JP5499520B2 - 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム - Google Patents

電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5499520B2
JP5499520B2 JP2009129976A JP2009129976A JP5499520B2 JP 5499520 B2 JP5499520 B2 JP 5499520B2 JP 2009129976 A JP2009129976 A JP 2009129976A JP 2009129976 A JP2009129976 A JP 2009129976A JP 5499520 B2 JP5499520 B2 JP 5499520B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
supply voltage
electric motor
relationship
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009129976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010207071A5 (ja
JP2010207071A (ja
Inventor
啓佐敏 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2009129976A priority Critical patent/JP5499520B2/ja
Publication of JP2010207071A publication Critical patent/JP2010207071A/ja
Publication of JP2010207071A5 publication Critical patent/JP2010207071A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5499520B2 publication Critical patent/JP5499520B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Description

本発明は、電動機の特性を取得する装置、方法及びコンピュータープログラムに関するものである。
従来、トルク−回転数特性等の電動機の特性を取得するためには、測定対象となる電動機が発生させるトルクを、トルク測定装置を用いて機械的に測定していた(例えば特許文献1)。
特開平06−109564号公報
しかし、この技術では、トルク測定装置の特性によっては、測定される電動機の特性が異なって示される場合があるという問題があった。また、トルク測定装置は経年変化するため、オフセット調整等のメンテナンスが必要であるという問題もあった。さらに、電動機に供給される電圧値が変わると電動機の特性も変化するため、電動機に供給される電圧値(以下では、供給電圧値とも呼ぶ。)を変更するたびに測定をやり直す必要があるといった問題もあった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、任意の供給電圧値における電動機の特性を算出することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
本発明の一実施形態によれば、電磁コイルを有する電動機の特性を取得する装置が提供される。この装置は、電磁コイルを有する電動機の特性を算出する装置であって、前記電磁コイルの抵抗値を取得する抵抗値取得部と、前記電動機に供給される供給電圧の値を取得する供給電圧値取得部と、前記電動機の回転速度を取得する回転速度取得部と、前記電動機の電流値を取得する電流値取得部と、演算を行なう演算部と、を備え、前記装置は、前記電動機に複数の供給電圧を供給し、前記供給電圧値取得部は、複数の供給電圧の値を取得し、前記回転速度取得部は、前記供給電圧の値ごとに前記電動機が無負荷で回転される時の前記無負荷回転速度を取得し、前記電流値取得部は、前記供給電圧の値ごとに前記電動機が無負荷で回転される時の無負荷電流値を取得し、前記演算部は、前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷回転速度との間の近似された関係として、第1の関係を設定し、前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷電流値との間の近似された関係として、第2の関係を設定し、前記第1の関係に基づいて、特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷回転速度を算出し、前記第2の関係に基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷電流値を算出し、前記取得された抵抗値と、前記特性を取得したい供給電圧の値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とのみに基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値における電動機の特性としてのトルクと電流値との関係と、トルクと回転速度との関係と、トルクと出力との関係と、トルクと効率との関係と、のうち少なくとも一つの関係を前記電動機の特性として算出する。この形態の装置によれば、第1の関係に基づいて無負荷回転速度を算出し、第2の関係に基づいて無負荷電流値を算出するので、任意の供給電圧の値における電動機の特性を算出することができる。
[適用例1]
電動機の電磁コイルの抵抗値と、前記電動機へ供給される電圧の電圧値である供給電圧値と、前記電動機の無負荷時における回転速度である無負荷回転速度と、前記電動機の無負荷時における電流値である無負荷電流値との少なくとも4つのパラメータに基づいて電動機の特性を取得する装置であって、
前記供給電圧値は可変であり、前記無負荷回転速度と前記無負荷電流値との少なくとも2つのパラメータ値を、前記供給電圧値に基づいて算出する、装置。
適用例1の装置によれば、任意の供給電圧値における電動機の特性を算出することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の装置であって、
前記抵抗値を取得する抵抗値取得部と、
前記供給電圧値を取得する供給電圧値取得部と、
演算を行なう演算部と、
を備え、
前記演算部は、
前記供給電圧値と前記無負荷回転速度との間の第1の関係に基づいて、前記取得された供給電圧値に対応する前記無負荷回転速度を算出し、
前記供給電圧値と前記無負荷電流値との間の第2の関係に基づいて、前記取得された供給電圧値に対応する前記無負荷電流値を算出し、
前記取得された抵抗値と、前記取得された供給電圧値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とに基づいて、前記取得された供給電圧値における電動機の特性を算出する、装置。
適用例2の装置によれば、第1の関係に基づいて無負荷回転速度を算出し、第2の関係に基づいて無負荷電流値を算出するので、任意の供給電圧値における電動機の特性を算出することができる。
[適用例3]
適用例2に記載の装置であって、さらに、
前記無負荷回転速度を取得する回転速度取得部と、
前記無負荷電流値を取得する電流値取得部と、
を備え、
前記装置は、前記電動機に複数の値の供給電圧を供給し、
前記供給電圧値取得部は、前記複数の供給電圧値を取得し、
前記回転速度取得部は、前記それぞれの供給電圧値ごとに前記無負荷回転速度を取得し、
前記電流値取得部は、前記それぞれの供給電圧値ごとに前記無負荷電流値を取得し、
前記演算部は、
前記取得された複数の供給電圧値と、前記取得された複数の無負荷回転速度との間の近似された関係として、前記第1の関係を設定し、
前記取得された複数の供給電圧値と、前記取得された複数の無負荷電流値との間の近似された関係として、前記第2の関係を設定する、装置。
適用例3の装置によれば、第1の関係及び第2の関係を適切に設定することができる。
[適用例4]
適用例2ないし適用例3に記載の装置であって、
前記抵抗値取得部は、前記電磁コイルの温度を取得し、前記電磁コイルの温度と前記電磁コイルの抵抗値との間の第3の関係に基づいて、前記取得された温度に対応する前記電磁コイルの抵抗値を算出し
前記算出部は、前記取得された供給電圧値と、前記算出された抵抗値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とに基づいて、前記取得された供給電圧値及び前記取得された温度に対応する電動機の特性を算出する、装置。
適用例4の装置によれば、第3の関係式に基づいて電磁コイルの抵抗値を算出するので、任意の温度における電動機の特性を算出することができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の装置であって、
前記算出される電動機の特性は、電動機のトルクと電流値との関係である、装置。
適用例5の装置によれば、任意の供給電圧値における電動機のトルクと電流値との関係を算出することができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の装置であって、
前記算出される電動機の特性は、電動機のトルクと回転速度との関係である、装置。
