JP2014089263A - トナー、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁誘導加熱方式の定着装置においても光沢ムラの発生を高精度に抑制することができ、装置の立ち上がり時間が短い利点を十分に活かせるトナーを提供する。
【解決手段】定着装置6は、加熱ローラ82と、定着ローラ84と、これらに掛け回された定着ベルト86と、加圧ローラ92と、誘導加熱手段94とを有している。トナーTは、離型剤と結着樹脂とを含有し、前記離型剤は、マイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスであり、前記結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものであり、且つ、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた前記結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さを、前記赤外分光法によって得られた前記非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さで除算した値が0.045以上、0.850以下の範囲である。
【選択図】図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、これらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置、該画像形成装置に現像剤又はその一部として用いられるトナー、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタでは、定着手段としての加熱ローラ(定着ローラ)と加圧ローラとの挟持構成により、加熱・加圧処理を施すことによって永久画像の形成を行っている。
従来の定着方式では、ハロゲンランプヒータによる加熱方式が最も一般的である。
一方、ハロゲンランプヒータによる加熱方式は、ヒータ自体の熱損失も大きいため、極めて消費電力が大きくなる。
消費電力の無駄も多いため、地球温暖化などの環境問題がクローズアップされる昨今においては、上記ハロゲンランプヒータによる加熱方式は省エネルギ化に逆行しているといえる。
このような状況から、熱効率が良く立ち上がり時間の短い定着装置の要求が生じている。
近年では、装置の立ち上がり時間が短く省エネルギ化された、電磁誘導加熱方式の定着装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この定着装置では、例えば、電磁誘導により発熱する発熱部材の熱を薄肉で熱容量の小さい定着ベルトに伝達する構成となっている。
しかしながら、電磁誘導加熱方式の定着装置では、瞬時に定着温度に立ち上げることができる半面、定着ベルト上の場所によって局部的に熱エネルギのバラツキが大きくなる。
これにより、トナーを溶かす時に熱エネルギ差でトナーの溶け具合が場所によって異なり、光沢ムラが発生する不具合が知られている。
特許文献1等には、定着ベルト中央部と端部の温度分布差を無くす構成も開示されている。
すなわち、発熱部材(導電性部材)を誘導加熱する主誘導コイル(励磁コイル)の他に、主誘導コイルによって発生される磁束を消失させるように磁束を発生させる副誘導コイルを幅方向両端部に設ける構成が開示されている。
小サイズ紙が通紙されるときには、幅方向両端部に設置された副誘導コイルに電源から電流が供給されて、発熱部材の非通紙領域に作用する主誘導コイルによる磁束が減ぜられる。
これに対して、大サイズ紙が通紙されるときには、幅方向両端部に設置された副誘導コイルに電流が供給されずに、発熱部材の幅方向全域にわたって主誘導コイルによる磁束が作用する。
主誘導コイルと副誘導コイルとは、いずれも1つの電源に接続されていて、その電源から電力が供給されている。
上述した特許文献1等に記載の定着装置では、小サイズ紙が通紙されるときに、発熱部材の非通紙領域に作用する磁束が減ぜられるために、発熱部材(又は定着部材)の非通紙領域における過昇温を抑止する効果がある程度期待できる。
しかしながら、電磁誘導加熱方式の定着装置等における温度分布のバラツキは、中央部と端部の差のみではない。
すなわち、瞬時に温度を立ち上げることができるメリットがある反面、同じ中央部でも場所による温度のバラツキがある。
このため、定着温度のバラツキがある場所では出力画像に光沢ムラ(定着ムラ)が生じることがあった。
このような定着温度のバラツキは、磁束が作用する範囲を制御しても解消できない。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、電磁誘導加熱方式の定着装置においても光沢ムラの発生を高精度に抑制することができ、装置の立ち上がり時間が短い利点を十分に活かせるトナーの提供を、その主な目的とする。
本発明者の考察によれば、熱エネルギのバラツキによって、トナー表面への離型剤(ワックス)の染み出しに差異が生じ、滲み出しが遅れて離型効果が低い部位ではトナーが定着ベルトに粘着し、これにより光沢が不均一になると考えられる。
そこで、本発明は、熱エネルギのバラツキがあっても離型剤(ワックス)の染み出しに差異が生じないトナーを用いることにより、上記光沢ムラの問題を解消することとした。
上記目的を達成すべく、本発明は、離型剤と結着樹脂とを含有し、前記離型剤は、マイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスであり、前記結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものであり、且つ、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた前記結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さを、前記赤外分光法によって得られた前記非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さで除算した値が0.045以上、0.850以下の範囲であることを特徴とするトナーである。
本発明によれば、温度バラツキがあっても光沢ムラの発生を抑制でき、画像品質を向上させることができる。
このため、誘導加熱方式の定着装置を有する画像形成装置においても光沢ムラの発生を抑制でき、定着温度を瞬時に立ち上げるメリットを十分に活かすことができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。 定着装置の概要構成図である。 結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示す図で、横軸に赤外線の波数を、縦軸に吸光度をとったグラフである。 非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示す図で、横軸に赤外線の波数を、縦軸に吸光度をとったグラフである。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
図1に本実施形態に係る画像形成装置の概略を示す。
画像形成装置100は、カラーレーザプリンタであるが、他のタイプのプリンタ、ファクシミリ、複写機、複写機とプリンタとの複合機等、他の画像形成装置であっても良い。
画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行う。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体として画像形成を行なうことが可能である。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な構成を有している。
すなわち、像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを平行に配設したタンデム構造を有している。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、中間転写体としての中間転写ベルト11の移動方向である矢印A1方向の上流側からこの順で並んでいる。
各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
各画像形成ユニット60は装置本体に対し着脱自在なプロセスカートリッジとしてなる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、装置本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端状の中間転写ベルト11の外周面側、すなわち作像面側に位置している。
中間転写ベルト11は、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像、すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する中間転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写される。
その後、中間転写ベルト11上のトナー像は、記録媒体である転写紙Sに一括転写されるようになっている。
中間転写ベルト11は、その上側の部分が各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに対向している。
この対向した部分が、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上のトナー像を中間転写ベルト11に転写する1次転写部58を形成している。
中間転写ベルト11に対する重畳転写は、中間転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、1次転写装置としての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって行われる。
この重畳転写は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
これにより、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、中間転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写される。
各1次転写ローラ12は、中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20に対向する位置に配設されている。
中間転写ベルト11は、ベース層を伸びの少ない材質で構成し、ベース層の表面を平滑性の良い材質によって覆ったコート層とし、ベース層にコート層を重ねて形成した多層構造となっている。
ベース層の材質としては、たとえばフッ素樹脂、PVDシート、ポリイミド系樹脂が挙げられる。
コート層の材質としては、たとえばフッ素系樹脂等が挙げられる。
装置本体99内には、4つの画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKと、中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、2次転写装置5と、潜像形成手段としての光走査装置8とが配置されている。
装置本体99の下部には、中間転写ベルト11と2次転写装置5との間の2次転写部57に向けて搬送される転写紙Sを多数枚積載可能なシート給送装置61が設けられている。
