JP2011184251A - 誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高電界強度の電圧が印加されても良好な誘電特性を有し、高温負荷試験の寿命特性が優れた積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】本発明に係る誘電体セラミックは、主成分としてABO3(ただし、Aは、Ba、Ca、Srのうちの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfのうちの少なくとも1種である。)を含み、副成分としてCaCu3Ti412を含むことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は誘電体セラミックに関する。また、本発明は該誘電体セラミックを使用して製造された積層セラミックコンデンサに関する。
近年のエレクトロニクス技術の進展に伴い、積層セラミックコンデンサには小型化かつ大容量化が要求されている。これらの要求を満たすため、積層セラミックコンデンサの誘電体層の薄層化が進められている。しかし、誘電体層を薄層化すると、1層あたりにかかる電界強度が相対的に高くなる。よって、誘電体層に用いられる誘電体セラミックに対しては、電圧印加時における信頼性の向上が求められる。
例えば、特許文献1には、チタン酸バリウムと、アルカリ土類酸化物と、酸化ケイ素を含むガラスと、を含む誘電体セラミックが記載されている。そして、誘電体層を薄層化しても信頼性の高い誘電体セラミックが得られるとしている。
特開2003−63862号公報
ところが、特許文献1に開示の組成で積層セラミックコンデンサを作製した際に、誘電体層の厚みを1μm程度にまで薄層化してくると、高温負荷試験の寿命特性が低下するという問題点があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであって、誘電体層がより一層薄層化し、高電界強度の電圧が印加されても、良好な誘電特性を有し、高温負荷試験の寿命特性が優れた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明に係る誘電体セラミックは、主成分としてABO3(ただし、Aは、Ba、Ca、Srのうちの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfのうちの少なくとも1種である。)を含み、副成分としてCaCu3Ti412を含むことを特徴としている。
また、本発明に係る誘電体セラミックは、前記ABO3におけるAはBaを含み、前記ABO3におけるBはTiを含むことが好ましい。
また、本発明に係る誘電体セラミックは、前記ABO3におけるAはCaおよびSrの少なくとも一方を含み、前記ABO3におけるBはZrおよびHfの少なくとも一方を含むことが好ましい。
また、本発明に係る誘電体セラミックは、前記CaCu3Ti412の濃度は、前記ABO3100モルに対して0.1〜5.0モルであることが好ましい。
また、本発明に係る誘電体セラミックは、副成分として、R(Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYのうちの少なくとも1種である。)およびM(Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Cr、Cu、Mg、Al、V、MoおよびWのうちの少なくとも1種である。)をさらに含み、前記Rおよび前記Mの濃度は、前記ABO3100モルに対してそれぞれ0.3〜6.0モルおよび0.01〜3.00モルであることが好ましい。
また、本発明は、積層されている複数の誘電体層と、前記誘電体層間の特定の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極の特定のものと電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサにも向けられる。この場合、前記誘電体層は、上述したこの発明に係る誘電体セラミックからなることを特徴としている。
本発明に係る誘電体セラミックは、主成分としてABO3を含み、副成分としてCaCu3Ti412を含むことにより、誘電体層がより一層薄層化し、高電界強度の電圧が印加されても、良好な誘電特性を有し、高温負荷試験の寿命特性が優れた積層セラミックコンデンサを提供することができる。