適用例6の装置によれば、任意の供給電圧値における電動機のトルクと回転速度との関係を算出することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれかに記載の装置であって、
前記算出される電動機の特性は、電動機のトルクと出力との関係である、装置。
適用例7の装置によれば、任意の供給電圧値における電動機のトルクと出力との関係を算出することができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれかに記載の装置であって、
前記算出される電動機の特性は、電動機のトルクと効率との関係である、装置。
適用例8の装置によれば、任意の供給電圧値における電動機のトルクと効率との関係を算出することができる。
[適用例9]
適用例1ないし8のいずれかに記載の装置であって、前記電動機に対してPWM駆動する場合には、供給電圧にデューティー比を掛けた値を実効電圧値として用いて、前記特性を算出する、装置。
この適用例によれば、PWM駆動の場合は、ディーティ比を掛けた実効電圧値を用いることにより、PWM駆動下における電動機の特性を容易に算出することができる。
[適用例10]
適用例1ないし9のいずれかに記載の装置であって、前記電磁コイルが3相スター結線されている場合には、前記電動機の電磁コイルの総抵抗として、前記電磁コイル単体の抵抗値の2倍の抵抗値を用いて、前記特性を算出する、装置。
この適用例によれば、電動機の電磁コイルが3相スター結線されている場合でも、電動機の特性を容易に算出することができる。
[適用例11]
適用例1ないし適用例10のいずれかに記載の装置であって、さらに、
前記算出された電動機の特性を表示する表示部を備える、装置。
適用例9の装置によれば、算出された電動機の特性を表示することができる。
[適用例12]
適用例1ないし適用例11のいずれかに記載の装置であって、さらに、
前記算出された電動機の特性に基づいて電動機を制御する制御部を備える、装置。
適用例10の装置によれば、電動機を適切に制御することができる。
[適用例13]
適用例12に記載の装置を備える電動機。
適用例13によれば、適切に制御された電動機を実現することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、電動機の特性の算出方法および装置、算出システム、それらの方法または装置の機能を実現するための集積回路、コンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。また、本発明は、電動機特性算出装置を備える電動機、この電動機を備える電子機器、プロジェクター、移動体、ロボット等にも適用することができる。
本発明の測定対象となる電動機100の構成を示す模式図である。 第1実施例における電動機特性取得装置200の構成を示すブロック図である。 電動機100の特性を算出する工程を示すフローチャートである。 供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示すグラフである。 供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示すグラフである。 電動機100の特性を示すグラフである。 第2実施例における電動機特性取得装置200bの構成を示すブロック図である。 第3実施例における電動機特性取得装置200cの構成を示すブロック図である。 第4実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフ及び第1実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフである。 電動機100の始動時におけるトルクの第5実施例における算出方法を示すグラフである。 第5実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフ及び第1実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフである。 電動機の特性をコンピュータープログラムを用いて算出する場合においてコンピューターの表示画面に表示されるユーザインタフェースを示す説明図である。 第7実施例を示す説明図である。 電動機の構成を、電磁コイルのインダクタンスを考慮して示す説明図である。 PWM駆動における供給電圧と、電磁コイルに流れる電流を示す説明図である。 1つの電気角の中に2つの駆動パルスが存在している状態を示す説明図である。 第9実施例を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。 本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.第6実施例:
G.第7実施例:
H.第8実施例:
I.第9実施例:
J.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の測定対象となる電動機100の構成を示す模式図である。電動機100は、永久磁石を有するローター部10と、電磁コイル20と、PWMドライバー22と、ホールIC26と、PWM制御部28とを備えている。また、電動機100は、電源24に接続されており、電源電圧として供給電圧値Es[V]が供給されている。
ホールIC26は、ローター部10の回転位置に応じたセンサー信号SSAを生成する。センサー信号SSAは、PWM制御部28に供給される。PWM制御部28は、センサー信号SSAに応じて、PWMドライバー22の2つのスイッチS1、S2を切り替える。この結果、電磁コイル20に流れる電流の向きが入れ替わる。そして、電磁コイル20に流れる電流の向きが入れ替わることによって、電磁コイル20の磁化方向が入れ替わり、ローター部10は回転することができる。電磁コイル20は、内部抵抗31と、逆起電力Egとして模擬されている。逆起電力Eg[V]は、電磁コイル20に流れる電流の方向とは逆向きに発生する。内部抵抗31は、抵抗値Rdc[Ω]を有する。ただし、抵抗値Rdcは、内部抵抗31の温度Tmの変化に伴って変化する。
本実施例では、電磁コイル20の抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnl[rpm]と、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に流れる電流値Inl[A]とを用いて、電動機100の各種の特性を算出する。ここで、電動機の特性とは、逆起電力定数Ke、トルク−電流特性、トルク−回転数特性、トルク−仕事特性、トルク−効率特性等を意味する。また、本明細書において、「無負荷」とは、ローター部10に外部負荷が接続されていない状態を意味する。
なお、PWM駆動比率(デューティー比)を100%としてモーターを矩形波駆動する場合には、供給電圧値の値として、Esを用いるが、PWMドライバー22により正弦波形を模擬してPWM駆動する場合には、供給電圧値を実効値へと変換したEs/√2を、供給電圧値の値として用いることが好ましい。また、モーターを三角波形で駆動する場合には、Es/2を、供給電圧値の値として用いることが好ましい。
図2は、第1実施例における電動機特性取得装置200の構成を示すブロック図である。電動機特性取得装置200は、回転速度測定部202と、温度測定部203と、抵抗値測定部204と、供給電圧値測定部206と、電流値測定部208と、電源電圧制御部209と、演算部210とを備えている。回転速度測定部202は、カップリング214を介して、電動機100の回転軸102と接続されている。回転速度測定部202は、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnlを測定する。以下では、無負荷で電動機100を回転させた場合の回転数Nnlを「無負荷回転数Nnl」とも呼ぶ。この無負荷回転数Nnlは、演算部210に供給される。温度測定部203は、電動機100の電磁コイル20の温度Tmを測定する。この測定された温度Tmは、演算部210に供給される。
供給電圧値測定部206は、電源24(図1)から電動機100に供給される供給電圧値Esを測定する。電流値測定部208は、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20(図1)に流れる電流値Inlを測定する。以下では、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に流れる電流値Inlを、「無負荷電流値Inl」とも呼ぶ。この無負荷電流値Inlは、演算部210に供給される。
抵抗値測定部204は、電磁コイル20の内部抵抗31(図1)の抵抗値Rdcを測定する。電磁コイル20の抵抗値Rdcは、逆起電力Egが発生していない状態において電磁コイル20に流れている電流値Iと、供給電圧値Esとの関係から求めることができる。その際、抵抗値Rdcがジュール熱の影響を受けないように、電流値Iまたは供給電圧値Esを制御することが好ましい。なお、逆起電力Egが発生していない状態は、例えば、ローター部10を停止させる目的の機械角位置で回転しないように固定し、PWMドライバー22のスイッチS1,S2を固定した状態にすることによって実現することができる。測定された抵抗値Rdcは、演算部210に供給される。電源電圧制御部209は、電動機100に供給される電源24(図1)の電圧値を変更する。ただし、電源電圧制御部209は省略可能である。