シート給送装置61から搬送されてきた記録紙Sは、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、レジストローラ対4により2次転写部57に向けて繰り出される。
レジストローラ対4の駆動制御は、転写紙Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサからの信号に基づいてなされる。
2次転写部でトナー像を転写された転写紙Sは、ベルト搬送装置87で定着装置6に送られ、ここで熱と圧力によりトナー像を定着される。
定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ対7により排紙トレイ17に排出される。
装置本体99の上部には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9M、9C、9BKが配置されている。
光走査装置8は、側板98間に位置決めされて固定された支持フレーム97に支持されている。
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、それぞれに対応して設けられた図示しない駆動装置で回転駆動される。
画像形成装置100の動作全般は、図示しないCPU、メモリ等を含む制御手段64により制御される。
転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11の他に、1次転写バイアスローラとしての1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKを有している。
また、転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11を回転可能に支持する複数のローラを有している。
すなわち、駆動ローラ72と、クリーニング対向ローラ74と、支持ローラ33、66、67、75とを有している。
また、転写ベルトユニット10は、中間転写ベルト11に対向して配設され、中間転写ベルト11の表面をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置13を有している。
また、転写ベルトユニット10は、駆動ローラ72を回転駆動する図示しない駆動系と、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKに1次転写バイアスを印加する図示しないバイアス印加手段としての電源及びバイアス制御手段とを有している。
クリーニング対向ローラ74、支持ローラ33、66、67、75は、駆動ローラ72によって回転駆動される中間転写ベルト11に連れ回りする従動ローラとなっている。
1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKは、中間転写ベルト11をその裏面から感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに向けて押圧してそれぞれ1次転写ニップを形成する。
この1次転写ニップは、中間転写ベルト11の、支持ローラ75相互間に張り渡した部分において形成されている。
支持ローラ75は、1次転写ニップを安定化する機能を有する。
各1次転写ニップには、1次転写バイアスの影響により、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKとの間に1次転写電界が形成される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上に形成された各色のトナー像は、この1次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト11上に1次転写される。
支持ローラ33は、中間転写ベルト11を介して2次転写装置5を当接されており、2次転写部57を形成している。
支持ローラ66は、中間転写ベルト11に、転写に適した所定の張力を与えるテンションローラとしての機能を有している。
ベルトクリーニング装置13は、クリーニング対向ローラ74に対向する位置で中間転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブレード76を有している。
また、A1方向においてクリーニングブレード76より上流側において間転写ベルト11に対向して配設されたブラシローラ68と、クリーニングブレード76及びブラシローラ68をその内部に収容したケース77とを有している。
ベルトクリーニング装置13は、中間転写ベルト11上の残留トナー等の異物をブラシローラ68及びクリーニングブレード76で掻き取り、除去して、中間転写ベルト11をクリーニングする。
中間転写ベルト11は、駆動系の動作により、450mm/secの線速で回転するようになっている。
ただし、この線速は、画像形成装置100のシステム速度に一致するように調整されるものである。
かかるシステム線速は400mm/sec以上、1700mm/sec以下で設定されるものである。
このように、画像形成装置100は高速機となっており、この高速機の中でもかかるシステム線速が超高速システム速度である超高速機となっている。
これにより、画像形成装置100は、その搬送方向に縦長で搬送される転写紙SがA4サイズの場合において、1分間に70枚以上の画像形成が可能となっている。
シート給送装置61は、転写紙Sを複数枚重ねた転写紙束の状態で収容するものであり、装置本体99の下部に多段で配設されている。
多段のシート給送装置61により、装置本体99の底部にペーパーバンク31が形成されている。
シート給送装置61は、最上位の転写紙Sの上面に押圧される給紙ローラとしての給送ローラ3を有している。
給送ローラ3が所定のタイミングで反時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
シート給送装置61から送り出された転写紙Sは、給紙路32を経てレジストローラ対4に至り、レジストローラ対4のローラ間に挟まれる。
レジストローラ対4はその後、転写紙Sを2次転写部57に向けて給送する。
2次転写装置5は、支持ローラ33に対向して配置されている。
2次転写装置5は、2次転写ローラ69を中間転写ベルト11に当接させることによって、2次転写部57であるニップ部を形成するようになっている。
このニップ部である2次転写部57に転写紙Sを通して、中間転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに転写するようになっている。
図2に示すように、定着装置6は、金属誘導体からなる加熱部材としての加熱ローラ82と、定着部材としての定着ローラ84と、加熱ローラ82と定着ローラ84とに掛け回された定着ベルト86とを有している。
また、定着装置6は、定着ベルト86を介して定着ローラ84に対向し、定着ローラ84との間に定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ92を有している。
また、定着装置6は、加熱ローラ82を電磁波による渦電流によって加熱する誘導加熱手段94(図1では省略)と、誘導加熱手段94に通電する図示しない電源と、加熱ローラ82の表面温度を検知する温度検知センサ95とを有している。
定着ローラ84はモータ96により回転駆動される。
誘導加熱手段94は、励磁コイル、消磁コイル、コア、コイルガイド等からなる周知の構成を有している。
温度検知センサ95による検知信号は制御手段64に送られ、これに基づいて定着温度の制御がなされる。
定着装置6では、加熱ローラ82が電磁波による渦電流によって加熱され、加熱ローラ82からの熱は熱容量の小さいポリイミドなどの材質で成型された定着ベルト86に伝達される。
定着ニップで、転写紙S上のトナーTが加熱溶融され、定着される。
この定着方式は、一般に、誘導加熱方式と称されている。
この定着方式は、加熱時間あるいは立ち上がり時間を大幅に短くでき、且つ効率も良いことから、環境問題にも寄与できる方式として注目されている。
この定着方式では、加熱ローラ82はトナーに圧力をかけて定着する必要がないため、薄く小さく構成できる。
また、熱容量の小さい定着ベルト86を併用することによって急激に加熱温度を立ち上げることが可能となる。
光走査装置8は、画像形成装置100の外部から入力される画像情報に従って光ビームであるレーザ光を偏向走査して感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに同時に照射する。
なお、画像形成装置100が複写機である場合には、光走査装置8は、その複写機に備えられた原稿読取装置におけるコンタクトガラス上にセット等された原稿が、コピースイッチの押下などをトリガーとして、光学的に読み取られる。
これによって生成された画像情報に従って、レーザ光を感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに照射し、露光することで、静電潜像を形成する。
露光手段は、光走査装置8の方式に限らず、LEDを感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの長手方向である図1の紙面に垂直な主走査方向に沿って並べたLEDアレイを用いたものであっても良い。
トナーボトル9Y、9M、9C、9BK内のイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーは、重合トナーである。
図示しない搬送経路を経て、所定の補給量だけ、画像形成ユニット60Y、60M、60C、60BKに備えられた現像装置80Y、80M、80C、80BKに補給される。
画像形成ユニット60BK、60Y、60M、60Cについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像形成ユニット60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、他の画像形成ユニットの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、画像形成ユニット60BKの構成に付した符号に対応する符号を、他の画
像形成ユニットの構成に付し、また詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にBK、Y、M、Cが付されたものはそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
画像形成ユニット60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図1中反時計方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12Yと、クリーニング手段としてのクリーニング装置71Yと、除電手段としての図示しない除電装置とを有している。
また、AC帯電を行なう帯電手段としての帯電装置79Yと、画像形成用現像剤である2成分現像剤により現像を行う現像手段としての現像装置80Yとを有している。
感光体ドラム20Yは、駆動装置によって駆動されB1方向に所定の周速度で回転する。
クリーニング装置71Yは感光体ドラム20Yに対してカウンター方向で当接した図示しないクリーニングブレードである弾性ゴムブレードを備えている。
1次転写ローラ12Yによる1次転写後に感光体ドラム20Y上に残留しているトナーをクリーニングブレードによって感光体ドラム20Yから掻き落として除去し感光体ドラム20Yをクリーニングする。
