JP5540567B2 - 電動機の特性を取得する方法、装置およびコンピュータープログラム - Google Patents

電動機の特性を取得する方法、装置およびコンピュータープログラム Download PDF

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Description

本発明は、電動機の特性を取得する方法、装置およびプログラムに関するものである。
従来、トルク−回転数特性等の電動機の特性を取得するためには、測定対象となる電動機が発生させるトルクを、トルク測定装置を用いて機械的に測定していた(例えば特許文献1)。
特開平06−109564号公報
しかし、この技術では、トルク測定装置の特性によっては、測定される電動機の特性が異なって示される場合があるという問題があった。また、トルク測定装置は経年変化するため、オフセット調整等のメンテナンスが必要であるという問題もあった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、従来とは異なる方法で、電動機の特性を取得することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
本発明の一形態によれば、電動機の特性を取得する方法が提供される。この電動機の特性を取得する方法は、(a)前記電動機内の電磁コイルの抵抗値を取得する工程と、(b)前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値を取得する工程と、(c)前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度を測定する工程と、(d)前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値を測定する工程と、(e)前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷回転速度と、前記無負荷電流値とのみに基づいて、前記電動機の特性を算出する工程と、を備える。この形態の電動機の特性を取得する方法によれば、電磁コイルの抵抗値と、供給電圧値と、無負荷回転速度と、無負荷電流値とのみに基づいて、電動機の特性を算出するので、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、電動機の特性を取得することができる。
[適用例1]
電動機の特性を取得する方法であって、
(a)前記電動機内の電磁コイルの抵抗値を取得する工程と、
(b)前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値を取得する工程と、
(c)前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度を測定する工程と、
(d)前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値を測定する工程と、
(e)前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷回転速度と、前記無負荷電流値とに基づいて、前記電動機の特性を算出する工程と、
を備える、方法。
適用例1の方法によれば、電磁コイルの抵抗値と、供給電圧値と、無負荷回転速度と、無負荷電流値とに基づいて、電動機の特性を算出するので、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、電動機の特性を取得することができる。
[適用例2]
適用例1記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷電流値とに基づいて、前記電動機の無負荷時において前記電磁コイルに発生する逆起電力である無負荷逆起電力を算出する工程を含む、方法。
適用例2の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、無負荷逆起電力を算出することができる。
[適用例3]
適用例2に記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記無負荷回転速度と、前記無負荷逆起電力とに基づいて、前記電磁コイルの逆起電力定数を算出する工程を含む、方法。
適用例3の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、逆起電力定数を算出することができる。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと、前記電磁コイルに流れる電流値との関係を算出する工程を含む、方法。
適用例4の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、トルクと電流値との関係を算出することができる。
[適用例5]
適用例3に記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の回転速度との関係を算出する工程を含む、方法。
適用例5の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、トルクと回転速度との関係を算出することができる。
[適用例6]
適用例3に記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の出力との関係を算出する工程を含む、方法。
適用例6の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、トルクと出力との関係を算出することができる。
[適用例7]
適用例3に記載の方法であって、
