JP5534942B2 - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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本発明は、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子によって構成され、小型化および高容量化が可能な積層セラミックコンデンサに関する。
現在、汎用されている積層セラミックコンデンサの大半は、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された電子部品本体の端部に外部電極が設けられた構成となっている。このような積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体層を構成する誘電体磁器には、従来より、主成分であるチタン酸バリウムにマグネシウムおよび希土類元素等の酸化物粉末を添加して調製された誘電体材料が主として用いられ、これにより静電容量の温度特性や高温負荷寿命を満足するものとなっている(例えば、特許文献1、2を参照)。
一方、内部電極層は、積層セラミックコンデンサに占める内部電極層のコスト割合を低減させるという目的から、従来の白金やパラジウムといった高価な貴金属に代わり、主として卑金属であるニッケルが用いられている。
そして、近年では、携帯電話などモバイル機器の普及や、パソコンなどの主要部品である半導体素子の高速、高周波化に伴う需要の増加から、このような電子機器に搭載される積層セラミックコンデンサは、小型化および高容量化の要求がますます高まってきており、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層および内部電極層の更なる薄層化が求められている。
特開2008−239407号公報 特開2008−109120号公報
ところが、内部電極層にニッケルを用いた積層セラミックコンデンサにおいては、焼成中に、内部電極層の主成分であるニッケルが、隣接する誘電体層側に拡散することから、これにより積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層の絶縁性の低下に伴い、高温負荷寿命が低下しやすいという問題がある。
従って、本発明は、優れた高温負荷寿命を有する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層とニッケルを導体材料とする複数の内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記内部電
極層が露出した端面に設けられた外部電極とを有する積層セラミックコンデンサであって、前記誘電体層が、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子と、該主結晶粒子間に存在する粒界相とを有する焼結体からなり、前記誘電体層と前記内部電極層との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相を有するものであるとともに、前記誘電体層と前記内部電極層とが交互に積層され、静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域において、積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、X方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分したときの全視野数に対して、前記マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の確認された視野数の割合が10〜20%であることを特徴とする。
上記積層セラミックコンデンサでは、前記焼結体が、チタン酸バリウム100モルに対して、バナジウムをV換算で0.03〜0.08モル、マグネシウムをMgO換算
で0.9〜1.1モル、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびイッテルビウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE換算で0.4〜0.6モルおよびマンガンをMnO換算で0.2〜0.3モル含有するとともに、前記誘電体層の平均厚みが0.5〜1.0μm、前記内部電極層の平均厚みが0.4〜0.8μmであることが望ましい。
本発明によれば、優れた高温負荷寿命を有する積層セラミックコンデンサを得ることができる。
(a)は、本実施形態の積層セラミックコンデンサの一例を示す概略断面図であり、(b)は、内部の拡大図である。 (a)は、従来の積層セラミックコンデンサの一例を示す概略断面図であり、(b)は、内部の拡大図である。
本発明の積層セラミックコンデンサについて、図1の概略断面図をもとに詳細に説明する。図1(a)は、本実施形態の積層セラミックコンデンサの一例を示す概略断面図であり、(b)は、内部の拡大図である。
この実施形態の積層セラミックコンデンサは、コンデンサ本体1の両端部に外部電極3が形成されている。外部電極3は、例えば、CuもしくはCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されている。
