[第1実施の形態]
本発明の使用例を分かりやすく示した図1および図2に基づいて、先ず本発明の概要を説明する。
[発明の概要]
図1は、リアル世界において人同士が出会った時の連絡可能状態を構築する例を示している。
図1を参照して、四谷にある国際日本文化センター(四谷怪談資料館)の前で、初対面同士の人間が出会い、両者の同意のもと、互いの携帯電話2を用いて共有仮想タグを作成した。
この共有仮想タグは、両人が出会った場所に対応するバーチャル世界の場所に作成されて表示されるタグであり、出会った両人の携帯電話でのみアクセスできてそこに書き込みを行って両者が連絡できるようにしたものである。
このバーチャル世界は、リアル世界の景観に対応するデジタル映像化されたメタバースである。前述したように、例えばグーグルのストリートビュー等を利用する。または、既存のものを利用するのではなく、リアル世界の景観を模してデジタル映像化して新たに作成されたものであってもよい。図1では、2009年10月15日14時03分に共有仮想タグが作成されたことが示されている。
この状態で、このバーチャル世界(ストリートビュー等)にアクセスして、共有仮想タグを作成した四谷の国際日本文化センターの前にアクセスすれば、共有仮想タグを作成したA氏とB氏との携帯電話2のみが、この共有仮想タグを映し出すことができる。図1では、まずA氏の携帯電話2により共有仮想タグをクリック(選択操作または指定操作の意味であり、以下同様)して、2009年10月17日にA氏が図1に示すような書き込みを行っている。A氏が書き込みを行うと、B氏の携帯電話2にその旨を通知するためのポップアップ通知がなされる。B氏は、翌日バーチャル世界にアクセスして、その共有仮想タグをクリックし、図1に示すような書き込みを行っている。
このように、共有仮想タグを利用した連絡可能状態を構築することにより、A氏とB氏とが互いに電話番号やメールアドレス等の個人情報を知らせることなく互いに連絡が可能となる。しかも、この共有仮想タグを作成した本人の携帯電話2以外の端末によるアクセスができないために、他人が自己の携帯電話を利用して成りすましによる書き込みを防止することができる。
このような共有仮想タグを利用してコミュニケーションを取ることにより、互いの個人情報(プライバシー)を保護しかつスパム等の被害を防止しつつ、安全に情報交換することが可能となり、人同士の繋がりの構築を支援することができる。
図2は、バーチャル世界からリアル世界の人間にコンタクトを取って共有仮想タグを生成する例を示したものである。バーチャル世界の場合には、当然のことながら所望の場所に瞬間移動することができる。バーチャル世界のこのようなメリットを利用してそのバーチャル世界からリアル世界の人間にコンタクトを取るようなシチュエーションは、種々考えられる。例えば、旅行先の下見として、事前にバーチャル世界から旅行先にアクセスし、その地域の住民にコンタクトを取って現地の生の情報を収集する。他には、学校の教室に忘れ物をしたのを後で気付き、すぐにバーチャル世界のその教室に対応する場所にアクセスし、そこからリアル世界の教室にいる人間に、コンタクトを取り、その忘れ物を一時預かってもらい、後に引き取るための連絡を取る等が考えられる。しかし、特に重要なシチュエーションとしては、災害等の緊急事態の発生時である。
図2は、震災が発生した被災地にバーチャル世界から駆けつけて援助を行う例を示している。震災のニュースを見たD氏が自己の携帯電話を利用してバーチャル世界における震災発生地域にアクセスしている状態が図2に示されている。その震災地域の住人がGPS機能を有する携帯電話2を持っている場合には、そのGPS機能等により特定される現在地に対応したバーチャル世界の位置に、当該住人のアバターCが表示される。このアバターCは、自立してある程度の会話能力を有するエージェントで構成されている。
震災地に対応するバーチャル世界にアクセスしたD氏が、その箇所に表示されているアバターCと会話して、仮想タグを作ることを提案する。この提案を受けたアバターCは、対応する本人の携帯電話2にその旨を通知する。通知された携帯電話の持ち主であるC氏がそれに同意してその旨の指示をアバターCに通知する。すると、アバターCが同意した旨をD氏に伝え、C氏とD氏との共有仮想タグがバーチャル世界のその箇所に作成される。その状態で、C氏がバーチャル世界にアクセスしてその共有仮想タグをクリックすることにより、D氏とC氏との間で、図2に示すような情報交換を行うことができ、災害時における効率的な救援を行うことが可能となる。
なお、共有仮想タグを後述する音声仮想タグで構成することにより、ユーザは携帯電話から音声でタグ内にメッセージを残すことができ、緊急時のメッセージ入力方式として有効である。
[詳細な説明]
次に、本発明の第1実施の形態を詳細に説明する。
図3は、本発明の人の繋がり支援システムの全体構成を示すシステム図である。
衛星1からのGPS(Global Positioning System)情報を携帯電話2が受信すると共に、携帯電話網4に接続されている基地局3からの電波と無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント7からの無線電波を携帯電話2が受信する。これらの電波に基づいて、携帯電話2が現在位置を特定する。携帯電話2は、基地局3、携帯電話網4、ゲートウェイ5、インターネット6を経由して、サービスプロバイダ8のサーバ10へアクセス可能に構成されている。サービスプロバイダ8は、人の繋がりを支援するサービスを提供する業者である。携帯電話2の持ち主であるユーザは、このサービスプロバイダ8のサービスに加盟しており、その加盟時にユーザIDが設定されている。
サービスプロバイダ8には、サーバ10と、加盟したユーザのデータを記憶しているユーザデータベース11と、仮想タグのデータを記憶している仮想タグデータベース9とが設置されている。
インターネット6に接続されているバーチャル世界プロバイダー20は、リアル世界のあらゆる場所の360度パノラマ映像をデジタル映像化したバーチャル世界(メタバーズ)の映像を提供するサービス業者である。バーチャル世界プロバイダー20のサーバ21には、仮想世界データベース22が接続されている。この仮想世界データベース22は、リアル世界における360度パノラマ映像をデジタル化したバーチャル世界3Dデータが記憶されている。例えば、グーグルのストリートビューの3Dデータを用いることができる。
このバーチャル世界3Dデータは、アニメーション作成ツール(アニメーションオーサリングツール)として開発されたフラッシュ(Flash)が用いられており、スクリプトを記述することにより、インターラクティブな表現を実現できる。このフラッシュは、動かしたい文字や画像をプログラムでコントロールするタイプのものであり、タイムライン上に、静止画イメージを配置することで、アニメーションを作成することができ、アクションスクリプト(Action Script)と呼ばれるスクリプト言語により、ゲームのような複雑なインターラクションが実現できる。これにより、後述するように、3Dバーチャル世界にエージェント(アバター)を表示させることができると共に、リアル世界におけるユーザの移動と共に、そのユーザに対応したエージェントもバーチャル世界における対応する同じ位置に移動表示させることができる。
このバーチャル世界3Dデータにおけるリアル世界の住所に対応するエリア毎に、位置データが対応づけられて記憶されている。例えば、図3に示すように、位置データとして、渋谷区1‐1‐1の住所に対応したバーチャル世界3Dデータの箇所に、当該位置データ(渋谷区1‐1‐1)が対応づけられて記憶されている。その結果、ユーザが住所等からなる位置データを入力してアクセス位置を特定することにより、その特定された位置データに対応するバーチャル世界3Dデータの部分が読み出されてユーザ端末(携帯電話2等)に表示される。
図4は、サービスプロバイダ8のユーザデータベース11に記憶されているデータを説明するための図である。各会員ユーザのエージェント(アバター)を特定するためのエージェントIDが、各ユーザIDに対応づけて、記憶されている。更に、携帯電話2のGPS機能をONにしているユーザからは現在位置を特定するGPSデータがサービスプロバイダ8のサーバ10へ送信されてくる。サーバ10は、その送信されてきたGPSデータを緯度と経度とからなる座標データに変換して、ユーザデータベース11における対応するユーザIDの現在位置GPSデータの記憶エリアに記憶させる。たとえば、図4の13B9PSのユーザIDの場合、現在位置GPSデータとして、緯度が35.669299、経度が139.713655となっている。
さらに、サーバ10は、その現在位置GPSデータ(緯度と経度)を住所等からなる位置データに変換したその位置データをユーザデータベース11の位置データ記憶エリアに記憶させる。
図3に戻り、仮想タグデータベース9には、ユーザIDと、それに対応付けて、位置データ、仮想タグ表示用データ、仮想タグ種類、仮想タグの作成日時が記憶されている。位置データとは、仮想タグが生成された場所を示すためのデータである。仮想タグ表示用データとは、仮想タグをバーチャル世界に表示させるためのデータであり、テキストデータ、画像データ等で構成されている。
仮想タグ種類とは、表示する仮想タグの種類を示しているデータであり、音声仮想タグ、広告仮想タグ、共有仮想タグ等がある。このうち、共有仮想タグが、図1および図2で説明したものである。この発明の詳細な説明では、共有仮想タグ以外に、ユーザあるいは一業者が単独で生成する仮想タグもある。音声仮想タグは、メッセージを音声で伝えることができる仮想タグである。広告仮想タグは、広告業者が作成した広告用の仮想タグである。共有仮想タグ以外の仮想タグは、当該仮想タグの作成者以外でも自由にアクセスできる。
また、例えば図2に示した共有仮想タグを音声仮想タグで構成することもできる。そうすれば、C氏およびD氏はメッセージをキー入力することなく音声で入力することができ、緊急時において迅速な入力を行うことができるという利点がある。
作成日時は、その仮想タグが作成された日時を示すデータであり、例えばユーザIDが13B9PSの場合には0902190921となっており、2009年02月19日09時21分を意味している。
サービスプロバイダ8のサーバ10は、リアル世界を正確にコピーしたネット上の3D仮想世界として、ストリートビュー等とマッシュアップしたバーチャル世界を利用している。サーバ10は、会員ユーザのリアル世界での現在位置をその会員ユーザの携帯電話2で特定し、その現在位置に対応するバーチャル世界の場所に、当該会員ユーザのアバター(エージェント)を表示させる。他の会員ユーザがそのバーチャル世界に進入してアバター(エージェント)と出会ったときに、その会員ユーザとアバター(エージェント)とが会話できるように構成されている。バーチャル世界でのアバターを介しての会話は、例えばセカンドライフ等の3D仮想世界では、従来からよく用いられている周知慣用技術であり、この周知慣用技術を用いる。また、アバター(エージェント)は、前述のCLONのような自立してある程度の会話能力を有するエージェントであるため、リアル世界のユーザはある程度自分のアバターに会話を任せることができ、会話内容を携帯電話で見ながら必要なときだけ自分自身で相手と会話する。
図5は、携帯電話2のハードウェア構成のブロック図である。携帯端電話2は、回線接続処理およびデータ通信処理を含む携帯電話2全体をコントロールするためのCPU(Central Processing Unit)31と、各種機能を実行するためのプログラムを保存したROM(Read Only Member)32、周辺の景色を撮影するためのCCD(Charge
Coupled Device)撮像素子からなるカメラ入力部34、そのカメラ入力部34で撮影することによって得られた静止画データを少なくても1枚分記憶するためのメモリを含むRAM(Random Access Memory)33、液晶表示板等の画像出力にための表示部35、インターネット6を介して通信するための無線通信処理部36、そして、ユーザが携帯電話2のCPU31に希望する機能を実行させるための入力操作部37とから構成される。なお、この入力操作部37は、タッチペンやジョグダイアル、キーボード、マイクロスイッチ等を含む。インタフェース41は、各種回路や装置の内部バス40へのインタフェース処理を行う。
さらに、携帯電話2は、ユーザが音声により通話をするための音声出力部38aと音声入力部38bとEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)42と位置情報取得部39とを有する。位置情報取得部39は、図3で説明したように、衛星1からのGPS情報と基地局3からの電波と無線LANアクセスポイント7からの無線電波とに基づいて、現在位置を取得する。
EEPROM42には、ユーザが過去に生成した共有仮想タグのリストが記憶されている。このリストには、各共有仮想タグに対応付けて、その共有仮想タグが作成された地理的位置(住所)と、ユーザのメモ書きとが記憶されている。図5のメモ書きの例では、共有仮想タグの相手方の印象として、好青年、親しみやすい、理知的などが記憶されている。ユーザによる携帯電話2の入力操作部37の操作に従って、このEEPROM42に記憶されている共有仮想タグのリストが表示部35に表示される。ユーザは、作成位置とメモ書きとを参考にしながらアクセスする共有仮想タグを選択してクリックする。すると、後述するS80〜S88の処理により、そのクリックされた共有仮想タグが、生成された地理的位置のバーチャル世界とともに表示される(図2参照)。
ユーザは、表示された共有仮想タグの周辺の景観をバーチャル世界の映像で確認し、相手と出会った場所を確かめ、その場所から相手の記憶を蘇らせることができる。これにより、相手の個人情報を知らなくても出会った相手の記憶を蘇らせることができ、その上で、当該共有仮想タグにアクセスするか否かを決めることができる。ユーザがその共有仮想タグをクリックしてアクセスすれば、後述するS90〜S94の処理により、コンタクト用のwebページが表示され、書込みおよび閲覧が可能になる。
次に、サーバ10とサーバ21のハードウェア構成のブロック図を図6に示す。CPU50,ROM51およびRAM52の働きは、携帯端電話2における上述した説明と同様である。サーバ10、21は、格納部(図示略)を有する。格納部は、各種プログラムやファイル、大容量の画像を含む情報やデータを格納し、適宜読み出すことができる記憶装置である。これらのデータやプログラムは必要に応じてRAM52に書き込んで各種の情報処理を行うことを可能とする。入力部55は、キーボード、マウス、などにより構成され、サーバ10、21に各種情報処理を行わせるための指令を与える。インタフェース58は、各種回路や装置の内部バス57へのインタフェース処理を行う。表示部54は、CRTまたはLCD等により構成され、文字や図形、画像を表示する。通信制御部53は、インターネット6を介してデータ等の送受信の通信機能を司る。
次に、前述した共有仮想タグを生成するためのフローチャートを図7に示す。本発明では、リアル世界のユーザ同士が携帯電話Aと携帯電話Bとを用いて共有仮想タグをバーチャル世界に生成できるばかりでなく、リアル世界のユーザがバーチャル世界に進入して自分の携帯電話を用いてバーチャル世界のエージェント(アバター)と共有仮想タグを生成することができる。またエージェント(アバター)同士の間でも共有仮想タグを生成することができる。さらに、バーチャル世界に進入したユーザ同士が自分のエージェント(アバター)を介して共有仮想タグを生成することができる。このように、エージェント(アバター)がユーザから独立して共有仮想タグを生成することができるようにするべく、エージェント(アバター)も独立した一人の会員ユーザとしてユーザデータベース11に記憶させる。例えば、図4に示すように、ユーザIDとして13B9PSに対応するユーザエージェントIDがθ42S15となっており、このエージェント(アバター)も独立した一人の会員ユーザとしてユーザデータベース11に記憶させる。ユーザデータベース11のユーザIDの記憶エリアにθ42S15のエージェントIDが記憶されており、そのエージェントIDのエージェントが自ら共有仮想タグを作成している場合には、その共有仮想タグ用IDであるAP81K7がユーザデータベース11に記憶されるとともに(図4を参照)、仮想タグデータベース9にもθ42S15のユーザIDのデータとして、位置データ、仮想タグ表示用データ、仮想タグ種類、作成日時が記憶される。
図7のフローチャートでは、共有仮想タグを生成する当事者の一方が自己の共有仮想タグ用IDを特定するデータ(可変共有仮想タグ用ID)を他方の当事者の携帯電話に送信し、その他方の当事者の携帯電話がサーバ10に対して自己のユーザIDと受信した可変共有仮想タグ用IDとを送信し、それによって、サーバ10が共有仮想タグを生成する当事者を特定してその当事者のための共有仮想タグを生成するという、方式を採用している。
まず、携帯電話AまたはエージェントAにおいて、ステップS(以下単にSという)1により、自己の共有仮想タグ用IDを呼び出す処理が行われる。この共有仮想タグ用IDは、携帯電話Aの場合には内蔵しているメモリーに記憶されており、エージェントAの場合にはエージェント用の知識データとして記憶されている。
次にS2により、衛星1から受信したGPS電波に含まれている原子時計の時刻情報を用いて可変共有仮想タグ用IDを生成する処理が行われる。この処理では、S1により呼び出した共有仮想タグ用IDに対してGPS時刻情報を付加して暗号化する等の処理を行って可変共有仮想タグ用IDを生成する。そして、S3により、その生成された可変共有仮想タグ用IDを赤外線通信により携帯電話Bに送信する。エージェントBに送信する場合には、赤外線通信を使うことなくバーチャル世界においてエージェントBに可変共有仮想タグ用IDを通知する。共有仮想タグ用IDをそのままの形で他人に通知するのではなく、暗号化等の処理が施された可変共有仮想タグ用IDとして通知するために、自己の共有仮想タグ用IDが他人に盗用されて悪用されることを極力防止することができる。
携帯電話BまたはエージェントBにおいて、S4によりサーバ10へアクセスするか否かの判断がなされ、サーバ10へアクセスする操作または判断が行われた時に、S5により、携帯電話BまたはエージェントBのユーザIDを含む本人認証データをサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10において、S6により、その送信されてきたデータに基づいて、本人確認を行い、本人である旨の確認ができたことにより、S7においてアクセス許可を携帯電話BまたはエージェントBに返信する。そのアクセス許可を受けた後、S8により、共有仮想タグ生成依頼の操作が行われ、その操作に伴って、現在位置データとS3により送信されてきた可変共有仮想タグ用IDとをサーバ10へ送信して共有仮想タグの生成依頼を行う(S9)。それを受けたサーバ10では、S10により、共有仮想タグをバーチャル世界に生成する処理を行う。
このS10に示した共有仮想タグ生成処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図8に示す。図8を参照して、S15により、受信した可変共有仮想タグ用IDを複合して元の平文に戻して、共有仮想タグ用IDと時刻情報を抽出する処理が行われる。この時刻情報とは、前述したS2により共有仮想タグ用IDに付加されたGPS時刻情報のことである。次にS16により、その抽出した時刻情報が現在時刻と比べて許容誤差範囲内であるか否かの判断が行われる。今回の共有仮想タグの生成ではなくそれ以前の共有仮想タグの生成時に使用された他人の可変共有仮想タグ用IDをサーバ10に送信して不当に共有仮想タグを生成依頼してきた場合には、現在時刻とその送信されてきた可変共有仮想タグ用IDに含まれている時刻情報と大幅に食い違っているために、S16によりNOの判断がなされて制御がS20へ移行し、不当な共有仮想タグの生成依頼を行った不正ユーザに対して取り締まるための、処理が行われる。
また、S20により、抽出した時刻情報と同じ作成日時でかつ抽出した共有仮想タグ用IDを仮想タグデータベース9から検索する処理が行われる。次にS21により、該当するものがあったか否かの判断がなされ、該当するものがあった場合には、S22により、その該当する共有仮想タグのユーザID(二つ以上)を特定し、S23により、その特定されたユーザIDに対応する本人を特定して対処するための依頼を携帯キャリアに対して行う処理がなされる。この対処依頼を受けた携帯キャリアは、本人を特定してその本人に警告書を送るとか、あまりにも悪質なときにはその本人の契約解除を行う。
一方、S21により該当するものがないと判断された場合には、S24へ進み、抽出した共有仮想用IDからユーザIDを特定し、そのユーザIDに対応する本人を特定して対処するための依頼を携帯キャリアに対して行う。