本発明の実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 実験例1−2の条件の誘電体セラミックのXRDチャートを示す図である。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2を備えている。積層体2は、積層される複数の誘電体層3と、複数の誘電体層3間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形成される複数の内部電極4および5とで構成される。内部電極4および5は、例えばニッケル、ニッケル合金、銅または銅合金のような卑金属を主成分としている。内部電極4および5は、積層体2の外表面にまで到達されるように形成されるが、積層体2の一方の端面6にまで引き出される内部電極4と、他方の端面7にまで引き出される内部電極5が、積層体2の内部において交互に配置されている。
積層体2の外表面には、外部電極8および9が形成されている。図1では、積層体2の少なくとも端面6および7上にそれぞれ外部電極8および9が形成されている。外部電極8および9は、前述の内部電極4および5において用いた金属と同じものを主成分としても良い。あるいは、銀、パラジウム、銀−パラジウム合金などを主成分としても良い。外部電極8は、端面6上において、内部電極4と電気的に接続される。一方、外部電極9は、端面7上において、内部電極5と電気的に接続される。
外部電極8および9上には、必要に応じて、ニッケル、銅等からなる第1のめっき層10および11がそれぞれ形成されている。さらにその上には、はんだ、錫等からなる第2のめっき層12および13がそれぞれ形成されている。
このような積層セラミックコンデンサ1において、誘電体層3は、本発明に係る誘電体セラミックから構成される。すなわち、誘電体セラミックは、主成分としてABO3(ただし、Aは、Ba、Ca、Srのうちの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfのうちの少なくとも1種である。)を含み、副成分としてCaCu3Ti412を含むことを特徴としている。副成分としてCaCu3Ti412を含むことにより、誘電率を向上させ、静電容量の温度特性を向上させることができる。また、誘電体層を薄層化した場合においても、高温負荷試験における寿命特性を向上させることができる。
なお、主成分である前記ABO3におけるAはBaを含み、前記ABO3におけるBはTiを含むことが好ましい。すなわち、BaTiO3系を主成分としている場合に、高温負荷試験における寿命特性を向上させることができ、特に好ましい。また、前記ABO3におけるAにCaおよびSrの少なくとも一方を含み、前記ABO3におけるBにZrおよびHfの少なくとも一方を含んでいても良い。
また、本発明に係る誘電体セラミックにおいて、副成分である前記CaCu3Ti412の濃度は、前記ABO3100モルに対して0.1〜5.0モルであることが好ましい。この範囲内において、この誘電体セラミックをもって構成した積層セラミックコンデンサの高温負荷試験における寿命特性を向上させることができ、特に好ましい。
また、本発明に係る誘電体セラミックにおいて、副成分として、R(Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYのうちの少なくとも1種である。)およびM(Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Cr、Cu、Mg、Al、V、MoおよびWのうちの少なくとも1種である。)をさらに含み、前記Rおよび前記Mの濃度は、前記ABO3100モルに対してそれぞれ0.3〜6.0モルおよび0.01〜3.00モルであることが好ましい。この範囲内において、この誘電体セラミックをもって構成した積層セラミックコンデンサの高温負荷試験における寿命特性を一層向上させることができる。
次に、この積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
(A)セラミック原料粉末の作製
本発明に係る誘電体セラミックの原料粉末であるセラミック原料粉末は、一例として、以下のように作製される。
最初に、主成分となるべき原料粉末であるABO3粉末を用意する。ABO3粉末は、例えば固相合成法で作製する。固相合成法は、主成分の構成元素を含む酸化物、炭酸物、塩化物、金属有機化合物等の化合物粉末を所定の割合で混合して、仮焼する方法である。なお、固相合成法以外にも、水熱合成法や、加水合成法によって作製することも可能である。
次に、副成分となるべき原料粉末であるCaCu3Ti412粉末を用意する。CaCu3Ti412粉末は、固相合成法で作製する。例えば、Ca酸化物、Cu酸化物およびTi酸化物を所定の割合で混合して、その後に仮焼して、CaCu3Ti412を形成する。
次に、主成分の原料粉末と、副成分の原料粉末を所定の割合で混合することによって、セラミック原料粉末を得る。