コンデンサ本体1は、誘電体磁器からなる誘電体層5と内部電極層7とが交互に積層されて構成されている。図1では誘電体層5と内部電極層7との積層状態を単純化して示しているが、この実施形態の積層セラミックコンデンサは誘電体層5と内部電極層7とが数百層にも及ぶ積層体となっている。
本実施形態の積層セラミックコンデンサは、誘電体層5が、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9と、該主結晶粒子9間に存在する粒界相11とを有する焼結体からなり、誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を有することを特徴とする。
これにより、本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、高温負荷寿命を高めることができる。
図2は、従来の積層セラミックコンデンサの一例を示す概略断面図であり、(b)は、内部の拡大図である。なお、図2では、積層セラミックコンデンサを構成する各部材の符号は、図1と同じ部分は、同じ符号を付している。
小型、高容量の積層セラミックコンデンサには、積層セラミックコンデンサに占める内
部電極層7のコスト割合を低減させるという目的から、従来使用されていた白金やパラジウムなどの貴金属に代えて、主として卑金属であるニッケルが用いられている。
ところが、内部電極層7にニッケルを用いた積層セラミックコンデンサにおいては、焼成中に、内部電極層7の主成分であるニッケルが隣接する誘電体層5側に拡散し、誘電体層5の内部電極層との間(界面近傍)にNiO13a(ここで、x<1の範囲を有する。以下、x<1の表記は省略する。)の拡散した領域13(以下、拡散領域13とする)が形成される。この場合、拡散領域13におけるNiO13aはニッケル(Ni)と酸素(O)との間で不定比の酸化物の状態で存在する割合が高いために、これにより積層セラミックコンデンサは誘電体層5の絶縁性が低下しやすく、その結果、積層セラミックコンデンサに対する信頼性試験の一つである高温負荷寿命を満足させることが困難となっている。このことは、誘電体層5が薄層化され、誘電体層5の厚みに対するNiO13aの拡散している幅の割合が大きいほど顕著なものとなる。
これに対して、本実施形態の積層セラミックコンデンサは、誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を有している。
この場合、マグネシアの固溶によりNiO13aの拡散領域13におけるNiO13aは、ニッケル(Ni)と酸素(O)との間で不定比の酸化物の状態で存在する割合が、マグネシアの固溶量が少なく、マグネシアの固溶した酸化ニッケルが結晶相として認められない場合に比較して、ニッケル(Ni)と酸素(O)との間で不定比の酸化物として存在する割合が減少すると考えられる。このため本実施形態の積層セラミックコンデンサは誘電体層5の絶縁性が高く、その結果、高温負荷寿命を向上させることができる。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を有する場合に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12の最長径が0.3μm以上であると、高温負荷寿命をさらに高めることができる。
なお、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12は、走査型電子顕微鏡に備えられている分析機(エネルギー分散型X線マイクロアナライザ(EDX)または波長分散型X線マイクロアナライザ(WDX))、もしくは同様の分析機を備えた透過型電子顕微鏡を用いて同定することができる。この場合、酸化ニッケルにマグネシアが固溶した状態は、EDXまたはWDXのモニターに、ニッケル(Ni)および酸素(O)とともに、マグネシウム(Mg)のピークがノイズレベルよりも高いピークとして現れている場合をいう。
ところで、誘電体層5となる焼結体を構成する主結晶粒子9としては、所望とする誘電特性に応じて、チタン酸バリウム(BaTiO)、バリウムサイトにカルシウムまたはストロンチウムなどのアルカリ土類元素を固溶させたBa1−xCaTiO(x=0.01〜0.1)またはBa1−xSrTiO(x=0.01〜0.1)、あるいはバリウムサイトにカルシウムを固溶させるとともに、チタンサイトにジルコニウムを固溶させたBa1−xCaTi1−yZr(x=0.01〜0.1、y=0.05〜0.5)を用いることができる。特に、高温負荷寿命を高められることに加えて、室温を中心とする広い温度範囲で静電容量の温度変化率を比較的小さくできるという理由から、BaTiOが好適である。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、誘電体層5を構成する焼結体が、チタン酸バリウムに、少なくともマグネシウム(Mg)とともにリチウム(Li)を含有するものであることが望ましい。誘電体層5を構成する焼結体が、チタン酸バリウムに、
少なくともマグネシウム(Mg)およびリチウム(Li)を含有するものであると、誘電体層5を構成する焼結体の密度を高められるとともに、積層セラミックコンデンサのキュリー温度を室温に近い適正な温度範囲に制御することができ、これにより静電容量の温度特性を安定化させることが可能になる。