除電装置は、クリーニング装置71Yによりクリーニングされた感光体ドラム20Y表面に残留している電荷を除去して感光体ドラム20Yの表面電位を初期化する除電ランプを備えている。
帯電装置79Yは、感光体ドラム20Yに当接した図示しない帯電部材としての帯電ローラを有しており、除電装置によって除電された感光体ドラム20Y表面を一様に帯電させる。
クリーニング装置71Yがかかる弾性ゴムブレードを備えているとともに、帯電装置79Yがかかる帯電ローラを備えていることで、感光体ドラム20Yのクリーニング及び帯電が良好に行われる。
現像装置80Yは、感光体ドラム20Yに対向した図示しない現像ローラを有し、この現像ローラに担持された現像剤中に含まれるトナーを現像領域において感光体ドラム20Yに供給する。
すなわち、光走査装置8によって形成された静電潜像を構成する非画像部と画像形成部とのうち、画像形成部にのみトナーを付着させる。
これにより、静電潜像を現像して顕像化(可視像化)し、感光体ドラム20Y表面にトナー像を形成する。
現像装置80Yにおいて用いられるトナー、言い換えると画像形成装置100において用いられるトナーの詳細については後述する。
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置71Yと、除電装置と、帯電装置79Yと、現像装置80Yとは、装置本体99に着脱自在のプロセスカートリッジ88Yを構成している。
このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことが可能であるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
なお、プロセスカートリッジは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置71Y、除電装置、帯電装置79Y、現像装置80Yのうちの少なくとも現像装置80Yとを有するように構成する。
このようにすれば、2成分現像剤に含まれるキャリアを現像装置80Yの交換時に交換することとなる等のため、好ましい。
このような構成の画像形成装置100において、カラー画像を形成すべき旨の信号が入力されると、駆動ローラ72が駆動され、中間転写ベルト11、クリーニング対向ローラ74、支持ローラ33、66、67、75が従動回転する。
同時に、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKがB1方向に回転駆動される。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、B1方向への回転に伴い、帯電装置79Y、79M、79C、79BKにより表面を一様に帯電される。
光走査装置8からのレーザ光の露光走査によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応した静電潜像を形成される。
この静電潜像が各現像装置80によりイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにより現像され、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像によって構成された単色画像が形成される。
現像により得られたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像は、順次、1次転写ローラ12Y、12M、12C、12BKによって転写される。
すなわち、A1方向に回転している中間転写ベルト11上の同じ位置に多重転写され、中間転写ベルト11上には合成カラー画像が形成される。
一方、カラー画像を形成すべき旨の信号の入力、あるいは画像形成装置100が複写機である場合にはコピースイッチの押下等に伴い、ペーパーバンク31に備えられたシート給送装置61のいずれかが選択される。
選択されたシート給送装置61に備えられた給送ローラ3が回転して転写紙Sを繰り出すとともに1枚ずつ分離して給紙路32に送り込む。
給紙路32に送り込まれた転写紙Sは図示しない搬送ローラでさらに搬送されレジストローラ対4に突き当てられた状態で停止する。
中間転写ベルト11上に重ね合わされた合成カラー画像が中間転写ベルト11のA1方向の回転に伴って2次転写部57まで移動するタイミングに合わせて、レジストローラ対4が回転する。
2次転写部57では、合成カラー画像が、2次転写部57に送り込まれた転写紙Sに密着し、ニップ圧及び電源によって形成されたバイアスの作用によって転写紙Sに2次転写され、記録される。
転写紙Sはベルト搬送装置87によって定着装置6に送り込まれ、定着装置6において定着ベルト86と加圧ローラ92との間の定着部を通過する際、熱と圧力との作用により、担持したトナー像すなわち合成カラー画像を定着される。この定着は、後述するように、良好に行われる。
定着装置6を通過した、合成カラー画像を定着済みの転写紙Sは、排紙ローラ対7を経て装置本体99外に排出され、装置本体99の上部の排紙トレイ17上にスタックされる。
感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、転写後に残留した転写残トナーをクリーニング装置71Y、71M、71C、71BKにより除去され、除電装置によって除電され、帯電装置79Y、79M、79C、79BKによる次の帯電に供される。
2次転写を終えた2次転写部57通過後の中間転写ベルト11は、クリーニング装置13に備えられたクリーニングブレード76によってその表面をクリーニングされ、次の転写に備える。
以下、本実施形態に係るトナーについて説明する。
かかるトナーは、少なくとも離型剤と結着樹脂とを含有したものである。
離型剤は、少なくともマイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスを含有している。
結着樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものである。
ここで、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さをWとする。
また、赤外分光法によって得られた非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さをRとする。
このとき、結着樹脂は、W−Rの値が0.045以上、0.850以下の範囲である。
より具体的に説明する。
かかるトナー表面の結晶性ポリエステル樹脂局在量、すなわち含有量は、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置)で「Avatar370/ThermoElectron社製」、KBr法(全透過法)測定により得られる吸光度スペクトルから求められる。
結晶性ポリエステル樹脂の特徴的なスペクトルのピーク高さをW、非晶質の樹脂の特徴的なスペクトルのピーク高さをRとするとき、W/Rで示される結晶性ポリエステル樹脂ピーク比が0.045〜0.850、より好ましくは0.080〜0.450である。
W/Rで示される結晶性ポリエステル樹脂ピーク比が0.045〜0.850であることが重要である。
0.045より小さい場合、定着時ワックスがトナー内部から染み出されにくく、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化する。
0.850より大きい場合、ワックスがトナー表面から染み出しすぎて、装置内の紙搬送コロなどを汚染し、部品寿命を阻害し、不具合が発生する。
結晶性ポリエステルによるワックス染み出しやすさのメカニズムは明らかではないものの、次のようなことが推測される。
すなわち、特定結晶性ポリエステルは母体粒子中のアモルファス樹脂と相溶せず、結晶状態で微分散している。
本発明に係る特定ワックスは、結晶性ポリエステル樹脂に親和性があり接近しやすく、微分散している結晶性ポリエステル樹脂と共に分散し、結晶性ポリエステル樹脂はある意味でワックスの分散助剤の役割を果たしていると思われる。
そのため、定着時に熱と加圧のエネルギで均一微分散のワックスがトナー表面に染み出しやすくなり、離形性効果が働き、画像表面荒れと光沢ムラが改善されたのではないかと推定される。
特に、離型剤ワックスとしてマイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスを用いたことと、結晶性ポリエステル樹脂を含有することの総合効果で成り立つトナーを用いることに特徴がある。
これにより、上述のように電磁誘導加熱方式の定着装置を用いる画像形成装置において、初めて画像表面荒れと光沢ムラが改善されている。
このようなW/Rで示される樹脂ピーク比の制御は、結晶性ポリエステル樹脂の非晶質樹脂との相溶状態によって決まると考えられる。
しかし、結晶化度の測定が難しいところがあるので、本発明においては、品質工学上の手法により、トナー処方原材料比率、乳化を含め、各製造工程などの製造条件を最適化している。
W/Rで示される結晶性ポリエステル樹脂ピーク比が0.045〜0.850の範囲に入るような処方及び製造条件を最適条件とすることで、意図的かつ確実にこれを達成するようにしている。
換言すれば、本発明の技術的キーポイントは、品質問題のバランスを考慮して、結晶性ポリエステル樹脂とアモルファス樹脂との相溶状態をコントロールするように、処方と製造の最適条件が見出される点にもある。
[W/Rで示される結晶性ポリエステル樹脂ピーク比の測定法]
トナー表面の結晶性ポリエステル樹脂ピーク比は、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置)を使用しKBr法(全透過法)でのKBrスペクトルからわかるピーク強度比より求める。
より具体的には、結晶性ポリエステル樹脂が結晶状態時の特徴的なスペクトルのピーク高さをW(図3参照)、非晶質樹脂の特徴的なスペクトルのピーク高さをR(図4参照)とする。
図3に示すように、結晶性ポリエステル樹脂が結晶状態時の特徴的なスペクトル(1165cm−1)の高さのベースラインは1199−1137cm−1である。同図の詳細については後述する。
非晶質樹脂の特徴的なスペクトル(たとえばポリエステル樹脂の場合、829cm−1)の高さのベースラインは784−889cm−1である。同図の詳細については後述する。
W/Rをピーク強度比として計算した。ピーク強度比は、スペクトルを吸光度に直し、そのピーク高さを使用したものである。
離型剤が、マイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスを用いることが好ましいことについてより具体的に説明する。
マイクロクリスタリンワックスを用いる場合は、次のような特性を有するマイクロクリスタリンワックスを用いることが好ましい。
(1)炭素数20個以上、80個以下の炭化水素からなり、かつこの炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55重量%以上、70重量%以下
(2)示差走査熱量測定(DSC)による極大吸熱ピーク温度で定義される融点が65℃以上、90℃以下
このような条件が与えられる理由は、炭素数が20より小さい、またはDSCによる融点が65℃より小さい場合、定着時ワックスがトナー表面から染み出しすぎるからである。
ワックスがトナー表面から染み出しすぎると、装置内の紙搬送コロなどを汚染し、部品寿命を阻害し、不具合が発生する。
また、炭素数が80より大きい、またはDSCによる融点が90℃より大きい場合、定着時ワックスがトナー内部から染み出されにくくなる。
この場合、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化しやすい。
