JP2022032786A - 発色材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】発色時に高い画像濃度を達成可能な発色材料を提供する。【解決手段】実施形態の発色材料200は、無機酸化物からなる、顕色剤としての多孔質粒子2101と、前記多孔質粒子2101に担持された呈色剤2102とを含んだ発色粒子210と、前記発色粒子210を被覆した熱可塑性樹脂220とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、発色材料に関する。
紙等の記録媒体を、その上に形成した画像を消去して再利用する技術がある。そのような技術は、記録媒体の使用量削減による環境保護や経済性の点で非常に有効である。
画像の消色には、様々な方法がある。それらの中では、呈色剤としてロイコ色素を使用するものが多い。
特開2008-239904号公報
本発明が解決しようとする課題は、発色時に高い画像濃度を達成可能な発色材料を提供することにある。
実施形態によれば、無機酸化物からなる、顕色剤としての多孔質粒子と、前記多孔質粒子に担持された呈色剤とを含んだ発色粒子と、前記発色粒子を被覆した熱可塑性樹脂とを備えた発色材料が提供される。
図1は、実施形態に係る発色材料を示す断面図である。 図2は、実施形態に係る消色材料を示す断面図である。 図3は、実施形態に係る発色材料の製造方法における第1工程を示す図である。 図4は、図3の工程を経ることにより得られる状態を示す図である。 図5は、実施形態に係る発色材料の製造方法における第2工程を示す図である。 図6は、実施形態に係る発色材料の製造方法における第3工程を示す図である。 図7は、図6の工程を経ることにより得られる状態を示す図である。 図8は、実施形態に係る発色材料の製造方法における第4工程を示す図である。 図9は、実施形態に係る発色材料又は消色材料を含んだ現像剤を使用して画像を形成可能な画像形成装置の一例を概略的に示す縦断面図である。 図10は、図9に示す画像形成装置が含む画像形成ユニットの構造を概略的に示す断面図である。 図11は、図9に示す画像形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 図12は、実施形態に係る発色材料を含んだインクを使用して画像を形成可能な画像形成装置の一例を概略的に示す縦断面図である。
以下、実施形態について説明する。
[1]発色材料
先ず、実施形態に係る発色材料について、図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態に係る発色材料200は、発色粒子210と熱可塑性樹脂220とを含んでいる。発色材料200は、発色粒子210と熱可塑性樹脂220とをそれぞれコア及びシェルとして含んだコアシェル構造を有している。
発色材料200は、平均粒子径が、好ましくは0.05乃至20μmの範囲内にあり、より好ましくは0.1乃至20μmの範囲内にあり、更に好ましくは0.1乃至10μmの範囲内にある。ここで、「平均粒子径」は、レーザ回折散乱法により得られる値である。高精細な画像を形成するうえでは、発色材料200の平均粒子径は小さいことが有利である。
[1.1]発色粒子
発色粒子210は、図1に示すように、顕色剤としての多孔質粒子2101と呈色剤2102とを含んでいる。
[1.1.1]顕色剤
顕色剤は、呈色剤2102を発色させる。ここでは、顕色剤は、無機酸化物からなる多孔質粒子2101である。
無機酸化物は、シリカなどの非金属酸化物であってもよく、チタニア及びアルミナなどの金属酸化物であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
多孔質粒子2101は、電子受容性の物質であることが好ましい。一例によれば、多孔質粒子2101の表面に、呈色剤2102が結合すると、呈色剤2102から多孔質粒子2101へと電子が供与され、その結果、呈色剤2102は発色する。
多孔質粒子2101は、好ましくはシリカであり、より好ましくは活性シリカである。ここで、「活性シリカ」とは、表面積が大きく且つシリカ表面の水酸基(シラノール基)に起因した反応性の高いシリカを意味する。
活性シリカは、熱的安定性に優れており、小粒子として入手し易い。それ故、多孔質粒子2101として活性シリカを使用すると、発色粒子210の小粒子化が可能となる。従って、多孔質粒子2101として活性シリカを使用することは、高精細な画像を形成するうえで有利である。また、このような顕色剤は、親水性の物質に対する親和性が高いため、後述する消色剤との反応性に特に優れている。
活性シリカの具体例としては、日本アエロジル社製のVP SG40(40m/g)並びにAEROSIL(登録商標)OX50(50m/g)、50(50m/g)、90G(90m/g)、130(130m/g)、200(200m/g)、300(300m/g)、及び380S(380m/g);トクヤマ社製のレオロシール(登録商標)QS-10(140m/g)、QS-20(220m/g)、QS-30(300m/g)、及びQS-40(380m/g)、サンシール(登録商標)シリーズ、並びにシルフィル(登録商標)シリーズ;キャボット社製のCAB-O-SIL(登録商標)ヒュームドシリカHS-5、MS-5及びMS-7;東ソー・シリカ社製のNipsil(登録商標)LPなどのNipsil(登録商標)シリーズ及びNIPGEL(登録商標)シリーズ;AGCエスアイテック社製のサンスフェア(登録商標)H-31(800m/g)、H-51(800m/g)、H-121(800m/g)、H-201(800m/g)、H-32(700m/g)、H-52(700m/g)、H-122(700m/g)、H-33(700m/g)、H-53(700m/g)、L-31(300m/g)、及びL-51(300m/g);三好化成社製のSB-300(300m/g)、SB-700(700m/g)、及びSB-705(600m/g);富士シリシア化学社製のサイリシア(登録商標)250(280m/g)、310P(300m/g)、320(300m/g)、420(350m/g)、530(500m/g)、及び710(700m/g)が挙げられる。なお、括弧内の数値は、以下に記載するBET比表面積を表している。
多孔質粒子2101は、Brunauer, Emmett and Teller(BET)法による比表面積、即ちBET比表面積が、好ましくは50m/g以上であり、より好ましくは200乃至750m/gの範囲内にある。高い画像濃度を達成するうえでは、BET比表面積は大きいことが有利である。但し、BET比表面積を過剰に大きくすると、消色後の画像濃度が高くなる可能性がある。
多孔質粒子2101は、一次粒子が凝集してなる二次粒子であってもよく、そうでなくてもよい。好ましくは、多孔質粒子2101は、平均粒子径が10nm以下の一次粒子が凝集してなる三次元構造を有する二次粒子である。ここで、一次粒子の「平均粒子径」は、電子顕微鏡の画像解析によって得られる値である。
多孔質粒子2101は、平均粒子径が、好ましくは40nm乃至10μmの範囲内にあり、より好ましくは50nm乃至5μmの範囲内にある。ここで、多孔質粒子の「平均粒子径」は、レーザ回析散乱法によって得られる値である。平均粒子径が大きい場合には、大きな比表面積が得られない可能性がある。平均粒子径が小さ過ぎる場合には、強固な凝集を生じる可能性がある。
[1.1.2]呈色剤
呈色剤2102は、多孔質粒子2101に担持されている。一例によれば、呈色剤2102は、多孔質粒子2101によって吸着されている。呈色剤2102は、多孔質粒子2101の作用により発色する。
呈色剤2102は、例えば、電子供与性の呈色性化合物である。呈色性化合物としては、例えば、ロイコ色素、具体的には、ロイコオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、及びフルオラン類等の電子供与性有機物を使用することができる。また、そのような呈色性化合物としては、ジフェ二ルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、及びジアザローダミンラクトン類等も挙げられる。更に、そのような呈色性化合物としては、ピリジン系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系化合物等を挙げることもできる。