演算部210は、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとに基づいて、電動機の特性を算出する。なお、抵抗値Rdcは、電磁コイル20の温度Tmに依存する値であり、無負荷電流値Inlと無負荷回転数Nnlは、供給電圧値Esに依存する値である。これらの算出方法については後述する。演算部210によって算出された電動機100の特性は、表示装置212によって表示される。
図3は、電動機100の特性を算出する工程を示すフローチャートである。ステップS10では、温度測定部203は、電磁コイル20(図1)の温度Tmを測定し、抵抗値測定部204は、その温度Tmにおける内部抵抗31(図1)の抵抗値RdcTmを測定する。ステップS20では、演算部210は、任意の温度Tmrにおける電磁コイル20の抵抗値Rdcを、以下の(1)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
ここで、αは、電磁コイル20の温度係数[10-3/℃]である。
以下では、演算部210は、上記(1)式によって算出された抵抗値Rdcを用いて電動機100の特性を算出する。したがって、本実施例の電動機特性取得装置200は、任意の温度Tmrにおける電動機100の特性を算出することが可能である。なお、演算部210は、電磁コイル20の温度と抵抗値Rdcとの関係を示す上記(1)式以外の式を用いて、抵抗値Rdcを算出することとしてもよい。また、演算部210は、例えば、電動機100の周囲の温度等の様々なパラメータを取り入れて抵抗値Rdcを算出することとしてもよい。ただし、演算部210は、上記(1)式によって算出された抵抗値Rdcを用いずに、ある所定の温度において測定された抵抗値を用いることとしてもよい。
図4は、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示すグラフである。図5は、供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示すグラフである。ステップS30(図3)では、電源電圧制御部209は、電源24(図1)の供給電圧値Esを5[V]刻みで変更する。供給電圧値測定部206は、供給電圧値Esが変更されるごとに供給電圧値Esを測定する。回転速度測定部202は、供給電圧値Esが変更されるごとに無負荷回転数Nnlを測定する。電流値測定部208は、供給電圧値Esが変更されるごとに無負荷電流値Inlを測定する。
ステップS40では、演算部210は、測定された供給電圧値Esに対応する無負荷回転数Nnlをグラフ上にプロットし、最小二乗法を用いて、プロットした点を近似する直線G1を設定する。この直線G1は、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示す一次関数となる。以下ではこの一次関数を第1の関係式とも呼ぶ。
同様に、ステップS50では、演算部210は、測定された供給電圧値Esに対応する無負荷電流値Inlをグラフ上にプロットし、最小二乗法を用いて、プロットした点を近似する直線G2を設定する。この直線G2は、供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示す一次関数となる。以下ではこの一次関数を第2の関係式とも呼ぶ。
ステップS60では、演算部210は、任意の供給電圧値Esに対応する無負荷回転数Nnlを第1の関係式(図4の直線G1)にしたがって算出する。また、演算部210は、任意の供給電圧値Esに対応する無負荷電流値Inlを第2の関係式(図5の直線G2)にしたがって算出する。すなわち、演算部210は、供給電圧値Esが変更されるごとに無負荷回転数Nnlや無負荷電流値Inlを測定することなく、任意の供給電圧値Esにおける無負荷回転数Nnlや無負荷電流値Inlを算出することが可能である。
ステップS70では、演算部210は、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷回転数Nnlと、無負荷電流値Inlとに基づいて、電動機100の特性を算出する。電動機100の特性の算出方法については、以下に述べる。
図6は、電動機100の特性を示すグラフである。まず、演算部210は、無負荷で電動機100を回転させた場合に電磁コイル20に発生する逆起電力(以下では、無負荷逆起電力Egnl[V]とも呼ぶ。)を以下の(2)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
次に、演算部210は、無負荷で電動機100を回転させた場合の角速度(以下では、無負荷角速度ωnl[rad/s]とも呼ぶ。)を以下の(3)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
そして、演算部210は、電動機100の逆起電力定数Ke[V・s/rad]を以下の(4)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
なお、本実施例では、演算部210は、トルク定数Kt[N・m/A]の値として逆起電力定数Keの値を用いる。
次に、演算部210は、電流値IとトルクTとの関係を以下の(5)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
演算部210は、この(5)式に基づいて、電流値IとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
次に、演算部210は、電圧の釣り合いより、逆起電力Egを以下の(6)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
そして、演算部210は、角速度ω[rad/s]を以下の(7)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
次に、演算部210は、回転数N[rpm]を以下の(8)式を用いて算出し、回転数NとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
次に、演算部210は、出力P[W]を以下の(9)式を用いて算出し、出力PとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
そして、演算部210は、電動機100の効率η[%]を以下の(10)式を用いて算出し、効率ηとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
以上のように、演算部210は、第1の関係式(図4の直線G1)に従って、任意の供給電圧値Esにおける無負荷回転数Nnlを算出する。また演算部210は、第2の関係式(図5の直線G2)に従って、任意の供給電圧値Esにおける無負荷電流値Inlを算出する。したがって、電動機特性取得装置200は、供給電圧値Esが変更された場合に改めて無負荷回転数Nnlや無負荷電流値Inlを測定することなく、任意の供給電圧値Esにおける電動機100の特性を算出することができる。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例における電動機特性取得装置200bの構成を示すブロック図である。第2実施例における電動機特性取得装置200bは、回転速度測定部202と、温度測定部203と、電流値測定部208とが省略されている点が、図2に示した第1実施例における電動機特性取得装置200と異なっている。
この電動機特性取得装置200bでは、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示す第1の関係式(図4)及び供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示す第2の関係式(図5)が予め演算部210bに設定されている。したがって、演算部210bは、抵抗値Rdcと供給電圧値Esのみを入力とすることで、電動機100の各種の特性を算出することができる。なお、この電動機特性取得装置200bでは、電磁コイル20(図1)の温度は考慮されていないが、電磁コイル20の温度が変化する場合には、抵抗値測定部204が改めて抵抗値Rdcを測定することとしてもよい。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例における電動機特性取得装置200cの構成を示すブロック図である。第3実施例における電動機特性取得装置200cは、回転速度測定部202と、抵抗値測定部204と、電流値測定部208とが省略されている点と、電動機制御部213が追加されている点が、図2に示した第1実施例における電動機特性取得装置200と異なっている。
この電動機特性取得装置200cでは、温度Tmrと抵抗値Rdcとの関係を示す式(1)、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示す第1の関係式(図4)、及び供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示す第2の関係式(図5)が予め演算部210cに設定されている。したがって、演算部210cは、温度Tmrと供給電圧値Esのみを入力とすることで、任意の供給電圧値Esおよび任意の温度Tmrにおける電動機100の各種の特性を算出することができる。
電動機制御部213は、演算部210cで算出された電動機の各種の特性に基づいて、電動機100を制御する。このような電動機特性取得装置cによれば、電動機を適切に制御することが可能となる。また、この電動機特性取得装置cを備える電動機を実現することもできる。なお、電動機制御部213は、第1実施例及び第2実施例における電動機特性取得装置200,200bにも適用することができる。
