JP5553231B2 - トナー、プレミックス剤、剤収容器、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、プレミックス剤、剤収容器、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷されるプレミックス剤に含有せしめるためのトナーに関するものである。また、かかるトナーを含有するプレミックス剤や、プレミックス剤を収容する剤収容器に関するものである。更には、プレミックス剤を用いる画像形成装置や画像形成方法に関するものである。
従来より、トナーとキャリアとを含有する現像剤を内包する現像装置により、感光体等の潜像担持体に担持される潜像を現像し、且つ、必要に応じてその現像装置にトナーを補給する画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置においては、現像に伴ってトナーを消費する現像装置内の現像剤に対して、必要に応じてトナーを補給することで、現像剤のトナー濃度を所定範囲内に維持している。現像装置内では、現像剤が循環搬送されつつ、その一部が潜像担持体に対向する現像領域に搬送されて現像に寄与する。近年においては、装置の小型化に伴って現像装置内の現像剤収容量を小さくしたり、高速化に伴って現像剤を現像装置内で高速循環させたりする傾向にある。このため、現像装置内の現像剤にかかるストレスを増大させて、表面コート層の削れや、トナー成分の固着などによって現像剤中のキャリアを劣化させ易くなってきている。劣化したキャリアによる画質低下を防止して長期間に渡って良好な画像を形成するためには、現像剤中のキャリアを定期的に入れ替えなければならず、メンテナンスに手間を要してしまう。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、トナーの代わりに、予めキャリアとトナーとが混合されたプレミックス剤を現像装置に補給して現像剤のトナー濃度の回復を図りながら、現像装置内から余剰の現像剤をオーバーフローさせるようになっている。かかる構成では、古くなったキャリアを現像剤のオーバーフローによって少しずつ現像装置内から排出しつつ、プレミックス剤中の新しいキャリアを現像剤に補給する。このような排出と補給とにより、現像剤中のキャリアを少しずつ新たなものに交換していくことで、定期的なキャリアの交換作業を省くことができる。
しかしながら、この画像形成装置は、現像装置内で古くなったキャリアの全量を新たなものに入れ替えるものではないので、全てのキャリアを新しいものにすることができず、古くなったキャリアも存在させることになる。このため、現像装置内のトナーの帯電量にムラを発生させ易くなる。特に、長期に渡って運転を停止させた後の始めのプリントジョブでは、新しいキャリアが周囲のトナーの帯電量を迅速に立ち上げる一方で、古いキャリアが周囲のトナーの帯電量を少しずつしか上昇させないことから、トナーの帯電量に大きなムラが発生する。これにより、細線を良好に再現することが困難になってしまう。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、細線再現性を向上させることができるトナー等を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を、前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられるプレミックス剤に含有せしめるためのトナーであって、結着樹脂が、少なくとも、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものであり、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた前記結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さWを、前記赤外分光法によって得られた前記非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さRで除算した値が0.045以上、0.850以下の範囲であり、炭素数が20個以上、80個以下である炭化水素からなり、前記炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55〜70重量%であり、且つ、示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が65[℃]以上、90[℃]以下であるマイクロクリスタリンワックスを離型促進剤として含有するものであることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1のトナーであって、母体粒子の離型促進剤含有率が1[%]以上、20[%]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1又は2のトナーであって、前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が、50[℃]以上、150[℃]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至の何れかのトナーであって、母体粒子の体積平均粒径が、3.0[μm]以上、6.0[μm]未満であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至の何れかのトナーであって、前記トナーにおける母体粒子の体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値である粒径比が、1.05以上、1.25以下であることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1乃至の何れかのトナーであって、少なくとも、結着樹脂、結着樹脂前駆体、又は、結着樹脂及び結着樹脂前駆体と、離型促進剤とを有機溶媒中に投入して原液とする工程と、前記原液を水系媒体中に投入して乳化液又は分散液を得る工程と、前記乳化液又は分散液から溶剤を除去しながら母体粒子を形成する工程とを具備する製造法によって製造されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を、前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられるプレミックス剤であって、前記トナーが、請求項1乃至の何れかのトナーであることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項のプレミックス剤であって、前記キャリアにおけるキャリア粒子が、表面をシリコーン樹脂で被覆されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を収容し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された剤収容器と、前記剤収容器内のプレミックス剤を前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられる剤収容器であって、前記プレミックス剤として、請求項7又は8のプレミックス剤を収容していることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を収容し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された剤収容器と、前記剤収容器内のプレミックス剤を前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置であって、前記剤収容器が、請求項の剤収容器であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、現像装置により、潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する工程と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷されるプレミックス剤を現像剤として前記現像装置に補給する工程とを実施して画像を形成する画像形成方法において、前記プレミックス剤として、請求項7又は8のプレミックス剤を用いることを特徴とするものである。
これらの発明においては、本発明者が後述する実験で明らかにしたように、トナーの結着樹脂の一部を構成する結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さWを、結着樹脂の一部を構成する非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの立ち上がりピーク点の高さRで除算した値を0.045以上、0.850以下の範囲にすることで、細線再現性を従来よりも向上させることができる。
結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例。 非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例 実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタにおけるYトナー像を生成するためのプロセスユニットを示す概略図。 同プロセスユニットの外観を示す斜視図。 同プロセスユニットの現像ユニット内を示す分解構成図。 Y用の剤ボトルを示す斜視図。 同トナーボトルをボトル部とホルダー部とに分解した状態を示す斜視図。 同プリンタの剤補給装置を示す斜視図。 同剤補給装置に装着された状態のトナーボトルと、その周囲構成とを示す概略構成図。
以下、本発明を適用したトナー等の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るトナーの基本的な構成について説明する。実施形態に係るトナーは、離型促進剤を含有している。この離型促進剤として、マイクロクリスタリンワックスを採用している。