呈色性化合物の具体例としては、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン;CVL)、マラカイトグリーンラクトン、2-アニリノ-6-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-メチル-N-プロピルアミノ)フルオラン、3-[4-(4-フェニルアミノフェニル)アミノフェニル]アミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、2-アニリノ-6-(N-メチル-N-イソブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、2-アニリノ-6-(ジブチルアミノ)-3-メチルフルオラン、3-クロロ-6-(シクロヘキシルアミノ)フルオラン、2-クロロ-6-(ジエチルアミノ)フルオラン、7-(N,N-ジベンジルアミノ)-3-(N,N-ジエチルアミノ)フルオラン、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオラン-γ-(4’-ニトロ)アニリノラクタム、3-ジエチルアミノベンゾ[a]-フルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-アミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-キシリジノフルオラン、3-(4-ジエチルアミノ-2-エソキシフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-(4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3-ジエチルアミノ-7-クロロアニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ-7,8-ベンゾフルオラン、3,3-Bis(1-n-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)フタリド、3,6-ジメチルエソキシフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-メソキシ-7-アミノフルオラン、DEPM、ATP、ETAC、2-(2-クロロアニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、クリスタルバイオレットカルビノール、マラカイトグリーンカルビノール、N-(2,3-ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N-ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N-アセチルオーラミン、N-フェニルオーラミン、2-(フェニルイミノエタンジリデン)-3,3-ジメチルインドリン、N-3,3-トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8’-メトキシ-N-3,3-トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3-ジエチルアミノ-6-メチル-7-クロロフルオラン、3-ジエチルアミノ-7-メトキシフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-ベンジルオキシフルオラン、1,2-ベンツ-6-ジエチルアミノフルオラン、3,6-ジ-p-トルイジノ-4,5-ジメチルフルオラン-フェニルヒドラジド-γ-ラクタム、3-アミノ-5-メチルフルオラン、3,6-ジフェニルアミノフルオラン、3,6-ジメトキシフルオラン、3,6-ジ-n-ブトキシフルオラン、2-メチル-6-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)フルオラン、2-N,N-ジベンジルアミノ-6-ジエチルアミノフルオラン、3-クロロ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、2-メチル-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、2-(2-クロロアニリノ)-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-(3-トリフルオロメチルアニリノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(N-メチルアニリノ)-6-(N-エチル-N-p-トリルアミノ)フルオラン、1,3-ジメチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-クロロ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-ジ-n-ブチルアミノフルオラン、2-キシリジノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、1,2-ベンツ-6-ジエチルアミノフルオラン、1,2-ベンツ-6-(N-エチル-N-イソブチルアミノ)フルオラン、1,2-ベンツ-6-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)フルオラン、3,3-ビス(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、3-〔2-エトキシ-4-(N-エチルアニリノ)フェニル〕-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4-アザフタリド、2-(3-メトキシ-4-ドデコキシスチリル)キノリンスピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕-3’-オン、2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチルスピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕-3’-オン、2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-メチルスピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕-3’-オン、2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチルスピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕-3’-オン、2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-メチルスピロ〔5H-(1)ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1’(3’H)イソベンゾフラン〕-3’-オン、2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-フェニル-3-(2-メトキシ-4-ジメチルアミノフェニル)-3-(1-ブチル-2-メチルインドール-3-イル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリド、及び3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-3-(1-ペンチル-2-メチルインドール-3-イル)-4,5,6,7-テトラクロロフタリドが挙げられる。
市販の呈色性化合物としては、山田化学工業社製のRED500、RED520、CVL、S-205、BLACK305、BLACK400、ETAC、NIR BLACK78、BLUE220、H-3035、BLUE203、GREEN300、ATP、H-1046、及びH-2114等、並びに、山本化成社製のODB-4、Blue-63、Blue-502、GN-169、GN-2、Green-118、Red-40、及びRed-8等がある。
これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。呈色性化合物を適宜選択することによって、多様な色の発色状態が得られるため、多色を表現することも可能となる。
呈色剤2102の量は、100質量部の多孔質粒子2101に対して、好ましくは5乃至50質量部の範囲内にあり、より好ましくは10乃至40質量部の範囲内にある。高い画像濃度を達成するうえでは、呈色剤2102は多いことが有利である。但し、呈色剤2102を過剰に多くすると、消色後の画像濃度が高くなる可能性がある。
なお、発色粒子210は、多孔質粒子2101と比較して、BET比表面積がより小さい。発色粒子210のBET比表面積は、一例によれば、30乃至700m/gの範囲内にある。
[1.2]熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂220は、発色粒子210を被覆している。即ち、熱可塑性樹脂220は、発色粒子210をカプセル化する被膜を構成している。熱可塑性樹脂220は、発色粒子210の発色時に、消色剤を呈色剤2102から離間させる。熱可塑性樹脂220によって発色粒子210を被覆することによって、発色粒子210の不所望な消色を生じ難くすることができる。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエステル;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体、及びスチレン-アクリル共重合体などのスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン-ノルボルネン共重合体、及びポリエチレン-ビニルアルコール共重合体などのエチレン系樹脂;ポリウレタン系樹脂;アクリル系樹脂;フェノール系樹脂;エポキシ系樹脂;アリルフタレート系樹脂;ポリアミド系樹脂;並びにマレイン酸系樹脂が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが、好ましくは40乃至200℃の範囲内にあり、より好ましくは50乃至180℃の範囲内にある。ガラス転移温度Tgが低いと、画像形成又は保存時に消色する可能性がある。ガラス転移温度Tgが高いと、消色のための熱処理を高い温度で行う必要がある。