例えば、誘電体層5を構成する焼結体が、チタン酸バリウム100モルに対して、バナジウムをV換算で0.03〜0.08モル、マグネシウムをMgO換算で0.9〜1.1モル、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびイッテルビウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE換算で0.4〜0.6モルおよびマンガンをMnO換算で0.2〜0.3モル含有するとともに、誘電体層5の平均厚みが0.5〜1.0μm、内部電極層7の平均厚みが0.4〜0.8μmであるものを用いると、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層5の室温における比誘電率が3000以上であり、静電容量の温度特性がEIA規格のX5R特性(−55〜85℃の温度範囲において、25℃を基準にしたときの静電容量の変化率が±15%以内を示すもの)を満足するとともに、170℃、10Vの条件での高温負荷寿命を7時間以上に高めることができ、かつ積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量を29μF/mm以上に高めることができる。この場合、単位体積当たりの静電容量は、測定した静電容量の値をコンデンサ本体1の静電容量を発現する部分の体積で除して求める。ここで、コンデンサ本体1の静電容量を発現する部分の体積は、コンデンサ本体1中の内部電極層7の有効面積と、コンデンサ本体1における最上層の内部電極層7から最下層の内部電極層7までの厚みとを乗じた値であり、また、有効面積とは、コンデンサ本体1の異なる端面にそれぞれ露出するように積層方向に交互に形成された内部電極層7同士の重なる部分の面積のことである。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサでは、上記の室温における比誘電率、静電容量の温度特性、高温負荷寿命および単位体積当たりの静電容量の各特性を満足できるという点で、誘電体層5を構成するチタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子9の平均粒径が0.15〜0.25μmであることが望ましい。
ここで、主結晶粒子9の平均粒径は、以下の手順で測定する。まず、焼成後のコンデンサ本体1である試料の破断面を研磨する。この後、研磨した試料を走査型電子顕微鏡を用いて内部組織の写真を撮り、その写真上で結晶粒子が50〜100個入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択する。次いで、各結晶粒子の輪郭を画像処理して、各結晶粒子の面積を求め、同じ面積をもつ円に置き換えたときの直径を算出し、その平均値より求める。
また、誘電体層5の平均厚みは、以下のようにして測定する。まず、積層セラミックコンデンサを内部電極層7が複数積層されている方向を見ることができるように研磨し、断面を露出させる。次に、走査型電子顕微鏡観察により、その積層方向の中央部の誘電体層5を5層選択する。次に、走査型電子顕微鏡に映し出された画像を観察しながら、選択した誘電体層5を内部電極層7の両端間を面方向におおよその間隔で10等分し、その等分した箇所(両端を含め11箇所)のうち両端を除いた9箇所について誘電体層5の厚みを測定する。この測定を他の4層の誘電体層5についても同様に適用し、測定した厚みの値から平均値を求めることにより、誘電体層5の平均厚みを求める。
内部電極層7の平均厚みは、上記誘電体層5の平均厚みの測定の場合を内部電極層7に置き換えた測定を行って求める。
また、誘電体磁器の組成は、積層セラミックコンデンサを酸に溶解させた溶液をICP(inductively Coupled Plasma)分析および原子吸光分析を用いて求められる。この場合
、各元素の価数を周期表に示される価数として酸素量を求める。
また、誘電体層5を構成する焼結体として、チタン酸バリウム100モルに対して、バナジウムをV換算で0.03〜0.08モル、マグネシウムをMgO換算で0.9〜1.1モル、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびイッテルビウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE換算で0.4〜0.6モルおよびマンガンをMnO換算で0.2〜0.3モル含有するとともに、誘電体層5の平均厚みが0.5〜1.0μm、内部電極層7の平均厚みが0.4〜0.8μmであるものを用いる場合、誘電体層5と内部電極層7とが交互に積層され、静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域において、積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、X方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分したときの全視野数に対して、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12が確認された視野数の割合が10〜20%であることが望ましい。