実施形態に係るトナーの母体粒子を構成している結着樹脂は、結晶性ポリエステル〔以下、結晶性ポリエステル(iii)と記す〕を含有している。結晶性ポリエステル(iii)は、アルコール成分と酸成分の反応とによって得られたものであり、少なくとも融点を有するポリエステルである。結晶性ポリエステル(iii)のアルコール成分としては、炭素数2〜6のジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有し、また、酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれら酸の誘導体の少なくとも1つを含有している。アルコール成分と酸成分から合成され、次の化学式で表される分子が繰り返し繋がったものである。
Figure 0005553231
(式中、R1、R2は水素原子または炭化水素基であり、その炭素数は1〜20である。また、nは自然数である。)
結晶性ポリエステル(iii)の結晶性や軟化点を調整する方法としては、非線状ポリエステルなどを適宜分子設計して使用するなどの方法が挙げられる。このような、非線状ポリエステルは、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などを追加して縮重合を行うことで、合成することができる。
結晶性ポリエステル(iii)の分子構造は、固体NMRなどにより確認することができる。分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から鋭意検討した結果、次のように調整している。即ち、o−ジクロロベンゼンに可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置を3.5〜4.0の範囲にし、ピークの半値幅を1.5以下にし、重量平均分子量(Mw)を1000〜6500の範囲にし、数平均分子量(Mn)を500〜2000の範囲にし、且つMw/Mnを2〜5の範囲にしている。
結晶性ポリエステル(iii)の母体粒子中における分散粒子径については、長軸径で0.2[μm]以上、3.0[μm]以下(0.2〜3.0μm)にしている。分散粒子径の長軸径を0.2〜3.0[μm]の範囲に調整することで、母体粒子中での特定マイクロクリスタリンワックスの微分散をより確実にし、母体粒子表面におけるワックの偏在を抑制することができる。
結晶性ポリエステル(iii)の酸価については、8[mgKOH/g]以上、45[mgKOH/g]以下にしている。紙と樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が8[mgKOH/g]以上、より好ましくは20[mgKOH/g]以上であることが好ましいからである。また、ホットオフセット性を向上させるには45[mgKOH/g]以下であることが好ましいからである。
結晶性ポリエステルの水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成する狙いから、0[mgKOH/g]以上、50[mgKOH/g]にしている。5〜50[mgKOH/g]のものがより好ましい。
結着樹脂(トナーバインダー)に含有させるポリエステルとしては、THF可溶分の分子量分布において、分子量のピークが1000〜30000にあり、分子量30000以上の成分が1〜80重量%で、且つ、数平均分子量が2000〜15000であることが好ましい。また、結着樹脂に含有させるポリエステルのTHF可溶分の分子量分布おいて、分子量1000以下成分が0.1〜5.0重量%であることが好ましい。また、結着樹脂中に含有させるポリエステルのTHF不溶分が1〜15重量%であることが好ましい。
着色剤としては、公知の染料や顔料を使用している。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物などである。着色剤の含有量については、トナーに対して通常1〜15重量%にしている。好ましくは3〜10重量%である。
なお、必要に応じて、トナーに帯電制御剤を含有させてもよい。このような帯電制御剤としては公知のものを使用することができる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類や、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法などに応じて決定されるものである。一義的に限定することはできないが、概ね結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろんトナー材料液(油相)の調製工程で有機溶剤に溶解乃至分散する際に直接加えてもよいし、母体粒子形成後にその表面に固定化させてもよい。
母体粒子の芯材として樹脂微粒子を用いてもよい。これにより、分散安定性を向上させたり、トナーの粒径分布を狭くしたりすることができる。芯材となる樹脂微粒子は、少なくとも、結着樹脂、結着樹脂前駆体、又はその両方と、離型促進剤を含むトナー材料を有機溶媒に溶解あるいは分散させたトナー材料の原液(油相)を、水系媒体(水相)中で乳化又は分散させた際に、所望とする水性分散体を形成し得る樹脂であれば、どのような樹脂を用いてもよい。芯材となる樹脂微粒子として、熱可塑性樹脂からなるもの、熱硬化性樹脂からなるもの、の何れを用いてもよい。例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの樹脂を2種以上併用しても差し支えない。このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステルおよびそれらの併用である。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。前記樹脂微粒子の体積平均粒径としては、5〜500[nm]であることが好ましい。
トナーは、トナー材料の原液(油相)を、水系媒体(水相)中で乳化又は分散させた後、脱溶剤によって造粒された粒子(着色粒子)によって形成される母体粒子から構成されるものである。母体粒子を有するトナーの流動性や現像性、帯電性、クリーニング性を補助する目的で、母体粒子表面に外添剤を添加してもよい。母体粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5[mμ]〜2[μm]であることが好ましく、特に5[mμ]〜500[mμ]であることが好ましい。また、母体粒子を有するトナーのBET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などを用いてもよい。
必要に応じて、流動化剤によってトナー粒子を表面処理してよい。これにより、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
実施形態に係るトナーは、少なくとも、結着樹脂、結着樹脂前駆体、又はその両方を含む材料を有機溶媒に溶解又は分散させてトナー材料の原液(油相)を調製する工程と、この原液を水系媒体(水相)中で乳化又は分散させた後、脱溶剤して母体粒子を形成する工程とを経て製造されるものである。以下、製造方法の一例を説明するが、本本発明に係るトナーの製造方法はこの一例に限られるものではない。
結着樹脂としては、少なくとも、エステル結合と、エステル結合以外の結合単位を含む変性ポリエステルが用いられている。結着樹脂前駆体は前記変性ポリエステルを生成可能な樹脂前駆体である。この結着樹脂前駆体として、活性水素基を有する化合物と、該化合物の活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステルを含有するものが好適である。例えば、活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステルとしてイソシアネート基を有するポリエステル〔ポリエステルプレポリマー(A)〕を使用する場合には、以下のように方法で製造することができる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減圧としながら生成する。水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140[℃]にて、水酸基を有するポリエステルにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)〔以下では「プレポリマー(A)」と略することがある〕を得る。さらに(A)に活性水素基を有する化合物であるアミン類(B)を0〜140[℃]にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なかでも、炭素数が2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物等)等を例示することができる。
3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等を例示することができる。これらを二種以上併用してもよい。ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。なかでも、炭素数が4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数が8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
また、3価以上のポリカルボン酸(2)としては、炭素数が9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等を例示することができる。これらを二種以上併用してもよい。なお、ポリカルボン酸の代わりに、ポリカルボン酸の無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
ポリイソシアネート(3)としては、イソシアネート化剤が挙げられる。また、アミン類(B)としては前記アミン類で示したものが挙げられる。ポリイソシアネート(3)を反応させる際や、プレポリマー(A)とアミン類と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
一方、変性されていないポリエステル〔未変性ポリエステル(ii)〕を併用する場合は、上記水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
上述した水系媒体(水相)としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。また、水系媒体(水相)には、後述のような界面活性剤や高分子系保護コロイドなどの分散剤を含有してもよい。
