以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.現実世界と仮想世界をリンクさせることによる新たなユーザ体験
本発明の発明者は、現実世界と仮想世界とをリンクさせる新たなサービスを開発した。そのサービスとは、現実世界で特定のエリアに行くことをトリガとして仮想世界の対応するエリアでアクションが行われるように現実世界と仮想世界とをリンクさせることで、仮想世界を介して新たなユーザ体験を提供するというものである。具体的には、ユーザが現実世界の特定のエリアに行くことをトリガとして、ユーザが仮想世界の対応するエリアにアクセスすることができるようになり、ユーザは、仮想世界のそのエリアでそのエリアに関連付けられたアクションを行うことができる。本明細書において「エリア」とは、任意の面積を有する場所のことをいい、例えば、建物の一画であってもよいし、建物の一室であってもよいし、建物のフロア全体であってもよいし、建物自体であってもよいし、地区であってもよいし、市区町村であってもよいし、都道府県であってもよい。現実世界の「エリア」は、例えば、特定の信号送信手段(例えば、ビーコン)が信号を送信可能な範囲であってもよい。本明細書において、「現実世界と仮想世界とをリンクさせること」とは、現実世界での何かしらの行為が、仮想世界に対して何かしらの影響を及ぼすようにすることを意味し、現実世界での行為のすべてが仮想世界に対して影響を及ぼすようにする必要はなく、仮想世界での行為が現実世界に対して影響を及ぼすようにする必要もない。「現実世界と仮想世界とをリンクさせること」は、代表的には、ユーザが現実世界の特定のエリアに行くことをトリガとして、ユーザが仮想世界の対応するエリアにアクセスすることができるようにすることである。
例えば、ユーザが現実世界の渋谷に行くと、ユーザのアバターが、仮想世界の渋谷に行くことができるようになる。ユーザのアバターは、仮想世界の渋谷において、ショッピングをしたり、イベントに参加したりすることができる。例えば、ユーザが現実世界の病院に行くと、ユーザのアバターが、仮想世界の保険代理店に行くことができるようになる。ユーザのアバターは、仮想世界の保険代理店において、ユーザが実際に加入している医療保険の情報を収集したり、保険金の支払いの申請をしたりすることができる。例えば、ユーザが雇用主から指定された現実世界の場所に行くと、ユーザのアバターが、仮想世界の賃金の受け渡し場所に入ることができるようになる。ユーザのアバターは、仮想世界の賃金の受け渡し場所において、賃金の支払いを受けることができる。例えば、ユーザが現実世界の自宅に行くと、ユーザのアバターが、仮想世界の自宅に行くことができるようになる。ユーザのアバターは、仮想世界の自宅において、今は亡き家族のアバターと再会することができたり、家族からの手紙を受け取ったりすることができる。
現実世界のエリア、および、対応する仮想世界のエリアは、少なくとも1つのパラメータについて同じレベルを有することができる。一例において、現実世界のエリア、および、対応する仮想世界のエリアは、セキュリティレベルが同じレベルであることができる。例えば、現実世界のサーバルームに対応する仮想世界のエリアは、現実世界のサーバルームに匹敵する高度なセキュリティレベルを有することができる。別の例において、現実世界のエリア、および、対応する仮想世界のエリアは、高級感が同じレベルであることができる。現実世界の高級商店街に対応する仮想世界のエリアは、現実世界の高級商店街に匹敵する高級感を有することができる。別の例において、現実世界のエリア、および、対応する仮想世界のエリアは、地価が同じレベルであることができる。仮想現実における土地は、NFT(非代替的トークン)として販売されることができ、例えば、現実世界の高級住宅街に対応する仮想世界のエリアは、現実世界の高級住宅街に匹敵する高さの地価を有することができる。別の例において、現実世界のエリア、および、対応する仮想世界のエリアは、来訪者層が同じレベルであることができる。例えば、現実世界のオペラ会場に対応する仮想世界のエリアは、現実世界のオペラ会場と同様にオペラファンが多く来訪し得る。
図1Aは、現実世界と仮想世界とをリンクさせる一例を概略的に示す。
図1A(a)は、現実世界でのユーザUの様子を示し、図1A(b)は、ユーザUのスマートフォン400に仮想世界が表示されている様子を示す。
図1Aに示す例では、ユーザUが現実世界の銀座A1に行くと、ユーザUのスマートフォン400に表示されている仮想世界において、仮想世界の銀座A2にアクセスする(例えば、ユーザのアバター11が仮想世界の銀座A2に入る)ことができるようになる。ここで、仮想世界の銀座A2(図1A(b)において破線で囲まれたエリア)は、現実世界の銀座A1に来訪しない限り、入ることができない。従って、仮想世界の銀座A2にいるアバターはすべて、現実世界の銀座A1に来訪したユーザのアバターであるといえる。
仮想世界の銀座A2は、現実世界の銀座A1に対応するように、地価、高級感、または来訪者層において同じレベルを有することができる。例えば、仮想世界の銀座A2は、現実世界の銀座A1と同様の高級感を有しており、仮想世界の銀座A2にも高級な店舗が多く存在し得る。ここで、仮想世界の店舗は、電子商取引(EC)を行うことができる店舗であり得、仮想世界の店舗で購入された商品が、現実世界のユーザUにも提供されるようにしてもよい。例えば、仮想世界の銀座A2は、現実世界の銀座A1と同様の地価を有しており、仮想世界の銀座A2の地価(例えば、NFTとして販売される仮想世界の土地の値段)は、現実世界の銀座A1と同様に非常に高くあり得る。例えば、仮想世界の銀座A2は、現実世界の銀座A1と同様の来訪者層を有しており、仮想世界の銀座A2にも高所得者が低所得者よりも多く来訪し得る。
ユーザUは、ユーザのアバター11を操作することにより、例えば、仮想世界の銀座A2の店舗においてショッピングをすることができる。仮想世界の銀座A2で購入された商品は、例えば、現実世界のユーザUに提供されるようにしてもよいし、あるいは、仮想現実においてのみ使用可能であってもよい。
ユーザUは、ユーザのアバター11を操作することにより、例えば、仮想世界の銀座A2に来訪している他のユーザのアバターとコミュニケーションを行うことができる。コミュニケーションは、例えば、音声またはテキストベースの会話、アイテムの交換、金銭の授受等であり得る。
ユーザUは、ユーザのアバター11を操作することにより、例えば、仮想世界の銀座A2で開催されているイベントに参加することができる。あるいは、ユーザUは、例えば、仮想世界の銀座A2でしか手に入らないアイテムを入手することができる。
このように、ユーザUは、現実世界の銀座A1に行くことをトリガとして、仮想世界の高級商店街にアクセスすることができ、そこで、ユーザのアバター11を介して、ショッピングをしたり、イベントに参加したりすることができる。
図1Bは、現実世界と仮想世界とをリンクさせる別の例を概略的に示す。
図1B(a)は、現実世界でのユーザUの様子を示し、図1B(b)は、ユーザUのスマートフォン400に仮想世界が表示されている様子を示す。
図1Bに示す例では、ユーザUが現実世界のサーバルームA3に行くと、ユーザUのスマートフォン400に表示されている仮想世界において、仮想世界の秘密の部屋A4にアクセスする(例えば、ユーザのアバター11が仮想世界の秘密の部屋A4に入る)ことができるようになる。ここで、仮想世界の秘密の部屋A4は、現実世界のサーバルームA3および別に存在するサーバルーム(図示せず)に来訪しない限り、入ることができない。サーバルームA3および別に存在するサーバルームは、認証された特定の人物しか入ることができないエリアであり、従って、仮想世界の秘密の部屋A4にも認証された特定の人物しか入ることができない。従って、仮想世界の秘密の部屋A4にいるアバターは、現実世界で認証された人物のアバターであるといえる。これは、認証された特定の人物が、確かに現実世界のサーバルームにいることを保証することにもなる。
このように、仮想世界のサーバルームA4は、現実世界のサーバルームA3に対応するように、セキュリティレベルにおいて同じレベルを有することができる。
ユーザUは、ユーザのアバター11を操作することにより、例えば、仮想世界のサーバルームA4において、別のユーザのアバター12とコミュニケーションを行うことができる。コミュニケーションは、例えば、音声またはテキストベースの会話、アイテムの交換、金銭の授受等であり得る。秘密の部屋A4には、認証された特定の人物のアバターしかいないため、ユーザは、機密情報のやり取りを行うこともできる。
このように、ユーザUは、現実世界のサーバルームA3に行くことをトリガとして、仮想世界における高セキュリティのエリアにアクセスすることができ、そこで、ユーザのアバター11を介して、認証された特定の人物とのコミュニケーションを行うことができる。仮想世界における高セキュリティのエリアにアクセスしている人物は、認証され、かつ、現実世界の特定のエリアにいることが保証された人物となり得る。このことは、例えば、高レベルでの本人確認に用いることができる。例えば、IDおよびパスワードでの認証に加えて、現実世界の特定のエリアにいることを保証することでもって、本人確認とすることができる。
図1Cは、現実世界と仮想世界とをリンクさせるさらに別の例を概略的に示す。
図1C(a)は、現実世界でのユーザUの様子を示し、図1C(b)は、ユーザUのスマートフォン400に仮想世界が表示されている様子を示す。
図1Cに示す例では、ユーザUが現実世界の病室A5に行くと、ユーザUのスマートフォン400に表示されている仮想世界において、仮想世界の保険代理店A6にアクセスする(例えば、ユーザのアバター11が仮想世界の保険代理店A6に入る)ことができるようになる。ここで、仮想世界の保険代理店A6は、現実世界の病室A5に来訪しない限り、入ることができない。従って、仮想世界の保険代理店A6にいるアバターは、現実世界の病室A5に来訪したユーザのアバター、あるいは現実世界の病室A5に入院したユーザのアバターであり得る。
仮想世界の保険代理店A6は、現実世界の病室A5に対応するように、来訪者層において同じレベルを有することができる。すなわち、仮想世界の保険代理店A6は、現実世界の病室A5と同様の来訪者層を有しており、仮想世界の保険代理店A6にも病気または怪我の患者が来訪し得る。
ユーザUは、例えば、仮想世界の保険代理店A6において、現実世界で加入済の医療保険の情報を収集することができる。例えば、ユーザUがアバター11を操作することにより、医療保険の情報を収集するようにしてもよいし、アバター11が自律的に医療保険の情報を収集するようにしてもよい。加入済の医療保険の情報は、例えば、ユーザUが備忘のために予め入力しておいた情報であってもよいし、保険会社から提供される情報であってもよい。ユーザUは、自身がどのような医療保険に加入していたか忘れてしまった場合であっても、仮想世界において保険情報を収集することができるため、加入済の医療保険の内容を思い出すことができる。
ユーザUは、例えば、仮想世界の保険代理人A6において、保険金の支払いの申請を行うことができる。例えば、ユーザUがアバター11を操作することにより、保険金の支払いの申請を行うようにしてもよいし、アバター11が自律的に保険金の支払いの申請を行うようにしてもよい。