一方、S16によりYESの判断がなされた場合には、制御がS16aに移行し、共有仮想タグを生成する当事者の現在位置が近似しているか否かに基づく更なるセキュリティチェックを行う。具体的には、S16aにより、共有仮想タグ生成依頼者の位置を取得する処理が行われる。図8の例では、携帯電話BまたはエージェントBの現在位置を取得する。ただし、携帯電話Bのユーザが図2に基づいて説明したのに、バーチャル世界における所定位置にアクセスしている場合には、そのアクセスしているバーチャル世界の位置に対応するリアル世界の位置が、現在位置として取得される。また、エージェント(アバター)が共有仮想タグ生成依頼者の場合には、バーチャル世界におけるそのエージェント(アバター)の現在位置に対応するリアル世界の位置が、現在位置として取得される。
次に、S15により抽出した共有仮想タグ用IDからユーザIDを特定する処理がS16bにより行われる。次にS16cにより、そのユーザIDの現在位置情報を取得する処理が行われる。この現在位置情報は、S16aの現在位置と同様に、ユーザがバーチャル世界に進入して所定位置にアクセスしている場合には、そのバーチャル世界の所定位置に対応するリアル世界の所定位置を、現在位置情報として取得する。また、共有仮想タグ用IDから特定されたユーザIDがエージェント(アバター)のものであった場合には、バーチャル世界におけるそのエージェント(アバター)の現在位置に対応するリアル世界の位置が、現在位置として取得される。
次にS16dに進み、その取得した現在位置と共有仮想タグ生成依頼者の現在位置とが所定距離以内であるか否かの判断がなされる。この所定距離とは、共有仮想タグをこの場所に生成するための同意を互いに得るためのコミュニケーションができる程度の距離であり、例えば10メートル程度の距離である。この所定距離以内でないと判断される場合としては、例えば、今回の共有仮想タグの生成を行う当時者以外の他人の共有仮想タグ用IDを不正に取得し、その他人の共有仮想タグ用IDを悪用してGPS時刻情報を用いた可変共有仮想タグ用IDを生成して送信した場合等のような、不正行為が考えられる。そのような場合には、S16dにより、NOの判断がなされて制御がS24に進み、前述と同様に、そのような不正行為を行ったユーザを特定して対処するための依頼を携帯キャリアに対して行う。
一方、S16dによりYESの判断がなされた場合には、S17へ進み、ユーザデータベース11を検索して共有仮想タグ用IDからユーザIDを特定する処理がなされ、S18により、仮想タグデータベース9に、特定されたユーザIDとアクセス時に受信したユーザIDとを記憶させると共に、それらユーザIDに対応させて共有仮想タグのデータを記憶させる処理がなされる。このS18による記憶させた状態が、図3の仮想タグデータベース9における、ユーザIDがA4VZ12とB27FH8とに対応する共有仮想タグのデータである。
次にS19により、その受信した現在位置のバーチャル世界に共有仮想タグを表示させる処理が行われる。その状態が、図1に示されている。ただし、この表示処理では、当該共有仮想タグを作成した当事者の携帯電話にしか表示されない。
図8で説明したように、共有仮想タグ生成時におけるセキュリティ対策として、S16、S20〜S24の時刻を利用した第一段階のセキュリティチェックと、S16a〜S16d、S24に示した共有仮想タグ生成当時者の現在位置に基づいた第二段階のセキュリティチェックとを行っており、二重のセキュリティチェックによる高いセキュリティを確保することができる。
図9は、サービスプロバイダ8のサーバ10によって行なわれるバーチャル世界表示処理を示すフローチャートである。S30により、ユーザIDとGPSデータとを受信したか否かの判断がなされる。受信していない場合には制御がS33へ進み、ユーザIDとアクセス位置の入力があったか否かの判断がなされ、ない場合は再びS30に戻る。
このS30→S33→S30のループの巡回途中で、会員ユーザが自己の携帯電話2のGPS機能をONにすれば、その携帯電話2からユーザIDと現在位置を示すGPSデータとがサービスプロバイダ8のサーバ10へ送信されて来る。すると、S30によりYESの判断がなされて制御がS31進み、受信した現在位置のGPSデータ(緯度と経度とからなる座標データ)を住所からなる位置データに変換する処理が行なわれる。次にS32により、ユーザデータベース11を検索して、受信したユーザIDに対応するGPSデータと位置データとを更新する処理がなされて、制御がS33へ進む。なお、携帯電話2のGPS機能をONにするだけでなく、自分のアバター(エージェント)をバーチャル世界に表示する操作をして初めて、制御がS31進むようにしてもよい。
一方、S30→S33→S30のループの巡回途中で、会員ユーザがバーチャル世界にアクセスするべく自己の携帯電話2を操作してアクセス位置を入力すれば、そのアクセス位置とユーザIDとがサービスプロバイダ8のサーバ10へ送信されて来る。このアクセス位置とは、ユーザが携帯電話2を操作して、アクセスしたい住所(位置データ)を入力する場合ばかりでなく、ユーザが過去に作成した共有仮想タグとその作成位置とを携帯電話2にリスト表示し、そのタグリストの中からユーザがアクセスしたい共有仮想タグを選択クリックすることにより、その共有仮想タグの位置データ(図3の仮想タグデータベース9の「位置データ」参照)が自動的に入力されるようにしてもよい。
ユーザIDとアクセス位置の入力があった場合には、制御がS34へ進み、その入力されたユーザIDがユーザデータベース11に登録されているか否か判定される。登録されていない場合には、会員ユーザでないために、S35によりNGの表示を携帯電話2に表示させる制御がなされる。
一方、入力されたユーザIDがユーザデータベース11に登録されている場合には、制御がS36へ進み、その入力されたアクセス位置をバーチャル世界プロバイダー20のサーバ21へ送信する処理が行なわれる。バーチャル世界プロバイダー20のサーバ21は、そのアクセス位置を受信すると、仮想世界データベース22を検索してそのアクセス位置(位置データ)に対応するバーチャル世界3Dデータ部分を読み出して、サービスプロバイダ8のサーバ10へ送信する。サーバ10は、その送信されて来たアクセス位置に対応するバーチャル世界3Dデータを取得し(S37)、S38により、ユーザデータベース11を検索してアクセス位置近辺のエージェント(アバター)を割り出し、取得したバーチャル世界3Dデータにそのエージェントをオーバーレイして表示する制御がなされる。
次にS39により、仮想タグデータベース9を検索して、入力されたユーザIDに対応する共有仮想タグの位置データを読み出す処理が行なわれる。次にS40へ進み、現在表示中のバーチャル世界3Dのエリア内に、S39により読み出した位置データが含まれているか否かの判断がなされる。含まれていない場合には制御がS30へ戻る。一方、含まれている場合には、S41に進み、その含まれると判断された共有仮想タグを仮想タグデータベース9から読み出してバーチャル世界3Dにオーバーレイして表示する制御が行なわれる。次にS42へ進み、共有仮想タグへのアクセス処理が実行されて、S30へ戻る。
この共有仮想タグへのアクセス処理のフローチャートを図10に示す。図10に示すように、ユーザが携帯電話2を操作して、前述したようにEEPROM42に記憶されている共有仮想タグのリストを表示部35に表示させた段階で、S80によりYESの判定がなされて、S81によるユーザIDを含む認証データがサーバ10に送信される。それを受信したサーバ10ではS82で本人確認がなされる。S83によるアクセス許可を受けたユーザは携帯電話2を操作して、アクセスする共有仮想タグを選択してクリックすると、S85による共有仮想タグへのアクセス要求がサーバ10へ送信される。
サーバ10では、S86とS87による処理を行い、その結果、S88により、携帯電話2に、アクセスしてきた本人のユーザIDに対応する共有仮想タグすなわちアクセス者が作成した自分の共有仮想タグのみが表示される。そのため、当該共有仮想タグの作成者以外の者のアクセスを阻止できる。また、仮にS86による検索結果、ユーザIDに対応する共有仮想タグが仮想タグデータベースに記憶されていなかった場合には、アクセスできない旨のメッセージを携帯電話2またはエージェントに返信する。また、図10では、S87、S88で示されているように、共有仮想タグの表示が、バーチャル世界ばかりでなくリアル世界においても行われる例を示している。バーチャル世界での共有仮想タグの表示方法としては、例えば携帯電話のカメラ機能を通してリアル世界を覗き見ることにより、所定箇所に共有仮想タグが表示されるように構成する方法が考えられる(セカイカメラ(登録商標)と同様の方法)。
また、ユーザが複数の共有仮想タグを生成している場合には、例えば時系列に従ってその複数の共有仮想タグとその作成位置とをリスト表示し、そのタグリストの内からユーザが選択クリックした共有仮想タグが付されているバーチャル世界にジャンプ移動できるようにすれば、ユーザの利便性が高まる。
図11は、エージェント(アバター)の動作を示すフローチャートである。S50により、3Dのバーチャル世界での自分(エージェント)の近辺で他のアバターから話かけられたか否かの判断が行われ、話かけられるまで待機する。話しかけられた場合には、制御がS51へ進み、その話しかけられたことを対応するユーザの携帯電話2にポップアップ通知する処理が行なわれる。次にS52に進み、その話に対応して会話をすると共に、その会話内容を携帯電話2に表示する制御が行なわれる。
次にS53に進み、ユーザ自身が会話を希望したか否かの判断がなされる。これは、ユーザが自分の携帯電話2を操作して会話を希望する意思表示を行なったか否かで判断される。ユーザ自身が会話を希望していない場合には、S54により、会話が終了したか否かの判断がなされ、未だに会話が終了していない場合には制御がS52へ戻る。
一方、ユーザ自身が会話を希望した場合には、制御がS55へ進み、ユーザ自身の会話に切り替えて会話を続行する制御が行なわれる。次にS56により、会話が終了したか否かの判断がなされ、終了していない場合には、S55の処理が続行される。そして、会話が終了した段階で、S50へ戻る。
このように、バーチャル世界で他のアバターから話しかけられたときには最初はユーザのエージェント(アバター)が対処してくれるため、ユーザ自信はバーチャル世界を常に監視する必要がなく、リアル世界のみに関心を向けておくことができる。
また、エージェント(アバター)は、ユーザ端末(例えば携帯電話2等)に常駐する常駐エージェントであってもよい。あいは、普段はサービスプロバイダ8のデータベース(例えばユーザデータベース11等)またはユーザ端末に格納されており、必要に応じて必要な場所に移動するモバイルエージェントであってもよい。
なお、バーチャル世界で表示されるエージェント(アバター)は、2種類ある。先ず、リアル世界にいるユーザの現在位置に対応したバーチャル世界の地理的位置に表示されて、バーチャル世界への進入者と会話能力のある第1エージェントと、バーチャル世界への進入者をその進入位置で表示するための第2エージェントである。バーチャル世界では、この第1エージェントと第2エージェントとが見た目上区別できるようにするのが望ましい。バーチャル世界への進入者が、他のエージェント(アバター)と出会ったときに、そのエージェント(アバター)が、リアル世界にいるユーザのエージェント(アバター)か、バーチャル世界への進入者のエージェント(アバター)か、区別して、話しかけるか否かおよび話の内容を選べるようにするためである。
図12は、業務用の共有仮想タグの生成制御を示すフローチャートである。この業務用の共有仮想タグは、展示会やコンサート等のイベントの会場に出向いた出席者と主催者側あるいは出席者同士が後にコンタクトを取ることができるコミュニティを生成するためのものである。本発明でいう「イベント」とは、展示会はもとより、各種プロモーション、コンサート、ライブ等を包含する広い概念であり、多数の人が集まる催し物全てを包含する概念である。また、リアル世界で開催されるイベントばかりでなく、バーチャル世界で開催されるイベントをも包含する。
リアル世界で開催されるイベントの場合、主催者側と各出席者側との共有仮想タグ(コミュニティ)を生成するにおいて、各出席者側の端末としては前述と同様に携帯電話を用い、主催者側の端末としてはイベント会場を通信エリアとしてカバーする無線LANアクセスポイント7を用いて、共有仮想タグ(コミュニティ)を生成する。一方、バーチャル世界で開催されるイベントの場合、各出席者のエージェント(アバター)とバーチャルのイベント会場を構成している会場エージェントとの交信で、共有仮想タグ(コミュニティ)を生成する。
図12は、前述の図7と類似する制御を行なっており、ここでは主に相違点を説明する。図12において、図7と類似するステップには同じステップ番号を付している。
先ず、イベント主催者側の無線LANアクセスポイント7または会場エージェントは、イベント開始時刻になったか否か判定し、イベント開始時刻になるまで待機する。イベント開始時刻になったと判断した段階で、自己(主催者側)のユーザIDを含む本人認証データをサーバ10に送信する。サーバ10では、図7と同じように受信データに基づいて本人確認を行い、確認できたことを条件にアクセス許可を返信する(S7)。それを受けた無線LANアクセスポイント7または会場エージェントは、S101によりイベントの開始予定時刻と終了予定時刻とをサーバ10に送信する。サーバ10は受信したイベントの開始予定時刻と終了予定時刻とを記憶する(S102)。
一方、主催者側との間で共有仮想タグ(コミュニティ)を生成することに同意した参加者は、携帯電話2またエージェント(アバター)により、図7と同様にS1〜S3の処理を実行する。このS1〜S3の処理は、共有仮想タグ(コミュニティ)を生成することに同意した参加者の各携帯電話2(またはエージェント)によって実行されるため、同意した参加者の数だけ繰返し実行されることとなる(S103)。その度に送信されてくる可変共有仮想タグ用IDを受信した無線LANアクセスポイント7または会場エージェントは、図7と同様に、無線LANアクセスポイント7または会場エージェントの現在位置データと各可変共有仮想タグ用IDとをサーバ10に送信して、共有仮想タグ(コミュニティ)の生成を依頼する(S9)。
それを受信したサーバ10では、その受信時刻が、S102により受信した開始予定時刻と終了予定時刻の間、すなわちイベントの開催時間内であるか否か判定する(S104)。イベントの開催時間内ではないと判定された場合には、業務用の共有仮想タグの生成を行なうことなく制御が終了する。一方、イベントの開催時間内であると判定された場合には、S105により業務用の共有仮想タグ生成処理を実行する。
この業務用の共有仮想タグ生成処理のサブルーチンプログラムのフローチャートを図12に示す。図12のフローチャートは、図8のフローチャートと類似しており、同じ制御ステップには同じステップ番号を用いてそのステップの内容は省略して示している。
S15、S16、S16a、S16b、S16c、S16d、S17〜S24の各ステップは、図8に示した各ステップの制御内容と同じである。ただし、図8のS16dにおいては所定距離内か否かを10メートル程度の範囲内か否かで判定していたが、この業務用共有仮想タグ生成処理では、イベント会場の広さの範囲内の距離か否かで判定する。S17の制御の次にS200に制御が進み、特定されたユーザID(主催者側のユーザID)が既に仮想タグデータベース9に記憶されているか否か判定する。未だ記憶されていない場合、すなわち業務用の共有仮想タグ(コミュニティ)の最初の生成依頼の場合には、制御がS18に進む。一方、S200により、特定されたユーザID(主催者側のユーザID)が既に仮想タグデータベース9に記憶されていると判定された場合には、制御がS201に進み、仮想タグデータベース9に、アクセス時に受信したユーザIDを記憶させると共に、そのユーザIDに対応させて共有仮想タグのデータを記憶させる処理がなされる。その後、制御がS19に移行する。
このような業務用の共有仮想タグ生成処理の結果、イベント開催時間内に業務用共有仮想タグの生成に同意してそのタグ生成の操作を行なった参加者全員と主催者側とを含む共有仮想タグが生成される。この業務用の共有仮想タグにアクセスすることにより、主催者側が予め生成しているコミュニティページが表示され、主催者側からの各種お知らせやメッセージが参加者側に表示される。また、参加者側の書込みページも用意されており、そこに参加者が書込むことにより、参加者同士および参加者と主催者との間でのコミュニケーションが可能になる。
[第1実施の形態の変形例]
次に、第1実施の形態の変形例を列挙する。
(1) 前述の詳細な説明では、ユーザがいつでも自由に所望の場所に瞬間移動できるというバーチャル世界のメリットを活かした例を示したが、バーチャル世界のメリットはこれに尽きるものではない。前述したように、バーチャル世界では共有仮想タグ以外にも各種仮想タグ(図3参照)を時系列的に蓄積して表示でき、ユーザが過去の仮想タグにアクセスしてタグ内の閲覧および書き込みが可能である。つまり、バーチャル世界は、三次元の空間的広がりにとどまらず、時間軸に沿ったデータの蓄積および閲覧ができるという、いわば四次元的時空間の世界である。この四次元的時空間の世界という特性を活かせば、さらに各種の魅力的なサービスが可能になる。
例えば、バーチャル世界へのアクセスに際して、アクセス場所の指定ばかりでなくアクセスしたい過去の日時を指定し、指定された場所の指定された日時にアクセスできるようにする。例えば、アクセス場所として東京秋葉原、アクセスしたい過去の日時として2008年6月8日と指定すれば、2008年6月8日に東京秋葉原で発生した通り魔殺傷事件当日に作成された仮想タグにアクセスでき、当時の状況や撮影映像を閲覧することができる。また、その仮想タグを作成した本人と仮想タグを介して情報交換が可能となる。
他の例として、過去に起きた各種事件やイベントを、発生日時と発生場所と共に一覧表示し、その一覧表内から選択してクリックすることにより、対応する場所の対応する日時のバーチャル時空間にジャンプできるようにしてもよい。
このように時間軸をも利用したタイムマシン的なアクセスを可能にしたバーチャル時空間に長年にわたって仮想タグを蓄積することにより、バーチャル時空間を巨大な歴史データベースに成長させることができる。しかも、この歴史データベースへのデータの蓄積は、膨大な数のユーザ自身が自ら率先して行ってくれるため、コストをかけることなく巨大歴史データベースを構築できる。
(2) 前述の詳細な説明では、ユーザに対応したユーザの分身としてのアバター(エージェント)を示したが、それに加えて、どのユーザにも対応していない独立したキャラクター(エージェント)をバーチャル世界に住まわせてもよい。このキャラクター(エージェント)は、バーチャル世界に進入したユーザと会話して相手をするようにプログラムされた知的エージェントで構成されており、各キャラクター(エージェント)がそれぞれ独自の個性を有している。バーチャル世界に進入したユーザは、自分と最もマッチするキャラクター(エージェント)を見付け出し、バーチャル世界内での知的な交流を行う。これは、後述する第2実施の形態の変形例でもある。
(3) 前述の詳細な説明では、2人で共有仮想タグを作成する例を示したが、作成人数はこれに限らず、3人以上であってもよい。また、共有仮想タグの作成後、その共有仮想タグの作成当事者全員がアクセスを許容した第三者が、後から当該共有仮想タグにアクセスできるようにしてもよい。アクセス制御の一例としては、先ずその第三者が共有仮想タグ作成者から当該共有仮想タグの正確な場所と作成日時とを通知してもらう。この情報は、アクセス許容対象となる共有仮想タグを特定するために必要となる。次に、共有仮想タグの作成当事者全員からアクセスを許容されたことの証拠として、その作成当事者全員から可変共有仮想タグ用IDを通知してもらう。そして、それら通知された情報をサーバ10に送信してアクセス権を許諾してもらう。
(4) 共有仮想タグの共有者の1人のみが書込みかつ閲覧できるメモ機能を設けてもよい。このメモ機能により、例えば、相手方の第一印象や出会ったきっかけやそのときの状況等、相手に読まれたくない事柄をメモ(書込んで記録)して後から閲覧することができ、当該共有仮想タグにアクセスして相手方とコンタクトを取るか否かの判断材料にすることができる。
(5) 前述の実施の形態では、バーチャル世界に共有仮想タグを表示するものを示したが、それに限らず、バーチャル世界をなくし、ユーザ端末から直接コンタクト用共有ページにアクセス操作できるようにしてもよい。
