JP2002255913A - 2−オキソプロパンアミン誘導体の製造法 - Google Patents

2−オキソプロパンアミン誘導体の製造法

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JP2002255913A
JP2002255913A JP2001054115A JP2001054115A JP2002255913A JP 2002255913 A JP2002255913 A JP 2002255913A JP 2001054115 A JP2001054115 A JP 2001054115A JP 2001054115 A JP2001054115 A JP 2001054115A JP 2002255913 A JP2002255913 A JP 2002255913A
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acid
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oxopropanamine
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JP2001054115A
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Katsumi Masuda
勝美 増田
Atsushi Shibayama
淳 柴山
Norihisa Yonekura
範久 米倉
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Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Ihara Chemical Industry Co Ltd
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた殺菌活性を示すフェニルアルカン酸アミ
ド化合物の重要中間体である2-オキソプロパンアミン誘
導体の工業的に有利な製造方法を提供すること。 【解決手段】一般式[1] 【化1】 {式中、R、Rは各々独立に水素原子、C〜C
アルキル基等を、Zは基−C(O)R等を表す。}に
て示されるプロパルギルアルコール誘導体と、一般式
[2] 【化2】 (式中、Yは水素原子又はC〜Cアルキル基を表
す。)にて示されるニトリル類とを酸の存在下に反応さ
せ、一般式[3] 【化3】 (式中、R、R及びYは前記と同じ意味を表す。)
にて示されるアミド化合物とし、ついで、酸処理するこ
とを特徴とする、一般式[4] 【化4】 (式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)にて示
される2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的
に許容される塩の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−オキソプロパ
ンアミン誘導体又はその化学的に許容される塩の製造方
法に関する。詳しくは殺菌剤として有用なフェニルアル
カン酸アミド化合物の中間体である2−オキソプロパン
アミン誘導体又はその化学的に許容される塩の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】2−オキソプロパンアミン誘導体の製造
方法としては、一般的にニトロブタノン化合物を還元す
る方法が知られている。例えば、ジャーナル・オブ・ザ
・ケミカル・ソサイエティ、パーキン・トランザクショ
ンズ、1(Journal of theChemical Society. Per
kin Transactions.1)、第1645頁(1985
年)には、ニトロブタノール化合物を酸化しニトロブタ
ノン化合物とした後、ラネーニッケル存在下に水素添加
することにより2−オキソプロパンアミン化合物を製造
する方法が開示されている。又、アミノ酸より誘導した
アセチルアミン化合物を酸性条件下に加水分解する方法
が知られている。例えば、特開平6−166665号公
報明細書には、オーガニック シンセセス コレクティ
ブ ボリューム(Organic Syntheses Collective Vo
lume)、IV、第5頁(1963年)に従いアミノ酸よ
り誘導したアセチルアミン化合物を酸性条件下に加水分
解することにより、2−オキソプロパンアミン化合物を
製造する方法が開示されている。
【0003】しかしながら、これらの方法は酸化剤とし
てクロム化合物を使用したり、反応上の制約により置換
基の多様性に欠けるなど工業的製造法としては満足すべ
きものではなかった。また、本発明の、エステル化合物
とニトリル類を用いた簡便な方法については全く知られ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた殺菌
活性を示すフェニルアルカン酸アミド化合物の重要中間
体である2−オキソプロパンアミン化合物の工業的に有