このように、ユーザUは、現実世界の病室A5に行くことをトリガとして、仮想世界において医療保険の情報を取得したり、保険金の支払いの申請をしたりすることができる。これにより、ユーザUは、医療保険の情報を別途収集したり、保険金の支払いの申請を別途行ったりする必要がなく、煩わしさを回避することができる。
上述した現実世界のエリアおよび仮想世界のエリアは一例であり、本発明のサービスは、他の任意のエリアおよび他の任意のシチュエーションに適用されることができる。
(ラストラブレター)
例えば、ユーザUの配偶者が、ユーザUに宛てた手紙を予め仮想世界に格納しておく。その配偶者が死亡した後に、ユーザUが現実世界の自宅に帰ることをトリガとして仮想世界の自宅に入ると、仮想世界の自宅において配偶者のアバターが出現し、配偶者のアバターが、格納されていた手紙をユーザ(またはユーザのアバター)に渡すことができる。あるいは、ユーザUの配偶者が、自身に死亡保険をかけていた場合、同様のシチュエーションで、仮想世界の自宅において配偶者のアバターが出現し、配偶者のアバターが、死亡保険による死亡保険金をユーザ(またはユーザのアバター)に渡すことができる。なお、死亡保険金は、仮想通過または電子マネー等の形態であり得る。
(デジタルタイムカプセル)
例えば、ユーザUは未来の自分に宛てた手紙や残しておきたいデータ(写真、音声等)を予め仮想世界に格納しておく。所定期間(例えば、数十年)経過後に、例えば、現実世界の学校の校庭に行くことをトリガとして、仮想世界の学校の校庭において、格納されていた手紙やデータを開封することができる。現実世界の物理的なタイプカプセルでは、どこに埋めたか分からなくなったり、別の建物が建ったりしてタイムカプセルを開封できない場合がある一方で、仮想世界のデジタルタイムカプセルであれば、紛失するおそれがなく、他人によって勝手に開封されるおそれもない。
(どこでもATM)
例えば、送金者がユーザUに対して送金するとき、送金者は、お金を受け取ることが可能なエリアを指定する。ユーザUが本人認証を行ったうえで、指定されたエリアに行くことをトリガとして、仮想世界の対応するエリアで、ユーザUはお金を受け取ることができる。ここで、お金は、仮想通過または電子マネー等の形態であり得る。これにより、ユーザUは物理的なATMが存在しない場所であっても、送金者によって指定されたエリアに行くことで、お金を受け取ることができる。
上述した新たなサービスは、例えば、後述する現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステム100によって実装されることができる。
2.現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステムの構成
図2は、現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステム100の構成の一例を示す。
システム100は、データベース部200に接続されている。また、システム100は、少なくとも1つの信号送信手段300、少なくとも1つのユーザ端末装置400、少なくとも1つの投票者端末装置500にネットワーク600を介して接続されている。
なお、図2では、3つの信号送信手段300、2つのユーザ端末装置400、1つの投票者端末装置500が示されているが、信号送信手段300、ユーザ端末装置400、および投票者端末装置500の数はこれに限定されない。任意の数の信号送信手段300、任意の数のユーザ端末装置400、任意の数の投票者端末装置500が、ネットワーク600を介してシステム100に接続され得る。例えば、ユーザが投票者を兼ねる場合には、投票者端末装置500は省略され得る。
ネットワーク600は、任意の種類のネットワークであり得る。ネットワーク600は、例えば、インターネットであってもよいし、LANであってもよい。ネットワーク600は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよい。
システム100はさらに、ブロックチェーンネットワーク700に接続されている。ブロックチェーンネットワーク700は、ブロックチェーンの技術によって構築されたネットワークであり、ユーザの情報を管理するために利用され得る。ブロックチェーンの技術を用いることで、管理される情報の改ざんを容易に検出することができるため、ブロックチェーンネットワーク700によって管理されるユーザの情報は、改ざんが実質的に不可能である。ブロックチェーンネットワーク700で管理される情報は、ユーザの特徴を表すスコアを算出するために利用され得る。
なお、ブロックチェーンの技術によってユーザの情報を管理することを説明したが、本発明はブロックチェーンの技術によるものに限定されない。情報を実質的に改ざん不可能に管理することができる限り、任意の技術を利用して、ブロックチェーンネットワーク700を構築することができる。
例えば、システム100は、仮想世界での体験を提供するサービスを提供するサービスプロバイダに設置されているコンピュータ(例えば、サーバ装置)であり得、ユーザ端末装置400は、そのサービスを利用するユーザが利用するコンピュータであり得る。投票者は、仮想世界の創造に関するステークホルダー(例えば、仮想世界の管理に関するガバナンストークンを有している者)であり、投票者端末装置500は、そのステークホルダーが利用するコンピュータであり得る。
ここで、コンピュータ(サーバ装置または端末装置)は、任意のタイプのコンピュータであり得る。例えば、端末装置は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、スマートグラス、スマートウォッチ等の任意のタイプの端末装置であり得る。
信号送信手段300は、信号を送信することが可能な任意の手段であり得、例えば、ビーコンであり得る。複数の信号送信手段300のそれぞれは、一意の信号を送信することができ、一意の信号は、システム100によって、それぞれの信号送信手段300が設置されている位置と関連付けられることができる。システム100は、当該一意の信号を受信した端末装置から送信されるデータを分析することにより、端末装置の位置が、信号送信手段300が設置されている位置であると識別することで、位置情報を取得することができる。信号送信手段300は、例えば、GPS衛星であってもよい。
信号送信手段300は、経時的に可変のIDを有する信号を送信するように構成されることができる。IDは、例えば、UUIDである。UUIDは、一般的には、不変のIDであるが、信号送信手段300は、UUIDの少なくとも一部を経時的に変更することで、経時的に可変のUUIDを有する信号を送信することができる。例えば、信号送信手段300が送信する信号のIDは、システム100によって制御されることができる。システム100は、ネットワーク600を介して信号送信手段300のIDを書き換えるように指示することができる。信号送信手段300から送信される信号のIDが、信号送信手段300に固有ではなく、システム100によって管理、制御されるため、第三者による信号送信手段300からの信号の改ざんまたはなりすましを防止することができる。これは、信号送信手段300からの信号を受信した端末装置の位置を保証することにつながる。
信号送信手段300は、さらに、到達範囲が可変の信号を送信するように構成されることができる。例えば、信号送信手段300が送信する信号の到達範囲は、システム100によって制御されることができる。システム100は、ネットワーク600を介して信号送信手段300の信号の到達範囲を変更するように指示することができる。これにより、例えば、信号送信手段300に近づかないとユーザが信号を受信することができない(例えば、部屋の一画に入らないと信号を受信することができない)ようにしたり、信号送信手段300から遠くであってもユーザが信号を受信することができる(例えば、建物に入ると信号を受信することができる)ようにしたりすることができる。信号送信手段300が信号を送信可能な範囲であり得る第1のエリアの範囲を自在に変更することができる。
データベース部200には、仮想世界でのユーザ体験を提供するための種々の情報が格納されることができる。データベース部200には、ユーザの特徴を表すスコアを算出するために利用される種々の情報が格納されることができる。データベース部200には、システム100によって決定された事項を示す情報が格納されてもよい。
図3は、現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステム100の具体的な構成の一例を示す。
システム100は、インターフェース部110と、プロセッサ部120と、メモリ130部とを備える。
インターフェース部110は、システム100の外部と情報のやり取りを行う。システム100のプロセッサ部120は、インターフェース部110を介して、システム100の外部から情報を受信することが可能であり、システム100の外部に情報を送信することが可能である。インターフェース部110は、任意の形式で情報のやり取りを行うことができる。
インターフェース部110は、例えば、システム100に情報を入力することを可能にする入力部を備える。入力部が、どのような態様でシステム100に情報を入力することを可能にするかは問わない。例えば、入力部が受信器である場合、受信器がネットワークを介してシステム100の外部から情報を受信することにより入力してもよい。あるいは、入力部がデータ読み取り装置である場合には、システム100に接続された記憶媒体から情報を読み取ることによって情報を入力するようにしてもよい。
インターフェース部110は、例えば、システム100から情報を出力することを可能にする出力部を備える。出力部が、どのような態様でシステム100から情報を出力することを可能にするかは問わない。例えば、出力部が送信器である場合、送信器がネットワークを介してシステム100の外部に情報を送信することにより出力してもよい。あるいは、出力部がデータ書き込み装置である場合、システム100に接続された記憶媒体に情報を書き込むことによって情報を出力するようにしてもよい。
システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に情報を送信し、かつ/または、データベース部200から情報を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、信号送信手段300に情報(例えば、制御信号)を送信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400に情報を送信し、かつ/または、ユーザ端末装置400から情報を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、投票者端末装置500に情報を送信し、かつ/または、投票者端末装置500から情報を受信することができる。
システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザの来訪履歴を受信することができる。システム100は、例えば、インターフェース部110を介して、仮想世界においてアクションが行われる際に決定されるべき事項を決定する際に利用されるルールを変更するための投票を受信することができる。
プロセッサ部120は、システム100の処理を実行し、かつ、システム100全体の動作を制御する。プロセッサ部120は、メモリ部130に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、システム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ部120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
