JP5526538B2 - 3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法およびその中間体 - Google Patents

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Description

本発明は、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法およびその中間体に関する。
後記式(VI)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物は、害虫等の有害生物防除剤の合成中間体として有用であり、防除活性の点で、炭素−炭素二重結合部分の相対配置がZであることが好ましい。
かかる3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法としては、例えば、シクロプロパンアルデヒド化合物とジエチル(1−シアノエチル)ホスホナートとの反応(いわゆるホーナー・ワズワース・エモンズ反応)が知られている(例えば、特許文献1。)。しかしながら、かかる方法では、得られる3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物における2−シアノプロペニル基の炭素−炭素二重結合部分の相対配置については選択性が良いとは言えず、工業的製造法としては必ずしも満足できるものではなかった。
特開2004−2363号公報
本発明は、シクロプロパン環3位の置換基に存在する炭素−炭素二重結合の相対配置がZ配置である3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物を、優先的に得ることができる製造方法を提供しようとするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到った。すなわち本発明は、式(V)
Figure 0005526538
[式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基または水素原子を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基またはフェニル基を表す。
群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを、溶媒の存在下で反応させる式(VI)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法およびその中間体を提供するものである。
本発明によれば、有害生物の防除剤およびその中間体として有用な化合物である3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物のZ体を優先的に製造できるため、工業的に有利である。
以下、本発明について詳細に説明する。
上記式(V)においてRで示される群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、プロパルギル基等の炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
フェナシル基、p−ブロモフェナシル基等の置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
メトキシメチル基、メトキシメトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基等の置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
メチルチオメチル基、2−メチルチオエチル基等の炭素数1〜3のアルキルチオ基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
ベンジル基、フェネチル基、4−ブロモベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,3−ジフルオロベンジル基、2,3,5−トリフルオロベンジル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、ビス(o−ニトロフェニル)メチル基、2−(9,10−ジオキソ)アントラニルメチル基等の置換されていてもよいフェニル基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;等が挙げられる。
炭素数3〜10の環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
これらRで示される基のうち、炭素数1〜10の鎖式炭化水素基または置換されていてもよいフェニル基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基が好ましく、メチル基または2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基がより好ましい。
上記式(V)においてRで示されるハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、アリル基、プロパルギル基等の炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;
2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基等のハロゲン原子で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基;等が挙げられる。
これらRで示される基のうち、炭素数1〜10の鎖式炭化水素基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(V)で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物(以下、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)と略記する。)としては、例えば3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 エチル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 プロピル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 アリル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メトキシメチル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 フェナシル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ベンジル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 p−ニトロベンジル、3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ビス(o−ニトロフェニル)メチル、3−(1−クロロアセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−トリクロロアセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−ブチリルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−プロピオニルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−ピバロイルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−ベンゾイルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(1−プロピオニルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−(1−ピバロイルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−(1−ベンゾイルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル等が挙げられる。
水素化ホウ素アルカリ金属化合物としては、例えば、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化トリ−sec−ブチルホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
水素化ホウ素アルカリ金属化合物の使用量は、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)1モルに対し、水素化ホウ素アルカリ金属化合物においてホウ素原子と結合している水素原子が1モル以上となる量であれば、特に限定されない。実用的には、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)1モルに対し、水素化ホウ素アルカリ金属化合物においてホウ素原子と結合している水素原子基準で、通常1〜20モルの範囲である。水素化ホウ素アルカリ金属化合物として、例えば、ホウ素原子と結合している水素原子が4つである水素化ホウ素ナトリウムを用いる場合、その使用量は、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)1モルに対し、通常0.3〜5モルの範囲である。水素化ホウ素化合物として、例えば、ホウ素原子と結合している水素原子が1つである水素化トリ−sec−ブチルホウ素カリウムを用いる場合、その使用量は、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)1モルに対し、通常1〜20モルの範囲である。