利な製造方法を提供することを課題としてなされたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意努力を重ねた結果、驚くべきことに安
価で入手容易なプロパルギルアルコール誘導体とニトリ
ル類とを酸の存在下に反応させ、ついで酸性条件下に処
理することにより、殺菌活性を示すフェニルアルカン酸
アミド化合物の重要中間体である2−オキソプロパンア
ミン化合物を製造する方法を見い出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0007】本発明は、下記(1)乃至(5)項に記載
の発明を提供するものである。
【0008】(1)一般式[1]
【0009】
【化5】
【0010】{式中、R、Rは各々独立に水素原
子、C〜Cアルキル基又はC〜C シクロアルキ
ル基を表すか、あるいはRとRは互いに結合してこ
れらが結合している炭素原子と共にシクロペンチル基又
はシクロヘキシル基を形成し、Zは基−C(O)R
−C(O)OR、−S(O)又は−P(O)
(OR(RはC〜Cアルキル基を表す。)
を表す。}
【0011】にて示されるプロパルギルアルコール誘導
体と、一般式[2]
【0012】
【化6】
【0013】(式中、Yは水素原子又はC〜Cアル
キル基を表す。)
【0014】にて示されるニトリル類とを酸の存在下に
反応させ、一般式[3]
【0015】
【化7】
【0016】(式中、R、R及びYは前記と同じ意
味を表す。)
【0017】にて示されるアミド化合物とし、ついで、
酸処理することを特徴とする、一般式[4]
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R、Rは前記と同じ意味を表
す。)
【0020】にて示される2−オキソプロパンアミン誘
導体又はその化学的に許容される塩の製造方法。
【0021】(2)一般式[1]において、R、R
が各々独立に水素原子、C〜Cアルキル基又はC
〜Cシクロアルキル基であるか、あるいはRとR
は互いに結合してこれらが結合している炭素原子と共に
シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を形成し、Zは
基−C(O)R(RはC〜Cアルキル基を表
す。)である、(1)項に記載の2−オキソプロパンア
ミン誘導体又はその化学的に許容される塩の製造方法。
【0022】(3)一般式[1]において、R、R
が各々独立にC〜Cアルキル基である、(2)項に
記載の2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的
に許容される塩の製造方法。
【0023】(4)一般式[1]において、Rがメチ
ル基又はエチル基であり、Rがエチル基、イソプロピ
ル基又はtert−ブチル基であり、Zがアセチル基で
あり、一般式[2]においてYがメチル基である、
(3)項に記載の2−オキソプロパンアミン誘導体又は
その化学的に許容される塩の製造方法。
【0024】(5)一般式[1]にて示されるプロパル
ギルアルコール誘導体と一般式[2]にて示されるニト
リル類とを酸の存在下に反応させることを特徴とする一
般式[3]にて示されるアミド化合物の製造方法。
【0025】本明細書に記載された記号及び用語につい
て説明する。
【0026】「C〜C」の如き記載は、この場合、
これに続く置換基の炭素数が1乃至6であることを示
す。
【0027】C〜Cアルキル基とは、直鎖又は分岐
鎖状の炭素数が1乃至6であるアルキル基を示し、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、3,3−ジメチルブチル基等を挙げることができ
る。
【0028】C〜Cシクロアルキル基とは、例えば
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基等を挙げることができる。
【0029】次に、本発明方法について説明する。
【0030】本発明は、一般式[1]にて示されるプロ
パルギルアルコール誘導体と一般式[2]にて示される
ニトリル類とを酸の存在下に反応させ、一般式[3]に
て示されるアミド化合物とし、ついでこのアミド化合物
を酸処理することを特徴とする一般式[4]にて示され
る2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的に許
容される塩の製造方法を提供するものである。
【0031】まず、一般式[1]にて示されるプロパル
ギルアルコール誘導体と一般式[2]にて示されるニト
リル類とを酸の存在下に反応させ、一般式[3]にて示
されるアミド化合物とする反応について説明する。
【0032】本発明方法おいて使用できる一般式[1]
で示されるプロパルギルアルコール誘導体としては、一
般式[1]で示される化合物ならいずれでもよいが、具
体的には例えば、酢酸 4,4−ジメチル−1−ペンチ
ン−3−イル エステル、酢酸 3−メチル−1−ブチ
ン−3−イル エステル、酢酸 3−メチル−1−ペン
チン−3−イル エステル、酢酸 3−エチル−1−ペ