具体的には、前述した共有仮想タグ生成処理のフローチャートにおいて、S19のステップの代わりに、「受信した可変共有仮想タグ用IDから特定されるユーザIDの携帯電話と共有仮想タグ生成依頼者の携帯電話とに共有仮想タグを送信する」とのステップを用いる。この処理により、共有仮想タグがバーチャル世界ではなく当事者の端末(携帯電話等)に記憶さる。当事者は自分の携帯電話に記憶されている共有仮想タグのうち、アクセスしたいものを選択してクリックすれば、そのクリックした共有仮想タグの指定が前述のS90によりサーバ10に送信され、S91以降の制御が実行される。
この簡易型システムの場合は、出会った場所等の所定の地理的位置のバーチャル世界に共有仮想タグが表示されない分、その地理的位置から出会い当時の記憶をたどることができなくなる。そこで、共有仮想タグの生成を行なった地理的位置を特定できる情報(住所等)とともに共有仮想タグを携帯電話に表示するのがよい。
(6) 共有仮想タグの一方当事者による解約ができるようにしてもよい。携帯電話2からの解約要求情報(当人のユーザIDを含む)を受付けたサーバ10は、仮想タグデータベース9を検索して受信したユーザIDに対応付けて解約情報(フラグ等)を記憶させる。これにより、解約した共有仮想タグの相手方からの書込みがあったとしても、解約者の携帯電話2へのポップアップ通知を行わないように制御する。
(7) リアル世界を移動している或るユーザをバーチャル世界において後をつけるという、バーチャル世界を悪用したストーカー行為を防止する手段を採用してもよい。具体的には、ユーザが自宅近辺とか職場近辺等の特定エリアをサービスプロバイダ8のユーザデータベース11に予め登録しておき、S38でバーチャル世界にアバター(エージェント)をオーバーレイして表示するときに、その登録されている特定エリア内においてはアバター(エージェント)を表示させない制御を行なう。これは、後述する第2実施の形態の変形例でもある。
(8) 共有仮想タグの生成を相手に言いそびれたときにも、後からコンタクトできる途を用意しておくのが望ましい。例えば、まず、S32による位置データの更新ばかりでなく、過去の位置データと時刻データも履歴としてユーザデータベース11に記憶しておく。そして、リアル世界、バーチャル世界、あるいはバーチャル世界とリアル世界との間で、相手と出会っている最中や出会って別れた時に、その出会った地理的位置と時間とを登録(出会い時点登録)しておき、後からコンタクトを取りたくなったときに、その登録した地理的位置と時間とに一致する相手を、サーバ10に検索してもらって、検索された相手にコンタクトの申し出を行なう(例えば、サービスプロバイダ8を介して相手に共有仮想タグ生成の申し出を行なう)。
相手の検索は、ユーザデータベース11に記憶されている位置データと時刻データとの履歴データに基づいて、コンタクト申し出者が指定した出会った地理的位置と時間とに一致する履歴データの相手を特定する。地理的位置と時間との登録(出会い時点登録)としては、ユーザが携帯電話2を操作して、その携帯電話2自体に登録またはサーバ10によりユーザデータベース11に登録してもらう。登録する時間としては、相手と出会っている最中における任意の時刻、出会った時刻と別れた時刻、あるいは別れた時刻と出会っていた時間など、相手を検索するのに好都合なものがよい。この出会い時点登録は、なりすまし等によるコンタクトの申し出を防止するべく、出会い時点においてサーバ10によりユーザデータベース11に登録してもらうのが望ましい。その際、前述のS4〜S7、S8を「出会い時点登録依頼操作」に変更したステップ、S9を「出会った地理的位置データと時間データとを送信して出会い時点登録の依頼」に変更したステップ、S10を「出会い時点登録処理」に変更したステップを実行する。そして、出会い時点登録処理では、送信されてきたユーザIDに基づいて出会い時点登録依頼者の現在位置を取得し、送信されてきた地理的位置データとが所定距離以内(例えば10メートル以内)であること、および、送信されてきた時間データと現在時刻とが許容範囲内であることを、条件として、送信されてきた地理的位置データと時間データとをユーザデータベース11にユーザIDに対応付けて登録する。
なお、共有仮想タグ生成の申し出に対して、相手方が同意すれば、出会った場所等に共有仮想タグが生成されるのであるが、相手方が、共有仮想タグ以外のコンタクト方法(例えば、メールアドレスや電話番号の通知)を望み、それに対して共有仮想タグ生成の申し出者が同意すれば、互いにメールアドレスや電話番号の交換を行なえばよく、必ずしも共有仮想タグを生成する必要はない。
[第2実施の形態]
次に、第2実施の形態を説明する。前述した第1実施の形態におけるバーチャル世界は、主に現在のバーチャル世界のみを対象としていたが、以下に説明する。第2実施の形態においては、現在のバーチャル世界ばかりでなく、過去のバーチャル世界および未来のバーチャル世界をも対象とするものである。
なお、この第2実施の形態においては、第1実施の形態で説明したサーバ以外に、例えば、警察サーバ、広告主クライアント、広告主サーバ、出店業者クライアント等の各種コンピュータの制御フローチャートが記載されている。これら第2実施の形態において初めて登場する各種コンピュータのハードウェア構成は、第1実施の形態における図6に基づいて説明したものと同様であるため、第2実施の形態では、上記各種コンピュータのハードウェア構成の説明の繰り返しを省略する。
まず、図14を参照して、ユーザ四次元座標データベース11aを説明する。このユーザ四次元座標データベース11aは、第1実施の形態における図4に示したユーザデータベース11の変形例を示すものである。ここでは主に第1実施の形態との相違点を説明する。
ユーザ四次元座標データベース11aは、ユーザID、共有仮想タグ用ID、エージェントID、現在位置(GPSデータ等)、位置データ、スケジュールの各データを記憶している。スケジュールは、後述するように、ユーザ自身が携帯電話2を操作して今後の予定を入力したデータであり、未来のデータである。例えば、ある日時に○○イベントに参加する予定の場合には、○○イベント、日時、場所のデータをユーザが携帯電話2から入力してそのデータがユーザ四次元座標データベース11aにユーザIDに対応付けて記憶される。
現在位置(GPSデータ等)は、緯度のデータxと経度のデータyと海抜(標高)のデータzとから構成されている。このデータは、ユーザが所持している携帯電話2からのGPSデータと携帯電話網4に接続されている基地局3からの電波と無線LANアクセスポイント7からの無線電波を総合して割出される位置データである。例えば、ユーザIDが1R37P8のユーザの場合には、緯度x=35.69419、経度y=139.714849、海抜(標高)z=28mmとなっている。このzのデータは、ユーザが例えば高層ビル等に進入してそのビルのフロアに設置されているアクセスポイント7からの無線電波を携帯電話2で受信してそのアクセスポイント7から特定される高さ(標高)のデータである。ユーザが高層ビル等に進入していない時には、標高のデータが分からないために、図13に示すように「z=不明」となっている。
この現在位置のデータは、ユーザが移動することにより変化する。この第2実施の形態においては、その変化の履歴を過去に遡って時間軸wに沿って記憶している。つまりこのユーザ四次元座標データベースは、x,y,zの三次元のデータと、時間軸であるwに沿って変化する履歴データとを記憶しており、これによって、四次元座標のデータを記憶することとなる。これら位置情報(x,y,z)は前述のS30〜S32に従ってユーザ四次元座標データベース11aに記憶され、ユーザ四次元座標データベース11aが過去の位置情報(x,y,z)も累積的に記憶するため、ユーザ四次元座標データベース11aに時間軸wに沿った位置情報x,y,zが記憶されることになる。
しかも、「スケジュール」のデータも記憶しているために、ユーザの過去の位置データばかりでなく未来の予定データまで記憶している。
なお、ユーザID「θ42S15」は、第1実施の形態で説明したように、エージェント自身をユーザとして取り扱っているためのユーザ自身のIDである。
次に、図15を参照して、第2実施の形態における携帯電話2とサービスプロバイダー8のサーバ10とのメインルーチンのプログラムを示すフローチャートを説明する。
図15(a)参照して、携帯電話2では、S300により現在バーチャル世界端末処理が実行され、S301により過去バーチャル世界端末処理が実行され、S302により未来バーチャル世界端末処理が実行され、S303により認証用端末処理が実行され、S304によりバーチャル世界広告端末処理が実行され、S305によりマーケッティング端末処理が実行され、その後制御S300へ復帰する。
図15(b)を参照して、サーバ10では、S310により現在バーチャル世界対応処理が実行され、S311により過去バーチャル世界対応処理が実行され、S312により未来バーチャル世界対応処理が実行され、S313により認証処理が実行され、S314によりバーチャル世界広告対応処理が実行され、S315によりマーケッティング対応処理が実行され、その後制御がS310へ復帰する。
現在バーチャル世界端末処理および現在世界バーチャル世界対応処理とは、現在のバーチャル世界を活用しての各種サービスを提供する処理である。過去バーチャル世界端末処理および過去バーチャル世界対応処理とは、過去のバーチャル世界を舞台として活用した各種サービスを提供する処理である。未来バーチャル世界端末処理および未来バーチャル世界対応処理とは、バーチャル世界の未来を舞台として活用した各種サービスを提供する処理である。認証用端末処理および認証処理は、図14のユーザ四次元座標データベースに記憶されている四次元座標データを活用して認証を行なう処理である。バーチャル世界広告端末処理およびバーチャル世界広告対応処理とは、バーチャル世界において広告を表示し、広告主からの収入によりマネタイズを可能にするものである。マーケッティング端末処理およびマーケッティング対応処理とは、バーチャル世界(四次元時空間)内でのユーザの行動(場所および時間の移動)の履歴データを収集してマーケティングに活用するための処理である。これら各処理の詳細は、後述する。
図16(a)は、図15(a)のS300で示した現在バーチャル世界端末処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図16(a)を参照して、現在バーチャル世界端末処理では、S320により共有仮想タグ端末処理が行われ、S321によりバーチャル世界表示端末処理が行われ、S322により緊急時端末処理が行われ、S323により災害時端末処理が行われ、S324によりサイバー特区端末処理が行われ、S325により共通点検索要求処理が行われ、S326によりコミュニティ仮想タグ端末処理が行われ、S327によりリンク元指定端末処理が行われる。
図16(b)は、図15(b)のS310により示された現在バーチャル世界対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。図16(b)を参照して、現在バーチャル世界対応処理では、S330により共通仮想タグ対応処理が実行され、S331により、バーチャル世界表示対応処理が実行され、S332により緊急時対応処理が実行され、S333により災害時対応処理が実行され、S334によりサイバー特区対応処理が実行され、S335により共通点検索処理が実行され、S336によりコミュニティ仮想タグ対応処理が実行され、S337により、ユーザ四次元座標検索処理が実行され、S338によりリンク元指定対応処理が実行される。
共有仮想タグ端末処理および共有仮想タグ対応処理は、具体的には図7,図8,図10〜図13に示した制御である。バーチャル世界端末処理およびバーチャル世界表示対応処理は、ユーザがバーチャル世界に進入してその進入した場所および時間に対応するバーチャル世界を表示する処理である。バーチャル世界表示対応処理は、図31に基づいて後述する。
緊急時端末処理および緊急時対応処理は、ユーザになんらかの緊急事態が発生して助けを求める場合に、当該ユーザの現在位置に対応するバーチャル世界において「助けて下さい!」等のメッセージ表示を行なう処理である。バーチャル世界に限らずユーザの現在位置のリアル世界において「助けて下さい!」のメッセージを仮想タグとして表示するようにしてもよい。そして、ユーザが移動することによりユーザが所持している携帯電話2も移動し、その携帯電話2の移動に伴ってバーチャル世界およびリアル世界における前記メッセージも移動表示されるように制御する。
なお、この緊急時端末処理が実行されることにより、それをサーバ10で感知して、警察や警備機関あるいは医療機関等へ自動的に通報するように制御してもよい。更に、緊急時端末処理を実行するための操作を行なったユーザの携帯電話2に、緊急避難所(コンビニエンスストアやガソリンスタンドあるいは警察消防等の常時待機の公共施設)を表示するようにしてもよい。
災害時端末処理および災害時対応処理は、災害時における避難所、病院、消防署、警察等の災害時に必要な位置表示をバーチャル世界において表示制御する処理である。この位置表示処理は、通常の仮想タグとは異なる災害時専用の仮想タグを用いる。つまり、災害時情報提供システムとして独立して制御動作し、情報の提供、連絡、伝言等を作成して災害時専用仮想タグにより表示する。それにより、緊急時における情報の混乱等を避けて、的確な災害時の情報提供を行なうことができる。提供する情報としては、前述の位置情報の表示に加えて、病院や避難所における傷病者情報の提供、災害時に関しての総合的な情報の提供、避難所等においての緊急時伝言の表示等を行なう。
サイバー特区端末処理およびサイバー特区対応処理とは、リアル世界に適用されている社会的規則とは異なる特別な規則を適用するように政府等によって定められたサイバー空間における制御処理である。例えば、ユーザが進入できるバーチャル世界を複数階層に構成し、第一の階層はリアルの世界と同じ社会的規則が適用されたサイバー空間であり、第二階層が例えば高消費税率(例えば20%)の社会的規則が適用され、それに伴う社会福祉が充実したサイバー空間であり、第三階層が、例えば共生経済が適用されるサイバー空間(共生経済サイバー空間)というのに構成する。
なお、共生経済とは、F(フーズ=食料)、E(エネルギー)、C(ケア=広い意味での人間関係)の自給圏(FEC自給圏という)を市民レベルで形成するものである。共生経済サイバー特区では、連帯・参加・共同により、日本国での円による貨幣経済から独立した経済圏を樹立する。その上で、サイバー空間を有効活用してFEC自給圏の形成に貢献する。
円による貨幣経済から独立した経済圏を樹立するために、例えば、共生経済サイバー特区内独自の仮想通貨を発行し、その仮想通貨を用いて、変動制場制の元、直接円やドルを通貨としている国との対外的取引を行ない、それにより、共生経済サイバー特区を経済面でリアル世界から独立した経済圏にする。
更に、仮想通貨の発行に変えてまではそれに加えて、リスペクト市場における「リスペクト数値」を導入してもよい。「リスペクト数値」とは、相手に対する敬意を表す価値情報である。他人から貰って蓄積された「リスペクト数値」に、貨幣本来の機能(交換価値および価値の基準(尺度))の少なくとも一部を認める。これにより、ボランタリー経済を発展させるための経済的利益以外の動機付けを与えることができる。
共通点検索要求処理および共通点検索処理とは、或るユーザと他のユーザとの間での行動場所等の共通点を検索するための処理である。詳しくは図17に基づいて後述する。
コミュニティ仮想タグ端末処理およびコミュニティ仮想タグ対応処理とは、リアル世界において発生した出来事(例えばゲリラライブあるいは皆既日食等)について意見交換等を行なうコミュニティ仮想タグを当該出来事の発生場所に対応したバーチャル世界およびリアル世界に生成するための処理である。詳しくは図18〜図20に基づいて後述する。
リンク元指定端末処理およびリンク元指定対応処理とは、バーチャル世界内(四次元座標上)において履歴として記憶されているユーザの会話や行動履歴を基にして当該ユーザがブログ等を記載した場合に、その基となった行動履歴に対してハイパーリンクを貼るためのトラックバックの処理を行なうものである。詳しくは図22、図23に基づいて後述する。
ユーザ四次元座標検索処理とは、警察等の所定の機関から四次元座標における或る閉空間に位置するユーザを検索するための処理である。例えば、或る場所で或る時刻に殺人事件が発生した場合に、その聞き込み捜査を行なうべき当該殺人事件の発生時刻と発生場所近辺にいたユーザ(目撃者等)を検索して割出す等の時に活用する。詳しくは、図21に基づいて説明する。
図17は、図16のS325で示した共通点検索要求処理およびS335で示した共通点検索処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。共通点検索要求処理は、前述したようにユーザ同士の行動上における地理的共通点を検索するものであり、ユーザの携帯電話AまたはBあるいはエージェントAまたはBの間で実行される。まず、携帯電話AまたはエージェントAにおいて、S370により、共通点検索操作があったか否かの判断がなされる。互いの共通点を検索する操作があった場合にはS370によりYESの判断がなされてS371へ進み、共有仮想タグ用IDを読み出す処理が行われる。これは、携帯電話Aの場合にはEEPROM42に記憶されている共有仮想タグ用IDを読み出す処理であり、エージェントAの場合には、エージェントAが知識データとして記憶している共有仮想タグ用IDを読み出す処理である。
次に制御がS372へ進み、GPS時刻情報を用いて可変共有仮想タグ用IDを生成する処理が行われる。この処理は、図7のS2の処理と同様であり、ここでは説明の繰り返しを省略する。次にS373により、可変共有仮想タグ用IDを携帯電話BまたはエージェントBへ送信する処理が行われる。携帯電話BまたはエージェントBにおいては、まずS376により、共通点検索操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、ある場合にはS377により、携帯電話AまたはエージェントAから送信されてきた可変共有仮想タグ用IDを受信する。次にS378により、サーバ10へアクセスするか否かの判断がなされ、アクセスするまで待機する。そして、ユーザが携帯電話Bを操作してサーバ10へアクセスする操作を行なった場合またはエージェントBがサーバ10へアクセスする旨の判断を行なった場合には、S378によりYESの判断がなされて制御がS379へ進み、ユーザIDを含む本人認証データをサーバ10へ送信する処理が行われる。
サーバ10では、それを受信し(S384)、S385により本人確認を行なった上で、S386によりアクセス許可を携帯電話BまたはエージェントBへ送信する。このS378、S379、S384〜S386は、図7のS4〜S7の処理と同様であり、ここでは詳しい説明の繰り返しを省略する。
携帯電話BまたはエージェントBは、サーバ10から送信されてきたアクセス許可を受信し(S380)、S381により、携帯電話BまたはエージェントBの現在位置データと携帯電話AまたはエージェントAの可変共有仮想タグ用IDとをサーバ10へ送信して共通点の検索を依頼する処理を行なう。
サーバ10では、それを受信し(S387)、図8で示したS16、S16a〜S16c、S16d、S20〜S24と同じステップの処理を実行する。次にS16dによりYESの判断がなされた場合には、制御がS388に進み、両者すなわち携帯電話AおよびBまたはエージェントAおよびBのユーザ四次元座標データベース11aを検索して両者の位置のみ共通するデータと位置および時刻の両方が共通するデータとを特定する。次にS389により、その特定されたデータを、携帯電話AまたはエージェントAおよび携帯電話BまたはエージェントBへ送信する。携帯電話AまたはエージェントAは、それを受信し(S374)、その受信したデータを表示する(S375)。携帯電話BまたはエージェントBは、S389により送信されてきたデータを受信し(S382)、その受信したデータを表示する(S383)。
この制御により、携帯電話Aの所持者と携帯電話Bの所持者あるいはエージェントAとエージェントBとが、互いに自己の行動上において地理的に共通する点を確認することができる。例えば、互いに2010FIFAワールドカップを観戦していたことや同じレストランへよく食事に行くこと等の互いの共通点を確認でき、以降のコミュニケーションに役立つ材料を提供することができる。
しかも、一方の当事者(携帯電話BまたはエージェントB)のみが単独で共通点の検索要求を出すのではなく、他方の当事者(携帯電話AまたはエージェントA)からの可変共有仮想タグ用IDの送信を条件に(S373、S377参照)、共通点の検索要求を出すことができるため、当事者間での合意の下で互いの共通点(個人情報)の交換ができ、プライバシーの問題もクリアできる。
