JP5544782B2 - 塗装金属材用塗料組成物 - Google Patents
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Description
本発明に係る塗装金属材は、金属基材と、この金属基材上に設けられた亜鉛系めっき層と、この亜鉛系めっき層上に設けられたクロムフリーの化成皮膜と、この化成皮膜上に設けられた2〜15μmの厚さの樹脂皮膜とを備える。樹脂皮膜は、Tg≧40℃である水溶性または水分散のウレタン樹脂(A)およびTg≦0℃である水溶性または水分散のウレタン樹脂(B)を、樹脂固形分比率で(A):(B)=100:0〜40:60で含有する塗料組成物から形成されたものである。また、樹脂皮膜が顔料を含有する場合には、その含有される顔料のうち、結晶性かつ平均粒径1μm以上のものの含有量が樹脂皮膜の塗料固形分における5質量%以下である。
本発明に係る塗装金属材の基材をなす金属基材の材質は、後述する亜鉛系めっき層による犠牲防食の効果が得られる材料であれば、特に限定されない。典型的な金属基材は鉄を主成分とする鋼材である。金属基材の形状は特に限定されないが、本発明に係る塗装金属材は塗膜層を有する状態でプレス加工などの二次加工が施されるため、典型的には板状である。板材の場合における厚み(板厚)は特に限定されない。二次加工、特にプレス加工のしやすさを考慮すると2mm程度を上限とすることが好ましい。
本発明に係る塗装金属材は、金属基材上に亜鉛系めっき層を有する。亜鉛系めっき層とは、亜鉛を含有するめっきからなるめっき層である。亜鉛を含有するめっきは、溶融亜鉛系めっき、合金化溶融亜鉛系めっき、および電気亜鉛系めっきに分類され、これらのいずれを用いてもよい。めっき組成も亜鉛を含有する以外は特に限定されず、純亜鉛でもよいし、亜鉛合金でもよい。亜鉛合金の場合における合金元素およびその含有量も特に限定されない。合金元素としてアルミニウム、鉄、およびニッケルが例示され、合金元素の含有量のほうが亜鉛の含有量より高くてもよい。
まず、塗装金属材から樹脂皮膜を除去する。樹脂皮膜を除去することにより、少なくとも金属基材と亜鉛系めっき層とを備える部材の表面を露出させることができる。ここで、樹脂皮膜とめっき層との間にある化成皮膜については、必ずしも除去されていなくともよい。化成皮膜は一般的に極めて薄く、後述するようにシランカップリング剤からなる場合には単層膜として存在している場合もあり、その後のSEMによるクラック観察にとって障害とならない。もちろん、化成皮膜が厚く、しかも導電性が低い場合には、クラック観察の障害となるため、除去しておくことが好ましい。
本発明に係る塗装金属材は、上記のめっき層上に化成皮膜(化成処理により形成された皮膜)を有する。本発明において、化成皮膜は、環境の観点よりクロムを全く含有しない、いわゆるクロムフリー化成皮膜とする。
ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、N-(2-アミノメチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノメチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラメトキシシラン。
チタン化合物としては、Tiアルコキシド、あるいは塩基性Ti炭酸塩、Tiフッ化物、Ti含有有機キレート、Ti含有カップリング剤(Tiアルコキシドにエポキシ基、ビニル基、アミノ基、メタクリロキシ基などの有機官能基が結合した化合物)等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
化成皮膜の付着量は20mg/m2以上1000mg/m2以下であれば良好な密着性、耐食性を安定的に確保できる。付着量が過度に少ない場合にはめっき層上の化成皮膜が十分に存在しておらず、優れた密着性を発現するのが困難になる。一方、付着量が過度に多い場合には化成皮膜自体が凝集破壊してしまう可能性がある上、コストが高くなってしまう。
