JP5560902B2 - 車両の警報音発生装置 - Google Patents
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Description
電動機のみで走行する電気走行(EV)モードと、エンジンおよび電動モータからの動力で走行するハイブリッド走行(HEV)モードとを使い分けるパラレル型ハイブリッド車両や、
エンジンで発電された電力により駆動される電動モータを動力源とするシリーズ型ハイブリッド車両などの電動車両にあっては、
運転音や走行音の静かさを追求する故に、車外周辺に人が多い市街地を低速している場合など所定の条件では、車両の存在や、シフト操作などによる運転者の意図や、車両の進行方向(前進または後退)や、車速を含む走行状態などの車両情報を、車外へ警報音として発し、車外周辺の人に車両情報を警報しなければならない場合がある。
この提案技術は、スピーカやブザーなどの警報音発生源を設け、警報音を発生させるべき所定の条件が成立している間、この警報音発生源を作動させることにより車外周辺の人に向け警報音を発するものである。
運転状況によってはエンジンが高速(または大トルク)で運転させる必要があるものの、基本的にはハイブリッド車両の環境性や静粛性を追求して、排気や音振を考慮しながら出来るだけ静かな運転領域を使ってエンジンを運転させることが多い。
そのため、エンジンおよび電動モータからのエネルギーを用いて走行可能なハイブリッド車両に、上記した従来の警報音発生装置をそのまま用いる場合、以下に説明するように更なる改良の余地が残されている。
そして、当該警報音発生条件の成立中にエンジンが運転されている場合、車外周辺の人は上記の警報音とエンジン音との双方から車両情報を得る。
そして警報音発生条件が成立するような走行条件では大抵の場合できるだけ静かな運転点でエンジンを運転させることになるため、
当該警報音発生条件の成立中において車外周辺の人はエンジン音から車両情報の多くを期待できない。
警報音発生条件の成立中であっても警報音を発生させないことから、上記の問題が看過できない問題となる。
エンジン最適燃費運転点では、エンジン回転数が静寂運転点での回転数より高くて、エンジン音が、静寂運転点でのエンジン音よりも大きくなる。
これにより大きくなったエンジン音により車外周辺の人が確実に車両情報を得ることができるようになる上に、
エンジン運転点がエンジン静寂運転点からエンジン最適燃費運転点に近づいて、エンジン静寂運転点での運転時よりもエンジンの燃費が良くなり、
これらの点において改善の余地がある。
本発明の警報音発生装置は、エンジンおよび電動モータからのエネルギーを用いて走行可能な車両に用いられ、
所定の警報音発生条件が成立している間、警報音を発生可能にして車外周辺の人に車両情報を発信し得るようにした警報音発生装置を要旨構成の基礎前提とする。
上記警報音発生条件が成立している間、該警報音発生条件が成立していない間に較べ、エンジン音が大きくなるよう上記エンジンの運転状態を変更させ、上記警報音発生条件が成立している時におけるエンジン音の大きさと、上記警報音発生条件が成立していない時におけるエンジン音の大きさとの差を、高車速ほど大きくするエンジン運転状態変更手段を設けた構成に特徴づけられるものである。
この間エンジン運転中であれば、車外周辺の人はエンジン音からも車両情報を得ることができる。
警報音発生条件が成立している間、大きくなったエンジン音により車外周辺の人が確実に車両情報を得ることができるようになる上に、エンジンがエンジン静寂運転点よりも燃費の良い運転点で運転されることとなって燃費も改善させることができる。
しかも本発明では、警報音発生条件が成立している時におけるエンジン音の大きさと、警報音発生条件が成立していない時におけるエンジン音の大きさとの差を、高車速ほど大きくするため、
エンジン音に対する許容度が大きい高車速ほどエンジン音を大きくすることとなり、高車速走行時は当該大きなエンジン音により、違和感を与えることなく上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
<構成>
図1は、本発明の一実施例になる車両の警報音発生装置を示し、特に警報音発生源である車外スピーカ1の制御システム図である。
かようにエンジン2を発電専用とするのではなく、これを電動モータ3と共に走行動力源として用いるようシステムを構築し、電動モータ3のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジン2および電動モータ3からの動力で走行するハイブリッド走行(HEV)モードとを使い分けるパラレル型ハイブリッド車両であってもよい。