D.第4実施例:
図9(A)は、第4実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフである。図9(B)は、第1実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフであり、図6と同じである。図9(B)の横軸は、電動機100が外部負荷に対して発生させるトルクTである。図9(B)で示す第1実施例の算出方法では、トルクT=0となる無負荷時では、出力Pは0として算出される。図9(A)で示すグラフは、無負荷時においても電動機100はローター部10に対して仕事をしているという考えに基づいて、描かれている。このため、図9(A)の横軸は、トルクTとは異なる真トルクTrである。そして、真トルクTr=Trnlの軸が、第1実施例における無負荷点(トルクT=0)に対応している。この真トルクTrについては後述する。
図9(A)には、真トルクTrを基準として算出された真出力Prと、真効率ηrとが示されている。この真出力Prは、無負荷時においても0ではない値を示す。また、真効率ηrは、無負荷時においても0%ではない値を示し、真トルクTr=0の場合には100%を示す。真出力Prと、真効率ηrの算出方法については後述する。この第4実施例では、真トルクTrを基準として、電動機の特性を算出する。
なお、この図9(A)には、無負荷回転数Nnlと、無負荷電流値Inlの他に、内部トルクTrnlと、最大トルクTrmaxとが示されている。最大トルクTrmaxは、回転数N=0の時に、電動機100が発生させる始動トルクである。内部トルクTrnlは、無負荷で電動機100を回転させている時に、電動機100が発生させるトルクである。
ここで、「真トルクTr[N・m]」について説明する。電動機100のローター部10は、電動機100の内部負荷として考えることができる。したがって、電動機100は、ローター部10に外部負荷が接続されていない無負荷時においても、内部トルクTrnl(以下では、無負荷真トルクTrnlとも呼ぶ。)を発生させて、ローター部10を回転させていると考えることができる。つまり、無負荷時では、内部トルクTrnlと、ローター部10による内部負荷(機械的損失を含む)とが釣り合っている。真トルクTrは、この内部トルクTrnlと、ローター部10が外部負荷に対して発生させるトルクとを足したものである。換言すれば、真トルクTrは、ローター部10の内部負荷が0(すなわち、ローター部10による内部損失が0)であった場合に、電動機100が外部に対して発生させることのできるトルクである。
この第4実施例においても、演算部210d(図示せず)は、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷回転数Nnlと、無負荷電流値Inlとに基づいて、電動機100の特性を算出する。以下に、第4実施例における電動機の特性の算出手順を述べる。
まず、第4実施例における演算部210dは、第1実施例と同様に、上記(2),(3),(4)式を用いて、無負荷逆起電力Egnlと、無負荷角速度ωnlと、逆起電力定数Keとを算出する。次に、演算部210dは、真トルクTr[N・m]と電流値I[A]との関係を以下の(11)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
ここで、Ktはトルク定数であるが、本実施例では、演算部210dは、トルク定数Ktの値として逆起電力定数Keの値を用いる。演算部210dは、この(11)式に基づいて、電流値Iと真トルクTrとの関係を示すグラフを描く。
また、図9(A)で示すように、横軸を真トルクTrで表記すると、電流値Iを示すグラフは原点を通る。さらに、電動機100の無負荷時の状態は、無負荷真トルクTrnlの位置で示される。なお、演算部210dは、無負荷真トルクTrnlを、以下の(12)式によって算出することができる。
Figure 0005499520
次に、演算部210dは、逆起電力Egを以下の(13)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
ただし、第4実施例における演算部210dは、(11)式で得られた電流値Iを(13)式に代入して、逆起電力Egを算出する。したがって、この(13)式は、真トルクTrを含む式となる。
そして、演算部210dは、角速度ω[rad/s]を以下の(14)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
次に、演算部210dは、回転数N[rpm]を以下の(15)式を用いて算出し、回転数Nと真トルクTrとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
次に、演算部210dは、出力P[W]を以下の(16)式を用いて算出し、真出力Prと真トルクTrとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
図9(A)によれば、無負荷時においても、真出力Prは0ではないことが理解できる。すなわち、電動機100は、無負荷時においても、ローター部10に対して仕事をしていることが理解できる。
そして、演算部210dは、電動機100の真効率η[%]を以下の(17)式を用いて算出し、真効率ηrと真トルクTrとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
ここで、真効率ηr[%]とは、無負荷で電動機100が回転している場合であっても、電動機100はローター部10に対して仕事をしていると考えた場合に算出される効率である。図9(A)によれば、真トルクTrと真効率ηrとの関係は直線となり、無負荷時においても、真効率ηrは0ではないことが理解できる。すなわち、第1実施例において算出される効率ηとは異なり、無負荷時であっても、電動機100の真効率ηrは低下しないことが理解できる。さらに、真トルクTr=0の場合には、真効率ηr=100[%]となることも理解できる。
なお、上記(17)式は、(11)式と、(14)式と、(16)式とを用いて、以下の(18)式に変形することができる。
Figure 0005499520
(18)式から理解できるように、真効率ηrは、逆起電力Egと供給電圧値Esとの比によって示される。すなわち、演算部210dは、逆起電力Egと供給電圧値Esとを取得し、(18)式で示される演算をすることによって、真効率ηrを算出することも可能である。
ここで、無負荷で電動機100を回転させている場合について考察する。演算部210dは、無負荷時の真効率ηrnl(以下では、無負荷真効率ηrnlとも呼ぶ。)を、以下の(19)式を用いて算出することができる。
Figure 0005499520
(19)式から理解できるように、無負荷真効率ηrnlは、0ではない値を示す。この無負荷真効率ηrnlは、無負荷時においても電動機100はローター部10に対して仕事をしていると考えた場合に示される効率である。したがって、この無負荷真効率ηrnlが100%に近い電動機ほど、ローター部による損失が小さい電動機であると評価することができる。
E.第5実施例:
図10は、電動機100の始動時におけるトルク(以下では、始動トルクとも呼ぶ。)の第5実施例における算出方法を示すグラフである。なお、第5実施例における算出方法で算出される始動トルクを始動トルクTstとし、第1実施例における算出方法で算出される始動トルクを始動トルクTstcとする。
まず、第5実施例における演算部210e(図示せず)は、第1実施例と同様に、上記(2),(3),(4)式を用いて、無負荷逆起電力Egnlと、無負荷角速度ωnlと、逆起電力定数Keとを算出する。そして、演算部210eは、電動機100の始動時に流れる電流値(以下では、始動電流値Istとも呼ぶ。)を、以下の(20)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
そして、演算部210eは、始動トルクTstを、以下の(21)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
なお、第1実施例における演算部210は、始動トルクTstcを、以下の(22)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
ここで、上記(21)式で算出される第5実施例の始動トルクTstは、上記(22)式で算出される第1実施例の始動トルクTstcとは異なる値となる。しかし、実際に電動機に発生する始動トルクの値は、上記(21)式を用いて算出される始動トルクTstの値により近いものとなる。この理由は、電動機の始動時には回転による損失が発生しておらず、純粋にBLI則によって始動トルクが定まるためであると考えられる。
以上のことを考慮して電動機の特性を算出するために、第5実施例における演算部210eは、逆起電力定数Keとは異なる値である補正トルク定数Ktzを以下の(23)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
この補正トルク定数Ktzは、図10に示されるように、始動トルクTstの発生状態を示す点Pstと、無負荷回転状態を示す点Pnlとを結ぶ直線G3の傾きに相当する。第5実施例の演算部210eは、この補正トルク定数Ktzを用いて、電動機の特性を算出する。