化成皮膜の製造方法は限定されない。化成皮膜を形成する化成処理液に適した処理方法を適宜実施すればよい。
本発明に係る塗装金属材は、化成皮膜の上に設けられる皮膜として樹脂皮膜を備える。ここで、「樹脂皮膜」とは、皮膜を形成するための塗料組成物を構成する成分の一つであるバインダー成分が主として樹脂から構成されるものをいう。
バインダー成分は、バインダー成分の主成分となる樹脂であるバインダー樹脂、硬化剤、およびその他の成分から構成される。以下に各成分について詳しく説明する。
本発明に係るバインダー樹脂は、主樹脂が水溶性または水分散のウレタン樹脂からなる。ここで、「主樹脂」とは、含有量が全バインダー樹脂に対して60質量%以上をなし、バインダー樹脂の主成分となる樹脂をいう。水分散のウレタン樹脂の場合、エマルジョン粒子径として、10nm以上100nm以下、より好ましい範囲としては、20nm以上60nm以下である。粒子径が過度に小さいものはコスト高になることが懸念される。一方、粒子径が過度に大きいものは、塗膜化した際にエマルジョン同士の隙間が大きくなり塗膜としてのバリア性が低下するが懸念される。ウレタン樹脂のタイプとしては、エーテル系、ポリカーボネイト系、エステル系、アクリルグラファイトタイプ等あるが、これらの単独または、混合系を用いてもよい。
硬化剤は水溶性のものを用いることが好ましく、具体的には、メラミンを用いることが好ましい。硬化剤の添加量は、樹脂固形分100質量部に対して5質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。ここで、「樹脂固形分」とは、塗料組成物を焼き付けた際の固形分(樹脂皮膜)のうち、バインダー成分に由来する固形分をいう。したがって「樹脂固形分に対する質量%」とは、実質的に、バインダー成分のみを硬化させたときの重量計測値を100%としたときの質量割合をいう。
バインダー成分は硬化触媒を含むことが好ましい。硬化触媒の役割の一つとして、硬化剤同士の自己縮合反応の促進や硬化剤と樹脂との架橋反応の促進等が挙げられる。また上記の表面自由エネルギーの小さなメチル化メラミンやブチル化メラミンを用いることで、樹脂皮膜表面に硬化剤が表面に濃化し、架橋反応、自己縮合反応も促進される。このため、表面近傍の樹脂皮膜は耐溶剤性および耐薬品性が特に向上する。しかも、樹脂皮膜が後述する樹脂粒子を含有する場合には、表面に濃化した硬化剤によって樹脂皮膜の表面近傍の硬度が上昇し、プレス加工時に樹脂粒子が欠落しにくくなる。
本発明に係る樹脂皮膜に含有される顔料は、必要に応じ着色顔料、防錆顔料および光輝顔料、さらには熱放射性などの他の機能を有する顔料も含有する。
ここで、顔料における「平均粒径」とは、樹脂皮膜中に存在する顔料が単独で存在する場合は平均1次粒径を指し、顔料同士が凝集して存在する場合は凝集時の顔料の粒径を表す平均2次粒径を意味し、次の計測方法で求めることが好ましい。まず、塗膜層が形成された塗装鋼板を切断してその断面を露出させ、その断面をさらに研摩する。こうして得られた断面をSEMで観察して、樹脂皮膜中の断面の観察像を得る。その観察像の視野に存在する顔料から数個を選び出し、それぞれの顔料の長辺長さと短辺長さを測定し、これら長辺の平均値と短辺の平均値を算出し、さらにこれらを平均して平均1次粒径を算出する。
a)結晶性を有さない、すなわち非晶質であって、平均粒径および含有量は任意、
b)結晶性を有し、平均粒径が1μm未満であって、含有量は任意、
c)結晶性を有し、平均粒径が1μm以上であって、含有量は塗料固形分比で5質量%未満。