これにより、積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層5の室温における比誘電率が3400以上であり、静電容量の温度特性がEIA規格のX5R特性を満足し、積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量が30μF/mm以上を有するとともに、170℃、10Vの条件での高温負荷寿命を9時間以上に高めることができる。
ここで、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12の存在割合は、上述した分析機を備えた走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡を用いて求める。この場合、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡の画像から、コンデンサ本体1を積層方向に切断したときの静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域を選択し、次いで、この100μm×100μmの領域をX方向およびY方向にそれぞれほぼ等間隔で20等分する。次に、分割した各領域の観察と分析を行い、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12の有無を判定し、100μm×100μmの領域の全視野数を100%としたときに、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12が存在している視野数の割合を求める。この場合、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶12が存在するという判定は、上述したように走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡に付設の分析機により行う。
次に、本発明の積層セラミックコンデンサを製造する方法について説明する。
まず、誘電体粉末をポリビニルブチラール樹脂などの有機樹脂やトルエンおよびアルコールなどの溶媒とともにボールミルなどを用いてセラミックスラリを調製し、次いで、セラミックスラリをドクターブレード法やダイコータ法などのシート成形法を用いて基材上にセラミックグリーンシートを形成する。セラミックグリーンシートの厚みは誘電体層5の高容量化のための薄層化、高絶縁性を維持するという点で0.8〜1.5μmが好ましい。
ところで、積層セラミックコンデンサの製造に用いる誘電体材料としては、所望とする誘電特性に応じて、チタン酸バリウム(BaTiO、以下BT粉末という)、バリウムサイトにカルシウムまたはストロンチウムなどのアルカリ土類元素を固溶させたBa1−xCaTiO(x=0.01〜0.1、以下、BCT粉末という)粉末またはBa1−xSrTiO(x=0.01〜0.1、以下、BST粉末という)粉末、あるいは、チタン酸バリウムのバリウムサイトにカルシウムを固溶させるとともに、チタンサイトにジルコニウムを固溶させたBa1−xCaTi1−yZr(x=0.01〜0.1、y=0.05〜0.5、以下、BCTZ粉末という)粉末を用いることができる。
上述した粉末の中で、室温を中心とする広い温度範囲で静電容量の温度変化率が比較的
小さい積層セラミックコンデンサを得ることができるという理由から、BT粉末が好適である。BT粉末は、Ba/Tiのモル比が1.001〜1.009であり、また、その平均粒径が0.1〜0.2μmであるものがよい。これにより誘電体層5の薄層化を容易にし、BT粉末として、後述する焼成条件により、優れた高温負荷寿命を示す積層セラミックコンデンサを得ることができる。
また、上述のBT粉末、BCT粉末、BST粉末およびBCTZ粉末のいずれか1種の粉末を含むセラミックスラリに、少なくともMgO粉末とともに、SiO、BaO、CaOおよびLiOを主成分として含むガラス粉末とリチウムを含む溶液とを添加すると、セラミックグリーンシートが焼成された誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を生成させることが可能になる。
これは、セラミックスラリ中にリチウムを含む溶液を添加することで、SiO、BaO、CaOおよびLiOを主成分として含むガラス粉末の焼結助剤としての効果がさらに高まり、誘電体層5となる焼結体の焼結性を高めることができるとともに、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を生成させることができるからである。なお、セラミックスラリ中にリチウムを含む溶液を添加して作製したセラミックグリーンシートを用いた場合には、リチウムを含む溶液を添加せずに作製したセラミックグリーンシートを用いた場合に比較して、焼結温度を10℃以上低くすることもできる。
また、この実施形態の積層セラミックコンデンサを製造する際に用いる誘電体粉末として、チタン酸バリウム粉末に、バナジウム、マグネシウム、希土類元素(RE)、マンガンおよびSiOを主成分とするガラス粉末などの焼結助剤を所定量添加したものを用いた場合には、高温負荷寿命とともに、高誘電率であり、EIA規格のX5R特性を満足しつつ、積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