図18〜図20は、図16のS326に示したコミュニティ仮想タグ端末処理およびS336に示したコミュニティ仮想タグ対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずサーバ10において、S410により出来事の入力操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS412へ進む。例えば、皆既日食や竜巻あるいは有名な芸能人によるゲリラライブ等の出来事が発生した場合に、サービスプロバイダ8の従業員(オペレータ)がそれら重要と思われる出来事の発生場所と発生時間とをサーバ10に入力する。例えば、皆既日食や竜巻の場合には、時間と共に発生場所が移動するために、図14に示したユーザ四次元座標データベース11aと同様に、発生している場所を表すx、y、zならびに時間の変化wから成る四次元座標データとして入力する。すると、S410によりYESの判断がなされてS411へ進み、その発生した出来事名と発生場所と発生時間とを出来事四次元座標データベース(図示省略)に記憶する処理を行なう。
一方、携帯電話2において、S400によりコミュニティ仮想タグの操作があったか否かの判断がなされ、ない場合には図20に示すS424へ制御が進み、コミュニティ仮想タグへのアクセス操作があった否かの判断がなされ、ない場合にはこのコミュニティ仮想タグ端末処理のサブルーチンプログラムが終了する。一方、ユーザが携帯電話2を操作して、コミュニティ仮想タグの操作を入力した場合には、S400によりYESの判断がなされてS401に進み、現在の位置と時刻の記憶操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS403により、コミュニティ仮想タグ生成操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはコミュニティ仮想タグ端末処理のサブルーチンプログラムが終了する。
一方、ユーザが偶然ゲリラライブや竜巻等に遭遇した場合に、その遭遇場所の現在位置と現在の時刻とを記憶する操作を携帯電話2により行なう。すると、S401によりYESの判断がなされてS402により、その現在の位置と時刻すなわちゲリラライブや竜巻に遭遇した位置(x、y、z)と時刻(w)とがEEPROM42に記憶される。
次にユーザが携帯電話2を操作して、コミュニティ仮想タグを生成するための操作を行なえば、S403によりYESの判断がなされて制御がS404へ進み、前述のS402により記憶された記憶情報の選択指定を行なう操作が入力されたか否かの判断がなされ、操作されていない場合にはS405により、アクセスする位置と時刻の入力操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS404へ復帰し、S404→S405→S404のループを巡回する。ユーザが、例えばS402の処理に基づいて携帯電話2に既に記憶されている出来事に関するコミュニティ仮想タグを生成したい場合には、その記憶情報の中から生成したい出来事を選択する。すると、S404によりYESの判断がなされてS406へ進み、その選択入力された位置および時刻とユーザIDとをサーバ10へ送信し、コミュニティ仮想タグの生成を依頼する処理が行われる。
一方、ユーザがある出来事(例えばゲリラライブや竜巻)に遭遇したがその遭遇した時点での現在の位置と時刻の記憶操作を行なわなかった場合に、その遭遇した出来事についてのコミュニティ仮想タグを生成したい場合には、自己の記憶に基づいて、その遭遇した位置と時刻とを手動で携帯電話2に入力する。するとS405によりYESの判断がなされて制御がS406へ進み、その入力された位置および時刻とユーザIDとがサーバ10へ送信されてコミュニティ仮想タグの生成が依頼される。
サーバ10は、携帯電話2からのコミュニティ仮想タグの生成依頼を受信し(S412)、S413により、その受信した位置および時刻に既にコミュニティ仮想タグが生成されているか否かの判断を行なう。生成されている場合には制御がS414へ進み、既に生成済みである旨が携帯電話2に返信される。ユーザは、その既に生成されているコミュニティ仮想タグにアクセスできる。
一方、コミュニティ仮想タグが未だ生成されていない場合には、制御がS415へ進み、受信した位置と時刻に該当する出来事の記憶が既にあるが否かの判断がなされる。これは、前述のS411により、既に出来事名と発生場所と発生時刻とが記憶されているか否かの判断であり、サービスプロバイダ8の従業員がサーバ10を操作することによって既に出来事の記憶がなされている場合には、制御がS416へ進み、その出来事の発生場所にコミュニティ仮想タグを生成し、そのコミュニティ仮想タグに出来事の発生時間を表示し、さらにサービスプロバイダ8の従業員が入力したコミュニティ名を表示して、このコミュニティ仮想タグ対応処理のサブルーチンプログラムが終了する。コミュニティ名としては、例えば、「○○氏渋谷道玄坂でゲリラライブ決行! 目撃者集まれ」等である。
一方、S415によりNOの判断がなされた場合には制御がS421に進む。S421では、出来事の発生時間の入力要求を携帯電話2へ送信する処理が行われる。それを携帯電話2が受信し(S417)、S418により、出来事の発生時間の入力画面を表示し、S419により、ユーザによる発生時間の入力操作があったか否かの判断がなされ、あるまで待機する。なお、出来事の発生時間ばかりでなく、コミュニティ名の入力画面も表示し、ユーザによりコミュニティ名を入力させてもよい。
ユーザが携帯電話2を操作して出来事の発生時間の入力を行なえば、制御がS420へ進み、その入力された時間をサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、それを受信し(S422)、次に制御が423へ進み、S412により受信した位置にコミュニティ仮想タグを生成し、S422により受信した時間を出来事の発生時間として表示する処理が行われる。
S400によりNOの判断がなされて、S424によりYESの判断がなされた場合には、制御がS425へ進み、アクセス先のコミュニティ仮想タグを指定する情報とユーザIDとをサーバ10へ送信する処理が行われる。このアクセス先のコミュニティ仮想タグを指定する情報としては、例えば、そのコミュニティ仮想タグが生成されている場所あるいは場所と時刻とを特定するデータが考えられる。他の例としては、図5で説明したように、このコミュニティ仮想タグを共有仮想タグと同様にEEPROM42に記憶しておき、ユーザがコミュニティ仮想タグの一覧を表示させる操作を行なってその一覧表示の中からアクセスしたいコミュニティ仮想タグを選択してクリックすることにより、そのクリックしたコミュニティ仮想タグが自動的に指定されてサーバ10へ送信するようにしてもよい。
サーバ10では、S425で送信された情報を受信し(S432)、S433により、指定されたコミュニティ仮想タグの位置と出来事の発生時間とをコミュニティ仮想タグデータベース(図示省略)を検索して抽出する。次に制御がS434へ進み、S432により受信したユーザIDから特定される当該ユーザの四次元座標データ(w,x,y,z)と抽出されたコミュニティ仮想タグの位置(x,y,z)および発生時間wとを照合する処理が行われる。そしてS435により、両者が一致するか否かの判断がなされ、一致しない場合にはS436により、アクセス拒否を携帯電話2へ返信する。一方、S435により両者が一致すると判断された場合には制御がS437へ進み、アクセスされたコミュニティ仮想タグのページを携帯電話2へ送信して携帯電話2によりそのページが表示されるように制御する。
携帯電話2では、S426により、アクセス拒否またはコミュニティ仮想タグのページを受信し、S427により、アクセス拒否を受信したか否かの判断を行ない、アクセス拒否を受信した場合にS428により、アクセス拒否を携帯電話2で表示し、一方、アクセス拒否の受信ではない場合にはS429に進み、コミュニティ仮想タグのページを抽出して閲覧できるようにする処理が行われる。
次にS430により、ユーザがページ内にメッセージや文章を書き込んだ場合に、その書き込み情報をサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、S438により、その書き込み情報をコミュニティ仮想タグデータベースに記憶する処理が行われる。具体的には、書き込み情報を該当するコミュニティ仮想タグに対応付けて記憶する。次にユーザが携帯電話2を操作して終了操作を行なえば(S431)、その終了操作信号がサーバ10へ送信され、S439により、サーバ10におけるコミュニティ仮想タグ対応処理の終了処理が行われる。
以上説明したコミュニティ仮想タグ端末処理およびコミュニティ仮想タグ対応処理においては、S434〜S437によるアクセス制御の結果、アクセス対象となるコミュニティ仮想タグの出来事の発生時刻に発生場所近辺にいたユーザの携帯電話2のみがアクセスを許容されることとなる。しかし、これに限らず、出来事の発生時刻に別の場所にいたユーザの携帯電話2によってもアクセスできるようにしてもよい。この場合に、コミュニティ仮想タグのページ内での書き込み制限等に関して、出来事に遭遇した遭遇ユーザと遭遇していない非遭遇ユーザとで差を設けるようにしてもよい。例えば、非遭遇ユーザ場合には、非遭遇ユーザ用ページしか書き込みおよび閲覧できないようにする一方、遭遇ユーザの場合には遭遇ユーザ専用のページに書き込みおよび閲覧でき且つ非遭遇ユーザ用ページにも書き込みおよび閲覧できるようにする。
図21は、図16のS337に示したユーザ四次元座標検索処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
警察署に設置されているサーバ(図示省略)において、ユーザ四次元座標検索依頼の処理が実行される。まずS450により、本人認証用データをサーバ10へ送信して検索依頼が行なわれる。この本人認証用データは、例えば、警察サーバであることを認証した所定の認証機関が発行した電子証明書(あるいは属性証明書)等から構成されている。サーバ10はその検索依頼を受信し(S454)、S455により、正規の警察サーバであることを確認した上で許可する旨を警察サーバへ返信する。
警察サーバはそれを受信し(S451)、S452により、検索対象範囲としての次のデータを送信する。
a≦w≦b c≦x≦d e≦y≦f zは不問
このデータをサーバ10が受信し(S456)、S457により、その受信した検索対象範囲内に存在するユーザをユーザ四次元座標データベース11aから検索する処理が行われる。次にS458により、その検索結果を警察サーバへ送信し、警察サーバはS453によりそれを受信する。
これにより、例えば、殺人事件が発生した場合の聞き込み捜査等を行なう際に、その殺人事件の発生時間帯に発生場所近辺にいた者(目撃者)を簡単に割出すことができ、無駄のない聞き込み捜査等を行なうことができる利点がある。
図22は、図16のS327に示されたリンク元指定端末処理およびS338に示されたリンク元指定対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。携帯電話2において、S460により、リンク元指定操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはリンク元指定端末処理のサブルーチンプログラムが終了する。ユーザが例えば、無差別殺人事件等の或るテーマで取材をするべく無差別殺人事件の発生時刻および発生場所のバーチャル世界に進入し、その近辺にいたユーザのアバター(エージェント)に話かけて取材を行ない、それを基にブログ等を書いた場合に、その取材の現場(バーチャル世界での会話内容等)をリンク元として自分のブログにハイパーリンクを埋め込み、リンク元にトラックバックを行ないたい場合には、ユーザは携帯電話2を操作してリンク元指定操作を行なう。具体的には、取材等による会話の開始時点の四次元座標(w,x,y,z)を入力する。すると、S460により、YESの判断がなされてS461により、その入力されたリンク元時空間の開始点座標データがサーバ10へ送信される。
サーバ10は、それを受信し(S467)、S468により、指定された開始点の四次元座標の時空間を特定するURLをハイパーリンク用データベース60(図23参照)に記憶する処理を行なう。
また、携帯電話2では、S462により、取材(会話)の終了時点の四次元座標(w,x,y,z)を入力する。すると、入力されたリンク元時空間の終了点を指定する座標データ(w,x,y,z)をサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10ではそれを受信し(S469)、S470により、その指定された終了点の四次元座標の時空間を特定するURLをハイパーリンク用データベース60に記憶する処理を行なう。
次にサーバ10では、S471により、ハイパーリンク用データベース60(図23参照)に記憶した開始点URLを携帯電話2へ送信する処理が行われる。携帯電話2では、それを受信し(S463)、S464により、その受信した開始点URLをリンク先のコンテンツ(例えばブログ等)に埋め込む処理が行われる。次にS465に進み、ユーザがトラックバック操作を行なったか否かの判断がなされ、携帯電話2を操作してトラックバック操作を行なうと、制御がS466へ進み、リンク先コンテンツ(ブログ等)のURLをトラックバックとしてサーバ10へ送信する処理が行われる。
サーバ10では、それを受信し(S472)、S473により、その受信したURLをリンク先URLとしてハイパーリンク用データベース60(図23参照)に記憶する処理が行われる。
図23は、ハイパーリンク用データベース60の記憶データを説明するための図である。このハイパーリンク用データベース60は、サービスプロバイダ8に設置され、サーバ10によってデータの書き込みおよび読み出しが行われる。
ハイパーリンク用データベース60には、開始点URL、終了点URL、リンク先URL、コメントデータの各データが記憶される。例えば、開始点URLとして、http://abc、終了点URLとしてhttp://opq、リンク先URLとしてhttp://hij、が記憶されている。前述のS471により、例えば開始点URLとしてhttp://abcが携帯電話2へ送信され、ユーザがコンテンツ(ブログ等)にその受信したhttp://abcを埋め込む。他人がそのコンテンツ(ブログ等)にアクセスしてその埋め込まれた開始点URLであるhttp://abcをクリックすれば、そのURLで特定されるバーチャル空間(四次元座標空間)にジャンプ(移動)してアクセスすることができる。その後、終了点URLであるhttp://opqで特定されるバーチャル空間(四次元座標空間)まで時間が経過する間、ユーザの取材内容等の会話がバーチャル空間において時間の経過と共に表示されることとなる。そしてその会話内容のやり取りを見た他人が会話途中の所望の箇所あるいは会話終了時点でコメントを投稿することができる。
図23に示すように、投稿されたコメントデータがハイパーリンク用データベース60に記憶される、コメントが投稿された会話内容の四次元時空間にアクセスした場合には、会話内容のやり取りと共に投稿されたコメントも合わせて表示される。さらにリンク先URLであるhttp://hijも合わせて表示される。他人がこのリンク先URLをクリックすれば対応するユーザのコンテンツ(ブログ等)にジャンプしてアクセスすることができる。
図22、図23に基づいて説明したリンク元指定制御は、要するに、バーチャル世界(四次元時空間)とブログやSNS(Social Networking Service)等のサイバー空間とを結び付ける(橋渡しする)中継機能を有するものである。また、結び付ける対象は、バーチャル世界(四次元時空間)であれば何でもよく、前述のコミュニティ仮想タグやそれに結び付いた書き込みページ、サイバー特区内、後述の歴史バーチャル世界の各エリア内(S231参照)等、どのようなものであってもよい。また、変形例として後述するように、バーチャル世界内(四次元時空間内)を検索できるようにした場合に、このリンクが張られている数等に基づいて、ランク付けを行ない、検索結果の表示順序に反映させるように制御してもよい。
図24(a)は、図15(a)のS301に示された過去バーチャル世界端末処理のサブルーチンプログラムを示し、図24(b)は、図15(b)のS311に示された過去バーチャル世界対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
図24(a)を参照して、過去バーチャル世界端末処理では、S212より、歴史バーチャル世界端末処理が実行され、S211により、その他の端末処理が実行される。
図24(b)を参照して、過去バーチャル世界端末処理では、S220により、歴史バーチャル世界対応処理が実行され、S221により、その他の対応処理が実行される。
S210の歴史バーチャル世界端末処理およびS220の歴史バーチャル世界対応処理は、四次元時空間であるバーチャル世界を利用して歴史に関するサービスを提供する処理である。
S210のその他の端末処理およびS221のその他の対応処理は、例えば、プロポーズを行なった場所および時刻等の思い出に残る場所および時刻にメモリアル仮想タグを生成し、その時の思い出に残る写真や言葉等をメモリアル仮想タグに対応するページに記録保存する等のようなサービスである。そして、生まれて現在までの間におけるユーザの複数のメモリアル仮想タグに対応するページの内容を時系列的に編集して表示し、当該ユーザの自分史を作成することができる等のサービスである。
図25(a)は、図24(a)のS210に示した歴史バーチャル世界端末処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図25(b)は、図24(b)のS220に示した歴史バーチャル世界対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。歴史バーチャル世界端末処理では、S230により、歴史バーチャル世界へのアクセス操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。一方、ユーザが携帯電話2により、歴史バーチャル世界へのアクセス操作を行なえば、制御がS231へ進み、歴史バーチャル世界への各エリアの入室操作を受け付ける処理が実行される。歴史バーチャル世界の各エリアは、「歴史エリア」「仮説エリア」「アナザーワールドエリア」「情報交換エリア」の四つのエリアを有しており、ユーザが携帯電話2を操作してこれら四つの内のいずれかを選択する。
「歴史エリア」とは、当時の情景の立体、平面表示機能や音声案内、歴史に関する年代時期、その後の行方等さまざまな時代に関する詳しいデータを閲覧できるエリアである。
「仮説エリア」とは、正式な歴史とは異なる異論を唱えられている情報を提供するエリアである。たとえば、源の義経は殺されることなくチンギスハンとして、活躍した。等の情報を提供する。
「アナザーワールドエリア」とは、歴史がもしあの時この人物が殺されていなかったら、その後の世界はどうなっていた、などの、情報を閲覧できるエリアである。
「情報交換エリア」とは、現在のSNSのような歴史バーチャル世界内に設置されたコミュニティでユーザ自身がコミュニティに自由に参加できてその建物や人物に関する情報を交換できる仕組みになっているエリアである。
「歴史エリア」はサービスプロバイダ8あるいは歴史専門のサービスプロバイダが提供する情報である。その他の「仮説エリア」「アナザーワールドエリア」「情報交換エリア」では、基礎的な情報はサービスプロバイダ8あるいは歴史専門のサービスプロバイダが提供するとしてもユーザ自身が主導で各々の情報や想いを伝えることができる仕組みになっている。
次に制御がS232へ進み、ユーザIDと選択された歴史バーチャル世界のエリアとをサーバ10へ送信する処理が行われる。
サーバ10では、S238によりそれを受信し、S239により、受信したIDに基づいて当該ユーザが有料会員のユーザであるか否かを判定する処理が行われる。サーバ10では、ユーザIDに対応付けて当該ユーザが有料会員であるか否かを特定するためのデータを記憶している。そして、S240により有料会員であると判定された場合には、S241により、歴史バーチャル世界の表示処理が実行される。一方、有料会員でない一般会員であると判定された場合には制御がS242へ進み、S231に従ってユーザが選択したエリアが一般ユーザ表示用のエリアであるか否かの判定が行われる。サーバ10は、図28に基づいて後述する歴史バーチャル用データベース62が接続されている。歴史バーチャル用データベース62には、一般ユーザが閲覧できるエリアか有料会員ユーザのみが閲覧できるエリアであるかを区別できるようにデータが記憶されている。サーバ10は、この歴史バーチャル用データベース62を検索して、選択されたエリアが一般ユーザ表示用のエリアであるか否かの判断を行ない、一般ユーザ表示用のエリアである場合には制御がS241へ進むが、一般ユーザ表示用のエリアでない場合、すなわち有料会員のみ閲覧可能なエリアの場合には、制御がS243へ進み、有料会員でないため表示できない旨を携帯電話2へ返信する。
