JP5520518B2 - ストリップの振動防止用流体圧力パッド - Google Patents

ストリップの振動防止用流体圧力パッド Download PDF

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Description

本発明は、ストリップの両面に対して非接触状態で配置され、ストリップに対して噴出させる流体により、ストリップを支持してその振動を防止するストリップの振動防止用流体圧力パッドに関する。
従来、走行するストリップの振動防止及び形状矯正を行う技術が、多くの分野で強く要求されている。
例えば、鋼ストリップの連続溶融金属めっきラインにおいては、金属めっき後のストリップを、上下方向に長い距離をあけて回転可能に配置された二つの固定支持点(支持ロール)間で通板させるに際し、ストリップの振動や幅方向の反り(C反りともいう)を防止するため、ストリップを非接触状態で保持しなければならない。このような手段としては、ストリップの表面に流体動圧力あるいは流体静圧力を作用させ、その流体クッション効果を利用して、ストリップを支持する技術が知られている。特に、一定範囲の領域の材料を支持できる静圧流体パッドが有効である。
上記したストリップの支持手段は、高速走行しているストリップの走行スピードと、種類ごとに異なるストリップの幅変動とに追従できる構造になっていなければならないことが重要である。
このようなストリップの幅変動に対応した非接触支持装置としては、例えば、特許文献1に開示された多重ノズル型流体圧パッドが知られている。この多重ノズル型流体圧パッドは、パッドの幅方向に2対以上の縦スリット(流体吹き出しスリット)が設けられたものである。
特公昭58−39005号公報
しかしながら、特許文献1には、「例えば、b=500mm、c=800mm、d=1100mmの場合(b、c、dは対となるスリット間隔)、ストリップ巾500mm超のストリップに対しては全て有効で実用的には最大板巾1300mm迄目的とする効果を発揮する。」との記載があるものの、流体圧パッドを、ストリップの表面との距離が15mm前後となる位置まで近づけて使用する必要があった。このように、流体圧力パッドとストリップとの間隔を狭くすると、例えば、ストリップに形状不良が発生した場合や、ストリップがばたつく場合に、このストリップが流体圧パッドに接触する恐れがあり、その結果、ストリップの破断や板傷が発生する懸念がある。
また、ストリップの幅方向中心位置から数えて1つ目の対となるスリット間隔b(500mm)よりも、やや広い幅(例えば600mm)のストリップに対して、流体圧パッドを、ストリップの表面との距離が50mm程度離れた位置に配置して使用すると、振動防止効果が小さくなり、ストリップのツイスト振動(ストリップに捻れが生じ、その捻れがストリップの正転方向と逆転方向とで繰返される振動)を抑えることができない。
なお、特許文献1は、上記したツイスト振動を、各スリットから噴出する流体の流量を流量調整弁の開度を調整することにより抑えるものであるが、常にストリップの形状を把握し、流量を個別に制御する必要があるため、実用化には高度な技術が必要とされる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、常に安定した支持力が得られ、ストリップの振動防止や幅方向の反りの矯正が図れるストリップの振動防止用流体圧力パッドを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドは、走行するストリップの厚み方向両側に該ストリップとは間隔を有して対向配置され、前記ストリップに流体を吹付けるストリップ走行方向の縦スリット及び該縦スリットの両端部にそれぞれ連続するストリップ幅方向の横スリットが形成された流体噴出し部材を有するストリップの振動防止用流体圧力パッドであって、
前記間隔は30mm以上75mm以下であり、
