバインダー樹脂を用いた実施例1〜3の摺動層では、そのトルク値が有効に低減され、低摩擦性を示した。
硬度測定の結果によれば、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂を含むバインダー樹脂を用いた実施例1〜3の摺動層において、その硬度が比較的低くなることが分かった。
≪熱分解ガスクロマトグラフ質量分析による評価≫
上述した実施例2、3、比較例2、3のそれぞれで調製した乾性潤滑被膜組成物による被膜について熱分解ガスクロマトグラフによって質量分析を行った。
具体的には、基材である150mm×100mm×0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SB)上に、ドライ状態の膜厚が約10μmとなるように、乾性潤滑被膜組成物をエアースプレーで吹き付けて塗布した。その後、組成物中に含まれる有機溶剤を乾燥により除去し、240℃で30分間焼成し、基材上に乾性潤滑被膜を形成させた。
次に、乾性潤滑被膜を薬さじで掻き取ってサンプリングし、被膜片(0.5mg)をパイルホイルに包んで、キュリーポイントインジェクターにセットし、670℃に急速加熱して分解ガスを採取した。そして、分解ガスを、質量分析計(MS)を備えたガスクロマトグラフ(ガスクロマトグラフ質量分析計:GC−MS)に導入した。温度条件として、50℃〜320℃まで昇温(10℃/min)し、320℃で13分間保持して成分検出を行った。なお、ガスクロマトグラフ装置としては、GCオーブンにアジレント・テクノロジー社製の6890Aを使用し、質量分析計にアジレント・テクノロジー社製の5973Nを使用し、熱分解装置に日本分析工業社製のJCI−22を使用した。
分析の結果、バインダー樹脂として含まれるポリアミドイミド樹脂の骨格構造のタイプ(ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン)によって、得られる分解物のピークが異なる結果となった。そこで、各実施例、比較例の熱分析結果から、ポリアミドイミド樹脂の骨格構造中の残基(ジフェニルエーテル、ジフェニルエタン)、酸基(N−フェニルフタルイミド、N−(4−メチルフェニル)フタルイミド)のそれぞれの分解物のピーク面積を求め、ポリアミドイミド樹脂の残基(残基の分解物:ジイソシアネート分解物)のピーク面積割合(残基及び酸基のすべてのピーク面積に対する割合)を算出した。下記表2に、各実施例、比較例における、分解物の構造式とそれぞれのピーク面積の測定結果を示す。なお、表2には、乾性潤滑被膜のトルク測定(70rpm)の結果も併せて示す。
なお、参考例1〜4として、残基であるジフェニルエーテルの構造の含有比率を調整したバインダー樹脂を用いて乾性潤滑被膜組成物を調製し、その組成物による乾性潤滑被膜について同様にして熱分解ガスクロマトグラフ質量分析を行って分解物のピーク面積割合を算出し、また、その乾性潤滑被膜のトルク測定(70rpm)を行った。
Figure 0006973708
GC−MS分析の結果、実施例2、3の乾性潤滑被膜からは、分解物として、バインダー樹脂であるポリアミドイミド樹脂を構成する残基であるジフェニルエーテルと、酸基であるN−フェニルフタルイミドが検出された。一方で、比較例2、3の乾性潤滑被膜からは、分解物として、バインダー樹脂であるポリアミドイミド樹脂を構成する残基であるジフェニルメタンと、酸基であるN−フェニルフタルイミド及びN−(4−メチルフェニル)フタルイミドが検出された。
このGC−MS分析に関する結果と、表1に示す結果とから、乾性潤滑被膜を形成させた摺動層のトルクの低減効果の発現は、バインダー樹脂の残基の構造の違いに由来すると推測することができる。すなわち、バインダー樹脂に由来するジフェニルエーテルの構造が、低トルク値を発現させ、摩擦係数を有効に低減させることが分かった。
また、参考例1〜4の結果から、好ましくはジフェニルエーテル構造の含有比率がおよそ20%以上のバインダー樹脂を用いた乾性潤滑被膜組成物によれば、その乾性潤滑被膜のトルク値がより効果的に低減し、より一層優れた摺動特性を発揮することが分かった。
≪接触角の評価≫
上述した実施例2、3、比較例2、3のそれぞれで調製した乾性潤滑被膜組成物を用い、基材である150mm×100mm×0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC−SB)上に、ドライ状態の膜厚が約10μmとなるように、エアースプレーで吹き付けて塗布した。その後、組成物中に含まれる有機溶剤を乾燥により除去し、240℃で30分間焼成し、基材上に乾性潤滑被膜を形成させてテストピースを作製した。
作製したテストピースを用いて、液滴法により鉱物油(スーパーオイルB−100,JXTGエネルギー社製)との静的接触角を測定した。なお、接触角の測定は、接触角計(DMs−401,協和界面科学社製)を用いて行った。下記表3に、その測定結果(5測定値の平均(n=5))を示す。
Figure 0006973708
表3に示されるように、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂を含むバインダー樹脂を用いた実施例2、3による乾性潤滑被膜では、比較例2、3に比べて、オイルに対する接触角が小さいことが認められた。つまり、実施例2、3にて作製した乾性潤滑被膜では、オイルとの馴染み性が高いことが分かった。この接触角評価に関する結果と、表1に示す結果とから、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂を含むバインダー樹脂を用いた乾性潤滑被膜組成物による被膜では、オイルとの馴染み性が高いために低トルクを発現することができたと推測することができる。
11 基材
12 摺動層
13 裏金