これら制御システム4,5はそれぞれ、運転者がイグニッションスイッチ6をONにしている間、起動状態にされているものとする。
そしてエンジン運転制御システム4は、バッテリが充電不要な状態、または充電不能な状態であると判定するとき、エンジン2を停止させておき、バッテリが充電可能状態で、且つ充電要求状態であると判定するとき、エンジン2を運転させるよう機能する。
そのため警報音コントローラ11には、運転者が駐停車および走行方向を指令するために行うシフト(レンジセレクト)操作に応動して、選択レンジが駐車(P)レンジ、後退(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進(D)レンジの何れであるのかを検知するレンジセンサ12からの信号を入力する。
車速VSPを検出する車速センサ13からの信号と、
ブレーキペダルの踏み込んだ制動状態でONとなり、ブレーキペダルを釈放した非制動状態でOFFとなるブレーキスイッチ14からの信号と、
警報音コントローラ11による車外スピーカ1のON,OFF制御が行われるように指令するか、この車外スピーカ1を非作動に保って警報音が発生されないように指令するために運転者が操作する警報音コントローラスイッチ15からの信号と、
エンジン運転制御システム4およびモータ走行制御システム5を起動状態にする前記イグニッションスイッチ6からの信号とを入力する。
図1の警報音コントローラ11は、イグニッションスイッチ6のON以降、図2の制御プログラムを例えば10msecごとの定時割り込みにより繰り返し実行して、以下のごとくに車外周辺の人に対し車両の存在や、シフト操作、ブレーキ操作などによる運転者の意図や、車両の進行方向や、車速を含む走行状態などの車両情報を警報する。
警報音コントローラスイッチ15がONでなければ、運転者が住宅地走行などのため、車外スピーカ1からの警報音の発生を希望していないことから、この要求に叶うよう制御を順次ステップS31、ステップS12、ステップS13およびステップS14に進める。
かように警報音コントローラ11からエンジン運転制御システム4へのエンジン運転状態変更指令がない場合、エンジン運転制御システム4はエンジン2の運転制御に際し、通常通り以下のごとくに当該運転制御を行う。
発電パワーが例えばPw2である場合、エンジン運転制御システム4は当該Pw2の等発電パワー線と静粛運転線との交点A2をエンジン運転点とし、この点A2でエンジン2を静粛運転させるよう制御する。
エンジン最適燃費運転点では、エンジン回転数が静寂運転点での回転数より高くて、エンジン音が、静寂運転点でのエンジン音よりも大きくなる。
従って、エンジン静寂運転点での運転からエンジン回転数を上昇させれば、これにより増大するエンジン音から車外周辺の人が車両情報を入手し易くなる上に、エンジン運転点がエンジン最適燃費運転点に近づいて燃費の向上も果たし得る。
このエンジンオフタイマTENGOFFは、エンジン2の停止要求からの経過時間を計測するタイマである。
このエンジンオンタイマTENGONは、エンジン2の始動時に0にリセットされて、当該エンジン始動時からの経過時間を計測するタイマである。
その理由は、車速VSPが30km/h以上となる郊外走行中は車外スピーカ1からの警報音が実際上不要であり、またこの警報音はエンジン音に似せたエンジン疑似音にする案が有力であって、これが走行中継続的に発生し続けるようにすると、静寂走行が可能な車両でありながらそのメリットを乗員が享受できないためである。
図4(a),(b)の瞬時t4以降および瞬時t5以前におけるごとく車速VSPが30km/h以上である間、および図4(a),(b)の瞬時t1以前および瞬時t8以降におけるごとく車速VSPが0km/hであって、且つ発進準備が完了していない停車中は、車外スピーカ1のOFFにより警報音を発生させないようにする。
また図4(b)の停車瞬時t8においては、停車時に直ちに警報音を消失させると安全上好ましくないことから、車速VSPが0km/hになっても、10秒程度の設定時間中は車外スピーカ1のONを継続し、その後に車外スピーカ1のOFFにより警報音を消失させるようにするのがよい。
かように警報音コントローラ11からエンジン運転制御システム4へエンジン運転状態変更指令が送信される場合、エンジン運転制御システム4はエンジン2の運転制御に際し、エンジン運転状態が上記した通常の運転状態とは異なったものとなるよう、以下のごとくに当該運転制御を行う。
静粛運転点A1でのエンジン回転数Ne1よりも、例えば図3(a)のΔNeだけ高いエンジン回転数Ne2でエンジン2を運転させるよう制御して、大きなエンジン音が発生するようなエンジン運転状態にする。