前記縦スリット及び前記横スリットを、前記流体噴出し部材の表面に対し40度以上50度以下の範囲で、前記流体噴出し部材の前記ストリップへの垂直投影面内側へ傾斜させ、しかも前記流体噴出し部材には、前記ストリップの幅方向に前記流体を吹付け可能な前記縦スリットが、前記流体噴出し部材の幅方向にその幅方向中央部を中心として対以上設けられ、前記ストリップの幅方向に前記縦スリットと前記横スリットとで囲まれる領域を箇所以上設け、
かつ、前記対となる縦スリットは、それぞれ正面視して屈曲角度が100度以上140度以下のく字状及び逆く字状とされ、
前記流体噴出し部材の幅方向中心位置から2つ目の前記対となる縦スリットの間隔cと、前記流体噴出し部材の幅方向最外側に位置する前記対となる縦スリットの間隔eとの関係が、以下の式を満足する。
c≦W1+(2×h/tanθ)−2×α ・・・(1)
e<W2 ・・・(2)
ここで、W1は搬送される最小幅のストリップの幅、W2は搬送される最大幅のストリップの幅、αはストリップの幅方向の蛇行量によって決定される補正値、hはストリップの表面と流体噴出し部材との間隔、θは流体噴出し部材の表面に対する縦スリットの傾斜角度である。
本発明に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドにおいて、前記対となる縦スリットのストリップ走行方向中央部の間隔が、そのストリップ走行方向両端部の間隔よりも広くなるように形成されていることが好ましい。
本発明に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドにおいて、前記各縦スリットの2対目以降は、前記流体噴出し部材の幅方向中央部を基準としてその幅方向外側へ渡って等ピッチに配置されていることが好ましい。
本発明に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドにおいて、前記各縦スリットと前記各横スリットの形状は、前記流体噴出し部材の幅方向中心位置及びストリップ走行方向中心位置を基準として対称であることが好ましい。
本発明に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドは、流体噴出し部材に、ストリップの幅方向に流体を吹付け可能な前記縦スリットを対以上設け、縦スリットと横スリットとで囲まれる領域を箇所以上設けるので、ストリップの幅方向に渡って、箇所以上の静圧領域を形成できる。このため、ストリップの幅方向を、常に箇所以上の静圧力で支持することができ、ストリップの振動防止や幅方向反りの矯正が可能となる。
また、ストリップは、常に安定した支持力を得ていることから、例えば、ストリップの形状不良に起因したストリップと流体噴出し部材との接触を防止するため、流体噴出し部材をストリップの厚み方向両側にストリップとは30mm以上75mm以下離して対向配置しても、常に安定した支持力が得られ、ストリップの振動防止が図れる。
また、流体噴出し部材の幅方向中心位置から2つ目の対となる縦スリットの間隔cと、幅方向最外側に位置する対となる縦スリットの間隔eとの関係が、式(1)と式(2)を満足するので、縦スリットの傾斜角度θと、ストリップの幅方向の蛇行(ウォーク)量を考慮して、対となる縦スリットの間隔c、eを決定できる。これにより、ストリップが幅方向に蛇行しても、ストリップの振動防止効果が安定に得られる。
そして、各縦スリットと各横スリットの形状を、流体噴出し部材の幅方向中心位置及びストリップ走行方向中心位置を基準として対称にする場合、ストリップの表面への静圧力を、ストリップの幅方向及び搬送方向を中心として対称にできるので、ストリップの振動防止効果を更に高めることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドの平断面図である。 同振動防止用流体圧力パッドを設置した溶融金属めっきラインの側面図である。 ストリップがツイストした状態から正常な状態へ戻ろうとする状態を示す説明図である。 振動防止用流体圧力パッドとストリップの間に発生する静圧Pを説明する部分側断面図である。 (A)〜(C)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドの正面図、平断面図、側断面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るストリップの振動防止用流体圧力パッド(以下、単に流体圧力パッドともいう)10、11は、上下方向に走行するストリップ12の厚み方向両側に、このストリップ12の表面に対し30mm以上75mm以下の間隔hを有して対向配置され、ストリップ12に流体を吹付けるストリップ走行方向の縦スリット13〜16及び縦スリット13〜16の上部と下部(両端部)にそれぞれ連続するストリップ幅方向の横スリット17、18が形成された流体噴出し板(流体噴出し部材の一例)19を有するものである。以下、詳しく説明する。
まず、流体圧力パッド10、11が配置されるストリップ(例えば、鋼)の連続溶融金属めっきライン(以下、単にめっきラインともいう)20について、図2を参照しながら説明する。
めっきライン20は、めっき液21を貯留するめっき用タンク22と、このめっき用タンク22内に回転可能に配置されたシンクロール23と、シンクロール23から30〜50m程度上方に回転可能に配置されたトップロール24を有している。
これにより、上流側から搬送されてきたストリップ12を、シンクロール23によりめっき用タンク22内のめっき液21中に浸漬させた後、トップロール24でめっき液21中から引上げ、下流側へ搬送できる。
また、シンクロール23とトップロール24との間には、シンクロール23側からトップロール24側へかけて、ワイピングノズル25、26、ガス冷却装置27、28、流体圧力パッド10、11、及びガス冷却装置29、30が順次、ストリップ12の厚み方向両側に間隔を有して対向配置されている。
この各ワイピングノズル25、26は、ストリップ12の表面に付着しためっき金属の厚みを所望の厚みに制御するものである。また、各ガス冷却装置27〜30は、実質的に同一の構成であり、ワイピングノズル25、26で処理した後のストリップ12を、トップロール24まで搬送する間に、めっき金属が付着したストリップ12を所定の温度まで冷却するためのものである。このため、各ガス冷却装置27〜30の一部又は全部を水冷却装置で構成してもよい。
このように構成することで、めっき液21に浸漬されたストリップ12は、その表面に多量のめっき金属を付着させた状態で引き出された後、ワイピングノズル25、26による高圧ガス(例えば、Nガス:窒素ガス)の噴射により所望のめっき厚に制御される。そして、めっき金属が付着したストリップ12に対し、各ガス冷却装置27〜30から高流速ガス(例えば、空気)を吹き付けることで、トップロール24まで搬送される間に、めっき金属を乾燥させて、ストリップ12を所定の温度まで冷却できる。
この場合、2つの固定点(即ち、シンクロール23とトップロール24)間を搬送されるストリップ12には、振動が生じると共に、2点間に働く張力によって幅方向に反り(以下、C反りともいう)が生じる。この振動とC反りは、ストリップ12へのワイピングノズル25、26やガス冷却装置27〜30との接触によるめっき層の損傷やめっきむらの原因となるため、できるだけ低減する必要がある。
そこで、ワイピングノズル25、26とトップロール24の間に、ストリップ12を挟むように流体圧力パッド10、11を対向配置し、その流体静圧をストリップ12の表面に作用させ、非接触状態でストリップ12を保持して、その振動及びC反りを抑制する。
ここでは、対向配置された対となる流体圧力パッド10、11を、対向配置されたガス冷却装置27、28とガス冷却装置29、30との間に1段配置している。しかし、ストリップ12の振動及びC反りの抑制効果を更に高めるため、複数段(例えば、2段又は3段)配置してもよい。また、ストリップ12の搬送方向に渡って、ストリップ12の厚み方向両側に交互(千鳥状)に配置してもよい。
この流体圧力パッド10、11は、実質的に同一の構成であり、対向配置しただけであるため、以下、流体圧力パッド10についてのみ説明する。