アシルオキシシクロプロパン化合物(V)と水素化ホウ素アルカリ金属化合物との反応(以下、還元反応と記載することもある。)は、溶媒の存在下に実施される。得られる上記式(VI)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(以下、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)と略記する。)における炭素−炭素二重結合部分の相対配置の選択性の観点から、かかる溶媒としては、エーテル溶媒、アミド溶媒、複素芳香族溶媒、含硫黄脂肪族溶媒、ニトリル溶媒、環状尿素溶媒、アルコール溶媒およびエステル溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1つの溶媒が好ましい。反応に不活性な他の溶媒が共存していてもよい。エーテル溶媒としてはジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロフラン等が挙げられ、アミド溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、複素芳香族溶媒としてはピリジン、ピロール等が挙げられ、含硫黄脂肪族溶媒としてはジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられ、ニトリル溶媒としてはアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンシアノヒドリン、クロロアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられ、環状尿素溶媒としては1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、アルコール溶媒としてはメタノール、エタノール、2−プロパノール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、エステル溶媒としては酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。アミド溶媒、含硫黄脂肪族溶媒、ニトリル溶媒、環状尿素溶媒、アルコール溶媒またはエステル溶媒がより好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリルまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンがさらに好ましい。溶媒の使用量は、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)1重量部に対して、通常0.5〜30重量部の範囲である。
還元反応は、溶媒の存在下で、アシルオキシシクロプロパン化合物(V)と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されないが、水素化ホウ素アルカリ金属化合物と溶媒との混合物中にアシルオキシシクロプロパン化合物(V)を加える方法が、操作上でも、反応コントロールの面でも好ましい。
反応温度は、通常、−50〜100℃であり、好ましくは−20〜30℃の範囲である。反応時間は、通常、5分間〜72時間の範囲である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
反応終了後の混合物中には、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)が含まれており、該混合物を、中和、抽出、水洗等の通常の後処理に付した後、蒸留や結晶化等の通常の単離処理に付すことにより、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)を取り出すことができる。得られた3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)は、さらに、再結晶;抽出精製;蒸留;活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理;シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;等の通常の精製処理により精製されてもよい。
かくして得られる3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)としては、例えば3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 エチル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 プロピル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 アリル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メトキシメチル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 フェナシル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ベンジル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 p−ニトロベンジル、ビス(o−ニトロフェニル)メチル等が挙げられる。
本発明により得られる3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)は、通常、その2−シアノプロペニル基の炭素−炭素二重結合部分の相対配置がZ配置に富む。ここで、Z配置とは該二重結合部分において、シアノ基とシクロプロパン環とが同じ側にある相対配置を意味し、逆の相対配置をE配置と称する。本発明において、該相対配置がZ配置に富むとは、必ずしもZ体とE体の比(以下、Z/E)が100/0であることを意味するものでなく、Z/E=2/1を越えてZ体に富むことを意味する。
本発明に用いるアシルオキシシクロプロパン化合物(V)は新規化合物であり、上述のとおり、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)のZ体を優先的に製造するための中間体として有用である。その製造方法は特に限定されないが、式(II)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示されるヒドロキシシクロプロパン化合物と式(III)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。]
で示されるハロゲン化アシル化合物または式(IV)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示される酸無水物とを塩基の存在下で反応させることにより製造することが好ましい。以下、かかる反応(「アシル化反応」と記載することもある。)について説明する。また、式(III)で示されるハロゲン化アシル化合物(以下、ハロゲン化アシル化合物(III)と略記する。)と式(IV)で示される酸無水物(以下、酸無水物(IV)と略記する。)とを合わせて「アシル化剤」と記載することもある。
上記式(II)で示されるヒドロキシシクロプロパン化合物(以下、ヒドロキシシクロプロパン化合物(II)と略記する。)としては、例えば3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 エチル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 プロピル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 アリル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メトキシメチル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 フェナシル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ベンジル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 p−ニトロベンジル、3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ビス(o−ニトロフェニル)メチル等が挙げられる。
上記式(III)においてXで示されるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