携帯電話2では、S233によりそれを受信し、S234により、有料会員でないため表示ができない旨を表示する処理が実行される。
図26(b)は、図25(b)のS241に示した歴史バーチャル世界表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まずS258により、S231に従って選択されたエリアでユーザの現在位置近辺の歴史タグを検索する処理が行われる。ここにいる「ユーザの現在位置」とは、ユーザがバーチャル世界に進入している場合にはそのバーチャル世界におけるユーザの進入位置のことであり、ユーザがバーチャル世界に進入していない場合にはリアル世界におけるユーザの現在位置のことである。そして「歴史タグ」とは、バーチャル世界におよびリアル世界に表示される仮想タグであって、ユーザによってクリックされることによりその歴史タグに対応付けて記憶されている歴史説明データや3D表示用データをユーザに表示させるためのタグである。この歴史タグのタイトルが、各エリア情報に対応付けて歴史バーチャル用データベース62に記憶されている。そして、ユーザには歴史タグがタイトルと共に表示される。
次に制御がS259へ進み、時系列的に複数の歴史タグが存在するか否かが判断される。つまり、S258により検索された歴史タグが当該ユーザの現在位置近辺において時系列的に複数存在するか否かの判断がなされる。例えば、ユーザの現在位置が岐阜県不破郡関ヶ原町の場合には、図28の場合には、関ヶ原の合戦というタイトルの歴史タグが時間軸(w=1600年10月21日)上に存在し、その歴史タグが表示されることとなるが、同じ岐阜県不破郡関ヶ原町において他の歴史エリアに対応した歴史タグが異なった時間軸w上(時代)に存在する場合には、S259によりYESの判断がなされて、制御がS260へ進み、その複数の歴史タグを携帯電話2へ送信する処理が行われる。
携帯電話2では、S245によりそれを受信し、受信した複数の歴史タグをS246により表示する制御が行われる。次にS247により、ユーザによる歴史タグの選択操作があったか否かの判断がなされ、あるまで待機する。選択操作があった場合にS248により、その選択された歴史タグをサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、S261によりそれを受信する。次にS262により、受信した歴史タグまたはS258により検索された1つの歴史タグをユーザの現在位置近辺におけるリアル世界またはバーチャル世界に表示させる制御が行われる。
一方、携帯電話2では、S249により、選択された歴史タグを表示し、S250により、その表示された歴史タグのクリック操作があったか否かの判断がなされ、あるまでS249→S250→S249のループを巡回する。ユーザが表示されている歴史タグをクリックした場合には、S251により、その歴史タグのクリック信号をサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10では、S263によりそれを受信し、S264により、そのクリックされた歴史タグに対応する歴史説明データ・3D表示用データを特定して携帯電話2へ送信する制御が行われる。具体的には、サーバ10は図28の歴史バーチャル用データベース62を検索し、クリックされた歴史タグのタイトルに対応して記憶されている歴史エリアに対応して記憶されている歴史説明データ・3D表示用データを検索して、その検索されたデータを携帯電話2へ送信する。具体的には、関ヶ原の合戦というタイトルの歴史タグがクリックされた場合には、それに対応付けて記憶されている「徳川家康の覇権を決定付けた合戦」という歴史説明データと3D表示用データとが特定され、そのデータが携帯電話2へ送信される。
携帯電話2によっては、S252によりそれを受信し、S253により、その受信した歴史説明データ・3D表示用データを表示する制御が行われる。次にS254において、時系列に存在する複数の歴史タグ中の他の歴史タグに切り替え操作が行われた否かの判断がなされ、行われていなければS270へ制御が進むが、切り替え操作が行われた場合には制御がS246へ復帰し、再び時系列的に存在する複数の歴史タグを表示してその中から歴史タグを選択する操作が行われる。これにより、時系列的に存在する複数の歴史タグの内の他の歴史タグを選択し直してそれに対応する歴史説明データ・3D表示用データを表示して閲覧することが可能となる。
一方、S254によりNOの判断がなされた場合に、S270により、入室エリアの切り替え操作があったか否かの判断がなされる。ない場合には制御がS271へ進むが、ユーザが携帯電話2を操作して入出エリアの切り替え操作を行なった場合には制御がS231へ復帰し、再び4つのエリアから入室したいエリアを選択し直して入室し直す制御が行われる。
S270によりNOの判断がなされた場合にS271により、エリアのページ内への書き込み操作があったか否かの判断がなされる。ない場合には制御がS273へ進むが、ユーザが携帯電話2を操作して書き込み操作を行なった場合には制御がS272へ進み、その書き込まれたデータをサーバ10へ送信する制御が行われる。
サーバ10では、S277によりそれを受信し、その書き込まれたデータを歴史バーチャル用データベース62に記憶させる制御が行われる。例えば、アナザーワールド情報としての「もし、西軍が勝利していたら、その後の日本はどうなっていたのか。」仮説情報としての「西南戦争で天守閣喪失時に徳川家康の財宝の地図が盗まれたのではないかとされて…」等のデータをユーザが書き込んでその書き込まれたデータが歴史バーチャル用データベース62に書き込まれて記憶される。
一方、ユーザが携帯電話2を操作して終了操作を行なえば(S273)その終了操作信号がサーバ10へ送信され、S279によりそれが受信され、S280により終了処理が実行される。
図29(a)は、図15のS302に示した未来バーチャル世界端末処理のサブルーチンプログラムを示し、図29(b)は、図15のS312に示した未来バーチャル世界対応処理のサブルーチンプログラムを示している。
まず、未来バーチャル世界端末処理では、S700により天気予報端末処理が実行され、S701により未来出会い系端末処理が実行され、S702により未来スケジュール端末処理が実行される。
未来バーチャル世界対応処理では、S705により天気予報対応処理が実行され、S706により未来出会い系対応処理が実行され、S707により未来スケジュール対応処理が実行される。
天気予報端末処理および天気予報対応処理とは、過去現在の天気と未来の天気予報に従ってバーチャル世界を表示するものである。例えば現在の東京都の天気が雨の場合には、ユーザがバーチャル世界に進入して現在の東京都にアクセスした場合には、雨の景観が表示される。
未来スケジュール端末処理および未来スケジュール対応処理とは、図14に基づいて説明したユーザのスケジュールに基づいて未来のバーチャル世界でユーザのアバターを表示するものである。例えば、図14を参照して、ユーザIDが13B9PSの場合には、未来の予定として、○○イベントに参加するスケジュールとなっている。この○○イベントが明日の午後1時から3時まで渋谷道玄坂で開催される場合には、13B9PSのユーザのアバター(エージェント)がバーチャル世界における明日の午後1時から3時において渋谷道玄坂で継続して表示されることとなる。
この詳細な制御を図30に基づいて説明する。図30は、S700に示された未来スケジュール端末処理およびS707で示された未来スケジュール対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。ユーザの携帯電話2において、まずS710により、スケジュールの入力操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS714により、未来バーチャル世界表示操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
ユーザが携帯電話2を操作してスケジュールの入力操作を行なえば、S710によりYESの判断がなされて制御がS711へ進み、時間,場所を含む入力されたスケジュールを携帯電話2における例えばEEPROM42により記憶する処理が行われる。次に、S712により、サーバ10への通知を行なうか否かの判断がなされ、サーバ10への通知を行なわない場合にはS714へ進む。一方、サーバへ通知する操作をユーザが携帯電話2により行なえば、制御がS713へ進み、入力した時間,場所を含むスケジュールとユーザIDとをサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、それを受けて、S720により、受信した時間,場所を含むスケジュールをユーザIDに対応付けてユーザ四次元座標データベース11aに記憶する処理が行われる。
一方、ユーザが携帯電話2により、未来バーチャル世界表示操作を行なえば、S714によりYESの判断がなされてS715へ進み、ユーザIDとアクセス位置と未来アクセス日時とをサーバ10へ送信する処理が行われる。ユーザは、携帯電話2を操作して、未来のバーチャル世界におけるアクセスしたい位置(場所)とアクセスしたい未来の日時とを入力するのであり、その入力されたデータがS715によりサーバ10へ送信される。
サーバ10では、それを受けて、図9に示したS34〜S37の処理を実行し、次にS722により、ユーザ四次元座標データベース11aを検索して、受信したアクセス位置近辺で且つ受信した未来アクセス日時にいる予定のアバター(エージェント)を割出して、バーチャル世界3Dデータにオーバーレイして表示する処理がなされる。次にS39〜S42の処理(図9参照)が実行される。
図31は、図16のS331に示されたバーチャル世界表示対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず、サーバ10は、図9に示したS30〜S32と同じステップの処理を実行し、S480により、ユーザのIDとアクセス位置とアクセス時刻が携帯電話2から送信されてきたか否かの判断がなされる。ユーザがアクセスしたいバーチャル世界のアクセス位置とアクセス時刻と自分のユーザIDとを携帯電話2からサーバ10へ送信した場合には、S480によりYESの判断がなされて、図9のS34、S35と同じ処理が実行され、次にS36と同じ処理が実行され、次にS37と同じ処理が実行される。次にS481へ進み、ユーザ四次元座標データベース11aを検索して、アクセス時刻(w)とアクセス位置(x,y,z)近辺のユーザを割出してそのエージェント(アバター)との会話データをバーチャル世界の3Dデータにオーバーレイして表示する処理が行われる。なお、この会話データは、図32に基づいて後述する会話データベース61に記憶されるものであり、バーチャル世界内におけるエージェント(アバター)を介してのユーザ同士の会話内容あるいはエージェント(アバター)自身の会話内容である。
次に制御がS482へ進み、表示しているバーチャル世界にリンク先URLが付されているか否かの判断が行われる。このリンク先URLとは、図23に基づいて説明したハイパーリンク用データベース60に記憶されているリンク先URLのことである。
リンク先URLが付されていない場合には図9のS39〜S42に示した処理と同じ処理が実行される。一方、リンク先URLが付されている場合には制御がS483へ進み、そのリンク先URLをバーチャル世界において表示する制御がなされる。次にS484へ進み、コメントの入力があるか否かの判断がなされ、ない場合にS39〜S42の処理が実行されるが、ある場合にS485により、その入力されたコメントをハイパーリンク用データベース60(図23参照)に記憶すると共にバーチャル世界にそのコメントを表示する制御がなされた後、S39〜S42の処理が実行される。
次にS486へ進み、アクセスしているバーチャル世界において時間を進行させる要求があったか否かの判断がなされる。バーチャル世界にアクセスしているユーザは、現在のバーチャル世界にアクセスしている場合にはリアル世界における時間の進行と共にバーチャル世界においても同様に時間が進行してアバター(エージェント)の移動の様子が表示されるのであるが、ユーザが過去のバーチャル世界あるいは未来のバーチャル世界を指定してアクセスした場合には、指定された時刻(w)で時間軸wが固定されたバーチャル世界が表示されることとなる。その時刻においてバーチャル世界内をユーザが移動し、ある場所において時間を進行させたい場合には、ユーザは携帯電話2を操作して時間の進行要求を行ない、それをサーバ10へ送信する。すると、S486により、YESの判断がなされてS487に進み、時間wを歩進する制御が行われてS36に制御が復帰する。
このS487における時間wの進行制御(歩進制御)は、リアル世界における通常の時間の進行速度と同じ進行速度でバーチャル世界を進行させるものであるが、リアル世界に比べて速い進行速度あるいは遅い進行速度等のように、ユーザが自由に進行速度を選択してきてサーバ10へ要求することも可能である。サーバ10では、要求された進行速度に従ってS487により時間wを歩進制御する。また、時間軸wを逆方向に指定した速度で逆進行させる制御を可能にしてもよい。
一方、S486によりNOの判断がなされた場合には、制御がS488へ進み、バーチャル世界におけるアクセス位置のスライド要求があったか否かの判断がなされる。ユーザが携帯電話2を操作して現在アクセスしているバーチャル世界のアクセス位置をスライドさせて移動させる操作を行なった場合には、そのスライド要求信号がサーバ10へ送信され、S488によりYESの判断がなされて、S489により、バーチャル世界における三次元座標(x,y,z)をスライドさせてアクセス位置を移動させる制御が行われる。その後制御がS36へ復帰する。
図32は、会話データベース61に記憶されているデータを説明するための図である。この会話データベース61は、サービスプロバイダ8に設置されており、サーバ10によりデータの書き込みおよび読み出しが可能である。
会話データベース60には、ユーザIDとそれに対応付けて、会話が行われたバーチャル世界での位置データ、会話データが記憶されている。このバーチャル世界での位置データと会話データとは、時間軸wによって変化するものであり、時間軸wの変化に応じてその時々でのバーチャル世界での位置データおよび会話データが会話データベース61に記憶されている。つまり、この会話データベース61は、図14に示したユーザ四次元座標データベース11aと同様に、四次元座標データの形で会話データが記憶されている。但し、各ユーザは四次元時空間であるバーチャル世界に進入して場所の移動および進入時期(時代)の移動を行ないながら会話を行なうため、w,x,y,zがその移動と共に変動するとともに会話した四次元座標(w,x,y,z)もユーザによってまちまちに変化する。そのような変動データが四次元座標データとして各ユーザID毎に対応付けて記憶されている。つまり、各ユーザはそれぞれ進入場所と進入時期(時代)と移動態様とが異なるため、時間軸wも各ユーザ別(各ユーザID別)に設定されている。すなわち、ユーザ(ユーザID)の数だけ時間軸wが設定されている。
図33は、図15のS303に示した認証用端末処理およびS313に示した認証処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。認証用端末処理として、S800により、認証要求操作があったか否かの判断がなされる。ユーザが携帯電話2を操作して認証要求操作を行なえば、S800によりYESの判断がなされて制御がS801へ進み、SSL(Secure Socket Layer)認証の要求の操作であるか否かの判断がなされる。通常のSSL認証の要求の場合には、S802により、通常のSSL認証要求処理が実行され、サーバ10において、それを受けてS805により、通常のSSL認証処理を実行する。
一方、ユーザが携帯電話2を操作して四次元座標認証要求の操作を行なった場合には、S801によりNOの判断がなされて制御がS803へ進み、四次元座標認証要求処理が実行される。これを受けて、サーバ10は、S806により、四次元座標認証処理を実行する。
図34は、S803に示した四次元座標要求処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S803により、ユーザの携帯電話2により、認証メニュー表示がなされる。この認証メニュー表示によって表示されるメニュー項目は、「契約認証項目」、「四次元座標電子証明書項目」、「その他の認証項目」である。ユーザが商品等を購入して分割払い等のなんらかの契約を行なう場合には、「契約認証項目」を選択する。ユーザが或る時刻に或る場所(或る四次元座標上)にいたことを証明するための電子証明書を発行して貰いたい場合には、「四次元座標電子証明書項目」を選択する。
ユーザが携帯電話2を操作して、契約認証項目を選択した場合には、制御がS835へ進み、契約認証要求処理が実行される。ユーザが携帯電話2を操作して、四次元座標電子証明書項目を選択した場合には、制御がS836へ進み、四次元座標電子証明書発行要求処理が実行される。ユーザがその他の項目を選択した場合には、制御がS834へ進み、その他の認証要求処理が実行される。
前述のS806に示されたサーバ10側における四次元座標認証処理も、S835に対応した契約認証処理、S836に対応した四次元座標電子証明書発行処理のサブルーチンプログラムを含んでいる。
図35は、S835に示された契約認証要求処理およびそれに対応したサーバ10側における契約認証処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。契約認証要求処理は、契約した当事者すなわち債務者Aと債権者Bとの両者の携帯電話2が共同して、サーバ10に対して契約用共有仮想タグの生成依頼を行ない、サーバ10における契約認証処理により、契約用共有仮想タグを生成する。なお、債務者Aが有料映像コンテンツ等のデジタルコンテンツを購入した場合には、DRM(Digital Rights Management)処理も実行される。
まずS860により、債務者Aの携帯電話2において、共有仮想タグ用IDをEEPROM42から読み出す処理が行われる。次にS861により、GPS時刻情報を用いて可変共有仮想タグ用IDを生成する処理が行われる。この処理は、図7のS2に基づいて説明した処理と同じであり、ここでは説明の繰り返しを省略する。次にS862により、可変共有仮想タグ用IDを債権者Bの携帯電話2に赤外線通信等を利用して送信する処理が行われる。
債権者Bの携帯電話2では、S863により、サーバ10へアクセスするか否かの判断がなされる。債務者Bが携帯電話2を操作してサーバ10へアクセスする操作を入力すれば、S863によりYESの判断がなされ、S864により、債務者BのユーザID(EEPROM42に記憶されているユーザID)を含む本人認証データをサーバ10へ送信する処理が行われる。それを受けたサーバ10では、S869により本人確認を行ない、S870によりアクセス許可を債務者Bの携帯電話2へ返信する。このS864〜S870の各処理は、図7のS5〜S7の処理と同様であり、ここでは詳しい説明の繰り返しを省略する。
次に債務者Bの携帯電話2において、S865により、契約用共有仮想タグ生成依頼の操作が行われ、その操作に応じて、S866により債権者Bの携帯電話2の現在位置データと債務者Aの可変共有仮想タグ用IDと契約者データとをサーバ10へ送信し、契約用共有仮想タグの生成を依頼する処理が行われる。
それを受けたサーバ10では、図8に基づいて説明したS15、S16、S20〜S24、S16a〜S16a,S17〜S19の処理が行われる。ただし、これら図8に基づいて説明した各ステップの処理における「共有仮想タグ」は、この図35では、「契約用共有仮想タグ」となる。
次にS871により、契約用共有仮想タグのページに表示される契約書のデータと支払ページのデータを記憶する処理が行われる。これにより、債務者Aまたは債権者Bが携帯電話2を操作してバーチャル世界に生成された契約用共有仮想タグにアクセスしてそれをクリックした場合には、その契約用共有仮想タグのページが表示され、そのページ内に、債務者Aと債権者Bとの間で締結された契約書が表示され、分割払い等における支払いのページも合わせて表示される。債務者Aは、その支払のページにアクセスし、その支払のページに従ってクレジットカート゛等により、支払(債務の弁済)を行なうことが可能となる。
次に、前述したように、デジタルコンテンツの売買の場合には、債権者Bの携帯電話2において、S868によりDRM要求処理が行われ、その要求を受けたサーバ10では、S872によりDRM処理が実行される。これら処理については図36に基づいて後述する。