メモリ部130は、システム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ部130は、現実世界と仮想世界とをリンクさせるための処理をプロセッサ部120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図8、図9に示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部130に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部130にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。メモリ部130は、任意の記憶手段によって実装され得る。あるいは、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、これを読み取ることによってメモリ部130にインストールされるようにしてもよい。
データベース部200には、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが格納され得る。
ユーザに関するデータは、ユーザに関する客観的な情報である。ユーザに関するデータは、ユーザ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。ユーザに関するデータは、例えば、ユーザの端末装置および/またはユーザの端末装置と通信可能なIoTデバイスから取得され得る。ユーザに関するデータは、例えば、ネットワーク上の任意の場所から取得され得る。ユーザに関するデータは、例えば、ネットワーク上の適所に格納されているトークン内に記録されることができる。ユーザに関するデータは、例えば、ユーザの行動履歴(例えば、運動履歴、健康活動履歴、購買履歴、節約行動履歴、食事履歴、Webページの閲覧履歴、AIスピーカとの会話履歴、SNS利用履歴等)、健康情報(例えば、身長、体重、血圧、心拍数、罹患している病気等)、DNAに関する情報、保険加入情報等を含むがこれらに限定されない。ユーザに関するデータは、ユーザの個人情報を含み得る。個人情報は、例えば、名前、住所、電話番号、メールアドレス、年齢、性別、家族構成、職業、年収、資産、既往歴等のうちの少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
ユーザに関するデータは、例えば、ペイロールカードから取得されることができる。ペイロールカードとは、雇用者からの賃金の支払いを電子的に受け取ることが可能なシステムのことをいう。ペイロールカードによれば、銀行口座を介することなく、賃金の支払いを受け取ることができる。ペイロールカードには、賃金の支払いによる収入情報および支出情報が記録され得る。さらには、ペイロールカードには、仕事上の経費に関する情報も記録され得る。例えば、ペイロールカードには、経費として支払った金額および名目等が記録される。従って、ユーザに関するデータをペイロールカードから取得することにより、ユーザのプライベートで収支の情報のみならず、ユーザの仕事上での収支の情報も、ユーザに関するデータとして用いることができるようになる。
ユーザに関するインフォメーションは、ユーザを主体とする主観的な情報である。ユーザに関するインフォメーションは、ユーザ本人しか知らないプライベートな情報であってもよいし、第三者と共有されているパブリックな情報であってもよい。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ユーザが端末装置に直接入力することによって取得され得る。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ユーザに対する問診または質問等から間接的に導出され得る。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ネットワーク上の任意の場所から取得され得る。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、ネットワーク上の適所に格納されているトークン内に記録されることができる。ユーザに関するインフォメーションは、例えば、趣味、好み、行動理由(例えば、現在または過去の職業の志望動機、過去の職業からの転職理由等)等を含むがこれらに限定されない。
データベース部200には、ユーザが現実世界におけるエリアを訪れた履歴および/またはユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴を含むユーザの来訪履歴が格納されることができる。来訪履歴は、例えば、ユーザの端末装置から送信された位置情報に基づいて作成され得る。来訪履歴は、例えば、仮想世界でユーザがアクションを行ったエリアの情報に基づいて作成され得る。例えば、ユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴は、ユーザの端末装置から送信された現実世界の位置情報に基づいて作成されるようにしてもよい。これは、仮想世界のエリアと現実世界のエリアとが対応しているからこそ可能になる。
データベース部200には、信号送信手段300が設置されている位置と、信号送信手段300が送信する信号とが関連付けられて格納され得る。このデータベース部200により、信号送信手段300から送信された信号から、その信号送信手段300の位置を識別することができるようになる。信号送信手段300が送信する信号が経時的に可変のIDを有する場合には、時間情報と、信号送信手段300が設置されている位置と、信号送信手段300が送信する信号とが関連付けられて格納され得る。あるいは、信号送信手段300が設置されている位置と、信号送信手段300が現在送信している信号とが関連付けられて格納され得、信号送信手段300が送信する信号のIDが変更されるたびに、関連付けが更新されることができる。
データベース部200には、例えば、ユーザの特徴を表すスコアを算出するために利用される種々の情報が格納されている。
ここで、ユーザの特徴は、ユーザがどのような人物であるか、すなわち、ユーザの人となりを表す概念であり得る。ユーザの特徴は、ユーザの性格の観点からユーザの人となりを表すこともできる。例えば、ユーザの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。これに加えて、ユーザの特徴は、「お金」に関する観点からユーザの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。従って、ユーザの特徴を表すスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量を含むことができ、かつ/または、「お金」に関する特徴量を含むことができ、かつ/または、「健康」に関する特徴量を含むことができる。好ましくは、ユーザの特徴を表すスコアは、「パーソナリティ」に関する特徴量、「お金」に関する特徴量、「健康」に関する特徴量のうちの少なくとも2つを含む多次元のスコアであり得る。このとき、スコアの多次元の軸は、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、「健康」に関する観点の軸のうちの対応する軸を含むことができる。ここで、「パーソナリティ」は、その人の性格および/または人格が信頼できるかどうかを表す情報であり、例えば、他人からの評価を含む。「お金」は、その人のお金に関する情報であり、例えば、年収、資産、節約しているか等の情報を含む。「健康」は、その人の健康に関する情報であり、例えば、病気、食生活、健康のための活動等の情報を含む。
一例として、ユーザの特徴を表すスコアが「パーソナリティ」に関する観点の軸を有する場合、「パーソナリティ」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「パーソナリティ」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、怒りっぽいが正直な性格を有する人物では、「パーソナリティ」に関する項目のうち、「正直者」に関する項目の点数が高いかまたは「嘘つき」に関する項目の点数が低く、かつ、「短気」に関する項目の点数が高いかまたは「気長」に関する項目の点数が低くなる。
別の例として、ユーザの特徴を表すスコアが「お金」に関する観点の軸を有する場合、「お金」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「お金」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、無駄遣いが多い人物では、「お金」に関する項目のうち、「倹約家」に関する項目の点数が高いかまたは「浪費家」に関する項目の点数が低くなる。
別の例として、ユーザの特徴を表すスコアが「健康」に関する観点の軸を有する場合、「健康」に関する複数の項目について点数が付けられ、複数の項目のそれぞれの点数に基づいて、「健康」に関してその人の人となりが表されることになる。例えば、肥満体型を有する人物では、「健康」に関する項目のうち、「肥満度」または「BMI」に関する項目の点数が高くなる。
これらの項目は一例であり、多次元の軸の各々は、任意の項目を有することができる。各軸が有する項目を多くするほど、その軸の観点について、ユーザの人となりをより細かく表すことができるようになるが、その分データ量も多くなる。各軸が有する項目を少なくするほど、ユーザの特徴を表すスコアのデータ量が少なくなって取扱い易くなるが、ユーザの人となりをより概略的に表すようになる。例えば、ユーザの特徴を表すスコアは、例えば、多数の項目を有する複数の軸について表されるスコア(ユーザの人となりを詳細に表すスコア)から、複数の軸のうちの少なくとも2つの軸について特定の項目を抽出することによって導出されるスコア(ユーザの人となりを概略的に表すスコア)であってもよい。
例えば、データベース部200には、スコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。スコアの算出に用いられるパラメータは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」を含み得る。
例えば、「パーソナリティ」というパラメータについて、データベース部200には、パーソナリティに関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「パーソナリティ」に関する「利他的」(または「トランスパーソナル」)という概念には、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等のキーワード、「ボランティアに頻繁に参加する」、「相談を頻繁に受ける」、「寄付経験がある」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「パーソナリティ」に関する「SDGs」(Sustainable Development Goals、または「持続可能な開発目標」)という概念には、17の目標および/または169のターゲットに関連するキーワード(例えば、「平等」、「環境保全」等)、「17の目標および/または169のターゲットに関連する行動を行っている」、「17の目標および/または169のターゲットに関連する思想を持っている」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