前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の効率との関係を算出する工程を含む、方法。
適用例7の方法によれば、実際に電動機が発生させるトルクを測定することなく、トルクと効率との関係を算出することができる。
[適用例8]
適用例1から適用例7のいずれかに記載の方法であって、
前記工程(b)において、前記電動機に対してPWM駆動する場合には、供給電圧にデューティー比を掛けた値を実効電圧値として用いる、方法。
適用例8の方法によれば、PWM駆動の場合は、デューティー比を掛けた実効電圧値を用いることにより、PWM駆動下における電動機の特性を容易に算出することができる。
[適用例9]
適用例1から適用例8のいずれかに記載の方法であって、前記電磁コイルが3相スター結線されている場合には、前記電動機の電磁コイルの総抵抗として、前記電磁コイル単体の抵抗値の2倍の抵抗値を用いる、方法。
適用例9の方法によれば、電動機の電磁コイルが3相スター結線されている場合でも、電動機の特性を容易に算出することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、電動機の特性取得方法および装置、電動機の特性取得システム、それらの方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例としての測定対象となる電動機の構成を示す模式図である。 実施例における電動機特性取得装置の構成を示すブロック図である。 電動機の特性を測定する工程を示すフローチャートである。 電動機が発生させるトルクTと電磁コイルに流れる電流値Iとの関係を示すグラフである。 電動機が発生させるトルクTと電動機の回転数Nとの関係を示すグラフである。 電動機が発生させるトルクTと電動機の出力Pとの関係を示すグラフである。 電動機が発生させるトルクTと電動機の効率ηとの関係を示すグラフである。 電動機の各種の特性を算出した結果を示す表である。 図8による算出結果に基づいてトルクTと電流値Iとの関係を示すグラフである。 図8による算出結果に基づいてトルクTと回転数Nとの関係を示すグラフである。 図8による算出結果に基づいてトルクTと出力Pとの関係を示すグラフである。 図8による算出結果に基づいてトルクTと効率ηとの関係を示すグラフである。 比較例としての電動機特性取得装置の構成を示すブロック図である。 電動機の構成を、電磁コイルのインダクタンスを考慮して示す説明図である。 PWM駆動における供給電圧と、電磁コイルに流れる電流を示す説明図である。 第2の実施例の変形例を示す説明図である。 第3の実施例を示す説明図である。 応用例を示す説明図である。 本発明の適用例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。 本発明の適用例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。 本発明の適用例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の適用例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1の実施例:
B.変形例:
C.比較例:
D.第2の実施例:
E.第3の実施例:
F.応用例:
A.第1の実施例:
図1は、本発明の一実施例としての測定対象となる電動機100の構成を示す模式図である。電動機100は、永久磁石を有するローター部10と、電磁コイル20と、PWMドライバー22と、ホールIC26と、PWM制御部28とを備えている。また、電動機100は、電源24に接続されており、電源電圧として供給電圧値Es[V]が供給されている。
ホールIC26は、ローター部10の回転位置に応じたセンサー信号SSAを生成する。センサー信号SSAは、PWM制御部28に供給される。PWM制御部28は、センサー信号SSAに応じて、PWMドライバー22の2つのスイッチS1、S2を切り替える。この結果、電磁コイル20に流れる電流の向きが入れ替わる。そして、電磁コイル20に流れる電流の向きが入れ替わることによって、電磁コイル20の磁化方向が入れ替わり、ローター部10は回転することができる。電磁コイル20は、内部抵抗31と、逆起電力Egとして模擬されている。逆起電力Eg[V]は、電磁コイル20に流れる電流の方向とは逆向きに発生する。内部抵抗31は、抵抗値Rdc[Ω]を有する。
本実施例では、電磁コイル20の抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnl[rpm]と、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に流れる電流値Inl[A]とを測定することによって、電動機100の各種の特性を算出する。ここで、電動機の特性とは、逆起電力定数Ke、トルク−電流特性、トルク−回転数特性、トルク−仕事特性、トルク−効率特性等を意味する。
図2は、実施例における電動機特性取得装置200の構成を示すブロック図である。電動機特性取得装置200は、回転速度測定部202と、抵抗値測定部204と、供給電圧値測定部206と、電流値測定部208と、演算部210とを備えている。回転速度測定部202は、カップリング214を介して、電動機100の回転軸102と接続されている。回転速度測定部202は、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnlを測定する。以下では、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnlを「無負荷回転数Nnl」とも呼ぶ。この無負荷回転数Nnlは、演算部210に供給される。