後述するDRM処理の結果サーバ10から暗号化デジタルコンテンツが債権者Bの携帯電話2に返信されてくるのであり、債権者Bの携帯電話2では、それを受けて、S873により、暗号化デジタルコンテンツを債務者Aの携帯電話2に送信する処理が行われる。
図36は、S868に示したDRM要求処理とS872に示したDRM処理とのサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。DRM処理は、まずS820により、デジタルコンテンツをサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、S823によりそのデジタルコンテンツを受信する。また債権者Bの携帯電話2において、S821により、デジタルコンテンツ購入者(債務者A)を指定するためのデータをサーバ10へ送信する。このデジタルコンテンツ購入者の指定データは、例えば、債務者Aの携帯電話2の可変共有仮想タグ用ID等である。それを受けたサーバ10では、S824により、指定された購入者の四次元座標データ(図14参照)の内からDRMに使用する四次元座標データを乱数R1によりランダムに決定する処理が行われる。このS824の処理の具体例としては、例えば、指定された購入者すなわち債務者Aの携帯電話2が移動中における適当な四次元座標データをユーザ四次元座標データベース11aから抽出する。この抽出データは、時間wの変化に従ってx、y、zの座標データが変化するデータとなっている。購入者(債務者A)が移動中であるためである。このユーザ四次元座標データベース11aからの抽出データにおける時間wが変化する範囲内において、サーバ10により乱数R1を生成する。そして、ユーザ四次元座標データベース11aにおける時間wに乱数R1を代入して得た座標(w、x、y、z;なお、w=R1)を、DRMに使用する四次元座標データとして決定する。
そして、S825により、その決定された四次元座標データを鍵K1として用いてデジタルコンテンツを暗号化する処理が行われる。次にS826により、その暗号化デジタルコンテンツに前記乱数R1を電子透かしとして埋め込む処理が行われる。次にS827により、その暗号化デジタルコンテンツを債権者Bの携帯電話2へ返信する処理が行われる。債権者Bの携帯電話2では、S822により、その暗号化デジタルコンテンツを受信する処理が行われる。
図37では、債務者Aが購入したデジタルコンテンツすなわちS873に従って送信されてきた暗号化デジタルコンテンツを再生する際に用いられる、携帯電話2側のコンテンツ再生処理およびサーバ10側の再生時認証処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。まず携帯電話2において、S880により、再生操作があったか否かの判断がなされる。購入者(債務者A)が携帯電話2を操作してコンテンツの再生操作を行なえば、S880によりYESの判断がなされ、S881により、暗号化コンテンツから乱数R1を抽出する処理が行われる。これは、暗号化コンテンツに電子透かしで埋め込まれている乱数R1を抽出する処理である。そしてS882により、ユーザIDと抽出した乱数R1とをサーバ10へ送信する処理が行われる。
サーバ10では、それを受信し(S890)、S891により、その受信したユーザIDの四次元座標データ(図14参照)の内から鍵K1に用いる四次元座標データをR1を用いて決定する処理が行われる。具体的には、受信したユーザIDに対応する現在位置のデータと時間wのデータからなる当該ユーザの四次元座標データを特定し、その時間wに前記乱数R1を代入することにより、当該ユーザの四次元座標データ(w、x、y、z;なお、w=R1)を決定する。
次にS892により、ユーザIDの四次元座標データの内からDRMに使用する四次元座標データを乱数R2によりランダムに決定する処理が行われる。このS892の処理は、前述したS824の処理と同様であり、ここでは詳しい説明の繰り返しを省略する。次にS893により、その決定された四次元座標データを鍵K2とし、その鍵K2とS891により決定された鍵K1と乱数R2とを携帯電話2へ送信する処理が行われる。
携帯電話2では、それを受信し(S883)、その受信した鍵K1を用いて暗号化コンテンツを復号して再生する処理が行われる。次にS885により、再生し終ったコンテンツを鍵K2を用いて暗号化する処理が行われ、S886により、その暗号化コンテンツに乱数R2を電子透かしとして埋め込む処理が行われる。そして携帯電話2は、乱数R2が埋め込まれた新たな暗号化コンテンツを上書き保存する。その結果、R1が埋め込まれた古い暗号化コンテンツは消去され、R2が埋め込まれた新たな暗号化コンテンツが記憶されることとなる。このように、暗号化コンテンツの再生が行なわれる度に、鍵K2→鍵K3→鍵K4・・・、R2→R3→R4・・・と、鍵および乱数が更新され、新たな乱数が埋め込まれた新たな暗号化コンテンツが上書き保存される。
図38は、図34のS836により示された四次元座標電子証明書発行要求処理およびそれに対応したサーバ10での四次元座標電子証明書発行処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず携帯電話2において、S840により、ユーザIDを含む本人認証データを送信し、それを受けたサーバ10では、S841により本人確認をし、S842によりアクセス許可を携帯電話2へ返信する。このS840〜S842の各処理は、図7に示したS5〜S7の各処理と同様であるために、ここでは詳しい説明の繰り返しを省略する。
アクセス許可を受けた携帯電話2では、S843により、証明してもらいたい四次元座標の指定操作(時間wの指定,緯度xと経度yの指定等)を受け付ける。次にS844により、その指定された四次元座標と四次元座標電子証明書発行要求依頼とをサーバ10へ送信する。それを受けたサーバ10では、S845により、その指定された四次元座標に本人が存在するか否かを判別し、S846により、存在しないと判断された場合には不存在による証明拒否を携帯電話2へ返信する処理が行われる。一方、S846により存在すると判別された場合には、S847により、存在すると判別された本人の四次元座標データに対しデジタル署名を付して電子証明書を作成する処理が行われる。このデジタル署名は、サーバ10が設置されたサービスプロバイダ8によるデジタル署名であり、具体的には、サービスプロバイダ8の秘密鍵を用いて、四次元座標データと「ユーザ四次元座標データベースに確かに存在する」等のメッセージとを復号し、その復号されたデータをデジタル署名として用いる。そして、S848により、電子証明書を携帯電話2へ送信する。
携帯電話2では、その送信されてきた電子証明書をEEPROM42等に記憶して保管する。そして、その電子証明書で証明される四次元座標に本人が存在することを立証する必要がある場合に、その保管している電子証明書をEEPROM42から読み出して提示する。例えば、大学のある授業に出席したことを立証して単位を取得する場合や、リアル世界のある事件に遭遇した場合にその事件についてのブログを書き、その事件の発生時刻にその事件の発生場所にいたことを立証する電子証明書を当該ブログに提示する等の利用方法が考えられる。
以上説明した図33〜図38の認証に関する制御では、端末認証ばかりでなくユーザ自身の本人認証も行なうためには、まず先に、携帯電話2とその所有者であるユーザとの間で本人認証を行なっておく必要がある。例えば、携帯電話2にパスワードや暗証番号を入力して本人認証を行なったり、あるいは、ユーザの指紋等を携帯電話2に読み取らせて生体認証を行なう等が考えられる。
また、契約用共有仮想タグへのアクセス制御としては、第1実施の形態で説明した共有仮想タグへのアクセス制御と同様にしてもよいが、次のような制御を用いてもよい。まず、債務者Aと債権者Bとが契約した場所(=契約用共有仮想タグが生成される場所)と時刻とからなるデータ(w,x,y,z)をサーバ10に記憶しておく。次に、契約用共有仮想タグをクリックしてアクセス操作したユーザの携帯電話2からサーバ10にユーザIDを送信してもらい、サーバ10においてユーザ四次元データベース11aを検索してそのユーザIDに対応付けて記憶されている当該ユーザの四次元座標データを割出し、当該ユーザが契約した場所と時刻(w,x,y,z)にいたか否かを判定し、いたことを条件に、アクセスを許容する。
図33〜図38の認証に関する制御では、ユーザの住所氏名あるいは電子メールアドレス等の本人特定情報を秘密にしつつ認証が可能となり、ユーザのプライバシーを保護しつつも特定の認証を行なうことができるという利点がある。このような利点を有する認証技術として、従来、匿名認証あるいは属性認証というものが存在するが、グループ署名等の高度な暗号技術を駆使しなければ実現できないという欠点があった。ところが、図33〜図38に示した認証技術の場合には、高度な暗号技術を駆使する必要がなく、匿名認証あるいは属性認証と同様の効果を簡便な方法で実現できる利点がある。
図39(a)は、図15(a)のS304に示されたバーチャル世界広告端末処理のサブルーチンプログラムを示し、図39(b)は、図15(b)のS314に示されたバーチャル世界広告対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
バーチャル世界広告端末処理は、S500により、広告表示端末処理が行われる。この広告表示端末処理は、バーチャル世界に用意された広告表示を携帯電話2で表示するための処理である。
一方、バーチャル世界広告対応処理では、S503により表示広告設定対応処理が行われ、S504により、広告表示対応処理が実行される。S503の表示広告設定対応処理は、後述する広告主クライアントによりバーチャル世界に表示させるための広告の設定操作を受付けてバーチャル世界に広告主が表示させたい広告を設定記憶するための処理である。S504の広告表示対応処理は、S500の広告表示端末処理に対応するサーバ側10の処理であり、バーチャル世界に用意された広告を携帯電話2に送信して表示させるための処理である。
図39(c)は、広告主クライアントにより実行される表示広告設定操作処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図39(d)は、S503に示された表示広告設定対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
広告主クライアントにおいて、S510により広告メニューへのログイン操作が行われた場合には、S511により、広告主クライアントの認証用データをサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10では、S515によりそれを受信し、S516により、認証用データに基づいて広告主クライアントが成り済まし等ではなく適正な正規の広告主クライアントであるか否かの本人認証を確認し、確認できた上で、広告メニューデータを広告主クライアントへ送信する制御が行われる。広告主クライアントでは、S512によりそれを受信し、S513により、広告メニュー選択入力処理が行われる。この広告メニュー選択入力処理によって、送信されてくるデータをサーバ10が受信してS517により入力メニュー登録処理が実行される。
図40(a)、図41、図42は、S513により示された広告メニュー選択入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図40(b)は、S517で示された入力メニュー登録処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。入力メニューの種類としては、広告の表示方法メニュー(S520)、表示距離メニュー(S523)、表示時間メニュー(S526)、広告の種類メニュー(S535)、バーチャル世界での表示区分メニュー(S538)、バーチャル世界でのユーザへの表示区分メニュー(S541)、相互機能がある場合のメニュー表示(S546)、表示地域選択メニュー(S549)の、8種類用意されている。
まずS520により、広告を表示する方法に関するメニューが広告主クライアントに表示される。表示用方法としては、常時表示型、ポップUP型、選択型広告の3種類がある。これら3種類のメニュー項目が表示される。常時表示型とは、広告が更新されたか否かに関わらず常に表示されている広告である。ポップUP型とは、広告が更新された時にその旨のポップUP表示がなされてその新たに更新された広告が表示されるものである。選択型広告とは、複数種類の内容の広告の中からユーザにマッチする広告あるいはユーザが選択した広告を表示するものである。
S521によりメニュー項目の選択操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS520の表示処理が行なわれる。ユーザが携帯電話2により選択操作を行なえば、S521によりYESの判断がなされ、制御がS522へ進み、その選択されたメニュー項目をサーバ10へ送信する処理が行なわれる。サーバ10では、S530によりそれを受信し、その受信データをバーチャル世界広告用データベース63(図43参照)へ登録する処理が行なわれる。次にS532により、広告メニューの全ての登録が終了したか否かの判断がなされ、未だに終了していない場合にはS530へ戻り、S530→S531→S532→S530のループを巡回する。
一方、広告主クライアントでは、S523により、バーチャル世界に進入したユーザへの広告の表示距離のメニュー項目を表示する制御が行われる。具体的には、表示距離メニューとして、遠距離型、中距離型、近距離型の3種類が用意されている。広告主クライアントにより、その表示距離メニュー項目の選択操作があったか否かの判断がS524により行われ、ない場合にはS523の表示処理が継続して行われる。選択操作があった段階で制御がS525へ進み、その選択されたメニュー項目をサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、S530によりそれを受信しS531によりバーチャル世界広告データベース63にその受信データを登録する制御が行われる。
次に広告主クライアントでは、S526により、表示時間のメニュー項目を表示する制御が行われる。具体的には、常時表示、時間限定表示の項目が表示される。常時表示とは24時間常に表示する広告であり、時間限定表示とは昼間の間だけあるいは夜の間だけ等の所定の時間を限定して表示する広告である。S527により選択操作があったか否かの判断がなされ、あるまでS526の表示処理が継続される。広告主クライアントにより選択操作があれば、S528によりその選択された項目がサーバ10へ送信される。サーバ10ではS530によりそれを受信し、その受信データをバーチャル世界広告データベース63に登録する制御が行われる。
広告主クライアントは、さらにS535により、広告の種類メニューを表示する制御が行われる。広告の種類としては、音声のみによる広告、動画と画像のみによる広告、音声+動画や画像による広告の3種類が用意されている。S536により選択操作があったか否かの判断がなされ、選択操作がない場合にはS535の表示制御が継続される。広告主クライアントにより選択操作があれば、S537によりその選択されたメニュー項目をサーバ10へ送信する処理が行なわれる。サーバ10ではS530によりそれを受信し、S532によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63に登録する制御が行なわれる。
広告主クライアントでは、更にS538により、バーチャル世界での広告の表示区分を表すメニュー表示が行われる。広告の表示区分としては、具体的では、現在世界でのみ表示する広告、過去世界でのみ表示する広告、未来も含め全ての時代で表示する広告の3種類が用意されている。S539によりメニュー項目の選択操作があったか否かの判断がなされない場合にはS538の表示が継続される。広告主クライアントにより選択操作があればS540によりその選択された項目をサーバ10へ送信する処理がなされる。サーバ10ではS530によりそれを受信し、S531によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63へ登録する処理が行なわれる。
広告主クライアントでは、更にS541により、バーチャル世界でのユーザへの表示区分を表すメニュー表示が行われる。ユーザへの表示区分としては、具体的には、全てのユーザに表示する広告、限定ユーザのみに表示する広告、端末ユーザのみに表示する広告、Webユーザにのみ表示する広告の4種類が表示されている。限定ユーザとしては、例えば有料会員の登録を行なっているユーザ等が考えられる。S542により選択操作があったか否かの判断がなされ、操作されていない場合にはS541の表示制御が継続される。広告主クライアントにより選択操作があればS543によりその選択されたメニュー項目をサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10ではS530によりそれを受信し、S531によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63へ登録する処理が行なわれる
広告主クライアントでは更にS546により、広告に相互機能がある場合のメニュー表示が行われる。具体的には、問合せ機能型、口コミ機能型、街頭販売機能型の3種類が用意されている。問合せ機能型とは、ユーザが広告主に質問することのできる広告である。口コミ機能型とは、広告対象の商品等について、既に書き込まれている口コミの閲覧およびユーザが新たに口コミを書き込むことのできる広告である。街頭販売機能型とは、広告を見たユーザが広告対象の商品を購入したい場合に広告主がバーチャル世界におけるユーザの進入位置に店舗を表示しそこで商品を販売することのできる広告である。
S547により選択操作があったか否かの判断がなされ、ない場合にはS546の表示制御が継続される。広告主クライアントにより選択操作があれば、S548によりその選択された項目をサーバ10へ送信する処理が行なわれる。サーバ10では、S530によりそれを受信し、S531によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63へ登録する処理が行なわれる。
広告主クライアントでは、更にS549により、広告を表示する地域の選択メニューの表示が行われる。具体的には、全世界表示、全国表示、地域限定表示の3種類が用意されている。S550により選択操作があったか否かの判断がなされ、選択操作があった段階でS551により、2の選択の場合すなわち全国表示の選択の場合に表示対象の国名を選択し、3の選択の場合すなわち地域限定表示の場合表示すべき地域を選択入力するための制御が行われる。地域限定表示時の広告の場合には、例えば当該広告が表示される地域に根差した当該地域特有の広告が表示される。例えば、京都の西陣に限定した広告表示の場合には、西陣織の商店等の広告が表示される。また、或る商店に対応するバーチャル世界での当該商店の所在地に限定する広告の場合には当該商店の商品やサービス内容等の広告を行なう。
次にS550により選択操作があったか否かの判断がなされ、選択操作があれば、S551により、2の選択場合すなわち全国表示の場合に表示対象となる国名を選択し、3の選択の場合すなわち地域限定表示の場合に表示対象地域を選択入力するための制御が行われる。次にS552により、その選択された項目をサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10ではS530によりそれを受信し、S531によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63へ登録する制御が行われる。
次に広告主クライアントでは、S553により、広告内容とコメント情報の入力操作があったか否かの判断がなされる。広告内容としては、例えば図43を参照し、○○眼鏡店、○○物産館等の広告内容を表す表示である、コメント情報としては、セールス実施中、営業時間は朝9時より午後10時まで、施工取付なんでも行いますお気楽にご相談下さい。等のメッセージ内容である。広告内容とコメント情報の入力操作があった場合には制御がS554へ進み、その入力情報をサーバ10へ送信する処理が行われる。サーバ10では、S530によりそれを受信し、S531によりその受信データをバーチャル世界広告用データベース63へ登録する処理が行なわれる。
図43は、サーバ10に接続されているバーチャル世界広告用データベース63に記憶された情報を示す図である。バーチャル世界広告用データベース63は、S520〜S553で説明したように、各種の情報が記憶されるが、この図43では、代表的なもののみを図示している。