ンチン−3−イル エステル、酢酸 3,4−ジメチル
−1−ペンチン−3−イル エステル、酢酸3,4,4
−トリメチル−1−ペンチン−3−イル エステル、酢
酸 1−エチニルシクロペンチル エステル、酢酸 1
−エチニルシクロヘキシル エステル、酢酸 3−シク
ロプロピル−1−ブチン−3−イル エステル、酢酸
3−シクロペンチル−1−ブチン−3−イル エステ
ル、プロピオン酸 3,4−ジメチル−1−ペンチン−
3−イル エステル等を挙げることができる。好ましく
は、酢酸 3−メチル−1−ペンチン−3−イル エス
テル、酢酸 3−エチル−1−ペンチン−3−イル エ
ステル、酢酸 3,4−ジメチル−1−ペンチン−3−
イル エステル、酢酸 3,4,4−トリメチル−1−
ペンチン−3−イルエステル、炭酸 メチル 4,4−
ジメチル−1−ペンチン−3−イル エステル、炭酸
メチル 3,4−ジメチル−1−ペンチン−3−イル
エステル、メタンスルホン酸 3−メチル−1−ブチン
−3−イル エステル、メタンスルホン酸 3,4−ジ
メチル−1−ペンチン−3−イル エステル、リン酸
ジメチル 3−メチル−1−ペンチン−3−イル エス
テル又はリン酸 ジメチル3,4−ジメチル−1−ペン
チン−3−イル エステルを挙げることができる。
【0033】本発明の一般式[1]中の好ましい置換基
としては、R、R、Rは各々独立にC〜C
ルキル基である。さらに好ましい置換基としては、R
はメチル基又はエチル基であり、Rはエチル基、イソ
プロピル基又はtert−ブチル基であり、Rはメチ
ル基である。
【0034】一般式[1]で示されるプロパルギルアル
コール誘導体は、公知の化合物であるか、あるいは対応
するプロパルギルアルコール化合物と酸塩化物又は酸無
水物等のアシル化剤との反応によって製造することがで
きる化合物である。ここでアシル化剤としては塩化アセ
チル、無水酢酸、無水プロピオン酸、クロロ炭酸メチ
ル、メタンスルホニルクロリド又はクロロジエチルリン
酸等を挙げることができる。
【0035】本発明の一般式[2]中の好ましい置換基
としては、Yがメチル基、エチル基であり、特に好まし
いのはメチル基である。
【0036】本発明方法おいて使用できる一般式[2]
で示されるニトリル類としては、一般式[2]で示され
る化合物ならいずれでもよいが、シアン化水素、アセト
ニトリル又はプロピオニトリル等の公知化合物を挙げる
ことができる。
【0037】本発明方法において、一般式[2]で示さ
れるニトリル類の使用量は、一般式[1]で示されるプ
ロパルギルアルコール誘導体1モルに対し、1モル以上
あればよく、好ましくは3〜60モルの範囲であればよ
い。
【0038】本発明方法における一般式[1]で示され
るプロパルギルアルコール誘導体と一般式[2]で示さ
れるニトリル類とを反応させる際に使用する酸として
は、氷酢酸等の有機酸、硫酸又は塩酸等の無機酸、ある
いはこれらから選択される酸を組み合わせたものを使用
でき、好ましくは濃硫酸、あるいは濃硫酸と氷酢酸の混
合物がよい。
【0039】この酸の使用量は、濃硫酸を使用する場
合、一般式[1]で示されるプロパルギルアルコール誘
導体1モルに対し、1モル以上あればよく、好ましくは
1〜10モル、さらに好ましくは1.2〜2モルの範囲
であればよい。
【0040】又、濃硫酸と氷酢酸の混合物で使用する場
合、一般式[1]で示されるプロパルギルアルコール誘
導体1モルに対し、濃硫酸0.3〜40モルおよび氷酢
酸1〜10モルあればよく、好ましくは濃硫酸0.5〜
20モルおよび氷酢酸5〜10モルの範囲であればよ
い。
【0041】本発明方法の一般式[1]で示されるプロ
パルギルアルコール誘導体と一般式[2]で示されるニ
トリル類とを反応させる際の反応温度は、−25℃〜使
用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましく
は−10℃〜30℃の範囲がよい。また、反応時間は、
特に制限されるものではないが、好ましくは1時間〜1
5時間がよい。
【0042】本発明方法における一般式[1]で示され
るプロパルギルアルコール誘導体と一般式[2]で示さ
れるニトリル類とを反応させる際、反応に使用する一般
式[2]で示されるニトリル類あるいは酸類を過剰モル
使用する場合には、通常は特に溶媒を使用する必要はな
い。しかし、溶媒を使用することもできる。使用できる
溶媒としては、反応を阻害しない溶媒であればよく、例
えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、
石油エーテル、リグロイン、ベンゼン、トルエン又はキ
シレン等の炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、
テトラヒドロフラン又はジオキサン等のエーテル類ある
いはこれらから選択される溶媒を組み合わせた混合溶媒
を用いることができる。
【0043】本発明方法における溶媒の使用量は、特に
制限されるものではないが、一般式[1]で示されるプ
ロパルギルアルコール誘導体1 モルに対して0.3〜
10l使用される。好ましくは0.5〜3lの範囲であれ