ハロゲン化アシル化合物(III)としては、例えばアセチルクロリド、アセチルブロミド、クロロアセチルクロリド、トリクロロアセチルクロリド、プロピオニルクロリド、プロピオニルフロリド、ブタノイルクロリド、ピバロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド等が挙げられる。酸無水物(IV)としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水n−酪酸、無水イソ酪酸、無水ヘキサン酸、無水吉草酸、無水クロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水安息香酸等が挙げられる。
これらアシル化剤は、市販のものを用いてもよいし、例えば、対応するカルボン酸をハロゲン化したり、対応するカルボン酸を脱水したり、といった公知の方法により製造して用いてもよい。アシル化剤の使用量は、ヒドロキシシクロプロパン化合物(II)1モルに対して、通常1〜5モルの範囲である。
アシル化反応に用いる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の塩基性含窒素化合物;ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;等が挙げられる。塩基性含窒素化合物が好ましく、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンがより好ましい。これら塩基は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。塩基の使用量は、触媒量であってもよいし、過剰量であってもよく、特に制限されない。ヒドロキシシクロプロパン化合物(II)1モルに対して、通常0.01〜3モルの範囲である。
アシル化反応は、溶媒の存在下で実施してもよい。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。溶媒の使用量は、ヒドロキシシクロプロパンアルデヒド化合物(II)1重量部に対して、通常0.2〜20重量部の範囲である。
アシル化反応は、必要により溶媒の存在下で、ヒドロキシシクロプロパンアルデヒド化合物(II)とアシル化剤と塩基とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されない。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは−5〜100℃の範囲である。
反応時間は、通常5分間〜72時間の範囲である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
反応終了後の反応混合物にはアシルオキシシクロプロパン化合物(V)が含まれており、これをそのまま前述の還元反応に供してもよいが、通常、該混合物を、中和、抽出、水洗等の通常の後処理に付した後で還元反応に供する。もちろん、該後処理後の混合物を、蒸留や結晶化等の通常の単離処理に付した後で還元反応に供してもよいし、さらに、再結晶;抽出精製;蒸留;活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理;シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;等の通常の精製処理に付した後で還元反応に供してもよい。アシルオキシシクロプロパン化合物(V)を目的物として取り出す場合は、上記の通常の後処理や単離処理により取り出せばよい。得られたアシルオキシシクロプロパン化合物(V)は、上記の通常の精製処理により精製されてもよい。
アシル化反応に用いるヒドロキシシクロプロパン化合物(II)は新規化合物であり、上述のとおり、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VI)のZ体を優先的に製造するための中間体として有用である。その製造方法は特に限定されないが、式(I)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示されるシクロプロパンアルデヒド化合物とアクリロニトリルとを塩基の存在下で反応させることにより製造することが好ましい。以下、かかる反応(「カップリング反応」と記載することもある。)について説明する。
式(I)で示されるシクロプロパンアルデヒド化合物(以下、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)と略記する。)としては、例えば3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 エチル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 プロピル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 アリル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メトキシメチル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 フェナシル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ベンジル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 p−ニトロベンジル、3−ホルミル2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 ビス(o−ニトロフェニル)メチルが挙げられる。
これらシクロプロパンアルデヒド化合物(I)は、特開2004−2363号公報、特開2006−89427号公報等に記載の公知の方法により製造して、本反応に用いることができる。
アクリロニトリルは、通常、市販のものを用いることができる。アクリロニトリルの使用量は、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)1モルに対して、通常、0.8〜5モル、好ましくは1〜3モルの範囲である。
カップリング反応に用いる塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、3−ヒドロキシキヌクリジン、インドリジン、テトラメチルグアニジン、イミダゾール、1−メチルイミダゾール等の塩基性含窒素化合物が挙げられる。なかでも、トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが好ましい。これら塩基は、通常、市販のものを用いることができる。塩基の使用量は、触媒量であってもよいし、過剰量であってもよく、特に制限されない。シクロプロパンアルデヒド化合物(I)1モルに対して、通常0.1〜3モルの範囲である。
カップリング反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒;水;等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。溶媒の使用量は、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)1重量部に対して、通常0.05〜3重量部の範囲である。
カップリング反応は、必要により溶媒の存在下で、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)とアクリロニトリルと塩基とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されない。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは−5〜100℃の範囲である。
反応時間は、通常5分間〜72時間の範囲である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
反応終了後の反応混合物にはヒドロキシシクロプロパン化合物(II)が含まれており、これをそのまま前述のアシル化反応に供してもよいが、通常、該混合物を、中和、抽出、水洗等の通常の後処理に付した後でアシル化反応に供する。もちろん、該後処理後の混合物を、蒸留や結晶化等の通常の単離処理に付した後でアシル化反応に供してもよいし、さらに、再結晶;抽出精製;蒸留;活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理;シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;等の通常の精製処理に付した後でアシル化反応に供してもよい。ヒドロキシシクロプロパン化合物(II)を目的物として取り出す場合は、上記の通常の後処理や単離処理により取り出せばよい。得られたヒドロキシシクロプロパン化合物(II)は、上記の通常の精製処理により精製されてもよい。
カップリング反応は、通常、溶媒の存在下で実施される。かかる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒;水;等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を同時に用いてもよい。溶媒の使用量は、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)1重量部に対して、通常0.05〜3重量部の範囲である。
カップリング反応は、必要により溶媒の存在下で、シクロプロパンアルデヒド化合物(I)とアクリロニトリルと塩基とを混合することにより実施され、それらの混合順序は特に限定されない。
反応温度は、通常−20〜100℃、好ましくは−5〜100℃の範囲である。