供給電圧値測定部206は、電源24(図1)から電動機100に供給される供給電圧値Esを測定する。電流値測定部208は、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20(図1)に流れる電流値Inlを測定する。以下では、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に流れる電流値Inlを、「無負荷電流値Inl」とも呼ぶ。この無負荷電流値Inlは、演算部210に供給される。
抵抗値測定部204は、電磁コイル20の内部抵抗31(図1)の抵抗値Rdcを測定する。電磁コイル20の抵抗値Rdcは、逆起電力Egが発生していない状態において電磁コイル20に流れている電流値Iと、供給電圧値Esとの関係から求めることができる。この逆起電力Egが発生していない状態は、例えば、ローター部10を回転しないように固定し、PWMドライバー22のスイッチS1,S2を固定した状態にすることによって実現することができる。測定された抵抗値Rdcは、演算部210に供給される。
演算部210は、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとに基づいて、電動機の特性を算出する。この算出方法については後述する。演算部210によって算出された電動機100の特性は、表示装置212によって表示される。
図3は、電動機の特性を取得する工程を示すフローチャートである。ステップS10では、電磁コイル20の抵抗値Rdcを測定する。ステップS20では、電動機100への供給電圧値Esを測定する。ステップS30では、無負荷で電動機100を回転させた場合における回転数Nnlを測定する。ステップS40では、無負荷で電動機100を回転させた場合における電流値Inlを測定する。ステップS50では、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷回転数Nnlと、無負荷電流値Inlとに基づいて、電動機100の特性を算出する。電動機100の特性は、以下のように算出される。
図4は、電動機100が発生させるトルクTと、電磁コイル20に流れる電流値Iとの関係を示すグラフである。なお、図中に示す破線は、回転数N=0の時のトルクを示している。図5ないし図7においても同様である。トルクT[N・m]と電流値I[A]との関係は、以下の(1)式で示される。
Figure 0005540567
ここで、Keは、逆起電力定数である。逆起電力定数Ke[V・s/rad]は、以下の(2)式で示される。
Figure 0005540567
ここで、ωnlは、無負荷で電動機100を回転させた場合の角速度(以下では、無負荷角速度ωnlとも呼ぶ。)であり、Egnlは、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に発生する逆起電力(以下では、無負荷逆起電力Egnlとも呼ぶ。)である。
(2)式における無負荷角速度ωnl[rad/s]は、無負荷回転数Nnl[rpm]を用いて、以下の(3)式で示される。
Figure 0005540567
また、(2)式における無負荷逆起電力Egnlは、電圧の釣り合いより、以下の(4)式で示される。
Figure 0005540567
ここで、(3)、(4)式を、(2)式に代入すると、以下の(5)式となる。
Figure 0005540567
(5)式から理解できるように、逆起電力定数Keは、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって求めることができる。また、(4)式から理解できるように、無負荷逆起電力Egnlは、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlとを測定することによって求めることができる。
さらに、(5)式を、(1)式に代入すると、以下の(6)式となる。
Figure 0005540567
(6)式から理解できるように、トルクTと電流値Iとの関係は、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって求めることができる。なお、図4におけるグラフの切片は、無負荷電流値Inlである。
図5は、電動機100が発生させるトルクTと、電動機100の回転数Nとの関係を示すグラフである。まず、角速度ωは、逆起電力定数Keを用いて、以下の(7)式で示される。
Figure 0005540567
(7)式における逆起電力Egは、電圧の釣り合いより、以下の(8)式で示される。
Figure 0005540567
また、角速度ωと、回転数Nとの関係は、以下の(9)式で示される。
Figure 0005540567
(8)、(9)式を(7)式に代入して変形すると、以下の(10)式となる。
Figure 0005540567
(1)、(5)式を用いて、(10)式を変形すると、以下の(11)式となる。
Figure 0005540567
(11)式から理解できるように、トルクTと回転数Nとの関係は、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって求めることができる。なお、図5におけるグラフの切片は、無負荷回転数Nnlである。
図6は、電動機100が発生させるトルクTと、電動機100の出力Pとの関係を示すグラフである。トルクT[N・m]と出力P[W]との関係は、以下の(12)式で示される。
Figure 0005540567
ここで、(9)式を用いて(11)式を変形すると、以下の(13)式となる。
Figure 0005540567
(13)式を(12)式に代入すると、以下の(14)式となる。
Figure 0005540567
