JP5515516B2 - ナノインプリント方法、パターン形成体、及びナノインプリント装置 - Google Patents

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本発明は、ナノインプリント用モールドを用いて被加工物を成形するナノインプリント方法およびその方法を用いて形成されたパターン形成体、並びにナノインプリント装置に関する。
微細加工技術としてナノインプリント技術に注目が集まっている。ナノインプリント技術は、基材の表面に微細な凹凸パターンを形成した型部材(以下、モールドと呼ぶ)を用い、凹凸パターンを被加工物に転写することで微細構造を等倍転写するパターン形成技術である。
上記のナノインプリント技術の一つの方法として、光インプリント法が知られている。この光インプリント法では、例えば、基材表面に被加工物として光硬化性の樹脂層を形成し、この樹脂層に所望の凹凸パターンを有するモールド押し当てる。そして、この状態でモールド側から樹脂層に紫外線を照射して樹脂層を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離す(以下、離型と呼ぶ)。これにより、モールドが有する凹凸パターンが反転した構造を被加工物である樹脂層に形成することができる。(特許文献1)
特表2002−539604号公報
光インプリント法では被加工物である樹脂層の材料として光重合性樹脂が用いられる。その一例として光ラジカル硬化性樹脂が知られている。光ラジカル硬化性樹脂はラジカルにより重合して硬化する液状モノマーと、重合反応を促進するための反応開始剤とを混合したものが用いられる。このような樹脂に紫外線を照射すると、反応開始剤が紫外線を吸収して電子励起状態を形成し、これによりモノマー重合開始反応が始まり、樹脂の硬化が行われる。
近年、転写される凹凸パターンの微細化に伴い、転写後の樹脂層の残膜を薄膜化することが求められている。凹凸パターンが微細化、細密化するにつれ、モールドと樹脂の接触面積は増大し、離型時に加わる応力は大きくなる。更に樹脂層の残膜が薄膜化されることで、その強度が低下する。そのため、従来の紫外線硬化性樹脂を用いたナノインプリント法では、以下のような問題が発生することを本発明者らは見出した。その問題について図10を参照して説明する。
図10は従来の光インプリント法における問題点について説明する模式図である。転写側の基材110上に上記の光インプリント用材料からなる樹脂層120を形成し(図10(A)参照)、樹脂層120にモールド100を接触させた後、樹脂層120に紫外線を照射して樹脂を硬化させ(図10(B)参照)、その後モールド100と樹脂層120を引き離す(図10(C)参照)。離型の際、樹脂層の残膜の厚さ(図10(B)におけるモールド100と基材110の間隔に相当する)を薄くするとモールドおよび樹脂層に非常に大きな応力が加わり、樹脂層がちぎれて基材110側に付着して残る部分(基材付着樹脂120a)とモールド100側に付着する部分(モールド付着樹脂120b)が生じる。このように樹脂層に破損が生じる原因は、紫外線によって完全にモノマーの重合反応が進まないために樹脂層120の強度が劣り、それにより離型時に加わる応力に樹脂層が耐えられないことにあると考えられる。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、離型時の樹脂の破損を抑え、欠陥の少ないナノインプリント方法を提供することを目的とする。また本発明は、当該ナノインプリント方法を用いて欠陥の少ないパターン形成体を提供することを目的とする。また本発明は、欠陥の少ないナノインプリント方法を実施するためのナノインプリント装置を提供することを目的とする。
本発明のナノインプリント方法は、基材上に電子線硬化性樹脂からなる樹脂層を形成し、
前記樹脂層に凹凸パターンを有するモールドを接触させ、前記樹脂層に、前記モールドの凹凸パターンが形成された面の反対側から前記モールドをその厚さ方向に透過するように加速した電子線を照射することにより、前記樹脂層を硬化させ、硬化した前記樹脂層と前記モールドとを引き離すことを含み、電子線は、前記樹脂層と前記モールドを引き離す際に前記樹脂層に破損が生じない程度に加速されている構成とした。
本発明の他の態様として少なくとも前記モールドの凹凸パターンが存在する部位の電子線透過率が40%以上である構成とした。
本発明の他の態様として前記モールドの凹凸パターンが存在しない部位の電子線透過率が1%未満である構成とした。
本発明の他の態様として少なくとも前記モールドの凹凸パターンが存在する部位の厚さが300μm〜600μmの範囲であり、前記モールドの凹凸パターンが存在する部位を透過可能なように電子線の加速電圧を設定する構成とした。