合成エステルワックスは、エステルワックスの中でも合成エステルワックスであることが好ましい。
さらに長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールとを用いて得られるモノエステルワックスであることが好ましい。
合成エステルワックスの例としては、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールとから合成されるモノエステルワックスが挙げられる。
長鎖直鎖飽和脂肪酸は一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5〜28程度のものが好ましく用いられる。
長鎖直鎖飽和アルコールはC2n+1OHで表わされn=5〜28程度のものが好ましく用いられる。
ここで長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、カプリン酸,ウンデシル酸,ラウリン酸,トリデシル酸,ミリスチン酸,ペンタデシル酸,パルミチン酸,ヘプタデカン酸等が挙げられる。
また、テトラデカン酸,ステアリン酸,ノナデカン酸,アラモン酸,ベヘン酸,リグノセリン酸,セロチン酸,ヘプタコサン酸,モンタン酸およびメリシン酸等が挙げられる。
長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、アミルアルコール,ヘキシールアルコール,ヘプチールアルコール,オクチルアルコール,カプリルアルコール,ノニルアルコール,デシルアルコール,ウンデシルアルコール等が挙げられる。
また、ラウリルアルコール,トリデシルアルコール,ミリスチルアルコール,ペンタデシルアルコール,セチルアルコール,ヘプタデシルアルコール,ステアリルアルコール等が挙げられる。
また、ノナデシルアルコール,エイコシルアルコール,セリルアルコールおよびヘプタデカン1オール等が挙げられる。
なお、かかる脂肪酸およびアルコールは、炭素数5以上の直鎖状の構造を有していれば、本発明における効果を損なわない範囲で、たとえば低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
上述したモノエステルワックスは、たとえば長鎖直鎖飽和脂肪酸1モルに対し長鎖直鎖飽和アルコール2モルを攪拌機、コンデンサーを備えた丸底フラスコに投入する。
その後、少量の硫酸を加えて約130℃で4時間加熱還流させた後、過剰のアルコールを除去し、残査をメチルエーテルなどで精製して得られる。
使用される合成エステルワックスの別の例として、硼酸と長鎖直鎖飽和アルコールとから合成されるトリエステルワックスが挙げられる。
かかる硼酸は無水硼酸または3塩化硼素が用いられる。
硼酸トリエステルの合成方法はたとえば無水硼酸1モルに対して、長鎖直鎖飽和アルコール3モルを攪拌機を備えた丸底フラスコに投入し、通常約120℃以上で反応を行い製造する。
その後残査をアルコール、エーテルなどで精製して得られる。
さらにまた、合成エステルワックスの別の例としてネオペンチル型ポリオールとジカルボン酸と長鎖直鎖飽和脂肪酸とから合成されるオリゴエステルワックスが挙げられる。
かかるネオペンチル型ポリオールの例としてはネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらのネオペンチル型ポリオールの中ではペンタエリスリトールが最も保存性が良好となり好ましい。
かかるジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸類などが挙げられる。
また、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸類、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類などが挙げられる。
これらのジカルボン酸類のなかではシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸などの短鎖脂肪族ジカルボン酸が融点が低くなり、定着性が向上するために好ましい。
かかるオリゴエステルワックスの合成方法はネオペンチル型ポリオールとジカルボン酸と長鎖直鎖飽和脂肪酸とを攪拌機、コンデンサーを備えた丸底フラスコに投入し、少量の硫酸を加えて約130℃で4時間加熱還流させる。
その後残査をメチルエーテルなどで精製して得られる。
エステルワックスは、その示差熱分析(DSC)による吸収熱量のピーク温度が40〜90℃のものが好ましい。
この温度は低いほど低温定着性が良好となるが、40℃未満であるとトナーの保存性が、また90℃より高いと低温での定着特性が悪化するおそれがあり好ましくない。
トナーにおける離型剤の含有量(重量比)、すなわちワックス含有率は、母体粒子の総量に対して1%以上20%以下であることが好ましい。
1%未満である場合、定着時ワックスがトナー内部から染み出しが不足し、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化する。
20%を超える場合、定着時ワックスがトナー表面から染み出しすぎて、装置内の紙搬送コロなどを汚染し、部品寿命を阻害し、不具合が発生する。
離型剤の融点とは、示差走査熱量分析(Differential scanning calorimetry;DSC)により得られる示差熱曲線において、吸熱量が極大になる吸熱ピークの温度(「極大吸熱ピーク温度」と呼称する)である。
結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量分析(DSC)により測定される吸熱ピーク温度は、50℃以上150℃以下であることが好ましい。
50℃未満の場合、トナーの熱保存性が悪くなり、保管過程で固まってしまい、流動性が劣る。
150℃を超える場合、定着時ワックスがトナー内部から染み出されにくく、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化する。
母体粒子の体積平均粒径は、3.0[μm]以上、6.0[μm]未満であることが好ましい。
3.0[μm]未満の場合、微粒子が多すぎて現像スリーブ固着が発生しやすくなる。
6.0[μm]を超える場合、トナー総表面積が減りワックスがトナー内部から染み出されにくく、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化する。
母体粒子の体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値である粒径比は、1.05以上、1.25以下であることが好ましい。
1.05未満の場合は、トナー分布揃えるためにかなり微紛をカットすることが求められ、生産性が著しく劣る。
1.25を超える場合は、粒径分布が広がりすぎて、トナー表面にワックスが均一に染み出すのが困難になり、画像表面離型性が劣り、画像表面光沢ムラが悪化する。
トナーの原材料であるトナー材料について順次説明する。
(結晶性ポリエステル)
トナーを構成する母体粒子の結着樹脂として、結晶性ポリエステル[以下、結晶性ポリエステル(iii)とする]が含有される。
結晶性ポリエステル(iii)は、アルコール成分と酸成分との反応により得られたものであり、少なくとも融点を有するポリエステルである。
結晶性ポリエステル(iii)のアルコール成分としては、炭素数2〜6のジオール化合物、とくに1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれらの誘導体を含有する。
また、酸成分としては、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、およびこれら酸の誘導体の少なくとも1つを含有することが好ましい。
すなわち、アルコール成分と酸成分とから合成される下記一般式(1)で表される繰返し講造単位を有する結晶性ポリエステルが好ましい。
Figure 2014089263
式(1)中、R1、R2は水素原子または炭化水素基であり、その炭素数は1〜20である。また、nは自然数である。
結晶性ポリエステル(iii)の結晶性および軟化点を制御する方法としては、たとえば、非線状ポリエステルなどを適宜分子設計して使用するなどの方法が挙げられる。
このような、非線状ポリエステルは、ポリエステル合成時にアルコール成分にグリセリン等の3価以上の多価アルコールや、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行い、合成される。
結晶性ポリエステル(iii)の分子構造は、固体NMRなどにより確認される。
分子量については、上記の分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れるという観点から鋭意検討した。
その結果、o−ジクロロベンゼンに可溶分のGPCによる分子量分布で、横軸をlog(M)、縦軸を重量%で表した分子量分布図のピーク位置が3.5〜4.0の範囲にあり、ピークの半値幅が1.5以下であることが好ましいことを見出した。
また、重量平均分子量(Mw)で1000〜6500、数平均分子量(Mn)で500〜2000、Mw/Mnが2〜5であることが好ましいことを見出した。
結晶性ポリエステル(iii)の母体粒子中における分散粒子径は、長軸径で0.2μm以上3.0μm以下(0.2〜3.0μm)であることが好ましい。
分散粒子径の長軸径を0.2〜3.0μmの範囲に制御することで、母体粒子中での特定マイクロクリスタリンワックス及び又はエステルワックスの微分散をより確実にすることができる。
また、定着ギャップで母体粒子表面にワックスが染み出し時におけるワックスの偏在が抑制される。
結晶性ポリエステル(iii)の酸価は、8mgKOH/g以上45mgKOH/g以下が好ましい。
すなわち、転写紙Sと樹脂との親和性の観点から、目的とする低温定着性を達成するためにはその酸価が8mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上であることが好ましい。
一方、ホットオフセット性を向上させるには45mgKOH/g以下のものであることが好ましい。
結晶性ポリエステル(iii)の水酸基価については、所定の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g以上50mgKOH以下(0〜50mgKOH/g)が好ましい。
より好ましくは5〜50mgKOH/gである。
着色剤としては、公知の染料や顔料を使用している。
たとえば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物などである。
着色剤の含有量については、トナーに対して通常1〜15重量%にしている。好ましくは3〜10重量%である。
なお、必要に応じて、トナーに帯電制御剤を含有させてもよい。
このような帯電制御剤としては公知のものを使用可能である。
たとえば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類や、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法などに応じて決定されるものである。
一義的に限定することは難しいが、概ね結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。
好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させても良い。