ところで上記の上乗せエンジン回転数ΔNeは、これによるエンジン回転数Neの上昇で変更となった新しいエンジン運転点がエンジン最適燃費運転点に近づいて、変更前のエンジン静粛運転点A1での燃費よりも燃費を向上させることにも通じる。
この場合も、上記の上乗せ発電パワーΔPwは、これによるエンジン回転数の上昇ΔNeによって増大するエンジン音を車外周辺の人が確実に聞き取ることができるようにするのに必要な発電パワー増大量とし、高車速ほどエンジン音の大きさに対して許容度が高いこともあって、上乗せ発電パワーΔPwは例えば図3(c)に示すごとく車速VSPが高いほど大きくするのがよい。
ステップS16においては、図1におけるエンジン運転制御システム4から警報音コントローラ11へのエンジン運転制御情報を基に、バッテリ蓄電率の低下などによりエンジン運転条件が成立しているか否かをチェックする。
なおエンジン運転制御システム4は、当該エンジン運転条件が成立したとき、直ちにエンジン2を始動させてエンジン運転状態となす。
初回であるとき1回だけ実行されるステップS18およびステップS19のうち、ステップS18においてはエンジン停止許可フラグを0にし、ステップS19においてはエンジンオフタイマTENGOFFを0にリセットした後、制御をステップS20に進め、また初回でなければステップS18およびステップS19を実行することなく、そのまま制御をステップS20に進める。
エンジン停止許可フラグが0である間、警報音コントローラ11からエンジン運転制御システム4へエンジン停止許可信号を出力せず、この間エンジン運転制御システム4は上記エンジン運転条件の成立→不成立切り替えに呼応したエンジン2の停止要求を実行することなく、当該エンジン停止要求を無視してエンジン2を運転させ続けるものとする。
当初はTENGOFF=0のためTENGOFFが所定値ΔTOFF未満であることによって、順次ステップS21およびステップS22が選択される。
従ってエンジンオフタイマTENGOFFは、エンジン運転条件が成立しなくなって(エンジン2の停止要求が出力されて)からの経過時間を計測することとなり、ステップS20でエンジンオフタイマTENGOFFが所定値ΔTOFF未満か否かを判定するということは、エンジン運転条件が成立しなくなって(エンジン2の停止要求が出力されて)から所定時間ΔTOFF中であるか否かを判定することに同意である。
ステップS20でエンジンオフタイマTENGOFFが所定値ΔTOFF以上と判定するようになった時に、つまりエンジン運転条件が成立しなくなって(エンジン2の停止要求が出力されて)から所定時間ΔTOFFが経過した時に、制御は順次ステップS23、ステップS24およびステップS22に進むようになる。
ステップS23においては、エンジン停止許可フラグを1にセットし、ステップS24においては、エンジンオフタイマTENGOFFに上限値をセットする。
次にステップS22において、引き続き車外スピーカ1のONにより警報音が発生され続けるようにすることで、図4につき前述した警報音発生制御を実現する。
この時エンジン運転制御システム4は、前記エンジン運転条件の不成立に呼応したエンジン停止要求を実行して、エンジン2の運転を停止させる。
初回であるとき1回だけ実行されるステップS27においてエンジンオンタイマTENGONを0にリセットした後、制御をステップS28に進め、また初回でなければステップS27を実行することなく、そのまま制御をステップS28に進める。
当初はTENGON=0のためTENGONが所定値ΔTON未満であることによって、順次ステップS29およびステップS22が選択される。
従ってエンジンオンタイマTENGONは、エンジン運転条件の成立時(エンジン2の運転開始時)からの経過時間を計測することとなり、ステップS28でエンジンオンタイマTENGONが所定値ΔTON未満か否かを判定するということは、エンジン運転条件の成立時(エンジン2の運転開始時)から所定時間ΔTON中であるか否かを判定することに同意である。
ステップS28でエンジンオンタイマTENGONが所定値ΔTON以上と判定するようになった時に、つまりエンジン運転条件の成立時(エンジン2の運転開始時)から所定時間ΔTONが経過した時に、制御は順次ステップS13およびステップS14に進み、ステップS13でエンジンオンタイマTENGONに上限値をセットし、ステップS14で車外スピーカ1のOFFによりこれから警報音が発せられないようにする。
上記した図2による車外スピーカ1(警報音)のON,OFF制御を、図4(a),(b)の場合と同じ発進加速時および停車減速時の動作タイムチャートである図5(a),(b)に基づき以下に詳述する。