反応時間は、通常5分間〜72時間の範囲である。反応の進行は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の通常の手段により確認できる。
反応終了後の反応混合物にはヒドロキシシクロプロパン化合物(II)が含まれており、これをそのまま前述のアシル化反応に供してもよいが、通常、該混合物を、中和、抽出、水洗等の通常の後処理に付した後でアシル化反応に供する。もちろん、該後処理後の混合物を、蒸留や結晶化等の通常の単離処理に付した後でアシル化反応に供してもよいし、さらに、再結晶;抽出精製;蒸留;活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理;シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法;等の通常の精製処理に付した後でアシル化反応に供してもよい。ヒドロキシシクロプロパン化合物(II)を目的物として取り出す場合は、上記の通常の後処理や単離処理により取り出せばよい。得られたヒドロキシシクロプロパン化合物(II)は、上記の通常の精製処理により精製されてもよい。
アシルオキシシクロプロパン化合物(V)として、式(Va)
Figure 0005526538
[式中、R’は下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物(以下、アシルオキシシクロプロパン化合物(Va)と略記する。)を用いて、前記の還元反応を実施することにより、式(VIa)
Figure 0005526538
[式中、R’は前記と同じ意味を表す。]
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(以下、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)と略記する。)が得られるが、得られた3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)と式(VIII)
Figure 0005526538
[式中、RはR’とは異なる基であって、下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
で示されるモノヒドロキシ化合物(以下、モノヒドロキシ化合物(VIII)と略記する。)とを、アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることにより式(IX)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(以下、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(IX)と略記する。)を製造することができる。
上記式(Va)におけるR’としては、前記Rと同様の基が挙げられる。また、上記式(VIII)におけるRとしては、前記Rと同様の基が挙げられるが、RはR’と異なる基である。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化フランシウム等が挙げられ、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、水酸化リチウムがより好ましい。かかるアルカリ金属水酸化物は、通常無水物が用いられるが、水酸化リチウム1水和物等の水和物を用いてもよい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は特に限定されないが、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VIa)1モルに対し、通常0.001〜200モル%、好ましくは0.1〜10モル%である。
モノヒドロキシ化合物(VIII)としては、例えば2−クロロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、ベンゾイルメタノール、p−ブロモベンゾイルメタノール、メトキシメタノール、メトキシメトキシメタノール、ベンジルオキシメタノール、メチルチオメタノール、2−メチルチオエタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、4−ブロモベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、2,3,5−トリフルオロベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジルアルコール、2−ニトロベンジルアルコール、4−ニトロベンジルアルコール、ビス(o−ニトロフェニル)メタノール、2−(9,10−ジオキソ)アントラニルメタノール等が挙げられる。
かかるモノヒドロキシ化合物(VIII)の使用量は特に限定されないが、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)1モルに対し、通常0.5〜3モルであり、必要に応じて大過剰量用いてもよく、溶媒として使用することもできる。
3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VIa)とモノヒドロキシ化合物(VIII)との反応は、通常、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で実施される。反応は、常圧下で行ってもよいし、加圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。好ましくは常圧もしくは減圧下で実施される。本反応は平衡反応であり、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)由来の副生アルコールを、蒸留等の方法により、反応系外に除去しながら反応を行うことが好ましい。
反応は無溶媒もしくは溶媒中で実施することができる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;等が挙げられる。また3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(VIa)由来の副生アルコールと共沸混合物を形成し得る溶媒を用いて、副生アルコールを共沸混合物として反応系外へ除去しながら、反応を実施してもよい。
反応温度は特に限定されないが、好ましくは20〜200℃の範囲である。
反応終了後、例えば、得られた反応混合物を、水または硫酸水溶液等の酸性水溶液で洗浄した後、濃縮することにより、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物(IX)を取り出すことができる。取り出した化合物(IX)は、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
また、得られた3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)を加水分解することにより式(VII)
Figure 0005526538
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(以下、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)と略記する。)を製造することができる。
3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)の加水分解反応は、アルカリの存在下に実施してもよいし、酸の存在下に実施してもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。アルカリの使用量は、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。酸としては、硫酸、塩酸等の鉱酸等が挙げられる。酸の使用量は、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)1モルに対して、通常0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルである。
3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)の加水分解反応には、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)1モルに対して、通常1モル以上の水が用いられる。水を溶媒として用いてもよい。また、水以外の溶媒を用いてもよく、かかる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;アセトン等のケトン溶媒;ニトロメタン等のニトロ溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶媒;等が挙げられる。かかる溶媒の使用量は限定されないが、実用的には、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)1重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。