例えば、「お金」というパラメータについて、データベース部200には、お金に関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「お金」に関する「お金持ち」(または「キャッシュフローリッチ」)という概念には、「ハーバード大学」、「MBA」等のキーワード、「年収2000万円以上」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「お金」に関する「お金持ち」(または「ストックリッチ」)という概念には、「地主」、「株主」等のキーワード、「資産1億円以上」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
例えば、「健康」というパラメータについて、データベース部200には、健康に関する概念と、種々の情報とが関連付けられて格納され得る。例えば、「健康」に関する「優良体」(または「身体的健康」)という概念には、「非喫煙」、「正常血圧」等のキーワード、「BMI18~27」等のステータス等が関連付けて格納され得る。例えば、「健康」に関する「マインドフルネス」(または「精神的健康」)という概念には、「やりがい」、「ストレスレス」等のキーワード、「ストレスチェック結果が所定値未満」、「首尾一貫感覚(SOC:Sense of coherence)が高い」等のステータス等が関連付けて格納され得る。
図4Aは、データベース部200に格納される情報の関連付けの例を示す概念図である。
図4Aに示される例では、お金に関する「お金持ち」という概念に対して、例えば、「ハーバード大学」、「スタンフォード大学」、「MBA」、「医師」、「経営者」等のキーワードが関連付けられている。さらに、これらのキーワードに対して、別のキーワード(例えば、「ビジネススクール」、「開業医」、「上場企業」等)が関連付けられる。さらに、これらのキーワードに対して、さらに別のキーワードが関連付けられ得る。
このような関連付けは、例えば、セマンティック検索を行うことが可能な人工知能(AI)、すなわち、キーワード間の相関関係を学習した人工知能を用いてなされ得る。
この人工知能は、大量の文章からキーワード間の相関関係を学習している。例えば、この人工知能は、文章を構文解析することにより、文章内の複数のキーワードを抽出し、その文章内での複数のキーワードの関係を特定する。例えば、この人工知能は、或るキーワードが多くの文章において別の或るキーワードと併用されている場合には、それらのキーワードを、相関関係が強いものとして学習する。このようにしてキーワード間の相関関係を学習した人工知能は、学習した相関関係に基づいて、入力されたキーワードに相関するキーワードを出力することができる。
例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に「お金持ち」というキーワードを入力すると、「お金持ち」に相関するキーワードとして、「ハーバード大学」、「スタンフォード大学」、「MBA」、「医師」、「経営者」等が出力され得る。例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に、「お金持ち」および「医師」というキーワードを入力すると、「お金持ち」および「医師」に相関するキーワードとして、「開業医」、「院長」等が出力され得る。
このように、データベース部200には、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に入力されたキーワードと、出力されたキーワードとが関連付けられて格納され得る。
図4Bは、データベース部200に格納される情報の関連付けの別の例を示す概念図である。
図4Bに示される例では、パーソナリティに関する「利他的」という概念に対して、例えば、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等のキーワードが関連付けられている。さらに、これらのキーワードに対して、別のキーワード(例えば、「悩み」、「緊張」、「丁寧」等)が関連付けられる。さらに、これらのキーワードに対して、さらに別のキーワードが関連付けられ得る。
このような関連付けは、上述したように、セマンティック検索を行うことが可能な人工知能(AI)、すなわち、キーワード間の相関関係を学習した人工知能を用いてなされ得る。
例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に「利他的」というキーワードを入力すると、「利他的」に相関するキーワードとして、「ボランティア」、「寄付」、「心配り」、「相談」等が出力され得る。例えば、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に、「利他的」および「心配り」というキーワードを入力すると、「利他的」および「心配り」に相関するキーワードとして、「丁寧」等が出力され得る。
このように、データベース部200には、キーワード間の相関関係を学習した人工知能に入力されたキーワードと、出力されたキーワードとが関連付けられて格納され得る。
データベース部200には、ユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項(すなわち、パラメータ)の内容(すなわち、値)のそれぞれと、スコアとエリアとが関連付けられて格納され得る。これに加えて、アクションに関するルールも、ユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項の内容のそれぞれと関連付けられてデータベース部200に格納され得る。
図2および図3に示される例では、データベース部200は、システム100の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部200の少なくとも一部をシステム100の内部に設けることも可能である。このとき、データベース部200の少なくとも一部は、メモリ部130を実装する記憶手段と同一の記憶手段によって実装されてもよいし、メモリ部130を実装する記憶手段とは別の記憶手段によって実装されてもよい。いずれにせよ、データベース部200の少なくとも一部は、システム100のための格納部として構成される。データベース部200の構成は、特定のハードウェア構成に限定されない。例えば、データベース部200は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部200は、システム100の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよいし、ブロックチェーン技術等を利用する分散型ネットワークとして構成されてもよい。
例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、ブロックチェーン技術等を利用する分散型ネットワークとして構成されるデータベース部200に格納され、このとき、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、改ざんが実質的に不可能となる。これにより、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションの信頼性が担保されることになる。なお、改ざんが実質的に不可能とは、改ざんが行われたとしても容易に検出可能であることを意味する。このとき、データベース部700は省略され得る。
図5は、プロセッサ部120の構成の一例を示す。
プロセッサ部120は、位置情報取得手段121と、判定手段122と、アクセス可能化手段123とを備え得る。
位置情報取得手段121は、現実世界におけるユーザの現在位置を示す位置情報を取得するように構成されている。位置情報取得手段121は、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400から受信される信号に基づいて、現実世界におけるユーザの現在位置を示す位置情報を取得することができる。ここで、位置情報は、緯度方向および経度方向の2次元情報であってもよいし、緯度方向、経度方向、および高さ方向の3次元情報であってもよい。好ましくは、位置情報は、高さ方向の位置情報を含む3次元情報であり得る。これにより、ユーザのより詳細な位置情報を得ることができるからである。例えば、3次元位置情報により、平面的な位置のみならず、建物内のどの階にいるか、建物内のどの部屋にいるか、建物内のどの部屋のどの一画にいるか等も識別することができる。
ユーザ端末装置400は、現実世界に設置されている信号送信手段300から送信された信号を受信することができ、位置情報取得手段121は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400が受信した信号をユーザ端末装置から400から受信することができる。そして、位置情報取得手段121は、受信した信号に基づいて、信号送信手段300が設置されている位置を識別することができる。位置情報取得手段121は、例えば、データベース部200に格納されている信号送信手段300の位置と信号との関連付けを参照して、信号送信手段300が設置されている位置を識別することができる。これにより、識別された信号送信手段300が設置されている位置をユーザの現在位置であるとみなすことができる。
上述したように、信号送信手段300が経時的に可変のIDを有する信号を送信することができる場合には、位置情報取得手段121によって取得される位置情報は、ユーザが確かにその位置にいたことを保証する情報となり得る。信号送信手段300から送信される信号は第三者による改ざんまたはなりすましが防止されており、信頼性の高い信号となるからである。
判定手段122は、位置情報取得手段121によって取得された位置情報が示す現在位置が現実世界における第1のエリアにあるか否かを判定するように構成されている。判定手段122は、例えば、第1のエリアが及ぶ範囲を特定し、その範囲に位置情報取得手段121によって取得された位置情報が示す現在位置が入っているか否かを判定する。
判定手段122によって、ユーザの現在位置が第1のエリアにあると判定されると、アクセス可能化手段123が第1のエリアに対してアクティブ化され、ユーザの現在位置が第1のエリアにあると判定されなかった場合、アクセス可能化手段123は第1のエリアに対してアクティブ化されない。
アクセス可能化手段123は、判定手段122が、位置情報が示す現在位置が第1のエリアにあると判定するときに、ユーザが仮想世界における第2のエリアへアクセスすることを可能にするように構成されている。ここで、ユーザが第2のエリアへアクセスすることを可能にするとは、ユーザが第2のエリアへアクセスすることができない状態から、ユーザが第2のエリアへアクセスすることができる状態にすることを意味する。これにより、ユーザは、第2のエリアへアクセスして、第2のエリアで相互作用することができるようになる。