母体粒子を形成する際、結着樹脂前駆体として、イソシアネート基を有するポリエステル〔ポリエステルプレポリマー(A)〕と、アミン類(B)を用いる場合、水系媒体中でポリエステルプレポリマー(A)と、アミン類(B)を反応させて変性ポリエステル[ウレア変性ポリエステル:〔変性ポリエステル(i)〕]としてもよいし、あらかじめ(A)と(B)を反応させて製造した変性ポリエステル[ウレア変性ポリエステル:〔変性ポリエステル(i)〕]を用いてもよい。
水系媒体中でウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕、もしくはポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中に、変性ポリエステル(i)、あるいはプレポリマー(A)とアミン類(B)、他の結着樹脂(結晶性ポリエステル等)、離型促進剤を含むトナー材料(原料)の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
ポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下、「トナー原料」と呼称する)着色剤(あるいは着色剤マスターバッチ)、離型促進剤、結晶性ポリエステル、未変性ポリエステル、荷電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好ましい。
着色剤、荷電制御剤などのトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。例えば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20[μm]にするためには高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150[℃](加圧下)、好ましくは40〜98[℃]である。高温の方が、ウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕やポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
変性ポリエステル(i)やポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)を含むトナー材料(トナー組成物)100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。水系媒体の使用量が50重量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。一方、水系媒体の使用量が20000重量部を超えると、経済的でない。
また、前述のように必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)とからウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕を合成する工程は、あらかじめ(A)を含むトナー材料液(油相)を水系媒体中で分散する前にアミン類(B)を加えて反応させてもよいし、(A)を含むトナー材料液(油相)を水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて反応させてもよい(粒子界面から反応)。この場合、形成される母体粒子表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナー材料(トナー組成物)が分散されたトナー材料の原液(油相)を、水が含まれる液体(水系媒体:水相)に乳化、分散するための分散剤として界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸およびその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸および金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)およびその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸およびその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
また水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。高分子系保護コロイドとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、あるいはビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、あるいはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー材料(トナー組成物)を溶解又は分散させたトナー材料の原液(油相)の粘度を低くするために、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。このような溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。使用する溶剤の沸点は、100[℃]未満で揮発性を有するものであることが、溶剤除去が容易である点から好ましい。このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。ポリエステルプレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長、架橋、あるいは伸縮架橋の架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
トナー材料の原液(油相)を水系媒体(水相)中で乳化又は分散させて得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいは、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去して母体粒子となす微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広くなった場合に、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理を行っても、所望の粒度分布に分級することで、粒度分布を整えることができる。分級法としては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、不要サイスの微粒子部分を取り除く方法を例示することができる。乾燥させて粉体とした後に分級を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。分級によって取り除かれた不要サイズの微粒子、または粗粒子については、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。分散剤については、分散液からできるだけ取り除くことが好ましく、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
乾燥後の粉体(母体粒子)を、必要に応じて、離型促進剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えたりすることにより、母体粒子を有するトナーが得られる。機械的衝撃力を与えることによって、得られる母体粒子を有するトナー(複合体粒子)の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
機械的衝撃力を与える具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
キャリアとトナーの含有比としては、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものを用いることができる。
磁性キャリアの被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等を用いることができる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系現像剤(磁性トナーあるいは非磁性トナー)としても用いることができる。
次に、本発明者が行った実験について説明する。
本発明者は、様々な性状のトナーを得るために、まず、トナーの材料を以下のようにして作製した。
<有機微粒子エマルションの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水700重量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)12重量部、スチレン140重量部、メタクリル酸140重量部、及び過硫酸アンモニウム1.5重要部を仕込んだ。そして、450回転/分で20分間撹拌して得られた白色の乳濁液を系内温度75[℃]まで昇温し、5時間反応させた。その乳濁液に、1%過硫酸アンモニウム水溶液を35重量部加え、75[℃]で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。この[微粒子分散液1]の体積平均粒径をLA−920で測定したところ(詳細は後述する)、0.30[μm]であった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。その樹脂分のTgは155[℃]であった。
<水相の調製>
水1000重量部、[微粒子分散液1]85重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50[%]水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)40重量部、及び酢酸エチル95重量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