図5(a)の発進準備完了(警報音発生条件成立)瞬時t1に図2の制御プログラムは、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS17、ステップS20、ステップS21、ステップS22を含むループを選択し、ステップS32に実行により図1のエンジン運転状態変更指令を1にすると共に、ステップS22の実行により車外スピーカ1をONしてこれから警報音を発生させる。
なお、この瞬時t1まではエンジンオフタイマTENGOFFがステップS12で0にリセットされていたため、このエンジンオフタイマTENGOFFをインクリメントするステップS21は、瞬時t1からの経過時間を図5(a)の最下段に示すように計測することになるが、図5(a)の発進加速時に当該エンジンオフタイマTENGOFFを用いることはない。
かように、エンジン運転条件成立時t2に直ちにエンジン2を始動させることで、エンジン2に対するエネルギー要求を即座に満足させることができ、エネルギー応答の点で有利である。
2回目以後は、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS26、ステップS28、ステップS29、ステップS22を含むループを選択する。
この間、初回にステップS27で0にリセットされたエンジンオンタイマTENGONが、2回目以後ステップS29でインクリメントされることから、このエンジンオンタイマTENGONは図5(a)に示すごとく、エンジン始動瞬時t2からの経過時間を計測する。
図2の制御プログラムは、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS26、ステップS28、ステップS13、ステップS14を含むループを選択する。
ステップS14の実行により車外スピーカ1をOFFしてこれから警報音が発生されないようにする。
かように車外スピーカ1をOFFして警報音が発生しないようにしても、エンジン2が瞬時t2以降の運転により運転音を発生しているため、このエンジン音から車外周辺の人は車両情報を得ることができる。
エンジン運転状態の高速運転状態への変更は更に図3(a)につき前述した通り、エンジン2を前記した静粛運転点よりも燃費の良い運転点で運転させることとなり、燃費の改善をも実現することができる。
そして、高車速ではエンジン音に対する許容度が大きいことから、上記の上乗せエンジン回転数ΔNeを図3(b),(c)につき前述したごとく、車速VSPが高いほど大きくして、高車速ほどエンジン音を大きくしたため、高車速走行時において違和感を与えることなく上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
ステップS31の実行によりエンジン運転状態変更指令を0にリセットし、
ステップS12の実行によりエンジンオフタイマTENGOFFを図5(a)に示すごとく0にリセットし、
ステップS14の実行により車外スピーカ1を引き続きOFFして警報音を発生させないようにする。
かように、警報音発生条件不成立瞬時t4にエンジン回転数Neが通常(静粛)運転回転数へ復帰することで、警報音発生条件不成立中にエンジン音が高いままにされる違和感を回避することができる。
瞬時t2でエンジン始動によりエンジン音が発生するようになっても、警報音が引き続き発生されて、所定時間ΔTONのうちはエンジン音および警報音の双方が発生していることとなる。
従って、この無音期間の発生により車両情報を把握し難くなって車外周辺の人に、一旦車両が遠ざかったと勘違いさせるような違和感を与えるという問題を解消することができる。
また、先行する警報音による車両の動きと、後続するエンジン音による車両の動きとが一致し、車外周辺の人は違和感を持つことなく車両情報を継続的に得ることができる。
しかして未だ図1のエンジン運転制御システム4が図5(b)のエンジン運転指令によりエンジン2を運転させているため、エンジン音により車外周辺の人は車両情報を得ることができる。
しかし警報音発生条件成立瞬時t5に至ったところで、上記ループの切り替えによりステップS32が実行され、図1に示すように警報音コントローラ11からエンジン運転制御システム4へエンジン運転状態変更指令が送信されるようになるため、エンジン2が通常運転状態から高速運転状態へと状態切り替えされる。
なお、かかるエンジン回転数Neの上昇に当たっては、図5(b)の瞬時t5の直後におけるエンジン回転数Neの時系列変化βから明らかなように、エンジン回転数Neを所定の時間変化割合で徐々に上昇させることとし、これによりエンジン回転数Neおよびエンジン音の急変による違和感を防止するようになす。