加水分解反応の反応温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃である。反応時間は制限されず、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)が消失した時点、あるいは3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIa)の減少が停止した時点を反応の終点とすることができる。反応終了後、反応混合物を、中和、抽出、水洗、濃縮等の通常の後処理に付すことにより、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)を取り出すことができる。取り出した3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)を、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
得られた3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)とモノヒドロキシ化合物(VIII)とを、ジルコニウム化合物の存在下で反応させることにより、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(IX)を製造することもできる。
ジルコニウム化合物としては、通常、ルイス酸性を示すジルコニウム化合物が用いられ、式(X)
Figure 0005526538
[式中、XおよびYは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、アセチルアセトナート基、ジアルキルアミノ基、シクロペンタジエニル基またはペンタメチルシクロペンタジエニル基を表し、mは0または1、nは0、1または2を表す。]
で示されるジルコニウム化合物が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセチルオキシ基等の炭素数2〜6のアシルオキシ基が挙げられ、ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等の2つの炭素数1〜6のアルキル基で置換されたアミノ基が挙げられる。
式(X)で示されるジルコニウム化合物としては、四フッ化ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム等の四ハロゲン化ジルコニウム;酢酸ジルコニウム等のカルボン酸ジルコニウム;ジルコニウムアセチルアセトナート;ジルコニウム エトキシド、ジルコニウム イソプロポキシド、ジルコニウム ブトキシド、ジルコニウム tert−ブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;オキシ塩化ジルコニウム等のオキシハロゲン化ジルコニウム;テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム等のアミノジルコニウム;ジルコノセン ジクロリド、ジルコノセン ジメトキシド、デカメチルジルコノセン ジクロリド等のジルコノセン化合物;等が挙げられ、四ハロゲン化ジルコニウム、ジルコノセン化合物およびジルコニウムアルコキシドが好ましい。
ジルコニウム化合物は、通常、市販のものが用いられる。また、無水物を用いてもよいし、水和物を用いてもよい。また、テトラヒドロフランやテトラメチルエチレンジアミン等の配位性を有する化合物との錯体を用いてもよい。
ジルコニウム化合物の使用量は限定されないが、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)1モルに対して、通常0.001〜200モル%、好ましくは0.1〜10モル%である。
モノヒドロキシ化合物(VIII)の使用量は限定されないが、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)1モルに対して、通常0.5〜3モルであり、必要に応じて大過剰量用いてもよく、溶媒として使用することもできる。
3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)とモノヒドロキシ化合物(VIII)との反応は、通常、アルゴン、窒素等の不活性ガスの雰囲気下で実施される。反応は、常圧下で行ってもよいし、加圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。好ましくは常圧または減圧下で実施される。また、副生物である水を反応系外に蒸留等の方法により除去しながら反応を行うことが好ましい。
反応は無溶媒または溶媒中で実施することができる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル溶媒;等が挙げられる。また、水と共沸混合物を形成し得る溶媒を用いて、水を共沸混合物として反応系外へ除去しながら、反応を実施してもよい。
反応温度は限定されないが、通常20〜200℃である。
反応終了後、例えば、得られた反応混合物を、水または硫酸水溶液等の酸性水溶液で洗浄した後、濃縮することにより、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(IX)を取り出すことができる。取り出した3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(IX)は、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
アシルオキシシクロプロパン化合物(V)として、式(Vb)
Figure 0005526538
[式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物(以下、アシルオキシシクロプロパン化合物(Vb)と略記する。)を用いて、前記の還元反応を実施することにより、式(VIb)
Figure 0005526538
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(以下、3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステル(VIb)と略記する。)が得られるが、得られた3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VIb)と式(VIIIa)
Figure 0005526538
[式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
で示されるモノヒドロキシ化合物(以下、モノヒドロキシ化合物(VIIIa)と略記する。)とを、ジルコニウム化合物の存在下で反応させることにより式(IXa)
Figure 0005526538
[式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルを製造することができる。
3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VIb)とモノヒドロキシ化合物(VIIIa)との反応は、前述した3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(VII)とモノヒドロキシ化合物(VIII)との反応と同様にして実施することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルエステル[以下、化合物(1)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
(1R,3R)−3−ホルミル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルエステル26.44gとアクリロニトリル8.06gと30重量%トリメチルアミン水溶液7.48gとを混合し、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。そこに、メタノール9mlを加えて、得られた混合物を室温で13時間攪拌した。その後、反応混合物に希塩酸を加えて混合した後、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(1)を主成分として含む淡黄色油状物30.5gを得た。
該油状物のうち11.0gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、化合物(1)の純品10.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.27(s,3/2H)、1.27(s,3/2H)、1.28(s,3/2H)、1.32(s,3/2H)、1.60−1.72(m,2H)、2.06(br.d,1/2H)、2.16(br.d,1/2H)、3.40(s,3/2H)、3.41(s,3/2H)、3.92(br.,1H)4.59(q,2H)、5.25−26(m,2H)、6.00(d,1/2H)、6.05(d,1H)、6.10(d,1/2H)
実施例2:(1R,3R)−3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルエステル[以下、化合物(2)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
実施例1で得られた化合物(1)を主成分として含む淡黄色油状物19.55gとピリジン3.85gと4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.42gとトルエン80mlとを混合し、得られた混合物を氷冷し、そこに、窒素雰囲気下で、無水酢酸4.97gとトルエン20mとの混合物を滴下した。滴下終了後、得られた混合物を氷冷下で1.5時間攪拌した。その後、反応混合物に、水と希塩酸とを加えて混合し、分液処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(2)を主成分として含む淡黄色油状物21.5gを得た。
該油状物のうち5.0gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、化合物(2)の純品4.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.21(s,3/2H)、1.26(s,3/2H)、1.28(s,3H)、1.55(d,1/2H)、1.71(d,1/2H)、1.80(dd,1/2H)、1.89(dd,1/2H)、2.12(s,3/2H)、2.13(s,3/2H)、3.40(s,3/2H)、3.41(s,3/2H)、4.58−4.60(m,2H)、5.00(d,1/2H)、5.11(d,1/2H)、5.22−5.29(m,2H)、5.96(d,1/2H)、6.00(d,1/2H)、6.03(d,1/2H)、6.08(d,1/2H)
実施例3:(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルエステル[以下、化合物(3)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
水素化ホウ素ナトリウム0.68gとヘキサン5mlとN,N−ジメチルホルムアミド30mlとを混合し、得られた混合物を氷冷し、そこに、窒素雰囲気下、実施例2で得られた化合物(2)を主成分として含む淡黄色油状物10.0gとN,N−ジメチルホルムアミド10mlとの混合物を滴下した。得られた混合物を氷冷下で1.5時間攪拌した。得られた反応溶液を希塩酸に加えて混合した後、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を希塩酸、3重量%重曹水、20重量%食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(3)を主成分として含む白色結晶8.1gを得た。該結晶のNMRスペクトルを測定したところ、炭素−炭素二重結合の相対配置のZ/Eは約8/1であった。
H−NMR(CDCl,TMS)δ(ppm):1.21(s,3H,Z+E体)、1.32(s,3H,Z+E体)、1.73(m,1H,Z+E体)、1.96(s,3H、Z+E体)、2.20(m,1/9H,E体)、2.47(m,8/9H,Z体)、3.41(s,3H,Z+E体)、4.59(s,2H,Z+E体)、5.26(s,2H,Z+E体)、5.78(m,8/9H,Z体)、6.01(m,1/9H,E体)
実施例4:(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−ヒドロキシアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル[以下、化合物(4)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
(1R,3R)−3−ホルミル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル31.0gとアクリロニトリル15.8gと30重量%トリメチルアミン水溶液19.5gとを混合し、得られた混合物を室温で終夜攪拌した。得られた混合物を氷冷した後、そこに希塩酸を加えて混合し、得られた混合物を室温まで昇温させた後に、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(4)を主成分として含む淡黄色油状物40.8gを得た。
該油状物のうち1.02gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、化合物(4)の純品0.96gを得た。収率94%。
H−NMR(CDCl,TMS)δ(ppm):1.27(s,3/2H)、1.28(s,3/2H)、1.28(s,3/2H)、1.33(s,3/2H)、1.61−1.70(m,2H)、2.06(d,1/2H)、2.21(d,1/2H)、3.70(s,3/2H)、3.70(s,3/2H)、3.89−3.96(m,1H)、6.00(d,1/2H)、6.05(d,1/2H)、6.07(d,1/2H)、6.10(d,1/2H)
実施例5:(1R,3R)−3−(1−アセトキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル[以下、化合物(5)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
実施例4で得られた化合物(4)を主成分として含む淡黄色油状物39.8gとピリジン18.0gと4−(ジメチルアミノ)ピリジン1.2gとトルエン200gとを混合し、得られた混合物を氷冷し、そこに、窒素雰囲気下で、無水酢酸23.3gを滴下した。滴下終了後、得られた混合物を氷冷下で1時間攪拌した。その後、反応混合物に、水と6N塩酸とを加えて混合し、分液処理した。得られた有機層を2N塩酸、1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(5)を主成分として含む淡黄色油状物40.2gを得た。
該油状物のうち1.00gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、化合物(5)の純品0.87gを得た。
H−NMR(CDCl,TMS)δ(ppm):1.21(s,5/4H)、1.26(s,5/4H)、1.26(s,7/4H)、1.28(s,7/4H)、1.55(d,5/12H)、1.71(d,7/12H)、1.79(dd,7/12H)、1.87(dd,5/12H)、2.13(s,7/4H)、2.14(s,5/4H)、3.70(s,7/4H)、3.70(s,5/4H)、5.01(d,5/12H)、5.12(d,7/12H)、5.97(d,5/12H)、6.00(d,7/12H)、6.03(d,5/12H)、6.08(d,7/12H)
実施例6:化合物(5)の合成
化合物(4)50.9gと4−(ジメチルアミノ)ピリジン1.6gとトルエン176gとを混合した。得られた混合物を氷冷し、そこに、窒素雰囲気下で、無水酢酸29.5gを滴下した。滴下終了後、得られた混合物を氷冷下で8時間攪拌した。その後、反応混合物を、1重量%硫酸水、8重量%水酸化ナトリウム水溶液、水で順に洗浄した後、減圧下で濃縮することにより、化合物(5)を主成分として含む淡黄色油状物66.9gを得た。該油状物をガスクロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、化合物(5)の収率は88%であった。
実施例7:(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル[以下、化合物(6)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
窒素雰囲気下、化合物(5)1.0gとメタノール20mlとの混合溶液中に、水素化ホウ素ナトリウム0.30gを少量ずつ加え、得られた混合物を室温で2時間攪拌した。その後、さらに0.15gの水素化ホウ素ナトリウムを少量ずつ加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。その後、反応混合物に水および1N塩酸を加えて混合した後、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(6)の粗生成物を得た。この粗生成物の1H−NMRを測定したところ、Z/E比は81/19であった。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、Z体を0.55g、E体を0.12gそれぞれ得た。Z体とE体の合計収率は87%(Z/E=82/18)であった。
(Z)−(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル:
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.20(s,3H)、1.32(s,3H)、1.71(d,1H)、1,96(d,3H)、2.45(dd,1H)、3.70(s,3H)、5.80(dd,1H)
(E)−(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル:
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.22(s,3H)、1.30(s,3H)、1.73(d,1H)、1,97(d,3H)、2.17(dd,1H)、3.70(s,3H)、6.02(dd,1H)
実施例8:化合物(6)の合成
窒素雰囲気下、水素化ホウ素ナトリウム37mgとアセトニトリル4mlとの混合溶液を−5℃に冷却し、そこに化合物(5)0.25gとアセトニトリル1mlとの混合溶液を滴下し、同温度で3時間攪拌した。その後、反応混合物に水と1N塩酸を加えて混合した後、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮することにより、化合物(6)の粗生成物を得た。この粗生成物の1H−NMRを測定したところ、Z/E比は87/13であった。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、Z体とE体との混合物0.13gを得た。収率72%。
実施例9:化合物(6)の合成
実施例8において、アセトニトリルに代えて、N,N−ジメチルホルムアミドを用いる以外は、実施例8と同様に反応を行い、化合物(6)の粗生成物を得た。1H−NMRを測定したところ、Z/E比は92/8であった。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、Z体とE体との混合物0.15gを得た。収率78%。
実施例10:化合物(6)の合成
窒素雰囲気下、化合物(5)0.38gと1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.16gとの混合溶液を0℃に冷却し、そこに水素化ホウ素ナトリウム58mgを少しずつ加え、同温度で攪拌した。その後、反応混合物に水と6N塩酸を加え、洗浄処理した。得られた有機層を減圧下で濃縮することにより、化合物(6)の粗生成物を得た。この粗生成物をガスクロマトグラフィー面積百分率法にて分析したところ、Z/E比は92/8であった。ガスクロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、Z体とE体の合計収率は88%であった。
実施例11〜20:化合物(6)の合成
実施例9において、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに代えて表1に示す溶媒を用いる以外は実施例9と同様に反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005526538
実施例21:化合物(6)の合成
窒素雰囲気下、水素化ホウ素ナトリウム1.91gとN−メチル−2−ピロリドン41.0g、ヘプタン6.8gとの混合溶液を0℃に冷却し、そこに化合物(5)20.0gとN−メチル−2−ピロリドン20.5gとの混合溶液を滴下し、同温度で1時間攪拌した。その後、反応混合物を3重量%塩酸水に滴下した後、得られた混合物を23重量%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、ヘプタンで抽出処理した。得られた有機層を3重量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順に洗浄処理し、得られた有機層を減圧下で濃縮することにより、化合物(6)の粗生成物を得た。この粗生成物をガスクロマトグラフィー面積百分率法にて分析したところ、Z/E比は92/8であった。ガスクロマトグラフィー内標準法にて分析したところ、Z体とE体の合計含量は13.5gであった。Z体とE体の合計収率90%。
実施例22:(1R,3R)−3−[2−シアノ−1−(2,2−ジメチルプロピオニルオキシ)−アリル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル[以下、化合物(5−2)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
化合物(4)2.0gとピリジン0.83gとテトラヒドロフラン20mlとを混合し、得られた混合物を氷冷し、そこに、窒素雰囲気下で、ピバロイルクロリド1.27gを滴下した。滴下終了後、得られた混合物を氷冷下で約3時間攪拌した。得られた混合物に、ピリジン0.76gとピバロイルクロリド1.15gとを加え、氷冷下でさらに約4時間攪拌した。その後、反応混合物に水を加えて混合し、酢酸エチルで抽出処理した。得られた有機層を希塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより、化合物(5−2)の純品0.76gを得た。
H−NMR(CDCl,TMS)δ(ppm):1.19−1.29(m,15H)、1.59−1.68(m,1H)、1.77(dd,5/6H)、1.88(dd,1/6H)、3.67(s,5/2H)、3.70(s,1/2H)、4.98(d,1/6H)、5.15(d,5/6H)、5.95(d,1/6H)、5.98(d,5/6H)、6.02(d,1/6H)、6.07(d,5/6H)
実施例23:(1R,3R)−3−(1−ベンゾイルオキシ−2−シアノアリル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸 メチルエステル[以下、化合物(5−3)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
実施例22において、ピバロイルクロリド1.27gに代えてベンゾイルクロリド1.48gを、ピバロイルクロリド1.15gに代えてベンゾイルクロリド1.34gを、それぞれ用いる以外は、実施例22と同様に反応を実施し、化合物(5−3)の純品1.63gを得た。
H−NMR(CDCl,TMS)δ(ppm):1.24(s,1H)、1.28(s,1H)、1.30(s,2H)、1.35(s,2H)、1.66(d,1/3H)、1.88(d,2/3H)、1.95(dd,2/3H)、2.03(dd,1/3H)、3.66(s,2H)、3.72(s,1H)、5.28(d,1/2H)、5.39(d,2/3H)、6.05(d,1/3H)、6.06(d,1/3H)、6.09(d,2/3H)、6.12(d,2/3H)、7.45−7.51(m,2H)、7.58−7.63(m,1H)、8.06−8.10(m,2H)
実施例24:化合物(6)のエステル交換反応による化合物(3)の合成
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルアルコール9.13gと化合物(6)7.50gとリチウムメトキシド74mgとn−ヘプタン74mlを混合し、得られた混合物を還流温度にて9時間撹拌した。該操作は、副生するメタノールをヘプタン共沸条件下で反応系外に除きながら行い、途中でヘプタン20mlを加えた。副生するメタノールとヘプタンの混合物50mlを反応系から除去した。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、そこにトルエンと食塩水を加えて混合し、分液処理した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄処理し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3)を14.2g得た。
実施例25:(1R,3R)−3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸[以下、化合物(7)と略記する。]の合成
Figure 0005526538
化合物(6)19.3gと水酸化ナトリウム6.0gと水20mlとメタノール180mlを混合し、得られた混合物を1時間加熱還流させた。得られた反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下でメタノールを留去し、残渣に水250mlを加えた。得られた混合物を氷冷し、そこに濃塩酸を加えてpH1以下とした後、酢酸エチルにて抽出処理した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濾過処理し、得られた濾液を減圧下で濃縮し、化合物(7)16.9gを得た。H−NMR測定の結果、生成物のZ/E比は約8/1であった。
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):1.23(s,8/3H)、 1.24(s,1/3H)、1.34(s,1/3H)、1.36(s,8/3H)、1.72(d,8/9H)、1.74(d,1/9H)、1.97(d,8/9H)、1.97(d,1/9H)、2.20(dd,1/9H)、2.48(dd,8/9H)、5.82(dq,8/9H)、6.03(dq,1/9H)
実施例26:化合物(7)のエステル化による化合物(3)の合成
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルアルコール2.24gと塩化ジルコニウム70mgとキシレン20mlを混合し、得られた混合物を約10分間加熱還流させた後、キシレン10mlを留去した。得られた混合物を80℃まで放冷し、そこに実施例25で得られた化合物(7)1.97gを加えて、得られた混合物をキシレン還流温度にて7時間攪拌した。該操作は、副生する水をキシレン共沸条件下で反応系外に除きながら行った。得られた混合物を室温まで放冷し、5重量%硫酸水で2回洗浄処理した後、得られた有機層を減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、化合物(3)3.46gを得た。H−NMR測定の結果、生成物のZ/E比は約8/1であった。
実施例27:化合物(7)のエステル化による化合物(3)の合成
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル−ベンジルアルコール8.0gと70重量%ジルコニウムテトライソプロポキシド/2−プロパノール溶液0.3gとキシレン55gを混合し得られた混合物を加熱還流させた後、留出油を39g除去した。得られた混合物を80℃まで放冷し、そこに化合物(7)(Z/E=96/4)7.4gを加えて、得られた混合物をキシレン還流温度にて13時間攪拌した。該操作は、副生する水をキシレン共沸条件下で反応系外に除きながら行った。得られた混合物を室温まで放冷し、そこにキシレン13gを加えて混合し、得られた混合物を5重量%硫酸、5重量%水酸化ナトリウム水、水で順に有機層を洗浄処理した後、得られた有機層を減圧下で濃縮し、化合物(3)13.4gを得た。得られた生成物をガスクロマトグラフィー面積百分率法にて分析したところ、Z/E比は95/5であった。

Claims (16)

  1. 式(V)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基または水素原子を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基またはフェニル基を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを、溶媒の存在下で反応させる式(VI)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法であって、前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリルまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、式(VI)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸化合物の製造方法。
  2. 水素化ホウ素アルカリ金属化合物が、水素化ホウ素ナトリウムである請求項1に記載の製造方法。
  3. 式(V)で示される化合物が、式(II)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示されるヒドロキシシクロプロパン化合物と式(III)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子を表す。]
    で示されるハロゲン化アシル化合物または式(IV)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示される酸無水物とを塩基の存在下で反応させて得られる化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 式(II)で示される化合物が、式(I)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示されるシクロプロパンアルデヒド化合物とアクリロニトリルとを塩基の存在下で反応させて得られる化合物である請求項に記載の製造方法。
  5. 式(II)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基または水素原子を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるヒドロキシシクロプロパン化合物。
  6. 式(V)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜1の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基または水素原子を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基またはフェニル基を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物。
  7. が、炭素数1〜10の鎖式炭化水素基である請求項に記載の化合物。
  8. が、メチル基である請求項に記載の化合物。
  9. Rが、炭素数1〜10の鎖式炭化水素基または置換されていてもよいフェニル基で置換された炭素数1〜10の鎖式炭化水素基である請求項6〜8のいずれかに記載の化合物。
  10. Rが、メチル基または2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル基である請求項6〜9のいずれかに記載の化合物。
  11. 式(Va)

    Figure 0005526538
    [式中、R’は下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基またはフェニル基を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを、溶媒の存在下で反応させて式(VIa)
    Figure 0005526538
    [式中、R’は前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルを得、次いで、該化合物と式(VIII)
    Figure 0005526538
    [式中、RはR’とは異なる基であって、下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるモノヒドロキシ化合物とを、アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させる式(IX)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法であって、前記溶媒がN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリルまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、式(IX)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。
  12. アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウムである請求項11に記載の製造方法。
  13. 式(Va)
    Figure 0005526538
    [式中、R’は下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基またはフェニル基を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを、溶媒の存在下で反応させて式(VIa)
    Figure 0005526538
    [式中、R’は前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルを得、次いで、該化合物を加水分解する式(VII)
    Figure 0005526538
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法であって、前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリルまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、式(VII)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法により式(VII)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を得、次いで、該化合物と式(VIII)
    Figure 0005526538
    [式中、RはR’とは異なる基であって、下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるモノヒドロキシ化合物とを、ジルコニウム化合物の存在下で反応させる式(IX)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。
  15. 式(Vb)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは前記と同じ意味を表す。]
    で示されるアシルオキシシクロプロパン化合物と水素化ホウ素アルカリ金属化合物とを、溶媒の存在下で反応させて式(VIb)
    Figure 0005526538
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸を得、次いで、該化合物と式(VIIIa)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは下記群Aから選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい炭素数1〜10の鎖式炭化水素基、炭素数3〜10の環式炭化水素基を表し、Rは前記と同じ意味を表す。
    群A:ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数2〜7のアシル基、置換されていてもよい炭素数1〜7のアルコキシ基、炭素数1〜3のアルキルチオ基、置換されていてもよいフェニル基。]
    で示されるモノヒドロキシ化合物とを、ジルコニウム化合物の存在下で反応させる式(IXa)
    Figure 0005526538
    [式中、Rは、前記と同じ意味を表す。]
    で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法であって、前記溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリルまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである、式(IXa)で示される3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エステルの製造方法。
  16. ジルコニウム化合物が、四塩化ジルコニウム、ジルコノセン誘導体またはジルコニウムアルコキシドである請求項14又は15に記載の製造方法。
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