JP5518496B2 - 燃料電池スタックおよび燃料電池自動車 - Google Patents

燃料電池スタックおよび燃料電池自動車 Download PDF

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Description

この発明は、燃料電池スタックおよび燃料電池自動車に関するものである。
従来の一般的な燃料電池スタックは、単位セルが複数積層されるとともに、互いに電気的に直列接続されてなる燃料電池積層体が1組のエンドプレートの間に介装され、かつ、該1組のエンドプレート同士がタイロッド等の締結部材で締結されることにより構成されており、この締結により、燃料電池積層体および1組のエンドプレートが加圧保持されている。そして、この燃料電池積層体を筐体内に収容した状態で、所望の位置に設置される(例えば、特許文献1参照)。
単位セルは、固体高分子電解質膜の両側にアノード電極とカソード電極が設けられて構成された膜電極構造体と、この膜電極構造体を挟持する1対のセパレータとを備えている。セパレータにおいてアノード電極に対向する面には、アノード電極に燃料ガス(例えば、水素ガス)を供給・排出するための第1ガス流路が設けられており、セパレータにおいてカソード電極に対向する面には、カソード電極に酸化剤ガス(例えば、空気)を供給・排出するための第2ガス流路が設けられている。
このように構成された燃料電池スタックを運転するに際しては、アノード電極に供給された水素ガスがアノード電極を構成する電極触媒層上で電離し、その結果、水素イオンおよび電子が生成する。このうち、水素イオンは電解質膜を介してカソード電極側へと移動する。この間、電子は外部回路に取り出され、直流の電気工ネルギとして利用された後、カソード電極に至る。
カソード電極には空気が供給されているため、カソード電極において、水素イオン、電子および空気中の酸素が反応して水が生成する。
この種の燃料電池スタックは、例えば、自動車の車体などに搭載される。この場合、上述した電気化学反応により発生した電気エネルギでモータを駆動することにより、化学的エネルギを機械的エネルギに変換し、これにより自動車が走行できる。このように燃料電池スタックを駆動源として走行する自動車、いわゆる燃料電池自動車は、温暖化の原因となるCOや、大気汚染物質となるNOxあるいはSOx、炭化水素ガスなどが排出されないことから、環境保護に対して大きく貢献することができるものとして着目されている。
ところで、燃料電池スタックを燃料電池自動車の車体に搭載する場合、従来は左右のフロントシートの間に搭載されていた。具体的には、燃料電池自動車には車体前部から車体後部に亘りフロアパネルが配され、このフロアパネルには、左右のフロントシート、リヤシート間に、上方に膨出するフロアトンネルが車体前後方向に沿って形成され、さらに、フロアトンネルにおける左右のフロントシート間には、車体前後方向に延出し、更に上方に膨出するセンターコンソールが形成され、このセンターコンソールに燃料電池スタックが収納されている。
このように、燃料電池スタックが左右のフロントシートの間に搭載されると、車室の容量を小さくしてしまうため、車室の容量を確保するために車幅を大きくする必要がある。したがって、車体が大型化してしまうという問題がある。
そこで、この問題を解消するために、燃料電池スタックを車体前方のモータルーム(ガソリン自動車のエンジンルームに相当)に搭載する技術が検討されている。
特開2003−123828号公報
ここで、燃料電池スタックをモータルームに搭載すると、これまで以上に衝突安全性を考慮する必要がある。特に、燃料電池積層体を収容した筐体が変形することによって、燃料電池積層体がダメージを受けるのを防止する必要がある。つまり、筐体の強度を向上させる必要がある
しかしながら、燃料電池積層体とセル電圧を監視するセル電圧検出装置(ECU)との間には配線が接続されているため、該配線を通過させるための開口部を筐体に形成する必要があり、筐体の強度を向上させるには限界があった。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、燃料電池積層体を収容する筐体の強度を向上させることができる燃料電池スタックおよび燃料電池自動車を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、電解質膜(例えば、実施形態における電解質膜42)の両側にアノード電極(例えば、実施形態におけるアノード電極43)とカソード電極(例えば、実施形態におけるカソード電極44)を配し、さらにその外側にセパレータ(例えば、実施形態におけるセパレータ48a,48b)を配してなる燃料電池セル(例えば、実施形態における単位セル41)を上下方向に複数積層した燃料