なお、セラミック原料粉末には、必要に応じて、副成分として、R(Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYのうちの少なくとも1種である。)およびM(Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Cr、Cu、Mg、Al、V、MoおよびWのうちの少なくとも1種である。)を混合しても良い。また、積層セラミックコンデンサの絶縁性を保持するため、例えばDyを加えても良い。また、粒成長の抑制のため、例えばMgを加えても良い。また、焼結性の向上のため、例えばSi等を加えても良い。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
本発明に係る誘電体セラミックコンデンサは、一例として、以下のように作製される。
まず、誘電体層となるべきセラミックグリーンシートを形成する。具体的には、上記のように得られたセラミック原料粉末に、有機バインダおよび溶剤を加えて混合することによって、スラリーを作製する。このスラリーを例えばドクターブレード法等によりシート成形することによって、セラミックグリーンシートを形成する。
次に、生の積層体を形成する。具体的には、特定のセラミックグリーンシート上に、内部電極4または5となるべき導電性ペースト膜を形成する。導電性ペースト膜は、例えばスクリーン印刷法で形成される。そして、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを積層して、圧着した後、必要に応じてカットする。
次に、生の積層体を焼成する。これによって、図1に示すような焼結後の積層体2を得る。
次に、内部電極4および5と電気的に接続されるように、積層体2の端面6および7上に、それぞれ外部電極8および9を形成する。外部電極は、例えば導電性ペーストに積層体を塗布して、焼き付けることにより形成する。その後、必要により第1のめっき層および第2のめっき層を形成しても良い。このようにして、積層セラミックコンデンサ1を作製する。
次に、この発明による効果を確認するため実施した実験例について説明する。
[実験例1]
実験例1では、主成分としてBaTiO3を含み、CaCu3Ti412の量を変えた場合において、各種特性を評価した。
(A)セラミック原料粉末の作製
最初に、主成分となるべき原料粉末を作製した。まず出発原料として、BaCO3、TiO2の各粉末を用意した。そして、BaTiO3の組成比となるように秤量した。その後、ボールミルにより混合した後に乾燥した。その後、1150℃で仮焼して、BaTiO3粉末を得た。BaTiO3粉末の平均粒径は0.15μmであり、Ba/Ti比は1.001であった。
次に、CaCu3Ti412粉末を作製した。最初に出発原料として、CaCO3、CuO、TiO2の各粉末を用意した。そして、CaCO3:CuO:TiO2=1:3:4のモル比となるように出発原料を秤量した。その後、ボールミルにより混合した後にその混合物を乾燥した。その後、混合物を900℃で仮焼して、CaCu3Ti412粉末を得た。この粉末はXRD(X−ray Diffraction)測定により、結晶性を有することを確認した。
次に、BaTiO3、CaCu3Ti412、Dy23、MgCO3、SiO2の各粉末を表1の配合比となるように秤量した。その後、秤量物をボールミルにより混合した後、乾燥を行い、これをセラミック原料粉末とした。表1に、セラミック原料粉末の組成を示す。
なお、表1中の比較例1−1はCaCu3Ti412が含まれていない条件である。同様に比較例1−2もCaCu3Ti412が含まれていない条件であるが、その代わりに、実施例1−3と同量のCa、CuおよびTi成分が含まれるようにCaCO3、CuOおよびTiO2を添加した条件である。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
まず、上記セラミック原料粉末に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノールを加えた。そしてボールミルにより湿式混合して、セラミックスラリーを作製した。
次に、上記セラミックスラリーを、ドクターブレード法によりシート上に成形して、矩形のセラミックグリーンシートを得た。セラミックグリーンシートの厚みは、後述の焼成後において1.0μmになるようにした。
次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを主体とする導電性ペーストをスクリーン印刷して、内部電極となる導電性ペースト膜を形成した。
次に、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層して、生の積層体を得た。
次に、生の積層体をN2雰囲気中にて300℃に加熱して、バインダを燃焼させた後、酸素分圧が10-10MPaのH2−N2−H2Oガスからなる還元性雰囲気中にて、1100℃で2時間焼成して、積層体を得た。