ばよい。
【0044】本発明方法において、一般式[1]で示さ
れるプロパルギルアルコール誘導体と一般式[2]で示
されるニトリル類とを反応させて製造し得る一般式
[3]で示されるアミド化合物としては、例えばN−
(1−イソプロピル−1−メチル−2−プロピニル)ア
セトアミド、N−(1,1−ジメチル−2−プロピニ
ル)アセトアミド又はN−(1−tert−ブチル−2
−プロピニル)アセトアミドを挙げることができる。一
般式[3]で示されるアミド化合物は、単離精製せずに
引き続く酸処理に使用してもよい。
【0045】なお、本発明方法において、一般式[1]
で示されるプロパルギルアルコール誘導体の代わりに、
対応する構造で遊離の水酸基を有する化合物(一般式
[1]中のZが水素である化合物)を原料として用いて
も、本発明方法と同様の反応の進行こそ認められるもの
の、副反応による副生物が多量に生成し、後記する比較
参考例1に示すように目的物の収率は高くならない(三
重結合と水酸基が共存することによって反応途中で生じ
るカルボニウムイオンの安定性が低くなり、分子内転位
化合物が生成する様な副反応が進行することが一因をな
していると推定される。)。本発明で原料として用いる
一般式[1]で示されるプロパルギルアルコール誘導体
は、そのアルコール性水酸基の部位が前記構造のカルボ
ン酸誘導体、スルホン酸誘導体、又はリン酸誘導体との
エステルを形成していることが必須である。その様な構
造の原料を用いることに本発明方法の特徴が存してお
り、本発明方法で用いる原料分子中に三重結合と水酸基
が共存していないので、上記のような副反応の程度が抑
制され、良好な収率で目的物が得られる。
【0046】続いて、一般式[3]にて示されるアミド
化合物を酸処理する事による一般式[4]にて示される
2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的に許容
される塩の製造について説明する。この酸処理は、一般
式[3]にて示されるアミド化合物1モルに対し、好ま
しくは2モル以上の水存在下で、一般式[3]にて示さ
れるアミド化合物の三重結合部位への水和反応とアミド
部位の加水分解反応とを進行させて目的の一般式[4]
にて示される2−オキソプロパンアミン誘導体を生成さ
せるために行うものである。ここで、前記水和反応と加
水分解反応のどちらが優先して起こるか、あるいは2つ
の反応が反応系内で競争的に起きるか、と云う事項は本
発明方法においては特段に重要な事項ではなく、通常、
この2つの反応の順序等を反応系内で制御する必要はな
い。
【0047】一般式[3]で示されるアミド化合物を酸
処理する際に使用する酸としては、塩酸あるいは硫酸等
の無機酸を用いることができる。好ましくは6〜12N
塩酸がよい。
【0048】酸処理に用いる酸の使用量は、一般式
[3]で示されるアミド化合物1モルに対し、1モル以
上あればよく、好ましくは1〜100モル、さらに好ま
しくは10〜30モルの範囲であればよい。
【0049】酸処理する際の反応温度は、−25℃〜使
用する酸の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは
0℃〜使用する酸の還流温度の範囲がよい。また、反応
時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは1
時間〜30時間がよい。
【0050】本発明方法においては、反応終了後、目的
物たる一般式[4]にて示される2−オキソプロパンア
ミン化合物を、常法により遊離の2−オキソプロパンア
ミン化合物として取り出すこともできるし、反応終了
後、例えば、塩酸、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン
酸、メタンスルホン酸等で処理して塩の形で取り出すこ
ともできる。また、塩の形で取り出しておいてからアル
カリ処理等の常法により遊離のアミンの形に戻すことも
できる。
【0051】次に、参考として、前記一般式[1]で示
されるプロパルギルアルコール誘導体から一般式[4]
で示される2−オキソプロパンアミン誘導体を経て、殺
菌剤となりうるフェニルアルカン酸アミド化合物(特開
平9−48750号公報)までの製造工程の1例を下記
スキームに示す。
【0052】
【化9】
【0053】(式中、R、R、R及びYは前記と
同じ意味を表し、Xはハロゲン原子、C〜Cアルキ
ル基又はC〜Cハロアルキル基又はC〜Cアル
コキシ基を表し、Rは水素原子又はC〜Cアルキ
ル基を表し、Rは水素原子、C〜Cアルキル基、
〜Cシクロアルキル基又はC〜Cハロアルキ
ル基を表し、nは1〜3の整数を表す。)
【0054】上記スキームに示されるように、本発明方
法は殺菌剤として有用なフェニルアルカン酸アミド化合
物の製造において極めて重要である。
【0055】
【発明の効果】本発明は、優れた殺菌効果を示すフェニ
ルアルカン酸アミド化合物の重要中間体である2−オキ
ソプロパンアミン誘導体の新規な製造方法が提供され
る。
【0056】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造法
