[0019] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると考えられている。
[0020] 本開示の別の実施形態は、インプリントリソグラフィによるパターニングの方法を提供する。方法は、基板上に1.5Pa・s以上の粘度を有する導電性ペーストの層を提供すること、導電性ペーストの層にスタンプをインプリントして、導電性ペーストのパターニングされた層を生成すること、パターニングされた層を完全に又は部分的に硬化すること、並びに、パターニングされた層からスタンプを分離することを含む。本開示の実施形態は更に、インプリントリソグラフィのためのスタンプを提供及び/又は利用する。スタンプは、ベース本体、及び、層にスタンプをインプリントしてパターンを生成するための複数の特徴を含み、複数の特徴はベース本体によって支持され、複数の特徴の少なくとも10%は、インプリントリソグラフィ中に中空の空間を生成するため、1.5以上、具体的には5以上のD/W比をもたらす特徴の幅Wと特徴の深さDを有する。
[0021] ロールツーロール(R2R)インプリントリソグラフィは、約1μm以下の分解能で、例えば、サブミクロン分解能で、特徴サイズを実現することができる。したがって、インプリントリソグラフィを利用する本開示による実施形態は、フレキシブル基板上に小さな特徴の製造を可能にしうる。
[0022] 幾何形状のインプリントには2つのモードがある。膜は堆積させて、インプリントすることが可能である。インプリントされた材料は、その後のエッチングでエッチングマスクとして機能しうる。代替的に、膜は堆積させて、インプリントすることが可能である。インプリントされた材料、例えば、レジスト材料は製品の永続的な部分となりえ、堆積膜を形成する。本開示の実施形態に利用可能なインプリントリソグラフィは、スタンプで材料層をインプリントすることによって、膜を所望の又は所定の形にパターニングしうる。
[0023] 本開示に記載の実施形態によれば、インプリントリソグラフィはR2Rプロセスに特に有利になりうる。R2Rプロセスは、膜の堆積時及びパターニングされた膜の製造時に、高い生産性を可能にする。例えば、薄膜などの膜、すなわち、数ナノメートルから数十ミクロンの厚さを有する材料層は、R2Rプロセスで堆積され、パターニングされうる。薄膜は、PET、PEN、COP、PI、TAC(トリアセチルセルロース)及び他の同様の基板などのプラスチック基板上に提供されうる。
[0024] 本開示の更なる実施形態によれば、薄膜の堆積及びパターニングはまた、コーニング・ウィロー・ガラスのような金属又は薄いガラス基板に適用されうる。例えば、薄膜はシートツーシートプロセスで製造されうる。これは、ガラスキャリアに接着されたガラス基板又はプラスチック基板に適用されうる。更なる実施形態は、例えば、プリント基板(PCB)製造で使用される金属基板、有機基板、ガラスコンポジット基板、例えば、集積回路(IC)パッケージングで使用されるABF(味の素ビルドアップ膜)、及び他のリジッド基板を対象にしうる。
[0025] 図1A及び図1Bは、インプリントリソグラフィによるパターニングの方法、及びインプリントリソグラフィに利用されるスタンプ110を示す。導電性ペーストの層102は、基板100の上に提供される。本開示の実施形態によれば、導電性ペーストは1.5Pa・s以上の粘性を有する。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる本開示の幾つかの実施形態によれば、導電性ペーストは連結ペースト(couple paste)又は銀ペーストになりうる。
[0026] 図1Bに示したように、パターニングされた層104にパターンを生成するため、スタンプ110は導電性ペーストの層102にインプリントされる(押し付けられる)。スタンプ110は、ベース本体112と複数の特徴114とを含む。スタンプの特徴は、例えば、スタンプ110の凹部によって形成されうる。スタンプの凹部はパターニングされた層104の突起になる。スタンプの特徴に対応するパターニングされた層の突起は、パターニングされた特徴と称されうる。
[0027] スタンプ110の各特徴114は、特徴の幅W及び特徴の深さDを有する。スタンプの特徴は、底面121、側面123、及び一又は複数の隣接上面122によって形成される。例示的に、図1Aはスタンプ110の断面を示し、特徴の幅Wが示されている。本開示の実施形態によれば、特徴はまた、図1Aの紙面とは平行でない方向に、例えば、図1Aに示した特徴の幅Wに垂直な方向に、第2の特徴の幅W’を有する。
[0028] 本開示の実施形態によれば、側面、底面及び上面を備える複数の特徴が提供されうる。例えば、各特徴は一又は複数の側面、底面を含み、上面によって囲まれうる。マルチレベルスタンプは更に、2つ以上の底面を含みうる。本書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、側面、底面及び上面のうちの少なくとも1つは被覆材で被覆(コーティング)される。