塗装鋼板にプレス等による加工が施される場合、金型との接触によるに摺動により、樹脂皮膜に大きな剪断力が加わる。この剪断力が過大であると、カジリと呼ばれる樹脂皮膜の破壊(疵付き)が発生する。従って、樹脂皮膜としての凝集力が大きいことが必要となるが、発明者等が検討した結果、樹脂皮膜が顔料を含有する場合には、含有する顔料によっては、上記の剪断力によって顔料の凝集破壊が生じることがあり、これが樹脂皮膜の凝集力を低下させることが明らかとなった。具体的には、結晶性で劈開性を有する顔料の場合に、顔料の凝集破壊が生じ易い。従って、結晶性を有さない(非晶質)のものであれば、劈開性を有さないので、樹脂皮膜に含有させる顔料として好適である。
樹脂皮膜を特定の色調に調色するために添加する着色顔料として、安価、安全、耐水性、耐候性に優れる無機系の顔料を用いることが好ましい。また着色顔料に加え、カーボンブラックまたは、チタニアのいずれか一方または両方の顔料が含有されていると、樹脂皮膜自体の熱放射性が向上する。したがって、熱放射性が求められる電気・電子機器の筐体に適用する場合にはこれらの顔料を含有させることが好ましい。
本発明の好適態様によれば、塗装金属板の表面色調を測定したときに、JIS Z8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50であることが、金属基材を完全に隠蔽することができるため好ましい。このような色調をもたらす好ましい樹脂皮膜は、着色顔料としてカーボンブラックを含有する樹脂皮膜である。さらに、60°鏡面光沢度が50を超えると,擦り傷等の表面欠陥が目立ち易くなるため,この光沢度は50以下であることが望ましい。
樹脂皮膜は体質顔料を含有してもよい。体質顔料は、それ自体に着色力、隠蔽力はないものの、他の顔料の希釈や増量の目的や樹脂皮膜の強度向上の目的で使用される顔料であり、具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリンなどが例示される。これらは結晶性であり、特にタルクやカオリンは劈開性を有しているため、これらを用いる場合には平均粒径および/または含有量を適切にする必要がある。
メタリック調などの意匠性が求められる用途に適用する場合には、マイカやアルミフレーク等の光輝顔料を添加することで、メタリック調を発現させることができる。これら光輝顔料についての顔料の平均粒径は、樹脂皮膜厚の4倍以下程度が好ましい。また、添加量としては、加工性、特にプレス加工性を確保する上で、光輝顔料と上記防錆顔料の総量(平均平均粒径0.5μm以上の顔料)として、塗料固形分に対して15質量%以下にすることが好ましい。
また、これら光輝顔料については、0.5μmよりも大きな粒径となっており、添加量を増大することで、加工性、平面部の耐食性が低下することが懸念される。好ましい添加量としては、上記性能を確保する上で、光輝顔料を含む0.5μmよりも大きい顔料全体として、塗料固形分に対して20質量%以下とすることが好ましい。
樹脂皮膜に添加する防錆顔料として、吸油量が50ml/100g以上1000ml/100g以下であって平均粒径が10μm以下である多孔質シリカが適している。他のリン酸系防錆顔料、イオン交換シリカを単独で用いた場合には、多孔質シリカと同添加量入れた際に十分な耐食性向上効果が得られず、また、多孔質シリカと同じような耐食性性能を発現するために大量に防錆顔料を添加すると樹脂皮膜自体の加工性を損なうとともに、意匠性を損なうという問題もある。
上記のバインダー成分および顔料以外に樹脂皮膜中に含まれる成分として、レベリング剤、樹脂粒子、溶接性や電磁波シールド性を向上させるための導電粉、耐候性を改善するのに有効な紫外線吸収剤および光安定剤、プレス加工性の改善に有効なワックス等が挙げられ、これらを必要に応じて適宜含有させてもよい。
樹脂皮膜の厚さは、2μm以上15μm以下の範囲であることが好ましい。2μm未満では、樹脂皮膜の隠蔽性が劣るほか、平面部の耐食性も低下することが懸念され、15μmを超える場合にはコスト面において不利となる。樹脂皮膜の厚さは3μm以上10μm以下であればさらに好ましく、4μm以上9μm以下が特に好ましい。
