JP5538751B2 - エレベーターの制御装置 - Google Patents

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本発明は、トラクション方式のエレベーターの制御装置に関するものであり、特に、エレベーターの非常時制動性能確認を行うための試験および点検に適したエレベーターの制御装置に関する。
エレベーターの制動時のかご減速度は、過大でも過小でも不安全であるため、適切な減速度が必要となる。適切な減速度の範囲で停止できることを確認するために、非常時制動性能確認を行うためのエレベーターの制御装置として、従来、綱車エンコーダを用いてかご位置を把握することで制動距離を得て、ブレーキの減速性能を確認する機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
かかるエレベーターの制御装置によれば、綱車エンコーダを用いて非常制動指令時のかご位置、および非常制動後のかご停止位置を得て記憶しておく。その後、かごを階床位置まで戻して非常制動前後における綱車エンコーダの出力パルスの差からロープスリップ量を得る。このようにして得られたかご位置およびロープスリップ量から制動距離を得ることで、ブレーキの減速性能を確認することができる。
特開平8−231152号公報
しかし、従来技術には、以下のような課題がある。
引用文献1における従来のエレベーターの制御装置では、ロープスリップ量を得るために、非常制動後にかごを階床位置まで再度運転させなければならない。すなわち、エレベーターの状態を、非常制動停止後の状態からさらに変化させなければ、ロープスリップ量を判断できないという課題があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、非常制動を行って停止させることで、ブレーキの制動力とかご減速度を同時に確認でき、エレベーターの非常時制動性能試験を容易に行うことのできるエレベーターの制御装置を得ることを目的とする。
本発明に係るエレベーターの制御装置は、一端にかご、他端におもりが接続されたロープが掛けられている綱車を回転駆動させることでかごを昇降させる電動機と、綱車に対する制動力の付勢/開放を行う制動部と、電動機の回転駆動制御および制動部に与える付勢力制御を行うことでかごの昇降制御を行う制御部と、かごが昇降路内の第1の所定位置と、第1の所定位置よりも下方の第2の所定位置との間にいることを検出するかご位置検出部と、綱車の回転量を計測する綱車エンコーダと、第1の所定位置よりも制動距離の最大許容量分だけ下方の位置を非常停止指令出力位置と規定し、第2の所定位置から非常停止指令出力位置までの綱車の回転量を所定回転量としてあらかじめ設定しておき、非常時制動性能確認を行う際に、かごを無負荷状態で所定速度により上昇走行させ、かご位置検出部により第2の所定位置を検出した後、綱車エンコーダにより計測した回転量が所定回転量に達したときに、かご位置が非常停止指令出力位置に達したと判断して非常停止指令を制動部に出力して綱車を制動停止させると同時に、綱車エンコーダの出力値を第1の出力値として記憶し、非常停止指令を出力してから制動停止が確実に完了するまでの所定時間が経過した後の綱車エンコーダの出力値を第2の出力値として読み出し、第1の出力値と第2の出力値との差分から、制動停止中に回転した綱車の回転量を綱車エンコーダに基づいて算出し、算出した回転量が、所定速度によりかごを走行させている状態から、許容される最大の減速度で減速させたときの制動距離に対応する回転量以上であり、かつ、所定時間が経過する間にかご位置検出部により第1の所定位置にいることを検出しなかった場合に、非常時制動性能確認が良好であると判断する制動性能チェック部とを備えるものである。
本発明によれば、綱車エンコーダに加え、かごの位置を直接検出できる昇降路内の位置検出部を用いて、綱車の回転量とロープスリップを含んだかご自体の制動距離とを得ることにより、ブレーキの制動力とかご減速度を同時に確認でき、エレベーターの非常時制動性能試験を容易に行うことのできるエレベーターの制御装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の全体構成図である。 本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置のかご位置検出部の検出パターンの説明図である。 本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験の一連動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験のタイムチャートである。 本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置のかご位置検出部および昇降路終端検出部の検出パターンの説明図である。 本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験の一連動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験のタイムチャートである。
以下、本発明のエレベーターの制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の全体構成図である。また、図2は、本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置のかご位置検出部の検出パターンの説明図である。また、図3は、本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験の一連動作を示すフローチャートである。さらに、図4は、本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験のタイムチャートである。
本発明の実施の形態1におけるエレベーターの制御装置は、エレベーターのかごを昇降駆動するための駆動機構部10、かごの昇降制御を行うための制御部20、制御部20による昇降制御を行うために必要とされる検出信号を生成する状態検出部30、および表示部40で構成される。
駆動機構部10は、綱車1、かご2、おもり3、ロープ4、電動機5、および制動部6を備えている。綱車1には、一端がかご2に接続され、他端がおもり3に接続されたロープ4が掛けられている。そして、かご2は、綱車1を電動機5により駆動することで、昇降動作を行う。また、制動部6は、綱車1に制動力を加えることで、かご1を停止させ、その制動力を開放することで、かご1をフリーな状態とする。
また、状態検出部30は、綱車エンコーダ31、ドア位置検出部32、着床プレート33、昇降路終端検出部34a〜34c、および昇降路終端検出プレート35を備えている。綱車エンコーダ31は、綱車1の速度および綱車1の回転量を計測するために、綱車1に接続されている。
また、ドア位置検出部32は、かご2の側面に設けられている。一方、着床プレート33は、昇降路内の各階の乗場に対応する位置に設けられている。そして、かご2の昇降に伴い、ドア位置検出部32が着床プレート33を検出することで、かご2の位置が、各階の乗場に対応したドア開閉可能位置にいるか否かを検出可能としている。
また、昇降路終端検出部34a、34b、34cは、昇降路内の終端階の近傍に設けられている。一方、昇降路終端検出プレート35は、かご2の側面に設けられている。そして、かご2の昇降に伴い、昇降路終端検出部34a、34b、34cのいずれかが昇降路終端検出プレート35を検出することで、かご2の位置を検出可能としている。より具体的には、昇降路終端検出部34aは、終端階の着床位置よりも中間階側にかごがある状態(すなわち、終端位置に接近した状態)を検出可能とし、昇降路終端検出部34b、34cは、終端階の着床位置よりも上方にかごがある状態(すなわち、終端位置に到達してしまった状態)を検出可能としている。
制御部20は、駆動制御回路部21、制動力制御ユニット22、試験モード切換スイッチ23、および制動性能チェック回路部24を備えている。そして、制御部20は、駆動制御回路部21、および制動力制御ユニット22により、状態検出部30からの検出信号に基づいて、通常運転時の昇降制御を行う。
さらに、本実施の形態1における制御部20は、試験モード切換スイッチ23をONした際に、制動性能チェック回路部24により、状態検出部30からの検出信号を利用して、非常時制動性能試験を行う。そして、制御部20は、非常時制動性能試験の結果を、表示部40に表示させることができる。
そこで、次に、制動性能チェック回路部24の具体的な動作について、図1〜図4に基づいて説明する。図1に示したように、この制動性能チェック回路部24は、走行速度設定部25、判定部26、停止指令出力部27、およびタイマ部28を備えている。
まず始めに、非常時制動性能試験を行うための条件設定について、説明する。非常時制動性能試験を行うための試験モードにおけるかご2を上昇させる際の走行速度をuとする。なお、この走行速度uは、走行速度設定部25にあらかじめ設定されている。
また、走行するかご2の非常時制動に必要な減速度aの範囲を、走行速度に依存せずに、a≦a≦aとする。ここで、ある走行速度uで走行するかご2が、減速度aで減速するときの制動距離sは、
s=(u/2a
で求められる。従って、ある走行速度uで走行するかごに対して、上述の範囲の減速度aを用いて減速させたときの制動距離sの範囲は、s≦s≦sに決められる。さらに、図2に示すように、ドア位置検出部32の検出範囲をLとし、Lと制動距離の許容最大値sとの差をL−sとする。
そして、走行速度uでかご2を上昇させた際に、ドア位置検出部32がON検出した後に、L−sだけ走行した後に、停止指令出力部27は、非常時制動性能試験を行うための停止指令を出力するように設定されている(図2参照)。
これらの条件設定に基づいて、図3のフローチャートを用いて、非常時制動性能試験の一連動作を説明する。まず始めに、かご2内を無負荷にし、制御盤内(制御部20内)の試験モード切換スイッチ23を試験モードに切換えた後、ステップS301において、駆動制御回路部21は、かご2を最下階へ定格速度で走行させる。
かご2が停止した後、ステップS302において、駆動制御回路部21は、制動性能チェック回路部24内の走行速度設定部25により設定されている走行速度uを用いて、かご2を上方向へ速度uで一定速走行させる。
次に、ステップS303において、制動性能チェック回路部24内の停止指令出力部27は、かご2が上方向へ走行中において、ドア位置検出部32のON信号をトリガとして、綱車エンコーダ31により計測した回転量に基づいて、そこから停止指令出力位置までの距離L−s分だけ走行させる。
さらに、ステップS304において、停止指令出力部27は、距離L−s分だけ走行後に、非常停止指令を出力して、綱車1に制動力を付勢すると同時に、非常停止指令出力時における綱車エンコーダ31の出力値を記憶し、タイマ部28による停止待機タイマを起動する。
ここで、この停止待機タイマとは、速度uで一定速走行している状態で、非常停止指令により制動停止を開始してから停止するまでに要する時間に、ある余裕度を持たせてあらかじめ設定されている値である。従って、後述するように、この停止待機タイマによる所定時間経過後に、判定部26により、非常時制動性能試験による制動停止結果が正常であったか否かが判定されることとなる。
次に、ステップS305において、制動性能チェック回路部24内の判定部26は、ドア位置検出部32のOFF信号を検出したか否かを判断する。すなわち、先の図2に示したように、判定部26は、停止指令出力部27から非常停止指令が出力された後に、ドア位置検出部32がON状態からOFF状態になったことを検出することで、制動距離が許容最大値sを超えてしまったことを判断できる。
ステップS305において、ドア位置検出部32のOFF信号を検出した場合には、判定部26は、制動距離が許容最大値sを超えてしまったと判断し、ステップS306に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がNGであった旨を表示する。
一方、ステップS305において、ドア位置検出部32のOFF信号を検出していない場合には、判定部26は、制動距離がまだ許容最大値sを超えていないと判断し、ステップS307に進む。そして、ステップS307において、判定部26は、先のステップS304において起動された停止待機タイマが、所定時間を経過して終了したか否かを判断する。
そして、ステップS307において、停止待機タイマが所定時間を経過していない間は、ステップS305に戻り、判定部26は、ドア位置検出部32による判定を繰り返す。一方、ステップS307において、停止待機タイマが所定時間を経過した場合には、ステップS308において、判定部26は、ドア位置検出部32がON状態の範囲で、かご2が確実に停止したものと判断する。さらに、判定部26は、現在の綱車エンコーダ31の出力値を読み取り、先に記憶しておいた非常停止指令出力時における綱車エンコーダ31の出力値との差分を算出する。
この算出結果から、判定部26は、非常停止指令を出力してから制動停止が完了するまでの綱車1の回転量を求めることができる。そして、判定部26は、求めた回転量が所定値以上であるか否かを判定する。
ここでの所定値とは、速度uでかご2を一定速走行させている状態から、許容される最大の減速度で減速させたときの制動距離に対応する回転量に相当する。かご減速度が最大となるのは、ロープスリップが生じない状態、すなわち、綱車の回転量が制動距離と一致する状態を意味する。従って、判定部26は、求めた回転量が所定値以上であれば、かご減速度が許容最大値以下であり、求めた回転量が所定値未満であれば、かご減速度が許容最大値を超えていると判断できる。
そこで、ステップS308において、綱車1の回転量が所定値以上でない場合には、判定部26は、かご減速度が許容最大値を超えていると判断し、ステップS306に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がNGであった旨を表示する。
一方、ステップS308において、綱車1の回転量が所定値以上である場合には、判定部26は、ドア位置検出部32がON状態の範囲で、かご2が確実に停止し(同時に、かご減速度が許容最小値以上であったと判断でき)、かつ、かご減速度が許容最大値以下であったと判断し、ステップS309に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がOKであった旨を表示する。このようにして、非常時制動性能試験の一連動作が完了する。
このような手順で非常時制動性能試験を行うことで、エレベーターの状態を、非常制動停止後の状態からさらに変化させることなく、非常制動停止後に、かご減速度が適正であるか否かを直ちに判断することができる。この結果、非常時制動性能試験におけるブレーキの制動力とかご減速度を、同時に、そして容易に確認することが可能となる。
図3のフローチャートによる一連動作を、タイムチャートにまとめたものが、図4である。図3における各ステップの番号を、図4中の()で示している。
以上のように、実施の形態1によれば、ドア位置検出部による検出結果に基づいて非常停止指令の出力位置を規定し、非常制動停止後におけるドア位置検出部の状態、および非常停止指令出力後から制動停止完了までの綱車の移動量の計測結果から、非常時制動性能試験が正常であったか否かを、非常制動停止後、直ちに判断することができる。換言すると、非常制動停止後のセンサ状態から、制動距離が適切であり、かご減速度が許容最小値以上であることを確認でき、非常制動停止中の綱車の回転量から、かご減速度が許容最大値以下であることを確認できる。この結果、非常時制動性能試験におけるブレーキの制動力とかご減速度を、同時に、そして容易に確認することが可能となるエレベーターの制御装置を得ることができる。
なお、エレベーターは、減速度が所定値となるように制御する制動力制御ユニット22を備えていてもよい(図1参照)。また、綱車エンコーダ31の出力とかご2の位置との関係をあらかじめ学習しておき、綱車エンコーダ31の出力を非常停止指令の出力トリガとして用いてもよい。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、制動距離の許容最大値sを超えてしまうことを、ドア位置検出部32がOFF状態となることで判定していた(先の図2参照)。すなわち、ドア位置検出部32がONからOFFに変化する位置が第1の所定位置に相当し、ドア位置検出部32がOFFからONに変化する位置が第2の所定位置に相当し、このドア位置検出部32が、第1のかご位置検出部と第2のかご位置検出部を兼ねる構成であった。
これに対して、本実施の形態2では、制動距離の許容最大値sを超えてしまうことを、昇降路終端検出部34bがON状態となることで判定する場合について説明する(図1および後述する図5参照)。すなわち、昇降路終端検出部34bがOFFからONに変化する位置が第1の所定位置に相当し、ドア位置検出部32がOFFからONに変化する位置が第2の所定位置に相当し、昇降路終端検出部34bが第1のかご位置検出部、ドア位置検出部32が第2のかご位置検出部となる構成について説明する。
例えば、乗場位置が2つの階に限られるような2停止のエレベーターの場合には、制動距離の許容最大値sを超えてしまうことの判定に、昇降路終端検出部34bを用いることができる。
本発明の全体構成は、先の実施の形態1で用いた図1と同様である。また、図5は、本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置のかご位置検出部および昇降路終端検出部の検出パターンの説明図である。また、図6は、本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験の一連動作を示すフローチャートである。さらに、図7は、本発明の実施の形態2におけるエレベーターの制御装置による非常時制動性能試験のタイムチャートである。
基本的な構成および制御方法は、先の実施の形態1と同様である。そこで、本実施の形態2において、制動距離が許容最大値sを超えてしまうことを判定するために用いられる昇降路終端検出部34bを中心に、以下に説明する。
先の図1に示したように、昇降路内の終端階の近傍には、昇降路終端検出部34a〜34cが設置されている。そして、この中の2つの昇降路終端検出部34b、34cは、かご2に設置された昇降路終端検出プレート35を検出すると、ON信号を出力することで、かご2が終端位置に到達してしまったことを知らせる。ここで、昇降路終端検出部34cは、ファイナルリミットスイッチであるので、昇降路終端検出部34cよりも手前に設けられている昇降路終端検出部34bを用いる場合について説明する。
まず始めに、非常時制動性能試験を行うための条件設定について、説明する。非常時制動性能試験を行うための試験モードにおけるかご2を上昇させる際の走行速度をuとする。なお、この走行速度uは、走行速度設定部25にあらかじめ設定されている。
また、走行するかご2の非常時制動に必要な減速度aの範囲を、走行速度に依存せずに、a≦a≦aとする。ここで、ある走行速度uで走行するかご2が、減速度aで減速するときの制動距離sは、
s=(u/2a
で求められる。従って、ある走行速度uで走行するかごに対して、上述の範囲の減速度aを用いて減速させたときの制動距離sの範囲は、s≦s≦sに決められる。さらに、図5に示すように、最上階のドア位置検出部32がONする位置から昇降路終端検出部34bがONするまでの範囲をLとし、Lと制動距離の許容最大値sとの差をL−sとする。
そして、走行速度uでかご2を上昇させた際に、ドア位置検出部32がON検出した後に、L−sだけ走行した後に、停止指令出力部27は、非常時制動性能試験を行うための停止指令を出力するように設定されている(図5参照)。
これらの条件設定に基づいて、図6のフローチャートを用いて、非常時制動性能試験の一連動作を説明する。まず始めに、かご2内を無負荷にし、制御盤内(制御部20内)の試験モード切換スイッチ23を試験モードに切換えた後、ステップS601において、駆動制御回路部21は、かご2を最下階へ定格速度で走行させる。
かご2が停止した後、ステップS602において、駆動制御回路部21は、制動性能チェック回路部24内の走行速度設定部25により設定されている走行速度uを用いて、かご2を上方向へ速度uで一定速走行させる。
次に、ステップS603において、制動性能チェック回路部24内の停止指令出力部27は、かご2が上方向へ走行中において、ドア位置検出部32のON信号をトリガとして、綱車エンコーダ31により計測した回転量に基づいて、そこから停止指令出力位置までの距離L−s分だけ走行させる。
さらに、ステップS604において、停止指令出力部27は、距離L−s分だけ走行後に、非常停止指令を出力して、綱車1に制動力を付勢すると同時に、非常停止指令出力時における綱車エンコーダ31の出力値を記憶し、タイマ部28による停止待機タイマを起動する。
ここで、この停止待機タイマとは、速度uで一定速走行している状態で、非常停止指令により制動停止を開始してから停止するまでに要する時間に、ある余裕度を持たせてあらかじめ設定されている値である。従って、後述するように、この停止待機タイマによる所定時間経過後に、判定部26により、非常時制動性能試験による制動停止結果が正常であったか否かが判定されることとなる。
次に、ステップS605において、制動性能チェック回路部24内の判定部26は、昇降路終端検出部34bのON信号を検出したか否かを判断する。すなわち、先の図5に示したように、判定部26は、停止指令出力部27から非常停止指令が出力された後に、昇降路終端検出部34bがOFF状態からON状態になったことを検出することで、制動距離が許容最大値sを超えてしまったことを判断できる。
ステップS605において、昇降路終端検出部34bのON信号を検出した場合には、判定部26は、制動距離が許容最大値sを超えてしまったと判断し、ステップS606に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がNGであった旨を表示する。
一方、ステップS605において、昇降路終端検出部34bのON信号を検出していない場合には、判定部26は、制動距離がまだ許容最大値sを超えていないと判断し、ステップS607に進む。そして、ステップS607において、判定部26は、先のステップS604において起動された停止待機タイマが、所定時間を経過して終了したか否かを判断する。
そして、ステップS607において、停止待機タイマが所定時間を経過していない間は、ステップS605に戻り、判定部26は、昇降路終端検出部34bによる判定を繰り返す。一方、ステップS607において、停止待機タイマが所定時間を経過した場合には、ステップS608において、判定部26は、昇降路終端検出部34bがON状態となる前に、かご2が確実に停止したものと判断する。さらに、判定部26は、現在の綱車エンコーダ31の出力値を読み取り、先に記憶しておいた非常停止指令出力時における綱車エンコーダ31の出力値との差分を算出する。
この算出結果から、判定部26は、非常停止指令を出力してから制動停止が完了するまでの綱車1の回転量を求めることができる。そして、判定部26は、求めた回転量が所定値以上であるか否かを判定する。
ここでの所定値とは、かごの減速度が許容最大値であるときの、非常停止指令を出力してから制動停止が完了するまでの回転量に相当する。かご減速度が最大となるのは、ロープスリップが生じない状態、すなわち、綱車の回転量が制動距離と一致する状態を意味する。従って、判定部26は、求めた回転量が所定値以上であれば、かご減速度が許容最大値以下であり、求めた回転量が所定値未満であれば、かご減速度が許容最大値を超えていると判断できる。
そこで、ステップS608において、綱車1の回転量が所定値以上でない場合には、判定部26は、かご減速度が許容最大値を超えていると判断し、ステップS606に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がNGであった旨を表示する。
一方、ステップS608において、綱車1の回転量が所定値以上である場合には、判定部26は、昇降路終端検出部34bがON状態となる前に、かご2が確実に停止し(同時に、かご減速度が許容最小値以上であったと判断でき)、かつ、かご減速度が許容最大値以下であったと判断し、ステップS609に進み、表示部40に非常時制動性能試験の結果がOKであった旨を表示する。このようにして、非常時制動性能試験の一連動作が完了する。
このような手順で非常時制動性能試験を行うことで、エレベーターの状態を、非常制動停止後の状態からさらに変化させることなく、非常制動停止後に、かご減速度が適正であるか否かを直ちに判断することができる。この結果、非常時制動性能試験におけるブレーキの制動力とかご減速度を、同時に、そして容易に確認することが可能となる。
図6のフローチャートによる一連動作を、タイムチャートにまとめたものが、図7である。図6における各ステップの番号を、図7中の()で示している。
以上のように、実施の形態2によれば、制動距離が許容最大値sを超えてしまうことを、先の実施の形態1のように、ドア位置検出部32がOFF状態となることで判定する代わりに、昇降路終端検出部34bがON状態となることで判定することによっても、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、先の実施の形態1と同様に、エレベーターは、減速度が所定値となるように制御する制動力制御ユニット22を備えていてもよい(図1参照)。また、先の実施の形態1と同様に、綱車エンコーダ31の出力とかご2の位置との関係をあらかじめ学習しておき、綱車エンコーダ31の出力を非常停止指令の出力トリガとして用いてもよい。
1 綱車、2 かご、3 おもり、4 ロープ、5 電動機、6 制動部、10 駆動機構部、20 制御部、21 駆動制御回路部、22 制動力制御ユニット、23 試験モード切換スイッチ、24 制動性能チェック回路部、25 走行速度設定部、26 判定部、27 停止指令出力部、28 タイマ部、30 状態検出部、31 綱車エンコーダ、32 ドア位置検出部、33 着床プレート、34a〜34c 昇降路終端検出部、35 昇降路終端検出プレート、40 表示部。

Claims (4)

  1. 一端にかご、他端におもりが接続されたロープが掛けられている綱車を回転駆動させることで前記かごを昇降させる電動機と、
    前記綱車に対する制動力の付勢/開放を行う制動部と、
    前記電動機の回転駆動制御および前記制動部に与える付勢力制御を行うことで前記かごの昇降制御を行う制御部と、
    前記かごが昇降路内の第1の所定位置と、前記第1の所定位置よりも下方の第2の所定位置との間にいることを検出するかご位置検出部と、
    前記綱車の回転量を計測する綱車エンコーダと、
    前記第1の所定位置よりも制動距離の最大許容量分だけ下方の位置を非常停止指令出力位置と規定し、前記第2の所定位置から前記非常停止指令出力位置までの前記綱車の回転量を所定回転量としてあらかじめ設定しておき、非常時制動性能確認を行う際に、前記かごを無負荷状態で所定速度により上昇走行させ、前記かご位置検出部により前記第2の所定位置を検出した後、前記綱車エンコーダにより計測した回転量が前記所定回転量に達したときに、前記かご位置が前記非常停止指令出力位置に達したと判断して非常停止指令を前記制動部に出力して前記綱車を制動停止させると同時に、前記綱車エンコーダの出力値を第1の出力値として記憶し、前記非常停止指令を出力してから前記制動停止が確実に完了するまでの所定時間が経過した後の前記綱車エンコーダの出力値を第2の出力値として読み出し、前記第1の出力値と前記第2の出力値との差分から、制動停止中に回転した前記綱車の回転量を制動時回転量として算出し、算出した前記制動時回転量が、前記所定速度により前記かごを走行させている状態から、許容される最大の減速度で減速させたときの制動距離に対応する回転量以上であり、かつ、前記所定時間が経過する間に前記かご位置検出部により前記第1の所定位置にいることを検出しなかった場合に、前記非常時制動性能確認が良好であると判断する制動性能チェック部と
    を備えることを特徴とするエレベーターの制御装置。
  2. 請求項に記載のエレベーターの制御装置において、
    前記かご位置検出部として、かごが乗場位置近傍に着床したことを検出するドア位置検出部を利用し、かごを上昇走行させた際に、前記ドア位置検出部による検出状態がONからOFFに切り替わる位置を前記第1の所定位置として検出し、前記ドア位置検出部による検出状態がOFFからONに切り替わる位置を前記第2の所定位置として検出することを特徴とするエレベーターの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のエレベーターの制御装置において、
    前記非常時制動性能確認を行う際に、前記綱車の減速度が所定値となるように前記制動部に与える制動力を制御する制動力制御ユニットをさらに備えたことを特徴とするエレベーターの制御装置。
  4. 請求項1ないしのいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置において、
    前記制動性能チェック部による前記非常時制動性能確認の判断結果を表示する表示部をさらに備えたことを特徴とするエレベーターの制御装置。
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