次に、Cu粉末とB23−Li2O−SiO2−BaO系ガラスフリットを含む導電性ペーストを積層体の両端面に塗布した。その後N2雰囲気中において800℃で焼き付けた。このようにして内部電極と電気的に接続された外部電極を形成した。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、長さ1.6mm、幅1.2mm、厚さ1.0mmであり、隣り合う内部電極間に介在する誘電体層の厚みが1.0μmであった。また、有効誘電体層の総数は330層であり、誘電体層1層あたりの内部電極の対向面積は0.9mm2であった。
(C)特性評価
得られた積層セラミックコンデンサについて、各種特性を評価した。
まず、平均粒径は、SEMを用いた画像解析により算出した。
また、誘電率は、温度25℃、1kHz、0.5Vrmsの条件下で測定した静電容量から算出した。
また、静電容量の温度変化率は、25℃での静電容量を基準として、−55〜25℃の範囲における変化率の最大値と、125〜25℃の範囲における変化率の最大値をそれぞれ算出した。この時、静電容量は1kHz、0.5Vrmsの条件下で測定した。−55℃〜125℃の範囲での変化率が±15%以内であれば、EIA規格のX7R特性を満足することになる。
また、絶縁抵抗は、温度25℃の条件で、直流電圧10Vを120秒間印加した後に測定した。
また、高温負荷試験は、温度125℃にて、電界強度が15kV/mmになるように1000時間電圧を印加して行った。そして、試験後の絶縁抵抗を測定して、試験後の絶縁抵抗値が200kΩ以下になった試料を故障と判定した。なお、高温負荷試験は、100個の試験を行った。
表2に、表1のセラミック原料粉末を用いて作製した積層セラミックコンデンサにおける、平均粒径、誘電率、絶縁抵抗、静電容量の温度変化率および高温負荷試験の結果を示す。
表2から分かるように、CaCu3Ti412が含まれていない比較例1−1では、誘電率が2840と低い結果となった。また、比較例1−2では、高温負荷試験の結果、100個中8個の不良が発生した。また、静電容量の温度変化率が125℃で−15.3%となり、X7R特性を満足しない結果となった。
一方、実験例1−1〜1−6のように、CaCu3Ti412の濃度が主成分100モルに対して0.1〜5.0モルである場合には、誘電率が3000以上となり、良好な誘電特性を示した。また、静電容量の温度変化率は±15%以内でX7R特性を満足する結果となった。また、高温負荷試験でも故障が発生せず、高温負荷試験の寿命特性も良好である結果となった。
実施例1−2の条件について、誘電体セラミックのXRD測定を行った。結果を図2に示す。このチャートの結果から、主成分であるBaTiO3のピーク(図中黒三角印)の他に、CaCu3Ti412の結晶相のピーク(図中白丸印)が検出されていることが分かる。
[実験例2]
実験例2では、主成分の組成を変えて、各種特性を評価した。
(A)セラミック原料粉末の作製
まず、主成分となるべき原料粉末であるABO3粉末を作製した。最初に出発原料として、BaCO3、CaCO3、TiO2、SrCO3、ZrO2、HfO2の各粉末を用意した。そして、表3の組成となるように秤量した。そして、実験例1と同様の方法でABO3粉末を得た。
次に、CaCu3Ti412粉末を実験例1−1と同様の方法で得た。
次に、ABO3、CaCu3Ti412、Dy23、MgCO3、SiO2の各粉末を、表3の配合比となるように秤量した。そして、実験例1と同様の方法で混合した後、乾燥を行い、セラミック原料粉末を作製した。実験例2においては、CaCu3Ti412の濃度が主成分100モルに対して0.5モルの割合となるように作製した。表3に、セラミック原料粉末の組成を示す。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック粉末を用いて、実験例1と同様の方法で、各条件に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性評価
実験例1と同様の方法で特性評価を行った。その結果を表4に示す。
表4から分かるように、実験例2においては、誘電率が全ての条件で3000以上であり、良好な誘電特性を示した。また、静電容量の温度変化率は±15%以内であり、X7R特性を満足した結果となった。また、絶縁抵抗も良好な結果となった。そして、実験例2−1〜2−6の全ての条件において高温負荷試験後の故障個数が0であり、優れた高温負荷試験の寿命特性を示した。
[実験例3]
実験例3では、主成分の組成と、副成分であるR、M、およびSi系焼結助剤の各々の種類および含有量を変えて、各種特性を評価した。
(A)セラミック原料粉末の作製
まず、実験例2と同様の方法で、主成分となるべき原料粉末であるABO3粉末を作製した。次に、副成分となるべきCaCu3Ti412粉末を実験例1−1と同様の方法で作製した。