化成皮膜を形成するための処理液、および樹脂皮膜を形成するための塗料組成物における媒体(溶媒・分散媒)は、水を主成分とする。溶質・分散質の溶解・分散を良好にするために、水に対する溶解度が高い極性を有する液状有機物(極性有機溶媒)、例えばアルコール、エーテル、ケトンなどを水とともに使用してもよい。
本実施形態に係る塗膜層の製造方法は特に限定されない。まず、常法にしたがって、金属基材に上記の化成処理液を接触させ、引き続いてこれを焼き付けて化成皮膜が表面に形成された金属材を得る。金属基材と化成処理液との具体的な接触方法として、浸漬、スプレー、ロールコートなどが例示される。
化成皮膜の焼き付け温度は特に限定されない。例えばPMT(基板の最高到達温度)を80℃以上とするなどにより皮膜を乾燥させることで、一般的には十分な耐食性、導電性、塗膜密着性等の要求性能を満足する化成皮膜が得られる。
なお、本実施形態の塗装金属材上に、さらに付加機能を有するクリア塗料および/または着色塗料を塗布してもよい。そのような塗料を塗布することで、従来の3コート3ベークの塗装工程で、従来の塗装金属材にない新たな性能を有する塗装金属材を安価で製造することが可能となる。付加機能としては、光触媒機能等を有する耐汚染性、防臭、消臭性等が挙げられるが、これに限らない。
本発明に係る塗装金属材に対して適宜二次加工、具体的には切断加工、曲げ加工、プレス加工など、を行うことにより、製品またはその内部部品を収容する箱状体である筐体を形成することができる。この筐体において、上述のめっき層および塗膜層を有する面が外側、すなわちおもて面をなすことが好ましい。
この場合、おもて面と同様の化成処理を施すことで、良好な密着性、耐食性を確保できる。すなわち、この場合における好ましい付着量は20mg/m2以上1000mg/m2以下である。
導電性等が要求される場合に使用されることが好ましく、この場合、好ましい化成皮膜の付着量としては、100mg/m2以上1000mg/m2以下であり、良好な導電性および耐食性を確保できる。付着量が過度に少ない場合にはめっき表面上の化成皮膜が十分に存在しておらず、優れた密着性を発現するのが困難になる。一方、付着量が過度に多い場合には化成皮膜自体の凝集破壊してしまう可能性がある上、コストが高くなってしまう。また、化成処理液自身も、耐食性を考慮して防錆機能を有する材料(防錆添加剤:バナジウム化合物,チタン化合物,マンガン化合物,リン酸化合物等)を含んだ系とすることが好ましく、プレス性を確保のためにワックス等を添加した系を用いることも可能である。
(1)めっき鋼板
基材の亜鉛系めっき鋼板として、下表に示す亜鉛−ニッケル合金電気めっき鋼板(SZ)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)を使用した。鋼板はいずれも250×300mmのサイズであった。
すなわち、電気めっきラインでの最終の1,2セルを無通電浸漬処理することで,クラックを発生させた。また、ラインスピード、めっき液pH、および無通電セルの数を調整することでクラック密度を増減させた。
SEM観察で用いたSEMは、(株)日立ハイテクサイエンスシステムズ社製S−3400N型走査電子顕微鏡で、加速電圧25.0kVのSE像にてクラックを観察し、1000倍の画像を用いて、無作為に30枚撮影し、各写真にて無作為に選択した0.1mm×0.05mmの範囲で、クラックに囲まれた領域(クラック領域)の個数、すなわちクラック個数を測定した。
さらに、30枚の写真の各計測範囲におけるクラック領域数の平均値を算出し、200倍した値をクラック密度とした。図1の写真の鋼板のクラック密度は、4000個/mm2であった。
化成処理液については、市販の薬液(日本ペイント(株)製 EC2330)を用いた。この薬液は、シランカップリング剤、気相シリカ、V系化合物、Zr系化合物、ウレタン樹脂等を含む無機有機複合化成処理液である。
使用した水分散または水溶性樹脂に関しては、表2記載のとおりである。