もちろんトナー材料液(油相)の調製工程で有機溶剤に溶解乃至分散する際に直接加えてもよいし、母体粒子形成後にその表面に固定化させてもよい。
トナーは、トナー材料の原液(油相)を、水系媒体(水相)中で乳化又は分散させた後、脱溶剤によって造粒された粒子(着色粒子)によって形成される母体粒子から構成されるものである。
母体粒子を有するトナーの流動性や現像性、帯電性、クリーニング性を補助する目的で、母体粒子表面に外添剤を添加してもよい。母体粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子が好ましく用いられる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5[nm]〜2[nm]であることが好ましく、特に5[nm]〜500[nm]であることが好ましい。
また、母体粒子を有するトナーのBET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。
この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などを用いてもよい。
必要に応じて、流動化剤によってトナー粒子を表面処理してよい。
これにより、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化が防止される。
表面処理剤としては、たとえば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤などが好ましい。
また、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい。
トナーは、少なくとも、結着樹脂、結着樹脂前駆体、又はその両方を含む材料を離型促進剤とともに有機溶媒に溶解又は分散させてトナー材料の原液(油相)を調製する工程と、この原液を水系媒体(水相)中に投入して乳化又は分散させ、乳化液又は分散液を得る工程と、この工程の後、かかる乳化液又は分散液から脱溶剤して母体粒子を形成する工程とを経て製造されるものである。
以下、製造方法の一例を説明するが、画像形成装置100において用いられる、本発明に係るトナーの製造方法はこの一例に限られるものではない。
結着樹脂としては、少なくとも、エステル結合と、エステル結合以外の結合単位を含む変性ポリエステルが用いられている。
結着樹脂前駆体は前記変性ポリエステルを生成可能な樹脂前駆体である。
この結着樹脂前駆体として、活性水素基を有する化合物と、該化合物の活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステルを含有するものが好適である。
例えば、活性水素基と反応可能な官能基を有するポリエステルとしてイソシアネート基を有するポリエステル〔ポリエステルプレポリマー(A)〕を使用する場合には、以下のような方法で製造され得る。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減圧としながら生成する。
水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
次いで、40〜140[℃]にて、水酸基を有するポリエステルにポリイソシアネート(3)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)〔以下では「プレポリマー(A)」と略することがある〕を得る。
さらに(A)に活性水素基を有する化合物であるアミン類(B)を0〜140[℃]にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
ポリオール(1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
なかでも、炭素数が2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物等)等が例示される。
3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等を例示することができる。
これらを二種以上併用してもよい。
ポリカルボン酸(2)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
なかでも、炭素数が4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数が8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(2)としては、炭素数が9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が例示される。
これらを二種以上併用してもよい。
なお、ポリカルボン酸の代わりに、ポリカルボン酸の無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
ポリイソシアネート(3)としては、イソシアネート化剤が挙げられる。
また、アミン類(B)としては前記アミン類で示したものが挙げられる。ポリイソシアネート(3)を反応させる際や、プレポリマー(A)とアミン類と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いても良い。
使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(3)に対して不活性なものが挙げられる。
一方、変性されていないポリエステル〔未変性ポリエステル(ii)〕を併用する場合は、上記水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
上述した水系媒体(水相)としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用しても良い。
混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
また、水系媒体(水相)には、後述のような界面活性剤や高分子系保護コロイドなどの分散剤を含有してもよい。
母体粒子を形成する際、結着樹脂前駆体として、イソシアネート基を有するポリエステル〔ポリエステルプレポリマー(A)〕と、アミン類(B)を用いる場合、水系媒体中でポリエステルプレポリマー(A)と、アミン類(B)を反応させて変性ポリエステル[ウレア変性ポリエステル:〔変性ポリエステル(i)〕]としてもよい。
予め(A)と(B)を反応させて製造した変性ポリエステル[ウレア変性ポリエステル:〔変性ポリエステル(i)〕]を用いてもよい。
水系媒体中でウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕、もしくはポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中に、変性ポリエステル(i)、あるいはプレポリマー(A)とアミン類(B)、他の結着樹脂(結晶性ポリエステル等)、離型促進剤を含むトナー材料(原料)の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
ポリエステルプレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下、「トナー原料」と呼称する)着色剤(あるいは着色剤マスターバッチ)、離型促進剤、結晶性ポリエステル、未変性ポリエステル、荷電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させた方がより好ましい。
着色剤、荷電制御剤などのトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。
たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加しても良い。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。
分散体の粒径を2〜20[μm]にするためには高速せん断式が好ましい。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。
分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。
分散時の温度としては、通常、0〜150[℃](加圧下)、好ましくは40〜98[℃]である。
高温の方が、ウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕やポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
変性ポリエステル(i)やポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)を含むトナー材料(トナー組成物)100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。
水系媒体の使用量が50重量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。
一方、水系媒体の使用量が20000重量部を超えると、経済的でない。
また、前述のように必要に応じて、分散剤を用いても良い。
分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)とからウレア変性ポリエステル〔変性ポリエステル(i)〕を合成する工程は、あらかじめ(A)を含むトナー材料液(油相)を水系媒体中で分散する前にアミン類(B)を加えて反応させてもよい。
(A)を含むトナー材料液(油相)を水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて反応させてもよい(粒子界面から反応)。
この場合、形成される母体粒子表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けても良い。
トナー材料(トナー組成物)が分散されたトナー材料の原液(油相)を、水が含まれる液体(水系媒体:水相)に乳化、分散するための分散剤として界面活性剤を用いても良い。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果が発揮される。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸およびその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸および金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)およびその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸およびその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いても良い。
また、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させてもよい。
高分子系保護コロイドとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体などがある。
例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、あるいはビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、あるいはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用可能である。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。