例えば、純度が99.9%以上、Ba/Tiのモル比が1.001〜1.009であり、平均粒径が0.1〜0.2μmであるBT粉末に、V粉末と、MgO粉末と、Y粉末、Dy粉末、Ho粉末およびYb粉末から選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)の酸化物粉末と、およびマンガンを含む粉末(ここでは、MnCO粉末を用いる)とを添加する。この場合、その組成は、BT粉末100モルに対し、V粉末を0.03〜0.08モル、MgO粉末を0.9〜1.1モル、Y粉末、Dy粉末、Ho粉末、およびYb粉末から選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)の酸化物粉末を0.4〜0.6モルおよびマンガンを含む粉末を0.2〜0.3モルの割合で配合することが望ましい。
続いて、上述した範囲で、V粉末、MgO粉末、希土類元素(RE)の酸化物粉末およびマンガンを含む粉末を添加したBT粉末に対し、SiOを主成分とするガラス粉末とリチウムを含む溶液とを添加し、これに有機バインダと溶媒とを加え混合してセラミックスラリを調製する。
用いるガラス粉末は、SiO、BaO、CaOおよびLiOを主成分として含むものであり、その組成は、SiOを1モルとしたときに、BaOを0.15〜0.40モル、CaOを0.15〜0.4モルおよびLiOを0.05〜0.25モル含むものを用いることが好ましい。
また、リチウムを含む溶液としては、Li成分をLiOとして0.05〜1質量%含む水溶液を用いるのがよく、焼結助剤としての組成は、SiOを1モルとしたときに、0.3〜0.9モルであることが好ましい。
このように、ガラス成分として、SiO、BaO、CaOおよびLiOを主成分として含むガラス粉末とともに、リチウムを含む溶液を添加する。これによりセラミックグリーンシートが焼成された誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を生成させることが可能になる。
この場合、セラミックスラリ中に含まれるSiOのモル数をM1とし、LiOのモル数をMとしたときの比M/Mが0.83〜1.08であることが望ましい。これにより、積層セラミックコンデンサの静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域において、積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、X方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分したときの全視野数に対して、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12が確認された割合が10〜20%となり、これにより、室温における比誘電率が3400以上であり、静電容量の温度特性がEIA規格のX5R特性を満足し、積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量が30μF/mm以上を有するとともに、170℃、10Vの条件での高温負荷寿命を9時間以上という特性を有する積層セラミックコンデンサを得ることができる。
なお、これらの原料試薬の純度は、得られる誘電体層5となる焼結体への不純物の混入を抑制し、高い誘電特性を得るという理由からいずれも99.5%以上であるのがよい。
次に、得られたセラミックグリーンシートの主面上に矩形状の内部電極パターンを印刷して形成する。内部電極パターンとなる導体ペーストは、Niもしくはこれらの合金粉末を主成分金属とし、これに共材としてのセラミック粉末(この場合、BT粉末またはセラミックグリーンシートに用いた誘電体粉末を用いる)を混合し、有機バインダ、溶剤および分散剤を添加して調製する。また、セラミックグリーンシート上の内部電極パターンによる段差を解消するために、内部電極パターンの周囲にセラミックパターンを内部電極パターンと実質的に同一厚みで形成することが好ましい。この場合、セラミックパターンを構成するセラミック成分は、同時焼成での焼成収縮を同じにするという点でセラミックグリーンシートに用いた誘電体粉末を用いることが好ましい。
次に、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所望枚数重ねて、その上下に内部電極パターンを形成していないセラミックグリーンシートを複数枚、上下層が同じ枚数になるように重ねて仮積層体を形成する。仮積層体中における内部電極パターンは長寸方向に半パターンずつずらしてある。このような積層工法により切断後の積層体の端面に内部電極パターンが交互に露出されるように形成できる。
なお、本実施形態の積層セラミックコンデンサは、セラミックグリーンシートの主面に内部電極パターンを予め形成した後に積層する工法の他に、セラミックグリーンシートを一旦下層側の機材に密着させた後に、内部電極パターンを印刷し、乾燥させ、印刷、乾燥された内部電極パターン上に、内部電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートを重ねて仮密着させ、セラミックグリーンシートの密着と内部電極パターンの印刷を逐次行う工法によっても形成できる。