図11(A)は、第5実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフである。図11(B)は、第1実施例における算出方法によって得られる電動機の特性を示すグラフであり、図6と同じである。第5実施例における演算部210eは、電流値Iを、上述した補正トルク定数Ktzを用いた以下の(24)式で算出し、電流値IとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
図11(A)に示されるように、第5実施例では、演算部210eが補正トルク定数Ktzを用いて演算を行なうので、トルクTの最大値を始動トルクTstとし、電流値Iの最大値を始動電流値IstとするグラフG3を描くことが可能となる。第1実施例では、電流値Iの最大値(始動電流値Ist)は、第5実施例と同じ値となっているが、トルクTの最大値(第1実施例の始動トルクTstc)は、第5実施例の始動トルクTstよりも小さな値となっている。この理由は、第1実施例の演算部210は、トルク定数Kt(=逆起電力定数Ke)を用いて演算を行なっているからである。
次に、第5実施例の演算部210eは、電動機100に発生する逆起電力Egを以下の(25)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
ここで、演算部210eは、(25)式の電流値Iに、(24)式で得られた電流値Iを代入する。
次に、演算部210eは、角速度ωを以下の(26)式を用いて算出する。
Figure 0005499520
なお、(26)式では、補正トルク定数Ktzではなく、逆起電力定数Keが演算に用いられる。次に、演算部210eは、回転数Nを以下の(27)式を用いて算出し、回転数NとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
次に、演算部210eは、出力P[W]を、以下の(28)式を用いて算出し、出力PとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
そして、演算部210eは、効率η[%]を、以下の(29)式を用いて算出し、効率ηとトルクTとの関係を示すグラフを描く。
Figure 0005499520
このように、本実施例では、演算部210eは、補正トルク定数Ktzを用いて電動機の特性を算出するので、トルクTの最大値は、始動トルクTstとなる(図11(A))。すなわち、演算部210eは、実際の始動トルクの値に近い値として、始動トルクを算出することができる。
F.第6実施例:
図12は、電動機の特性をコンピュータープログラムを用いて算出する場合において、コンピューターの表示画面に表示されるユーザインタフェースを示す説明図である。このコンピュータープログラムでは、温度Tmrと抵抗値Rdcとの関係を示す式(1)、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの関係を示す第1の関係式(図4)、及び供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの関係を示す第2の関係式(図5)が予め設定されている。したがって、このコンピュータープログラムでは、温度Tmrと供給電圧値Esのみを入力とすることで、任意の供給電圧値Esおよび任意の温度Tmrにおける電動機100の各種の特性を算出し、表示することができる。
G.第7実施例:
図13は、第7実施例を示す説明図である。本発明は、電動機の制御装置にも適用可能である。すなわち、電動機の制御装置は、電動機の特性を算出する特性算出部(演算部210)と、算出される電動機の特性に基づいて電動機を制御する制御部213と、を備える。この特性算出部は、上述した実施例のように、抵抗値Rdcと、供給電圧値Esと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlと、に基づいて電動機の特性を算出する。このような制御装置によれば、適切に電動機を制御することが可能となる。また、この制御装置を備える電動機を実現することもできる。
H.第8実施例:
上記実施例では、デューティー比が1の場合について説明したが、第8実施例では、電動機100をデューティー比Dr(0<Dr<1)でPWM駆動する場合について説明する。デューティー比Drが1でない場合には、電磁コイル20への電圧の供給がオンになる期間とオフになる期間があるため、電流が変化する。電動機100は、電磁コイル20を有しているため、PWM駆動においては、電流の変化による電磁コイル20の誘導起電力を考慮する必要がある。
図14は、電動機の構成を、電磁コイルのインダクタンスを考慮して示す説明図である。図14に示す電動機は、図1に示す電動機と同じであるが、図14では、電磁コイル20のインダクタンスLが示されている点が異なる。
図15は、PWM駆動における供給電圧と、電磁コイルに流れる電流を示す説明図である。ここでは、供給電圧Esのデューティー比をDrとし、デューティーの制御期間の長さをUとしている。このとき、時刻0から時刻Dr×Uまでの期間は、電圧の供給がオンの期間である。電圧の供給がオフからオンに変化する場合、電磁コイル20には、急に最大の電流が流れる訳ではなく、電流が徐々に増加していく。時刻Dr×Uから時刻Uまでの期間は、電圧の供給がオフの期間である。電圧の供給がオンからオフに変化する場合も同様に、電磁コイル20に流れる電流は、急にゼロになる訳ではなく、徐々に減少していく。
電磁コイル20への電圧の供給がオンの期間とオフの期間に分けて電動機100の回路方程式を立てる。電磁コイル20への電圧の供給がオンの期間(0≦t≦Dr×U)では、電動機100の回路方程式は(30)式に示す式となる。この(30)式は、第1実施例の(6)式に電磁コイル20による誘導起電力を加えた式である。
Figure 0005499520
(30)式を解くと、(31)式が得られる。
Figure 0005499520
ここで、定数Aの具体的な値は、境界条件を定めることにより、求めることが可能である。しかし、定数Aの値は、後の計算により相殺されて消えるので、ここではAのまま残しておく。次に、電磁コイル20への電圧の供給がオフの期間(Dr×U≦t≦U)の回路方程式を立てる、この場合、電動機100の回路方程式は、(31)式においてEs=0とすればよく、具体的には、(32)式に示す式となる。
Figure 0005499520
(32)式を解くと、(33)式が得られる。なお、定数Bの値も同様に求めることが可能であるが、定数Aの値と同様に、後の計算により相殺されて消えるので、ここではBのまま残しておく。
Figure 0005499520
ここで、(34)式に示す境界条件により(35)式が得られる。この境界条件は、(31)式の終点と、(33)式の始点とが、一致することによるものである。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
(35)式を変形すると(36)式が得られる。
Figure 0005499520
また、(37)式に示す境界条件により(38)式が得られ、同様に(38)式を変形すると、(39)式が得られる。この境界条件は、(31)式の始点と、(33)式の終点とが、一致することによるものである。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
次に、電動機100の平均電流を求める。平均電流Iは、(40)式で算出することができる。
Figure 0005499520
(40)式の分子第1項は、(41)式のように変形することができ、分子第2項は、(42)式のように変形することができる。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
ここで、(41)式の第1項と(42)式の第1項を加えると、(43)式が得られる。
Figure 0005499520
(43)式に(36)式、(39)式を代入すると、(44)式が得られる。すなわち、(41)式の第1項と(42)式の第1項との和は、ゼロになる。
Figure 0005499520
次に(41)式の第2項と(42)式の第2項を加えると、(45)式が得られる。
Figure 0005499520
その結果、(40)式に、(44)式、(45)式の結果を代入することにより、(40)式は、(46)式のように変形することができる。(46)式を見ればわかるように、(31)式、(33)式にあった定数A、Bは、相殺され、消えている。
Figure 0005499520
(46)式から明らかなように、電磁コイル20のインダクタンスLは、(46)式に現れていない。これは、電磁コイル20のインダクタンスとしての特徴を反映している。すなわち、電磁コイルを含む回路では、電圧の供給がオンの時には、電磁コイル20にエネルギーが蓄積され、逆に電圧の供給がオフの時には、逆に電磁コイル20からエネルギーが放出される。PWMの一周期を考えれば、電圧の供給がオンの時に電磁コイル20に蓄積されるエネルギーの量と、電圧の供給がオフの時に電磁コイル20から放出されるエネルギーの量は同じであることが判る。このように、電磁コイル20では、インダクタンス成分により、エネルギーが消費されない。電磁コイル20のインダクタンスLの効果は、電圧の供給がオンの期間だけ、あるいは電圧の供給がオフの期間だけで見れば考慮する必要があるが、PWM駆動の一周期を考えれば、相殺されるため、考慮する必要がない。その結果、PWM駆動下では、Lの値を考慮する必要が無く、代わりにデューティー比Drを考慮すればよい。(46)式を変形すると、(47)式が得られる。
Figure 0005499520