(14)式から理解できるように、トルクTと出力Pとの関係は、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって求めることができる。
図7は、電動機100が発生させるトルクTと、電動機100の効率ηとの関係を示すグラフである。効率η[%]は、以下の(15)式で示される。
Figure 0005540567
(15)式に、(6)、(14)式を代入すると、以下の(16)式となる。
Figure 0005540567
(16)式から理解できるように、トルクTと効率ηとの関係は、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって求めることができる。
図8は、電動機100の各種の特性を算出した結果を示す表である。この図8は、以下で示す測定結果を得られた場合についての算出結果を示している。
供給電圧値Es=20[V]
抵抗値Rdc=80[Ω]
無負荷電流値Inl=0.003[A]
無負荷回転数Nnl=1538[rpm]
逆起電力定数Keは、上記4つの値に基づいて、以下の値に算出される。
逆起電力定数Ke=0.123[V・s/rad]
この逆起電力定数Keに基づいて、電流値I[A]と、逆起電力Eg[V]と、角速度ω[rad]と、回転数N[rpm]と、出力P[W]と、効率η[%]とが、トルクT[N・m]ごとにそれぞれ算出される。
図9は、図8による算出結果に基づいて、トルクTと電流値Iとの関係を示すグラフである。図10は、図8による算出結果に基づいて、トルクTと回転数Nとの関係を示すグラフである。図11は、図8による算出結果に基づいて、トルクTと出力Pとの関係を示すグラフである。図12は、図8による算出結果に基づいて、トルクTと効率ηとの関係を示すグラフである。
このように、本実施例では、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって、電動機100の各種の特性を算出することが可能である。また、ブラシレスモーターの場合において、駆動制御方法が変更された場合には、再び上記4つの値を測定することによって、変更後の新たな特性を算出することが可能である。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
上記実施例では、供給電圧値測定部206が供給電圧値Esを測定しているが、電動機100に供給される電源の電圧値が判明している場合には、供給電圧値Esを測定することなく、判明している供給電圧値Esを演算部210に供給することとしてもよい。すなわち、電動機特性取得装置200は、供給電圧値Esを取得すればよい。
B2.変形例2:
上記実施例では、抵抗値測定部204が抵抗値Rdcを測定しているが、電磁コイル20の抵抗値が判明している場合には、抵抗値Rdcを測定することなく、判明している抵抗値Rdcを演算部210に供給することとしてもよい。すなわち、電動機特性取得装置200は、抵抗値Rdcを取得すればよい。
B3.変形例3:
上記実施例では、回転速度測定部202は、電動機100の回転速度を、回転数N[rpm]として測定している。しかし、回転速度測定部202は、電動機100の回転速度を、角速度ω[rad/s]として測定し、角速度ωを演算部210に供給することとしてもよい。
B4.変形例4:
電動機の特性の取得をコンピュータープログラムで実現する場合には、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを予め測定しておき、得られた4つの値をコンピュータープログラムに取得させることとしてもよい。
C.比較例:
図13は、比較例としての電動機特性取得装置300の構成を示すブロック図である。図2で示した電動機特性取得装置200との違いは、駆動用電動機302と、逆起電力測定部304とが設けられている点である。この電動機特性取得装置300における演算部210は、逆起電力定数Keを以下のように算出する。
まず、測定対象となる電動機100を、電圧が印加されていない状態にしておく。そして、駆動用電動機302は、測定対象となる電動機100の回転軸102を回転させる。そうすると、電動機100の電磁コイル20(図1)には逆起電力Egが発生する。逆起電力測定部304は、逆起電力Egを測定し、演算部210に供給する。回転速度測定部202は、電動機100の回転数Nを測定し、演算部210に供給する。演算部210は、回転数Nを角速度ωに変換し、以下の(17)式にしたがって、逆起電力定数Keを算出する。
Figure 0005540567
逆起電力定数Keを算出した後は、演算部210は、実施例と同様に、電動機100の特性を算出する。
なお、横軸に角速度ωをとり、縦軸に逆起電力Egをとったグラフを作成し、その傾きから逆起電力定数Keを算出することもできる。この場合、複数の角速度ωに対して逆起電力Egをそれぞれ測定し、最小二乗法を用いて、複数の点を近似するグラフを作成することが好ましい。
この比較例における電動機特性取得装置300は、逆起電力定数Keを求めるために、駆動用電動機302と、逆起電力測定部304とを備えている。しかし、実施例における電動機特性取得装置200は、駆動用電動機302と、逆起電力測定部304とを備えることなく、逆起電力定数Keを算出することができる。したがって、実施例における電動機特性取得装置200によれば、簡略な構成によって、逆起電力定数Keを求めることができ、電動機100の特性を把握することができる。
D.第2の実施例:
第1の実施例では、デューティー比が1の場合について説明したが、第2の実施例では、電動機100をデューティー比Dr(0<Dr<1)でPWM駆動する場合について説明する。デューティー比Drが1でない場合には、電磁コイル20への電圧の供給がオンになる期間とオフになる期間があるため、電流が変化する。電動機100は、電磁コイル20を有しているため、PWM駆動においては、電流の変化による電磁コイル20の誘導起電力を考慮する必要がある。