プロセッサ部120は、ユーザが第2のエリアで相互作用することを可能にするための構成を有し得る。この構成は、仮想現実の分野で公知の技術を用いて実現されることができる。
第2のエリアは、少なくとも1つのパラメータについて第1のエリアと同じレベルを有する。これにより、仮想世界の第2のエリアは、現実世界の第1のエリアに対応したエリアとなり得る。少なくとも1つのパラメータは、セキュリティレベル、地価、高級感、来訪者層のうちの少なくとも1つを含む。ここで、セキュリティレベルは、そのエリアへの侵入のし易さを示す指標であり得、外部からの侵入(例えば、物理的な侵入または不正アクセスもしくはサイバー攻撃)が困難であるほどセキュリティレベルは高くなる。地価は、そのエリア土地の価値を表す指標であり得、現実世界であれば、不動産である土地の価値を表し、仮想世界であれば、土地のNFTの価値を表す。高級感は、そのエリアに対して一般的な需要者が感じる等級についての印象を表す指標であり得、一般常識に基づくものであり得る。来訪者層は、そのエリアを訪れる人の大半が有する特徴を示す指標であり得る。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、ユーザは、ユーザのアバターを第2のエリアに入らせることができる。これにより、ユーザのアバターは、仮想世界の第2のエリアでアクションを行うことができる。例えば、図1Aを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアでショッピングをすることができる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、ユーザは、第2のエリアにおいて他のユーザとコミュニケーションを行うことができる。例えば、図1Bを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアで別のユーザのアバター12とコミュニケーションを行うことができる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、ユーザは、第2のエリアにおいて金銭の提供を受けることができる。例えば、プロセッサ部120は、ユーザが第2のエリアにおいて受け取るべき金銭を決定し、決定された金銭がユーザに提供されるようにすることができる。ユーザが受け取るべき金銭は、例えば、ユーザが加入している保険によって支払われる保険金であってもよいし、ユーザが受取人になっている保険(例えば、配偶者の死亡保険金)であってもよい。ユーザが受け取るべき金銭は、例えば、別のユーザから送金されたお金であってもよいし、雇用主から支払われる給与であってもよい。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、ユーザは、第2のエリアにおいて手紙の送達を受けることができる。ユーザまたはユーザのアバターは、例えば、システム100のデータベース部200に予め格納されていた手紙の送達を受けることができる。手紙は、例えば、故人が生前にシステム100のデータベース部200に格納していた手紙であり得、これにより、ユーザは、今は亡き故人からの手紙を受け取ることができる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、ユーザは、第2のエリアにおいて情報の提供を受けることができる。ユーザまたはユーザのアバターは、例えば、システム100のデータベース部200に予め格納されていた情報の提供を受けることができる。情報は、例えば、ユーザの個人情報であり得、好ましくは、ユーザが忘れがちな情報であり得、より好ましくは、ユーザの医療保険に関する情報であり得る。情報は、例えば、未来の自分に宛てた手紙またはデータ(例えば、画像、音声)であってもよい。
例えば、ユーザが第2のエリアにアクセスすることにより、ユーザは、第2のエリアにおいてイベントに参加することができる。例えば、図1Aを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアでイベントに参加することができるようになる。
ユーザが第2のエリアで相互作用することの例は上述したものに限らず、他の態様も含み得る。相互作用は、ユーザが能動的に行うことであってもよいし、ユーザが受動的に行うことであってもよい。
このように、ユーザが現実世界の第1のエリアに行くことをトリガとして、ユーザが仮想世界における第2のエリアにアクセスすることを可能にすることにより、ユーザに新たなユーザ体験を提供することができる。
図6Aは、プロセッサ部120の追加の構成の一例を示す。プロセッサ部120は、図5を参照して上述した構成に加えて、図6Aに示される構成を有することができる。
プロセッサ部120は、第1の取得手段124と、第2の取得手段125と、算出手段126と、決定手段127とを備える。
第1の取得手段124は、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するように構成されている。
第1の取得手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、第1の取得手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。
取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、算出手段126に渡される。
第2の取得手段125は、ユーザの過去の来訪履歴を取得するように構成されている。ユーザの過去の来訪履歴は、ユーザが現実世界におけるエリアを訪れた履歴および/またはユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴を含み、好ましくは、ユーザが現実世界におけるエリアを訪れた履歴およびユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴の両方を含む。
第2の取得手段125は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザの過去の来訪履歴を取得するようにしてもよい。あるいは、第2の取得手段125は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザの過去の来訪履歴を取得するようにしてもよい。
取得されたユーザの過去の来訪履歴は、算出手段126に渡される。
算出手段126は、取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションと、来訪履歴とに基づいて、ユーザの特徴を表すスコアを算出するように構成されている。
ユーザの特徴は、ユーザがどのような人物であるか、すなわち、ユーザの人となりを表す概念であり得る。ユーザの特徴は、ユーザの性格の観点からユーザの人となりを表すこともできる。例えば、ユーザの特徴は、「パーソナリティ」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。ユーザの特徴は、これに加えて、「お金」に関する観点からユーザの人となりを表すことができ、かつ/または、「健康」に関する観点からユーザの人となりを表すことができる。従って、ユーザの特徴を表すスコアは、「お金」に関する特徴量、「健康」に関する特徴量、「パーソナリティ」に関する特徴量のうちの1つを含むことができ、これに加えて、「お金」に関する特徴量、「健康」に関する特徴量、「パーソナリティ」に関する特徴量のうちの他の少なくとも1つを追加的に含む多次元スコアであることができる。「デジタルツイン」という言葉が知られているが、ユーザの特徴を多次元的に表すスコアは、ユーザのデジタルツインを表すスコアであるとも言える。算出手段126によって算出されるスコアは、ユーザの来訪履歴、すなわり、ユーザが現実世界のどのエリアに行ったことがあるか、および/または、仮想世界にどのエリアに行ったことがあるかを反映したスコアとなり得る。人の来訪履歴には、その人の特徴が現れる傾向があるため、算出手段126によって算出されるスコアは、ユーザの特徴をより精度よく捉えたものとなり得る。
ユーザの特徴を表すスコアの多次元の軸は、例えば、「パーソナリティ」に関する観点の軸、「お金」に関する観点の軸、および/または、「健康」に関する観点の軸を含むことができる。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴がスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。算出手段126は、例えば、スコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴がスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する程度を決定する。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。また、ユーザの来訪履歴は、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報と関連付けられ得る。算出手段126は、例えば、パーソナリティに関する情報、お金に関する情報、健康に関する情報のうちの少なくとも1つについて、パーソナリティに関する概念、お金に関する概念、健康に関する概念のうちの対応する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、対応する概念と相関する程度に応じて、対応する概念のうちの特定の概念に対応する特徴量を含むスコアを算出することができる。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「パーソナリティ」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「パーソナリティ」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、算出手段126は、その概念に対応する特徴量をスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「利他的」(または「トランスパーソナル」)により強く相関するほど、「利他的」に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「利他的」に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「プレッシャーに強い」により強く相関するほど、「プレッシャーの強さ」に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「プレッシャーの強さ」に対応する項目の点数を高くすることができる。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「お金」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「お金」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、算出手段126は、その概念に対応する特徴量をスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「キャッシュフローリッチ」により強く相関するほど、「キャッシュフローリッチ」に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「キャッシュフローリッチ」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「ストックリッチ」により強く相関するほど、「ストックリッチ」に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「ストックリッチ」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「健康」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「健康」に関する概念のうちの特定の概念と大きく相関する場合、算出手段126は、その概念に対応する特徴量をスコアに含めるまたはその概念に対応する項目の点数を高くするようにすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「優良体」(または「身体的健康」)により強く相関するほど、「優良体」に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「優良体」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が、「マインドフルネス」(または「精神的健康」)により強く相関するほど、「マインドフルネス」(または「精神的健康」)に対応する特徴量をより多くまたはより強くスコアに含めるまたは「マインドフルネス」の概念に対応する項目の点数を高くすることができる。