次に、仮積層体を上記仮積層時の温度圧力よりも高温、高圧の条件にてプレスを行い、セラミックグリーンシートと内部電極パターンとが強固に密着された積層体を形成する。
次に、積層体を格子状に切断することにより内部電極パターンの端部が露出するコンデンサ本体成形体を形成する。
次に、コンデンサ本体成形体を、所定の雰囲気下、温度条件で焼成してコンデンサ本体
1を形成する。場合によっては、コンデンサ本体1の稜線部分の面取りを行うとともに、コンデンサ本体1の対向する端面から露出する内部電極層7を露出させるためにバレル研磨を施しても良い。
次に、得られたコンデンサ本体成形体を脱脂した後、焼成する。焼成は、昇温速度を1000〜2400℃/hとし、最高温度を1030〜1230℃、保持時間を0.1〜4時間とし、水素−窒素の雰囲気中にて行うことが望ましい。この後、900〜1100℃の温度範囲で再酸化処理を行うことによってコンデンサ本体1を得る。焼成をこのような条件で行うことにより、誘電体層5と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相12を有する焼結体からなる誘電体層5を有するコンデンサ本体1を得ることができる。
次に、このコンデンサ本体1の対向する端部に、外部電極ペーストを塗布して焼付けを行い外部電極3を形成する。また、場合によっては、この外部電極3の表面に実装性を高めるためにメッキ膜を形成する。こうして本実施形態の積層セラミックコンデンサが得られる。
まず、原料粉末として、純度が99.9%、平均粒径が0.2μm、Ba/Tiのモル比が1.005のBT粉末を準備した。
次に、ボールミル中において、BT粉末100モルに対して、V粉末と、MgO粉末と、Y粉末、Dy粉末、Ho粉末、およびYb粉末から選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)の酸化物粉末と、MnCO粉末と、ガラス粉末およびリチウム溶液(LiOを0.1質量%を含む水溶液)とを、表1に示す割合になるように添加混合した。次いで、これにポリビニルブチラール樹脂と、トルエンおよびアルコールの混合溶媒中に投入し、直径1mmのジルコニアボールを用いて湿式混合してセラミックスラリを調製し、ドクターブレード法により厚み0.6〜2.5μmのセラミックグリーンシートを作製した。
次に、このセラミックグリーンシートの上面にNiを主成分とする導体ペーストを矩形状の内部電極パターンとなるように複数形成した。内部電極パターンを形成するための導体ペーストは、平均粒径が0.2μmのNi粉末100質量部に対してBT粉末を添加したものを用いた。
次に、内部電極パターンを印刷したセラミックグリーンシートを200枚積層し、その上下面に内部電極パターンを印刷していないセラミックグリーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレス機を用いて温度60℃、圧力10Pa、時間10分の条件で密着させて積層体を作製し、しかる後、この積層体を、所定の寸法に切断してコンデンサ本体成形体を形成した。
次に、コンデンサ本体成形体を大気中で脱バインダ処理した後、水素−窒素中、1150で焼成してコンデンサ本体を作製した。この焼成では、ローラーハースキルンを用いて、2000℃/hrの昇温速度の条件で焼成を行った。なお、焼結助剤として、Liを含む溶液を用いなかった試料No.5は、1150℃では他の試料と同等の密度にまで至らなかったため、焼成温度を1170℃とした。
作製したコンデンサ本体は、続いて、窒素雰囲気中1000℃で4時間再酸化処理を行った。このコンデンサ本体の大きさは0.6mm×0.3mm×0.3mm、内部電極層の1層の有効面積は設計値で0.125mmになるようにした。
次に、コンデンサ本体をバレル研磨した後、コンデンサ本体の両端部にCu粉末とガラスとを含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃で焼き付けを行って外部電極を形成した。その後、電解バレル機を用いて、この外部電極の表面に、順にNiメッキ及びSnメッキを行い、積層セラミックコンデンサを作製した。
次に、これらの積層セラミックコンデンサについて以下の評価を行った。高温負荷試験は、温度170℃、直流電圧10Vとし、試料である積層セラミックコンデンサの抵抗が10Ωを下回ったときの時間を測定した。この場合、温度170℃、直流電圧10Vで4時間以上であれば、X5R特性の上限温度である85℃で、定格電圧の1.5倍の電圧の条件で1000時間以上を満足するものとなる。試料数は20個とした。
室温(25℃)における比誘電率は静電容量をLCRメータ(ヒューレットパッカード社製)を用いて、温度25℃、周波数1.0kHz、AC電圧を1.0Vrmsとして測定し、誘電体層の厚みと内部電極層の有効面積から求めた。なお、有効面積とは、コンデンサ本体の異なる端面にそれぞれ露出するように積層方向に交互に形成された内部電極層同士の重なる部分の面積のことである。
また、静電容量の温度特性は静電容量を温度−55〜85℃の範囲で測定し、25℃での静電容量を基準にしたときの85℃における静電容量の変化率を求めた。