エンジン運転状態の高速運転状態への変更は更に図3(a)につき前述した通り、エンジン2を前記した静粛運転点よりも燃費の良い運転点で運転させることとなり、燃費の改善をも実現することができる。
そして、高車速ではエンジン音に対する許容度が大きいことから、上記の上乗せエンジン回転数ΔNeを図3(b),(c)につき前述したごとく、車速VSPが高いほど大きくして、高車速ほどエンジン音を大きくしたため、高車速走行時において違和感を与えることなく上記の作用効果を更に顕著なものにすることができる。
このとき図2の制御プログラムは、初回に、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS17、ステップS18、ステップS19、ステップS20、ステップS21、ステップS22を含むループを選択し、
2回目以後は、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS17、ステップS20、ステップS21、ステップS22を含むループを選択する。
この間、初回にステップS18でエンジン停止許可フラグが0にリセットされ、このリセット状態がその後も続くことから、図1の警報音コントローラ11からエンジン運転制御システム4へエンジン停止許可信号が出力されない。
このためエンジン運転制御システム4は、図5(b)の瞬時t6にエンジン運転指令を破線で示すごとくOFFにするエンジン停止要求があってもこれを実行せず、エンジン運転指令を実線で示すごとくONに保って、エンジン2を引き続き運転させておく。
このエンジンオフタイマTENGOFFは図5(b)に示すごとく、エンジン停止要求瞬時t6からの経過時間を計測する。
図2の制御プログラムは、ステップS11、ステップS15、ステップS32、ステップS16、ステップS17、ステップS20、ステップS23、ステップS24、ステップS22を含むループを選択する。
このためエンジン運転制御システム4は、図5(b)の瞬時t7にエンジン運転指令を実線で示すごとくOFFにしてエンジン停止要求を実行し、瞬時t6での停止要求に呼応したエンジン2の運転停止を瞬時t7に至ってはじめて行わせ、エンジン回転数Neを0にする。
瞬時t7では更に、ステップS24の実行によりエンジンオフタイマTENGOFFを図5(b)に示すごとく上限値にする。
なおエンジンオンタイマTENGONは図5(b)の場合、ステップS13で上限値にされた後、変化することがないため、図示のごとく上限値のままである。
ステップS31の実行によりエンジン運転状態変更指令を0にリセットし、
ステップS12の実行によりエンジンオフタイマTENGOFFを図5(b)に示すごとく0にリセットし、
ステップS14の実行により車外スピーカ1をOFFして警報音を発生させないようにする。
車外スピーカ1のONにより警報音が発せられるようになっても、エンジン2が引き続き運転されて、所定時間ΔTOFFのうちはエンジン音および警報音の双方が発生していることとなる。
従って、この無音期間の発生により車両情報を把握し難くなって車外周辺の人に、一旦車両が遠ざかったと勘違いさせるような違和感を与えるという前記の問題を確実に解消することができる。
また、先行するエンジン音による車両の動きと、後続する警報音による車両の動きとが一致し、車外周辺の人は違和感を持つことなく車両情報を継続的に得ることができる。
ここで、図5(a)につき前述した車外スピーカON→OFF遅延用の所定時間ΔTON、および図5(b)につき前述したエンジン停止遅延用の所定時間ΔTOFFを説明する。
従って車外スピーカON→OFF遅延用の所定時間ΔTONは、例えば図6(a)に破線で示すごとく、車速VSPに関係のない一定値に設定することができる。
好ましくは車外スピーカON→OFF遅延用の所定時間ΔTONを、例えば図6(a)に実線で示すごとく、車速VSPが高車速であるほど長い時間とするのがよい。
従ってエンジン停止遅延用の所定時間ΔTOFFは、例えば図6(b)に破線で示すごとく、車速VSPに関係のない一定値に設定することができる。
好ましくはエンジン停止遅延用の所定時間ΔTOFFを、例えば図6(b)に実線で示すごとく、車速VSPが高車速であるほど長い時間とするのがよい。
なお図示例では、図5から明らかなように警報音発生条件が成立している間、スピーカ1から警報音を発生させて車外周辺の人に車両情報を発信するが、エンジン2の運転中は、スピーカ1の非作動によりこれから警報音が発生しないようにしておき、この警報音に代えてエンジン音により車外周辺の人に車両情報を発信するようにした警報音発生装置に対し本発明を適用したが、