熱可塑性樹脂の量は、100質量部の発色粒子210に対して、好ましくは10乃至200質量部の範囲内にあり、より好ましくは20乃至100質量部の範囲内にある。熱可塑性樹脂の量が少ない場合、発色粒子210を熱可塑性樹脂で十分に被覆できない可能性がある。熱可塑性樹脂の量を多くすると、消色後の画像濃度が高くなる可能性がある。
なお、発色材料200は、多孔質粒子2101や発色粒子210と比較して、BET比表面積がより小さい。発色材料200のBET比表面積は、一例によれば、20乃至500m/gの範囲内にある。発色材料200のBET比表面積が大きい場合、多孔質粒子2101は大きな比表面積を有しており、熱可塑性樹脂220は薄い皮膜を形成していると推定される。そのような発色材料で形成した画像は、通常、高い画像濃度を有し、しかも、効率よく消色させることができる。
[2]消色材料
実施形態に係る消色材料は、上記の発色材料と消色剤とを含んでいる。
消色材料は、製造直後は発色しており、所定の温度以上に加熱することによって不可逆的に消色する。
より詳細には、製造直後の消色材料において、呈色剤は、多孔質粒子の表面に結合しており、顕色剤である多孔質粒子の作用によって発色している。また、製造直後の消色材料において、熱可塑性樹脂は、消色剤を発色粒子から離間させており、呈色剤の発色を妨げない。従って、製造直後の消色材料は発色している。
消色材料を、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg以上に加熱すると、消色剤は多孔質粒子と接触可能となる。多孔質粒子と接触した消色剤は、多孔質粒子と結合する。これにより、多孔質粒子の表面に結合していた呈色剤は、消色剤によって置き換えられる。その結果、顕色剤である多孔質粒子が及ぼす呈色剤に及ぼす作用が小さくなり、呈色剤は消色する。このようにして、消色材料は消色する。
消色材料において、上記の発色材料と消色剤とは、互いに混合された別々の粒子であってもよい。或いは、図2に示す消色材料300のように、消色剤は、発色材料とともに複合粒子を形成していてもよい。
図2に示す消色材料300は、上記の発色材料200と消色剤310とを含んでいる。消色剤310は、発色材料200によって担持されている。ここでは、消色剤310は、発色材料200を被覆している。即ち、消色剤310は、発色材料200をカプセル化する被膜を構成している。消色剤310は、発色材料200の表面の全体を被覆していてもよく、発色材料200の表面の一部のみを被覆していてもよい。
消色剤は、発色材料によって担持されていることが好ましい。消色材料が、発色材料及び消色剤以外の成分を更に含んでいる場合、消色剤が発色材料によって担持されていると、消色のために加熱したときに、消色剤が発色粒子と接触し易い。即ち、効率的に消色させることができる。
消色材料は、例えば、発色材料と消色剤とを含んだ固体である。この場合、消色材料は、トナーなどの粉体であってもよい。消色材料がトナーである場合、消色材料は、トナーが通常に含む他の成分、例えば、バインダ樹脂、離型剤及び帯電制御剤などの内添剤や外添剤を更に含むことができる。
消色材料は、発色材料と消色剤とを含んだ液体であってもよい。この場合、消色材料は、インクなどの分散液であってもよい。消色材料がインクジェットインクなどのインクである場合、消色材料は、そのようなインクが通常に含む他の成分、例えば、分散媒や、安定化剤、調粘剤、及び防腐剤等の助剤を更に含むことができる。
[2.1]発色材料
消色材料が含んでいる発色材料は、図1を参照しながら説明した発色材料200と同様である。
[2.2]消色剤
消色剤は、発色材料と混合されている。上記の通り、消色剤は、発色材料によって担持されていてもよく、担持されていなくてもよい。
消色剤は、所定の温度以上に加熱することにより、上述した呈色剤を消色させる性質を有している。消色剤としては、エステル基、ケトン基、水酸基、エーテル基、又はアミド基を持つものを使用することができる。消色剤としては、多価アルコール、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びヒンダードアミン誘導体等が挙げられる。
消色剤は、多価アルコールであることが好ましい。即ち、消色剤は、分子内に2以上の水酸基を有するものであることが好ましい。消色剤は、分子内に3以上の水酸基を有するものであることがより好ましい。
多価アルコールは、分子内に水酸基を1つのみ有するアルコールと比較して、シリカなどの電子受容性物質からなる多孔質粒子の表面に対する親和性が高い。そのため、消色剤として多価アルコールを使用することは、消色性に優れた消色材料を得るうえで有利である。
多価アルコールとしては、例えば、糖アルコールを使用することができる。即ち、消色剤は、分子構造に環状構造を有しない多価アルコール、又は、直鎖状の多価アルコールであってもよい。糖アルコールとしては、キシリトール、D-ソルビトール、又はD-マンニトールを使用することができる。
消色剤としては、糖アルコール以外の多価アルコールを使用することもできる。そのような多価アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパンを使用することができる。
好ましい多価アルコールの例は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、キシリトール、トリメチロールプロパン、及びジトリメチロールプロパンである。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、又はアルキルアルカノールアミドを使用することができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩又はアルキル4級アンモニウム塩を使用することができる。
ヒンダードアミン誘導体としては、例えば、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブタン-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β,β-テトラメチル-3,9-(2,4,6,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバゲート、又はテトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレートを使用することができる。
市販のヒンダードアミン誘導体としては、BASFジャパン社製のCHIMASSORB(登録商標)2020FDL及び944FDL、並びに、TINUVIN(登録商標)622LD、144、765、770DF、111FDL、783FDL、783FDL、及び791FB;ADEKA社製のアデカスタブ(登録商標)LA52、LA57、LA63P、LA77Y、LA68LD、LA77G、LA402XP、及びLA502XP、並びに、アデカアークルズ(登録商標)DN-44M等がある。
また、特開2000-19770号広報等で公知である消色剤も使用できる。例えば、コレステロール、スチグマステロール、プレグネノロン、メチルアンドロステンジオール、エストラジオールベンゾエート、エピアンドロステン、ステノロン、β-シトステロール、プレグネノロンアセテート、β-コレスタロール、5,16-プレグナジエン-3β-オール-20-オン、5α-プレグネン-3β-オール-20-オン、5-プレグネン-3β,17-ジオール-20-オン-21-アセテート、5-プレグネン-3β,17-ジオール-20-オン-17-アセテート、5-プレグネン-3β,21-ジオール-20-オン-21-アセテート、5-プレグネン-3β,17-ジオールジアセテート、ロコゲニン、チゴゲニン、エスミラゲニン、ヘコゲニン、ジオスゲニン、コール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム、リトコール酸、リトコール酸メチルエステル、リトコール酸ナトリウム、ヒドロキシコール酸、ヒドロキシコール酸メチルエステル、ヒオデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸メチルエステル、テストステロン、メチルテストステロン、11α-ヒドロキシメチルテストステロン、ヒドロコルチゾン、コレステロールメチルカーボネート、α-コレスタノール、D-グルコース、D-マンノース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ソルボース、L-ラムノース、L-フコース、D-リボデソース、α-D-グルコース=ペンタアセテート、アセトグルコース、ジアセトン-D-グルコース、D-グルクロン酸、D-ガラクツロン酸、D-グルコサミン、D-フルクトサミン、D-イソ糖酸、ビタミンC、エルトルビン酸、トレハロース、サッカロース、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、スタキオース、メチル=α-グルコピラノシド、サリシン、アミグダリン、オイキサンチン酸、シクロドデカノール、ヘキサヒドロサリチル酸、メントール、イソメントール、ネオメントール、ネオイソメントール、カルボメントール、α-カルボメントール、ピペリトール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、1-p-メンテン-4-オール、イソプレゴール、ジヒドロカルベオール、カルベオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、フロログルシトール、クエルシトール、イノシトール、1,2-シクロドデカンジオール、キナ酸、1,4-テルピン、1,8-テルピン、ピノールヒドラート、ベツリン、ボルネオール、イソボルネオール、アダマンタノール、ノルボルネオール、フェンコール、ショウノウ、及び1,2:5,6-ジイソプロピリデン-D-マンニトール等が挙げられる。
