JP2013233048A - 電気機械装置、移動体、ロボットおよび電気機械装置の駆動方法 - Google Patents

電気機械装置、移動体、ロボットおよび電気機械装置の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PWM駆動電流高調波を低減し、渦電流損失を低減させる。
【解決手段】電気機械装置であって、磁石200と、電磁コイル100と、前記電磁コイルに加える駆動電圧を制御する制御部510と、を備え、前記制御部は、前記電磁コイルを、第1の駆動電圧Es1、各PWM周期における各デューティ比でPWM駆動する第1の駆動モードと、前記電磁コイルを前記第1の駆動電圧Es1より小さい第2の駆動電圧Es2、前記各PWM周期における各デューティ比でPWM駆動する第2の駆動モードと、を切り替えて制御可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気機械装置、移動体、ロボットおよび電気機械装置の駆動方法に関する。
PWM駆動により駆動されるモーターが知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−287481号公報
しかし、PWM駆動では、PWM駆動電流の高調波により、ローター磁石部に渦電流損失が生じるという問題があった。
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、PWM駆動電流の高調波を低減し、渦電流損失を低減させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
電気機械装置であって、磁石と、電磁コイルと、前記電磁コイルに加える駆動電圧を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電磁コイルを、第1の駆動電圧Es1、各PWM周期における各デューティ比をD(n)でPWM駆動する第1の駆動モードと、前記電磁コイルを前記第1の駆動電圧Es1より小さい第2の駆動電圧Es2、前記各PWM周期における各デューティ比をD(n)×(Es1/Es2)でPWM駆動する第2の駆動モードと、を有する、電気機械装置。
この適用例によれば、第1の駆動モードでは、駆動電圧が大きいので、大きなトルクを実現できる。第2の駆動モードでは、駆動電圧を第1の駆動電圧Es1から、Es1より低い第2の駆動電圧Es2に低くするので、第1の駆動モードよりも、例えばオンしたときの電磁コイルに流れる電流の上昇や、オフしたときの電磁コイルに流れる電流の下降が緩やかになり、高周波ノイズの大きさを低減し渦電流損失を低減できる。
[適用例2]
適用例1に記載の電気機械装置であって、さらに、前記電気機械装置の回転数Nmを検出する回転数検出部と、前記電磁コイルに流れる負荷電流Imを検出する電流検出部と、を備え、前記電気機械装置の誘起電圧定数はKemであり、前記電磁コイルの負荷抵抗はRmであり、前記制御部は、前記電磁コイルを前記正弦波PWM駆動したときにおける前記回転数Nmと、前記誘起電圧定数Kemと、を用いて誘起電圧Egを算出し、前記負荷電流Imと、前記負荷抵抗Rmと、を用いてトルク負荷電圧Etを算出し、前記制御部は、前記誘起電圧Egと前記トルク負荷電圧Etとの和をEs3としたとき、前記第2の駆動電圧Es2の大きさを、Es3より大きくする、電気機械装置。
この適用例によれば、第2の駆動電圧Es2の大きさを誘起電圧Egとトルク負荷電圧Etとの和より大きくするので、電気機械装置の駆動力を維持できる。
[適用例3]
適用例2に記載の電気機械装置において、前記駆動電圧Es2の大きさは、(√2)×(Eg+Et)である、電気機械装置。
この適用例によれば、正弦波の実効値をもとに、駆動電圧Es2の大きさを誘起電圧Egとトルク負荷電圧Etとの和の(√2)倍としたものである。
[適用例4]
適用例2に記載の電気機械装置において、さらに、前記制御部は、各PWM周期U(n)における誘起電圧をEg(U(n))、トルク負荷電圧Et(U(n))としたときに、各PWM周期U(n)において、駆動電圧が(√2)×(Eg(U(n))+Et(U(n)))、デューティ比が100%であるPWM駆動電圧を印加する第3の駆動モードを有する、電気機械装置。
この適用例によれば、PWM駆動電圧のデューティ比を100%として、PWM駆動周期毎に駆動電圧を遷移させて印加する第3の駆動モードを備えているので、さらに、高周波ノイズの大きさを低減し、渦電流損失を低減できる。
[適用例5]