図14は、電動機の構成を、電磁コイルのインダクタンスを考慮して示す説明図である。図14に示す電動機は、図1に示す電動機と同じであるが、図14では、電磁コイル20のインダクタンスLが示されている点が異なる。
図15は、PWM駆動における供給電圧と、電磁コイルに流れる電流を示す説明図である。ここでは、供給電圧Esのデューティー比をDrとし、デューティーの制御期間の長さをUとしている。このとき、時刻0から時刻Dr×Uまでの期間は、電圧の供給がオンの期間である。電圧の供給がオフからオンに変化する場合、電磁コイル20には、急に最大の電流が流れる訳ではなく、電流が徐々に増加していく。時刻Dr×Uから時刻Uまでの期間は、電圧の供給がオフの期間である。電圧の供給がオンからオフに変化する場合も同様に、電磁コイル20に流れる電流は、急にゼロになる訳ではなく、徐々に減少していく。
電磁コイル20への電圧の供給がオンの期間とオフの期間に分けて電動機100の回路方程式を立てる。電磁コイル20への電圧の供給がオンの期間(0≦t≦Dr×U)では、電動機100の回路方程式は(18)式に示す式となる。この(18)式は、第1の実施例の(4)式に電磁コイル20による誘導起電力を加えた式である。
Figure 0005540567
(18)式を解くと、(19)式が得られる。
Figure 0005540567
ここで、定数Aの具体的な値は、境界条件を定めることにより、求めることが可能である。しかし、定数Aの値は、後の計算により相殺されて消えるので、ここではAのまま残しておく。次に、電磁コイル20への電圧の供給がオフの期間(Dr×U≦t≦U)の回路方程式を立てる、この場合、電動機100の回路方程式は、(18)式においてEs=0とすればよく、具体的には、(20)式に示す式となる。
Figure 0005540567
(20)式を解くと、(21)式が得られる。なお、定数Bの値も同様に求めることが可能であるが、定数Aの値と同様に、後の計算により相殺されて消えるので、ここではBのまま残しておく。
Figure 0005540567
ここで、(22)式に示す境界条件により(23)式が得られる。この境界条件は、(19)式の終点と、(21)式の始点とが、一致することによるものである。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
(23)式を変形すると(24)式が得られる。
Figure 0005540567
また、(25)式に示す境界条件により(26)式が得られ、同様に(26)式を変形すると、(27)式が得られる。なお、この境界条件は、(19)式の始点と、(21)式の終点とが、一致することによるものである。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
次に、電動機100の平均電流を求める。平均電流Iは、(28)式で算出することができる。
Figure 0005540567
(28)式の分子第1項は、(29)式のように変形することができ、分子第2項は、(30)式のように変形することができる。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
ここで、(29)式の第1項と(30)式の第1項を加えると、(31)式が得られる。
Figure 0005540567
(31)式に(24)式、(27)式を代入すると、(32)式が得られる。
Figure 0005540567
次に(29)式の第2項と(30)式の第2項を加えると、(33)式が得られる。
Figure 0005540567
その結果、(28)式に、(32)式、(33)式の結果を代入することにより、(28)式は、(34)式のように変形することができる。(34)式を見ればわかるように、(19)式、(21)式にあった定数A、Bは、相殺され、消えている。
Figure 0005540567
(34)式から明らかなように、電磁コイル20のインダクタンスLは、(34)式に現れていない。これは、電磁コイル20のインダクタンスとしての特徴を反映している。すなわち、電磁コイルを含む回路では、電圧の供給がオンの時には、電磁コイル20にエネルギーが蓄積され、逆に電圧の供給がオフの時には、逆に電磁コイル20からエネルギーが放出される。PWMの一周期を考えれば、電圧の供給がオンの時に電磁コイル20に蓄積されるエネルギーの量と、電圧の供給がオフの時に電磁コイル20から放出されるエネルギーの量は同じであることが判る。このように、電磁コイル20では、インダクタンス成分により、エネルギーが消費されない。電磁コイル20のインダクタンスLの効果は、電圧の供給がオンの期間だけ、あるいは電圧の供給がオフの期間だけで見れば考慮する必要があるが、PWM駆動の一周期を考えれば、相殺されるため、考慮する必要がない。その結果、PWM駆動下では、Lの値を考慮する必要が無く、代わりにデューティー比Drを考慮すればよい。(34)式を変形すると、(35)式が得られる。
Figure 0005540567
(35)式は、(8)式と比較すると、供給電圧が、(8)式ではEsとなっているのに対し、(35)式ではEs×Drになっている点が、異なるだけである。すなわち、第1の実施例におけるEsをEs×Drとすることにより、PWM駆動下における電動機100の各種特性を求めることが可能となる。同様に、第1の実施例で求めた(5)式、(6)式、(10)式、(11)式、(13)式、(14)式、(16)式は、PWM駆動下では、それぞれ、電圧EsをEs×Drで置き換えた式とすればよい。