消色剤の量は、100質量部の発色粒子に対して、好ましくは1乃至1000質量部の範囲内にあり、より好ましくは3乃至500質量%の範囲内にある。
[3]発色材料の製造方法
以下に、実施形態に係る発色材料の製造方法について説明する。
発色材料の製造においては、先ず、多孔質粒子に呈色剤を担持させて、発色粒子を得る。発色粒子は、湿式法で得ることもでき、乾式法で得ることもできる。
湿式法では、先ず、多孔質粒子と分散媒とを含んだ分散液と、呈色剤と溶剤とを含有した溶液を調製する。分散媒及び溶剤としては、例えば、アセトンなどの揮発性有機溶剤を使用する。次に、これら分散液及び溶液を混合する。この混合液から分散媒及び溶剤を除去して固形物を得る。その後、固形物を、例えばミキサを使用して粉砕する。以上のようにして、発色粒子を得る。
発色粒子は、例えば、以下に説明する乾式法によって得ることが好ましい。
乾式法では、先ず、呈色剤と第1溶剤とを含有した第1溶液を、第1溶剤に対して不溶性である粉末状の顕色剤に、第1溶液と顕色剤との第1混合物が粉体の状態を維持するように供給する。
例えば、図3に示すように、顕色剤である多孔質粒子2101を処理容器410に投入し、攪拌装置420を用いた攪拌を行う。多孔質粒子2101は粉末状であるので、この攪拌により、多孔質粒子2101は処理容器410内で流動化する。
多孔質粒子2101として、全細孔容積が大きく、平均粒子径が小さなものを使用した場合、攪拌羽根が高速で回転するように攪拌装置420を駆動することにより、多孔質粒子2101は、例えば、処理容器410の内部空間において浮遊又は分散状態となる。攪拌羽根の回転速度は、処理容器4102L容器を使用した場合150乃至5000rpmの範囲内とすることが好ましく、300乃至4000rpmの範囲内とすることがより好ましい。
次いで、容器430に収容された第1溶液2104を、流動化している多孔質粒子2101へ少しずつ供給する。ここで、第1溶液2104は、呈色剤2102と第1溶剤2105とを含んだ液である。顕色剤である多孔質粒子2101は、第1溶剤2105に対して不溶性である。
第1溶剤2105は、例えば、有機溶剤である。第1溶剤2105は、アセトンなどの揮発性有機溶剤であることが好ましい。第1溶剤2105の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及びジプロピレングリコールなどのグリコール類;グリコール類のモノアルキルエーテル類;グリコール類のジアルキルエーテル類;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、炭酸ジメチル、及び炭酸プロピレン等のエステル類;N-メチルホルムアミド及びN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;トルエン、キシレン、及びメシチレンなどの芳香族系炭化水素類;並びにこれらの混合溶媒が挙げられる。第1溶剤2105は、有機溶剤に加え、必要に応じて水を更に含んでいてもよい。
第1溶液2104における呈色剤2102の濃度は、1乃至50質量%の範囲内にあることが好ましく、2乃至30質量%の範囲内にあることがより好ましい。呈色剤2102の濃度が低い場合、多量の第1溶液2104を多孔質粒子2101へ供給する必要を生じる。呈色剤2102の濃度が高い場合、呈色剤2102を多孔質粒子2101へ均一に供給することが難しい。
多孔質粒子2101への第1溶液2104の供給は、5乃至60℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、10乃至50℃の範囲内の温度で行うことがより好ましい。温度が高い場合、乾燥が速やかに進行し、呈色剤2102を多孔質粒子2101へ均一に担持させることが難しい。
多孔質粒子2101への第1溶液2104の供給は、多孔質粒子2101が粉体の状態を維持するように行うこと、即ち、遊離液を生じないように行うことが好ましい。
多孔質粒子2101への第1溶液2104の供給は、例えば、処理容器410内へ第1溶液2104を少量ずつ滴下することにより行うことができる。或いは、多孔質粒子2101への第1溶液2104の供給は、処理容器410内へ第1溶液2104を噴霧することにより行うことができる。
第1溶液2104の1分間当たりの供給量は、100質量部の多孔質粒子2101に対して、0.5乃至50質量部の範囲内とすることが好ましく、1乃至30質量部の範囲内とすることがより好ましい。
多孔質粒子2101は、大きな比表面積を有している。従って、第1溶液2104を上記のように供給すれば、多孔質粒子2101は、凝集を生じることなしに又は激しい凝集を生じることなしに、第1溶液2104を吸収する。その結果、図4に示すように、多孔質粒子2101が呈色剤2102と第1溶剤2105とを担持した複合粒子が得られる。なお、各複合粒子は、多孔質粒子2101を1つのみ含んでいてもよく、複数の多孔質粒子2101を含んでいてもよい。
次に、第1溶液と顕色剤とを含んだ第1混合物から第1溶剤を除去して、呈色剤と顕色剤とを含んだ発色粒子の粉末を得る。
例えば、上記の工程に続いて、図5に示すように、ヒータ440で複合粒子を乾燥させる。即ち、複合粒子から第1溶剤2105を除去する。乾燥工程は、減圧環境下で行ってもよい。
ヒータ440としては、例えば、ウォータバスやジャケットヒータのように処理容器410を加熱するものを使用することができる。複合粒子の乾燥は、40乃至90℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、50乃至80℃の範囲内の温度で行うことがより好ましい。
このようにして、発色粒子210を得る。なお、この乾燥工程は、複合粒子を流動させた状態で行ってもよく、複合粒子を流動させない状態で行ってもよい。また、第1溶液2104の供給から複合粒子の乾燥までの一連のプロセスは、1回のみ行ってもよく、複数回繰り返してもよい。
次に、発色粒子210を熱可塑性樹脂220で被覆して、図1に示す発色材料200を得る。発色材料200は、湿式法で得ることもでき、乾式法で得ることもできる。
湿式法では、先ず、発色粒子210と分散媒とを含んだ分散液と、熱可塑性樹脂と溶剤とを含有した溶液を調製する。分散媒及び溶剤としては、例えば、アセトンなどの揮発性有機溶剤を使用する。次に、これら分散液及び溶液を混合する。この混合液から分散媒及び溶剤を除去して固形物を得る。その後、固形物を、例えばミキサを使用して粉砕する。以上のようにして、発色材料200を得る。
発色材料200は、例えば、以下に説明する乾式法によって得ることが好ましい。
乾式法では、先ず、熱可塑性樹脂と第2溶剤とを含有した第2溶液を、粉末状の発色粒子に、第2溶液と発色粒子との第2混合物が粉体の状態を維持するように供給する。
例えば、図6に示すように、攪拌装置420を用いて、発色粒子210を処理容器410内で流動化させる。なお、ここでは、発色粒子210を得るために使用した処理容器410及び攪拌装置420を使用しているが、それらとは別の処理容器及び攪拌装置を使用してもよい。
多孔質粒子2101として、全細孔容積が大きく、平均粒子径が小さなものを使用した場合、攪拌羽根が高速で回転するように攪拌装置420を駆動することにより、発色粒子210は、例えば、処理容器410の内部空間において浮遊又は分散状態となる。攪拌羽根の回転速度は、処理容器410が2L容器である場合、150乃至5000rpmの範囲内とすることが好ましく、300乃至4000rpmの範囲内とすることがより好ましい。
次いで、容器450に収容された第2溶液2106を、流動化している発色粒子210へ少しずつ供給する。ここで、第2溶液2106は、上記の熱可塑性樹脂と第2溶剤とを含んだ液である。
第2溶剤は、例えば、有機溶剤である。この溶剤は、アセトンなどの揮発性有機溶剤であることが好ましい。第2溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びイソブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、及びジプロピレングリコールなどのグリコール類;グリコール類のモノアルキルエーテル類;グリコール類のジアルキルエーテル類;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸メチル、炭酸ジメチル、及び炭酸プロピレン等のエステル類;N-メチルホルムアミド及びN,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;トルエン、キシレン、及びメシチレンなどの芳香族系炭化水素類;並びにこれらの混合溶媒が挙げられる。第2溶剤は、有機溶剤に加え、必要に応じて水を更に含んでいてもよい。
第2溶液2106における熱可塑性樹脂の濃度は、1乃至50質量%の範囲内にあることが好ましく、5乃至30質量%の範囲内にあることがより好ましい。熱可塑性樹脂の濃度が低い場合、多量の第2溶液2106を発色粒子210へ供給する必要を生じる。熱可塑性樹脂の濃度が高い場合、熱可塑性樹脂を発色粒子210へ均一に供給することが難しい。