<低分子ポリエステル〈水酸基を有するポリエステル〉の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235重量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物535重量部、テレフタル酸215重量部、アジピン酸50重量部、及びジブチルチンオキサイド3重量部を入れた。そして、常圧下、240[℃]で10時間反応した後、10〜20[mmHg]の減圧で6時聞反応させた。その後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、185[℃]、常圧で3時間反応させて[低分子ポリエステル1]を得た。この[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2800、重量平均分子量7100、Tg45[℃]、酸価22[mgKOH/g]であった。
<ポリエステルプレポリマー〈イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー〉の合成>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物700重量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物85重量部、テレフタル酸300重量部、無水トリメリット酸25部、及びジブチルチンオキサイド3重量部を入れた。そして、常圧且つ240[℃]で10時間反応させてから、10〜20[mmHg]の減圧環境下で6時間反応させて[中間体ポリエステル1]を得た。この[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量10000、Tg58[℃]、酸価0.5[mgKOH/g]、水酸基価52[mgKOH/g]であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]400重量部、イソホロンジイソシアネート90重量部、酢酸エチル500部を入れた。そして、110[℃]で6時間反応させて[プレポリマー1]を得た。この[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.67[%]であった。
<結晶性ポリエステル1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール28モル、フマル酸24モル、無水トリメリット酸1.80モル、及びハイドロキノン6.0[g]を入れた。そして、160[℃]で6時間反応させた後、200[℃]に昇温して1時間反応させ、さらに、8.3KPaにて1時間反応させて[結晶性ポリエステル1]を得た。この[結晶性ポリエステル1]は、融点(DSCの吸熱ピーク温度)150[℃]、Mn800、Mw3000であった。
<結晶性ポリエステル2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール28モル、フマル酸24モル、無水トリメリット酸1.80モル、ハイドロキノン6.0[g]を入れた。そして、120[℃]で3時間反応させた後、180[℃]に昇温して0.5時間反応させ、さらに8.3KPaにて0.5時間反応させて[結晶性ポリエステル2]を得た。この[結晶性ポリエステル2]は、融点(DSCの吸熱ピーク温度)50[℃]、Mn500、Mw1000であった。
<ケチミンの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン180重量部とメチルエチルケトン80重量部とを仕込み、50℃で6時間反応させて[ケチミン化合物1]を得た。この[ケチミン化合物1]のアミン価は420[mgKOH/g]であった。
<マスターバッチ〈MB〉の合成>
水1300重量部と、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)550重量部〔DBP吸油量=43ml/100mg、pH=9.5〕と、ポリエステル1300重量部とを加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。そして、混合物を、2本ロールを用いて160[℃]で45分混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して[マスターバッチ1]を得た。
<油相〈顔料・WAX分散液1〉の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]400重量部、マイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)20重量部、及び酢酸エチル1000重量部を仕込んだ。そして、撹拌しながら80[℃]に昇温し、80[℃]のまま8時間保持した後、1時間で24[℃]に冷却した。次いで、この容器に[マスターバッチ1]480重量部、及び酢酸エチル550部を仕込み、1時間混合して[原料溶解液1]を得た。この[原料溶解液1]を別の容器において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、直径0.5[mm]のジルコニアビーズを80体積%充填した。そして、3パスの条件で、カーボンブラック、及びワックスを分散させた。その後、[低分子ポリエステル1]の65[%]酢酸エチル溶液1000重量部を加え、前述の条件のビーズミルで1パスして[顔料・WAX分散液1]を得た。この[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は53重量%であった。
<油相〈顔料・WAX分散液2〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作製で用いたマイクロクリスタリンワックスを、酸価が0.1[mgKOH/g]、融点が90[℃]、炭素数が80、直鎖状炭化水素55重量%であるものに変更した点の他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして、[顔料・WAX分散液2]を得た。
<油相〈顔料・WAX分散液3〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作成で用いたマイクロクリスタリンワックスを、炭素数85、直鎖状炭化水素50重量%に変更した点の他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして[顔料・WAX分散液3]を得た。
<結晶性ポリエステルの分散液作製>
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル1]110[g]、及び酢酸エチル450[g]を投入し、80[℃]で加熱溶解もしくは加熱分散させた後、氷水浴中で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500[ml]を加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間攪拌を行い、体積平均粒径が0.4[μm]の[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
次に、本発明者は、これらの材料を用いて、トナーを製造した。
〔トナーA〕
まず、次の乳化工程を行った。即ち、[顔料・WAX分散液1]700重量部、[プレポリマー1]120重量部、[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部、及び[ケチミン化合物1]5重量部を容器に入れた。そして、TKホモミキサー(特殊機化製)にて6,000[rpm]で1分間混合した後、容器に[水相1]1300重量部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000[rpm]で20分間混合して[乳化スラリー1]を得た。
次いで、次の脱溶剤工程を行った。即ち、撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30[℃]で10時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
その後、[乳化スラリー1]100重量部を減圧濾過した。そして、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]、の回転数で混合した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数で混合した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数で10分間で混合した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数にて10分間で混合した後、濾過する操作を2回行って[濾過ケーキ1]を得た。この[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45[℃]で48時間乾燥した後、目開き75[μm]メッシュで篩いにかけて[母体粒子1]を得た。
このようにして得られた[母体粒子1]100重量部に対し、疎水性シリカ0.7重量部と、疎水化酸化チタン0.3重量部とをヘンシェルミキサーで混合し、母体粒子を有するトナーAとした。
〔トナーB〕
トナーAにおいて用いた[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部を5重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーBを得た。
〔トナーC〕
トナーAにおいて用いた[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部を4重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーBを得た。
〔トナーD〕
トナーAにおいて用いた[顔料・WAX分散液1]700重量部を、[顔料・WAX分散液2]700重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーDを得た。
〔トナーE〕
トナーAにおいて用いた[顔料・WAX分散液1]700重量部を50重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーEを得た。
〔トナーF〕
トナーAにおいて用いた[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部を[結晶性ポリエステル分散液2]80重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーFを得た。