警報音発生条件が成立している間、エンジン2の運転中もスピーカ1を作動させてこれから警報音を発生させるようにした警報音発生装置に対しても本発明は適用可能であり、この場合も前記したと同様な作用効果を奏し得ること勿論である。
この場合、エンジン音の強弱により車外周辺の人が一層車両の存在を認知し易くなって安全上有利である。
車両が、電動モータ3のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジン2および電動モータ3からの動力で走行するハイブリッド走行(HEV)モードとを使い分けるパラレル型ハイブリッド車両である場合も、本発明の前記した着想はそのまま適用可能であり、この適用によりパラレル型ハイブリッド車両でも同様な作用効果を奏し得るのは言うまでもない。
2 エンジン
3 電動モータ
4 エンジン運転制御システム
5 モータ走行制御システム
6 イグニッションスイッチ
11 警報音コントローラ
12 レンジセンサ
13 車速センサ
14 ブレーキスイッチ
15 警報音コントローラスイッチ
Claims (9)
- エンジンおよび電動モータからのエネルギーを用いて走行可能な車両に用いられ、
所定の警報音発生条件が成立している間、警報音を発生可能にして車外周辺の人に車両情報を発信し得るようにした車両の警報音発生装置において、
前記警報音発生条件が成立している間、該警報音発生条件が成立していない間に較べ、エンジン音が大きくなるよう前記エンジンの運転状態を変更させ、前記警報音発生条件が成立している時におけるエンジン音の大きさと、前記警報音発生条件が成立していない時におけるエンジン音の大きさとの差を、高車速ほど大きくするエンジン運転状態変更手段を設けたことを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項1に記載された車両の警報音発生装置において、
該警報音発生装置は、前記警報音発生条件が成立している間、警報音を発生させて車外周辺の人に車両情報を発信し、前記エンジンの運転中は該警報音に代えてエンジン音により車外周辺の人に車両情報を発信するようにしたものであることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項1または2に記載された車両の警報音発生装置において、
前記エンジン運転状態変更手段は、前記エンジン運転状態の変更、および該変更状態からの復帰を所定の時間変化勾配で徐々に行わせるものであることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載された車両の警報音発生装置において、
前記エンジン運転状態変更手段は、前記警報音発生条件が成立している間、エンジン音に強弱を付けるものであることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項2〜4のいずれか1項に記載された、車両の警報音発生装置において、
前記エンジンの停止中か運転中かに応じた前記警報音の発生および消失間での切り替え時に、所定時間中、前記エンジン音および警報音の双方が聞こえるようにするオーバーラップ期間設定手段を設けたことを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項5に記載された車両の警報音発生装置において、
前記オーバーラップ期間設定手段は、前記エンジン停止状態からエンジン運転状態への移行時に、該移行時から前記所定時間だけ、前記警報音の消失を遅延させるものであることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項5または6に記載された車両の警報音発生装置において、
前記オーバーラップ期間設定手段は、前記エンジン運転状態からエンジン停止状態への移行要求時に、直ちに前記警報音を発生させるが、該移行要求時から前記所定時間だけ、前記エンジン運転状態からエンジン停止状態への移行を遅延させるものであることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載された車両の警報音発生装置において、
前記所定時間は、前記エンジン音および警報音のうち、後続する方の音を車外周辺の人が認知するのに必要な時間であることを特徴とする車両の警報音発生装置。 - 請求項5〜8のいずれか1項に記載された車両の警報音発生装置において、
前記所定時間は、車両の対地速度が速いほど長い時間であることを特徴とする車両の警報音発生装置。
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