[0029] 幾つかの実施形態によれば、スタンプ110の複数の特徴114は同じ特徴の幅及び同じ特徴の深さを有しうる。追加的に又は代替的に、スタンプの異なる特徴は異なる特徴形状寸法、すなわち、異なる特徴の幅及び異なる特徴の深さを有しうる。なお更に、異なるサイズの2つ以上の特徴は、反復パターンを形成するため、反復的な方法で互いに隣り合うように配置されうる。
[0030] 本開示の幾つかの実施形態によれば、パターニングされた特徴は、ライン、ポール、トレンチ、孔、円、正方形、長方形、三角形、その他の多角形、ピラミッド形、プラトー、及びこれらの組み合わせ又はアレイからなる群から選択されうる。一般的に、パターニングされた特徴は、回路製造に使用される形状を含みうる。スタンプの特徴は対応する形状寸法を有し、突起は凹部に対応し、その逆も可能である。パターニングされた特徴は、回路内の導電線を製造するためのマスクを含みうる。
[0031] 本開示の幾つかの実施形態によれば、インプリントリソグラフィによるパターニングの方法は、ワイヤグリッド偏光子の製造に利用され、例えば、配線はパターニングされた特徴として提供される。例えば、配線は100nm以下のハーフページ(half page)、例えば、50nmから100nmを有しうる。
[0032] 図1Bに示したように、スタンプ110及び基板100は互いに取り外され、その結果、パターニングされた層104を形成するように、導電性ペーストの層102がインプリントされる。例えば、スタンプ110は基板に接触するまで下降されてよく、すなわち、基板に対して動かされてよい。代替的に、基板100がスタンプ110に対して動かされてもよい。なお更なる選択肢として、導電性材料の層102にスタンプ110をインプリントするため、基板100とスタンプ110の両方が動かされてもよい。
[0033] 本開示の幾つかの実施形態によれば、図5に関して例示的に説明されているように、スタンプ110はインプリントローラの一部であってよく、或いは、スタンプはローラに取り付け可能であってよく、これによりインプリンティングはR2Rプロセス中に実行されうる。R2Rプロセス中のインプリントリソグラフィに関しては、ローラは回転軸の周りに回転してよく、基板はローターの表面、例えば、円筒面上を移動する。例えば、基板の移送速度vは、公式v=r・wに従うローラの角速度wに対応しうる。ここで、Rはローラの半径である。すなわち、基板の移送速度は、半径方向に交差する方向の速度、すなわち、ローラの接線速度と同様になる。
[0034] 本開示の幾つかの実施形態によれば、インプリントリソグラフィプロセスはまた、自己整合型インプリントリソグラフィ(SAIL)プロセスになりうる。SAILプロセス、すなわち、マルチレベルインプリントリソグラフィプロセスに関しては、スタンプの凹部は、特徴の異なる部分に2つ以上の特徴深さを有しうる。これは薄膜にパターンを生成するのに非常に効率的になりうる。したがって、SAILプロセスはマルチレベルスタンプを含む。インプリントリソグラフィプロセス(例えば、SAILプロセス)による接続配線などの配線の製造は、幅が狭く、線間距離が短い配線が可能になる。
[0035] 本開示による、図1A及び図1Bに例示的に示された実施形態によれば、層102を形成するため、基板100上に導電性ペーストが提供される。導電性ペーストは、所望の構造を形成するスタンプ110によってインプリントされる。導電性材料は、例えば、UV光などの光、熱によって硬化される。硬化は、インプリントスタンプが基板から取り外す又は分離する前に、完全に或いは部分的に行われうる。例えば、硬化は、完全でないこともあるが、インプリントされた構造を損傷することなく、押し付けられたスタンプを分離することができるように、十分な構造的安定性をもたらす。
[0036] 導電性材料を完全に硬化するため、導電性材料はその後硬化されてもよい。スタンプの一又は複数の上面122に対応するスタンプ110の一部で、基板の上に残存材料が残っている場合には、残存材料を取り除くため、エッチングプロセスが提供されうる。例えば、パターン構造体間の手続き(procedural)の導電性ペーストを取り除くため、軽いエッチングが行われうる。このエッチングは湿式エッチング又は乾式エッチングになりうる。
[0037] 本書に記載の実施形態は、スタンプによって直接インプリントされる、基板上にパターニングされた層と称される。すなわち、パターニングされた層は、製品の永続的な部分を形成し、また、製造されたデバイスの層スタックの一部になる堆積膜を形成する。本開示の実施形態によれば、パターニングされた層104は、デバイス内の機能的な層を形成する。導電性ペーストは硬化されてデバイスの導電性の構造を形成し、例えば、その後のエッチング処理で除去されることはない。
