JP5546218B2 - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体は、基本的には支持体と支持体上に形成された感光層とから形成されている。支持体としては、導電性の高い金属が多く用いられているが、中でもアルミニウムやアルミニウム合金が多く用いられている。また、これらの表面には、異物、突起のような構造的欠陥、防錆油のようなオイルや化学的な不純物が存在することが多い。前記状態のまま支持体上に感光層を設けると画像欠陥を生じる場合がある。
上記課題を解決する手段として、電子写真感光体において、感光層と支持体の間に、中間層と呼ばれる層(下引き層と呼ばれることもある)を用いることが多い。
中間層は、電子写真感光体に電圧を印加したとき支持体から電荷注入が起こらないように電気的ブロッキング機能が要求される。これは支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリの原因になり画質を低下させるからである。
一方、中間層は、電気的抵抗が高過ぎると感光層で発生した電荷が感光層内部に滞留し、結果として残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。
そこで、適度な範囲の電気的抵抗特性、及びブロッキング機能を有する中間層として、樹脂中に酸化チタンのような金属酸化物を含有する中間層が、多く検討されている(特許文献1、2)。
また、特許文献3には粒径の異なる無機化合物を含有した複数の熱硬化性樹脂からなる中間層(感光層と接する側に粒径の小さい無機化合物、支持体側には粒径の大きい無機化合物を含有させる)を設ける提案もされている。
特開昭56−52757号公報 特開平2−40662号公報 特開2002−40698号公報
しかしながら、近年、電子写真装置の高画質化の要求はより一層強まっている。特に、出力画像のカラー化により、ハーフトーン画像やベタ画像に対する要求は強まる一方で、長期繰り返し使用時において、より一層の電位安定化が求められるようになってきており、電位変動の許容範囲は狭まってきている。このような環境の下、特許文献1および特許文献2では十分とは言えない。
また、特許文献3のように、粒径の異なる無機化合物を含有した複数の熱硬性樹脂からなる中間層を設けても、感光層側に無機化合物を含有させると、感光層を薄膜まで使用した際に黒点などの画像欠陥が観られる場合があった。
本発明は、電子写真装置の高画質化の要求が厳しくなってもなお、繰り返し使用時の電位安定性に優れ、かつ、高いブロッキング機能を有することにより繰り返し使用後のカブリ、黒ポチの画像欠陥を抑制することのできる電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、感光体が有する2つの中間層に着目し、各層の樹脂の種類、配合物を制御することにより、本願発明の課題を解決できることを見出した。本発明は、支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体の製造方法において、無機微粒子、およびポリオレフィン樹脂を含有する第1の中間層用塗工液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該第1の中間層を製膜する工程と、第2の中間層用塗工液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該第2の中間層を製膜する工程とをこの順に有し、該第2の中間層用塗工液が、該第1の中間層用塗工液に含有されているポリオレフィン樹脂と同一又は同種のポリオレフィン樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有していない塗工液であり、該無機微粒子が酸化チタン粒子、または酸化スズ粒子であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
また、本発明は、支持体、該支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、該第1の中間層が、無機微粒子、およびポリオレフィン樹脂を含有し、該第2の中間層が、該第1の中間層に含まれるポリオレフィン樹脂と同一又は同種のポリオレフィン樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有しておらず、該無機微粒子が酸化チタン粒子、または酸化スズ粒子であることを特徴とする電子写真感光体に関する。
本発明によれば、繰り返し使用時の電位安定性に優れ、かつ、高いブロッキング機能を有することにより繰り返し使用後のカブリ、黒ポチの画像欠陥を抑制することのできる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置が得られる。
本発明の電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
本発明は、支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体の製造方法において、無機微粒子、ならびにポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びアクリル樹脂からなるグループから選ばれる熱可塑性樹脂を含有する第1の中間層用塗工液塗膜を形成、該塗膜を加熱して該第1の中間層を製膜する工程と、第2の中間層用塗工液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該第2の中間層を製膜する工程とをこの順に有し、該第2の中間層用塗工液が、該第1の中間層塗工液に含有されている熱可塑性樹脂と同一又は同種の熱可塑性樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有していない塗工液であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関するものである。
<第1の中間層>
本発明における第1の中間層について説明する。
本発明の第1の中間層に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びアクリル樹脂からなるグループから選ばれる。好ましくは、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂であり、より好ましくは、ポリオレフィン樹脂である。
ポリオレフィン樹脂とは、オレフィンを重合させて得られる重合体をいう。また、オレフィンとは、1つ以上のC=C(炭素間の二重結合)を持つ炭化水素化合物をいう。
ここで、ポリオレフィン樹脂としては、例えば、(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ(1−ブテン)、ポリ(4−メチルペンテン−1)、プロピレンとエチレンとの共重合体、エチレンとジシクロペンタジエン類との共重合体、エチレンとノルボルネン系化合物との共重合体、シクロペンタジエン誘導体の開環重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環重合体、シクロペンタジエン誘導体の開環共重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環共重合体ならびにそれらの水素添加物)が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、好ましくは、シクロへキサジエン誘導体の開環重合体、シクロペンタジエン誘導体の開環共重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環共重合体、より好ましくは、シクロペンタジエン誘導体の開環共重合体、シクロへキサジエン誘導体の開環共重合体である