図44(a)は、S500に示した広告表示端末処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図44(b)は、S504に示した広告表示対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。広告表示端末処理として、S558により、ユーザが携帯電話2によりバーチャル世界へログイン中であるか否かの判断がなされ、ログイン中でない場合はこのサブルーチンプログラムが終了する。ログイン中である場合において、サーバ10では、S570によりログイン中のユーザに示す広告を表示する制御が行われる。具体的には、サーバ10はバーチャル世界広告用データベース63を検索し、バーチャル世界広告用データベース63に記憶されている広告の中からユーザに表示すべき広告を選択する。次にS571により、その選択した広告をバーチャル世界にオーバーレイしてユーザの携帯電話2に表示させるための信号を送信する。携帯電話2では、S559によりそれを受信し、S560により、その受信した広告をオーバーレイして表示する制御が行われる。次にS561により、ユーザが広告を注視する操作を行なったか否かの判断がなされる。これは、例えば、画面中央に表示させてその広告をズームマップする操作等である。広告を注視する操作があった場合には、S562により、その注視対象の広告をサーバ10へ通知する制御が行われる。サーバ10ではS572によりそれを受信し、S573により、その通知された広告についての広告内容,コメント情報等の詳細情報をバーチャル世界広告用データベース63を検索して割出し、それを携帯電話2へ送信する制御が行われる。携帯電話2では、S563によりそれを受信し、S564により、それを受信した詳細情報のオーバーレイ表示を行なう。
次にS565により、広告の種類に応じた選択操作があったか否かの判断がなされる。操作があった場合には制御がS577へ進み、広告のリンク先のクリック操作であるか否かの判断がなされる。通常広告には、広告主への問合せ先を特定するURLがハイパーリンクとして埋め込まれている。そのリンク先のURLをクリックすれば、S578により、その広告主のホームページへ移動する。
一方、広告のリンク先のクリックでない場合にはS579により口コミ機能の選択であるか否かの判断がなされる。S546で説明した口コミ機能型の広告の場合に、口コミ機能を選択する操作が可能である。口コミ機能の表示部分をユーザがクリックすることによりS579によりYESの判断がなされて、S580により、口コミ選択が行われた通知がサーバ10へ送信される。サーバ10では、S594によりそれを受信してS595により書き込み済み口コミ情報を携帯電話2へ送信する。
携帯電話2ではS581によりそれを受信してS582により、受信した書き込み済み受信情報を表示する制御が行われる。次にS583により、口コミ書き込み操作が行われたか否かの判断がなされ、ユーザが携帯電話2により口コミを書き込む操作を行なえば、S584によりその書き込み情報がサーバ10へ送信される。サーバ10ではS586によりそれを受信し、S597により、書き込み口コミ情報としてバーチャル世界広告用データベース63へ記憶する処理が行なわれる。
携帯電話2においては、S579により口コミ機能の選択でないと判断された場合にはS585により、問合せ操作があったか否かの判断がなされる。ない場合にはS602へ進むが、問合せ操作があった場合にはS586により、その問合せ信号をサーバ10へ送信する処理が行なわれる。サーバ10ではS598によりそれを受信し、S599により問合せ欄を携帯電話2へ送信する処理が行なわれる。
携帯電話2では、S587により問合せ欄を受信し、S588により、その受信した問合せ欄を表示し、S589により、その広告に関しての問合せを問合せ欄に書き込み、問合せ欄に埋め込まれている広告主のURLをクリックする操作を受け付ける。次にS590により、広告主のページに移動し、書き込まれた問合せが広告主に通知される。そして広告主の応答を待って、広告主の応答を受信した段階でその受信した広告主の応答を表示する制御が行われる。
S585により問合せ操作でないと判断された場合には、広告の種類においた選択(S565参照)のうち、残されたものは街頭販売機能のみである(S546参照)。故に、携帯電話2は、S602により、街頭販売要求をサーバ10へ送信する。サーバ10ではS609によりそれを受信し、S610により、街頭販売店舗を表示する信号を携帯電話2へ送信する。携帯電話2では、S603によりそれを受信し、S604により、街頭販売用店舗をバーチャル世界にオーバーレイして表示する制御が行われる。一方、サーバ10では、街頭販売用店舗の表示制御信号を携帯電話2へ送信した後、S611により、街頭販売の要請があった旨を広告主サーバへ送信する。広告主サーバではS616によりそれを受信し、S617により店舗での顧客対応処理を行なう。顧客対応処理の信号がS612により中継されて携帯電話2へ送信され、携帯電話2ではS605により店員とのやり取りの操作が行なえる。この携帯電話2により店員とのやり取りと広告主サーバによるS617の顧客対応処理との信号がS612を中継してやり取りされる。
次に携帯電話2により商品の購入操作が行われた場合には(S606)、その購入操作信号がS613を中継して広告主サーバに送信され、広告主サーバにおいてS618により決済処理を行なう。
図47(a)は、図15(a)のS305に示したマーケティング端末処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図47(b)は、図15(b)のS315に示したマーケティング対応処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
マーケティング端末処理としては、S900によりアンケート端末処理が実行されS901により決済操作処理が実行される。アンケート端末処理とは、ユーザによるアンケートに対する回答を行なう処理であり、決済操作処理とは、ユーザが携帯電話2を用いて購入商品等に対する決済の操作を行なう処理である。
マーケティング対応処理としては、S905によりバーチャル世界出店受付け処理が実行され、S906により決済データ収集処理が実行され、S907によりマーケティングデータ提供処理が実行される。バーチャル世界出店受付け処理とは、出店業者のクライアントを通じて出店業者のバーチャル世界への出店依頼を受け付ける処理である。決済データ収集処理とは、ユーザがバーチャル世界において商品等の購入を行なった場合に決済機関がその決済データを収集し、その決済機関が収集した決済データをサーバ10に送信して貰ってサーバ10において収集記憶するための処理である。マーケティングデータ提供処理とは、出店業者等に対して収集したマーケティングデータを提供するための処理である。
図47(c)は、出店業者クライアント(図示省略)による出店依頼処理を示すサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図47(d)は、S905に示したバーチャル世界出店受付け処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。出店業者クライアントにおいて、S910により出店依頼がサーバ10へ送信される。サーバ10では、S917によりそれを受信し、S918により出店申し込みページを出店業者クライアントへ送信する処理が行なわれる。出店業者クライアントではS911によりそれを受信し、S912により、受信した出店申し込みページに、住所,業者名,出店場所,アンケートの有無を記入してサーバ10へ返信する処理が行なわれる。サーバ10ではS919によりそれを受信し、S920によりアンケートがあるか否かの判断が行われる。この判断は、S919により受信したデータ中に「アンケート有」と記入されているか否かに基づいて行われる。アンケート有と判断された場合にはS921により、アンケートページを出店業者クライアントへ送信する制御が行なわれる。出店業者クライアントでS913によりそれを受信し、S914により、その受信したアンケートページにアンケート質問事項を記入してサーバ10へ返信する制御が行われる。サーバ10ではS922によりそれを受信し、S923により、受信内容に基づいた出店処理が行なわれる。
図48(a)はS900に示したアンケート端末処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図48(b)は、S923に示した受信内容に基づいた出店処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。サーバ10において、S934により受信内容をマーケティング用データベース64(図50参照)に登録する処理が行なわれる。この受信内容とは、S919により受信した内容およびS922により受信した内容である。
図50を参照して、マーケティング用データベース64はサーバ10に接続されており、ユーザID、ユーザ性別、四次元座標データ、アンケート情報、決済情報等が記憶されている。ユーザIDに対応付けて、当該ユーザの性別であるユーザ性別、当該ユーザが携帯電話2を用いてバーチャル世界に進入した時のそのバーチャル世界での緯度x、経度y、標高(海抜)z、進入した時代(時期)wからなる四次元座標データ、ユーザがアンケートに回答したアンケート情報、決済情報が記憶されている。
各ユーザが四次元時空間であるバーチャル世界に進入して場所の移動および進入時期(時代)の移動を行なった場合には、w,x,y,zがその移動と共に変動する。そのような変動データが四次元座標データとして各ユーザID毎に対応付けて記憶されている。つまり、各ユーザはそれぞれ進入場所と進入時期(時代)と移動態様とが異なるため、時間軸wも各ユーザ別(各ユーザID別)に設定されている。すなわち、ユーザ(ユーザID)の数だけ時間軸wが設定されている。
また、決済情報としては、決済NO、決済種類、商品、金額、店舗情報等が含まれる。決済種類としては、クレジット決済や現金決済(ポイントカード使用)等のユーザが用いた決済の種類が記憶される。商品としては、例えば、ユーザが購入した書籍、ポロシャツ、パソコン、DVD等の購入商品の一般名称が記憶される。なお、「商品」はサービス等の役務も包含する広い概念である。金額としては、その商品の購入金額が記憶される。店舗情報は、商品を購入した店舗の名称が記憶される。
次にサーバは、S935により、仮想店舗をバーチャル世界の対応する位置にオーバーレイして携帯電話2に表示させるための制御を行なう。次にS936により、アンケート有の場合にそのアンケートに対応するアンケート仮想タグをオーバーレイして携帯電話2に表示させるための制御が行われる。携帯電話2では、S928により、アンケート仮想タグをクリックしたか否かの判断がなされ、クリックした場合にはS929により、そのアンケート仮想タグのクリック信号をサーバ10へ送信する処理が行なわれる。サーバ10では、S937によりそれを受信し、S938により、そのクリックされたアンケート仮想タグに対応するアンケートページを携帯電話2へ送信する処理が行なわれる。
携帯電話2では、S930によりそれを受信し、S931により、受信したアンケートページを表示する制御が行われる。次にS932により、表示されたアンケートによりユーザが回答する操作を受け付ける処理が行なわれ、S933により、その回答データをサーバ10へ送信する処理が行われる。
サーバ10ではS939によりそれを受信し、S940により、その受信したアンケート回答データをマーケティング用データベース64にアンケート情報として登録する処理が行なわれる。
図49(a)は、出店業者クライアントで実行される決済データ提供処理のフローチャートであり、図49(b)は、S906に示した決済データ収集処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。出店業者クライアントは、S945により、決済データの更新があったか否かの判断がなされる。バーチャル世界に進入したユーザが携帯電話2を操作して商品等を購入して決済処理を行なった場合には、出店業者にその決済データが送信され、出店業者においてその決済データの更新処理が行なわれる。すると、S945によりYESの判断がなされてS946により、出店業者クライアントについての本人認証を行なうためのデータがサーバ10へ送信され、サーバ10にアクセスする処理が行なわれる。サーバ10ではS950によりそれを受信し、S951により、本人確認をした上でアクセス許可を出店業者クライアントへ返信する。出店業者クライアントでは、S947によりそれを受信し、S948により、決済の更新データをサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10ではS952によりそれを受信し、S953により、その受信データに基づいてマーケティング用データベース64の決済情報(決済データ)を更新する処理が行なわれる。
図51(a)は、出店業者クライアントにより実行されるマーケティングデータ取得処理のフローチャートであり、図51(b)は、S907に示したマーケティングデータ提供処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。まず出店業者クライアントにおいて、S957によりマーケティングデータ取得操作があったか否かの判断がなされる。出店業者クライアントにおいてオペレータがマーケティングデータ取得操作を行なえばS957によりYESの判断がなされてS958により、出店業者クライアントの本人認証を行なうためのデータと共にマーケティングデータの要求をサーバ10へ送信する制御が行われる。サーバ10では、S968によりそれを受信し、S969により、本人確認した上でマーケティングメニューを出店業者クライアントへ送信する制御が行われる。
出店業者クライアントでS959によりそれを受信し、S960により、その受信したマーケティングメニューを表示する制御が行われる。このS960によるマーケティングメニューの表示画面が、図52に示されている。マーケティングメニューとしては、ユーザの四次元座標データ、ユーザの個人情報、決済情報、アンケート情報の4つのメニュー項目からなり、これら4つのメニュー項目から所望のものを選んでクリックする。すると、S961により選択したメニュー項目がサーバ10へ送信される。
サーバ10ではS970によりそれを受信し、S971により、選択されたメニュー項目に対応するマーケティングデータをマーケティングデータベース64から抽出し、S972によりその抽出したデータを出店業者クライアントへ送信する制御が行われる。
出店業者クライアントでは、S962によりそれを受信し、S963により、その受信データを記憶し、S964により、オペレータによって、マーケティングデータの表示操作があったか否かの判断がなされる。マーケティングデータの表示操作があった場合にはS965により、記憶しているマーケティングデータを表示する制御が行われる。
[第2実施の形態の変形例]
次に、第2実施の形態の変形例を列挙する。
(1) サーバ10を、各種制御内容に応じて複数の専用サーバで構成してもよい。例えば、現在バーチャル世界対応処理(S310)専用のサーバ、過去バーチャル世界対応処理(S311)専用のサーバ、未来バーチャル世界対応処理(S312)専用のサーバ、認証処理(S313)専用のサーバ、バーチャル世界広告対応処理(S314)専用のサーバ、マーケティング対応処理(S315)専用のサーバ等である。これは、前述した第1実施の形態の変形例でもある。
(2) バーチャル世界内(四次元時空間内)を検索できるようにしてもよい。検索対象としては、バーチャル世界内(四次元時空間内)での会話内容、コミュニティ仮想タグやそれに結び付いた書き込みページ、サイバー特区内、歴史バーチャル世界の各エリア内(S231参照)、共有仮想タグやそれに結び付いた書き込みページ等である。但し、アクセス制限が付されているバーチャル空間(例えば、共有仮想タグやそれに結び付いた書き込みページ、コミュニティ仮想タグやそれに結び付いた書き込みページ等)の場合には、アクセスが許容されるユーザにのみ(ユーザの携帯電話2にのみ)検索結果として表示される。
(3) 図5に基づいて説明した共有仮想タグへのアクセス方法は、共有仮想タグに限定されるものではなく、他のタグ、例えば、・・・業務用共有仮想タグ等に適用してもよい。
以上説明した実施の形態には以下の発明が開示されている。
特許第4256374号公報に記載の従来から一般的な連絡可能状態の場合、以下の欠点がある。
a 電話番号やメールアドレス等の個人情報を初対面の相手に知らせる点に不安を感じてためらいがちになる場合が多く、これが後々の交流の機会を失わせる。
b 個人情報を通知した相手から昼夜を問わず連絡が入り、迷惑を被る虞がある。
c 相手に伝えたメールアドレス等の個人情報が他人に横流しされ、その他人が本人に成りすましてメールを送信したり、またスパム等の被害を被る虞がある。
d 一旦伝えた個人情報を無効にするには、電話番号の変更やメールアドレスの変更等のように厄介な作業を伴う。
以上のことに鑑み、理想的な連絡可能状態とは、相手方に互いの個人情報を通知することなく後々コンタクトを取ることができ、かつ、相手方以外の他人がその相手方に成りすましてコンタクトしてくる不都合をも防止できる状態である。
一方、リアル世界内での人同士の出会いまたはイベントやコンサート会場への出席などは、人の行動できる範囲の物理的な制約のために、或る限られた狭い範囲内のものとなる不都合がある。また、人が自由になる時間は限られており、このような限られた時間内で遠隔地まで行くことは不可能である。
例えば、天文学に興味のあるアマチュアカメラマンが日本での皆既日食の撮影に成功し、また同じ趣味を持った多くの人とコンタクトがとれる連絡可能状態を構築できたものの、次に発生する外国での皆既日食にはどうしても都合が付かず、現地に出向くことができない、という不都合がある。
このような人の行動範囲の物理的制約および時間的な制約から解放して、自分が行きたい場所の人といつでもコンタクトがとれ連絡可能状態を構築できるのが、理想的である。
この行動範囲の物理的制約と時間的制約を克服する方法として、発明者は、ストリートビュー等のバーチャル世界内ではいつでもどこでも瞬間移動が可能となるという特性を利用することを新たに考え出した。
これを実現する方法として考えられる一例を以下に示す。
i 先ず、リアル世界を正確にコピーしたネット上の3D仮想世界を作成するかまたはストリートビュー等の既存のものをバーチャル世界として準備する。
ii 次に、リアル世界の人々の携帯電話の位置をGPS等により測定し、その測定された位置に対応するバーチャル世界の位置に、それら人々のアバターを表示させる。このアバターはエージェント機能を有するものが望ましい。
iii 次に、他の人がバーチャル世界に進入して前述のアバターと出会ったときに、そのアバター(エージェント)と会話し、そのアバターを介してリアル世界の本人とバーチャル世界に進入している人とが会話できるようにする。
このようにすることにより、リアル世界の本人に対応したアバターが、バーチャル世界とリアル世界とを繋ぐパイプ役を果たし、バーチャル世界とリアル世界との垣根を越えた交流が可能となる。当然のことながら、バーチャル世界では自由に場所を瞬間移動できるため、ユーザは希望する場所へ瞬間移動してその場所にいる人とコンタクトを取ることができる。
前述の皆既日食の例では、外国での皆既日食が発生したときにその場所にバーチャル世界からアクセスし、バーチャル世界のその場所に表示されているアバターと会話してアバターに対応する本人とコンタクトをとり連絡可能状態を構築し、後々自分の日本での皆既日食映像と相手の外国での皆既日食映像とを互いに交換する、などのことが可能となる。
しかし、バーチャル世界とリアル世界との垣根を越えた新たな交流においても、連絡可能状態の構築に際して前述のa〜dと同様の問題が生じる。
実施の形態に開示された発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、前述の理想的な連絡可能状態を構築する手段を提供することのできるアクセス制御システムおよびアクセス制御方法を提供することである。
実施の形態に開示された発明は、ユーザにより操作されるユーザ端末(たとえば、携帯電話2)の操作によりネットワークを介して特定の者同士(たとえば、リアル世界で出会ったユーザ同士、バーチャル世界で出会ったユーザ同士、リアル世界のユーザとバーチャル世界に進入したユーザとの間で出会った者同士、イベント主催者側とイベント参加者)がコンタクトを取る際に用いるアクセス制御システムであって、