・CB:三菱化学(株)製カーボンブラック MA100
・シリカ:富士シリシア化学社製 サイロマスク(Ca0%タイプ)吸油量50ml/100g以上、平均粒径1.0μ以上
・タルクA:平均粒径8μm
・タルクB:平均粒径4μm
・タルクC:平均粒径0.8μm
また、表3中、樹脂添加量は塗料固形分に対する質量%を表す。
上記の化成処理薬液を作製し、めっき鋼板上にバーコーターを用いて塗布し、板の最高到達温度(PMT)が10秒で80℃になるように加熱し、おもて面の化成処理皮膜を形成した。
次に表3に記載の着色塗料を用い、化成処理皮膜が形成された鋼板サンプルにバーコーターを用いて塗布し、板の到達温度が50秒で180℃となるように加熱し、おもて面の上塗り塗膜を形成した。溶剤の添加、バーコーター番手変更をすることで膜厚調整した。
基材、化成処理、着色塗膜の組合せで作製したサンプルを表3に示す。
(1)曲げ加工性
試験片に対して0T折り曲げ試験(23℃)を行い、180°密着曲げ塗膜についてクラック発生有無について10倍ルーペを用いて調査した。評価基準は下記の通りであり、○を合格とした:
○ : クラックなし
× : クラックあり
プレス加工性の代用特性として、ピンオンディスク型摩耗試験器を用い塗膜の摺動性を評価した。試験条件は次の通りであった:
ピン先端形状 : 直径3/16inchの球形状
ディスクにおけるピン接触位置 : 中心から10mm
温度 : 75℃
加重 : 30N
回転速度 : 1rpm
15周回転させた後のディスク表面を目視で観察し、下記の判定基準で評価した。◎、○を合格とした:
◎ : 15周で塗膜かじりなし
○ : 10〜15周で塗膜かじり発生
× : 9周以下で塗膜かじり発生
なお、「塗膜カジリ」とは、塗膜のピンへの凝着、塗膜の局所的な割れなどによって、摺動面の面性状が著しく低下した状態をいう。
サンプルを常温密着曲げ実施し、曲げ部をセロハンテープで貼付、常温で1hr静置後テープを剥離:
テープの粘着面に付着している塗膜を目視で観察し、下記の判定基準で評価した。○以上を合格とした:
◎ : 塗膜剥離無し
○ : 一部塗膜剥離発生、
△ : 塗膜発生、素地露出
× : 曲げ部全体で塗膜剥離
(4)耐食性
70mm×150mmサイズの試験辺の4辺をシールし、JIS2371に指定された条件で塩水噴霧試験を実施し、試験後サンプルの平面部の腐食面積率を求めて評価した。判定基準は下記の通りであり、◎および○を合格とした:
◎ : 240時間後白錆発生無し、
○ : 120時間後白錆発生無し、240時間後白錆発生有り
△ : 120時間後白錆発生有り(点状)
× : 120時間後赤錆発生有り、全面白錆発生有り。
◎ : ロール目が目立たない
○ : ロール目が目立つ部分がある
× : ロール目が目立つ上に、色調のムラが顕著である
結果を表3および4に示す。本発明に規定のものは、加工性、摺動性、加工部塗膜密着性、耐食性に優れた。また、着色塗料の媒体が高沸点媒体を適切な量含む場合には、ロール目が特に目立たなくなり、特に好ましい結果が得られた。
Claims (1)
- 金属基材上に下から順に亜鉛系めっき層、クロムフリー化成皮膜および樹脂皮膜を備えた塗装金属材における樹脂皮膜を形成するための塗装金属材用塗料組成物であって、
Tg≧40℃である水溶性または水分散のウレタン樹脂(A)およびTg≦0℃である水溶性または水分散のウレタン樹脂(B)を、樹脂固形分比率で(A):(B)=70:30〜40:60で含有するとともに、当該塗料組成物に含有される水分量の3質量%以上の含有量で、沸点が160℃以上の物質を媒体として含有し、顔料を含有する場合には、その含有される顔料のうち、結晶性かつ平均粒径1μm上のものの含有量が当該塗料組成物の塗料固形分における5質量%以下であること、を特徴とする塗料組成物。
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