その他酵素による分解などの操作によっても除去可能である。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとしても良いが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去する方がトナーの帯電面から好ましい。
トナー材料(トナー組成物)を溶解又は分散させたトナー材料の原液(油相)の粘度を低くするために、変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。
このような溶剤を用いた方が粒度分布がシャープになる点で好ましい。
使用する溶剤の沸点は、100[℃]未満で揮発性を有するものであることが、溶剤除去が容易である点から好ましい。
このような溶剤としては、たとえば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いても良い。
とくに、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
ポリエステルプレポリマー(A)100重量部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長、架橋、あるいは伸縮架橋の架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択される。
通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。
具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
トナー材料の原液(油相)を水系媒体(水相)中で乳化又は分散させて得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用しても良い。
あるいは、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去して母体粒子となす微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。
乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。
スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広くなった場合に、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理を行っても、所望の粒度分布に分級することで、粒度分布が整えられる。
分級法としては、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、不要サイズの微粒子部分を取り除く方法が例示される。
乾燥させて粉体とした後に分級を行ってもよいが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。
分級によって取り除かれた不要サイズの微粒子、または粗粒子については、再び混練工程に戻して粒子の形成に用いられ得る。
その際、微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
分散剤については、分散液から可能な限り取り除くことが好ましく、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
乾燥後の粉体(母体粒子)を、必要に応じて、離型促進剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合する。
あるいは、混合粉体に機械的衝撃力を与えたりする。
これにより、母体粒子を有するトナーが得られる。
機械的衝撃力を与えることによって、得られる母体粒子を有するトナー(複合体粒子)の表面からの異種粒子の脱離が防止される。
機械的衝撃力を与える具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置がある。
また、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
キャリアとトナーの含有比としては、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用可能である。
磁性キャリアの被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用可能である。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。
導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用可能である。
これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。
平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系現像剤(磁性トナーあるいは非磁性トナー)であっても良い。
以上述べたトナーを用いることに加え、本実施形態に係る画像形成装置100においては、検出されるため、温度検知の精度が向上し定着ベルト86を上述のように構成している。
これにより、トナーがより温度を的確にキャッチして、トナー像に効率よく熱量が伝わる。
このため、定着時ワックスがトナー内部から染み出しやすく、画像表面離型性が向上され、画像表面光沢ムラが改善している。
定着ベルト86の温度は加熱ローラ82に対向する位置において温度検知センサ95によっており、光沢ムラの改善作用がより高まっている。
次に、本発明者が行った実験について説明する。
本発明者は、様々な性状のトナーを得るために、まず、トナーの材料を以下のようにして作製した。
<有機微粒子エマルションの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水700重量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)12重量部を仕込んだ。
また、スチレン140重量部、メタクリル酸140重量部、及び過硫酸アンモニウム1.5重要部を仕込んだ。
そして、450回転/分で20分間撹拌して得られた白色の乳濁液を系内温度75[℃]まで昇温し、5時間反応させた。
その乳濁液に、1%過硫酸アンモニウム水溶液を35重量部加え、75[℃]で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
この[微粒子分散液1]の体積平均粒径をLA−920で測定したところ、0.30[μm]であった。
[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。その樹脂分のTgは155[℃]であった。
<水相の調製>
水1000重量部、[微粒子分散液1]85重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの50[%]水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)40重量部、及び酢酸エチル95重量部を混合撹拌した。
そして、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
<低分子ポリエステル〈水酸基を有するポリエステル〉の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235重量部を入れた。
また、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物535重量部、テレフタル酸215重量部、アジピン酸50重量部、及びジブチルチンオキサイド3重量部を入れた。
そして、常圧下、240[℃]で10時間反応した後、10〜20[mmHg]の減圧で6時聞反応させた。
その後、反応容器に無水トリメリット酸45部を入れ、185[℃]、常圧で3時間反応させて[低分子ポリエステル1]を得た。
この[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2800、重量平均分子量7100、Tg45[℃]、酸価22[mgKOH/g]であった。
<ポリエステルプレポリマー〈イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー〉の合成>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物700重量部を入れた。
また、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物85重量部、テレフタル酸300重量部、無水トリメリット酸25部、及びジブチルチンオキサイド3重量部を入れた。
そして、常圧且つ240[℃]で10時間反応させてから、10〜20[mmHg]の減圧環境下で6時間反応させて[中間体ポリエステル1]を得た。
この[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量10000、Tg58[℃]、酸価0.5[mgKOH/g]、水酸基価52[mgKOH/g]であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]400重量部、イソホロンジイソシアネート90重量部、酢酸エチル500部を入れた。
そして、110[℃]で6時間反応させて[プレポリマー1]を得た。この[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.67[%]であった。
<結晶性ポリエステル1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール28モル、フマル酸24モル、無水トリメリット酸1.80モル、及びハイドロキノン6.0[g]を入れた。
そして、160[℃]で6時間反応させた後、200[℃]に昇温して1時間反応させ、さらに、8.3KPaにて1時間反応させて[結晶性ポリエステル1]を得た。
この[結晶性ポリエステル1]は、融点(DSCの吸熱ピーク温度)150[℃]、Mn800、Mw3000であった。
<結晶性ポリエステル2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,4−ブタンジオール28モル、フマル酸24モル、無水トリメリット酸1.80モル、ハイドロキノン6.0[g]を入れた。
そして、120[℃]で3時間反応させた後、180[℃]に昇温して0.5時間反応させ、さらに8.3KPaにて0.5時間反応させて[結晶性ポリエステル2]を得た。
この[結晶性ポリエステル2]は、融点(DSCの吸熱ピーク温度)50[℃]、Mn500、Mw1000であった。
<ケチミンの合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン180重量部とメチルエチルケトン80重量部とを仕込み、50℃で6時間反応させて[ケチミン化合物1]を得た。
この[ケチミン化合物1]のアミン価は420[mgKOH/g]であった。
<マスターバッチ(MB)の合成>
水1300重量部と、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)550重量部[DBP吸油量=43ml/100mg、pH=9.5]と、ポリエステル1300重量部とを加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。