また、測定した静電容量の値をコンデンサ本体の静電容量Cを発現する部分の体積Vで除して、単位体積当たりの静電容量(C/V)を求めた。なお、コンデンサ本体の静電容量を発現する部分の体積Vは、コンデンサ本体において、誘電体層を挟んで内部電極層が重なっている領域を面積Aとし、また、積層方向の最上層の内部電極層から最下層の内部電極層までの厚みを長さLとしたときに、A×Lで表される値である。ここで比誘電率、静電容量の温度特性および単位体積当たりの静電容量(C/V)を求めるときの試料数は各50個とした。
マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相(表1では、便宜上、MgNiO相と表している)は、透過型電子顕微鏡に備えられている分析機(エネルギー分散型X線マイクロアナライザ(EDX)を用いて同定した。この場合、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の判定は、EDXのモニターに、ニッケル(Ni)および酸素(O)とともに、マグネシウム(Mg)のピークがノイズレベルよりも高いピークとして現れているものとした。なお、作製した試料では、試料No.5を除いて、誘電体層中にマグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相が認められ、その最長径はいずれも0.3μm以上であった。
また、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の存在割合は、上述した分析機を備えた透過型電子顕微鏡を用いて求めた。具体的には、まず、透過型電子顕微鏡の画像からコンデンサ本体を積層方向に切断したときの断面の誘電体層と内部電極層とが交互に積層され、静電容量の発現に寄与する部分の100μm×100μmの領域を選択し、次いで、コンデンサ本体の積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、100μm×100μmの領域をX方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分し、次に、等間隔で分割した各領域の観察と分析を行って、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の有無を判定し、100μm×100μmの領域の全視野数に対して、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相が存在している視野数の割合を求めた。
また誘電体層を構成する主結晶粒子の平均粒径は、焼成後のコンデンサ本体である試料の破断面を研磨した後、走査型電子顕微鏡を用いて内部組織の写真を撮り、その写真上で結晶粒子が30個入る円を描き、円内および円周にかかった結晶粒子を選択し、各結晶粒
子の輪郭を画像処理し、各粒子の面積を求め、同じ面積を持つ円に置き換えたときの直径を算出し、その平均値より求めた。測定した結果、作製した試料である積層セラミックコンデンサは、誘電体層を構成するチタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子の平均粒径がいずれも0.20〜0.23μmの範囲の値を示した。
また、誘電体層の平均厚みは、以下のようにして求めた。まず、積層セラミックコンデンサを内部電極層が複数積層されている方向を見ることができるように研磨し、断面を露出させた。次に、走査型電子顕微鏡観察により、その積層方向の中央部の誘電体層を5層選択した。次に、走査型電子顕微鏡に映し出された画像を観察しながら、選択した誘電体層を内部電極層の両端間を面方向におおよそ10等分し、その等分した箇所のうち両端を除いた9箇所について誘電体層の厚みを測定し、この測定を他の4層の誘電体層についても同様に適用して測定した。測定した厚みの値から平均値を求めることにより、誘電体層5の平均厚みを求めた。
内部電極層の平均厚みは、上記誘電体層の平均厚みの測定の場合を内部電極層7に置き換えた測定を行って求めた。
また、得られた試料の組成分析はICP(inductively Coupled Plasma)分析および原子吸光分析により行った。この場合、得られた積層セラミックコンデンサから外部電極を取り除きコンデンサ本体の状態にしたものを硼酸と炭酸ナトリウムと混合し、溶融させ、これを塩酸に溶解させて、まず、原子吸光分析により誘電体層に含まれる元素の定性分析を行った。次に、特定した各元素について標準液を希釈したものを標準試料として、ICP発光分光分析にかけて定量化した。また、各元素の価数を周期表に示される価数として酸素量を求めた。なお、得られた積層セラミックコンデンサを構成する誘電体層に含まれる各成分(V、希土類元素の酸化物(RE)、MgOおよびMnO(MnCOは焼結体中ではCOが除かれたものとなる))の組成は表1に示した組成と一致した。
なお、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の存在割合、誘電体層を構成する主結晶粒子の平均粒径、誘電体層の平均厚みおよび内部電極層の平均厚みは、各1個の試料を用いて求めた。
調合組成および焼成条件を表1に、誘電体層の平均厚み、内部電極層の平均厚み、得られた積層セラミックコンデンサの誘電体層中に存在するマグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の存在割合および誘電特性(高温負荷寿命、比誘電率、静電容量の温度特性および単位体積当たりの静電容量)の結果を表2にそれぞれ示す。