(47)式は、(6)式と比較すると、供給電圧が、(6)式ではEsとなっているのに対し、(47)式ではEs×Drになっている点が、異なるだけである。すなわち、第1実施例におけるEsをEs×Drとすることにより、PWM駆動下における電動機100の各種特性を求めることが可能となる。同様に、他の式においても、デューティー比DrのPWM駆動下では、それぞれ、電圧EsをEs×Drで置き換えた式とすればよい。
以上のように、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定し、供給電圧値として供給電圧値Esにデューティー比Drを掛けたEs×Drを新たな供給電圧値として用いることにより、PWM駆動下における電動機100の各種特性を算出することが可能である。
図16は、1つの電気角の中に2つの駆動パルスが存在している状態を示す説明図である。ここでは、駆動パルスのオンの期間(D1×U+(D3×U−D2×U)を電気角の周期Uで割った値をデューティー比Drと呼ぶ。デューティー比は、D1+(D3−D2)となる。
同様にオンオフで4つの期間に分けて、各期間における方程式を立てて、各期間における電流を求めると、(48)式〜(51)式が得られる。なお、定数A〜Dの値は境界条件を定めることにより具体的に求めることができるが、同様に、後の計算により相殺されるので、ここでは、A〜Dのままにしておく。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
(48)式の終点=(49)式の始点(点Xで一致)、(49)式の終点=(50)式の始点(点Yで一致)、(50)式の終点=(51)式の始点(点Zで一致)、(48)式の始点=(51)式の終点(点Wで一致)、の4つの境界条件により、(52)式〜(55)式が得られる。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
平均電流Iは、(56)式で示すことができる。
Figure 0005499520
(56)式の右辺分子第1項〜第4項はそれぞれ、(57)式〜(60)式のように変形できる。
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
Figure 0005499520
(57)式〜(60)式の右辺第1項を加えた後変形し、(52)式〜(55)式の結果を代入すると、(61)式が得られる。すなわち、(57)式〜(60)式の右辺第1項を加えた和はゼロになる。
Figure 0005499520
(57)式〜(60)式の第2項を加えると、(62)式が得られる。
Figure 0005499520
したがって、平均電流Iは、(63)式で示すことが出来る。
Figure 0005499520
(63)式の結果は、(46)式の結果と同じである。ここでは、電気角の1周期に2つのパルスがある場合について説明したが、3つ以上のパルスがある場合も同様に考えることが可能である。すなわち、(63)式を適用することが可能である。なお、図16(B)においては、各区間の電流のグラフが交わる点(点W,X、Y、Z)における電流の値は、同じであるとして模式的にグラフを描いているが、これらの点における電流の値はD1〜D3の値により変動する。
I.第9実施例:
図17は、第9実施例を示す説明図である。第9実施例は、図17(A)に示すように、電動機の3つの電磁コイル20をスター結線にしている。ここで、スター結線の3つの端子をそれぞれ、端子Vu、Vv、Vwと呼ぶ。図17(B)は、端子Vu、Vv、Vwに印可される電圧を示す説明図である。図17(C)は、図17(B)における期間Q3を拡大して示す説明図である。
図17(C)に示す期間T2、T4では、図17(A)の端子VuとVvの間に電圧Esが印可され、端子Vwは、ハイ・インピーダンスになっている。そして、電流は端子Vuから端子Vvに流れる。また、電磁コイル20の内部抵抗をRdcとすると、端子Vuと端子Vvの間の合成抵抗は、2Rdcである。また、期間T3では、端子VuとVwの間に電圧Esが印可され、端子Vvは、ハイ・インピーダンスになっている。そして、電流は端子Vuから端子Vwに流れる。なお、端子Vuと端子Vwの間の合成抵抗は、2Rdcである。また、期間T1、T5では、いずれの端子もハイ・インピーダンスになっており、いずれの端子Vu、Vv、Vwにも電流は流れない。
このような3相PWM駆動においては、供給電圧値として、第8実施例で示したように、供給電圧Esにデューティー比Drを掛けたEs×Drを代わりに用いることができる。また、電磁コイルの抵抗値として、2Rdcを代わりに用いることが可能となる。例えば、実施例1で使用した(6)式は、(64)式のようになる。他の式も同様である。
Figure 0005499520
ここで、合成抵抗値2Rdcは、逆起電力Egが発生していない状態において電動機100に流れている電流値Iと、供給電圧値Esとの関係から求めることができる。具体的には、この逆起電力Egが発生していない状態は、例えば、ローター部10(図1参照)を回転しないように固定し、図17(C)の期間T2に示す状態を維持することにより、実現することが可能である。なお、このとき算出される抵抗値は、合成抵抗2Rdcである。
以上のように、3相PWM駆動においても、供給電圧値Esと、抵抗値2Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを測定することによって、PWM駆動下における電動機100の各種特性を算出することが可能である。
J.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
J1.変形例1:
上記実施例では、供給電圧値測定部206が供給電圧値Esを測定しているが、電動機100に供給される電源の電圧値が判明している場合には、供給電圧値Esを測定することなく、判明している供給電圧値Esを演算部210に供給することとしてもよい。すなわち、電動機特性取得装置200は、供給電圧値Esを取得すればよい。
J2.変形例2:
上記実施例では、抵抗値測定部204が抵抗値Rdcを測定しているが、電磁コイル20の抵抗値が判明している場合には、抵抗値Rdcを測定することなく、判明している抵抗値Rdcを演算部210に供給することとしてもよい。すなわち、電動機特性取得装置200は、抵抗値Rdcを取得すればよい。
J3.変形例3:
上記実施例では、回転速度測定部202は、電動機100の回転速度を、回転数N[rpm]として測定している。しかし、回転速度測定部202は、電動機100の回転速度を、角速度ω[rad/s]として測定し、角速度ωを演算部210に供給することとしてもよい。
J4.変形例4:
電動機の特性の算出をコンピュータープログラムで実現する場合には、供給電圧値Esと、抵抗値Rdcと、無負荷電流値Inlと、無負荷回転数Nnlとを予め測定しておき、得られた値をコンピュータープログラムに取得させることとしてもよい。また、本発明は、電動機の特性の算出方法としても実現することができる。
J5.変形例5:
上記実施例においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
J6.変形例6:
上記実施例では、演算部210は、最小二乗法を用いて第1の関係式及び第2の関係式を設定する。しかし、演算部210は、最小二乗法以外の種々の近似手法を用いて第1の関係式及び第2の関係式を設定することとしてもよい。
J7.変形例7:
上記実施例では、演算部210は、上記(1)式を用いて、任煮の温度Tmrにおける抵抗値Rdcを算出する。しかし、この代わりに、演算部210は、温度Tmrと抵抗値Rdcとの間の関係を示すテーブルを用いて、任煮の温度Tmrにおける抵抗値Rdcを算出することとしてもよい。
J8.変形例8:
上記実施例では、演算部210は、第1の関係式及び第2の関係式を用いて、無負荷回転数Nnl及び無負荷電流値Inlを算出する。しかし、この代わりに、演算部210は、供給電圧値Esと無負荷回転数Nnlとの間の関係を示すテーブル及び供給電圧値Esと無負荷電流値Inlとの間の関係を示すテーブルを用いて、無負荷回転数Nnl及び無負荷電流値Inlを算出することとしてもよい。
J9.変形例9:
本発明は、各種の装置に適用可能である。例えば、本発明は、ファンモーター、時計(針駆動)、ドラム式洗濯機(単一回転)、ジェットコースタ、振動モーターなどの種々の装置のモーターに適用可能である。本発明をファンモーターに適用した場合には、上述した種々の効果(低消費電力、低振動、低騒音、低回転ムラ、低発熱、高寿命)が特に顕著である。このようなファンモーターは、例えば、デジタル表示装置や、車載機器、燃料電池式パソコン、燃料電池式デジタルカメラ、燃料電池式ビデオカメラ、燃料電池式携帯電話などの燃料電池使用機器、プロジェクター等の各種装置のファンモーターとして使用することができる。本発明のモーターは、さらに、各種の家電機器や電子機器のモーターとしても利用可能である。例えば、光記憶装置や、磁気記憶装置、ポリゴンミラー駆動装置等において、本発明によるモーターをスピンドルモーターとして使用することが可能である。また、本発明によるモーターは、移動体やロボット用のモーターとしても利用可能である。