そして、混合物を、2本ロールを用いて160[℃]で45分混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して[マスターバッチ1]を得た。
<油相(顔料・WAX分散液1)の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]400重量部、マイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20を仕込んだ。
また、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)20重量部、及び酢酸エチル1000重量部を仕込んだ。
そして、撹拌しながら80[℃]に昇温し、80[℃]のまま8時間保持した後、1時間で24[℃]に冷却した。
次いで、この容器に[マスターバッチ1]480重量部、及び酢酸エチル550部を仕込み、1時間混合して[原料溶解液1]を得た。
この[原料溶解液1]を別の容器において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、直径0.5[mm]のジルコニアビーズを80体積%充填した。
そして、3パスの条件で、カーボンブラック、及びワックスを分散させた。
その後、[低分子ポリエステル1]の65[%]酢酸エチル溶液1000重量部を加え、前述の条件のビーズミルで1パスして[顔料・WAX分散液1]を得た。
この[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は53重量%であった。
<油相〈顔料・WAX分散液2〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作製で用いたマイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部を、ペンタエリスリトールワックス 100重量部であるものに変更した。
その他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして、[顔料・WAX分散液2]を得た。
<油相〈顔料・WAX分散液3〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作製で用いたマイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部を、マイクロクリスタリンワックスが(酸価が0.1[mgKOH/g]、融点が90[℃]、炭素数が80、直鎖状炭化水素55重量%)100重量部であるものに変更した。
その他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして、[顔料・WAX分散液3]を得た。
<油相〈顔料・WAX分散液4〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作製で用いたマイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部を、マイクロクリスタリンワックスが(酸価が0.1[mgKOH/g]、融点が90[℃]、炭素数85、直鎖状炭化水素50重量%)100重量部であるものに変更した。
その他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして、[顔料・WAX分散液4]を得た。
<油相〈顔料・WAX分散液5〉の作製>
[顔料・WAX分散液1]の作製で用いたマイクロクリスタリンワックスが(酸価:0.1mgKOH/g、融点:65℃、炭素数20、直鎖状炭化水素70重量%)100重量部を、天然カルナバワックス 100重量部であるものに変更した。
その他は、[顔料・WAX分散液1]と同様にして、[顔料・WAX分散液5]を得た。
<結晶性ポリエステルの分散液作製>
金属製の2L容器に[結晶性ポリエステル1]110[g]、及び酢酸エチル450[g]を投入し、80[℃]で加熱溶解もしくは加熱分散させた後、氷水浴中で急冷した。
これにガラスビーズ(3mmφ)500[ml]を加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間攪拌を行い、体積平均粒径が0.4[μm]の[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
また、[結晶性ポリエステル1]110[g]を[結晶性ポリエステル2]110[g]に変更した以外、上記同様で[結晶性ポリエステル分散液2]を得た。
次に、本発明者は、これらの材料を用いて、以下述べる実施例及び比較例において用いられるトナーを製造した。
(実施例1)
まず、次の乳化工程を行った。即ち、[顔料・WAX分散液1]700重量部、[プレポリマー1]120重量部、[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部、及び[ケチミン化合物1]5重量部を容器に入れた。
そして、TKホモミキサー(特殊機化製)にて6,000[rpm]で1分間混合した後、容器に[水相1]1300重量部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000[rpm]で20分間混合して[乳化スラリー1]を得た。
次いで、次の脱溶剤工程を行った。即ち、撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30[℃]で10時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
その後、[乳化スラリー1]100重量部を減圧濾過した。
そして、(1):濾過ケーキにイオン交換水100重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]、の回転数で混合した後、濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数で混合した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数で10分間で混合した後、濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300重量部を加え、TKホモミキサーにて12,000[rpm]の回転数にて10分間で混合した後、濾過する操作を2回行って[濾過ケーキ1]を得た。
この[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45[℃]で48時間乾燥した後、目開き75[μm]メッシュで篩いにかけて[母体粒子1]を得た。
このようにして得られた[母体粒子1]100重量部に対し、疎水性シリカ0.4重量部(平均個数粒径:10nm)と、疎水化酸化チタン0.4重量(平均個数粒径:15nm)部とをヘンシェルミキサーで混合し、母体粒子を有するトナーとした。
トナー体積平均粒径は6μm、トナー粒径比は1.25であった。
(実施例2)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部を5重量部に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例3)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[顔料・WAX分散液1]を[顔料・WAX分散液2]に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例4)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[顔料・WAX分散液1]を[顔料・WAX分散液3]に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例5)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[顔料・WAX分散液1]700重量部を35重量部に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例6)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[結晶性ポリエステル分散液1]を[結晶性ポリエステル分散液2]に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例7)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いたトナー体積平均粒径6μmを3μmに変更し、トナー粒径比1.25を1.05に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(実施例8)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた疎水性シリカ0.4(平均個数粒径:10nm)重量部と、疎水化酸化チタン0.4(平均個数粒径:15nm)重量部を、疎水性シリカ1.2(平均個数粒径:10nm)重量部と、大粒径疎水性シリカ3.0(平均個数粒径:120nm)重量部と、疎水化酸化チタン0.8(平均個数粒径:15nm)重量部に変更した。
その他は、実施例1と同様にして実施した。
(比較例1)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[結晶性ポリエステル分散液1]80重量部を4重量部に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(比較例2)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[顔料・WAX分散液1]を[顔料・WAX分散液4]に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
(比較例3)
実施例1の条件に対し、実施例1において用いた[顔料・WAX分散液1]を[顔料・WAX分散液5]に変更した点の他は、実施例1と同様にして実施した。
離型促進剤の融点は、示差走査熱量分析(Differential scanning calorimetry;DSC)により得られる示差熱曲線において、吸熱量が極大になる吸熱ピークの温度である。
結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピーク温度についても、示差走査熱量分析によって測定した。
次に、本発明者は、これら実施例および比較例のトナーについてそれぞれ、結着樹脂の結晶性ポリエステル樹脂や非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルを分析した。
赤外分光分析については、Avatar370/ThermoElectron社製のFT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置)を用いて、KBr法(全透過法)によって行った。
赤外吸収スペクトルは、照射した赤外線の波数(Wavenumbers)を2次元座量の横軸にとり、且つ吸光度(Absorbance)を縦軸にとったグラフである。
これにより、分析対象となった物質がどのような構造になっているのかが分かる。