以上のように、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定し、供給電圧値として供給電圧値Esにデューティー比Drを掛けたEs×Drを新たな供給電圧値として用いることにより、PWM駆動下における電動機100の各種特性を算出することが可能である。
D2.第2の実施例の変形例:
図16は、第2の実施例の変形例を示す説明図である。ここでは、1つの電気角の中に2つの駆動パルスが存在している。ここでは、駆動パルスのオンの期間(D1×U+(D3×U−D2×U)を電気角の周期Uで割った値をデューティー比Drと呼ぶ。デューティー比は、D1+(D3−D2)となる。
第2の実施例と同様にオンオフで4つの期間に分けて、各期間における方程式を立てて、各期間における電流を求めると、(36)式〜(39)式が得られる。なお、定数A〜Dの値は境界条件を定めることにより具体的に求めることができるが、第2の実施例のときと同様に、後の計算により相殺されるので、ここでは、A〜Dのままにしておく。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
(36)式の終点=(37)式の始点(いずれもt=D1U)、(37)式の終点=(38)式の始点(いずれもt=D2U)、(38)式の終点=(39)式の始点(いずれもt=D3U)、(36)式の始点(t=0)=(39)式の終点(t=U)、の4つの境界条件により、(40)式〜(43)式が得られる。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
平均電流Iは、(44)式で示すことができる。
Figure 0005540567
(44)式の右辺分子第1項〜第4項はそれぞれ、(45)式〜(48)式のように変形できる。
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
Figure 0005540567
(45)式〜(48)式の第1項を加えた後変形し、(40)式〜(43)式の結果を代入すると、(49)式が得られる。すなわち、(45)式〜(48)式の第1項を加えた和はゼロになる。
Figure 0005540567
(45)式〜(48)式の第2項を加えると、(50)式が得られる。
Figure 0005540567
したがって、平均電流Iは、(51)式で示すことが出来る。
Figure 0005540567
(51)式の結果は、(34)式の結果と同じである。ここでは、電気角の1周期に2つのパルスがある場合について説明したが、3つ以上のパルスがある場合も同様に考えることが可能である。すなわち、(51)式を適用することが可能である。なお、図16(B)においては、各区間の電流のグラフが交わる点(点W,X、Y、Z)における電流の値は、同じであるとして模式的にグラフを描いているが、これらの点における電流の値はD1〜D3の値により変動する。
E.第3の実施例:
図17は、第3の実施例を示す説明図である。第3の実施例は、図17(A)に示すように、電動機の3つの電磁コイル20をスター結線にしている。ここで、スター結線の3つの端子をそれぞれ、端子Vu、Vv、Vwと呼ぶ。図17(B)は、端子Vu、Vv、Vwに印可される電圧を示す説明図である。図17(C)は、図17(B)における期間Q3を拡大して示す説明図である。
図17(C)に示す期間T2、T4では、図17(A)の端子VuとVvの間に電圧Esが印可され、端子Vwは、ハイ・インピーダンスになっている。そして、電流は端子Vuから端子Vvに流れる。また、電磁コイル20の内部抵抗をRdcとすると、端子Vuと端子Vvの間の合成抵抗は、2Rdcである。また、期間T3では、端子VuとVwの間に電圧Esが印可され、端子Vvは、ハイ・インピーダンスになっている。そして、電流は端子Vuから端子Vwに流れる。なお、端子Vuと端子Vwの間の合成抵抗は、2Rdcである。また、期間T1、T5では、いずれの端子もハイ・インピーダンスになっており、いずれの端子Vu、Vv、Vwにも電流は流れない。
このような3相PWM駆動においては、供給電圧値として、第2の実施例で示したように、供給電圧Esにデューティー比Drを掛けたEs×Drを代わりに用いることができる。また、電磁コイルの抵抗値として、2Rdcを代わりに用いることが可能となる。例えば、実施例1で使用した(8)式は、(52)式のようになる。他の式も同様である。
Figure 0005540567
ここで、合成抵抗値2Rdcは、逆起電力Egが発生していない状態において電動機100に流れている電流値Iと、供給電圧値Esとの関係から求めることができる。具体的には、この逆起電力Egが発生していない状態は、例えば、ローター部10(図1参照)を回転しないように固定し、図17(C)の期間T2に示す状態を維持することにより、実現することが可能である。なお、このとき算出される抵抗値は、合成抵抗2Rdcである。
以上のように、3相PWM駆動においても、供給電圧値Esと、抵抗値2Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって、PWM駆動下における電動機100の各種特性を算出することが可能である。
F.応用例:
F1.応用例1:
図18は、応用例を示す説明図である。本発明は、電動機の制御装置にも適用可能である。すなわち、電動機の制御装置は、電動機の特性を算出する特性算出部(演算部210)と、算出される電動機の特性に基づいて電動機を制御する制御部213と、を備える。この特性算出部は、上述した実施例のように、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlと、に基づいて電動機の特性を算出する。このような制御装置によれば、適切に電動機を制御することが可能となる。また、この制御装置を備える電動機を実現することもできる。
F2.応用例2:
本発明は、ファンモーター、時計(針駆動)、ドラム式洗濯機(単一回転)、ジェットコースタ、振動モーターなどの種々の装置のモーターに適用可能である。本発明をファンモーターに適用した場合には、上述した種々の効果(低消費電力、低振動、低騒音、低回転ムラ、低発熱、高寿命)が特に顕著である。このようなファンモーターは、例えば、デジタル表示装置や、車載機器、燃料電池式パソコン、燃料電池式デジタルカメラ、燃料電池式ビデオカメラ、燃料電池式携帯電話などの燃料電池使用機器、プロジェクター等の各種装置のファンモーターとして使用することができる。本発明のモーターは、さらに、各種の家電機器や電子機器のモーターとしても利用可能である。例えば、光記憶装置や、磁気記憶装置、ポリゴンミラー駆動装置等において、本発明によるモーターをスピンドルモーターとして使用することが可能である。また、本発明によるモーターは、移動体やロボット用のモーターとしても利用可能である。
図19は、本発明の適用例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。このプロジェクター1600は、赤、緑、青の3色の色光を発光する3つの光源1610R、1610G、1610Bと、これらの3色の色光をそれぞれ変調する3つの液晶ライトバルブ1640R、1640G、1640Bと、変調された3色の色光を合成するクロスダイクロイックプリズム1650と、合成された3色の色光をスクリーンSCに投写する投写レンズ系1660と、プロジェクター内部を冷却するための冷却ファン1670と、プロジェクター1600の全体を制御する制御部1680と、を備えている。冷却ファン1670を駆動するモーターとしては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
図20は、本発明の適用例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。図20(A)は携帯電話1700の外観を示しており、図20(B)は、内部構成の例を示している。携帯電話1700は、携帯電話1700の動作を制御するMPU1710と、ファン1720と、燃料電池1730とを備えている。燃料電池1730は、MPU1710やファン1720に電源を供給する。ファン1720は、燃料電池1730への空気供給のために携帯電話1700の外から内部へ送風するため、或いは、燃料電池1730で生成される水分を携帯電話1700の内部から外に排出するためのものである。なお、ファン1720を図20(C)のようにMPU1710の上に配置して、MPU1710を冷却するようにしてもよい。ファン1720を駆動するモーターとしては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
図21は、本発明の適用例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車1800は、前輪にモーター1810が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路1820と充電池1830とが設けられている。モーター1810は、充電池1830からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモーター1810で回生された電力が充電池1830に充電される。制御回路1820は、モーターの駆動と回生とを制御する回路である。このモーター1810としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することが可能である。
図22は、本発明の適用例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット1900は、第1と第2のアーム1910,1920と、モーター1930とを有している。このモーター1930は、被駆動部材としての第2のアーム1920を水平回転させる際に使用される。このモーター1930としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することが可能である。
図23は、本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、モーター3510と、車輪3520とを有している。このモーター3510は、車輪3520を駆動する。さらに、モーター3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。このモーター3510としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…ローター部
20…電磁コイル
22…PWMドライバー
24…電源
28…PWM制御部
31…内部抵抗
100…電動機
102…回転軸
200…電動機特性取得装置
202…回転速度測定部
204…抵抗値測定部
206…供給電圧値測定部
208…電流値測定部
210…演算部
212…表示装置
213…制御部
214…カップリング
300…電動機特性取得装置
302…駆動用電動機
304…逆起電力測定部
26…ホールIC
1600…プロジェクター
1610R、1610G、1610B…光源
1640R、1640G、1640B…液晶ライトバルブ
1650…クロスダイクロイックプリズム
1660…投写レンズ系
1670…冷却ファン
1680…制御部
1700…携帯電話
1720…ファン
1730…燃料電池
1800…自転車
1810…モーター
1820…制御回路
1830…充電池
1900…ロボット
1910…第1のアーム
1920…第2のアーム
1930…モーター
3500…鉄道車両
3510…モーター
3520…車輪
T…トルク
Egnl…無負荷逆起電力
N…回転数
P…出力
S1…スイッチ