図1、図2に示すように、流体圧力パッド10は、前部に流体噴出し板19が取付けられ、この流体噴出し板19の各縦スリット13〜16及び各横スリット17、18から噴出する流体のサージタンク作用を備えたボックス31を有している。この各縦スリット13〜16と横スリット17、18は、静圧を造り出すための流体を噴出するものであり、この流体には、例えば、空気やNガス等を使用できる。なお、流体の噴出速度は、例えば、30m/秒以上70m/秒以下程度である。
本発明者らは、種々の試験を行った結果から、最小幅(以下、最小板幅ともいう)のストリップ12の幅方向に流体を吹付け可能な縦スリット13〜16を、流体噴出し板19の幅方向中央部を中心として2対以上(ここでは、対となる縦スリット14、15と対となる縦スリット13、16の合計2対)設けることで、各縦スリット13〜16と各横スリット17、18とで囲まれる領域をストリップ12の幅方向に3箇所以上(ここでは、3箇所)設けた。なお、対となる縦スリットの数は、2対以上であればよく、3対でも、更には4対でも、通板するストリップの幅に応じて設けることができる。
これにより、最小幅のストリップ12の表面内に3つ以上の静圧領域を発生させて、安定した振動防止効果が得られることを知見した。
この基本原理は、図3に示すストリップ12と流体圧力パッド10、11との間に発生する静圧の関係からも証明される。なお、図3は、ストリップ12の幅以内に流体を吹付け可能な2対の縦スリット13〜16がそれぞれ配置された流体圧力パッド10、11を使用し、時計周りにツイストしたストリップ12へ流体を吹付けている状態を示している。この図3には、流体圧力パッド10、11を使用した場合に、流体圧力パッド10とストリップ12の表面に作用する静圧P1〜P3と、流体圧力パッド11とストリップ12の表面に作用する静圧P4〜P6も図示している。ここで、静圧P1、P6は隣合う縦スリット15、16と横スリット17、18とで囲まれる領域で、静圧P2、P5は隣合う縦スリット14、15と横スリット17、18とで囲まれる領域で、静圧P3、P4は隣合う縦スリット13、14と横スリット17、18とで囲まれる領域で、それぞれ形成される静圧である。
上記した流体圧力パッド10、11を使用した場合、流体圧力パッド10、11とストリップ12の表面に作用する静圧P1〜P6の関係は、P1<P4、P2=P5、P3>P6となることから、ストリップ12に対して反時計周りに回転モーメントが作用する。
これにより、ストリップ12は、自然にツイストが解消させられ、その振動が防止される。従って、ストリップ12の幅以内に、静圧P1、P3、P4、P6が発生する条件を満足しなければ、静圧P2=P5の関係しか成り立たず、ツイスト振動を静止することは困難である。即ち、ストリップ12の幅内に、静圧P1〜P6が形成される各領域が入るようになれば、上記したツイストが発生する条件は成り立たないことになる。
なお、最小幅のストリップ12とは、その幅が、例えば、600mm以上900mm以下程度のストリップを意味する。このように、最小幅のストリップ12を、本発明の対象としたのは、従来は、この最小幅のストリップで振動や幅方向の反りが顕著に発生していたためである。なお、流体を吹付ける範囲が狭過ぎると、上記したツイスト振動を静止する効果が小さくなるため、幅方向中心位置から数えて2対目の縦スリットから吹付けられる流体は、ストリップの幅方向両端から幅方向中心へ100mmまでの範囲内に吹付けられることが好ましい。
上記した各縦スリット13〜16は、流体噴出し板19の幅方向中央部を基準として、その幅方向外側へ渡って等ピッチ(例えば、100mm以上300mm以下程度)に配置されているが、左右対称で配置すれば、異なるピッチで配置してもよい。なお、等ピッチに配置する各縦スリットは、幅方向中央部から数えて2対目以降のものであればよい。
また、各縦スリット13〜16と各横スリット17、18の形状は、流体噴出し板19の高さ方向中心位置を基準として対称であるが、対称でなくてもよい。