Claims (8)

  1. ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として含み、該バインダー樹脂と固体潤滑剤とを含有し、
    前記ポリアミドイミド樹脂に由来する残基であるジフェニルエーテルの構造の含有比率が、前記バインダー樹脂の構造のすべての酸基及び残基に対して20%以上である
    乾性潤滑被膜組成物。
  2. 前記バインダー樹脂として、さらにポリアミド樹脂を含有する
    請求項1に記載の乾性潤滑被膜組成物。
  3. さらに充填剤として炭酸カルシウムを含有する
    請求項1又は2に記載の乾性潤滑被膜組成物。
  4. 前記固体潤滑剤の含有量が、全固形分に対して15質量%〜75質量%である
    請求項1乃至3のいずれかに記載の乾性潤滑被膜組成物。
  5. 前記固体潤滑剤が、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、グラファイト、二硫化タングステン、窒化ホウ素、及びグラフェンから選ばれる1種以上である
    請求項1乃至4のいずれかに記載の乾性潤滑被膜組成物。
  6. 基材の表面に摺動層を備える摺動部材であって、
    前記摺動層は、ジフェニルエーテルを残基とするポリアミドイミド樹脂と、固体潤滑剤とを含む乾性潤滑被膜により構成されており、
    前記ポリアミドイミド樹脂に由来する残基であるジフェニルエーテルの構造の含有比率が、前記摺動層を構成するバインダー樹脂の構造のすべての酸基及び残基に対して20%以上である
    摺動部材。
  7. 前記摺動層は、摺動層表面粗さがRa1.5μm以下である
    請求項に記載の摺動部材。
  8. 前記摺動層は、摺動層膜厚が1μm〜30μmである
    請求項6又は7に記載の摺動部材。
JP2018042324A 2017-03-09 2018-03-08 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材 Active JP6973708B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017045452 2017-03-09
JP2017045452 2017-03-09

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018150528A JP2018150528A (ja) 2018-09-27
JP6973708B2 true JP6973708B2 (ja) 2021-12-01

Family

ID=63681452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018042324A Active JP6973708B2 (ja) 2017-03-09 2018-03-08 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6973708B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109777577B (zh) * 2019-02-25 2021-11-09 周旗 一种基于硅氧烷改性石墨烯的润滑油及其制备方法
CN111609038A (zh) * 2020-04-26 2020-09-01 华泰汽车配件工业(南平)有限公司 一种石墨烯基轴瓦复合涂层及轴瓦
CN113956785A (zh) * 2021-09-23 2022-01-21 江苏高润新材料有限公司 一种环保型固体润滑涂层及制备使用方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5840045B2 (ja) * 1979-07-19 1983-09-02 株式会社 竹中製作所 耐蝕性に優れたボルト、ナツト又はワツシヤ−の製造方法
JPS57102949A (en) * 1980-12-19 1982-06-26 Toray Ind Inc Sliding material
JPH01203463A (ja) * 1988-02-08 1989-08-16 Toray Ind Inc 成形用耐摩耗性ポリアミドイミド樹脂組成物
JP4420940B2 (ja) * 2007-06-15 2010-02-24 大同メタル工業株式会社 乾性潤滑被膜組成物及び該乾性潤滑被膜組成物を摺動層としたすべり軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018150528A (ja) 2018-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4932884B2 (ja) 摺動部材用被膜組成物
JP4420940B2 (ja) 乾性潤滑被膜組成物及び該乾性潤滑被膜組成物を摺動層としたすべり軸受
JP4650893B2 (ja) すべり軸受
JP5199670B2 (ja) 被覆された摺動面を有するピストンリング並びに被覆剤
JP6973708B2 (ja) 乾性潤滑被膜組成物、及びその乾性潤滑被膜組成物により摺動層を構成した摺動部材
JP5060223B2 (ja) 内燃機関用ピストン
WO2013047800A1 (ja) しゅう動部材及びしゅう動材料組成物
US9062769B2 (en) Piston ring and piston device
JP2002242933A (ja) すべり軸受及びその製造方法
JP6867266B2 (ja) 摺動部材
JP4767234B2 (ja) 摺動用被覆構造
JP2003278757A (ja) すべり軸受及びその製造方法
JP2004019758A (ja) すべり軸受
JP2007269936A (ja) 乾性潤滑被膜組成物
WO2004072499A1 (ja) すべり軸受
JP4634093B2 (ja) 摺動部材用組成物
JP6211924B2 (ja) 摺動用樹脂組成物
JP5897961B2 (ja) すべり軸受
JP7146833B2 (ja) 乾性潤滑被膜形成用の塗料組成物、乾性潤滑被膜、及び摺動部材
JP4490119B2 (ja) 乾性潤滑被膜形成用組成物
JP3927358B2 (ja) 摺動部材用組成物
JP2014149085A (ja) ピストンリング
JP2012111815A (ja) 乾性潤滑被膜形成用樹脂組成物
JP5816121B2 (ja) すべり軸受とその製造方法
JP2004010707A (ja) 摺動用被覆組成物及び摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20180410

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180530

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211020

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6973708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150