電池積層体(例えば、実施形態における燃料電池積層体40)と、該燃料電池積層体を覆う第1筐体(例えば、実施形態におけるエンクロージャ60)と、前記燃料電池セルのセル電圧を検出するセル電圧検出装置(例えば、実施形態におけるECU30)と、を備えた燃料電池スタック(例えば、実施形態における燃料電池スタック20)において、前記燃料電池セルには、セル電圧を検出する配線(例えば、実施形態における配線70)が設けられ、前記第1筐体の側面(例えば、実施形態における側面60a)には前記配線を通過させるための開口部(例えば、実施形態における開口部71)が、前記燃料電池積層体の積層方向に沿って形成され、前記開口部は、前記配線が接続される前記セル電圧検出装置が収納された第2筐体(例えば、実施形態におけるECUケース80)によって覆われ、前記開口部に対向する前記第2筐体の開口面には、内フランジ部(例えば、実施形態における内フランジ部82)が形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、前記配線は、前記燃料電池セルと前記セル電圧検出装置との間で弛みを有する略U字状に架設されていることを特徴としている。
請求項3に記載した発明は、前記第1筐体内に、複数の前記燃料電池積層体が並列して配置され、前記第1筐体の側面の同一面に、前記複数の燃料電池積層体に対応した複数の前記開口部が形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池スタックが、車両前方の電動機(例えば、実施形態における駆動モータ12)が配される電動機室(例えば、実施形態におけるモータルーム10)内に設置されるとともに、前記開口部が車両後方側に位置するように設置されていることを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、燃料電池積層体が収容された第1筐体に形成された開口部を塞ぐように、セル電圧検出装置が収容された第2筐体を配置したため、第1筐体の強度を向上させることができる。また、第1筐体の開口部に面するようにセル電圧検出装置を配することができるため、配線の取り回しを容易にすることができる。
請求項2に記載した発明によれば、配線とセル電圧検出装置とを接続する際に、配線の長さに余裕があるため、容易に接続することができる。また、配線接続後に燃料電池積層体やセル電圧検出装置の位置が移動することがあっても、配線の長さに余裕があるため、配線が切断されるのを防止することができる。
請求項3に記載した発明によれば、第1筐体内に燃料電池積層体が複数収容されているため、燃料電池スタックの出力値を向上することができる。
請求項4に記載した発明によれば、燃料電池スタックを車両前方の電動機室内に設置することにより、車室の容積を確保し易くなる。したがって、従来と同様の車幅を有する燃料電池自動車の場合は車室の容積を大きく確保することができ、車室の容積を従来と同様の大きさだけ確保したい場合は燃料電池自動車の車幅を小さくすることができる。つまり、燃料電池自動車の車両サイズの自由度を向上することができる。また、第1筐体の開口部が車両後方側に位置するように設置したため、セル電圧検出装置が衝突によりダメージを受けるのを抑制することができる。
本発明の実施形態における燃料電池自動車の概略側面図である。 本発明の実施形態における燃料電池自動車の概略正面図である。 本発明の実施形態における燃料電池スタックの分解斜視図(1)である。 本発明の実施形態における燃料電池スタックの分解斜視図(2)である。 本発明の実施形態における単位セルの分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるECUケースおよびECUの斜視図である。 本発明の実施形態における燃料電池スタックの概略垂直断面図である。 本発明の実施形態における燃料電池スタックの部分水平断面図(エンクロージャとECUケースとの接続前の状態)である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る燃料電池スタックを燃料電池自動車に採用した場合の説明を行う。
なお、本実施形態における各装置の取付方向や位置を示す定義は、車両進行方向を前方とし、車両進行方向に向かって右方向及び左方向を定義するものとする。
図1、図2に示すように、本実施形態の燃料電池自動車1は、水素と酸素との電気化学反応によって発電を行う燃料電池スタック20を車体前方のモータルーム(電動機室)10に搭載するもので、燃料電池により生じた電力で駆動モータ(電動機)12を駆動して走行する。燃料電池は、単位燃料電池セル(燃料電池セル)を多数積層してなる周知の固体高分子膜型燃料電池(PEFC)であり、そのアノード側に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード側に酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給することで、電気化学反応により電力を生成するとともに水を生成する。