更に、各縦スリット13〜16と各横スリット17、18は、流体噴出し板19の表面に対し30度以上60度以下(好ましくは、下限を40度、上限を50度)の範囲でストリップ12の内側へ(流体噴出し板19のストリップ12への垂直投影面内側へ)傾斜している。具体的には、各縦スリット13〜16を、ストリップ12の幅方向中央側へ向けて、また各横スリット17、18を、流体噴出し板19の高さ方向中央部の前方側へ向けて、それぞれ傾斜させている。この各縦スリット13〜16と各横スリット17、18の傾斜角度θ1は同じ値であるが、上記した範囲内であれば、縦スリットと横スリットを異なる値にしてもよく、また各縦スリットの一部又は全部で異なる値、更には各横スリットで異なる値にしてもよい。
なお、上記した各縦スリット13〜16と各横スリット17、18の傾斜角度θ1は、静圧力に関係する因子で適宜決定されており、また各縦スリット13〜16と各横スリット17、18の内幅tも同様である。即ち、図4に示す静圧Pは、式(3)によって表される。
P=t/h×ρ×v×(1+cosθ) ・・・(3)
P:ストリップと流体噴出し板との間に発生する静圧
h:ストリップと流体噴出し板との間の間隔
ρ:縦スリット及び横スリットから噴出される流体の密度
v:縦スリット及び横スリットから噴出される流体の噴出速度
t:縦スリット及び横スリットの内幅
θ:縦スリット及び横スリットの傾斜角度(上記した傾斜角度θ1に相当)
上記した式から、各縦スリット13〜16と各横スリット17、18の内幅tを3mm以上10mm以下にするのが好ましい。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係るストリップの振動防止用流体圧力パッドについて、図5(A)〜(C)を参照しながら説明する。なお、前記した本発明の第1の実施の形態に係るストリップの振動防止用流体圧力パッド10、11とは、流体噴出し板19の構成が異なるのみである。
図5(A)〜(C)に示すように、ストリップの振動防止用流体圧力パッド(以下、単に流体圧力パッドともいう)40は、上下方向に走行するストリップ(図示しない)の厚み方向両側に、このストリップの表面に対し30mm以上75mm以下の間隔hを有して対向配置され、ストリップに流体を吹付ける縦スリット41〜48及び縦スリット41〜48の上部と下部にそれぞれ連続する横スリット49、50が形成された流体噴出し板(流体噴出し部材の一例)51を有するものである。
これにより、流体噴出し板51には、ストリップの幅方向に流体を吹付け可能な縦スリット41〜48を、流体噴出し板51の幅方向にその幅方向中央部を中心として4対(対となる縦スリット44、45、対となる縦スリット43、46、対となる縦スリット42、47、対となる縦スリット41、48)設け、各縦スリット41〜48と各横スリット49、50とで囲まれる領域をストリップの幅方向に7箇所設けることができる。
なお、各縦スリット41〜48は、ストリップ12の幅方向中央側へ向けて、流体噴出し板51の表面に対し、30度以上60度以下の範囲の傾斜角度θ2で、流体噴出し板51のストリップ12への垂直投影面内側へ傾斜している。また、各横スリット49、50も、各横スリット49、50を、流体噴出し板51の高さ方向中央部の前方側へ向けて、30度以上60度以下の範囲の傾斜角度θ2で、流体噴出し板51のストリップ12への垂直投影面内側へ傾斜している。
また、対となる縦スリット41〜48のうち、一方側の各縦スリット41〜44は正面視してく字状となっており、他方側の各縦スリット45〜48は正面視して逆く字状となっている。しかも対となる縦スリット44、45(対となる縦スリット43、46、縦スリット42、47、縦スリット41、48も同様)は、その高さ方向中央部の間隔が、高さ方向上部及び下部の間隔よりも広くなるように形成されている。
なお、正面視してく字状又は逆く字状となった各縦スリット41〜48の屈曲角度θ3は、100度以上140度以下の範囲(ここでは、120度)である。
また、各縦スリット41〜48と各横スリット49、50の形状は、流体噴出し板51の幅方向中心位置及び高さ方向中心位置を基準として対称である。