一実施形態において、算出手段126は、例えば、複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴と複数のユーザの特徴を表すスコアとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、ユーザの特徴を多次元的に表すスコアを算出することができる。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。
機械学習モデルは、任意の機械学習モデルを用いて構築することができる。機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワークモデルであり得る。
図7は、算出手段126が利用し得るニューラルネットワークモデルの構造の一例を示す。
ニューラルネットワークモデルは、入力層と、少なくとも1つの隠れ層と、出力層とを有する。ニューラルネットワークモデルの入力層のノード数は、入力される第1のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴の次元数に対応する。ニューラルネットワークモデルの隠れ層は、任意の数のノードを含むことができる。ニューラルネットワークモデルの出力層のノード数は、出力されるデータの次元数に対応する。例えば、ユーザの特徴を表すスコアを出力する場合、出力層のノード数は、1であり得る。
ニューラルネットワークモデルは、第1の取得手段124が取得した複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションと、第2の取得手段125が取得した複数のユーザの来訪履歴とを使用して予め学習処理がなされ得る。学習処理は、第1の取得手段124が予め取得した複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションと、第2の取得手段125が予め取得した複数のユーザの来訪履歴とを使用して、ニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算する処理である。
学習処理は、例えば、教師あり学習である。教師あり学習では、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴を入力用教師データとし、そのユーザの特徴を表すスコアを出力用教師データとして、複数のユーザの情報を使用してニューラルネットワークモデルの隠れ層の各ノードの重み係数を計算することにより、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴とそのユーザの特徴を表すスコアとを相関させることが可能な機械学習モデルを構築することができる。
例えば、教師あり学習のための(入力用教師データ,出力用教師データ)の組は、((ユーザ1に関するデータおよび/またはインフォメーション、ユーザ1の来訪履歴),ユーザ1の特徴を表すスコア)、((ユーザ2に関するデータおよび/またはインフォメーション、ユーザ2の来訪履歴),ユーザ2の特徴を表すスコア)、・・・((ユーザiに関するデータおよび/またはインフォメーション、ユーザiの来訪履歴),ユーザiの特徴を表すスコア)、・・・等であり得る。このような学習済のニューラルネットワークモデルの入力層にユーザから新たに取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴を入力すると、そのユーザの特徴を表すスコアが出力層に出力される。
教師あり学習では、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションが、スコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度を入力用教師データとすることもできる。
算出されたスコアは、決定手段127に渡される。
再び図6Aを参照する。決定手段127は、算出手段126によって算出されたスコアに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定するように構成されている。例えば、決定手段127は、データベース部200を参照し、算出手段126によって算出されたスコアに関連付けられた内容を特定し、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項はその内容であると決定することができる。例えば、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項(すなわち、パラメータ)の内容(すなわち、値)のそれぞれが、スコアに関連付けられてデータベース部200に格納されており、決定手段127は、その関連付けを参照することで、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。
例えば、決定手段127は、スコアから導出される特徴量に基づいて、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。例えば、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項(すなわち、パラメータ)の内容(すなわち、値)のそれぞれが、スコアから導出される特徴量に関連付けられてデータベース部200に格納されており、決定手段127は、その関連付けを参照することで、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。決定手段127は、任意の手法で、スコアから特定の特徴量を導出することができる。一例において、決定手段127は、スコアに含まれる特徴量から特定の特徴量を抽出することができる。ここで、特徴量の抽出とは、特徴量の値を変更することなく、特徴量をそのまま抜き出すことを意味する。別の例において、決定手段127は、スコアに対して特定の関数を適用することにより、特定の特徴量を導出することができる。ここで、特定の関数は、任意の関数であり得る。例えば、特定の関数は、ハッシュ関数であり得る。例えば、決定手段127は、第2のエリアに応じた関数(すなわち、仮想現実のエリアの特徴に応じた関数)をスコアに適用することによって、特徴量を導出することができる。例えば、決定手段127は、スコアと、導出される特徴量との関係を学習した機械学習モデルを用いて、特徴量を導出することができる。
例えば、決定手段127は、ユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定するための方程式に、スコア、または、スコアから導出される特徴量を代入することにより、第2のエリアにおいてユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。
一実施形態において、決定手段127は、スコアとアクションに関するルールとに基づいて、ユーザがアクションを行う際に決定されるべき事項を決定するようにしてもよい。これは、例えば、スコアだけでは、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することができないときに有用である。スコアだけでは、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することができないときであっても、アクションに関するルールも考慮することで、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することが可能となり得るからである。
例えば、決定手段127は、データベース部200を参照し、算出手段126によって算出されたスコアと、アクションに関するルールとに関連付けられた内容を特定し、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項がその内容であると決定することができる。あるいは、決定手段127は、スコアに基づいて特定された内容を、アクションに関するルールに従って絞り込むことによって、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。あるいは、決定手段127は、スコアに基づいて特定された内容を、アクションに関するルールに従って調節することによって、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。
例えば、決定手段127は、第2のエリアにおいて広告を出す際に決定されるべき事項を決定することができる。第2のエリアにおいて広告を出す際に決定されるべき事項は、ユーザに提供されるべき広告であり得る。例えば、決定手段127は、ユーザの特徴を表すスコアに基づいて、あるいは、ユーザの特徴を表すスコアと広告に関するルールとに基づいて、ユーザに提供されるべき広告を決定することができる。
ユーザの特徴を表すスコアには、ユーザの好みや、ユーザの健康情報に加えて、ユーザの来訪履歴が反映されており、このスコアに基づいて、ユーザに提供されるべき広告を決定することで、ユーザに適した広告を提供することができるようになる。
図6Bは、プロセッサ部120の追加の構成の別の例を示す。プロセッサ部120は、図5を参照して上述した構成に加えて、図6Bに示される構成を有することができる。図6Bに示される構成は、変更手段128をさらに備える点で、図6Aに示される構成とは異なっているが、それ以外の構成は、同一であり得る。
プロセッサ部120は、第1の取得手段124と、第2の取得手段125と、算出手段126と、決定手段127と、変更手段128とを備える。第1の取得手段124、第2の取得手段125、算出手段126は、図6Aを参照して上述したものと同一の構成であり、ここでは説明を省略する。