図18は、本発明の変形例によるモーターを利用したプロジェクターを示す説明図である。このプロジェクター3100は、赤、緑、青の3色の色光を発光する3つの光源3110R、3110G、3110Bと、これらの3色の色光をそれぞれ変調する3つの液晶ライトバルブ3140R、3140G、3140Bと、変調された3色の色光を合成するクロスダイクロイックプリズム3150と、合成された3色の色光をスクリーンSCに投写する投写レンズ系3160と、プロジェクター内部を冷却するための冷却ファン3170と、プロジェクター3100の全体を制御する制御部3180と、を備えている。冷却ファン3170を駆動するモーターとしては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
図19(A)〜(C)は、本発明の変形例によるモーターを利用した燃料電池式携帯電話を示す説明図である。図19(A)は携帯電話3200の外観を示しており、図19(B)は、内部構成の例を示している。携帯電話3200は、携帯電話3200の動作を制御するMPU3210と、ファン3220と、燃料電池3230とを備えている。燃料電池3230は、MPU3210やファン3220に電源を供給する。ファン3220は、燃料電池3230への空気供給のために携帯電話3200の外から内部へ送風するため、或いは、燃料電池3230で生成される水分を携帯電話3200の内部から外に排出するためのものである。なお、ファン3220を図19(C)のようにMPU3210の上に配置して、MPU3210を冷却するようにしてもよい。ファン3220を駆動するモーターとしては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
図20は、本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、前輪にモーター3310が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。モーター3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモーター3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、モーターの駆動と回生とを制御する回路である。このモーター3310としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することが可能である。
図21は、本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、モーター3430とを有している。このモーター3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。このモーター3430としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することが可能である。
図22は、本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、モーター3510と、車輪3520とを有している。このモーター3510は、車輪3520を駆動する。さらに、モーター3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。このモーター3510としては、上述した各種のブラシレスモーターを利用することができる。
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
10…ローター部
20…電磁コイル
22…PWMドライバー
24…電源
26…ホールIC
28…PWM制御部
31…内部抵抗
100…電動機
102…回転軸
200…電動機特性取得装置
200b…電動機特性取得装置
200c…電動機特性取得装置
202…回転速度測定部
203…温度測定部
204…抵抗値測定部
206…供給電圧値測定部
208…電流値測定部
209…電源電圧制御部
210…演算部
210b…演算部
210c…演算部
212…表示装置
213…電動機制御部
214…カップリング
3100…プロジェクター
3110R…光源
3140R…液晶ライトバルブ
3150…クロスダイクロイックプリズム
3160…投写レンズ系
3170…冷却ファン
3180…制御部
3200…携帯電話
3220…ファン
3230…燃料電池
3300…自転車
3310…モーター
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410…第1のアーム
3420…第2のアーム
3430…モーター
3500…鉄道車両
3510…モーター
3520…車輪

Claims (14)

  1. 電磁コイルを有する電動機の特性を算出する装置であって、
    前記電磁コイルの抵抗値を取得する抵抗値取得部と、
    前記電動機に供給される供給電圧の値を取得する供給電圧値取得部と、
    前記電動機の回転速度を取得する回転速度取得部と、
    前記電動機の電流値を取得する電流値取得部と、
    演算を行なう演算部と、
    を備え、
    前記装置は、前記電動機に複数の供給電圧を供給し、
    前記供給電圧値取得部は、複数の供給電圧の値を取得し、
    前記回転速度取得部は、前記供給電圧の値ごとに前記電動機が無負荷で回転される時の前記無負荷回転速度を取得し、
    前記電流値取得部は、前記供給電圧の値ごとに前記電動機が無負荷で回転される時の無負荷電流値を取得し、
    前記演算部は、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷回転速度との間の近似された関係として、第1の関係を設定し、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷電流値との間の近似された関係として、第2の関係を設定し、
    前記第1の関係に基づいて、特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷回転速度を算出し、
    前記第2の関係に基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷電流値を算出し、
    前記取得された抵抗値と、前記特性を取得したい供給電圧の値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とのみに基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値における電動機の特性としてのトルクと電流値との関係と、トルクと回転速度との関係と、トルクと出力との関係と、トルクと効率との関係と、のうち少なくとも一つの関係を前記電動機の特性として算出する装置。
  2. 請求項に記載の装置であって、
    前記抵抗値取得部は、前記電磁コイルの温度を取得し、前記電磁コイルの温度と前記電磁コイルの抵抗値との間の第3の関係に基づいて、前記取得された温度に対応する前記電磁コイルの抵抗値を算出し
    前記演算部は、前記特性を取得したい供給電圧値と、前記算出された抵抗値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とに基づいて、前記特性を取得したい供給電圧値及び前記取得された温度に対応する前記電動機の特性を算出する、装置。
  3. 請求項1または2に記載の装置であって、
    前記電動機に対してPWM駆動する場合には、前記特性を取得したい供給電圧の値として、前記特性を取得したい供給電圧の値にデューティー比を掛けた値を実効電圧値として用いて、前記電動機の特性を算出する装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記電磁コイルが3相スター結線されている場合には、前記電動機の電磁コイルの総抵抗として、前記電磁コイル単体の抵抗値の2倍の抵抗値を用いて、前記電動機の特性を算出する、装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の装置であって、さらに、
    前記算出された電動機の特性を表示する表示部を備える、装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の装置であって、さらに、
    前記算出された電動機の特性に基づいて電動機を制御する制御部を備える装置。
  7. 請求項に記載の装置を備える電動機。
  8. 請求項に記載の電動機を備える電動機搭載装置。
  9. 請求項に記載の電動機搭載装置であって、
    前記電動機搭載装置は、電子機器である、電動機搭載装置。
  10. 請求項に記載の電動機搭載装置であって、
    前記電動機搭載装置は、プロジェクターである、電動機搭載装置。
  11. 請求項に記載の電動機搭載装置であって、
    前記電動機搭載装置は、移動体である、電動機搭載装置。
  12. 請求項に記載の電動機搭載装置であって、
    前記電動機搭載装置は、ロボットである、電動機搭載装置。
  13. 電磁コイルを有する電動機の特性を算出する方法であって、
    前記電磁コイルの抵抗値を取得し、
    前記電動機に複数の供給電圧を供給して前記供給電圧の値ごとに無負荷回転速度を取得し、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷回転速度との間の近似された関係として、第1の関係を設定し、
    前記電動機に複数の供給電圧を供給して前記供給電圧の値ごとに前記無負荷電流値を取得し、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷電流値との間の近似された関係として、第2の関係を設定し、