ポリオレフィン樹脂は、オレフィンのみを重合させて得られる重合体であっても、それ以外のモノマーと重合させて得られる共重合体であってもよい。
ポリスチレン樹脂としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物を重合させて得られる重合体が挙げられる。この中でも、ポリスチレン樹脂としては、好ましくは、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレンで、より好ましくは、スチレンである。ポリスチレン樹脂は、芳香族ビニル化合物のみを重合させて得られる重合体であっても、それ以外のモノマーを重合させて得られる共重合体であってもよい。
ポリアミド樹脂としては、ポリマーの主鎖中にアミド結合(−NH−CO−)をもつ重合体を示し、6ナイロン、66ナイロン、共重合ナイロンや、N−メトキシメチル化ナイロンのような変成ナイロンが挙げられる。ポリアミド樹脂としては、好ましくは、共重合ナイロンである。
ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸類と多価アルコール類とから生成された重合体が用いられる。
多価カルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸;p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸のような芳香族オキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸のような脂肪族ジカルボン酸;フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸のような不飽和脂肪族;及び脂環族ジカルボン酸が挙げられる。さらに、多価カルボン酸類としては、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような三価以上の多価カルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコ−ル類としては、脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価アルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類が挙げられる。脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ルのような脂肪族ジオ−ル類;トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ルのようなトリオ−ルおよびテトラオ−ル類が挙げられる。多価アルコ−ル類としては、1,6−ヘキサンジオ−ルが好ましい。
脂環族多価アルコ−ル類としては、1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル、水素化ビスフェノ−
ルのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ルが挙げられる。脂環族多価アルコ−ル類としては、1,4−シクロヘキサンジオ−ルが好ましい。
芳香族多価アルコ−ル類としては、パラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ル、ビスフェノ−ルのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。芳香族多価アルコ−ル類としては、ビスフェノールが好ましい。
さらに、多価アルコ−ル類として、ポリエステルポリオ−ルが挙げられる。ポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラクトンのようなラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂としては、ジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートのような炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体を用いることができる。
ジヒドロキシジアリール化合物としては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビスビス(4−ヒドロキシジフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3‘−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルファイド、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルファイドのようなジヒドロキシジアリールスルファイド類;
4,4‘−ジヒドロキシジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。この中で、好ましくは(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)が挙げられる。
ジフェニルカーボネートのような炭酸エステルとしては、ジフェニルカーボネートジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のビスアリールカーボネートが挙げられる。好ましい炭酸エステルは、ジフェニルカーボネートジ−p−トリルカーボネートである。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから選ばれる1種以上の単量体を重合して得られる重合体が挙げられる。好ましいアクリル樹脂は、アクリル酸又はメタクリル酸を重合して得られる重合体である。また、水酸基、エポキシ基、アミノ基のような官能基を分子中に有する共単量体を用いることもできる。
第1の中間層に含有される熱可塑性樹脂の含有量は、第一の中間層に含有される全固形物の質量に対して、好ましくは20質量%以上70質量%以下、より好ましくは、25質
量%以上50質量以下である。
第1の中間層の熱可塑性樹脂の誘電率(ε)は、繰り返し使用時の電気特性の点で、4以下が好ましい。
第1の中間層の膜厚は、好ましくは、5μm以上40μm以下、より好ましくは、10μm以上35μm以下である。
各層の膜厚は、(株)フィッシャーインストロメンツ社製のFISCHERSCOPE
mmsで測定した。
第1の中間層に用いる無機微粒子は、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛又は銀のような金属粒子;酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズのような金属酸化物粒子が挙げられる。好ましくは、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化スズ、酸化マグネシウム、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズ、より好ましくは、酸化チタン、酸化スズアンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化スズである。また、これらの無機微粒子は2種以上混合して用いてもよい。さらに、金属酸化物は、必要に応じて、表面処理剤を用いて表面処理することができる。
無機微粒子の添加量は、第一の中間層に含まれる全固形物の質量に対して、好ましくは、30質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは、40質量%以上60質量%以下である。
第1の中間層に用いる無機微粒子の平均粒径は、好ましくは、0.05μm以上10μm以下、より好ましくは、0.1μm以上5μm以下である。
本発明の金属酸化物の平均粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)観察によりそれぞれ適切な倍率で測定される。平均粒径は二次凝集した粒子を除いた1次粒子のみを100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算して体積平均粒径を求め、それを平均粒径とした。
第1の中間層の塗工液に使用される溶剤は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノール、2プロパノール(IPA)のようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;トリエチルアミン(IEA)のようなアミン系溶剤;トリフルオロ酢酸(TFA)のような酢酸系溶剤;トルエンのような芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
第1の中間層塗工液の塗布方法は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法のようなコーティング法が挙げられる。好ましくは、浸漬コーティング法である。
上記塗工液を塗布し、塗膜を形成後、該塗膜を加熱するときの加熱温度は、好ましくは、50℃以上300℃以下、より好ましくは80℃以上150℃以下である。加熱温度が50℃以上300℃以下であると、画像特性、電気特性の点で好適である。
また、加熱時間は、好ましくは5分以上5時間以下、より好ましくは10分以上2時間以下である。加熱の一手段として乾燥が好ましい。乾燥方法は、送風乾燥又は静止乾燥を用いることができる。
第1の中間層を製膜する際、第1の中間層塗工液を塗布後、第1の中間層塗工液に含有
している熱可塑性樹脂の融点以上に加熱することが好ましい。
<第2の中間層>
本発明における第2の中間層について説明する。
本発明の第2の中間層に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂としては、第1の中間層の塗工液に含有している熱可塑性樹脂と同一又は同種の樹脂である。ここで、「同種の樹脂」とは、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びアクリル樹脂に分類される同一分類の樹脂という。具体的には、第1の中間層の塗工液に含有している熱可塑性樹脂と、分子量、共重合方法、置換基の部分構造が異なる、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
第2の中間層に含有される熱可塑性樹脂の含有量は、第2の中間層に含有される全固形物の質量に対して、好ましくは50質量%以上100質量%以下、より好ましくは80質量%以上100質量以下である。
第2の中間層の熱可塑性樹脂の誘電率(ε)は、画像特性、電気特性の点で、4以下が好ましい。
第2の中間層の平均膜厚は、好ましくは0.5μm以上2μm以下、より好ましくは、0.6μm以上1.5μm以下である。膜厚が0.5μm以上2μm以下であると、繰り返し使用時の電気特性の点で好適である。
第2の中間層を製膜する際、第2の中間層塗工液を塗布後、第2の中間層塗工液に含有している熱可塑性樹脂の融点以上に加熱することが、画像特性、電気特性の点で好ましい。
第2の中間層に用いる樹脂は、80℃以上120℃以下に融点を有する樹脂を用いることが好ましい。融点が80℃以上120℃以下であると、画像特性の点で好適である。
第2の中間層塗工液に用いる溶剤としては、第1の中間層塗工液に用いられる溶剤と同様に、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチルのようなエステル系溶剤;メタノール、エタノール、2プロパノール(IPA)のようなアルコール系溶剤;メチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;トリエチルアミン(IEA)のようなアミン系溶剤、;トリフルオロ酢酸(TFA)のような酢酸系溶剤、;トルエンのような芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
第2の中間層塗工液の塗布方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法のようなコーティング法が用いられるが、好ましくは、浸漬コーティング法である。
上記塗工液を塗布し、塗膜を形成後、該塗膜を加熱するときの加熱温度は、好ましくは、50℃以上300℃以下、より好ましくは80℃以上150℃以下である。加熱温度が50℃以上300℃以下であると画像特性、電気特性の点で好ましい。
また、加熱時間は、好ましくは5分以上5時間以下、より好ましくは10分以上2時間以下である。加熱の一手段として乾燥が好ましい。乾燥方法は、送風乾燥又は静止乾燥を用いることができる。
第1の中間層および第2の中間層は、電位安定化のために、それぞれ電子輸送物質を含
有してもよい。ここで、電子輸送物質としては、例えば、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物、フェナントレン化合物、フェナントロリン化合物、アセナフトキノン化合物が挙げられる。好ましくは、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物である。
<感光層>
本発明における感光層について説明する。
本発明の電子写真感光体に用いる電荷発生物質としては、モノアゾ、ジスアゾ又はトリスアゾのようなアゾ顔料;金属フタロシアニン又は非金属フタロシアニンのようなフタロシアニン顔料;インジゴ又はチオインジゴのようなインジゴ顔料;ペリレン酸無水物又はペリレン酸イミドのようなペリレン顔料;アンスラキノン又はピレンキノンのような多環キノン顔料;スクワリリウム色素、ピリリウム塩又はチアピリリウム塩、トリフェニルメタン色素;セレン、セレン−テルル又はアモルファスシリコンのような無機物質;キナクリドン顔料、アズレニウム塩顔料、シアニン染料、キサンテン色素、キノンイミン色素又はスチリル色素が挙げられる。上記電荷発生物質は、1種又は2種以上用いてもよい。この中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンあるいはクロロガリウムフタロシアニンのような金属フタロシアニンは、高感度である点で好ましい。
本発明の感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とをこの順に積層した構成、または、上記と逆の順で積層した構成、すなわち、電荷輸送層と、電荷発生層とをこの順に積層した構成を採用することができる。さらに、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一層中に分散した単層からなる構成を採用することも可能である。
ただし、電子写真感光体としての特性、特に残留電位などの電気的特性、及び耐久性の点から、電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光体が好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂が挙げられる。好ましくは、ブチラール樹脂であり、より好ましくは、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂である。上記の結着樹脂は、単独、混合又は共重合体として1種または2種以上用いることができる。
上記電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗工液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。分散方法は、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質と結着樹脂との割合は、好ましくは、10:1以上1:10以下(質量比)、より好ましくは、3:1以上1:1以下(質量比)である。
電荷発生層用塗工液に用いる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択される。有機溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、好ましくは5μm以下である。より好ましくは、0.1以上2μm以下である。
電荷発生層は、必要に応じて、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を添加することもできる。また、電荷発生層において、電荷の流れが滞らないようにするために、電子輸送物質を含有させてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾー
ル化合物、チアゾール化合物又はトリアリルメタン化合物が挙げられる。好ましくは、トリアリールアミン化合物が挙げられる。電荷輸送物質は、1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗工液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずに、単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂又は不飽和樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂又はジアリルフタレート樹脂である。より好ましくは、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂である。上記の結着樹脂は、単独、混合又は共重合体として1種または2種以上用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる電荷輸送層用塗工液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質と結着樹脂との割合は、好ましくは、2:1以上、1:2以下(質量比)である。より好ましくは、3:2以上、2:3以下(質量比)である。
電荷輸送層用塗工液に用いる溶剤としては、アセトン又はメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤;酢酸メチル又は酢酸エチルのようなエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメトキシメタン又はジメトキシエタンのようなエーテル系溶剤;トルエン、キシレン又はクロロベンゼンのような芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。上記の溶剤は、1種又は2種類以上混合して用いてもよい。特に、エーテル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤は、樹脂溶解性の観点から好ましい。
電荷輸送層の平均膜厚は、好ましくは、5μm以上50μm以下である。より好ましくは、10μm以上35μm以下である。
また、電荷輸送層には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を添加することもできる。
さらに、電荷輸送層上に、表面保護層を形成してもよい。表面保護層は、耐久性を向上するため、高強度の結着樹脂を用いる方法、可塑性を示す電荷輸送物質と結着樹脂との比率を適正化する方法、高分子電荷輸送物質を使用する方法等が挙げられる。より耐久性能を発現させるために、表面保護層を硬化系樹脂で構成することが好ましい。ここで、硬化系樹脂層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力との両立であり、電荷輸送材料、及び重合性もしくは架橋性のモノマー、またはオリゴマーから構成されることが好ましい。
上記表面保護層は、樹脂単体でもよいし、樹脂に上記電荷輸送物質や、導電性粉体等の導電性物質を添加してなる層であってもよい。
保護表面層を硬化系樹脂で構成する方法において電荷輸送材料として、公知の正孔輸送性化合物、及び電子輸送性化合物を用いることができる。これらの化合物を合成する材料としては、アクリロイルオキシ基又はスチレン基を有する連鎖重合系の材料が挙げられる。また、水酸基、アルコキシシリル基又はイソシアネート基を有する逐次重合系のような材料が挙げられる。特に、表面保護層を硬化系樹脂で構成された電子写真感光体の電子写真特性、汎用性や材料設計および製造安定性の観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましい。さらに、正孔輸送性基及びアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させた表面保護層で構成された電子写真感光体であることが特に好ましい。
硬化手段としては、熱、光又は放射線のような公知の手段を利用できる。
電荷輸送層に表面保護層の役割を担わせている場合の平均膜厚は、好ましくは、5μm以上50μm以下である。より好ましくは、10μm以上35μm以下である。
一方、表面保護層の平均膜厚は、好ましくは、0.1μm以上20μm以下である。より好ましくは、1μm以上10μm以下である。
各層の塗工液の塗布方法は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法又はリングコーティング法のような塗布方法を用いることができる。
<支持体>
本発明における支持体について説明する。
本発明に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレスのような金属製を用いることができる。アルミニウム又はアルミニウム合金の場合には、ED管、EI管や、これらを切削、電解複合研磨(電解作用を有する電極と電解質溶液による電解および研磨作用を有する砥石による研磨)、湿式または乾式ホーニング処理したものを用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成された層を有する上記金属製支持体や樹脂製支持体(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、フェノール樹脂、ポリプロピレン又はポリスチレン樹脂)を用いることもできる。さらに、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子または銀粒子のような導電性粒子を樹脂や紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチックを用いることもできる。本発明の支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を施してもよい。
支持体の体積抵抗率は、支持体の表面が導電性を付与するために設けられた層である場合、その層の体積抵抗率は、好ましくは、1×1010Ω・cm以下である。より好ましくは、1×10Ω・cm以下である。
<電子写真感光体>
本発明における電子写真感光体は、支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、第1の中間層が、無機微粒子と、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びアクリル樹脂のいずれかから選ばれる熱可塑性樹脂とを含有し、第2の中間層が、前記第1の中間層に含まれる熱可塑性樹脂と、同一又は同種の樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有していないことを特徴とするものである。
<プロセスカートリッジ及び電子写真装置>
本発明におけるプロセスカートリッジ及び電子写真装置について説明する。
本発明におけるプロセスカートリッジは、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするものである。
また、本発明における電子写真装置は、上記電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段とを備えることを特徴とするものである。
図1は、本発明による電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電手段(一次帯電手段:例えば、帯電ローラー)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光のような露光手段(図示せず)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。このように、電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像され、トナー像を形成する。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(例えば転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(図示せず)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して給送された転写材(例えば紙)Pに順次転写されていく。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(例えば、クリーニングブレード)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(図示せず)からの前露光光(図示せず)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
なお、図1に示すように、帯電手段3が、例えば、帯電ローラーを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持して構成してもよい。また、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターのような電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
図1は、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールのような案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
(実施例1)
<電子写真感光体の作製>
(1)ポリオレフィン樹脂粒子分散液の調製
ポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8290(mp81℃)、住友化学工業株式会社製)75.0g、2プロパノール(以下、IPAと記す)60.0g、トリエチルアミン(以下、TEAと記す)5.1gおよび蒸留水159.9gをヒーター付きの密閉できる耐圧1L(リットル)用ガラス容器に仕込み、該容器に備えた攪拌機を用い、攪拌翼の回転速度を300rpmとして攪拌した。この時、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることを確認した。
次に、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターを用いて加熱した。系内温度を140〜145℃に保ちさらに20分間攪拌した。
その後、水浴につけて、回転速度300rpmの状態で攪拌しつつ、室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で過熱濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂粒子分散液を得た。
(2)酸化スズゾル分散液の調製
塩化第二スズ五水和物0.2モルを200mLの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、攪拌しつつ、28%のアンモニア水を添加することにより、pH1.5の白色酸化スズ微粒子含有スラリーを得た。
得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを温度70℃まで加熱した後、温度50℃前後まで自然冷却した上、純水を加え、1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離機を用いて固液分離を行った。
この含水固形分に800mLの純水を加えて、ホモジナイザーにより攪拌・分散を行った後、遠心分離を用いて固液分離を行い、洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に、純水75mL加えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。
上記で得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーに、トリエチルアミン3.0mLを加え攪拌し、透明感が出てきたところで温度70℃まで昇温した後、加温を止め、自然冷却して固形分濃度20質量%の有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾル分散液を得た。
(3)第1の中間層塗工液の調製
上記で調製した酸化スズゾル分散液に、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化スズが7.5部となるように、上記で調製したポリオレフィン樹脂粒子分散液を混合した。
次に、溶媒比率[水/IPA]が9/1、固形分が20%になるよう溶媒を添加し、攪拌することによって第1の中間層塗工液を得た。
(4)第2の中間層塗工液の調製
上記で調製したポリオレフィン樹脂粒子分散液を、溶媒比率[水/IPA]が9/1、固形分が5%になるように溶媒を添加し、攪拌することによって第2の中間層塗工液を得た。
(5)支持体の製造
温度23℃、湿度60%RHの環境下で、熱間押し出しすることにより得られた、長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金のED管、昭和アルミニウム(株)製)を、導電性円筒状支持体とした。
(6)第1の中間層の形成
上記で製造した導電性円筒状支持体上に、上記第1の中間層塗工液を浸漬塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥し、導電性円筒状支持体上端から130mm位置の平均膜厚が10μmの第1の中間層を形成した。
(7)第2の中間層の形成
上記で形成した第1の中間層上に、上記で調製した第2の中間層塗工液を浸漬塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥し、導電性円筒状支持体上端から130mm位置の平均膜厚が膜厚が0.8μmの第2の中間層を形成した。
(8)電荷発生層の形成
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で1時間分散し、その後、酢酸エチル250部を加えて電荷発生層塗工液を調製した。
上記で調製した電荷発生層塗工液を、上記で形成した第2の中間層上に浸漬コーティン
グし、温度100℃で10分間乾燥して、導電性円筒状支持体上端から130mm位置の平均膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
(9)電荷輸送層の形成
下記構造式(1)で示される電荷輸送物質(正孔輸送物質)80部、下記構造式(2)で示される電荷輸送物質(正孔輸送物質)10部、及び下記繰り返し構造単位(3)からなるポリエステル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒110000、テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)100部を、クロロベンゼン600部、及びメチラール200部の混合溶媒中に溶解して電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を上記の電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、温度120℃に加熱されたオーブン内で30分間、加熱乾燥し、導電性円筒状支持体上端から170mm位置の平均膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。こうして、電子写真感光体を作製した。
Figure 0005546218
Figure 0005546218
Figure 0005546218
<出力画像および感光体表面電位の評価>
作製した電子写真感光体を常温常湿(温度23℃/湿度50%RH)環境下で24時間放置した後、そのままの環境で出力画像の評価および耐久印字後の感光体表面電位の測定を行った。
出力画像の評価および電位評価は、ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名:カラーレーザージェット4600)を初期暗部電位が−600V、初期明部電位が−120Vになるように改造したもの(プロセススピード:94.2mm/s)を用いた。このレーザービームプリンターの帯電手段は、帯電ローラーを備えた接触帯電手段であり、帯電ローラーには直流電圧のみの電圧が印加される。また、このレーザービームプリンターは、電子写真感光体の回転方向において、帯電手段の上流側かつ転写手段の下流側の位置に除電手段を有さない。
シアン色用プロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着し、これを、プリンターのシアン色用プロセスカートリッジのステーションに装着し、評価用の画像を出力した。
通紙時の画像出力は各色の印字率1%の文字画像を、A4サイズの普通紙でフルカラープリント操作を連続で15000枚行い、1枚目(初期)と15000枚通紙後の画像および感光体表面電位を評価した。
画像評価として、黒ポチ、地カブリ評価用の画像としてはベタ白を出力し、画像欠陥の有無を目視により評価した。
黒ポチ、地カブリ評価は以下の基準に従って官能的に観察して行った。
A:微小黒点が目視では全く観察されない
B:微小黒点が極微量(1〜5箇所)認められる
C:部分的に微小黒点が目視で数箇所(6箇所以上)認められる
D:全面に微小黒点が目視で観察される
この中で、CおよびDは、本発明の効果が十分に得られていないと判断した。
表面電位の測定は、カートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、ドラム中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。ΔVD、ΔVLはそれぞれ、暗部電位(VD)、明部電位(VL)の初期電位(−V)からの耐久後電位(−V)の変動量を示す(例えば、初期VDが−600V、耐久後VDが−595Vの場合、変動量ΔVDは−5Vと表記する)。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、第1の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(以下、酸化チタン1という)(商品名ST−21 石原産業(株)製)10部、IPA90部をボールミルにより72時間分散し、酸化チタン分散液を得た。
実施例1における第1の中間層塗工液の酸化スズゾル分散液に変え、上記酸化チタン分散液を用い、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化チタン8部となるように、ポリオレフィン樹脂粒子分散液を混合した。
次に、溶媒比率[水/IPA]が8/2、固形分が20%になるよう溶媒を添加し、攪拌することによって第1の中間層塗工液を得た。
(実施例3)
実施例1において、第1の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1における第1の中間層塗工液の酸化スズゾル分散液に変え、10質量%の酸化アンチモンをドープしたSnOを被覆した酸化チタン(商品名T−1 三菱マテリアル(株))製に変更し、第1の中間層塗工液を得た。
(実施例4)
実施例1において、第1の中間層塗工液の調整を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化亜鉛粒子(商品名パゼット23K ハクスイテック(株)製)10部、IPA90部とをボールミルにより72時間分散し、酸化亜鉛分散液を得た。
実施例1における第1の中間層塗工液の酸化スズゾル分散液に変え、上記酸化亜鉛分散液を用い、ポリオレフィン樹脂固形分1部に対して酸化亜鉛10部となるように、ポリオレフィン樹脂粒子分散液を混合した。