適用例2〜4のいずれか一つの適用例に記載の電気機械装置において、前記電気機械装置の温度を計測する温度計測部を備え、前記制御部は、前記温度による前記負荷抵抗Rmの変化に基づいて前記トルク負荷電圧Etを算出して前記電磁コイルに印加する駆動電圧を算出する、電気機械装置。
[適用例6]
適用例1〜5のいずれか一つの適用例に記載の電気機械装置を備える移動体。
[適用例7]
適用例1〜5のいずれか一つの適用例に記載の電気機械装置を備えるロボット。
[適用例8]
電磁コイルと磁石とを有する電気機械装置の駆動方法であって、前記電気機械装置は、 前記電磁コイルを、第1の駆動電圧Es1、各PWM周期における各デューティ比をD(n)でPWM駆動する第1の駆動モードと、前記電磁コイルを前記第1の駆動電圧Es1より小さい第2の駆動電圧Es2、前記各PWM周期における各デューティ比をD(n)×(Es1/Es2)でPWM駆動する第2の駆動モードと、を有しており、トルクよりも高周波ノイズの低減を優先する場合には、前記第2の駆動モードで前記電気機械装置を駆動し、高周波ノイズよりも大きなトルクを優先する場合には、前記第1の駆動モードで前記電気機械装置を駆動する、電気機械装置の駆動方法。
この適用例によれば、第1の駆動モードでは、駆動電圧が大きいので、大きなトルクを実現できる。第2の駆動モードでは、駆動電圧を第1の駆動電圧Es1から、Es1より低い第2の駆動電圧Es2に低くするので、第1の駆動モードよりも、例えばオンしたときの電磁コイルに流れる電流の上昇や、オフしたときの電磁コイルに流れる電流の下降が緩やかになり、高周波ノイズの大きさを低減し渦電流損失を低減できる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気機械装置の他、電気機械装置の駆動方法等様々な形態で実現することができる。
コアレスモーターの構成を示す説明図である。 PWM駆動時に電磁コイルに印可する駆動電圧の制御回路のブロック図である。 第1の駆動モードでモーターを駆動したときの誘起電圧Eg電磁コイルの電圧降下EtおよびPWM駆動電圧Epwmを示す説明図である。 第1の駆動モードにおけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。 第2の駆動モードにおける誘起電圧Eg電磁コイルの電圧降下Etおよび駆動電圧Epwmを示す説明図である。 第2の駆動モードにおけるにおけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。 第1と第2の駆動モードにおける電磁コイルに流れる電流を比較する説明図である。 第3の駆動モードにおける誘起電圧Eg電磁コイルの電圧降下Etおよび駆動電圧Epwmを示す説明図である。 図8におけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。 第1の駆動モードと第3の駆動モードの電磁コイルに流れる電流を比較する説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。
図1は、コアレスモーターの構成を示す説明図である。コアレスモーター10(以下、「モーター10」とも呼ぶ。)は、アキシャルギャップ構造とラジアルギャップ構造の両構造があり、本願の説明は、ラジアルギャップ構造として説明する。モーター10は、略円筒状のステーター15が外側に配置され、略円柱状のローター20が内側に配置されたインナーローター型モーターである。ステーター15は、ケーシング110の内周に沿って配列された複数の電磁コイル100A、100Bを有している。なお、電磁コイル100A、100Bは、コアレスである。また、電磁コイル100A、100Bは二相として、コイルエンドを含んだ実配置は省略し原理上での模擬した図として説明する。なお、電磁コイル100A、100Bを合わせて電磁コイル100とも呼ぶ。ステーター15には、さらに、ローター20の電気角2πの位相を検出する位置センサーとしての磁気センサー300が、電磁コイル100の各相に対応して1つずつ配置されている。磁気センサー300としては、例えば、ホールICを用いることが出来る。ホールICは、磁石200の磁束密度を検知し、磁束密度の大きさに応じたセンサー信号SSAを出力する。なお、磁気センサー300は、温度補償機能を備えていることが好ましい。磁気センサー300は、回路基板310の上に固定されており、回路基板310は、ケーシング110に固定されている。回路基板310は、コネクター320により、モーター10の外部回路と接続されている。ケーシング110は、樹脂で形成されている。なお、ケーシング110は、軟磁性材によるバックヨークとして、軟磁性粉材を含有した樹脂で覆う構造を有していてもよい。また、ケーシング110は、電磁コイル100を樹脂で覆う構造として、ケーシング110と電磁コイル100の間に軟磁性材によるバックヨークを設けてもよい。
ローター20の中心には、回転軸230が設けられている。この回転軸230は、ケーシング110の軸受け部240で支持されている。本実施例では、ケーシング110の内側に、コイルバネ260が設けられており、このコイルバネ260がローター20を図の右方向に押すことによって、ローター20の位置決めを行っている。但し、コイルバネ260は省略可能である。
図2は、PWM駆動時に電磁コイルに印可する駆動電圧の制御回路のブロック図である。制御回路500は、PWM駆動信号生成回路400と、レベルシフタ回路410と、H型ブリッジ回路420と、電源電圧制御部510と、電流計540とを備える。電源電圧制御部510は、出力電圧演算部520と、電圧制御出力部530とを備える。また、電磁コイル100Aの近傍には、電磁コイル100Aの温度を測定するための温度センサー330(T−IC)が配置されている。なお、図2では、便宜上、レベルシフタ回路410と、H型ブリッジ回路420、電磁コイル100A等の相毎に設けられる部材については、A相のみ図示している。なお、以下の説明においてもA相を例に取り説明し、B相については説明を省略する。
PWM駆動信号生成回路400は、磁気センサー300からのセンサー信号SSAに基づいてPWM駆動信号DrvA1H、DrvA1L、DrvA2H、DrvA2Lを生成する。H型ブリッジ回路410は、H型に配置された4つのトランジスターTr1A〜Tr4Aと、ダイオードD1A〜D4Aと、を備えている。ダイオードD1A〜D4Aは、それぞれトランジスターTr1A〜Tr4Aのソース−ドレイン間に、逆方向に接続されている。4つのトランジスターTr1A〜Tr4Aは、それぞれ、PWM駆動信号生成回路400で生成されたPWM駆動信号DrvA1H、DrvA2L、DrvA2H、DrvA1L、に基づいてオン、オフされ、電磁コイル100Aに電流を流す。レベルシフタ回路410は、電源側のトランジスターTr1A、Tr3Aのゲートに入力されるPWM駆動信号DrvA1H、DrvA2Hの信号の電位を調整するために用いられる。なお、レベルシフタ回路410は無くても良い。
出力電圧演算部520は、磁気センサー300からのセンサー信号SSAに基づいて、モーター10(図1)の回転数Nmを算出し、さらに、温度センサー330からの温度と、電流計540からの電流とを用いて、H型ブリッジ回路410に印加する駆動電圧の指令値Es2’を算出する。電圧制御出力部530は、指令値Es2’に基づいて、H型ブリッジ回路410に印加する駆動電圧Es2を生成する。例えば、電圧制御出力部530は、スイッチング電源回路を有しており、スイッチング電源回路を用いて指令値Es2’に対応した駆動電圧Es2を出力する。具体的な算出については、後述する。
図3は、第1の駆動モードでモーター10を駆動したときの誘起電圧Eg、電磁コイルの電圧降下EtおよびPWM駆動電圧Epwmを示す説明図である。第1の駆動モードは、駆動電圧をEs1とした、PWM駆動である。この第1の駆動モードで駆動した場合、モーター10には、回転数Nm[rpm]に応じて誘起電圧Egが生じる。また、電磁コイル100Aに駆動電圧が印加されると、電磁コイル100Aに電流Imcが流れ、電圧降下Etが生じる。なお、電磁コイル100Aに流れる電流の大きさに比例してモーター10にトルクが生じることから、本実施例ではこの電圧降下Etを「トルク負荷電圧」とも呼ぶ。
磁石200の極数をP、モーター10の誘起電圧定数をKem[Vrms・rad/s]とすると、誘起電圧Egの最大値は、以下の式(1)で示すことが出来る。
Eg=(Kem×P)/(2×π×Nm/60) …(1)
なお、誘起電圧Egは、電磁コイル100Aと磁石200との相対位置により大きさが変わり、本実施例では、電気角π/2[rad]のとき、最大となる。
また、電磁コイル100Aの温度係数をKr[1/℃]、電磁コイル100Aの温度をTmcとすると、電磁コイルにおける電圧降下Etは、以下の式(2)で示すことが出来る。
Et=Imc×Rmc×(1+Kr×(Tmc−20)) …(2)
回転制御の場合は、指令値としてImcの電流指令で行うが、トルク制御の場合はトルクの指令値Tmcをトルク定数Ktにより下式(3)のようにImcに変換する
Imc[A]=Kt[Nm/A]×Tmc[Nm] …(3)