本実施形態の燃料電池自動車1は、車体前方にモータルーム10が形成されている。モータルーム10には、燃料電池スタック20と、該燃料電池スタック20に空気を供給するコンプレッサ11と、走行用の駆動モータ12と、が配置されている。具体的には、車両右側に燃料電池スタック20が配置され、車両左側に駆動モータ12およびコンプレッサ11が配置されている。なお、燃料電池スタック20には、該燃料電池スタック20の出力を管理するセル電圧検出装置(以下、ECUという。)30が搭載されている(後に詳述する。)。また、車体後部には、燃料電池スタック20の燃料である水素を貯留する水素タンク17および蓄電池18が配置されている。
図3、図4に示すように、燃料電池スタック20は、単位セル(燃料電池セル)41を上下方向(下方が重力方向)に複数積層した燃料電池積層体40と、該燃料電池積層体40などを囲うように形成されたエンクロージャ(第1筐体)60と、燃料電池積層体40の車両後方側に設置されたECU30と、を備えている。本実施形態では、エンクロージャ60内に燃料電池積層体40が2つ並列配置されており、それぞれの燃料電池積層体40にECU30が個別に設けられている。
燃料電池積層体40は、所定数の単位セル41が互いに電気的に直列に接続されるとともに、上下方向に積層されて構成されている。そして、2つの燃料電池積層体40,40は、水平方向に並列、好ましくは並行して配置されている。
図5に示すように、単位セル41は、電解質膜42の両側にアノード電極43とカソード電極44を配してなる電極膜構造体45を備えている。電解質膜42はパーフルオロスルホン酸の薄膜に水を含浸させたものなどのような水素イオン導電体が選定される。
アノード電極43およびカソード電極44は、カーボンクロスなどからなるガス拡散層(不図示)と、白金合金が表面に坦持された多孔質カーボン粒子がガス拡散層の表面に一様に塗布されてなる電極触媒層(不図示)とをそれぞれ有し、電極触媒層同士が電解質膜42を介して対向するように電解質膜42に接合されている。電解質膜42は額縁状シール部材46の開口部に収容保持されており、カソード電極44またはアノード電極43はガスケット47a,47bの開口部にそれぞれ収容保持されている。単位セル41は、これらガスケット47a,47bと電極膜構造体45を保持する額縁状シール部材46とが1対のセパレータ48a,48bで挟持されることによって構成される。セパレータ48a,48bは、例えば、金属導板を波板状にプレス成形したり、カーボン粒子と樹脂材料の混合物を射出成形して形成する。
これらセパレータ48a,48bにおけるアノード電極43に対向する面には、アノード電極43に水素含有ガスを供給・排出するための第1ガス流路49が設けられている。同様に、カソード電極44に対向する面には、カソード電極44に酸素含有ガスを供給・排出するための第2ガス流路50が設けられている。
また、セパレータ48a,48b、ガスケット47a,47bおよび額縁状シール部材46には、図5において右下隅角部に水素含有ガスを通過させるための第1ガス入口通路51が設けられており、かつ、その対角位置には、未反応の水素含有ガスを通過させるための第1ガス出口通路52が設けられている。同様に、図5において左下隅角部には酸素含有ガスを通過させるための第2ガス入口通路53が設けられており、その対角位置には、未反応の酸素含有ガスを通過させるための第2ガス出口通路54が設けられている。第1ガス入口通路51および第1ガス出口通路52はいずれも第1ガス流路49に連通しており、一方、第2ガス入口通路53および第2ガス出口通路54はいずれも第2ガス流路50に連通している。
また、セパレータ48a,48b、ガスケット47a,47bおよび額縁状シール部材46には、第1ガス入口通路51と第2ガス出口通路54との間、および、第2ガス入口通路53と第1ガス出口通路52との間に、冷却水通路55a,55bがそれぞれ設けられている。また、セパレータ48a,48bは、図5において左右下縁からセル電圧検出用の出力端子56が一体で延設されている。
図3、図4に戻り、燃料電池積層体40において、単位セル41の積層方向における両最外端(上下端)に位置する単位セル41,41には、集電用電極70a,70bがそれぞれ電気的に接続されている。また、集電用電極70aの外側(上側)には、漏電防止用の絶縁プレート71aを介して上側エンドプレート72が配置されており、集電用電極70bの外側(下側)には、漏電防止用の絶縁プレート71bを介して下側エンドプレート73が配置されている。