変更手段128は、アクションに関するルールを変更することが可能なように構成されている。
変更手段128は、例えば、外部からの要求に応じてルールを変更することができる。例えば、変更手段128は、インターフェース部110を介してシステム100の外部から投票を受け、投票の結果に基づいて、ルールを変更することができる。投票者は、投票権(例えば、ガバナンストークン)を有している。投票者は、例えば、ユーザであってもよいし、ユーザ以外の人物であってもよい。例えば、投票者は、有しているガバナンストークンの量に応じた投票権を有することになる。従って、多くのガバナンストークンを有している投票者は、多くの投票権を有することになり、投票で有利になり得る。ガバナンストークンは、システム100によって発行され得る。
変更手段128は、例えば、少なくとも1つのルール変更候補をインターフェース部110を介して投票者端末装置500に提示することができる。そして、変更手段128は、投票者端末装置500からの少なくとも1つのルール変更候補に対する投票をインターフェース部110を介して受信することができる。投票を集計した結果、少なくとも1つのルール変更候補への変更が賛成多数であった場合にそのルール変更候補が採用され、現在のルールが変更される。または、複数のルール変更候補のうち最多得票数を獲得したルール変更候補が採用され、現在のルールが変更される。
ガバナンストークンを有する投票者による投票は、当該技術分野において公知の技術を用いて行われ得る。例えば、ブロックチェーン技術を用いて行われることができる。
変更手段128は、例えば、外部からの要求とは無関係にルールを変更することができる。変更手段128は、例えば、所定の条件が満たされたとき(例えば、所定の時刻、所定の経過時間、所定のユーザ登録数のうちの少なくとも1つが満たされたとき)、ルールを変更することができる。変更手段128は、例えば、予め定められたルールに現在のルールを変更するようにしてもよいし、所定の条件を満たす程度に応じたルールに現在のルールを変更するようにしてもよい。
変更手段128によってルールが変更されると、決定手段127は、スコアと、変更されたルールとに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することになる。
このようにプロセッサ部120による処理により、アクションに関するルールが変更され、変更されたルールに従って、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項が決定されることになる。これにより、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項が一定のものとはならず、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を流行に合わせて変えたり、世間の実情に合わせて変えたりすることができる。これは、仮想空間あるいはメタバースの発展に貢献し得る。
上述した図5、図6A、図6Bに示される例では、プロセッサ部120の各構成要素が同一のプロセッサ部120内に設けられているが、本発明はこれに限定されない。プロセッサ部120の各構成要素が複数のプロセッサ部に分散される構成も本発明の範囲内である。このとき、複数のプロセッサ部は、同一のハードウェア部品内に位置してもよいし、近傍または遠隔の別個のハードウェア部品内に位置してもよい。
なお、上述したシステム100の各構成要素は、単一のハードウェア部品で構成されていてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されていてもよい。複数のハードウェア部品で構成される場合は、各ハードウェア部品が接続される態様は問わない。各ハードウェア部品は、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。本発明のシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。プロセッサ部120をデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。本発明のシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
3.現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステムにおける処理
図8は、現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステム100における処理の一例(処理800)を示す。処理800は、システム100のプロセッサ部120において行われる。処理800は、例えば、ユーザ端末装置400が現実世界に設置されている信号送信手段300から信号を受信し、受信した信号をシステム100に送信し、システム100がその信号を受信したときに行われることができる。
ステップS801では、プロセッサ部120の位置情報取得手段121が、現実世界におけるユーザの現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得手段121は、インターフェース部110を介してユーザ端末装置400から受信される信号に基づいて、現実世界におけるユーザの現在位置を示す位置情報を取得することができる。
ステップS801は、位置情報取得手段121が、ユーザ端末装置400が現実世界に設置されている信号送信手段300から受信した信号をユーザ端末装置400から受信することと、その信号に基づいて、信号送信手段300が設置されている位置を識別することとを含む。位置情報取得手段121は、例えば、データベース部200に格納されている信号送信手段300の位置と信号との関連付けを参照して、信号送信手段300が設置されている位置を識別し、これにより、位置情報を取得することができる。
上述したように、信号送信手段300が経時的に可変のIDを有する信号を送信することができる場合には、位置情報取得手段121によって取得される位置情報は、ユーザが確かにその位置にいたことを保証する情報となり得る。信号送信手段300から送信される信号は第三者による改ざんまたはなりすましが防止されており、信頼性の高い信号となるからである。
ステップS802では、プロセッサ部120の判定手段122が、ステップS801で取得された位置情報が示す現在位置が、現実世界の第1のエリアにあるか否かを判定する。現在位置が、現実世界の第1のエリアにあると判定されると、ステップS803に進む。現在位置が、現実世界の第1のエリアにないと判定されると、処理800は終了する。そして、例えば、ユーザ端末装置400が現実世界に設置されている別の信号送信手段300から受信し、システム100に送信し、その信号をシステム100が受信したときに、再度処理800がステップS801から行われることになる。
ステップS803では、プロセッサ部120のアクセス可能化手段123が、ユーザが可能世界における第2のエリアへアクセスすることを可能にする。これにより、ユーザは、仮想世界における第2のエリアへアクセスすることができるようになる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、プロセッサ部120は、ユーザのアバターを第2のエリアに入らせることができる。これは、例えば、ユーザによる操作に応じて行われてもよいし、ユーザによる操作とは無関係に行われてもよい。ユーザのアバターは、仮想世界の第2のエリアに入ることで、第2のエリアでアクションを行うことができる。例えば、図1Aを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアでショッピングをすることができるようになる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、プロセッサ部120は、ユーザに、第2のエリアにおいて他のユーザとのコミュニケーションを行わせることができる。例えば、図1Bを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアで別のユーザのアバター12とコミュニケーションをすることができるようになる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、プロセッサ部120は、第2のエリアにおいてユーザに金銭を提供することができる。例えば、プロセッサ部120は、ユーザが第2のエリアにおいて受け取るべき金銭を決定し、決定された金銭をユーザに提供することができる。ユーザが受け取るべき金銭は、例えば、ユーザが加入している保険によって支払われる保険金であってもよいし、ユーザが受取人になっている保険(例えば、配偶者の死亡保険金)であってもよい。ユーザが受け取るべき金銭は、例えば、別のユーザから送金されたお金であってもよいし、雇用主から支払われる給与であってもよい。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、プロセッサ部120は、第2のエリアにおいてユーザに手紙を送達することができる。ユーザまたはユーザのアバターは、例えば、システム100のデータベース部200に予め格納されていた手紙の送達を受けることができる。手紙は、例えば、故人が生前にシステム100のデータベース部200に格納していた手紙であり得、これにより、ユーザは、今は亡き故人からの手紙を受け取ることができる。
例えば、ユーザが第2のエリアへアクセスすることにより、プロセッサ部120は、第2のエリアにおいてユーザに情報を提供することができる。ユーザまたはユーザのアバターは、例えば、システム100のデータベース部200に予め格納されていた情報の提供を受けることができる。情報は、例えば、ユーザの個人情報であり得、好ましくは、ユーザが忘れがちな情報であり得、より好ましくは、ユーザの医療保険に関する情報であり得る。情報は、例えば、未来の自分に宛てた手紙または画像であってもよい。
例えば、ユーザが第2のエリアにアクセスすることにより、プロセッサ部120は、第2のエリアにおいてユーザにイベントに参加させることができる。例えば、図1Aを参照して上述したように、ユーザは、ユーザのアバター11を操作して、第2のエリアでイベントに参加することができるようになる。
ユーザが第2のエリアで相互作用することの例は上述したものに限らず、他の態様も含み得る。相互作用は、ユーザが能動的に行うことであってもよいし、ユーザが受動的に行うことであってもよい。
このように、ユーザが現実世界の第1のエリアに行くことをトリガとして、ユーザが仮想世界における第2のエリアにアクセスすることを可能にすることにより、新たなユーザ体験を提供することができる。また、第2のエリアにアクセスすることができるユーザを、現実世界の第1のエリアに来訪したユーザに制限することができる。
図9は、現実世界と仮想世界とをリンクさせるためのシステム100における追加の処理の一例(処理900)を示す。処理900は、システム100のプロセッサ部120において行われる。処理900は、処理800の前に行われてもよいし、処理800の後に行われてもよいし、処理800と同時に行われてもよい。
ステップS901では、プロセッサ部120の第1の取得手段124が、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得する。