図4は、第1の駆動モードにおけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。図4において、各PWMの周期をU(1)〜U(9)、各周期U(1)〜U(9)におけるデューティ比をそれぞれD(1)〜D(9)としている。なお、PWM周期U(1)〜U(9)の長さは、同じである。なお、PWM駆動波形が、正弦波を模擬する波形あるいは、誘起電圧を模擬する波形となるように、各周期U(1)〜U(9)におけるデューティ比をD(1)〜D(9)が設定されていることが好ましい。PWM周期U(n)中のオン期間には、駆動電圧Es1が印加され、電磁コイル100Aには電圧(Es1−Eg(n))が掛かり、電流Imcが流れる。一方、オフ期間には、駆動電圧0[V]が印加され、電磁コイル100Aには、(−Eg)が掛かる。したがって、各周期U(n)における駆動電圧Epwm(n)は、以下の式(4)で示される。
Epwm(n)=Eg(n)+(Es1−Eg(n))×D(n)+Eg(n)+(−Eg(n)×(1−D(n))
=Eg(n)+Es1×D(n) …(4)
ここで、Es1×D(n)がトルク負荷電圧Etに対応する。
図4では、PWMの周期U(n)を比較的長くしているため、電磁コイル100Aに流れる電流波形の上下の変動は大きいが、図3では、PWM周期U(n)を極めて短くしたときの駆動電圧Epwmをプロットしているため、図4に比べるとやや滑らかである。デューティ比D(n)は、電気角がπ/2[rad]のとき最も大きく、電気角が0[rad]あるいはπ[rad]の時に最も小さい。
図5は、第2の駆動モードにおける誘起電圧Eg、電磁コイルの電圧降下Et、および駆動電圧Epwmを示す説明図である。図6は、第2の駆動モードにおけるにおけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。第2の駆動モードでは、電磁コイル100Aに印加する駆動電圧を、第1の駆動モードの駆動電圧ES1よりも小さい駆動電圧Es2にするとともに、各PWM周期U(1)〜U(9)におけるデューティ比D1(1)〜D1(9)を、第1の駆動モードのデューティ比D(1)〜D(9)よりも大きくしている。なお、駆動電圧Es2の大きさは、上記式(3)において駆動電圧Epwmが最も大きくなるとき(電気角がπ/2[rad]のとき)の駆動電圧Epwm値よりも大きい値であることが好ましい。すなわち、電気角がπ/2[rad]のときは、誘起電圧Egが最も大きく、また、デューティ比D(n)も最も大きいので、Es1×D(n)も最も大きい。また、同一のPWM周期、例えばPWM周期U(n)においては、デューティ比D(n)1とD1(n)の間には、以下の式(5)の関係があることが好ましい。
D1(n)1=D(n)×(Es1/Es2) …(5)
図7は、第1と第2の駆動モードにおける電磁コイルに流れる電流を比較する説明図である。ここでは、比較を容易にするために、第1と第2の駆動モードで、オフからオンに遷移するタイミングを一致させている。また、比較を容易にするために、波形の変化を誇張している。第2の駆動モードは、第1の駆動モードと比較すると、オンのときの駆動電圧Es2は、第1の駆動モードの駆動電圧Es1よりも小さい。そのため、例えば、オフからオンに遷移したときの電磁コイル100Aに流れる電流の上昇は、第1の駆動モードよりも、第2の駆動モードの方が緩やかである。したがって、オンからオフに遷移するときの電磁コイル100Aに流れる電流は、第2の駆動モードの方が、第1の駆動モードよりも低い。なお、各PWM周期U(n)における第2の駆動モードのデューティ比D1(n)は、第1の駆動モードのデューティ比D(n)よりも大きい。そのため、オフからオンに遷移した後の電磁コイル100Aに流れる電流の上昇は、第1の駆動モードよりも、第2の駆動モードの方がやや長く持続する。
一方、各PWM周期U(n)における第2の駆動モードのデューティ比D1(n)は、第1の駆動モードのデューティ比D(n)よりも大きいため、オフ期間は、第2の駆動モードの方が、第1の駆動モードよりも短い。したがって、オンからオフに遷移した後の電磁コイル100Aに流れる電流の下降時間は、第1の駆動モードよりも、第2の駆動モードの方が短い。
図7において、第1と第2の駆動モードの電磁コイルに流れる電流のグラフを比較すると、第1の駆動モードよりも、第2の駆動モードの方が、電磁コイルに流れる電流の上昇、下降の変化の幅が小さいことが分かる。電磁コイルに流れる電流の変化により、磁石200に渦電流が生じ、損失(渦電流損失)となる。第2の駆動モードは、第1の駆動モードよりも、電磁コイルに流れる電流の上昇、下降の変化の幅が小さいので、渦電流損失を低減することができる。
第2の駆動モードでは、電磁コイル100Aに印加する駆動電圧を、第1の駆動モードの駆動電圧ES1よりも小さい駆動電圧Es2としているが、この駆動電圧Es2の値としては、以下の式(6)あるいは式(7)を満たすことが好ましい。
Es1>Es2>Max(Eg+Et) …(6)
Es2=(√2)×Max(Eg+Et) …(7)
式(5)、式(6)において、Max(Eg+Et)は、Eg+Etの最大値を意味し、具体的には、電気角π/2のときのEg+Etの値である。また、式(7)の(√2)は、正弦波の実効値から算出される数値である。
第1と第2の駆動モードは、以下のように使い分けることが出来る。例えば、通常の使用状態においては、高周波ノイズや渦電流損失が少ない第2の駆動モードを利用し、高周波ノイズを発生させても、より強いトルクが必要な場合には、高い駆動電圧で駆動する第1の駆動モードに切り替える、という使い方もできる。
図8は、第3の駆動モードにおける誘起電圧Eg、電磁コイルの電圧降下Etおよび駆動電圧Epwmを示す説明図である。図9は、図8におけるPWM駆動波形を模式的に示す説明図である。第3の駆動モードでは、各PWM周期U(n)におけるデューティ比を100%とした。一方、各PWM周期U(n)における駆動電圧Es3(n)については、PWM周期U(n)毎に、以下の式(8)に示す駆動電圧とした。
Es3(n)=(√2)×(Eg(n)+Et(n)) …(8)
なお、Eg(n)、Et(n)は、それぞれ当該PWM周期における誘起電圧とトルク負荷電圧であり、(√2)は、正弦波の実効値から算出される数値である。
図10は、第1の駆動モードと第3の駆動モードの電磁コイルに流れる電流を比較する説明図である。図10(A)は、第3の駆動モードにおける駆動電圧を示す説明図である。図10(B)は、電気角が0〜π/2における電磁コイルに流れる電流を示すグラフである。図10(C)は、電気角がπ/2〜πにおける第3の駆動モードの電磁コイルに流れる電流を示すグラフである。ここでは、比較を容易にするために、第1の駆動モードにおいてデューティがオフからオンに遷移するタイミングと、第3の駆動モードにおいて、駆動電圧が遷移するタイミングと、を一致させている。また、図10(B)、(C)において、比較を容易にするために、波形の変化を誇張しているのは、図7と同じである。
電気角が0〜π/2における動作について説明する。第1の駆動モードでは、デューティがオンの期間には、駆動電圧Es1がかかるため、電磁コイル100Aに流れるは大きく上昇する。一方、第3の駆動モードでは、駆動電圧Es1よりも低い駆動電圧Es3(n)しかかからないので、電磁コイル100Aに流れる電流の上昇は、第1の駆動モードよりも小さい。また、第1の駆動モードでは、デューティがオフの期間が有り、当該期間では、電磁コイル100Aに流れる電流は下降するが、第3の駆動モードでは、デューティがオフの期間が無く、電磁コイル100Aに流れる電流は下降しない。その結果、図10(B)に示すように、第1の駆動モードにおける電磁コイル100Aに流れる電流が略正弦波にノコギリ波が加えられたような形であるのに対し、第3の駆動モードにおける電磁コイル100Aに流れる電流は、平均波形に近い波形となる。また、電磁コイル100Aに流れる電流が減少することがなく、電磁コイル100Aに流れる電流の上昇も、変化の幅が小さいことが分かる。その結果。第3の駆動モードでは、第1の駆動モードよりも、渦電流損失を低減することができる。
電気角がπ/2〜πにおける動作についても同様である。ただし、電気角が0〜π/2では、電磁コイル100Aに流れる電流が上昇していくのに対し、電気角がπ/2〜πでは、電磁コイル100Aに流れる電流が下降していくので、グラフの凸の向きが、電気角がπ/2〜πにおける動作については上に凸であるが、電気角がπ/2〜πでは、下に凸で有る点が異なる。そして、電磁コイル100Aに流れる電流の上昇がなく、電磁コイル100Aに流れる電流の下降も、変化の幅が小さいことが分かる。その結果、第3の駆動モードでは、第1,第2の駆動モードよりも、渦電流損失を低減することができる。
本実施例において出力電圧演算部520は、磁気センサー300からのセンサー信号SSAを用いるとして説明したが、この信号SSAを使用せず、例えば光学エンコーダー、レゾルバ等のような他のエンコーダーを用いても容易に実現できる。
変形例:
本発明は、各種の装置に適用可能である。例えば、本発明は、ファンモーター、時計(針駆動)、ドラム式洗濯機(単一回転)、ジェットコースタ、振動モーターなどの種々の装置のモーターに適用可能である。本発明をファンモーターに適用した場合には、上述した高周波ノイズの低減により、種々の効果(低消費電力、低振動、低騒音、低回転ムラ、低発熱、高寿命)が生じる。このようなファンモーターは、例えば、デジタル表示装置や、車載機器、燃料電池式パソコン、燃料電池式デジタルカメラ、燃料電池式ビデオカメラ、燃料電池式携帯電話などの燃料電池使用機器、プロジェクター等の各種装置のファンモーターとして使用することができる。本発明のモーターは、さらに、各種の家電機器や電子機器のモーターとしても利用可能である。例えば、光記憶装置や、磁気記憶装置、ポリゴンミラー駆動装置等において、本発明によるモーターをスピンドルモーターとして使用することが可能である。また、本発明によるモーターは、移動体やロボット用のモーターとしても利用可能である。
図11は、本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。このプロジェクター3100は、赤、緑、青の3色の色光を発光する3つの光源3110R、3110G、3110Bと、これらの3色の色光をそれぞれ変調する3つの液晶ライトバルブ3140R、3140G、3140Bと、変調された3色の色光を合成するクロスダイクロイックプリズム3150と、合成された3色の色光をスクリーンSCに投写する投写レンズ系3160と、プロジェクター内部を冷却するための冷却ファン3170と、プロジェクター3100の全体を制御する制御部3180と、を備えている。冷却ファン3170を駆動するモーターとしては、上述した各種のモーターを利用することができる。
図12は、本発明の変形例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。図12(A)は携帯電話3200の外観を示しており、図12(B)は、内部構成の例を示している。携帯電話3200は、携帯電話3200の動作を制御するMPU3210と、ファン3220と、燃料電池3230とを備えている。燃料電池3230は、MPU3210やファン3220に電源を供給する。ファン3220は、燃料電池3230への空気供給のために携帯電話3200の外から内部へ送風するため、或いは、燃料電池3230で生成される水分を携帯電話3200の内部から外に排出するためのものである。なお、ファン3220を図12(C)のようにMPU3210の上に配置して、MPU3210を冷却するようにしてもよい。ファン3220を駆動するモーターとしては、上述した各種のモーターを利用することができる。
図13は、本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、前輪にモーター3310が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。モーター3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモーター3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、モーターの駆動と回生とを制御する回路である。このモーター3310としては、上述した各種のモーターを利用することが可能である。
図14は、本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、モーター3430とを有している。このモーター3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。このモーター3430としては、上述した各種のモーターを利用することが可能である。
図15は、本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、モーター3510と、車輪3520とを有している。このモーター3510は、車輪3520を駆動する。さらに、モーター3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。このモーター3510としては、上述した各種のモーターを利用することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…コアレスモーター(モーター)
15…ステーター
20…ローター
100、100A、100B…電磁コイル
110…ケーシング
170…ブラシ
180…接触端子
200…磁石
230…回転軸
240…部
260…コイルバネ
300…磁気センサー
310…回路基板
311…制御部
320…コネクター
330…温度センサー
400…PWM駆動信号生成回路
410…レベルシフタ回路
420…H型ブリッジ回路
500…制御回路
510…電源電圧制御部
520…出力電圧演算部
530…電圧制御出力部
540…電流計
3100…プロジェクター
3110R…光源
3140R…液晶ライトバルブ
3150…クロスダイクロイックプリズム
3160…投写レンズ系
3170…冷却ファン
3180…制御部
3200…携帯電話
3220…ファン
3230…燃料電池
3300…自転車
3310…モーター
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410…第2のアーム
3420…第2のアーム
3430…モーター
3500…鉄道車両
3510…モーター
3520…車輪
Tr1A〜Tr4A…トランジスター
D1A〜D4A…ダイオード
Epwm…駆動電圧
D(1)〜D(9)、D(n)、D1(1)〜D1(9)、D1(n)…デューティ比
Epwm…駆動電圧
Es1、Es2、Es3…駆動電圧

Claims (8)

  1. 電気機械装置であって、
    磁石と、
    電磁コイルと、
    前記電磁コイルに加える駆動電圧を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電磁コイルを、第1の駆動電圧Es1、各PWM周期における各デューティ比をD(n)でPWM駆動する第1の駆動モードと、
    前記電磁コイルを前記第1の駆動電圧Es1より小さい第2の駆動電圧Es2、前記各PWM周期における各デューティ比をD(n)×(Es1/Es2)でPWM駆動する第2の駆動モードと、
    を有する、電気機械装置。
  2. 請求項1に記載の電気機械装置であって、さらに、
    前記電気機械装置の回転数Nmを検出する回転数検出部と、
    前記電磁コイルに流れる負荷電流Imを検出する電流検出部と、
    を備え、
    前記電気機械装置の誘起電圧定数はKemであり、
    前記電磁コイルの負荷抵抗はRmであり、
    前記制御部は、前記電磁コイルを前記正弦波PWM駆動したときにおける前記回転数Nmと、前記誘起電圧定数Kemと、を用いて誘起電圧Egを算出し、前記負荷電流Imと、前記負荷抵抗Rmと、を用いてトルク負荷電圧Etを算出し、
    前記制御部は、前記誘起電圧Egと前記トルク負荷電圧Etとの和をEs3としたとき、前記第2の駆動電圧Es2の大きさを、Es3より大きくする、電気機械装置。
  3. 請求項2に記載の電気機械装置において、
    前記駆動電圧Es2の大きさは、(√2)×(Eg+Et)である、電気機械装置。
  4. 請求項2に記載の電気機械装置において、さらに、
    前記制御部は、各PWM周期U(n)における誘起電圧をEg(U(n))、トルク負荷電圧Et(U(n))としたときに、各PWM周期U(n)において、駆動電圧が(√2)×(Eg(U(n))+Et(U(n)))、デューティ比が100%であるPWM駆動電圧を印加する第3の駆動モードを有する、電気機械装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の電気機械装置において、
    前記電気機械装置の温度を計測する温度計測部を備え、
    前記制御部は、前記温度による前記負荷抵抗Rmの変化に基づいて前記トルク負荷電圧Etを算出して前記電磁コイルに印加する駆動電圧を算出する、電気機械装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気機械装置を備える移動体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気機械装置を備えるロボット。
  8. 電磁コイルと磁石とを有する電気機械装置の駆動方法であって、
    前記電気機械装置は、
    前記電磁コイルを、第1の駆動電圧Es1、各PWM周期における各デューティ比をD(n)でPWM駆動する第1の駆動モードと、
    前記電磁コイルを前記第1の駆動電圧Es1より小さい第2の駆動電圧Es2、前記各PWM周期における各デューティ比をD(n)×(Es1/Es2)でPWM駆動する第2の駆動モードと、
    を有しており、
    トルクよりも高周波ノイズの低減を優先する場合には、前記第2の駆動モードで前記電気機械装置を駆動し、
    高周波ノイズよりも大きなトルクを優先する場合には、前記第1の駆動モードで前記電気機械装置を駆動する、電気機械装置の駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015132496A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 セイコーエプソン株式会社 磁気式エンコーダー、電気機械装置、移動体およびロボット
JP2017184594A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 株式会社豊田自動織機 インバータ制御装置及び車載流体機械

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