さらに、積層方向下側の集電用電極70bおよび絶縁プレート71bには、第1ガス入口通路51、第1ガス出口通路52、第2ガス入口通路53、第2ガス出口通路54および冷却水通路55a,55bがそれぞれ形成されている。
上側エンドプレート72および下側エンドプレート73は、鉄やアルミニウムなどの金属で形成された厚さを持った板状部材であり、上側エンドプレート72と下側エンドプレート73との間に燃料電池積層体40を挟持して支持固定するように構成されている。
なお、下側エンドプレート73は、2つの燃料電池積層体40,40に対して共通に使用されるエンドプレートとして構成されている。また、下側エンドプレート73の上面73aにはエンクロージャ60のフランジ部61と連接させるためのネジ穴(不図示)が適宜形成されている。
また、下側エンドプレート73には、第1ガス入口通路51、第1ガス出口通路52、第2ガス入□通路53、第2ガス出口通路54、および冷却水通路55a,55bが形成されている。つまり、燃料電池積層体40の下側に水素含有ガス、酸素含有ガスおよび冷却水が流通する配管(不図示)が接続される。
そして、第1および第2ガス入口通路51,53には水素含有ガス供給源、酸素含有ガス供給源(ともに不図示)がそれぞれ連結され、第1および第2ガス出口通路52,54にはガス回収機構(図示せず)がそれぞれ連結される。さらに、冷却水通路55aには冷却水供給源(不図示)が連結され、冷却水通路55bには冷却水回収機構(不図示)が連結される。
水素含有ガス供給源から第1ガス入口通路51に供給された水素含有ガスは、各単位セル41の第1ガス流路49を介してアノード電極43に供給されて発電に供される。そして、未反応の水素含有ガスは第1ガス流路49から第1ガス出口通路52に排出される。
一方、酸素含有ガス供給源から第2ガス入□通路53に供給された酸素含有ガスは、各単位セル41の第2ガス流路50を介してカソード電極44に供給され、水素イオンおよび電子と反応する。そして、未反応の酸素含有ガスおよび生成水は第2ガス流路50から第2ガス出口通路54に排出される。
また、冷却水供給源から冷却水通路55aに供給された冷却水は、各単位セル41の冷却水流路を通って冷却水通路55bに排出される。これにより、発電によって温度上昇する燃料電池スタック20を冷却し、所定温度を越えないようにする。
このように構成された2つの燃料電池積層体40,40は、下側エンドプレート73上に並行に配されている。このとき、下側エンドプレート73に形成された各通路と、燃料電池積層体40に形成された各通路とが、一致する位置に配置する。
続いて、燃料電池積層体40,40を覆うようにエンクロージャ60が設けられている。エンクロージャ60は、底面側が全面開口された有頂筒状に形成されている。エンクロージャ60の下端には、フランジ部61が全周に亘って形成されており、下側エンドプレート73とビス(不図示)などを用いて連接可能に構成されている。また、エンクロージャ60の1つの側面60aに、単位セル41のセパレータ48a,48bに形成された出力端子56と、ECU30との間を接続する配線70を通過させるための開口部71が、それぞれの燃料電池積層体40に対応するように2つ形成されている。なお、開口部71が形成された側面60aが車両後方側を向くように配置される。
図6に示すように、エンクロージャ60に形成された開口部71,71には、ECU30を収容したECUケース80が取り付けられる。ECUケース80は、開口部71に対向する面だけが開口された有底筒状に形成されている。開口部71に対向する開口面81には、略全周に亘って内フランジ部82が形成されている。例えば、内フランジ部82に沿って弾性材料で構成されたシール材などを設けることにより、エンクロージャ60とECUケース80との間のシール性能を向上することができる。
また、ECUケース80内に収容されたECU30から配線83が延設されており、その他端には、セパレータ48a,48bの出力端子56から延出された配線70の端部に設けられたソケット70a(図8参照)と接続される接続端子85が設けられている。また、ECUケース80の外側表面80aには、ECU30からの信号を燃料電池自動車1のメイン制御装置(不図示)に伝達する配線(不図示)が接続されるソケット部86が形成されている。
図7、図8に示すように、配線70は、単位セル41における開口部71に対向する辺の隣の辺に形成された出力端子56とECU30の接続端子85との間で弛みを有するように架設されている。つまり、配線70には、U字部70bが形成されている。このように配線70を構成することで、該配線70とECU30とを接続する際に、配線70の長さに余裕があるため、容易に接続することができる。また、配線接続後に燃料電池積層体40やECU30の位置がずれることがあっても、配線70の長さに余裕があるため、配線70が切断されるのを防止することができる。