所定の地理的エリア内(たとえば、リアル世界において、携帯電話2による赤外線通信が可能な範囲内やイベント会場を通信可能エリアとしてカバーする無線LAN7と携帯電話2との通信可能エリア内、バーチャル世界に進入した各ユーザのアバター(エージェント)同士による会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内)やバーチャルイベント会場の範囲内、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)とリアル世界にいるユーザの現在位置に対応するバーチャル世界の位置に表示された当該ユーザのアバター(エージェント)とによる会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内))にいる者によるコンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するための確認手段(たとえば、S15、S16、S16a〜S16d)と、
コンタクトを取るためのコンタクト用共有ページ(たとえば、共有仮想タグや業務用共有仮想タグに対応したWebページ)へのアクセス要求を受付けるアクセス要求受付手段(たとえば、S81により送信されてきたデータを受信する)と、
前記アクセス要求受付手段によりアクセス要求が受付けられたときに、前記確認手段による同意がとれたことの確認が行なわれたことを条件に(たとえば、S15、S16、S16a〜S16dを経て生成された共有仮想タグであって同意した者にしか表示されない共有仮想タグへのアクセス操作に基づいたS85による共有仮想タグへのアクセス要求が送信されてきたことを条件に)、同意した者同士がコンタクトを取るためのコンタクト用共有ページへのアクセスを許容するためのアクセス制御手段(たとえば、S86,S87、S91)と、を備えた。
このような構成によれば、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
好ましくは、前記ユーザ端末を操作することによりユーザがリアル世界(たとえば、図1、図2の上半分に示した現実の世界)の景観に対応するデジタル映像化されたバーチャル空間内(たとえば、図1、図2の下半分に示したバーチャル世界)に進入可能であり、
前記確認手段は、前記バーチャル空間内に進入して該バーチャル空間内の所定の地理的エリア内(たとえば、バーチャル世界に進入した各ユーザのアバター(エージェント)同士による会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内)やバーチャルイベント会場の範囲内、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)とリアル世界にいるユーザの現在位置に対応するバーチャル世界の位置に表示された当該ユーザのアバター(エージェント)とによる会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内))にいる者同士によるコンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するバーチャルエリア内確認機能(たとえば、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)同士やアバター(エージェント)とリアル世界のユーザとにおいても、地理的エリア内か否かをも判定するS15、S16、S16a〜S16d)を有する。
このような構成によれば、バーチャル空間内に進入した者同士の間で、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
より好ましくは、前記ユーザ端末を操作することによりユーザがリアル世界の景観に対応するデジタル映像化されたバーチャル空間内に進入可能であり、
前記確認手段は、前記バーチャル空間内に進入して該バーチャル空間内の所定の地理的エリア内にいる者と、該バーチャル空間内の所定の地理的エリアに対応したリアル世界の所定の地理的エリア内にいる者とによる、コンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するバーチャルリアル間確認機能(たとえば、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)とリアル世界のユーザの現在位置に対応するバーチャル世界の位置に表示された当該ユーザのアバター(エージェント)とが会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内)か否かをも判定するS15、S16、S16a〜S16d)を有する。
このような構成によれば、バーチャル空間に侵進入した者とリアル世界にいる者との間で、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
より好ましくは、前記確認手段は、
前記ユーザ端末の操作に従って送信されてくる同意がとれたことを示すコンタクト同意信号(たとえば、S3による赤外線通信で受信した相手同意者の可変共有仮想タグ用IDがS9により送信されてくるその送信信号)を受信する同意信号受信手段(たとえば、S9により送信されてくる送信信号をサーバ10が受信する)と、
前記同意がとれたユーザの同意時点における位置が前記所定の地理的エリア内であることを判定するエリア内判定手段(たとえば、S16、S16a〜S16d)と、を含み、
該エリア内判定手段により前記所定の地理的エリア内に位置すると判定されたことを条件に(たとえば、S16dによりYESと判定されたことを条件に)、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認を行なう(たとえば、S16dによりYESと判定することにより同意がとれたとの確認を行なってS17以降の共有仮想タグ生成処理に移行する)。
このような構成によれば、同意がとれたユーザの同意時点における位置が所定の地理的エリア内であると判定されたことを条件に、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認が行なわれるために、より確実な確認が可能になり、たとえば成り済ましによるコンタクトを極力防止できる。
より好ましくは、前記エリア内判定手段は、
前記ユーザ端末の位置情報を取得する位置情報取得手段(たとえば、S16a、S16c)と、
該位置情報取得手段により取得された位置情報に基づいて前記ユーザ端末が前記所定の地理的エリア内に位置するか否かを判定する判定手段(たとえば、S16d)と、を含み、
該判定手段により前記所定の地理的エリア内に位置すると判定されたことを条件に(たとえば、S16dによりYESと判定されたことを条件に)、ユーザ端末の同意時点における位置が前記所定の地理的エリア内であるとの判定を行なう(たとえば、S16dによりYESと判定することにより同意時点における位置が前記所定の地理的エリア内であるとの判定を行なってS17以降の共有仮想タグ生成処理に移行する)。
このような構成によれば、ユーザ端末の位置情報を取得し、その位置情報に基づいてユーザ端末が所定の地理的エリア内に位置するか否かが判定されるため、ユーザ端末が所定の地理的エリア内に位置するか否かの確実な判定に基づいて、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認が行なわれるために、より確実な確認が可能になり、たとえば成り済ましによるコンタクトを極力防止できる。
より好ましくは、前記ユーザ端末は、前記所定の地理的エリアの範囲内に限って通信可能な限定範囲内通信機能(たとえば、携帯電話2同士による赤外線通信、無線LANアクセスポイント7による無線通信)を有し、
前記エリア内判定手段は、前記同意信号受信手段により受信されたコンタクト同意信号に、前記限定範囲内通信機能により通信された前記ユーザ端末からの通信情報(たとえば、可変共有仮想タグ用ID)が含まれていることを条件に(たとえば、S9により可変共有仮想タグ用IDを含む情報が送信されてきたことを条件に)、ユーザ端末の同意時点における位置が前記所定の地理的エリア内であるとの判定を行なう(たとえば、S10の処理を実行してS17以降の処理を実行する)。
このような構成によれば、所定の地理的エリアの範囲内に限って通信可能な限定範囲内通信機能により通信された前記ユーザ端末からの通信情報が含まれていることを条件に、ユーザ端末の同意時点における位置が所定の地理的エリア内であるとの判定を行ない、比較的簡単で簡便な判定方法により、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認が行なわれ、たとえば成り済ましによるコンタクトを極力防止できる。
より好ましくは、前記確認手段による同意がとれたことの確認が行なわれたことを条件に(たとえば、S15、S16、S16a〜S16dを経て生成された共有仮想タグであって同意した者にしか表示されない共有仮想タグへのアクセス操作に基づいたS85による共有仮想タグへのアクセス要求が送信されてきたことを条件に)、リアル世界の景観に対応するデジタル映像化されたバーチャル空間内の所定の地理的エリア内に、前記同意した者同士がコンタクトを取るためにアクセスする前記同意した者専用のアクセスポイント(たとえば、共有仮想タグ)を生成するアクセスポイント生成手段(たとえば、S17〜S19またはS17、S200、S201、S18、S19)と、
前記アクセス要求受付手段によりアクセス要求が受付けられたときに(たとえば、S81によるデータを受信したときに)、前記アクセスポイント生成手段により生成されたアクセスポイントのうち、前記アクセス要求を行った者専用に生成されたアクセスポイント(たとえば、S81により送信されてきたユーザIDに対応する共有仮想タグ)を、当該アクセスポイントが生成されている地理的位置に相当するバーチャル空間の映像とともにアクセス要求者に表示するための制御を行なうアクセスポイント表示制御手段(たとえば、S87)と、をさらに備え、
前記アクセス制御手段は、ユーザが前記ユーザ端末を操作して前記アクセスポイントにアクセスすることにより、当該アクセスポイントに対応するコンタクト用共有ページへのアクセスを許容する(たとえば、S91)。
このような構成によれば、アクセス要求を行った者専用に生成されたアクセスポイントが、当該アクセスポイントが生成されている地理的位置に相当するバーチャル空間の映像とともにアクセス要求者に表示されるため、コンタクトをとる相手の個人情報を知らなくてもその地理的位置に相当するバーチャル空間の映像から相手の記憶を蘇らせることが可能となる。
より好ましくは、前記確認手段は、イベントの主催者側と当該イベントへの参加者との間での、コンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認する(たとえば、業務用共有仮想タグ生成処理において、S15、S16、S16a〜S16d)。
このような構成によれば、イベントの主催者側と当該イベントへの参加者との間で、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトを取ることが可能になり、参加者はイベントの主催者側からのお知らせやメッセージを知得できる一方、イベントの主催者側は参加者(ユーザ)とのパイプを構築することができる。
本発明の他の局面は、ユーザにより操作されるユーザ端末(たとえば、携帯電話2)の操作によりネットワークを介して特定の者同士(たとえば、リアル世界で出会ったユーザ同士、バーチャル世界で出会ったユーザ同士、リアル世界のユーザとバーチャル世界に進入したユーザとの間で出会った者同士、イベント主催者側とイベント参加者)がコンタクトを取る際に用いるアクセス制御システムであって、
所定の地理的エリア内(たとえば、リアル世界において、携帯電話2による赤外線通信が可能な範囲内やイベント会場を通信可能エリアとしてカバーする無線LAN7と携帯電話2との通信可能エリア内、バーチャル世界に進入した各ユーザのアバター(エージェント)同士による会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内)やバーチャルイベント会場の範囲内、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)とリアル世界にいるユーザの現在位置に対応するバーチャル世界の位置に表示された当該ユーザのアバター(エージェント)とによる会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内))にいる者によるコンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するための確認手段(たとえば、S15、S16、S16a〜S16d)と、
該確認手段による同意がとれたことの確認が行なわれたことを条件に、アクセスを許容するアクセス制御手段(たとえば、S86,S87、S91、または、相手方が、共有仮想タグ以外のコンタクト方法(例えば、メールアドレスや電話番号の通知)を望み、それに対して共有仮想タグ生成の申し出者が同意すれば、互いにメールアドレスや電話番号の交換を行なう)と、を備え、
前記確認手段は、
前記ユーザ端末の操作に従って送信されてくる同意がとれたことを示すコンタクト同意信号(たとえば、S3による赤外線通信で受信した相手同意者の可変共有仮想タグ用IDがS9により送信されてくるその送信信号)を受信する同意信号受信手段(たとえば、S9により送信されてくる送信信号をサーバ10が受信する)と、
前記同意がとれたユーザの同意時点における位置が前記所定の地理的エリア内であることを判定するエリア内判定手段(たとえば、S16、S16a〜S16d)と、を含み、
該エリア内判定手段により前記所定の地理的エリア内に位置すると判定されたことを条件に(たとえば、S16dによりYESと判定されたことを条件に)、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認を行なう(たとえば、S16dによりYESと判定することにより同意がとれたとの確認を行なってS17以降の共有仮想タグ生成処理に移行する)。
このような構成によれば、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報をあまり通知したくない相手にやむを得ず個人情報を通知する不都合を防止できる。さらに、同意がとれたユーザの同意時点における位置が所定の地理的エリア内であると判定されたことを条件に、所定の地理的エリア内にいる者の同意がとれたとの確認が行なわれるために、より確実な確認が可能になり、たとえば成り済ましによるコンタクトを極力防止できる。
本発明の他の局面は、ユーザにより操作されるユーザ端末(たとえば、携帯電話2)の操作によりネットワークを介して特定の者同士(たとえば、リアル世界で出会ったユーザ同士、バーチャル世界で出会ったユーザ同士、リアル世界のユーザとバーチャル世界に進入したユーザとの間で出会った者同士、イベント主催者側とイベント参加者)がコンタクトを取る際に用いるアクセス制御方法であって、
所定の地理的エリア内(たとえば、リアル世界において、携帯電話2による赤外線通信が可能な範囲内やイベント会場を通信可能エリアとしてカバーする無線LAN7と携帯電話2との通信可能エリア内、バーチャル世界に進入した各ユーザのアバター(エージェント)同士による会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内)やバーチャルイベント会場の範囲内、バーチャル世界に進入したユーザのアバター(エージェント)とリアル世界にいるユーザの現在位置に対応するバーチャル世界の位置に表示された当該ユーザのアバター(エージェント)とによる会話可能エリア内(たとえば10メートル範囲内))にいる者によるコンタクト可能状態にするための同意がとれたことを確認するステップ(たとえば、S15、S16、S16a〜S16d)と、
コンタクトを取るためのコンタクト用共有ページ(たとえば、共有仮想タグに対応したWebページ)へのアクセス要求を受付けるステップ(たとえば、S81により送信されてきたデータを受信する)と、
前記アクセス要求を受付けるステップによりアクセス要求が受付けられたときに、前記確認するステップによる同意がとれたことの確認が行なわれたことを条件に(たとえば、S15、S16、S16a〜S16dを経て生成された共有仮想タグであって同意した者にしか表示されない共有仮想タグへのアクセス操作に基づいたS85による共有仮想タグへのアクセス要求が送信されてきたことを条件に)、同意した者同士がコンタクトを取るためのコンタクト用共有ページへのアクセスを許容するステップ(たとえば、S86,S87、S91)と、を備えた。
このような構成によれば、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
本発明の他の局面は、ユーザにより操作されるユーザ端末(たとえば、携帯電話2)の操作によりネットワークを介して特定の者同士(たとえば、リアル世界で出会ったユーザ同士、バーチャル世界で出会ったユーザ同士、リアル世界のユーザとバーチャル世界に進入したユーザとの間で出会った者同士、イベント主催者側とイベント参加者、或る出来事に遭遇した者同士)がコンタクトを取る際に用いるアクセス制御システムであって、
コンタクトを取るためのコンタクト用共有ページ(たとえば、共有仮想タグ、業務用共有仮想タグあるいはコミュニティ仮想タグなどに対応したWebページ)を生成する共有ページ生成手段(たとえば、S91、S437)と、
ユーザ端末の位置情報を記憶するための位置情報記憶手段(たとえば、ユーザデータベース11、ユーザ四次元座標データベース11a)と、
前記コンタクト用共有ページ(たとえば、共有仮想タグ、業務用共有仮想タグあるいはコミュニティ仮想タグなどに対応したWebページ)へのアクセス要求を受付けるアクセス要求受付手段(S81とS90とにより送信されてきたデータを受信する、S432)と、
前記アクセス要求受付手段によりアクセス要求が受付けられたときに、該アクセスを要求したユーザ端末が所定の位置に存在していたか否かに応じて前記コンタクト用共有ページへのアクセス制御を行なうためのアクセス制御手段(たとえば、S86,S87、S91、S433〜S436)と、を備えた。
このような構成によれば、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
好ましくは、前記共有ページ生成手段は、所定の時間帯に所定の地理的エリアで発生した出来事(たとえば、皆既日食、竜巻、ゲリラライブ)に関しての共有ページを生成し(たとえば、S410〜S416、S421〜S423、S437)、
前記位置情報記憶手段は、経時的に変化するユーザ端末の位置情報の履歴を記憶し(たとえば、S30〜S32に従ってユーザ四次元座標データベース11aに時間軸wに沿った位置情報x,y,zが記憶され)、
前記アクセス制御手段は、前記位置情報記憶手段に記憶されている位置情報を検索することにより、前記アクセスを要求したユーザ端末がアクセス対象の前記コンタクト用共有ページ関する出来事の発生した時間帯に当該発生した地理的エリアに存在していたか否かを判定し、該判定結果に応じて前記コンタクト用共有ページへのアクセス制御を行なう(たとえば、S433〜S436)。
このような構成によれば、出来事に関しての共有ページへのアクセス制御を、当該出来事の発生した時間帯に当該発生した地理的エリアにアクセスを要求したユーザ端末が存在していたか否かに応じて行なうために、出来事に遭遇したユーザと遭遇していないユーザとでアクセス制限に差を設けることができ、たとえば、共有ページを遭遇したユーザに限定したコミュニティエリアにすることもできる。
本発明の他の局面は、ネットワークを介して特定の者同士がコンタクトを取る際に用いるサーバ(たとえば、サーバ10)であって、
外部との信号の入出力を行なうインタフェース部(たとえば、インタフェース58)と、
記憶部(たとえば、ユーザデータベース11、ユーザ四次元座標データベース11a)が記憶しているデータを利用して処理を行なうための処理部(たとえば、CPU50)とを備え、
前記処理部は、
コンタクトを取るためのコンタクト用共有ページ(たとえば、共有仮想タグ、業務用共有仮想タグあるいはコミュニティ仮想タグなどに対応したWebページ)を生成し(たとえば、S91、S437)、
ユーザ端末の位置情報を前記記憶部に記憶させ(たとえば、S30〜S32)、
前記コンタクト用共有ページへのアクセス要求の信号が前記インタフェース部に入力されたときに(S81とS90とにより送信されてきたデータを受信する、S432)、該アクセスを要求したユーザ端末が所定の位置に存在していたか否かに応じて前記コンタクト用共有ページへのアクセス制御を行なう(たとえば、S86,S87、S91、S433〜S436)。
このような構成によれば、相手とコンタクトが取れるようにするにおいて、個人情報を相手に通知しなくても後々コンタクトが取れるようになる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。