を具体的に説明する。
【0057】<比較参考例1>モレキュラーシーブス4
Aで乾燥したアセトニトリル20ml(0.38モル)
を0℃に冷却し、95%濃硫酸4.5g(0.043モ
ル)を滴下した。次に、3,4−ジメチル−1−ペンチ
ン−3−オール5.0g(0.045モル)を滴下し、
0℃〜室温で6時間攪拌した。反応液を氷水中にあけ、
炭酸ナトリウムで中和した。有機層をジエチルエーテル
50mlで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
N−(1−イソプロピル−1−メチル−2−プロピニ
ル)アセトアミドはガスクロマトグラフィー面積比で3
5%で、分子内転位生成物や分子内脱水した化合物の多
量の生成が認められた。
【0058】<実施例1−1> i−a)N−(1−イソプロピル−1−メチル−2−プ
ロピニル)アセトアミドの製造 モレキュラーシーブス4Aで乾燥したアセトニトリル5
0ml(0.95モル)を−5℃に冷却し、95%濃硫
酸5.0g(0.048モル)を滴下した。ついで、同
温度にて、酢酸 3,4−ジメチル−1−ペンチン−3
−イル エステル5.0g(0.032モル)を滴下
し、−5℃〜5℃で14時間攪拌した。反応液を氷水中
にあけ、トルエン50mlで3回抽出した。トルエン層
を飽和重曹水、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。N−(1−イ
ソプロピル−1−メチル−2−プロピニル)アセトアミ
ドはガスクロマトグラフィー面積比で67.8%であっ
た。得られたアミド化合物は単離、精製せずに次の反応
に用いた。
【0059】ii)3−アミノ−3,4−ジメチルペン
タン−2−オン塩酸塩の製造 上記反応i−a)にて得られた未精製のN−(1−イソ
プロピル−1−メチル−2−プロピニル)アセトアミド
に濃塩酸50mlを加え、12時間加熱還流した。反応
液を氷水中にあけ、ジエチルエーテル50mlで洗浄し
た。水層を10%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性
とし、ジエチルエーテル50mlで4回抽出した。有機
層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ジエチ
ルエーテルを減圧下に留去した。得られた残渣にトルエ
ン30mlと濃塩酸30mlを加え、減圧下に濃縮し
て、融点202℃を示す3−アミノ−3,4−ジメチル
ペンタン−2−オン塩酸塩1.9gを得た。
【0060】iii)3−アミノ−3,4−ジメチルペ
ンタン−2−オンの製造 3−アミノ−3,4−ジメチルペンタン−2−オン塩酸
塩2.0g(0.012モル)を50mlの水に溶解
し、25%水酸化ナトリウム水溶液20mlを室温下に
滴下した。30分間攪拌した後、ジエチルエーテル50
mlで2回抽出した。有機層を水洗し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去し、屈折率
(n 20)1.4412を示す3−アミノ−3,4−
ジメチルペンタン−2−オン1.5gを得た。
【0061】H−NMR:(CDCl/TMS,δ
(ppm)) 0.77(d,3H);0.96(d,3H);1.23
(s,3H);1.44(br,2H);2.01(m,1
H);2.19(s,3H)
【0062】<実施例1−2>以下、<実施例1−1>
のi−a)に相当する工程のみを行った例を<実施例1
−2>のi−b)〜i−d)として示す。生成が確認さ
れたそれぞれのアセトアミド誘導体は、上記<実施例1
−1>のii)、iii)に準じて、対応する目的のア
ミンに変換することができるものである。
【0063】i−b)N−(1−イソプロピル−1−メ
チル−2−プロピニル)アセトアミドの製造 アセトニトリル5ml(0.095モル)を−10℃に
冷却し、95%濃硫酸0.2g(0.0019モル)を
滴下した。ついで、酢酸 3,4−ジメチル−1−ペン
チン−3−イル エステル0.2g(0.0013モ
ル)を滴下し、0℃にて8時間攪拌した。反応液を氷水
中にあけ、トルエン20mlで3回抽出した。トルエン
層を飽和重曹水、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。N−(1−
イソプロピル−1−メチル−2−プロピニル)アセトア
ミドはガスクロマトグラフィー面積比で63.5%であ
った。
【0064】i−c)N−(1−イソプロピル−1−メ
チル−2−プロピニル)アセトアミドの製造 アセトニトリル5ml(0.095モル)に95%濃硫
酸0.2g(0.0019モル)を室温下で滴下した。
ついで、酢酸 3,4−ジメチル−1−ペンチン−3−
イル エステル0.2g(0.0013モル)を滴下
し、室温下に3時間攪拌した。反応液を氷水中にあけ、
トルエン20mlで3回抽出した。トルエン層を飽和重
曹水、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、溶媒を減圧下に留去した。N−(1−イソプロピ