本発明の他の態様として前記樹脂層に前記モールドを接触させた後、前記モールドを押圧して変形させて前記凹凸パターン内に前記電子線硬化性樹脂を充填し、前記モールドを変形させた状態で前記樹脂層に電子線を照射する構成とした。
本発明の他の態様として前記モールドを除電しながら、前記樹脂層に電子線を照射する構成とした。
本発明の他の態様として前記モールドが大気圧下に置かれている構成とした。
本発明のナノインプリント装置は、基材上に形成した電子線硬化性樹脂からなる樹脂層に、凹凸パターンを有するモールドを用いて3次元構造体を形成するナノインプリント装置であって、前記モールドをその厚さ方向に透過するように加速した電子線を発生させる電子線発生部と、前記電子線発生部から発生した電子線を樹脂層に照射し、前記樹脂層にモールドの凹凸パターンの転写が行われる転写部と、前記転写部と前記電子線発生部とを仕切るとともに電子線を透過させる窓部と、を備え、前記電子線発生部は前記モールドの背面側に位置するように配置され、前記電子線発生部は、前記樹脂層と前記モールドを引き離す際に前記樹脂層に破損が生じない程度に電子線を加速する構成とした。

本発明の他の態様として前記転写部は、前記モールドを除電する除電機構を有する構成とした。
本発明の他の態様として前記転写部は、前記モールドの側面あるいは凹凸パターン形成面の反対側から、前記モールドに圧力を印加して前記モールドを変形させる圧力印加機構を有する構成とした。
本発明によれば、モールドの凹凸パターンが転写される樹脂層の材料として、紫外線硬化樹脂に比べて硬化性に優れた電子線硬化樹脂を用い、かつ該樹脂層を紫外線よりも高エネルギーである電子線により硬化させるので、重合反応性及び架橋密度を上げることができ、樹脂層の強度を高めることができる。したがって離型時の樹脂層の破損を抑えることできる。
本発明のナノインプリント方法に用いるモールドの第1形態を説明する概略図である。 本発明のナノインプリント方法に用いるモールドの第2形態および第3形態を説明する概略図である。 本発明のナノインプリント方法の第1形態を説明する工程断面図である 本発明のナノインプリント方法の第2形態を説明する工程断面図である。 本発明のナノインプリント方法の第3形態を説明する工程断面図である。 本発明のナノインプリント方法の第4形態を説明する工程断面図である。 本発明のナノインプリント装置を説明する全体概略図である。 電子線発生部を説明する構成概略図である。 加速電圧に対する電子線の透過深さと線量との関係を示す模式図である。 従来の光インプリント法における問題点について説明する模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明を構成する要素としては、大きく分けて、モールド、ナノインプリント方法、及びナノインプリント装置が挙げられる。これらの要素について、以下、§1ではモールドについて、§2ではナノインプリント方法について、さらに§3ではナノインプリント装置について、順を追って説明していく。なお、説明の中で略同様の構成については、同一符号、同一名称を付し、その説明を省略することとする。本件明細書における「ナノインプリント」とは、開口寸法100nm以下の微細な凹凸パターンが形成されたモールドを用いて、被加工物を転写成形することを指すものとする。
<<§1.本発明に用いるモールド>>
図1及び図2を参照して、モールドの第1〜第3形態を説明する。
<<§1−1.本発明に用いるモールドの第1形態>>
図1は、本発明のナノインプリント方法に用いるモールドの第1形態を説明する概略図である。図1(A)はモールドを上面から見た概略図である。また、図1(B)は図1(A)のA−Aにおける断面の概略図である。モールド1は、中央に凹凸パターン2が形成されたパターン領域Xと、その周囲に存在する非パターン領域Yとによって構成される。図面ではパターン領域X及び非パターン領域Yともに矩形状に描かれているが、このような形状に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜設定しうる。また、パターン領域X及び非パターン領域Yの面積比、配置関係についても一例であり、図に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜設定しうる。
モールド1は所期の凹凸パターン2が形成されている。凹凸パターン2は、例えば、モールドとなる基板上にレジスト、ハードマスク等をマスクとして形成しておき、そのマスクの露出部にエッチング等を施して形成された開口寸法が100nm以下の凹凸構造である。モールド1は、比重の小さい材料から構成される。モールドの材料の比重は1.0〜3.0の範囲が好適であり、例えばシリコン、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、青板ガラス、ソーダガラス、BK−7等を用いることができる。なお上記材料だけでなく、樹脂フィルム、陽極酸化法により形成されたポーラスアルミナ等を用いてもよい。電子線の透過性は紫外線とは異なり、材料の密度で決まるものであり、モールドの材料は透明である必要はなく、上記のようにシリコン等の半導体やアルミ等の金属をモールド材料として使用することができる。
本発明に用いるモールドにおける重要な点は、電子線がモールド1のパターン領域Xに対応する部位を透過し、樹脂を硬化させるに十分な割合で樹脂に電子線を照射することができるように設計されている。このような条件として、少なくともパターン領域Xにおける電子線透過率が40%以上であることを挙げることができる。
ここで図9を用いて、モールドの好ましい態様について説明する。図9は加速電圧に対する電子線の透過深さと線量との関係を示す模式図である。図9の縦軸は電子線を照射された被加工物の表面で受けた線量を100%とした場合に、被加工物の深さで受ける線量の割合を表す。また、図9の横軸は被加工物の単位面積当たりの質量(面密度g/m)を表す。図9に示した関係と、被加工物の比重と所定の深さとを与えれば、その深さにおける電子線透過率を知ることができる。図9では例として、加速電圧をそれぞれ200kV,300kVとした場合の関係線を示している。
電子線による反応は電子が物質中の分子に直接作用する。そのため電子線のエネルギー利用効率は、熱や紫外線に比べて高く、電子線が透過することによって発生する2次電子の平均エネルギーは100eVであり、電子線による樹脂の硬化ではそのエネルギーの40〜90%が反応に寄与する。したがって紫外線によるエネルギー(3eV〜6eV)よりも大きいエネルギーを有し、かつ電子線の照射効果があるのは表面線量に対する線量の割合が40%の深さまでといえる。このように透過率が40%以上であれば、樹脂の硬化を問題なく行うことができる。また、そのような電子線透過率を得るためにパターン領域Xに対応する部位の厚みが300μm〜600μmの範囲に設定することが好ましい。厚みが300μm未満であると機械的強度に欠け、また厚みが600μmより大きいと電子線透過率が小さくなりすぎるからである。電子線の透過深さは、加速電圧V(kV)、モールドの材料の密度ρ(g/cm)とすると、0.0667V5/3/ρ(μm)で近似的に与えられる。加速電圧を上げることで同じ深さにおける電子線の透過率は大きくなることが分かる。たとえモールドが厚くても加速電圧を上げることで、所望の電子線透過率にすることも可能である。
<<§1−2.本発明に用いるモールドの第2形態>>
図2を参照してモールドの第2形態について説明する。図2は本発明のナノインプリント方法に用いるモールドの第2形態および第3形態を説明する概略図である。このうち図2(A)はモールドの第2形態を表す。第2形態では、モールド1の凹凸パターン2形成面の反対側の、パターン領域Xに対応する部位に切欠部3を備えている。切欠部3は機械的切削、研磨、エッチング等の加工方法を用いて形成される。
パターン領域Xに対応する部位の厚みは、非パターン領域Yに対応する部位に厚みに比べて、薄く設定されている。つまり、パターン領域Xに対応する部位の電子線透過率(Tx[%])を、非パターン領域Yに対応する部位の電子線透過率(Ty[%])に比べて高くなるように設定し、かつ両者を以下の条件1〜2を満たすように設定することでパターン領域Yに対応する部位を遮光部材と用いることができる。
[条件1]
Txが電子線の利用効率を考慮した場合に、電子線照射硬化が得られるように設定されている。
[条件2]
Tyが電子線の利用効率を考慮した場合に、電子線照射硬化が十分得られないように設定されている(紫外線や熱のエネルギーよりも小さい)。
そのような具体的な条件としては、Tx≧40%かつTy<1%である。より好ましい態様として、log(Ty/Tx)≦10−2とすることで良好な遮光性能を得ることができる。モールドの材料の密度ρ(g/cm)および加速電圧V(kV)にもよるが、切欠部3の深さ(h)を0.5V/ρ以上の値に設定することが好ましい。例えば、石英モールドに加速電圧300kVで加速されて電子線を照射する場合、hを60μm以上とすることにより、非パターン領域Yに対応する部位を遮光部材として用いることができる。また、上記の構成とすることでモールドのパターン領域Xに対応する部位が薄い場合にも、ハンドリングがしやすくなる。
<<§1−3.本発明に用いるモールドの第3形態>>
図2を参照してモールドの第3形態について説明する。図2(B)および(C)はモールドの第3形態を表す。第3形態では、モールド1の表面の少なくとも一部に導電膜4を備えている。図2(B)で示されたのは、モールド1の表面の略全体を導電膜4で覆っている形態である。モールドチャック(後述する)で凹凸パターン形成面の反対側を吸着保持する場合に好適なモールドである。
図2(C)で示されたのは、凹凸パターン2上に導電膜4を備えるモールドであって、パターン領域Xに対応する部位が非パターン領域Yに対応する部位に比べて突出した凸構造部5(いわゆるメサ構造)であり、非パターン領域Yに対応する部位はモールドチャック(後述する)で把持する把持部6を有する。凸構造部5の把持部6からの高さは使用する装置やインプリント条件によって適宜設定しうるが、およそ0.5μm〜40μmであり、モールドが石英からなる場合にはフッ酸などを用いたウェットエッチングによってこのような段差を形成できる。導電膜4は必ずしも新たに設ける必要はなく、例えば、ハードマスクとして用いた金属層を除去せずに導電膜4として利用することも可能である。モールドチャック(後述する)で把持部6を機械的に保持する場合に好適なモールドである。
導電膜4は金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)等の材料からなり、その厚みは例えば1〜100nm程度である。電子線の透過率を確保するためにはなるべく薄く設定することが好ましく、例えば1〜50nmとする。導電膜4はモールド1に照射される電子のチャージアップ現象を防止するために設けられ、モールドチャック(後述する)を通じてモールド1は除電される。導電膜4は蒸着、スパッタ等の真空成膜法により形成できる。導電膜4は必ずしも凹凸パターン形成面全体に亘って設けられる必要はなく、電子のチャージアップ現象を防止する機能を果たすように配置されていれば足りる。
<<§2 本発明のナノインプリント方法>>
図3〜6を参照して、本発明のナノインプリントの第1〜第4形態について説明する。
<<§2−1.本発明のナノインプリント方法 第1形態>>
図3を参照して、本発明のナノインプリント方法の第1形態を説明する。図3は本発明のナノインプリント方法の第1形態を説明する工程断面図である。基材10上に樹脂層20を形成する(図3(A)参照)。基材10は、石英やソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基材、あるいは、これらの材料の組み合わせからなる複合材料基材からなる。基材10の厚み、大きさは用途等に応じて適宜設定することができる。
樹脂層は、電子線硬化樹脂からなり、主に分子中に重合性不飽和結合または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー、及び/又はモノマーを適宜混合した組成物が用いられる。
プレポリマー、オリゴマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられる。
モノマーとしては、スチレン、αメチルスチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メメタクリル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)メチル、アクリル酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)プロピル等の不飽和置酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げられる。
電子線は紫外線に比べてエネルギーが高いため、上記の電子線硬化性樹脂は反応開始剤を含まずとも重合反応を起こす。本発明に用いる樹脂は反応開始剤を含んでもよいが、反応開始剤を実質的に含まない方が好ましい。反応開始剤を含まない樹脂を用いると転写後の樹脂層に未反応の反応開始剤が不純物として残存することがない。反応開始剤等の不純物は樹脂の架橋反応を阻害するため、反応開始剤を多量に含む場合には強度の高い樹脂層を作製することができない。逆に樹脂中に反応開始剤等の不純物を含まない(あるいはごく少量含む)場合には強度の高い樹脂層を作製することができる。したがって反応開始剤を実質的に含まない材料を用いることが好ましい。なお「反応開始剤を実質的に含まない」とは、材料に含まれる反応開始剤の量が0.01重量%未満であることを指すものとする。
樹脂に反応開始剤を含まない場合には、材料のコストを下げることができる。また樹脂の基材への密着性が向上するため、基材とモールドの間隔を狭めた場合にも、離型時において樹脂層が基材から剥離することが防止できる。また電子線による硬化反応は、紫外線や熱に比べて極めて短時間で行われ、高速処理が可能となり、製造上優れる。
樹脂層20は、スピンコート法、インクジェット法等を用いて形成することができる。樹脂層20の厚み、形成領域は用途等に応じて適宜設定することができる。
モールド1を樹脂層20に接触させ、そして押圧する(図3(B)参照)。モールド1と基材10との間隔を制御することで、樹脂層の残膜部分の厚みを設定できる。なお、予め凹凸パターン形成面にシランカップリング剤等からなる離型剤でモールドを修飾しておいてもよい。加工寸法が50nm以下の微細加工を行うには残膜の厚みを100nm以下とすることが好ましい。
モールド1を樹脂層20に押圧した状態で、少なくともモールド1側あるいは基材10側のいずれか一方から樹脂層20に電子線を照射し、樹脂層20を硬化させる(図3(C)参照)。
モールド1を樹脂層20から離型すると、モールド1の凹凸パターンの反転形状が樹脂層20に転写形成される(図3(D)参照)。樹脂層20はそれ自体をパターン形成体として用いても良いし、アッシングして残膜部分を除去し、それをエッチングマスクとして基材10をエッチングして、基材10に凹凸構造を形成してもよい。
樹脂層を電子線硬化性樹脂により構成し、かつ樹脂層を紫外線よりも高エネルギーの電子線によって硬化することで、重合反応性および樹脂層の架橋密度が上がり、樹脂層の強度が向上する。したがって、モールドの離型時に樹脂層がちぎれて破損することが抑制される。本発明では残膜部分の厚みを100nm以下とした場合にも樹脂層の破損を防止することができ、ナノオーダーの微細加工を安定して行うことができる。
上記のナノインプリント方法を用いて製造されたパターン形成体(転写成形された樹脂層20)は、離型時の破損が少なく、欠陥が少なく信頼性に優れるものとなる。
<<§2−2.本発明のナノインプリント方法 第2形態>>
図4を参照して、本発明のナノインプリント方法の第2形態を説明する。図4は本発明のナノインプリント方法の第2形態を説明する工程断面図であり、図2(A)に図示したモールド1を用いたナノインプリント方法である。
パターン領域Xに対応する部位の厚みが、非パターン領域Yに対応する部位に厚みに比べて薄く設定されているモールド1を樹脂層20に接触させ、押圧する。そして、モールド1の凹凸パターンが形成された面とは反対側から電子線を照射して樹脂層20を硬化させ(図4(A)参照)、その後、モールド1を離型する(図4(B)参照)。このとき非パターン領域Yに対応する部位は、パターン領域Xに対応する部位に比べて電子線透過率が低いため、非パターン領域Yに対応する位置の樹脂層は硬化不足となる(硬化不足部21)。この硬化不足部21は、モールド1との密着性がパターン領域Xに対応する位置に比べて低下している。したがって硬化不足部21を離型開始点することでモールド1の離型を容易に行うことができる。後の工程で現像等の処理を行い、硬化不足部21を取り除いてもよい。
上記のナノインプリント方法を用いて製造されたパターン形成体(転写成形された樹脂層20)は、離型作業を容易に行うことができるため、離型時の樹脂の破損が極めて少なく、信頼性に優れるものとなる。
<<§2−3.本発明のナノインプリント方法 第3形態>>
図5を参照して、本発明のナノインプリント方法の第3形態を説明する。図5は本発明のナノインプリント方法の第3形態を説明する工程断面図であり、図5(A)は図2(B)に図示したモールド1を用いたナノインプリント方法であり、図5(B)は図2(B)に図示したモールド1を用いたナノインプリント方法である。
モールド1の凹凸パターン形成面の反対側をモールドチャックにより吸着保持する。そしてモールド1を樹脂層20に接触させて押圧する(図5(A)参照)。そして、モールド1の凹凸パターンが形成された面の反対側から電子線を照射して樹脂層20を硬化させ、その後、モールド1を離型する。このとき、導電膜4は図示のモールドチャックと電気的に接している。これにより、モールド1に照射される電子線のチャージアップを防止することができ、均一なパターン転写を行うことができる。
別の例としてモールド1の外周部分をモールドチャックにより機械的に保持する。モールド1を樹脂層20に接触させて押圧する(図5(B)参照)。そして、モールド1の凹凸パターンが形成された面の反対側から電子線を照射して樹脂層20を硬化させ、その後、モールド1を離型する。このとき、導電膜4は図示のモールドチャックと電気的に接している。これにより、モールド1に照射される電子線のチャージアップを防止することができ、均一なパターン転写を行うことができる。
なお、第3形態の変形例として、モールドを大気圧下に置くことで、モールドにチャージした電子を大気に逃がすことができ、同様の効果を得ることができる。なお、樹脂層の重合阻害を防ぐために、不活性ガスで圧力調整を行うことが好ましい。
上記のナノインプリント方法を用いて製造されたパターン形成体(転写成形された樹脂層20)は、離型時の破損が少なく、かつ照射される電子線分布に対するチャージの影響を抑えることができるためパターン均一性に優れる。
<<§2−4.本発明のナノインプリント方法 第4形態>>
図6を参照して、本発明のナノインプリント方法の第4形態を説明する。図6は本発明のナノインプリント方法の第4形態を説明する工程断面図であり、電子線透過率を高くするためにモールド1を薄く(300μm〜600μmの厚み範囲)した場合に好適な方法である。
被加工物である樹脂が形成される基材はそれ自体反りを有する。微細な寸法のパターンをナノインプリント法により形成する場合には、基材の反りや歪みによって樹脂層の残膜が不均一となることがある。そこで基材の反りに追従するように、モールドの形状を変形させることで上記の問題を解決できる。
反りがある基材10上に形成された樹脂層20に、厚みが300μm〜600μmの範囲であるモールド1を接触させる(図6(A)参照)。その後、モールド1の側面あるいは凹凸パターンが形成された面の反対側から圧力を加えて、基材10の形状に追従するようにモールド1を変形させ、その状態で電子線を照射する(図6(B)参照)。圧力を加える手段としては、モールドの側面または凹凸パターン形成面の反対側に対して冶具等により物理的に力を加えてもよい。また、凹凸パターン形成面の反対側に対して流体導入機構、吸引機構等の周知の手段を用いて圧力を加えて変形を促してもよい。より簡便にはモールドチャック(後述)によりモールドの側面を押圧して変形させる方法を挙げることができる。このように厚みが小さいモールドを用いることで、モールドの形状を変形させることが容易となり、樹脂層の残膜部分の厚さを均一とすることができる。
なお、基材に反りがある例を説明したが、実際にはモールドに反りがある場合もあり、そのような場合にもこの形態は有用である。
上記のナノインプリント方法を用いて製造されたパターン形成体(転写成形された樹脂層20)は、離型時の破損が少なく、かつ残膜部分の厚みの均一性に優れる。
<<§3 ナノインプリント装置>>
図7〜8を参照して、本発明のナノインプリント装置を説明する。図7は本発明のナノインプリント装置を説明する全体概略図である。ナノインプリント装置50は、主にナノインプリント処理を実行するための転写部51、電子線を発生させる電子線発生部70、および転写部51と電子線発生部70とを仕切る窓部73とを備えている。
<<§3−1. 転写部の概要>>
モールド1、基材10は転写部51内に配置される。転写部は図7に示すようなチャンバーのような仕切られた密閉空間である。モールド1は、モールドチャック52によって保持される。モールドチャック52はモールド1の位置決めを行なうための可動式のモールドステージ53に載置されている。モールドチャック52はメカチャック式、真空吸着式等の方式によりモールド1を保持することができる。上述のように、モールドチャック52を導電性を有する構成とすれば、除電機構として用いることが可能である。モールドステージ53は、例えばXYZ軸方向の駆動と各軸まわりの回転(ωx,ωy,θ)が可能である。モールドチャック52とモールドステージ53は開口を有し、この開口を通じて電子線発生部70から発生する電子線が透過し、基材10方向へ注がれる。
基材10は基材チャック54によって保持される。基材チャック54は基材10の位置決めを行なうための可動式の基材ステージ55に載置されている。基材ステージ55は、例えばXYZ軸方向の駆動と各軸まわりの回転(ωx,ωy,θ)が可能である。なお、モールドステージ53と基材ステージ55は、図示しないステージ駆動手段によって駆動させる。各ステージの双方あるいは一方にステージ間の距離を計測するための機構(図示せず)、加圧手段(図示せず)などを備えている。なお、基材ステージ55あるいはモールドステージ53のいずれかにステップアンドリピート方式で駆動できる機構がついていてもよい。
転写部51が密閉チャンバーである場合には、転写部内を給排気するための給排気装置(図示せず)が接続され、給排気装置によって転写部51内の圧力調整を行う。転写部51は、好ましくは電子線が外部へ漏出しないように鉛等で囲まれている。また酸素による硬化阻害が起こらないように転写部内は不活性ガス等で満たされた雰囲気であることが好ましい。
モールド1の背面側には、樹脂層20を硬化させるための電子線を発生させる電子線発生部70と、転写部51と電子線発生部70を仕切る窓部73が配置されている。電子線発生部70から照射され、窓部73を透過した電子線は、モールド1を透過して樹脂層20に到達する。電子線発生部はモールド側または基材側のいずれか一方にあればよく、図面の形態に限定されるものではない。
<<§3−2. 電子線発生部の概要>>
次に、電子線発生部70の構成について説明する。図8は電子線発生部を説明する構成概略図である。図示した電子線発生部は、いわゆる熱電子を加速して利用するタイプである。なお、電子線発生部は2次電子を加速して利用するタイプであっても構わない。電子線発生部70は、熱電子発生源となるフィラメント71、フィラメント71から発生する熱電子を取り出すグリッド72、グリッド72を通過した有効な電子が透過する窓部73とを有するものである。
電子線発生部70の内部は電子が気体分子と衝突してエネルギーを損失することを防止するため、1×10−6Torr以上の真空度に設定されている。この場合、電子線発生部内を給排気するための給排気装置(図示せず)が接続され、給排気装置によって電子線発生部内の圧力調整を行う。
フィラメント71には加熱用電源74aが接続され、フィラメント71を加熱することでフィラメントから熱電子を発生させる。フィラメント71と金属箔製の窓部73との間にはグリッド72が配置され、グリッド72には駆動用電源74bが接続され、制御電圧が印加されている。したがって熱電子はフィラメント71とグリッド72との間に印加された制御電圧が印加され、グリッド72の方向に引き寄せられる。このうち、グリッド72を通過した電子は、グリッド72と窓部73との間に設けられた加速用電源74cの加速電圧によって加速される。加速電圧は200kV〜500kVの範囲で、モールドの材料、厚み等の条件を参照して適宜設定する。加速用電源74cで加速された電子は窓部73を通過して転写部へと入射する。より好ましくは加速電圧を300kV〜500kVの範囲とする。加速電圧が200kV未満では、電子線を樹脂層に到達させることが難しく、また加速電圧が500kVより大きくすると制動X線を抑えるためのシールド機構が大掛かりとなり、装置コストの増加を招くためである。
図示した装置では、グリッド72と金属箔製の窓部73がそれぞれ一対の電子加速用の電極となっている。窓部73は、例えば厚さ5〜30μmのチタン、アルミニウム、あるいはそれらの積層体で構成されており、良好な電子線透過性を有し、孔(ピンホール等)がないことが好ましい。なお、転写部と接する側の窓部はチタンで被覆されていることが好ましい。これは転写部に照射する電子線によって誘起されるオゾンによる窓部の侵食を防ぐためである。
加速電圧を200kV以上とする場合には、制動X線の影響を抑えるために電子線発生部70と転写部51を鉛等を用いたシールドで窓部73以外を覆うことが好ましい。
以上説明した実施の形態は例示であり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、変更および拡張が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
厚さ600μmの石英基板(外形65mm×65mm、パターン領域1mm×1mm)に凹部幅30nm、凸部幅30nm(深さ60nm)のラインアンドスペース状の凹凸パターンを形成する。シリコン基材上に電子線硬化性樹脂(大日精化(株)製 EB256)からなる樹脂層をスピンコート法により厚み200nmで塗布する。これらを転写部内に配置し、表面に離型剤(ダイキン工業(株)社製 オプツールDSX)を形成しておいた凹凸パターンを樹脂層に接触、押圧し、モールドとシリコン基材との間隔を20nmとなるように設定する。その後、電子線発生部で加速した電子線(加速電圧350kV)を5Mrad照射した後、離型を行った。離型後のモールドの表面を電子顕微鏡により観察したところ、付着した樹脂は見られなかった。また離型後の樹脂層を電子顕微鏡によりにより観察したところ、樹脂層に破損している箇所は見られなかった。
(実施例2)
実施例1とほぼ同様のモールドを準備する。シリコン基材上に反応開始剤を含まない紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業(株)製 UVナノインプリン専用樹脂 PAK−01)からなる樹脂層をスピンコート法により厚み200nmで塗布する。これらを転写部内に配置し、表面に離型剤(ダイキン工業(株)社製 オプツールDSX)を形成しておいた凹凸パターンを樹脂層に接触、押圧し、モールドとシリコン基材との間隔を20nmとなるように設定する。その後、電子線発生部で加速した電子線(加速電圧350kV)を5Mrad照射した後、離型を行った。離型後のモールドの表面を電子顕微鏡により観察したところ、付着した樹脂は見られなかった。また離型後の樹脂層を電子顕微鏡により観察したところ、樹脂層に破損している箇所は見られなかった。
(実施例3)
実施例1とほぼ同様のモールドを準備する。シリコン基材上に電子線硬化性樹脂(ダウコーニング(株)製 HSQ FOX−12)からなる樹脂層をスピンコート法により厚み200nmで塗布する。これらを転写部内に配置し、表面に離型剤(ダイキン工業(株)社製 オプツールDSX)を形成しておいた凹凸パターンを樹脂層に接触、押圧し、モールドとシリコン基材との間隔を20nmとなるように設定する。その後、電子線発生部で加速した電子線(加速電圧350kV)を5Mrad照射した後、離型を行った。離型後のモールドの表面を電子顕微鏡により観察したところ、付着した樹脂は見られなかった。また離型後の樹脂層を電子顕微鏡により観察したところ、樹脂層に破損している箇所は見られなかった。
(比較例1)
実施例1とほぼ同様のモールドを準備する。シリコン基材上に反応開始剤を5.0重量%含む紫外線硬化性樹脂(東洋合成工業(株)製 UVナノインプリン専用樹脂 PAK−01)からなる樹脂層をスピンコート法により厚み200nmで塗布する。これらを転写部内に配置し、表面に離型剤(ダイキン工業(株)社製 オプツールDSX)を形成しておいた凹凸パターンを樹脂層に接触、押圧し、モールドとシリコン基材との間隔を20nmとなるように設定する。その後、紫外線(露光量100mJ)を照射した後、離型を行った。離型後のモールドの表面を電子顕微鏡により観察したところ、パターン領域内で樹脂の一部が20箇所、また非パターン領域内で樹脂の一部が3箇所付着していた。これにより樹脂層が破損していることが分かった。
以上のように、本発明では転写成形された樹脂層が離型時に破損することが抑制されていることが分かった。また従来の光インプリント用材料を用いる場合にも、反応開始剤を導入せずとも樹脂の硬化、架橋反応が進み、離型時に樹脂層が破損することが抑制されることが分かった。
ナノインプリント技術を用いた微細加工に利用可能である。
1:モールド
2:凹凸パターン
3:切欠部
4:導電膜
5:凸構造部
6:把持部

10:基材
20:樹脂層
21:硬化不足部

50:ナノインプリント装置
51:転写部
52:モールドチャック
53:モールドステージ
54:基材チャック
55:基材ステージ

70:電子線発生部
71:フィラメント
72:グリッド
73:窓部
74a:加熱用電源
74b:制御用電源
74c:加速用電源

100:モールド
110:基材
120:樹脂層
120a:基材付着樹脂
120b:モールド付着樹脂

Claims (10)

  1. 基材上に電子線硬化性樹脂からなる樹脂層を形成し、
    前記樹脂層に凹凸パターンを有するモールドを接触させ、
    前記樹脂層に、前記モールドの凹凸パターンが形成された面の反対側から前記モールドをその厚さ方向に透過するように加速した電子線を照射することにより、前記樹脂層を硬化させ、
    硬化した前記樹脂層と前記モールドとを引き離すことを含み、
    電子線は、前記樹脂層と前記モールドを引き離す際に前記樹脂層に破損が生じない程度に加速されていることを特徴とするナノインプリント方法。
  2. 少なくとも前記モールドの凹凸パターンが存在する部位の電子線透過率が40%以上であることを特徴とする請求項1記載のナノインプリント方法。
  3. 前記モールドの凹凸パターンが存在しない部位の電子線透過率が1%未満であることを特徴とする請求項1または2記載のナノインプリント方法。
  4. 少なくとも前記モールドの凹凸パターンが存在する部位の厚さが300μm〜600μmの範囲であり、前記モールドの凹凸パターンが存在する部位を透過可能なように電子線の加速電圧を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のナノインプリント方法。
  5. 前記樹脂層に前記モールドを接触させた後、
    前記モールドを押圧して変形させて前記凹凸パターン内に前記電子線硬化樹脂を充填し、
    前記モールドを変形させた状態で前記樹脂層に電子線を照射することを特徴とする請求項4記載のナノインプリント方法。
  6. 前記モールドを除電しながら、前記樹脂層に電子線を照射することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のナノインプリント方法。
  7. 前記モールドが大気圧下に置かれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のナノインプリント方法。
  8. 基材上に形成した電子線硬化性樹脂からなる樹脂層に、凹凸パターンを有するモールドを用いて3次元構造体を形成するナノインプリント装置であって、
    前記モールドをその厚さ方向に透過するように加速した電子線を発生させる電子線発生部と、
    前記電子線発生部から発生した電子線を樹脂層に照射し、前記樹脂層にモールドの凹凸パターンの転写が行われる転写部と、
    前記転写部と前記電子線発生部とを仕切るとともに電子線を透過させる窓部と、を備え、
    前記電子線発生部は前記モールドの背面側に位置するように配置され、
    前記電子線発生部は、前記樹脂層と前記モールドを引き離す際に前記樹脂層に破損が生じない程度に電子線を加速することを特徴とするナノインプリント装置。
  9. 前記転写部は、前記モールドを除電する除電機構を有することを特徴とする請求項記載のナノインプリント装置。
  10. 前記転写部は、前記モールドの側面あるいは凹凸パターン形成面の反対側から、前記モールドに圧力を印加して前記モールドを変形させる圧力印加機構を有することを特徴とする請求項8または9記載のナノインプリント装置。
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