縦スリットの形状については、対となる縦スリットの高さ方向中央部の間隔が、高さ方向上部及び下部の間隔より広くなるように形成されていればよく、く字状及び逆く字状と異なる形状、例えば、円弧状でもよい。
上記した対となる横スリット49と横スリット50の間隔a、流体噴出し板51の幅方向中心位置から数えて1対目の縦スリット44、45の間隔b、2対目の縦スリット43、46の間隔c、3対目の縦スリット42、47の間隔d、及び4対目の縦スリット41、48の間隔eは、それぞれ流体を吹付けるストリップの板幅から決定される。
ここで、2対目の縦スリット43、46の間隔cは、縦スリット43、46がストリップに対し傾斜角度θ2で内側に傾いていることから、搬送される複数種類のストリップのうち、最小板幅のストリップの幅に対して、「2×h/tanθ」分だけ、ストリップの幅方向に広く設けることができる。
しかし、ストリップが幅方向にウォーク(蛇行)した状況を考慮して、許容ウォーク量(蛇行量)分だけ、上記した間隔を狭く設定する必要がある。なお、この許容ウォーク量は、連続溶融金属めっきライン特性により決定される(例えば、ストリップの片側の蛇行量が100mm以下、ストリップの両側で200mm以下程度)。
また、最も外側に位置する対となる縦スリット41、48の間隔eは、搬送される複数種類のストリップのうち、最大板幅のストリップの幅よりも狭く設定するのが良く、このストリップの幅より広く設定する必要はない。
以上のことから、流体噴出し板に縦スリットが3対以上設けられている場合(ここでは、縦スリットが4対)は、流体噴出し板51の幅方向中心位置から2つ目の対となる縦スリット43、46の間隔cと、流体噴出し板51の幅方向最外側に位置する対となる縦スリット41、48の間隔eとの関係が、以下の式を満足することが好ましい。
c≦W1+(2×h/tanθ)−2×α ・・・(1)
e<W2 ・・・(2)
ここで、W1は搬送される最小幅のストリップの幅、W2は搬送される最大幅のストリップの幅、αはストリップの幅方向の蛇行量によって決定される補正値、hはストリップの表面と流体噴出し板との間隔、θは流体噴出し板の表面に対する縦スリットの傾斜角度(ここでは、傾斜角度θ2)である。
例えば、c=800mm,e=1400mm,h=50mm,θ=45°の場合、幅700mm超のストリップに対しては全て有効であり、実用的には最大幅1600mmまでのストリップに対しては、前記した目的とする効果を発揮する。なお、ストリップのウォーク量を50mmと考慮した場合には、800mm超のストリップに対しても有効となる。
以上のことから、本発明のストリップの振動防止用流体圧力パッドを使用することで、流体噴出し板をストリップの厚み方向両側にストリップとは30mm以上75mm以下(更には、下限を45mm、上限を70mm)離して対向配置し、複数種類のストリップを搬送するに際し、その幅が変動しても、常に安定した支持力が得られ、ストリップの振動防止や幅方向の反りの矯正が図れる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、図5(A)〜(C)に示す流体噴出し板51が設けられたストリップの振動防止用流体圧力パッド40を使用し、ストリップの幅を、700mm、900mm、1200mmにそれぞれ変化させたときのストリップの振動防止効果について試験を行った。
上記した流体噴出し板51には、傾斜角度θ2を45度、屈曲角度θ3を120度とし、1つ目の対となる縦スリット44、45の間隔bを435mm、2つ目の対となる縦スリット43、46の間隔cを800mmとしたものを使用した。なお、この流体噴出し板51に形成された3つ目と4つ目の対となる縦スリットは、2つ目の対となる縦スリットよりもストリップの幅方向外側に設けている。
上記した構成の流体噴出し板51を備える流体圧力パッド40を、ストリップの厚み方向両側に、ストリップとは50mmの間隔を有して対向配置すると、いずれのストリップに対しても、ストリップの幅方向に流体を吹付け可能な縦スリットが2対以上設けられることになる。