〔トナーG〕
トナーAにおいて用いた[顔料・WAX分散液1]700重量部を、[顔料・WAX分散液3]700重量部に変更した点の他は、トナーAと同様にしてトナーGを得た。
本発明者は、これらトナーA〜Gについてそれぞれ、炭素数と、離型促進剤(マイクロクリスタリンワックス)の直鎖状炭化水素含有率[wt%]と、離型促進剤の融点と、結着樹脂の1つとして含有する非晶質性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度とを測定した。
離型促進剤の炭素数および平均炭素数については、高温ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(高温GPC)により測定した。炭素数は、高温GPCで測定したクロマトグラムの流出開始時の分子量をメチレン基の分子量14で除した値と、流出終了時の分子量をメチレン基の分子量14で除した値であり、炭化水素を構成する炭素の分布を示すものである。また平均炭素数は、高温GPCで測定したクロマトグラムのピーク分子量をメチレン基の分子量14で除した値である。
分子量については、次のようにして測定した。即ち、溶媒として0.1[%]のアイオノールを添加したo−ジクロロベンゼンを使用し、135[℃]の温度条件で流出させ、示差屈折率検出器により検出し、分子量を普遍校正法によるポリエチレン絶対分子量換算で求めた。
離型促進剤の直鎖状炭化水素含有率については、ガスクロマトグラフィー法によって測定した。直鎖状炭化水素と非直鎖状炭化水素の混合物を、キャリアーガスによって固定相を移動する際、固定相との吸着や分配の差により移動速度が異なる。このため、両者を分離する。ガスクロマトグラムに現れるピークの保持時間及びピーク面積の割合から直鎖状の炭化水素含有量を算出する。分離カラムとしては、充填式又は毛管式カラムが用いられ、充填式カラムには活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、多孔性球状シリカ、分子ふるい、その他無機塩類など吸着性のある物質を充填剤としたもの、又は珪藻土、耐火練瓦粉末、ガラス又は溶融シリカビーズ、黒鉛等の微粒子の表面にパラフィンオイル、シリコーンオイル類等を薄膜状に塗布して充填剤としたものを用いる。毛管式カラムについては、充填剤を使用せず、前記パラフィンオイル、シリコーンオイル等を塗布して用いる。キャリアーガスとしては、窒素、ヘリウム、水素又はアルゴンを使用する。また、検出器としては、熱線の熱伝導度計、気体密度計、電離断面積計又はイオン化検出器(水素炎、β線、電子捕獲又はラジオ周波電波)を使用する。なお、離型促進剤の炭化水素は、石油の減圧蒸留残査油または重質留出油から分離精製し、更に高温GPCによって分取して得られたものである。
離型促進剤の融点は、示差走査熱量分析(Differential scanning calorimetry;DSC)により得られる示差熱曲線において、吸熱量が極大になる吸熱ピークの温度である。結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度についても、示差走査熱量分析によって測定した。
次に、本発明者は、トナーA〜Gについてそれぞれ、結着樹脂の結晶性ポリエステル樹脂や非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルを分析した。赤外分光分析については、Avatar370/ThermoElectron社製のFT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置)を用いて、KBr法(全透過法)によって行った。赤外吸収スペクトルは、照射した赤外線の波数(Wavenumbers)を2次元座量の横軸にとり、且つ吸光度(Absorbance)を縦軸にとったグラフである。これにより、分析対象となった物質がどのような構造になっているのかを知ることができる。
図1は、結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示したものである。結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルは、図示のように、吸光度が最小となる立ち下がりピーク点(以下、第1立ち下がりピーク点Fp1という)と、吸光度が2番目に小さくなる立ち下がりピーク点(以下、第2立ち下がりピーク点Fp2という)との間に、1つの立ち下がりピーク点が存在することが大きな特徴となっている。この立ち下がりピーク点を、本稿では第3立ち下がりピーク点Fp3と定義する。第1立ち下がりピーク点Fp1と、第2立ち下がりピーク点Fp2とを結ぶ線分をベースラインとする。そして、第3立ち下がりピーク点Fp3から横軸に向けて垂線を引き、ベースラインとの交点における吸光度と、第3立ち下がりピーク点Fp3における吸光度との差分の絶対値を、第3立ち下がりピーク点Fp3の高さWとする。
図2は、非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示したものである。非晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルは、図示のように、吸光度が最大となる最大立ち上がりピーク点Mpが、他の立ち上がりピーク点に比べてかなり大きくなることが大きな特徴となる。第1立ち下がりピーク点Fp1と、第2立ち下がりピーク点Fp2とを結ぶ線分をベースラインとする。そして、最大立ち上がりピーク点Mpから横軸に向けて垂線を引き、ベースラインとの交点における吸光度と、最大立ち上がりピーク点Mpにおける吸光度との差分の絶対値を、最大立ち上がりピーク点Mpの高さRとする。また、W/Rをピーク比とする。このようにして、トナーA〜トナーGについてそれぞれ、ピーク比W/Rを測定した。
本発明者は、次に、トナーA、B、C、D、E、F、Gを、それぞれ個別に銅−亜鉛フェライトキャリアに混合して、プレミックス剤トナーA、B、C、D、E、F、Gを製造した。混合比については、トナー10重量%に対して、銅−亜鉛フェライトキャリア90重量%とした。混合条件としては、ターブラーシェーカミキサ(シンマルエンタープラウゼス)により、回転数71[rpm]で5分間混合攪拌する条件を採用した。銅−亜鉛フェライトキャリアとしては、シリコーン樹脂を被覆し且つ平均粒子径が40[μm]であるものを用いた。
それぞれのプレミックス剤を用いてプリントテストを行った。プリントテストに用いるプリンタとしては、株式会社リコー製のRICOH Pro c900sを採用した。各プレミックス剤についてのプリントテストにおいては、印字率6[%]のテスト画像を連続で5万枚のA3サイズ紙に出力した。この後、サンプル画像として、1ドットラインを3枚のA3サイズ紙に出力し、それぞれにおける1ドットラインの細線再現性を目視で評価した。評価については、予め作成されているランク見本用の1ドットライン画像と、サンプル画像とを目視で比べる官能評価法にて行った。非常に良い場合を◎、良い場合を○、少し悪い場合を△、悪い場合を×として評価した。
次に、各プレミックス剤についてそれぞれ、印字率6[%]のテスト画像を連続で5万枚のA3サイズ紙にプリントした直後に、白紙画像を現像してその最中にジョブを一時停止させ、現像領域通過後の感光体上のトナーを粘着テープ転写した。そして、その粘着テープの画像濃度と、トナーを転写していない粘着テープの画像濃度との差を、938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)によって測定して画像濃度差(ΔID)を求めた。この画像濃度差(ΔID)が、0〜0.40である場合を◎、0.41〜0.70である場合を○、0.71〜1.00である場合を△、:1.01以上である場合を×として評価した。帯電不良のトナーは、感光体の地肌部に転移し易くなるので、帯電不良のトナーが多くなると、画像濃度差(ΔID)が高い数値となる。
この実験の結果を、次の表1に示す。
Figure 0005553231
表1に示すように、トナーCは、7種類のトナーの中でピーク比W/Rが最も低いトナーである(W/R=0.042)。このトナーCでは、細線を良好に再現することができなかった(×)。トナーCの次にピーク比W/Rが小さいのはトナーBであるが(W/R=0.045)、トナーBでは、細線を良好に再現することができている(○)。画像濃度差(△ID)も小さい数値に抑えられている(○)。よって、トナーの帯電量のムラによる画質劣化を抑えるためには、ピーク比W/Rが0.045以上であるトナーを用いる必要がある。
そこで、実施形態に係るトナーにおいては、ピーク比W/Rを0.045以上、0.850以下にしている。0.080〜0.450であることがより好ましい。ピーク比が0.045より小さい場合、帯電制御剤やトナー原材料がトナー中で、均一に分散されず、溶媒中で偏在し易いことが、個々の母体粒子のトナー帯電能力に大きな差を発生させて、トナーの帯電量にムラを発生させてしまうと考えられる。また、ピーク比が0.850よりも大きい場合、結晶性ポリエステル樹脂がキャリアを汚染して、その劣化を早めていると考えられる。
ピーク比W/Rを0.045〜0.850にすることで、良好な細線再現性が得られたのは、次に説明する理由によるものと思われる。即ち、結晶性ポリエステル樹脂は、母体粒子中の非晶質性ポリエステル樹脂と相溶せず、結晶状態で分散する。ピーク比W/Rが0.045〜0.850の範囲であると、結晶性ポリエステルが帯電性制御剤などとの親和性を高めて、帯電性制御剤に良好に接近して互いに分散性を助長し合うことで、母体粒子中での微分散を実現する。この結果、トナー粒子間での成分の偏在を低減して、トナーとしての帯電量領域をシャープにするとともに、トナーの帯電立ち上がり速度を上昇させることから、良好な細線再現性を実現したものと思われる。ピーク比W/Rは、結晶性ポリエステル樹脂の非晶質ポリエステル樹脂との相溶状態によって決まると思われる。品質工学上の手法により、トナーの各種原材料比率や、乳化の有無などにより、ピーク比W/Rを0.045〜0.850の範囲に収め得る製造条件については、周知の技術によって実現することが可能である。品質上のバラツキ考慮して、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質性樹脂との相溶状態をコントロールすることで、ピーク比W/Rを0.045〜0.850の範囲にすることができるのである。