発色粒子210への第2溶液2106の供給は、5乃至60℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、10乃至50℃の範囲内の温度で行うことがより好ましい。温度が高い場合、乾燥が速やかに進行し、発色粒子210を熱可塑性樹脂で均一に被覆することが難しい。
発色粒子210への第2溶液2106の供給は、発色粒子210が粉体の状態を維持するように行うこと、即ち、遊離液を生じないように行うことが好ましい。
発色粒子210への第2溶液2106の供給は、例えば、処理容器410内へ第2溶液2106を少量ずつ滴下することにより行うことができる。或いは、発色粒子210への第2溶液2106の供給は、処理容器410内へ第2溶液2106を噴霧することにより行うことができる。
第2溶液2106の1分間当たりの供給量は、100質量部の発色粒子210に対して、0.5乃至50質量部の範囲内とすることが好ましく、1乃至30質量部の範囲内とすることがより好ましい。
発色粒子210は、多孔質粒子2101ほどではないが、大きな比表面積を有している。従って、第2溶液2106を上記のように供給すれば、発色粒子210は、凝集を生じることなしに又は激しい凝集を生じることなしに、第2溶液2106を吸収する。その結果、図7に示すように、発色粒子210が第2溶液2106を担持した複合粒子が得られる。なお、各複合粒子は、発色粒子210を1つのみ含んでいてもよく、複数の発色粒子210を含んでいてもよい。
次に、第2混合物から前記第2溶剤を除去する。
例えば、上記の工程に続いて、図8に示すように、ヒータ440で複合粒子を乾燥させる。即ち、複合粒子から第2溶剤を除去する。複合粒子の乾燥は、40乃至90℃の範囲内の温度で行うことが好ましく、50乃至80℃の範囲内の温度で行うことがより好ましい。
このようにして、発色粒子210と熱可塑性樹脂220とを含んだ発色材料200を得る。なお、ここでは、発色粒子210を得るために使用したヒータ440を使用しているが、これとは別のヒータを使用してもよい。この乾燥工程は、複合粒子を流動させた状態で行ってもよく、複合粒子を流動させない状態で行ってもよい。また、第2溶液2106の供給から複合粒子の乾燥までの一連のプロセスは、1回のみ行ってもよく、複数回繰り返してもよい。
[4]消色材料の製造方法
実施形態に係る消色材料の製造方法は、上記の発色材料と上記の消色剤とを含んだ混合物を得ることを含む。即ち、実施形態に係る消色材料の製造方法は、上記の発色材料と上記の消色剤とを混合することを含む。
発色材料は、粉体の形態で消色剤と混合してもよく、分散液の形態で消色剤と混合してもよい。また、消色剤は、粉体の形態で発色材料と混合してもよく、溶液の形態で発色材料と混合してもよく、分散液の形態で発色材料と混合してもよい。これらには、他の1以上の成分を更に混合してもよい。
図2に示す消色材料300は、例えば、粉体の形態の発色材料200と分溶液の形態の消色剤310とを混合することにより得られる。一例によれば、発色粒子210の代わりに発色材料200を使用し、第2溶液2106の代わりに、消色剤310と第3溶剤とを含んだ第3溶液を使用すること以外は、図6乃至図8を参照しながら説明した方法により、図2に示す消色材料300を得る。
消色材料は、上記の発色材料と上記の消色剤とを使用すること以外は、その形態、例えば、トナーであるか又はインクであるかに応じた既存の方法によって製造することができる。
[5]効果
上記の発色粒子が含む顕色剤は、多孔質粒子であるので、比表面積が大きい。従って、この発色粒子を含んだ発色材料は、顕色剤が少量であっても良好な発色を実現することができる。即ち、上記の発色材料及び消色材料によると、発色時に高い画像濃度を達成することができる。
また、上記の多孔質粒子は、無機酸化物からなるので、耐溶剤性や耐熱性に優れている。それ故、この多孔質粒子は、発色材料の製造時や消色時に比表面積の減少や溶解を生じ難い。
加えて、この多孔質粒子は無機酸化物からなるので、表面に多数の水酸基を存在させることができる。それ故、この多孔質粒子は、顕色剤として高い性能を発揮し得る。
また、消色時には、顕色剤を溶解させる必要がなく、消色剤は、顕色剤としての粒子の表面に対してのみ作用させればよい。それ故、上記の発色材料又は消色材料で形成した画像は、効率よく消色させることができる。
更に、上記の発色材料及び消色材料の発色粒子は、カプセル化されているため、不所望な消色を生じ難い。
また、上記の乾式法によると、湿式法と比較して、より小さな平均粒子径を達成できる。それ故、乾式法によって得られた発色材料又は消色材料を使用した場合、湿式法によって得られた発色材料又は消色材料を使用した場合と比較して、より高精細な画像を印刷できる。
[6]画像形成装置の一例
上述した発色材料及び消色材料は、例えば、以下に説明する画像形成装置で使用することができる。
図9は、実施形態に係る発色材料又は消色材料を含んだ現像剤を使用して画像を形成可能な画像形成装置の一例を概略的に示す縦断面図である。図10は、図9に示す画像形成装置が含む画像形成ユニットの構造を概略的に示す断面図である。図11は、図9に示す画像形成装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図9に示す画像形成装置1は、消色不可能なカラー画像の形成と消色可能な画像の形成とを切り替え可能な複合機(MFP:Multi Functional Peripheral)である。画像形成装置1は、筐体2、筐体2内に設置されたプリンタ部3、及び筐体2の上面に設置されたスキャナ部4を含んでいる。
プリンタ部3は、電子写真法により、記録媒体、ここでは紙や樹脂フィルムなどのシートに画像を形成する。プリンタ部3は、給紙部10、光学ユニット20、画像形成部50、定着部70、搬送部80、画像情報入力部100、及び制御部120を含んでいる。
給紙部10は、複数の給紙カセット11と複数のピックアップローラ12とを含んでいる。これら給紙カセット11は、積み重ねられた記録媒体、ここでは紙などのシートを収納する。ピックアップローラ12は、給紙カセット11に収納された記録媒体のうち、最上層の記録媒体Pを画像形成部50に給紙する。
光学ユニット20は、後述する感光体611乃至614を露光して、それらの表面に静電潜像を形成する。光学ユニット20には、例えば、レーザ又は発光ダイオード(light emitting diode;LED)を使用することができる。
画像形成部50は、中間転写ベルト51、複数のローラ52、二次転写ローラ54、バックアップローラ55、画像形成ユニット601乃至604、ホッパ661乃至664、及び、トナーカートリッジ671乃至674を含んでいる。なお、後で説明する一次転写ローラ641乃至644と、中間転写ベルト51と、複数のローラ52と、二次転写ローラ54と、バックアップローラ55とは、転写装置を構成している。
中間転写ベルト51は、中間転写媒体の一例である。中間転写ベルト51は、画像形成ユニット601乃至604によって形成されたトナー像を一時的に保持する。複数のローラ52は、中間転写ベルト51に張力を与える。二次転写ローラ54は、中間転写ベルト51を駆動する。二次転写ローラ54とバックアップローラ55との間には、中間転写ベルト51の一部が介在している。バックアップローラ55は、二次転写ローラ54とともに、中間転写ベルト51上に形成されたトナー像を記録媒体Pへ転写する。
画像形成ユニット601乃至604は、同様の構造を有している。即ち、図10に示すように、画像形成ユニット601は、感光体611と、帯電器621と、現像器631と、一次転写ローラ641と、クリーニングユニット651とを含んでいる。画像形成ユニット602は、感光体612と、帯電器622と、現像器632と、一次転写ローラ642と、クリーニングユニット652とを含んでいる。画像形成ユニット603は、感光体613と、帯電器623と、現像器633と、一次転写ローラ643と、クリーニングユニット653とを含んでいる。画像形成ユニット604は、感光体614と、帯電器624と、現像器634と、一次転写ローラ644と、クリーニングユニット654とを含んでいる。
感光体611乃至614は、ここでは、感光体ドラムである。感光体611乃至614は、感光体ベルトであってもよい。一例によれば、感光体611乃至614は、有機感光体である。
帯電器621乃至624は、それぞれ、感光体611乃至614に負電荷を与え、それらの表面に均一にマイナスの静電気を帯びさせる。
現像器631は、現像容器6311、現像剤ミキサ6321及び6331、並びに現像ローラ6351を含んでいる。現像剤ミキサ6321及び6331は、現像容器6311内の現像剤を撹拌するとともに、この現像剤を現像ローラ6351へ供給する。現像ローラ6351は、この現像剤を感光体611へ供給する。
現像器632は、現像容器6312、現像剤ミキサ6322及び6332、並びに現像ローラ6352を含んでいる。現像剤ミキサ6322及び6332は、現像容器6312内の現像剤を撹拌するとともに、この現像剤を現像ローラ6352へ供給する。現像ローラ6352は、この現像剤を感光体612へ供給する。
現像器633は、現像容器6313、現像剤ミキサ6323及び6333、並びに現像ローラ6353を含んでいる。現像剤ミキサ6323及び6333は、現像容器6313内の現像剤を撹拌するとともに、この現像剤を現像ローラ6353へ供給する。現像ローラ6353は、この現像剤を感光体613へ供給する。