これにより、ストリップの幅方向700mmの間に流体を吹付け可能な縦スリットが1対のみしか設けられていない従来例と比較して、制振比とばたつき量を、共に50%以下に低減できることを確認できた。
以上のことから、ストリップの幅方向に流体を吹付け可能な縦スリットを2対以上設けることで、安定した振動防止効果を得ることができることが分かった。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明のストリップの振動防止用流体圧力パッドを構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、ストリップの振動防止用流体圧力パッドを、ストリップの連続溶融金属めっきラインに適用した場合について説明したが、使用ガスの種類に関係無く効果を発揮できる設備や場所であれば、ストリップの振動及びC反りの発生が懸念される設備や場所に適用することも可能である。
更に、前記実施の形態においては、ストリップが上下方向に走行する場合について説明したが、水平方向あるいは斜め(傾斜)方向にストリップが走行する場合についても、本発明は適用できる。
10、11:ストリップの振動防止用流体圧力パッド、12:ストリップ、13〜16:縦スリット、17、18:横スリット、19:流体噴出し板(流体噴出し部材)、20:鋼ストリップの連続溶融金属めっきライン、21:めっき液、22:めっき用タンク、23:シンクロール、24:トップロール、25、26:ワイピングノズル、27〜30:ガス冷却装置、31:ボックス、40:ストリップの振動防止用流体圧力パッド(流体圧力パッド)、41〜48:縦スリット、49、50:横スリット、51:流体噴出し板(流体噴出し部材)

Claims (3)

  1. 走行するストリップの厚み方向両側に該ストリップとは間隔を有して対向配置され、前記ストリップに流体を吹付けるストリップ走行方向の縦スリット及び該縦スリットの両端部にそれぞれ連続するストリップ幅方向の横スリットが形成された流体噴出し部材を有するストリップの振動防止用流体圧力パッドであって、
    前記間隔は30mm以上75mm以下であり、
    前記縦スリット及び前記横スリットを、前記流体噴出し部材の表面に対し40度以上50度以下の範囲で、前記流体噴出し部材の前記ストリップへの垂直投影面内側へ傾斜させ、しかも前記流体噴出し部材には、前記ストリップの幅方向に前記流体を吹付け可能な前記縦スリットが、前記流体噴出し部材の幅方向にその幅方向中央部を中心として対以上設けられ、前記ストリップの幅方向に前記縦スリットと前記横スリットとで囲まれる領域を箇所以上設け、
    かつ、前記対となる縦スリットは、それぞれ正面視して屈曲角度が100度以上140度以下のく字状及び逆く字状とされ、
    前記流体噴出し部材の幅方向中心位置から2つ目の前記対となる縦スリットの間隔cと、前記流体噴出し部材の幅方向最外側に位置する前記対となる縦スリットの間隔eとの関係が、以下の式を満足することを特徴とするストリップの振動防止用流体圧力パッド。
    c≦W1+(2×h/tanθ)−2×α ・・・(1)
    e<W2 ・・・(2)
    ここで、W1は搬送される最小幅のストリップの幅、W2は搬送される最大幅のストリップの幅、αはストリップの幅方向の蛇行量によって決定される補正値、hはストリップの表面と流体噴出し部材との間隔、θは流体噴出し部材の表面に対する縦スリットの傾斜角度である。
  2. 請求項1記載のストリップの振動防止用流体圧力パッドにおいて、前記対となる縦スリットのストリップ走行方向中央部の間隔が、そのストリップ走行方向両端部の間隔よりも広くなるように形成されていることを特徴とするストリップの振動防止用流体圧力パッド。
  3. 請求項1又は2記載のストリップの振動防止用流体圧力パッドにおいて、前記各縦スリットの2対目以降は、前記流体噴出し部材の幅方向中央部を基準としてその幅方向外側へ渡って等ピッチに配置されていることを特徴とするストリップの振動防止用流体圧力パッド。
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