S2…スイッチ
Ke…逆起電力定数
Eg…逆起電力
ω…角速度
ωnl…無負荷角速度
Es…供給電圧値
SSA…センサー信号
Rdc…抵抗値
I…電流値
Inl…無負荷電流値
N…回転数
Nnl…無負荷回転数
Dr…デューティー比
L…インダクタンス
Vu、Vv、Vw…端子

Claims (11)

  1. 電動機の特性を取得する方法であって、
    (a)前記電動機内の電磁コイルの抵抗値を取得する工程と、
    (b)前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値を取得する工程と、
    (c)前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度を測定する工程と、
    (d)前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値を測定する工程と、
    (e)前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷回転速度と、前記無負荷電流値とのみに基づいて、前記電動機の特性を算出する工程と、
    を備える、電動機の特性を取得する方法。
  2. 請求項1記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷電流値とに基づいて、前記電動機の無負荷時において前記電磁コイルに発生する逆起電力である無負荷逆起電力を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  3. 請求項2に記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記無負荷回転速度と、前記無負荷逆起電力とに基づいて、前記電磁コイルの逆起電力定数を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  4. 請求項3に記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと、前記電磁コイルに流れる電流値との関係を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  5. 請求項3に記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の回転速度との関係を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  6. 請求項3に記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の出力との関係を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  7. 請求項3に記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(e)は、前記逆起電力定数に基づいて、前記電動機が発生させるトルクと前記電動機の効率との関係を算出する工程を含む、電動機の特性を取得する方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記工程(b)において、前記電動機に対してPWM駆動する場合には、供給電圧にデューティー比を掛けた値を実効電圧値として用いる、電動機の特性を取得する方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の電動機の特性を取得する方法であって、
    前記電磁コイルが3相スター結線されている場合には、前記電動機の電磁コイルの総抵抗として、前記電磁コイル単体の抵抗値の2倍の抵抗値を用いる、電動機の特性を取得する方法。
  10. 電動機の特性を取得する装置であって、
    前記電動機内の電磁コイルの抵抗値を取得する抵抗値取得部と、
    前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値を取得する供給電圧値取得部と、
    前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度を測定する無負荷回転速度測定部と、
    前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値を測定する無負荷電流値測定部と、
    前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷回転速度と、前記無負荷電流値とのみに基づいて、前記電動機の特性を演算により算出する演算部と、
    を備える、電動機の特性を取得する装置。
  11. 電動機の特性の取得をコンピューターに実行させるためのコンピュータープログラムであって、
    前記電動機内の電磁コイルの抵抗値を取得する機能と、
    前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値を取得する機能と、
    前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度を取得する機能と、
    前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値を取得する機能と、
    前記抵抗値と、前記供給電圧値と、前記無負荷回転速度と、前記無負荷電流値とのみに基づいて、前記電動機の特性を演算により算出する機能と、
    を前記コンピューターに実現させるコンピュータープログラム。
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