図3は、結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示したものである。
結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルは、図示のように、吸光度が最小となる立ち下がりピーク点(以下、第1立ち下がりピーク点Fp1という)と、吸光度が2番目に小さくなる立ち下がりピーク点(以下、第2立ち下がりピーク点Fp2という)との間に、1つの立ち下がりピーク点が存在することが大きな特徴となっている。
この立ち下がりピーク点を、ここでは第3立ち下がりピーク点Fp3と定義する。
第1立ち下がりピーク点Fp1と、第2立ち下がりピーク点Fp2とを結ぶ線分をベースラインとする。
そして、第3立ち下がりピーク点Fp3から横軸に向けて垂線を引き、ベースラインとの交点における吸光度と、第3立ち下がりピーク点Fp3における吸光度との差分の絶対値を、第3立ち下がりピーク点Fp3の高さWとする。
図4は、非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの一例を示したものである。
非晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルは、図示のように、吸光度が最大となる最大立ち上がりピーク点Mpが、他の立ち上がりピーク点に比べてかなり大きくなることが大きな特徴となる。
第1立ち下がりピーク点Fp1と、第2立ち下がりピーク点Fp2とを結ぶ線分をベースラインとする。
そして、最大立ち上がりピーク点Mpから横軸に向けて垂線を引き、ベースラインとの交点における吸光度と、最大立ち上がりピーク点Mpにおける吸光度との差分の絶対値を、最大立ち上がりピーク点Mpの高さRとする。
また、W/Rをピーク比とする。このようにして、これら実施例および比較例のトナーについてそれぞれ、ピーク比W/Rを測定した。
本発明者は、次に、それぞれ個別に銅−亜鉛フェライトキャリアに混合して、現像剤を製造した。
混合比については、トナー10重量%に対して、銅−亜鉛フェライトキャリア90重量%とした。
混合条件としては、ターブラーシェーカミキサ(シンマルエンタープラウゼス)により、回転数71[rpm]で5分間混合攪拌する条件を採用した。
銅−亜鉛フェライトキャリアとしては、シリコーン樹脂を被覆し且つ平均粒子径が40[μm]であるものを用いた。
それぞれの現像剤を用いてプリントテストを行った。プリントテストに用いるプリンタとしては、株式会社リコー製のRICOH Pro c901を、定着装置等について、本発明の図2の構成としてすでに説明したのと同様に改造した。
この改造機を用いたプリントテストを行って、評価を行った。
プリントテストにおいては、印字率6[%]のテスト画像を連続で5万枚のA3サイズ紙に出力した。
この後、サンプル画像として、1ドットラインを3枚のA3サイズ紙に出力し、それぞれにおける画像表面光沢ムラ性を目視で評価した。
評価については、予め作成されているランク見本用の1ドットライン画像と、サンプル画像とを目視で比べる官能評価法にて行った。
非常に良い場合を◎、良い場合を○、少し悪い場合を△、悪い場合を×として評価した。
この実験の結果を、表1に示す。同表から、本発明の効果が確かめられる。
Figure 2014089263
前記マイクロクリスタリンワックスは、炭素数が20個以上、80個以下である炭化水素からなり、前記炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55重量%以上、70重量%以下である。
且つ、示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が65[℃]以上、90[℃]以下である。
このようにすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中のマイクロクリスタリンワックスが上述の条件を満たすことにより、高速で画像形成を行うときる。
トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記合成エステルワックスは、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールとから得られるモノエステルワックスである。
このようにすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中の合成エステルワックスが上述の条件を満たすこととなる。
これにより、高速で画像形成を行うとき、トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記トナーにおける母体粒子の離型剤含有率が1[%]以上、20[%]以下であることとすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中の母体粒子の離型剤含有率が上述の条件を満たすこととなる。
これにより、高速で画像形成を行うとき、トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が、50[℃]以上、150[℃]以下であることとすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂が上述の条件を満たすこととなる。
これにより、高速で画像形成を行うとき、トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記トナーにおける母体粒子の体積平均粒径が、3.0[μm]以上、6.0[μm]以下であることとすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中の母体粒子の体積平均粒径が上述の条件を満たすこととなる。
これにより、高速で画像形成を行うとき、トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記トナーにおける母体粒子の体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値である粒径比が、1.05以上、1.25以下であることとすれば、定着ベルト及びトナー、トナー中の母体粒子の粒径比が上述の条件を満たすこととなる。
これにより、高速で画像形成を行うとき、トナー中の離型剤が定着の際に高度に過不足なくトナー表面に染み出し、定着の際に発生する光沢ムラの回避が十分になされることで良好な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではない。
たとえば、本発明は、1つの感光体ドラム等の像担持体上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。
また、カラー画像形成装置でなく、モノクロ画像形成装置にも適用することができる。
いずれのタイプの画像形成装置でも、中間転写体を用いず、各色のトナー像を転写紙等の記録媒体に直接転写する直接転写方式を採用しても良い。
また、定着装置として電磁誘導加熱方式のものを例示したが、これに限定されず、温度のバラツキが生じる他方式の定着装置であっても、本発明のトナーを現像剤として用いることにより光沢ムラを良好に抑制することができる。
本発明によるトナーは、ハロゲンヒータ等を熱源とする従来の一般的な定着装置において、製造誤差による温度バラツキに対しても有効である。
換言すれば、本発明に係るトナーは、定着装置の製造精度の緩和にも寄与し得るものである。
6 定着装置
20 像担持体としての感光体ドラム
80 現像装置
82 加熱部材としての加熱ローラ
84 定着部材としての定着ローラ
86 定着ベルト
92 加圧部材としての加圧ローラ
T トナー
特開2001−34097号公報

Claims (10)

  1. 離型剤と結着樹脂とを含有し、
    前記離型剤は、マイクロクリスタリンワックス及び/又は合成エステルワックスであり、
    前記結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを含有するものであり、且つ、フーリエ変換赤外分光分析装置を用いた赤外分光法(KBr錠剤法)によって得られた前記結晶性ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルの第3立ち下がりピーク点の高さを、前記赤外分光法によって得られた前記非晶質ポリエステル樹脂の赤外吸収スペクトルにおける最大立ち上がりピーク点の高さで除算した値が0.045以上、0.850以下の範囲であることを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーにおいて、
    前記マイクロクリスタリンワックスは、炭素数が20個以上、80個以下である炭化水素からなり、前記炭化水素の直鎖状炭化水素含有率が55〜70重量%であり、且つ、示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が65[℃]以上、90[℃]以下であることを特徴とするトナー。
  3. 請求項1に記載のトナーにおいて、
    前記合成エステルワックスは、エステルワックスが長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールとから得られるモノエステルワックスであることを特徴とするトナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナーにおいて、
    母体粒子に対する離型剤としてワックス含有率が、1[%]以上、20[%]以下であることを特徴とするトナー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーにおいて、
    前記結晶性ポリエステル樹脂の示差走査熱量測定による吸熱ピーク温度が、50[℃]以上、150[℃]以下であることを特徴とするトナー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナーにおいて、
    母体粒子の体積平均粒径が、3.0[μm]以上、6.0[μm]未満であることを特徴とするトナー。
  7. 請求項6に記載のトナーにおいて、
    前記母体粒子の体積平均粒径を個数平均粒径で除算した値である粒径比が、1.05以上、1.25以下であることを特徴とするトナー。
  8. 像担持体上に形成された潜像を現像装置によりトナーを供給して可視像化し、該トナー像を記録媒体に転写した後、定着装置により定着する画像形成装置において、
    前記トナーが、請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記定着装置が、金属誘導体からなる加熱部材と、定着部材と、前記加熱部材と定着部材とに掛け回された定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着部材に対向し、該定着部材との間に定着ニップを形成する加圧部材とを有し、前記加熱部材を電磁波による渦電流によって加熱し、前記加熱部材からの熱を前記定着ベルトに伝達する誘導加熱方式の構成を有していることを特徴とする画像形成装置。
  10. 像担持体上に形成された潜像を現像装置によりトナーを供給して可視像化し、該トナー像を記録媒体に転写した後、定着装置により定着する画像形成方法において、
    前記トナーが、請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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