実施形態に係るトナーにおいては、離型促進剤たるマイクロクリスタリンワックスとして、炭素数20〜80の炭化水素からなり、且つ炭化水素の55〜70重量%が直鎖状炭化水素であるものを用いている。平均炭素数は、50±20の範囲が好ましい。平均炭素数が小さいものは、低温での離型促進性を向上させる一方、大きいものは耐凝集性、耐フィルミング性を向上させる。平均炭素数が20未満であると、針入度が過剰に大きくなり、且つ軟らかくなり過ぎることから、トナーの凝集性を高めて、感光ドラム、定着ローラ、定着フィルム等へのトナーフィルミングを発生させ易くなる。また平均炭素数が80を超える場合には、マイクロクリスタリンワックスの微分散を困難にして、ワックスによる汚染を防止することができなくなる。
マイクロクリスタリンワックスとしては、示差走査熱量分析(DSC)による極大吸熱ピーク温度で定義される融点が65[℃]以上、90℃以下であるものを用いている。炭素数が20より小さかったり、DSCによる融点が65[℃]以下であったりすると、ワックスがトナー表面に染み出し易くなるため、キャリアを汚染し易くなってしまう。また、炭素数が80より大きかったり、DSCによる融点が90[℃]以上であたりすると、ワックスがトナー中で分散し難くなることから、偏在する傾向が見られる。
母体粒子の離型促進剤含有率(母体粒子の総量に対する離型促進剤の割合)については、1[%]以上、20[%]以下に調整している。離型促進剤含有率を1[%]以下にすると、ワックスに求められる離形促進性が不足することから、定着時のトナーオフセット(定着ローラなどへの)を発生させ易くなってしまう。また、離型促進剤含有率を20[%]以上にすると、トナー表面のワックスでキャリアを汚染してしまうので、キャリアの劣化速度(帯電能力の低下速度)を早めてしまう。
結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量分析(DSC)により測定される吸熱ピーク温度については、50[℃]以上、150[℃]以下に調整している。前記吸熱ピーク温度を50[℃]以下にすると、トナー表面の結晶性ポリエステル樹脂でキャリアを汚染し易くなるため、キャリアの劣化速度(帯電能力を低下速度)を早めてしまう。更には、トナーの熱保存性を悪化させて保管過程で凝集塊を形成し易くなるため、流動性の低下による画質劣化を引き起こしてしまう。また、前記吸熱ピーク温度を150[℃]以上にすると、トナー中でのトナー材料の分散性を不足させて、材料偏在分散が起こり易くなる。
トナーの体積平均粒径(Dv)については、3.0[μm]〜6.0[μm]に調整している。体積平均粒径を3.0[μm]より小さくすると、トナーによるキャリア被覆率が過剰に高くなることから、トナー中の成分でキャリアを汚染する現象が急激に顕在化する。また、体積平均粒径を6.0[μm]より大きくすると、トナー粒径分布が過剰に広まって、所望の細線再現性が得られなくなる。
トナーの体積平均粒径については、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて測定する。測定装置として、「コールターカウンターTA?II」や「コールターマルチサイザーII」(いずれもコールター社製)を用いることができる。測定方法は次の通りである。まず、電解水溶液100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1?5[ml]加える。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したものであり、例えばISOTON?II(コールター社製)を使用できる。その水溶液中に測定試料を2?20[mg]加える。試料を懸濁した電解液に対して、超音波分散器で約1?3分間分散処理を施す。そして、上述した測定装置により、アパーチャーとして100[μm]のものを用いて、トナー粒子の体積分布と個数分布とを算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を求めることができる。チャンネルとしては、2.00?2.52μm未満;2.52?3.17μm未満;3.17?4.00μm未満;4.00?5.04μm未満;5.04?6.35μm未満;6.35?8.00μm未満;8.00?10.08μm未満;10.08?12.70μm未満;12.70?16.00μm未満;16.00?20.20μm未満;20.20?25.40μm未満;25.40?32.00μm未満;32.00?40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
定着時に離型促進剤(マイクロクリスタリンワックス)をトナーの内部から外面に染み出させ易くするためには、結晶性ポリエステル樹脂と離型促進剤とを可能な限りトナー内部で均一に分散することが重要である。粉砕法よりも、重合法で形成された母体粒子の方が均一分散性に優れているので、重合法を用いることが望ましい。
次に、本発明を、画像形成装置としての電子写真方式のプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図3は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す。)用の4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY、C、M、Kのトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。
図4は、Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yの構成を示す概略図である。また、図5は、プロセスユニット1Yの外観を示す斜視図である。これらの図において、プロセスユニット1Yは、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図5に示すように、プロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱可能に構成されている。ただし、プリンタ本体から取り外した状態では、現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
感光体ユニット2Yは、潜像担持体としてのドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。帯電手段としての帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図4中時計回り方向に回転駆動する感光体3Yの表面を帯電ローラ6Yにより一様帯電させる。具体的には、図4において、反時計回りに回転駆動する帯電ローラ6Yに対して図示しない電源から帯電バイアスを印加し、その帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接又は接触させることで、感光体3Yを一様帯電させる。なお、帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシ等の他の帯電部材を近接又は接触させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャのように、チャージャ方式によって感光体3Yを一様帯電させるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電した感光体3Yの表面は、後述する潜像形成手段としての光書込ユニット20から発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
図6は、現像ユニット7Y内を示す分解構成図である。現像手段としての現像ユニット7Yは、図4や図6に示すように、現像剤搬送手段としての第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容室9Yを有している。また、トナー濃度検出手段としての透磁率センサからなるトナー濃度センサ10Y、現像剤搬送手段としての第2搬送スクリュウ11Y、現像剤担持体としての現像ロール12Y、現像剤規制部材としてのドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容室14Yも有している。循環経路を形成しているこれら2つの剤収容室内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる二成分現像剤である図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、第1剤収容室9Y内のY現像剤を図4中の手前側(図6中矢印Aの方向)へ搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1搬送スクリュウ8Yの上方に固定されたトナー濃度センサ10Yによって、第1剤収容室9Yにおける剤補給口17Yに対向する箇所(以下「補給位置」という。)よりも現像剤循環方向下流側に位置する所定の検出箇所を通過するY現像剤のトナー濃度が検知される。そして、第1搬送スクリュウ8Yにより第1剤収容室9Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口を経て第2剤収容室14Y内に進入する。
第2剤収容室14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動することで、Y現像剤を図4の奥側(図6中矢印Aの方向)へ搬送する。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの上方には、現像ロール12Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール12Yは、図4において、反時計回り方向に回転駆動する非磁性スリーブからなる現像スリーブ15Y内に固定配置されたマグネットローラ16Yを内包した構成となっている。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Yの表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Yの表面と所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、第2搬送スクリュウ11Yにより第2剤収容室14Yの端部まで搬送されたY現像剤は、連通口を経て第1剤収容室9Y内に戻る。このようにして、Y現像剤は現像ユニット内を循環搬送される。