次に、溶媒比率が[水/IPA]が8/2、固形分が18%になるよう溶媒を添加し、攪拌することによって第1の中間層塗工液を得た。
(実施例5)
実施例1において、第1の中間層塗工液のポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8290(mp81℃)、住友化学工業株式会社製)を、ポリオレフィン樹脂粒子(ボンダインAX−8390(mp67℃)、住友化学工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、第1の中間層塗工液のポリオレフィン樹脂(ボンダインHX−8290(mp81℃)、住友化学工業株式会社製)を、ポリオレフィン樹脂(プリマコール5980I(mp79℃)、ダウ・ケミカル社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を、以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度230℃で10分間乾燥した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部と、ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、メタノール7部、ブタノール2部とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、メタノール15部、ブタノール4部とからなる溶液を第2の中間層塗工液とした。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例7において、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8において、第1の中間層塗工液を以下のように変更した以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化亜鉛粒子(商品名パゼット23K ハクスイテック(株)製)3部、ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、IPA70部をボールミルで20時間分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
(実施例10)
実施例1において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥した以外は
、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部とポリスチレン樹脂(重量平均分子量(Mw)≒45,000)1部をテトラヒドロフラン8部、ジメトキシメタン3部とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
ポリスチレン樹脂(重量平均分子量(Mw)≒45,000)1部、テトラヒドロフラン18部、ジメトキシメタン6部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
(実施例11)
実施例10において、第2の中間層をスプレー塗布法で塗布し、温度250℃で10分間乾燥した以外は実施例10と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例7において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で15分間乾燥した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部と、上記繰り返し構造単位(3)からなるポリエステル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒110,000、テレフタル酸/イソフタル酸=50/50)1部、テトラヒドロフラン8部、ジメトキシメタン3部とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
上記構造式3で示されるポリエステル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒110,000)1部、テトラヒドロフラン18部、ジメトキシメタン6部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
(実施例13)
実施例7において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部と、ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)1部、テトラヒドロフラン8部、ジメトキシメタン3部とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ400(Tg175℃)、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)1部、テトラヒドロフラン18部、ジメトキシメタン6部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
(実施例14)
実施例7において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)15部、アクリル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒4,200)7部、及び球状シリコーン樹脂微粉末(平均粒径1.5μm)1部を2−メトキシ−1−プロパノール7部の溶剤に混合し、サンドミルにより約8時間分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
アクリル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒4,200)7部と2−メトキシ−1−プロパノール20部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
(実施例15)
実施例7において、第1の中間層塗工液と第2の中間層塗工液を以下のように変更し、第2の中間層塗工液をスプレー塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥した以外は
、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化亜鉛粒子(商品名パゼット23K ハクスイテック(株)製)10部、アクリル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒4,200)7部、及び球状シリコーン樹脂微粉末(平均粒径1.5μm)1部を2−メトキシ−1−プロパノール7部の溶剤に混合し、サンドミルにより約8時間分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
アクリル樹脂(重量平均分子量(Mw)≒4,200)7部と、2−メトキシ−1−プロパノール20部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
(比較例1)