さらに、ECUケース80は、エンクロージャ60とビス88などを用いて連接可能に構成されており、ECUケース80およびエンクロージャ60にはそれぞれビス孔89,63が適宜対応する位置に形成されている。
本実施形態によれば、燃料電池積層体40が収容されたエンクロージャ60に形成された開口部71を塞ぐように、ECU30が収容されたECUケース80を配置したため、エンクロージャ60の強度を向上させることができる。また、エンクロージャ60の開口部71に面するようにECU30を配することができるため、配線70の取り回しを容易にすることができる。
また、配線70とECU30とを接続する際に、配線70の長さに余裕があるため、容易に接続作業をすることができる。また、配線接続後に燃料電池積層体40やECU30の位置がずれることがあっても、配線70の長さに余裕があるため、配線70が切断されるのを防止することができる。
さらに、エンクロージャ60内に燃料電池積層体40が2つ収容されているため、燃料電池スタック20の出力値を向上することができる。さらに、2つの燃料電池積層体40を直列に電気接続することにより、出力電圧を高めることができる。
そして、燃料電池スタック20を車両前方のモータルーム10内に設置することにより、車室の容積を確保し易くなる。したがって、従来と同様の車幅を有する燃料電池自動車の場合は車室の容積を大きく確保することができ、車室の容積を従来と同様の大きさだけ確保したい場合は燃料電池自動車の車幅を小さくすることができる。つまり、燃料電池自動車1の車両サイズの自由度を向上することができる。
また、エンクロージャ60の開口部71が車両後方側に位置するように燃料電池スタック20をモータルーム10内に設置したため、ECU30が車両前方の衝突によりダメージを受けるのを抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、燃料電池スタックをモータルームの車両右側に配置し、駆動モータを車両左側に配置した場合の説明をしたが、配置は逆でもよく、また、前後方向(例えば、燃料電池スタックをモータルームの車両前側、駆動モータを車両後側)に配置してもよい。
また、本実施形態では、燃料電池積層体を2つ並列に配置した場合の説明をしたが、燃料電池積層体は1つだけ配置したものであってもよいし、3つ以上配置したものであってもよい。
1…燃料電池自動車 10…モータルーム(電動機室) 12…駆動モータ(電動機) 20…燃料電池スタック 30…ECU(セル電圧検出装置) 40…燃料電池積層体 41…単位セル(燃料電池セル) 42…電解質膜 43…アノード電極 44…カソード電極 48a,48b…セパレータ 60…エンクロージャ(第1筐体) 60a…側面 70…配線 71…開口部 80…ECUケース(第2筐体)

Claims (4)

  1. 電解質膜の両側にアノード電極とカソード電極を配し、さらにその外側にセパレータを配してなる燃料電池セルを上下方向に複数積層した燃料電池積層体と、
    該燃料電池積層体を覆う第1筐体と、
    前記燃料電池セルのセル電圧を検出するセル電圧検出装置と、を備えた燃料電池スタックにおいて、
    前記燃料電池セルには、セル電圧を検出する配線が設けられ、
    前記第1筐体の側面には前記配線を通過させるための開口部が、前記燃料電池積層体の積層方向に沿って形成され、
    前記開口部は、前記配線が接続される前記セル電圧検出装置が収納された第2筐体によって覆われ
    前記開口部に対向する前記第2筐体の開口面には、内フランジ部が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 前記配線は、前記燃料電池セルと前記セル電圧検出装置との間で弛みを有する略U字状に架設されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記第1筐体内に、複数の前記燃料電池積層体が並列して配置され、
    前記第1筐体の側面の同一面に、前記複数の燃料電池積層体に対応した複数の前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池スタック。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池スタックが、
    車両前方の電動機が配される電動機室内に設置されるとともに、前記開口部が車両後方側に位置するように設置されていることを特徴とする燃料電池自動車。
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