先に示した図3において、感光体3Y上に形成されたYトナー像は、中間転写体である中間転写ベルト41に中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Yの表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Yの表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色用のプロセスユニット1C,1M,1Kにおいても、同様にして感光体3C,3M,3K上にCトナー像、Mトナー像、Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト41上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの下方には、光書込ユニット20が配設されている。光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの感光体3Y,3C,3M,3Kに照射する。これにより、感光体3Y,3C,3M,3K上には、それぞれY用、C用、M用、K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,3C,3M,3Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイを採用したものを用いてもよい。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これらの給紙カセット内には、それぞれ、記録材である記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a及び第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図3における反時計回りに回転駆動すると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図1中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図3における反時計回りに回転駆動すると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を鉛直方向の下側から上側に向けて搬送される。また、給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの上方には、中間転写ベルト41を張架しながら図1中反時計回りに無端移動させる転写ユニット40が配設されている。転写ユニット40は、中間転写ベルト41のほか、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,45C,45M,45K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これらのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図3において反時計回りに無端移動する。4つの1次転写ローラ45Y,45C,45M,45Kは、このように無端移動する中間転写ベルト41を感光体3Y,3C,3M,3Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の内周面にトナーとは逆極性(本実施形態ではプラス極性)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY用、C用、M用、K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、その外周面に感光体3Y,3C,3M,3K上の各色トナー像が重なり合うように1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下「4色トナー像」という。)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本実施形態に係るプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY用、C用、M用の1次転写ローラ45Y,45C,45Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY用、C用、M用の感光体3Y,3C,3Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY用、C用、M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着手段としての定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図2中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63の掛け回し箇所には、図3において時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140℃に維持される。2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が記録紙Pに定着する。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y、C、M、Kのプレミックス剤をそれぞれ個別に収容する4つの剤収容器である剤ボトル72Y,72C,72M,72Kが配設されている。剤ボトル72Y,72C,72M,72K内のプレミックス剤は、剤補給装置70により、それぞれ、プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの現像ユニット7Y,7C,7M,7Kに適宜供給される。剤ボトル72Y,72C,72M,72Kは、プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
先に図6に示したように、トナー濃度センサ10Yは、非供給領域としての第1剤収容室9Y内において、供給領域としての第2剤収容室14Yに進入する直前の現像剤のトナー濃度を検知する。また、剤補給口17Yは、第2剤収容室14Yから第1剤収容室9Y内に進入した直後の現像剤に対してプレミックス剤を補給する位置に設けられている。つまり、第1剤収容室9Y内において、トナー濃度センサ10Yは、剤補給口17Yよりも下流側の位置で現像剤のトナー濃度を検知する。
本プリンタにおいては、剤ボトル72Y,72C,72M,72K(図2参照)内のプレミックス剤を、それぞれ対応する現像ユニットの剤補給口まで搬送して補給するための剤搬送力を発揮する手段として、モーノポンプからなる吸引ポンプを採用している。モーノポンプは、定量性(補給分解能)に優れたポンプであり、その回転速度に良行に相関した剤補給を実現する。実施形態に係る剤ボトル72Y,72C,72M,72Kは、実施形態に係るトナーとキャリアとが予め混合されたY,C,M,Kプレミックス剤を収容した状態で工場から出荷される。
図7は、実施形態に係るY用の剤ボトル72Yを示す斜視図である。同図において、Y用の剤ボトル72Yは、図示しないYプレミックス剤を収容する粉体収容部たるボトル状のボトル部73Yと、粉体排出部たる円筒状のホルダー部74Yとを備えている。ホルダー部74Yは、図8に示すように、ボトル状のボトル部73Yの頭部に係合して、ボトル部73Yを回転自在に保持する。ボトル部73Yの内周面には、容器の外側から内側に向けて突出するスクリュウ状の螺旋突起がボトル軸線方向に延在するように形成されている。
図9は、本プリンタにおける剤補給装置を示す斜視図である。同図において、剤補給手段としての剤補給装置は、4つの剤ボトル72K,Y,C,Mを載置するボトル載置台95、それぞれのボトル部を個別に回転駆動するボトル駆動部96などを備えている。ボトル載置台95上にセットされた剤ボトル72K,Y,C,Mは、それぞれホルダー部をボトル駆動部96に係合させている。図中矢印X1で示すように、ボトル駆動部96に係合している剤ボトル72Mをボトル載置台95上でボトル駆動部96から遠ざける方向にスライド移動させると、剤ボトル72Mのホルダー部74Mがボトル駆動部96から外れる。このようにして、剤補給装置から剤ボトル72Mを取り外すことができる。また、剤ボトル72Mが装着されていない状態の剤補給装置において、図中矢印X2で示すように、ボトル載置台95上で剤ボトル72Mをボトル駆動部96に近づける方向にスライド移動させると、剤ボトル72Mのホルダー部74Mがボトル駆動部96に係合する。このようにして、剤補給装置に剤ボトル72Mを装着することができる。他色用の剤ボトル72K,Y,Cについても、同様の操作を行うことで剤補給装置に脱着することができる。
剤ボトル72Y,C,M,Kのボトル部73K,Y,C,Mの頭部外周面には、それぞれ図示しないギヤ部が形成されているが、このギヤ部はホルダー部74K,Y,C,Mに覆い隠されている。但し、ホルダー部74K,Y,C,Mの周面の一部には、ギヤ部を部分的に露出させるための図示しない切り欠きが形成されおり、ギヤ部はこの切り欠きから自らの一部を露出させている。剤ボトル72K,Y,C,Mのホルダー部74K,Y,C,Mがボトル駆動部96に係合すると、ボトル駆動部96に設けられた図示しないK,Y,C,M用のボトル原動ギヤが、前述の切り欠きを介してボトル部73K,Y,C,Mのギヤ部に噛み合う。そして、ボトル駆動部96のK,Y,C,M用のボトル原動ギヤが図示しない駆動系によって回転駆動することで、ボトル部73K,Y,C,Mがホルダー部74K,Y,C,M上で回転駆動される。
先に示した図7において、ボトル部73Yがこのようにしてホルダー部74Y上で回転せしめられると、ボトル部73Y内のYプレミックス剤が上述のスクリュウ状の螺旋突起に沿ってボトル底側からボトル頭部側に向けて移動する。そして、粉体を収容する収容体たるボトル部73Yの先端に設けられた図示しないボトル開口を通って、円筒状のホルダー部74Y内に流入する。