実施例1において、第1の中間層塗工液、第2の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)14部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S 大日本インキ化学工業株式会社製)33部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60 大日本インキ化学工業株式会社製)18部、及び、2−ブタノン10部をボールミルにより72時間分散し、第1の中間層塗工液とした。
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、大日本インキ化学工業株式会社製)33部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60、大日本インキ化学工業株式会社製)18部、2−ブタノン40部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
なお、本比較例は、第1の中間層及び第2の中間層に熱硬化性樹脂を用いた例である。
(比較例2)
比較例1において、第2の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、メタノール15部、ブタノール4部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
なお、本比較例は、第2の中間層の樹脂が、第1の中間層塗工液に含有している樹脂とは異なる樹脂を含む例である。
(比較例3)
比較例1において、第2の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、比較例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)5部、アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S、大日本インキ化学工業株式会社製)25部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60 大日本インキ化学工業株式会社製)16部、2−ブタノン20部をボールミルにより72時間分散し、第2の中間層塗工液とした。
なお、本比較例は、第1及の中間層及び第2の中間層に熱硬化性樹脂を用い、さらに、第2の中間層に無機微粒子(酸化チタン)を含有した例である。
(比較例4)
実施例12において、第2の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、メタノール15部、ブタノール4部からなる溶液を第2の中間層塗工液とした。
なお、本比較例は、第2の中間層の樹脂が、第1の中間層塗工液に含有している樹脂とは異なる樹脂を含む例である。
(比較例5)
実施例1において、第1の中間層塗工液、第2の中間層用塗工液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)5部、2−メトキシ−1−プロパノール4部、メタノール4部からなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第1の中間層塗工液を調製した。
レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライトJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)5部、2−メトキシ−1−プロパノール4部、メタノール4部とからなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第2の中間層塗工液を調製した。
なお、本比較例は、第1の中間層及び第2の中間層に熱硬化性樹脂を用いた例である。
(比較例6)
実施例8において、第2の中間層塗工液の調製を以下のように変更した以外は実施例8
と同様にして電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
酸化チタン(商品名ST−21:石原産業(株)製)4部、ポリアミド樹脂(CM8000(4元共重合ポリアミド(6/66/610/12)、mp137℃:東レ社製)1部、メタノール15部、ブタノール4部からなる溶液を約20時間ボールミルで分散し、第2の中間層塗工液を調製した。
なお、本比較例は、第2の中間層に無機微粒子(酸化チタン)を含有した例である。
また、実施例3〜4、および、7〜15を、それぞれ、参考例3〜4、および、7〜15とする。
Figure 0005546218
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (9)

  1. 支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体の製造方法において、
    無機微粒子、およびポリオレフィン樹脂を含有する第1の中間層用塗工液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該第1の中間層を製膜する工程と、
    第2の中間層用塗工液の塗膜を形成し、該塗膜を加熱して該第2の中間層を製膜する工程と
    をこの順に有し、
    該第2の中間層用塗工液が、該第1の中間層用塗工液に含有されているポリオレフィン樹脂と同一又は同種のポリオレフィン樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有していない塗工液であり、
    該無機微粒子が酸化チタン粒子、または酸化スズ粒子であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記第2の中間層用塗工液の前記塗膜を加熱する温度が、前記第2の中間層用塗工液に含有している前記ポリオレフィン樹脂の融点以上である請求項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記第2の中間層用塗工液の前記塗膜を加熱する温度が、80℃以上150℃以下である求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記第2の中間層の膜厚が、0.5μm以上2μm以下である請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 支持体、該支持体上に第1の中間層と、第2の中間層と、感光層とをこの順に有する電子写真感光体において、
    該第1の中間層が、無機微粒子、およびポリオレフィン樹脂を含有し、
    該第2の中間層が、該第1の中間層に含まれるポリオレフィン樹脂と同一又は同種のポリオレフィン樹脂を含有し、かつ、無機微粒子を含有しておらず、
    該無機微粒子が酸化チタン粒子、または酸化スズ粒子であることを特徴とする電子写真
    感光体。
  6. 前記第2の中間層に含まれる前記ポリオレフィン樹脂の融点が、80℃以上120℃以下である請求項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記第2の中間層の膜厚が、0.5μm以上2μm以下である請求項5または6に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段とを備えることを特徴とする電子写真装置。
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