第1の取得手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、第1の取得手段124は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。あるいは、第1の取得手段124は、ネットワーク上の所与の場所から、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションを取得するようにしてもよい。第1の取得手段124は、例えば、ユーザの有するペイロールカード(またはペイロールカードを管理するサーバ装置)からユーザに関するデータを取得することができる。取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、算出手段126に渡される。
ステップS902では、プロセッサ部120の第2の取得手段125が、ユーザの過去の来訪履歴を取得する。ユーザの過去の来訪履歴は、ユーザが現実世界におけるエリアを訪れた履歴および/またはユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴を含み、好ましくは、ユーザが現実世界におけるエリアを訪れた履歴およびユーザが仮想世界におけるエリアを訪れた履歴の両方を含む。
第2の取得手段125は、例えば、インターフェース部110を介して、データベース部200に格納されているユーザの過去の来訪履歴を取得するようにしてもよい。あるいは、第2の取得手段125は、例えば、インターフェース部110を介して、ユーザ端末装置400から受信されたユーザの過去の来訪履歴を取得するようにしてもよい。取得されたユーザの過去の来訪履歴は、算出手段126に渡される。
ステップS903では、プロセッサ部120の算出手段126が、ステップS901で取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションと、ステップS902で取得された来訪履歴とに基づいて、ユーザの特徴を表すスコアを算出する。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴がスコアの算出に用いられるパラメータと相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。算出手段126は、例えば、スコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴がスコアの算出に用いられるパラメータに関する概念と相関する程度を決定する。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。算出手段126は、例えば、パーソナリティに関する情報、お金に関する情報、健康に関する情報のうちの少なくとも1つについて、パーソナリティに関する概念、お金に関する概念、健康に関する概念のうちの対応する概念と相関する種々の情報を格納しているデータベース部200を参照し、対応する概念と相関する程度に応じて、対応する概念のうちの特定の概念に対応する特徴量を含むスコアを算出することができる。
算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「パーソナリティ」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「お金」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。算出手段126は、例えば、ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴が「健康」に関する概念と相関する程度を決定し、決定された相関する程度に応じて、スコアを算出することができる。
算出手段122は、例えば、複数のユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションならびに来訪履歴とスコアとの関係を学習した機械学習モデルを利用して、ユーザの特徴を多次元的に表すスコアを算出することができる。ユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションは、例えば、「パーソナリティ」、「お金」、「健康」に関する情報を含み得る。
例えば、ステップS901で取得されたユーザに関するデータおよび/またはインフォメーションとステップS902で取得されたユーザの来訪履歴とを機械学習モデルに入力すると、ユーザのスコアが出力され得る。
ステップS904では、プロセッサ部120の決定手段127が、ステップS903で算出されたスコアに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定する。例えば、決定手段127は、データベース部200を参照し、ステップS903で算出されたスコアに関連付けられた内容を特定し、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項はその内容であると決定することができる。
例えば、決定手段127は、スコアから導出される特徴量に基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。例えば、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項(すなわち、パラメータ)の内容(すなわち、値)のそれぞれが、スコアから導出される特徴量に関連付けられてデータベース部200に格納されており、決定手段127は、その関連付けを参照することで、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。決定手段127は、任意の手法で、スコアから特定の特徴量を導出することができる。一例において、決定手段127は、スコアに含まれる特徴量から特定の特徴量を抽出することができる。ここで、特徴量の抽出とは、特徴量の値を変更することなく、特徴量をそのまま抜き出すことを意味する。別の例において、決定手段127は、スコアに対して特定の関数を適用することにより、特定の特徴量を導出することができる。ここで、特定の関数は、任意の関数であり得る。例えば、特定の関数は、ハッシュ関数であり得る。例えば、決定手段127は、第2のエリアに応じた関数(すなわち、仮想現実のエリアの特徴に応じた関数)をスコアに適用することによって、特徴量を導出することができる。例えば、決定手段127は、スコアと、導出される特徴量との関係を学習した機械学習モデルを用いて、特徴量を導出することができる。例えば、決定手段127は、アクションを行う際に決定されるべき事項を決定するための方程式に、スコア、または、スコアから導出される特徴量を代入することにより、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。
一実施形態において、ステップS904では、決定手段127は、スコアとアクションに関するルールとに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定するようにしてもよい。これは、例えば、スコアだけでは、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することができないときに有用である。スコアだけでは、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することができないときであっても、アクションに関するルールも考慮することで、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を一意に決定することが可能となり得るからである。
ステップS904でスコアとアクションに関するルールとに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定する場合、処理900は、ルールを変更するステップを含んでもよい。
例えば、処理900は、ステップS904の前に、プロセッサ部120の変更手段128が、ルールの変更に関して、アクションに関わるステークホルダーのうちの少なくとも一部による投票を受けるステップと、変更手段128が、投票の結果に基づいて、ルールを変更するステップとを含むことができる。
あるいは、例えば、処理900は、ステップS904の前に、プロセッサ部120の変更手段128が、ルールの変更に関する所定の条件が満たされたか否かを判定するステップと、所定の条件が満たされたと判定された場合に、変更手段128が、ルールを変更するステップとを含むことができる。所定の条件は、例えば、所定の時刻、所定の経過時間、所定のユーザ登録数のうちの少なくとも1つが満たされたとき等であり得る。
ステップS904では、ステップS903で算出されたスコアと、変更されたルールとに基づいて、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項が決定されることになる。
このように、アクションに関するルールを変更し、変更されたルールを利用して、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することで、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項が一定のものとはならず、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を流行に合わせて変えたり、世間の実情に合わせて変えたりすることができる。これは、仮想空間あるいはメタバースの発展に貢献し得る。
このように、処理900では、ユーザの特徴を表すスコアを利用して、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を決定することができる。例えば、処理900により、中央集権的な管理者を必要とすることなく、第2のエリアにおいてアクションを行う際に決定されるべき事項を自動的に決定することができる。すなわち、処理900により、中央集権的な管理者を必要としない、自律分権型システムを実現することができる。
例えば、処理900によって決定された事項が、処理800によって、ユーザが第2のエリアへアクセスすることを可能にすることで、ユーザが第2のエリアへアクセスしたときに、第2のエリアで実行されることができる。
例えば、処理900によって、第2のエリアにおいてユーザに提供されるべき広告が決定された後、処理800によって、ユーザが第2のエリアへアクセスすることを可能にすることで、ユーザが第2のエリアへアクセスしたときに、決定された広告がユーザに提供されるようになる。
図8、図9を参照して上述した例では、特定の順序で処理が行われることを説明したが、各処理の順序は説明されたものに限定されず、論理的に可能な任意の順序で行われ得る。例えば、ステップS901を行う前に、ステップS902を行うことができる。
図8、図9を参照して上述した例では、図8、図9に示される各ステップの処理は、プロセッサ部120とメモリ部130に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図8、図9に示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。