図10は、図示しない剤補給装置に装着された状態の剤ボトルと、その周囲構成とを示す概略構成図である。同図において、剤ボトルは、ホルダー部74Yの箇所で破断した横断面が示されている。上述したように、このホルダー部74Yには、ホルダー部74Yよりも図中奥側に存在している図示しないボトル部が回転駆動することで、ボトル部内のYプレミックス剤が送り込まれてくる。剤ボトルのホルダー部74Yは、剤補給装置のホッパ部76Yに係合している。このホッパ部76Yは、図紙面に直交する方向に扁平な形状に構成され、同図においては、中間転写ベルト41の手前側に位置している。ホルダー部74Yの底に形成されている剤排出口75Yと、剤補給装置のホッパ部76Yに形成されている剤受入口とは、互いに連通している。剤ボトルのボトル部からホルダー部74Yに送り込まれたYプレミックス剤は、自重によってホッパ部76Y内に落とし込まれる。ホッパ部内では、回転可能な回転軸部材77Yに固定された可撓性に富んだ押圧フィルム78Yが回転軸部材77Yとともに回転する。ホッパ部76Yの内壁には、ホッパ部内におけるプレミックス剤の有無を検知する圧電素子からなる剤検知センサ82が固定されている。PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等からなる押圧フィルム78Yは、その回転に伴ってYプレミックス剤を剤検知センサ82の検知面に向けて押圧する。これにより、剤検知センサ82がホッパ部76Y内のYプレミックス剤を良好に検知することが可能になる。剤ボトルのボトル部の回転駆動制御は、この剤検知センサ82がYプレミックス剤を良好に検知するようになるように行われる。よって、ボトル部内にYプレミックス剤が十分に存在している限り、ボトル部からホルダー部74Yを介してホッパ部76Y内に十分量のYプレミックス剤が落とし込まれて、ホッパ部76Y内は十分量のYプレミックス剤で満たされる。この状態から、ボトル部を頻繁に回転させているにもかかわらず、剤検知センサ82によってYプレミックス剤が検知され難くなる状態に変化すると、図示しない制御部は、ボトル部内のYプレミックス剤が残り僅かであるとみなして、「剤ニアエンド」の警報をユーザーに報知する。
ホッパ部76Yの下部には、横搬送管79Yが接続されており、ホッパ部76Y内のYプレミックス剤は、自重によってテーパーを滑り落ちでこの横搬送管79Y内に落とし込まれる。横搬送管79Y内には、剤補給スクリュウ80Yが配設されており、その回転駆動に伴って、Yプレミックス剤を横搬送管79Yの長手方向に沿って横搬送する。
横搬送管79Yの長手方向の一端部には、落下案内管81Yが鉛直方向に延在する姿勢で接続されている。この落下案内管81Yの下端は、現像ユニット7Yの第1剤収容室9Yの剤補給口17Yに接続されている。横搬送管79Y内の剤補給スクリュウ80Yが回転すると、横搬送管79Yの長手方向の一端部まで搬送されたYプレミックス剤が、落下案内管81Yと剤補給口17Yとを通じて現像ユニット7Yの第1剤収容室9Y内に落下する。これにより、第1剤収容室9Y内にYプレミックス剤が補給される。他色(C,M,K)においても、同様にしてプレミックス剤が補給される。
以上、実施形態に係るトナーにおいては、炭素数が20個以上、80個以下である炭化水素からなり、前記炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55〜70重量%であり、且つ、示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が65[℃]以上、90[℃]以下であるマイクロクリスタリンワックスを離型促進剤として含有させている。かかる構成においては、既に説明したように、マイクロクリスタリンワックスのトナー表面への過剰な染み出しに起因するキャリアの劣化の早まりを回避するとともに、トナー中でのマイクロクリスタリンワックスの偏在によるトナー離型性の悪化を回避することができる。
また、実施形態に係るトナーにおいては、母体粒子の離型促進剤含有率を1[%]以上、20[%]以下に調整している。かかる構成では、既に説明したように、定着時のトナーオフセットの発生を抑えつつ、マイクロクリスタリンワックスでキャリアを汚染してしまうことによるキャリアの劣化の早まりを回避することができる。
また、実施形態に係るトナーにおいては、結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度を、50[℃]以上、150[℃]以下に調整している。かかる構成では、既に説明したように、結晶性ポリエステル樹脂によってキャリアを汚染することによるキャリアの劣化速度の早まりを回避し、トナーの保管時の凝集に起因する画質劣化の発生を抑え、且つ、結晶性ポリエステル樹脂のトナー中での偏在に起因する不具合を回避することができる。
1Y,C,M,K:感光体(潜像担持体)
7:現像ユニット(現像装置)
70:剤補給装置(剤補給手段)
72Y,C,M,K:剤ボトル(剤収容器)
特開2009−69800号公報

Claims (11)

  1. 潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を、前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられるプレミックス剤に含有せしめるためのトナーであって、
    結着樹脂が、少なくとも、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものであり
    ーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた前記結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さWを、前記赤外分光法によって得られた前記非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さRで除算した値が0.045以上、0.850以下の範囲であり、
    炭素数が20個以上、80個以下である炭化水素からなり、
    前記炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55〜70重量%であり、
    且つ、示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が65[℃]以上、90[℃]以下であるマイクロクリスタリンワックスを離型促進剤として含有するものであることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1のトナーであって、
    母体粒子の離型促進剤含有率が1[%]以上、20[%]以下であることを特徴とするトナー。
  3. 請求項1又は2のトナーであって、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が、50[℃]以上、150[℃]以下であることを特徴とするトナー。
  4. 請求項1乃至の何れかのトナーであって、
    母体粒子の体積平均粒径が、3.0[μm]以上、6.0[μm]未満であることを特徴とするトナー。
  5. 請求項1乃至の何れかのトナーであって、
    前記トナーにおける母体粒子の体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値である粒径比が、1.05以上、1.25以下であることを特徴とするトナー。
  6. 請求項1乃至の何れかのトナーであって、
    少なくとも、結着樹脂、結着樹脂前駆体、又は、結着樹脂及び結着樹脂前駆体と、離型促進剤とを有機溶媒中に投入して原液とする工程と、前記原液を水系媒体中に投入して乳化液又は分散液を得る工程と、前記乳化液又は分散液から溶剤を除去しながら母体粒子を形成する工程とを具備する製造法によって製造されたものであることを特徴とするトナー。
  7. 潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を、前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられるプレミックス剤であって、
    前記トナーが、請求項1乃至の何れかのトナーであることを特徴とするプレミックス剤。
  8. 請求項のプレミックス剤であって、
    前記キャリアにおけるキャリア粒子が、表面をシリコーン樹脂で被覆されたものであることを特徴とするプレミックス剤。
  9. 潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を収容し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された剤収容器と、前記剤収容器内のプレミックス剤を前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置に用いられる剤収容器であって、
    前記プレミックス剤として、請求項7又は8のプレミックス剤を収容していることを特徴とする剤収容器。
  10. 潜像担持体と、トナーとキャリアとを含有する現像剤により、前記潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する現像装置と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷される現像剤であるプレミックス剤を収容し、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された剤収容器と、前記剤収容器内のプレミックス剤を前記現像装置に補給する剤補給手段とを備える画像形成装置であって、
    前記剤収容器が、請求項の剤収容器であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 現像装置により、潜像担持体の表面に担持されている潜像を現像する工程と、トナー及びキャリアとが予め混合された状態で出荷されるプレミックス剤を現像剤として前記現像装置に補給する工程とを実施して画像を形成する画像形成方法において、
    前記プレミックス剤として、請求項7又は8のプレミックス剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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