一方、副成分となるべきRの出発原料として、La23、CeO2、Pr611、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23、Lu23およびY23の各粉末を用意した。また、副成分となるべきMの出発原料として、MnO、NiO、Co34、Fe23、Cr23、CuO、MgO、Al23、V23、MoO3、WO3の各粉末を用意した。また、副成分となるべきSi系の酸化物を用意した。
次に、ABO3、CaCu3Ti412、R成分、M成分、Si系酸化物の各粉末を、表5の配合比となるように秤量した。そして、各粉末を実験例1と同様の方法で混合した後、乾燥を行い、セラミック原料粉末を作製した。表5に、セラミック原料粉末の組成を示す。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記のセラミック原料粉末を用いて、実験例1と同様の方法で、各条件に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性評価
実験例1と同様の方法で特性評価を行った。さらに、実験例3では、1000時間の高温負荷試験の他に、2000時間の高温負荷試験を実施した。これらの結果を表6に示す。
表6から分かるように、実験例3においては、誘電率が全ての条件で3000以上であり、良好な誘電特性を示した。また、静電容量の温度変化率は±15%以内であり、X7R特性を満足する結果となった。そして、絶縁抵抗も良好な結果となった。また、1000時間の高温負荷試験の故障数が全ての条件で0であり、優れた高温負荷試験の寿命特性を示した。
また、2000時間の高温負荷試験の結果をみると、RとMが含まれていない実験例3−1では、100個中17個の故障が発生した。また、Mは含まれているがRが含まれていない実験例3−2では、100個中6個の故障が発生した。また、Rは含まれているがMが含まれていない実験例3−6では、100個中9個の故障が発生した。一方、RとMが同時に含まれている実験例3−3〜3−5、3−7〜3−19では、故障が発生しなかった。すなわち、RおよびMの濃度が、主成分であるABO3100モルに対してそれぞれ0.3〜6.0モルおよび0.01〜3.00モルである場合に、2000時間の高温負荷試験でも、優れた寿命特性を示すことが明らかとなった。
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 誘電体層
4,5 内部電極
6,7 端面
8,9 外部電極
10,11 第1のめっき層
12,13 第2のめっき層

Claims (6)

  1. 主成分としてABO3(ただし、Aは、Ba、Ca、Srのうちの少なくとも1種であり、Bは、Ti、ZrおよびHfのうちの少なくとも1種である。)を含み、副成分としてCaCu3Ti412を含む誘電体セラミック。
  2. 前記ABO3におけるAはBaを含み、前記ABO3におけるBはTiを含む、請求項1に記載の誘電体セラミック。
  3. 前記ABO3におけるAはCaおよびSrの少なくとも一方を含み、前記ABO3におけるBはZrおよびHfの少なくとも一方を含む、請求項2に記載の誘電体セラミック。
  4. 前記CaCu3Ti412の濃度は、前記ABO3100モルに対して0.1〜5.0モルである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘電体セラミック。
  5. 副成分として、R(Rは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYのうちの少なくとも1種である。)およびM(Mは、Mn、Ni、Co、Fe、Cr、Cu、Mg、Al、V、MoおよびWのうちの少なくとも1種である。)をさらに含み、前記Rおよび前記Mの濃度は、前記ABO3100モルに対してそれぞれ0.3〜6.0モルおよび0.01〜3.00モルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘電体セラミック。
  6. 積層されている複数の誘電体層と、前記誘電体層間の特定の界面に沿って形成されている複数の内部電極と、を有する積層体と、前記積層体の外表面に形成され、前記内部電極の特定のものと電気的に接続されている複数の外部電極と、を備える積層セラミックコンデンサにおいて、
    前記誘電体層は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘電体セラミックからなることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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