Figure 0005534942
Figure 0005534942
表1、2の結果から明らかなように、本発明の試料No.1〜4および6〜38では、積層セラミックコンデンサを170℃、10Vの条件で処理したときの高温負荷寿命を4時間以上にできた。
また、誘電体層を構成する焼結体が、チタン酸バリウム100モルに対して、バナジウムをV換算で0.03〜0.08モル、マグネシウムをMgO換算で0.9〜1.1モル、イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびイッテルビウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE換算で0.4〜0.6モルおよびマンガンをMnO換算で0.2〜0.3モル含有し、その平均厚みが0.5〜1.0μmであるとともに、内部電極層7の平均厚みが0.4〜0.8μmである試料No.1〜4、6、13〜23、26、27、29、30、33、34および36〜38では、室温における比誘電率が3000以上であり、静電容量の温度特性がEIA規格のX5R特性を満足するとともに、170℃、10Vの条件での高温負荷寿命を7時間以上に高めることができ、かつ積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量が29μF/mm以上であった。
さらに、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の存在割合が、誘電体層と内部電極層とが交互に積層され、静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域において、積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、X方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分したときの全視野数に対して、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相が確認された視野数の割合が10〜20%である試料No.1〜3、13〜23、26、27、29、30、33、34および36〜38では、比誘電率が3400以上であり、静電容量の温度特性がEIA規格のX5R特性を満足し、積層セラミックコンデンサの単位体積当たりの静電容量が30μF/mm以上を有するとともに、170℃、10Vの条件での高温負荷寿命が9時間以上であった。
これに対し、誘電体層と内部電極層7との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相を有しない試料No.5では、積層セラミックコンデンサを170℃、10Vの条件で処理したときの高温負荷寿命が2時間であった。
1 コンデンサ本体
3 外部電極
5 誘電体層
7 内部電極層
9 主結晶粒子
11 粒界相
12 マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相
13 ニッケルの拡散層
13a ニッケル

Claims (2)

  1. 複数の誘電体層とニッケルを導体材料とする複数の内部電極層とが交互に積層されたコンデンサ本体と、該コンデンサ本体の前記内部電極層が露出した端面に設けられた外部電極とを有する積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体層が、チタン酸バリウムを主成分とする主結晶粒子と、該主結晶粒子間に存在する粒界相とを有する焼結体からなり、前記誘電体層と前記内部電極層との間に、マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相を有するものであるとともに、
    前記誘電体層と前記内部電極層とが交互に積層され、静電容量の発現に寄与する部分の断面における100μm×100μmの領域において、積層方向をY方向とし、積層方向に垂直な方向をX方向としたとき、X方向およびY方向にそれぞれ等間隔で20等分したときの全視野数に対して、前記マグネシアが固溶した酸化ニッケルの結晶相の確認された視野数の割合が10〜20%である
    ことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記焼結体が、
    チタン酸バリウム100モルに対して、
    バナジウムをV換算で0.03〜0.08モル、
    マグネシウムをMgO換算で0.9〜1.1モル、
    イットリウム、ジスプロシウム、ホルミウムおよびイッテルビウムから選ばれる少なくとも1種の希土類元素(RE)をRE換算で0.4〜0.6モル
    およびマンガンをMnO換算で0.2〜0.3モル
    含有するとともに、
    前記誘電体層の平均厚みが0.5〜1.0μm、前記内部電極層の平均厚みが0.4〜0.8μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
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