現像器634は、現像容器6314、現像剤ミキサ6324及び6334、並びに現像ローラ6354を含んでいる。現像剤ミキサ6324及び6334は、現像容器6314内の現像剤を撹拌するとともに、この現像剤を現像ローラ6354へ供給する。現像ローラ6354は、この現像剤を感光体614へ供給する。
現像器631乃至634は、それぞれ、感光体611乃至614に現像剤を供給して、静電潜像に対応したトナー像を形成する。ここでは、一例として、現像剤は、トナーと、フェライトキャリアなどのキャリアとを含んだ二成分現像剤であるとする。また、ここでは、一例として、現像器631、632及び633のトナーは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、及びシアンのトナーであり、現像器634のトナーは、上記の消色材料であるとする。
現像器631乃至633の1以上は省略することができる。また、画像形成部50は、現像器631乃至634に加え、1以上の他の現像器を更に含んでいてもよい。例えば、画像形成部50は、現像器631乃至633の後段に、ブラックのトナーを使用する現像器を更に含んでいてもよい。
一次転写ローラ641乃至644は、それぞれ、感光体611乃至614上のトナー像を中間転写ベルト51へ転写する。
クリーニングユニット651乃至654は、それぞれ、感光体611乃至614上の残留物を除去する。
クリーニングユニット651は、クリーニングブレード6511と回収槽6521とを含んでいる。クリーニングブレード6511は、その縁が感光体611の表面に接するように設置されている。クリーニングブレード6511の感光体611と接する部分は、例えば、有機高分子材料からなる。クリーニングブレード6511は、感光体611の回転に伴い、現像剤の残留物を感光体611から除去する。回収槽6521は、クリーニングブレード6511が除去した残留物を回収する。回収槽6521が回収した残留物は、廃棄するか又は現像器631において再利用する。
クリーニングユニット652は、クリーニングブレード6512と回収槽6522とを含んでいる。クリーニングブレード6512は、その縁が感光体612の表面に接するように設置されている。クリーニングブレード6512の感光体612と接する部分は、例えば、有機高分子材料からなる。クリーニングブレード6512は、感光体612の回転に伴い、現像剤の残留物を感光体612から除去する。回収槽6522は、クリーニングブレード6512が除去した残留物を回収する。回収槽6522が回収した残留物は、廃棄するか又は現像器632において再利用する。
クリーニングユニット653は、クリーニングブレード6513と回収槽6523とを含んでいる。クリーニングブレード6513は、その縁が感光体613の表面に接するように設置されている。クリーニングブレード6513の感光体613と接する部分は、例えば、有機高分子材料からなる。クリーニングブレード6513は、感光体613の回転に伴い、現像剤の残留物を感光体613から除去する。回収槽6523は、クリーニングブレード6513が除去した残留物を回収する。回収槽6523が回収した残留物は、廃棄するか又は現像器633において再利用する。
クリーニングユニット654は、クリーニングブレード6514と回収槽6524とを含んでいる。クリーニングブレード6514は、その縁が感光体614の表面に接するように設置されている。クリーニングブレード6514の感光体614と接する部分は、例えば、有機高分子材料からなる。クリーニングブレード6514は、感光体614の回転に伴い、現像剤の残留物を感光体614から除去する。回収槽6524は、クリーニングブレード6514が除去した残留物を回収する。回収槽6524が回収した残留物は、廃棄するか又は現像器634において再利用する。
ホッパ661乃至664は、それぞれ、現像器631乃至634の上方に設置されている。ホッパ661乃至664は、それぞれ、現像器631乃至634へ現像剤を補給する。
トナーカートリッジ671乃至674は、それぞれ、ホッパ661乃至664の上方に、着脱可能に設置されている。トナーカートリッジ671乃至674は、それぞれ、トナーカートリッジ本体6711乃至6714を含んでいる。トナーカートリッジ本体6711乃至6714の各々は、容器の一例であり、現像剤を収容している。トナーカートリッジ671乃至671は、それぞれ、ホッパ661乃至664へ現像剤を供給する。
定着部70は、図示しない加熱ローラ、加圧部材、パッド、スプリング、及びストッパを含んでいる。定着部70は、搬送部80が記録媒体Pを搬送する経路上であって、二次転写ローラ54と排紙ローラ83との間の位置に設置されている。
搬送部80は、レジストローラ81と、搬送ローラ82と、排紙ローラ83と、排紙トレイ84とを含んでいる。レジストローラ81は、ピックアップローラ12から繰り出された記録媒体Pの画像形成部50への搬送を、所定のタイミングで開始する。搬送ローラ82は、レジストローラ81から繰り出された記録媒体Pを、バックアップローラ55と中間転写ベルト51との間を通過し、その後、定着部70を通過するように搬送する。排紙ローラ83は、記録媒体Pを搬送する経路上であって、プリンタ部3の外部に記録媒体Pが排出される直前に位置し、記録媒体Pを排紙トレイ84へ向けて搬送する。排紙トレイ84は、プリンタ部3の上面に位置し、排紙された記録媒体Pを受け取る。
画像情報入力部100は、記録媒体である記録媒体Pに印刷すべき画像情報を外部記録媒体やネットワークから取り込む。画像情報入力部100は、この画像情報を制御部120へ供給する。
制御部120は、記憶部130及び処理部140を含んでいる。記憶部130は、例えば、一次記憶装置(例えば、Random Access Memory;RAM)と二次記憶装置(例えば、Read Only Memory;ROM)とを含んでいる。処理部140は、プロセッサ(例えば、Central Processing Unit;CPU)を含んでいる。二次記憶装置は、例えば、プロセッサが解釈及び実行するプログラムを記憶している。一次記憶装置は、例えば、画像情報入力部100等が供給した画像情報、二次記憶装置が記憶しているプログラム、及びプロセッサが演算処理によって生成したデータ等を一次記憶する。プロセッサは、一次記憶装置が記憶しているプログラムを解釈及び実行する。
制御部120は、このようにして、画像情報入力部100等から供給された画像情報に基づいて、給紙部10、光学ユニット20、画像形成部50、定着部70及び搬送部80等の動作を制御する。具体的には、制御部120は、消色不可能なカラー画像を形成する画像形成モードが選択されている場合には、画像形成ユニット604による画像形成が行われることなしに、画像形成ユニット601乃至603による画像形成が行われるように、画像形成部50の動作を制御する。また、制御部120は、消色可能な画像を形成する画像形成モードが選択されている場合には、画像形成ユニット601乃至603による画像形成が行われることなしに、画像形成ユニット604による画像形成が行われるように、画像形成部50の動作を制御する。
この画像形成装置1は、消色装置と組み合わせて使用することができる。現像器634のトナーが上記の消色材料である場合、消色装置は、この消色材料で画像が形成された記録媒体を、消色材料の消色温度以上に加熱可能なものである。現像器634のトナーが上記の発色材料である場合、消色装置は、この消色材料で画像が形成された記録媒体に、消色剤を供給するとともに、消色剤が供給された記録媒体を消色材料の消色温度以上に加熱可能なものである。
[7]画像形成装置の他の例
上述した発色材料及び消色材料は、例えば、以下に説明する画像形成装置で使用することもできる。
図12は、実施形態に係る発色材料又は消色材料を含んだインクを使用して画像を形成可能な画像形成装置の一例を概略的に示す縦断面図である。
図12に示す画像形成装置1000は、インクジェットプリンタである。
画像形成装置1000は、筐体1010と、筐体1010内に設けられた給紙ユニット、媒体保持機構、インクジェットヘッド1150及びインクカートリッジ1160とを含んでいる。
筐体1010には、排紙トレイ1180が設けられている。筐体1010内には、カセット1011及び1012、供紙ローラ1020及び1030、搬送ローラ対1040及び1050、レジストローラ対1060、搬送ベルト1070、ファン1190、負圧チャンバ1110、搬送ローラ対1120、1130及び1140、インクジェットヘッド1150、インクカートリッジ1160、並びに、チューブ1170が設置されている。
インクカートリッジ1160は、インクカートリッジ本体と、インクカートリッジ本体に収容されたインクとを含んでいる。インクは、上記の発色材料又は消色材料と分散媒とを含んでいる。
カセット1011及び1012は、サイズの異なる記録媒体Pを収容している。供紙ローラ1020又は1030は、選択された記録媒体のサイズに対応した記録媒体Pをカセット1011又は1012から取り出し、搬送ローラ対1040及び1050並びにレジストローラ対1060へ搬送する。
搬送ベルト1070は、駆動ローラ1080と2本の従動ローラ1090とによって張力が与えられている。搬送ベルト1070の表面には、所定間隔で穴が設けられている。搬送ベルト1070の内側には、記録媒体Pを搬送ベルト1070に吸着させるための、ファン1190に連結された負圧チャンバ1110が設置されている。搬送ベルト1070の搬送方向下流には、搬送ローラ対1120、1130及び1140が設置されている。
以下、この画像形成装置1000の画像形成動作について説明する。
まず、画像処理手段(図示しない)が、記録のための画像処理を開始し、画像データに対応した画像信号を生成するとともに、各種ローラや負圧チャンバ1110などの動作を制御する制御信号を生成する。
供紙ローラ1020又は1030は、画像処理手段による制御のもと、カセット1011又は1012から、選択されたサイズの記録媒体Pを1枚ずつ取り出し、搬送ローラ対1040及び1050並びにレジストローラ対1060へ搬送する。レジストローラ対1060は、記録媒体Pのスキューを補正し、所定のタイミングで記録媒体Pを搬送する。
負圧チャンバ1110は、搬送ベルト1070の穴を介して空気を吸い込んでいる。従って、記録媒体Pは、搬送ベルト1070に吸着された状態で、搬送ベルト1070の移動に伴い、インクジェットヘッド1150の下方の位置へと搬送される。
インクジェットヘッド1150は、画像処理手段による制御のもと、記録媒体Pが搬送されるタイミングに同期して上記のインクを吐出する。これにより、記録媒体Pの所望の位置に、画像が形成される。
その後、搬送ローラ対1120、1130及び1140は、画像が形成された記録媒体Pを排紙トレイ1180へ排紙する。
以上のようにして、消色可能な画像を形成する。
なお、ここではインクを吐出したあとの乾燥工程において加熱することは記載していないが、熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg未満の温度であれば、加熱による乾燥を行なってもよい。また、ここでは、画像形成装置1000は、消色可能な画像のみを形成可能な構成を採用している。画像形成装置1000には、インクジェットヘッド1150とインクカートリッジ1160とチューブ1170との組み合わせを更に1以上設けてもよい。そして、追加の組み合わせにより、消色不可能な画像を形成可能としてもよい。
この画像形成装置1000も、消色装置と組み合わせて使用することができる。インクカートリッジ1160内のインクが上記の消色材料を含んでいる場合、消色装置は、この消色材料で画像が形成された記録媒体を、消色材料の消色温度以上に加熱可能なものである。インクカートリッジ1160内のインクが上記の発色材料である場合、消色装置は、この発色材料で画像が形成された記録媒体に、消色剤を供給するとともに、消色剤が供給された記録媒体を消色材料の消色温度以上に加熱可能なものである。
以下、実施例を説明する。
(発色粒子Aの製造)
本例では、乾式法により発色粒子を製造した。
具体的には、呈色剤をアセトンに溶解させて、呈色剤溶液を得た。呈色剤としては、クリスタルバイオレットラクトン(山田化学社;以下、CVLと表記する)を使用した。アセトンの量は、10質量部の呈色剤に対して、190質量部とした。
タービン翼を有する攪拌装置を、容量が2Lのフラスコ内にタービン翼が位置するように設置した。このフラスコに顕色剤を投入し、3000rpmで攪拌しながら、上記呈色剤溶液の1/4量を20分かけて滴下した。顕色剤としては、多孔性シリカであるサイシリア530(富士シリシア化学社)を使用した。顕色剤の量は、呈色剤の全量10質量部に対して、100質量部とした。
なお、ここで使用した顕色剤について、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は475m/gであった。
次に、このフラスコを50℃のウォータバスに設置し、100rpmで撹拌するとともに、フラスコ内を減圧しながら、1時間放置した。これにより、混合物からアセトンを除去した。粉体の色は、アセトンを除去することにより、白色から青色へ変化した。
顕色剤溶液の滴下とアセトンの除去とからなるプロセスを更に3回行って、呈色剤の全量を顕色剤に担持させた。なお、全てのプロセスにおいて、呈色剤溶液の滴下を開始してから終了するまでの間、顕色剤は粉体の状態を維持していた。
以上のようにして、発色粒子を得た。以下、この発色粒子を「発色粒子A」と呼ぶ。
発色粒子Aについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は2.9μmであった。
また、発色粒子Aについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は238m/gであった。
(発色粒子Bの製造)
本例では、乾式法により発色粒子を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色粒子Aについて説明したのと同様の方法により発色粒子を製造した。即ち、ここでは、顕色剤として、サイシリア530(富士シリシア化学社)の代わりに、単分散シリカであるQSG-170(信越シリコーン社)を使用した。
なお、ここで使用した顕色剤について、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は16m/gであった。
本例でも、顕色剤溶液の滴下とアセトンの除去とから各々がなるプロセスの全てにおいて、呈色剤溶液の滴下を開始してから終了するまでの間、顕色剤は粉体の状態を維持していた。以下、この発色粒子を「発色粒子B」と呼ぶ。
発色粒子Bについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は5μmであった。
また、発色粒子Bについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は9m/gであった。
(発色粒子Cの製造)
本例では、乾式法により発色粒子を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色粒子Bについて説明したのと同様の方法により発色粒子を製造した。即ち、ここでは、アセトンの量及び顕色剤の量を、それぞれ、5質量部の呈色剤に対して190質量部及び100質量部とした。なお、顕色剤溶液の滴下とアセトンの除去とから各々がなるプロセスの全てにおいて、呈色剤溶液の滴下を開始してから終了するまでの間、顕色剤は粉体の状態を維持していた。以下、この発色粒子を「発色粒子C」と呼ぶ。
発色粒子Cについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は4μmであった。
また、発色粒子Cについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は11m/gであった。
(発色粒子Dの製造)
本例では、湿式法により発色粒子を製造した。
具体的には、ナス型フラスコ中で、呈色剤、顕色剤、及びアセトンの混合液を撹拌した。呈色剤としてはCVLを使用し、顕色剤としては没食子酸エチルを使用した。顕色剤の量及びアセトンの量は、それぞれ、10質量部の呈色剤に対して20質量部及び190質量部とした。
次に、ロータリエバポレータを用いて混合液からアセトンを除去して、固形物を得た。この固形物をミキサで粉砕して、発色粒子を得た。以下、この発色粒子を「発色粒子D」と呼ぶ。なお、発色粒子Dは微粒子ではなかったため、その平均粒子径及びBET比表面積の測定は行わなかった。
(発色粒子Eの製造)
本例では、湿式法により発色粒子を製造した。
具体的には、ナス型フラスコ中で、呈色剤、顕色剤、及びアセトンの混合液を撹拌した。呈色剤としてはCVLを使用し、顕色剤としてはサイシリア530(富士シリシア化学社)を使用した。顕色剤の量及びアセトンの量は、それぞれ、10質量部の呈色剤に対して100質量部及び800質量部とした。
次に、ロータリエバポレータを用いて混合液からアセトンを除去して、固形物を得た。この固形物をミキサで粉砕して、発色粒子を得た。以下、この発色粒子を「発色粒子E」と呼ぶ。
発色粒子Eについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は11μmであった。
また、発色粒子Eについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は125m/gであった。
(発色粒子Fの製造)
本例では、乾式法により発色粒子を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色粒子Aについて説明したのと同様の方法により発色粒子を製造した。即ち、ここでは、顕色剤として、サイシリア530(富士シリシア化学社)の代わりに、サイシリア310(富士シリシア化学社)を使用した。
なお、ここで使用した顕色剤について、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は387m/gであった。
本例でも、顕色剤溶液の滴下とアセトンの除去とから各々がなるプロセスの全てにおいて、呈色剤溶液の滴下を開始してから終了するまでの間、顕色剤は粉体の状態を維持していた。以下、この発色粒子を「発色粒子F」と呼ぶ。
発色粒子Fについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は3.1μmであった。
また、発色粒子Fについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は89m/gであった。
(発色粒子の評価)
6質量部の発色粒子Aと、0.5質量部のネオペレックス(登録商標)G25(花王社)と、33.5質量部のイオン交換水とを混合して、インクを得た。このインクを、ハンドコーター(RK Print Coat Instruments社)を用いて紙に塗布した。そして、乾燥後、画像濃度を測定した。また、消色剤としてキシリトールと水を混合した消色剤溶液を、ハンドコーターを用いて上記インク塗布画像上に塗布し、消色させた。そして乾燥後、画像濃度を測定した。消色剤の量は水8質量部に対して2質量部とした。画像濃度の測定には、eXact(X-Rite社)を使用した。
発色粒子B、C、E及びFについても、上記と同様の画像濃度の測定を行なった。結果を表1に示す。
Figure 2022032786000002
表1に示すように、顕色剤のBET比表面積が大きい場合、顕色剤のBET比表面積が小さい場合と比較して、発色時により高い画像濃度を達成することができた。同様に、発色粒子のBET比表面積が大きい場合、発色粒子のBET比表面積が小さい場合と比較して、発色時により高い画像濃度を達成することができた。また、乾式法によると、湿式法と比較して、平均粒子径がより小さな発色粒子を得ることができた。
(発色材料Iの製造)
本例では、乾式法により発色材料を製造した。
具体的には、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解させて、カプセル化剤溶液を得た。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂(PES)を使用した。アセトンの量は、30質量部の熱可塑性樹脂に対して345質量部とした。
フルゾーン翼を有する攪拌装置を、容量が2Lのフラスコ内にフルゾーン翼が位置するように設置した。このフラスコに発色粒子Aを投入し、3000rpmで攪拌しながら、上記カプセル化剤溶液の1/5量を20分かけて滴下した。発色粒子Aの量は、熱可塑性樹脂の全量30質量部に対して60質量部とした。
次に、このフラスコを50℃のウォータバスに設置し、100rpmで撹拌するとともに、フラスコ内を減圧しながら、1時間放置した。これにより、混合物からアセトンを除去した。
カプセル化剤溶液の滴下とアセトンの除去とからなるプロセスを更に4回行って、熱可塑性樹脂の全量を発色粒子Aに担持させた。なお、全てのプロセスにおいて、カプセル化剤溶液の滴下を開始してから終了するまでの間、発色粒子Aは粉体の状態を維持していた。
以上のようにして、発色材料を得た。以下、この発色材料を「発色材料I」と呼ぶ。
発色材料Iについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は3.1μmであった。
また、発色材料Iについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は72m/gであった。
(発色材料IIの製造)
本例では、乾式法により発色材料を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色材料Iについて説明したのと同様の方法により発色材料を製造した。即ち、ここでは、発色粒子として、発色粒子Aの代わりに、発色粒子Bを使用した。
以上のようにして、発色材料を得た。以下、この発色材料を「発色材料II」と呼ぶ。
発色材料IIについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は6μmであった。
また、発色材料IIについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は7m/gであった。
(発色材料IIIの製造)
本例では、乾式法により発色材料を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色材料Iについて説明したのと同様の方法により発色材料を製造した。即ち、ここでは、発色粒子として、発色粒子Aの代わりに、発色粒子Cを使用した。
以上のようにして、発色材料を得た。以下、この発色材料を「発色材料III」と呼ぶ。
発色材料IIIについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は6μmであった。
また、発色材料IIIについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は6m/gであった。
(発色材料IVの製造)
本例では、湿式法により発色材料を製造した。
具体的には、熱可塑性樹脂をアセトンに溶解させて、カプセル化剤溶液を得た。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂を使用した。アセトンの量は、30質量部の熱可塑性樹脂に対して345質量部とした。
次に、ナス型フラスコ中で、発色粒子Eとアセトンとの混合液を撹拌した。発色粒子Eの量及びアセトンの量は、それぞれ、30質量部の熱可塑性樹脂に対して60質量部及び400質量部とした。この混合液に上記のカプセル化剤溶液を加え、これを更に攪拌した。
次に、ロータリエバポレータを用いて混合液からアセトンを除去して、固形物を得た。この固形物をミキサで粉砕して、発色材料を得た。以下、この発色粒子を「発色材料IV」と呼ぶ。
発色材料IVについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は22μmであった。
また、発色材料IVについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は29m/gであった。
(発色材料Vの製造)
本例では、乾式法により発色材料を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色材料Iについて説明したのと同様の方法により発色材料を製造した。即ち、ここでは、30質量部の熱可塑性樹脂に対するアセトンの量を、345質量部とする代わりに、690質量部とした。
以上のようにして、発色材料を得た。以下、この発色材料を「発色材料V」と呼ぶ。
発色材料Vについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は3.8μmであった。
また、発色材料Vについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は54m/gであった。
(発色材料VIの製造)
本例では、乾式法により発色材料を製造した。
具体的には、以下の点を除き、発色材料Iについて説明したのと同様の方法により発色材料を製造した。即ち、ここでは、発色粒子として、発色粒子Aの代わりに、発色粒子Fを使用した。
以上のようにして、発色材料を得た。以下、この発色材料を「発色材料VI」と呼ぶ。
発色材料VIについて、SALD7000(島津製作所社)を使用して平均粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は3.3μmであった。
また、発色材料VIについて、BELSORP MINI X(マイクロトラックベル社)を使用してBET比表面積を測定した。その結果、BET比表面積は36m/gであった。
(発色材料の評価)
6質量部の発色材料Iと、0.5質量部のネオペレックス(登録商標)G25(花王社)と、23.5質量部のイオン交換水とを混合した。この混合液に、消色剤であるキシリトールを混合して、インクを得た。消色剤の量は、6質量部の発色材料Iに対して10質量部とした。
このインクを、ハンドコーター(RK Print Coat Instruments社)を用いて紙に塗布した。そして、乾燥後、画像濃度を測定した。また、これを100℃に加熱し、加熱後の画像濃度も測定した。画像濃度の測定には、eXact(X-Rite社)を使用した。
発色材料II乃至VIについても、上記と同様の画像濃度の測定を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2022032786000003
表2に示すように、発色材料の比表面積が大きいほど、発色時により高い画像濃度を達成することができた。また、熱可塑性樹脂の量を多くすると、消色後における画像濃度が高くなった。そして、乾式法によると、湿式法と比較して、平均粒子径がより小さな発色粒子を得ることができた。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…画像形成装置、200…発色材料、210…発色粒子、220…熱可塑性樹脂、300…消色材料、310…消色剤、410…処理容器、420…攪拌装置、430…容器、440…ヒータ、450…容器、1000…画像形成装置、2101…多孔質粒子、2102…呈色剤、2104…第1溶液、2105…第1溶剤、2106…第2溶液。

Claims (5)

  1. 無機酸化物からなる、顕色剤としての多孔質粒子と、前記多孔質粒子に担持された呈色剤とを含んだ発色粒子と、
    前記発色粒子を被覆した熱可塑性樹脂と
    を備えた発色材料。
  2. 平均粒子径が0.1乃至20μmの範囲内にある請求項1に記載の発色材料。
  3. BET比表面積が20乃至500m/gの範囲内にある請求項1又は2に記載の発色材料。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の発色材料と、
    消色剤と
    を含んだ消色材料。
  5. 感光体と、
    前記感光体を帯電させる帯電器と、
    前記感光体に光を照射して静電潜像を形成する光学ユニットと、
    前記感光体に、請求項4に記載の消色材料を含むトナーを供給して、前記静電潜像に対応したトナー像を形成する現像器と、
    前記トナー像を前記感光体から記録媒体上へ直接又は間接的に転写する転写装置と
    を備えた画像形成装置。
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