ル−1−メチル−2−プロピニル)アセトアミドはガス
クロマトグラフィー面積比で56.2%であった。
【0065】i−d)N−(1−イソプロピル−1−メ
チル−2−プロピニル)アセトアミドの製造 アセトニトリル5ml(0.095モル)と酢酸5ml
(0.087モル)の混合溶液を−5℃に冷却し、95
%濃硫酸2.0g(0.019モル)を滴下した。つい
で、同温度にて、酢酸 3,4−ジメチル−1 −ペン
チン−3−イルエステル1.5g(0.0097モル)
を滴下し、室温下に14時間攪拌した。反応液を氷水中
にあけ、トルエン50mlで3回抽出した。トルエン層
を飽和重曹水、水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、溶媒を減圧下に留去した。N−(1−イ
ソプロピル−1−メチル−2−プロピニル)アセトアミ
ドはガスクロマトグラフィー面積比で60.0%であっ
た。
【0066】<実施例2> 3−アミノ−3,4,4−トリメチルペンタン−2−オ
ン塩酸塩の製造 アセトニトリル及び酢酸 3,4,4−トリメチル−1
−ペンチン−3−イルエステルを原料として用いて実施
例1に準じて反応させることにより得られた、融点15
5〜158℃を示すN−(1−tert−ブチル−1−
メチル−2−プロピニル)アセトアミド3.1g(0.
017モル)を6N−塩酸40mlに懸濁させ、22時
間加熱還流した。反応終了後、減圧下に濃縮し、生じた
結晶を濾別した。得られた結晶をトルエン、ついでジエ
チルエーテルで洗浄し、融点212〜215℃を示す3
−アミノ−3,4,4−トリメチルペンタン−2−オン
塩酸塩2.7gを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米倉 範久 静岡県磐田郡福田町塩新田408番地の1 株式会社ケイ・アイ研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC52 AC53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 {式中、R、Rは各々独立に水素原子、C〜C
    アルキル基又はC〜C シクロアルキル基を表すか、
    あるいはRとRは互いに結合してこれらが結合して
    いる炭素原子と共にシクロペンチル基又はシクロヘキシ
    ル基を形成し、Zは基−C(O)R、−C(O)OR
    、−S(O)又は−P(O)(OR(R
    はC〜Cアルキル基を表す。)を表す。}にて示
    されるプロパルギルアルコール誘導体と、一般式[2] 【化2】 (式中、Yは水素原子又はC〜Cアルキル基を表
    す。)にて示されるニトリル類とを酸の存在下に反応さ
    せ、一般式[3] 【化3】 (式中、R、R及びYは前記と同じ意味を表す。)
    にて示されるアミド化合物とし、ついで、酸処理するこ
    とを特徴とする、一般式[4] 【化4】 (式中、R、Rは前記と同じ意味を表す。)にて示
    される2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的
    に許容される塩の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式[1]において、R、Rが各々
    独立に水素原子、C 〜Cアルキル基又はC〜C
    シクロアルキル基であるか、あるいはRとRは互い
    に結合してこれらが結合している炭素原子と共にシクロ
    ペンチル基又はシクロヘキシル基を形成し、Zは基−C
    (O)R(RはC〜Cアルキル基を表す。)で
    ある、請求項1に記載の2−オキソプロパンアミン誘導
    体又はその化学的に許容される塩の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式[1]において、R、Rが各々
    独立にC〜Cアルキル基である、請求項2に記載の
    2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的に許容
    される塩の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式[1]において、Rがメチル基又
    はエチル基であり、Rがエチル基、イソプロピル基又
    はtert−ブチル基であり、Zがアセチル基であり、
    一般式[2]においてYがメチル基である、請求項3に
    記載の2−オキソプロパンアミン誘導体又はその化学的
    に許容される塩の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式[1]にて示されるプロパルギルア
    ルコール誘導体と一般式[2]にて示されるニトリル類
    とを酸の存在下に反応させることを特徴とする一般式
    [3]にて示されるアミド化合物の製造方法。
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