    前記第1の関係に基づいて、特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷回転速度を算出し、
    前記第2の関係に基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷電流値を算出し、
    前記取得された抵抗値と、前記特性を取得したい供給電圧の値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とのみに基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値における電動機の特性としてのトルクと電流値との関係と、トルクと回転速度との関係と、トルクと出力との関係と、トルクと効率との関係とのうち少なくとも一つの関係を前記電動機の特性として算出する方法。
  14. 電磁コイルを有する電動機の特性を算出する処理をコンピューターに実行させるためのコンピュータープログラムであって、
    前記電磁コイルの抵抗値を取得する機能と、
    前記電動機に複数の供給電圧を供給して前記供給電圧の値ごとに無負荷回転速度を取得する機能と、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷回転速度との間の近似された関係として、第1の関係を設定する機能と、
    前記電動機に複数の供給電圧を供給して前記供給電圧の値ごとに前記無負荷電流値を取得する機能と、
    前記複数の供給電圧の値と、前記複数の無負荷電流値との間の近似された関係として、第2の関係を設定する機能と、
    前記第1の関係に基づいて、特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷回転速度を算出する機能と、
    前記第2の関係に基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値に対応する前記無負荷電流値を算出する機能と、
    前記取得された抵抗値と、前記特性を取得したい供給電圧の値と、前記算出された無負荷回転速度と、前記算出された無負荷電流値とのみに基づいて、前記特性を取得したい供給電圧の値における電動機の特性としてのトルクと電流値との関係と、トルクと回転速度との関係と、トルクと出力との関係と、トルクと効率との関係と、のうち少なくとも一つの関係を前記電動機の特性として算出する機能と、
    をコンピューターに実現させる、コンピュータープログラム
JP2009129976A 2008-10-27 2009-05-29 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム Expired - Fee Related JP5499520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009129976A JP5499520B2 (ja) 2008-10-27 2009-05-29 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008275800 2008-10-27
JP2008275800 2008-10-27
JP2009027556 2009-02-09
JP2009027556 2009-02-09
JP2009129976A JP5499520B2 (ja) 2008-10-27 2009-05-29 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010207071A JP2010207071A (ja) 2010-09-16
JP2010207071A5 JP2010207071A5 (ja) 2012-06-21
JP5499520B2 true JP5499520B2 (ja) 2014-05-21

Family

ID=42967976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009129976A Expired - Fee Related JP5499520B2 (ja) 2008-10-27 2009-05-29 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5499520B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5678733B2 (ja) * 2011-03-08 2015-03-04 学校法人同志社 交流電動機における固定子巻線の短絡故障診断方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2972027B2 (ja) * 1992-05-27 1999-11-08 株式会社エヌエフ計測システム ステッピングモータ用負荷慣性モーメント測定装置
JP3191696B2 (ja) * 1995-11-15 2001-07-23 アスモ株式会社 直流モータの特性測定装置、その方法及び誘起電圧算出方法
JP2004233140A (ja) * 2003-01-29 2004-08-19 Sony Corp モーター測定装置
JP2004289927A (ja) * 2003-03-20 2004-10-14 Nissan Motor Co Ltd モーター制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010207071A (ja) 2010-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9893665B2 (en) Motor controller for position sensorless drives
US20080255796A1 (en) Method and device for measuring rotation speed of rotating equipment
CN103404009B (zh) 用于校准电动机的转子位置偏移量的方法和系统
JP5292770B2 (ja) Pwm制御回路、該pwm制御回路を備えた電動機、該電動機を備えた装置及びpwm信号を生成する方法
CN103023416B (zh) 用于电动马达操作的电流估计的系统和方法
JP2014515244A (ja) 温度補償と共に電気モータを制御する方法およびシステム
JPH0970196A (ja) インバータ内部蓄電手段の放電装置
CN103402801A (zh) 在失速工况处或接近失速工况时控制电动机的方法和系统
JP2009148146A (ja) 電動装置
JP5733328B2 (ja) 半導体装置および電動機
TWI439041B (zh) 永磁同步馬達驅動方法與裝置
JP5509677B2 (ja) 電動機の特性を算出する装置、方法、電動機、電動機搭載装置およびコンピュータープログラム
JP5540567B2 (ja) 電動機の特性を取得する方法、装置およびコンピュータープログラム
CN102983798A (zh) 无电刷电动机以及具有该无电刷电动机的装置
JP5564832B2 (ja) 電動機の特性を取得する装置、電動機の特性を取得する方法、電動機を制御する装置、コンピュータープログラム、電動機、及び電動機搭載装置
JP5499520B2 (ja) 電動機の特性を取得する装置、方法、電動機、電動機搭載装置、及びコンピュータープログラム
JP2010124653A (ja) 電動機の制御装置
TW200922106A (en) Drive control circuit for electric motor
JP3726713B2 (ja) 電動機の制御装置
JP2010045959A (ja) 電動機の特性を算出する方法
JP2009294199A (ja) 速度測定方法及び装置
JP2009526512A (ja) 電力機器のトルクを求めるための方法および装置
JP5332637B2 (ja) 電動モータの制御装置及びこれを備える装置
JP2010104219A5 (ja) 電動機の特性を算出する装置、方法、電動機、電動機搭載装置およびコンピュータープログラム
JP2013233048A (ja) 電気機械装置、移動体、ロボットおよび電気機械装置の駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120508

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5499520

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S131 Request for trust registration of transfer of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313135

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313Z02

S131 Request for trust registration of transfer of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313135

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313Z02

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees