JP2011071399A - ナノインプリントパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エッジ効果を抑制しながらも、アスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができるナノインプリントパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 基材上の少なくとも一部に、樹脂層を形成し、前記樹脂層に凹状のパターンを有するモールドを接触させた後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を上げることにより前記樹脂層の一部を前記凹状のパターン内に充填し、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記樹脂層から前記モールドを剥離し、前記樹脂層に前記凹状のパターンに対応した凸状のパターンを形成することにより課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノインプリント技術を用いたパターン形成方法に関し、さらに詳しくは、凹状のパターンを有するモールドを用いて、基材上に形成した樹脂層に前記凹状のパターンに対応した凸状のパターンを形成するナノインプリントパターン形成方法に関するものである。
従来、微細加工技術としては、写真製版技術から発展した半導体リソグラフィー技術が工業的に使われている。しかし、この半導体リソグラフィー技術は、製造装置等が高価なため、現実の工業的生産においては、半導体製造等、経済的に見合う用途に限定されてしまい、光学部材製造等の他の用途に対しては、より安価な加工技術が求められているのが実情である。
また、半導体製造の用途においても、現在の半導体リソグラフィー技術の延長では、光学的な解像度の限界のため、さらなる微細化の要求に応じることは困難である。
それゆえ、近年、別の微細加工技術として、基材上に形成した樹脂層をモールドで押圧して、所望の微細なパターンを転写成型するナノインプリント技術が注目を集めている。
上述のナノインプリント技術には、熱可塑性樹脂を用いる熱ナノインプリント技術と、光硬化性樹脂を用いる光ナノインプリント技術の2種がある(特許文献1、2)。
熱ナノインプリント技術は、熱可塑性樹脂をガラス転移温度以上に加熱した状態で、モールドを押圧することによりインプリントし、冷却後にモールドを離型して、パターンを転写成型する技術である。モールド、基材ともに材料の選択性が広いという長所がある。
一方、光ナノインプリントは、光硬化性樹脂にモールドを押圧した状態で光を照射して光硬化させることによりパターンを転写成型する技術である。高温加熱を必要としないが、モールドもしくは基材は光に対し、透明である必要がある。実用的には、光としては紫外線を用いる。
ナノインプリント技術を用いたパターン形成においては、モールド表面に設けられた三次元構造の転写パターンに応じて、階段状や半球状の構造体であっても、容易に、かつ大量に転写成型可能なため、特に、ディスプレイや光学部材の製造に有用である。
ここで、現在実施されているナノインプリントパターン形成は、圧力により変形可能な樹脂に対しモールドを押し付けることにより、そのときの圧縮力によってモールドの凹状のパターンに樹脂を充填し、その状態で樹脂の形状を固定化することで、モールドの凹状のパターンに対応する凸状の樹脂パターンを形成している。
例えば、図2に示すように、樹脂層2を形成した基材1と、凹状のパターン4を有するモールド3とを準備し(図2(a))、大気圧雰囲気下でモールド3の凹状のパターン4が設けられた面を、基材1上の樹脂層2に接触させ(図2(b))、樹脂層2の上下方向のモールド押圧力8により樹脂層2の一部を凹状のパターン4内に充填する(図2(c))。
その後、樹脂層2を硬化させて形状を固定し(図2(d))、最後に、モールド3を基材1上の樹脂層2から剥離して、樹脂層2に凹状のパターン4に対応した凸状のパターン9を得る。
ただし、モールドの凹状のパターンには、モールドを樹脂に押し付けた際に封じ込められた気体が残留しており、この残留気体の圧力とモールド押圧力により、樹脂に転写される凸状のパターンの高さが影響を受ける。
すなわち、上述の残留気体の圧力が小さいほど、そして、モールド押圧力が大きいほど、樹脂に転写された凸状のパターンの高さは高いものとなり、アスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができる(特許文献3)。
しかしながら、ナノインプリントに用いられる樹脂層の厚みは、数十nm〜数μmであり、このような薄い樹脂にモールドを押し付けて樹脂にパターンを転写しようとすると、樹脂は薄いため、ほとんどモールドと基材とが接触したような状態になる。このような状態では、モールドの下に働く力は、モールドの端(エッジ)の部分では荷重が大きくなり、中央付近では小さくなることが知られている(非特許文献1、図3)。
これは「エッジ効果」や「中抜け現象」と呼ばれるものであり、モールドの淵に力が集中し、中央付近ではパターンが転写されにくくなる現象である。この現象の身近な例としては、印鑑を机などの固いものの上で押したとき、印鑑が紙にきれいに転写されず、淵の部分のみが転写されたということが起こるが、これがまさに、「エッジ効果」や「中抜け現象」に相当する。
このエッジ効果のため、従来のモールド押圧によるナノインプリントパターン形成方法では、図2(e)に示すように、モールドの淵に近い部位に比べ中央付近では押圧の力が小さくなり、モールドのパターンが転写されにくくなる。
米国特許第5772905号公報 特表2002−539604号公報 国際公開第07/094213号
谷口淳著「はじめてのナノインプリント技術」工業調査会 2005年12月発行、p.82−85
上述のエッジ効果を防ぐためには、モールドの押圧を下げる方法が効果的である。しかしながら、上述のとおり、従来の方法では、モールドの押圧を下げるとアスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができなくなるという問題があった。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エッジ効果を抑制しながらも、アスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができるナノインプリントパターン形成方法を提供することにある。
本発明者は、種々研究した結果、ナノインプリントパターン形成において、樹脂層の上下方向のモールド押圧による圧縮力ではなく、樹脂層の全方向にかかる圧力を利用することにより、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、基材上の少なくとも一部に、樹脂層を形成し、前記樹脂層に凹状のパターンを有するモールドを接触させた後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を上げることにより前記樹脂層の一部を前記凹状のパターン内に充填し、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記樹脂層から前記モールドを剥離し、前記樹脂層に前記凹状のパターンに対応した凸状のパターンを形成することを特徴とするナノインプリントパターン形成方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のナノインプリントパターン形成方法において、前記樹脂層に前記モールドを接触させる段階の前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気圧と、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を上げることにより前記樹脂層の一部を前記凹状のパターン内に充填する段階の前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気圧との差圧が、1×104Pa〜1×107Paの範囲であることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のナノインプリントパターン形成方法において、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げた後に前記樹脂層に前記モールドを接触させることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項3に記載のパターン形成方法において、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げた後の気圧が、1Pa〜1×10-7Paの範囲であることを特徴とするパターン形成方法である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げ、続いて前記樹脂層から前記モールドを剥離することを特徴とするパターン形成方法である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項5に記載のパターン形成方法において、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げて到達する気圧が、前記樹脂層に前記モールドを接触させる前に、前記樹脂層と前記モールドとの周囲の気体の圧力を下げて到達した気圧よりも小さい圧力であることを特徴とするパターン形成方法である。
本発明によれば、基材上の樹脂層とモールドを接触させた後に、基材、樹脂層、およびモールドの周囲の気体の圧力を上げるため、圧力によって変形可能な樹脂層は、樹脂層とモールドで密閉された低圧空間である凹状のパターン内に、差圧によって充填され、上述のエッジ効果の影響を受けずに、アスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができる。
本発明のナノインプリントパターン形成方法の一例を示す工程図である。 従来のナノインプリントパターン形成方法の一例を示す工程図である。 エッジ効果の一例を示す説明図である。
以下、本発明に係るナノインプリントパターン形成方法について、図面を参照して説明する。
[基材、樹脂層、モールドの準備]
図1は、本発明のパターン形成方法の一例を示す工程図である。
図1(a)に示すように、まず、圧力により変形可能な樹脂層2を形成した基材1と、凹状のパターン4を有するモールド3とを準備する。
ここで、樹脂層2はモールド4の転写領域に応じて形成されていれば良く、基材1の表面の一部に形成されていても、全面に形成されていても良い。また、樹脂層2は予め基材1上に形成されていても良いし、モールドと接触する直前に基材1上に形成されても良い。
基材1の材料は、ナノインプリントに適用可能なものであれば用いることができ、例えば、シリコン、石英、ガラス、その他の無機および有機材料からなる基材を用いることができる。なお、ディスプレイ製品や光学部材の製造においては、透明な基材であることが好ましく、例えば、石英基板、ガラス基板などの透明無機基材、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン共重合体樹脂などの透明有機基材が好ましい。
また、光ナノインプリント法によるナノインプリントパターン形成を行う場合においては、例えば、石英基板や環状オレフィン共重合体樹脂などの透明有機基材のように、紫外線透過性の材料からなる基材を用いれば、基材下面側から紫外線を照射して樹脂を硬化させることもできる。
基材1の形態は、特に限定されず、角板状、円板状の他に、巻取り可能なフィルム状であってもよい。ディスプレイ製品や光学部材の製造においては、大面積化や低コスト化に向く、ロール・ツー・ロール方式に適した巻取り可能なフィルム状であることが好ましい。
樹脂層2を形成する樹脂は、圧力が加えられると変形する性質をもつ樹脂であって、ナノインプリントに適用可能なものであれば用いることができる。熱によって可塑化し、その可塑化した状態で圧力をかけることにより変形可能な樹脂も適用可能である。
本発明においては、紫外線の照射によって架橋反応を起こして硬化する紫外線硬化樹脂であることが、高温過熱などの処理を必要としない点から、好ましい。
紫外線硬化樹脂とは、紫外線を照射されることにより架橋反応を起こして硬化する樹脂のことであり、光ナノインプリント用として、一般に知られている各種の紫外線硬化樹脂を用いることができる。また、紫外線硬化樹脂は、複数の異なる種類の樹脂からなる混合物であっても良い。
例えば、光重合性官能基を有するオリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のアクリレート系樹脂およびそれらの組み合わせを用いることができる。このほか、必要に応じて、光重合性官能基を有する単官能または多官能のモノマー、光重合開始剤、重合禁止剤、離型剤等を配合することができる。
基材1上に樹脂層2を形成する方法は、滴下の他に、インクジェット法、スピンコート法、ダイコート法などを用いることができる。
モールド3は、ナノインプリントに適用可能なものであれば用いることができ、例えば、シリコン、石英、ガラス、その他の無機および有機材料からなるモールドを用いることができる。光ナノインプリントにおいては、紫外線透過性を有するモールド、例えば石英基板や、環状オレフィン共重合体樹脂などの透明有機材料からなるモールドを用いることが好ましい。
モールド3の形状は、ナノインプリントに適用可能なものであれば用いることができ、特に限定されないが、例えば、石英からなるモールドであれば角状のものが扱い易く、また基材への多面付けにも適している。一方、有機材料からなるモールドであれば、例えば、大面積転写に適したシート状にすることもできる。
モールド3の厚みは、モールドを加工する設備の制約により決まることがある。また使用するナノインプリント装置における、モールドの樹脂への接触方法や、硬化した樹脂からモールドを引き剥がす方法により、モールドへ加わる応力により破損しないよう、厚みを決定する必要がある。そのためモールド3の厚みは、0.3〜10mmの範囲であり、特に0.6〜7.0mmの範囲であることが好ましい。0.3mm未満では加圧や剥離に耐える強度が不足する恐れがあり、10mmより厚いとハンドリングやコストの面で不利だからである。
凹状のパターン4の開口寸法は、例えば1〜500nmの範囲であり、特に1〜100nmの範囲であることが好ましい。他のリソグラフィー技術では作成困難なサイズであり、また、エッジ効果が影響する範囲だからである。
凹状のパターン4のアスペクト比は、例えば1〜10の範囲であり、特に2〜10の範囲において、本発明は従来のナノインプリント技術を用いた転写方法に比べて効果を奏することになる。図2および図3に示すように、従来のモールド裏面からの押圧方式では、モールド淵部に相当する箇所の樹脂層においては2〜10の範囲のアスペクト比を達成できても、モールド中央部に相当する箇所では、エッジ効果により淵部ほどの圧力を得られず、結果、高いアスペクト比を得ることができないからである。
[接触工程]
次に、図1(b)に示すように、モールド3の凹状のパターン4が設けられた面を、基材1上の樹脂層2に接触させる。この工程により、モールド3の凹状のパターン4は樹脂層2で密閉されることになる。
この接触工程では、基材1を固定した状態でモールド3を動かして接触させても良いし、逆にモールド3を固定した状態で基材1を動かして接触させても良く、また、基材1とモールド3の双方を動かして接触させても良い。
また、本発明においては、この接触工程の前に、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲を減圧し、接触工程で樹脂層3により密閉される凹状のパターン4の空間を低圧にしておいても良い。この減圧工程を行うことによって、気泡混入によるパターン欠陥を防止でき、また、次の加圧工程の加圧をより小さい圧力にすることができる。この場合の凹状のパターン4の気圧の範囲は、例えば1Pa〜1×10-7Paである。
基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲を減圧する方法としては、例えば、樹脂層2を形成した基材1とモールド3を、接触工程用の駆動機構を備えた耐圧チャンバーに搭載し、減圧ポンプ等で前記耐圧チャンバー内を減圧する方法がある。
[加圧工程]
次に、図1(c)に示すように、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気体の圧力5を上げることにより、樹脂層2の一部を凹状のパターン4内に充填する。
本発明においては、図2(c)に示す樹脂層2の上下方向のモールド押圧力8ではなく、図1(c)に示すように、樹脂層2が周囲の全方向から受ける圧力5と密閉された低圧空間である凹状のパターン4内の気圧との差圧を利用することにより、樹脂層2を凹状のパターン4内に充填する。
そして、樹脂層2が周囲の全方向から受ける圧力5と密閉された低圧空間である凹状のパターン4内の気圧との圧力差は、モールド3の中央付近、または淵のいずれの部位においても同じである。そのため、本発明においては、上述のエッジ効果の影響を受けずに、アスペクト比の高い樹脂パターンを得ることができる。
ここで、樹脂層2が周囲の全方向から受ける圧力5と密閉された低圧空間である凹状のパターン4内の気圧との差圧を生み出す方法は、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気体の圧力5を、大気圧雰囲気からより高い気圧雰囲気に加圧することで生み出す方法のほかに、上述の接触工程の前に、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲を減圧し、接触工程で樹脂層3により密閉される凹状のパターン4の空間を低圧にしておいて、その後の加圧工程で、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気体の圧力5を、大気圧雰囲気に戻すことで生み出す方法であっても良い。
後者の方法の場合、生み出せる差圧は最大で大気圧と同じ1×105Pa程度となり、前者の方法の場合よりも生み出せる差圧の最大値は小さくなるが、加圧機構および高圧に耐えるチャンバー等を必要としないため、経済性や安全性の点からは有益である。
また、従来の樹脂層2の上下方向のモールド押圧による方法では、基材1とモールド3との隙間からの樹脂の漏出を防止することは困難であったが、本発明においては、樹脂層2は、基材1とモールド3との隙間の水平方向からも上下方向と同じ大きさの圧力5を受けるため、基材1とモールド4との隙間からの樹脂の漏出も抑制することができる。
本発明における差圧は、用いられる樹脂のぬれ性や粘度、パターン密度などの影響を受け、アスペクト比が大きい場合や、樹脂の粘度が大きい場合、パターン密度が高い場合には、大きな差圧が必要となる。逆にアスペクト比が小さい場合や、樹脂の粘度が小さい場合、パターン密度が小さい場合には、小さな差圧でもパターンの形成が可能である。本発明が意図するアスペクト比2以上のパターン形成をするのであれば、差圧は少なくとも1×104Pa以上あれば良い。
また、これとは別に、差圧を得るために必要な時間や、差圧によるモールドや基板、耐圧チャンバーへの影響も考慮されるべきである。モールドや基板は、装置の一部である耐圧チャンバー内にて保持されている。仮にモールドや基板を保持する部分が、耐圧チャンバーと機械的に連結されている場合には、差圧の増加に伴う耐圧チャンバーの微少な膨張が影響する。何故ならモールドと基板は耐圧チャンバーに連結されているため、耐圧チャンバーの膨張に伴い相反する方向へ、互いに引き離される力が加わることになるからである。このとき、未硬化の樹脂を、パターンが形成されるようにナノスケールのギャップで保持し続けることは、差圧が大きいほど困難となる。また機械的に連結されていない場合、耐圧チャンバーは、モールドと基板だけでなく、モールドを押し付け、引き剥がす機構や、ステージなどを内包するだけの容積が必要となる。装置を小型化することで容積を小さくすることは可能であるが、差圧を形成するための時間的困難性は増す。
すなわち、いずれの場合でも、大きな差圧を利用することで転写性が向上するとはいえ、実用上の困難性を考慮すれば、差圧の最大値は1×107Pa以下の範囲とすることが妥当である。ただし上記の問題が解決できるのであれば、差圧は大きいほど好ましい。
基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気体を加圧する方法としては、例えば、樹脂層2を形成した基材1とモールド3を、接触した状態で耐圧チャンバーに搭載し、高圧ガスボンベ等を用いて前記耐圧チャンバー内を加圧する方法がある。
[樹脂硬化工程]
次に、図1(d)に示すように、樹脂層2の一部を凹状のパターン4内に充填させた状態で、樹脂層2を硬化させて形状を固定する。
樹脂層2を硬化させる方法は、使用する樹脂に応じて、紫外線等の電磁波の照射や、加熱、冷却、若しくは電磁波照射と加熱または冷却を併用する方法を用いることができる。
樹脂層2に紫外線硬化樹脂を用いた場合は、例えば、紫外線透過性を有するモールド3を通して樹脂層2に紫外線6を所定量照射することで樹脂層2を硬化させることができる。
[離型工程]
最後に、図1(e)に示すように、モールド3を基材1上の樹脂層2から剥離し、樹脂層2に凹状のパターン4に対応した凸状のパターン7を得る。
この離型工程では、基材1を固定した状態でモールド3を動かして離型させても良いし、逆にモールド3を固定した状態で基材1を動かして離型させても良く、また、基材1とモールド3の双方を動かして離型させても良い。
また、本発明においては、この離型工程の前に、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気圧を減圧しても良い。凹状のパターン4に残留した気体は、図1(c)における加圧工程で圧縮されて高圧になっているため、基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気圧を減圧することにより生じる差圧で、樹脂層2およびモールド3を押し離すように作用し、離型工程をより容易に行うことができるからである。
特に、図1(b)における接触時の凹状のパターン4内の気圧よりも小さい圧力に基材1、樹脂層2、およびモールド3の周囲の気圧を減圧することが好ましい。凹状のパターン4に残留した気体が、凹状のパターン4の体積よりも膨張し、差圧のみでモールドの離型ができることになるからである。
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
基材として直径100mmのSiウェハを用い、このSiウェハの表面全域に、樹脂層として膜厚800nmの紫外線硬化樹脂PAK−01(東洋合成工業製)をスピン塗布により形成した。
一方、モールドとして、凹状のパターンを有する接触面の大きさが40mm角、厚さが6.35mmの石英モールドを用意した。この石英モールドの接触面40mm角の領域には、凹状のパターンとして、幅100nm、ピッチ200nm、深さ500nmのライン・アンド・スペース・パターンを形成した。
次に、前記樹脂層を形成した基材と前記モールドを、接触工程用の駆動機構を備えた耐圧チャンバーに搭載し、減圧ポンプにより前記耐圧チャンバー内を1.0×10-1Paに減圧した。
次に、前記耐圧チャンバーの駆動機構を操作することにより、前記モールドの接触面を前記基材上の樹脂層に接触させ、その後前記耐圧チャンバー内の圧力を1.0×105Paにして、前記樹脂層を前記モールドの凹状のパターン内に充填した。
次に、波長365nmの紫外線を、100mJ/cm2の条件でモールド側から照射して樹脂を硬化させ、その後、前記耐圧チャンバー内の圧力を1.0×103Paにして、モールドを離型した。
離型後の基材表面には、凸状の樹脂パターンが、モールドの淵部に相当する箇所のみならず、モールド中央部に相当する箇所にも形成されており、AFM(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製SP460)計測の結果、モールド中央部に相当する箇所の前記凸状の樹脂パターンの高さはモールドの淵部に相当する箇所の高さと同等の488nmであって、アスペクト比4.88という高い値を得ることができた。
(比較例1)
実施例1と同じ基材、樹脂層、モールドを用いて、大気圧雰囲気下で従来のモールド押圧によるナノインプリントパターン形成を実施した。モールド押圧力は1.0×105Paとした。また、樹脂硬化工程は実施例1と同様に、波長365nmの紫外線を、100mJ/cm2の条件でモールド側から照射することにより実施した。
モールドを離型した後の基材表面には、凸状の樹脂パターンが形成されてはいたものの、樹脂パターンの高さは、モールドの淵部に相当する箇所で431nmと計測されたのに対し、モールド中央部に相当する箇所ではエッジ効果のため樹脂パターンの高さは147nmにしか達していなかった。すなわち、モールド中央部に相当する箇所では、アスペクト比は1.47と低い値であった。
上述のように、本発明に係るナノインプリントパターン形成方法を用いた実施例1においては、比較例1のようなエッジ効果は認められず、モールドの淵および中央付近のいずれの部位においても、アスペクト比の高いナノインプリントパターンを得ることができた。
1・・・基材
2・・・樹脂層
3・・・モールド
4・・・凹状のパターン
5・・・圧力
6・・・紫外線
7、9・・・凸状のパターン
8・・・モールド押圧力

Claims (6)

  1. 基材上の少なくとも一部に、樹脂層を形成し、
    前記樹脂層に凹状のパターンを有するモールドを接触させた後に、
    前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を上げることにより前記樹脂層の一部を前記凹状のパターン内に充填し、
    前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、
    前記樹脂層から前記モールドを剥離し、
    前記樹脂層に前記凹状のパターンに対応した凸状のパターンを形成することを特徴とするナノインプリントパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載のナノインプリントパターン形成方法において、
    前記樹脂層に前記モールドを接触させる段階の前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気圧と、
    前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を上げることにより前記樹脂層の一部を前記凹状のパターン内に充填する段階の前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気圧との差圧が、
    1×104Pa〜1×107Paの範囲であることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のナノインプリントパターン形成方法において、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げた後に前記樹脂層に前記モールドを接触させることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法。
  4. 請求項3に記載のパターン形成方法において、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げた後の気圧が、1Pa〜1×10-7Paの範囲であることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のパターン形成方法において、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げ、続いて前記樹脂層から前記モールドを剥離することを特徴とするパターン形成方法。
  6. 請求項5に記載のパターン形成方法において、前記樹脂層を硬化させて形状を固定した後に、前記基材、前記樹脂層、および前記モールドの周囲の気体の圧力を下げて到達する気圧が、前記樹脂層に前記モールドを接触させる前に、前記樹脂層と前記モールドとの周囲の気体の圧力を下げて到達した気圧よりも小さい圧力であることを特徴とするナノインプリントパターン形成方法。
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