[0038] 本開示の別の態様によれば、中空の空間214は、スタンプの一又は複数の上面122に対応するスタンプの一部に残ったフォトレジスト又は導電性ペースト材料の残存層を薄くすることができる。一方、スタンプが導電性ペーストをインプリントするときに置き換えられる空気と、例えば放出しうるガスを両方収容する中空の空間を提供するだけの十分に大きな特徴の深さを有しないスタンプは、結果的に残存材料が過剰になり、その場合、導電性ペーストの層102は厚くなりやすい。本開示によるスタンプは、基板上での材料の受容を減らす、或いは、全くなくす結果となる。
[0039] 図2は、本開示の実施形態によるスタンプ110を説明する別の実施形態を示す。スタンプ110はベース本体112と特徴114を含む。特徴は、幅W(及び、1つの断面図、すなわち、図2には示されていない更なる幅W’)及び深さDを有する。図2に示したように、スタンプ110は、スタンプ110の特徴114の底面121とパターニングされた層104の表面221との間に、中空の空間214をもたらすのに十分に大きい、深さDの特徴を有しうる。
[0040] 導電性ペーストによるインプリントリソグラフィのプロセスの一態様は、硬化処理(部分硬化又は完全な硬化)中に導電性ペーストがガスを放出することである。スタンプ110の特徴114の深さによってもたらされる中空の空間214は、材料がスタンプの特徴を完全に充填しないインプリントリソグラフィを引き起こす結果となる。したがって、ガスは放出される空間を有する。
[0041] 導電性ペーストから放出されうるガスの量は、導電性ペースト内の材料の沸点、中空の空間の容積、硬化の程度、スタンプの更なる構造的特徴(例えば、図3を参照)、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つによって調整可能である。
[0042] 例えば、導電性ペーストに材料を追加することが可能で、これにより粘度を増減させることができる。これは結果として、スタンプを分離する前に規定されうる又は規定される硬化時間の調整を可能にする。沸点の低い溶媒がレジストに添加されてもよく、例えば、硬化中に放出されるガスの量を増やすために、沸点の低い溶媒をレジストに滴定してもよい。中空の空間214の容積が増すと、中空の空間の圧力が高まるまでの時間が長くなりうるため、ガスの放出を弱めうる。また更に、図3に示したように、特徴114は、スタンプからガスを逃がすための開口部314又は穿孔を有しうる。また更なる実施例として、硬化は真空条件下、例えば、技術的真空下で起こることもあり、更に、特に開口部又は穿孔を有する中空の空間内のガス圧に影響しうる。
[0043] 本開示の実施形態によれば、放出されたガスはスタンプの分離を促進するような方法で使用される。例えば、(1)放出されたガスが分離を促す時間と、(2)分離時の硬化の程度との間には、何らかの相互作用がありうる。スタンプの分離促進に影響するように相互作用しうる更なる態様は上述のとおりで、導電性ペーストの粘度、導電性ペースト内の材料の沸点、中空の空間の容積、硬化の程度、スタンプの更なる構造的特徴(例えば、図3を参照)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの要素になりうる。
[0044] 図2は特徴114を有するスタンプ110の実施形態を例示的に示し、特徴の深さは、導電性ペーストの層102にスタンプをインプリントしたとき、中空の空間214を有するように提供される。このようにスタンプは提供される。スタンプは、ベース本体及び、層にスタンプをインプリントしたときパターンを生成するための複数の特徴を含み、複数の特徴はベース本体によって支持され、複数の特徴の少なくとも10%は、インプリントリソグラフィ中に中空の空間を生成するため、5以上のD/W比をもたらす特徴の幅Wと特徴の深さDを有する。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる本開示のなお更なる実施形態によれば、インプリントリソグラフィによってもたらされる導電性材料のパターンは、本書に記載のように、電気メッキの更なる製造プロセスにさらされうる。電気メッキは、パターンの特徴の上に更なる導電性材料を成長又は堆積させる。したがって、インプリントリソグラフィによって製造され、パターニングされた層は、更なる製造プロセスのシード層になりうる。
[0045] 本書に記載のように、1つの方向の特徴の幅はこの方向の最大寸法である。同様に、特徴の深さが最大であれば、それが特徴の深さとなる。マルチレベルのスタンプ設計に関しては、1つの特徴は、同じ方向に2つ以上の幅及び2つ以上の深さを有しうる。例えば、円筒形の特徴の幅は一般的に直径であり、円筒形の特徴の深さは一般的に各円筒形の高さになる。更なる実施例として、矩形の特徴の幅と高さは、一般的に対応する矩形の直方体の寸法によって提供される。
[0046] 図3は、本開示の一実施形態によるスタンプ110の更なる実施例を示す。図3は、スタンプ110が導電性ペーストにインプリントされた後、基板100の上にパターニングされた層104を示す。スタンプ110の特徴の深さは、パターニングされた層104と特徴のボタン表面との間に中空の空間214を有するように十分に大きい。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる本開示の一部の実施形態によれば、中空の空間214は開口部314を介して別の領域と流体連通しうる。例えば、開口部314は、特にスタンプ110のベース本体内の穿孔になりうる。本開示の実施形態によれば、開口部、例えば、ベース本体内の複数の開口部は、中空の空間との間でガスの流出入を可能にするように構成されうる。
[0047] 開口部314又は穿孔は、硬化時に導電性ペーストから放出されるガスを逃がすことができる。幾つかの実施形態によれば、開口部314はスタンプ110のベース本体を通って延在することができる。したがって、開口部は中空の空間214とスタンプ110の外側の領域との間に流体連結を設けることができる。例えば、技術的真空下で行われるパターニングに関しては、スタンプの外側の領域は10mbar以下、或いは1mbar以下の圧力を有する。
[0048] 幾つかの実施形態によれば、開口部314(又は穿孔)のサイズは50μmから500μmまでの範囲になりうる。更なる実施形態によれば、特徴の中空の空間214に対して流体連結される2つ以上の開口部314は、共通のチャネル又は共通の更なる中空の空間へ、特に、特徴の中空の空間214の容積よりも少なくとも100倍(又は、10000倍も)大きい容積を有する更なる中空の空間へと開いていてもよい。
[0049] 上述のように、インプリントリソグラフィプロセス中にインプリントされた層の硬化中又は事前硬化中に起こる、導電性ペーストからのガスの放出に影響を及ぼすには、複数のオプションがある。例えば、特徴の形状、材料組成などに関して所望の通りにパターニングした層を提供するため、これらのオプションは他のオプションと組み合わせて、導電性ペーストのガス放出を調整することができる。更に、図4A及び図4Bに関して説明されているように、オプションは追加的に又は代替的に組み合わせて、基板からのスタンプの分離を支援することができる。
[0050] 図4Aはベース本体112を有するスタンプ110を示す。パターニングされた層104を生成するため、スタンプ110は導電性ペーストの層に部分的にインプリントされる。例えば、パターニングされた層104は基板上に提供されうる。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる幾つかの実施形態によれば、導電性ペーストの層又はパターニングされた層が基板の上に、或いは基板の上方に提供されうる。特に、層は基板に直接接触するように提供可能であり、或いは、一又は複数の更なる層は、基板と導電性ペーストの層との間に(結果としてデバイスのパターニングされた層に)提供されうる。
[0051] 図4Aに示したように、中空の空間214がパターニングされた層104の上方に提供される。スタンプの特徴の凹部は、導電性ペーストによって完全には充填されていない。図4Aは、スタンプの上面と基板との間に小さな空間を有する状況を示している。図4Bは、ベース本体112を有するスタンプ110が導電性ペースト内に完全にインプリントされている状況を示す。スタンプの上面は、構造体又は導電性ペーストの下の層、例えば、図4Bに示したように基板100に接触する。加えて、図4Bに示した状況は、導電性ペーストとスタンプ110との間に中空の空間214を有する。中空の空間214は、導電性ペーストからのガスの放出を可能にする。ガスの放出は、中空の空間214内の圧力を高める。例えば、導電性ペーストからのガスの放出によって引き起こされる圧力は、スタンプの特徴の少なくとも10%、具体的にはスタンプの特徴の少なくとも50%、更に具体的には、スタンプの特徴の少なくとも90%の中空の空間内で増大する。中空の空間内の圧力は、矢印402で示した力をもたらし、基板100からのスタンプ110の分離を支援するか、スタンプ110を分離しうる。
[0052] 本開示の実施形態によれば、圧力、及びその結果として、基板からスタンプを分離する際に分離方向に作用する力は、中空の空間の容積を小さくすること、導電性ペーストの粘度を小さくすること、硬化時間を長くすること、導電性ペーストに沸点の低い溶媒を添加すること、穿孔のサイズを小さくすること(又は、穿孔を設けないこと)、或いはこれらの組み合わせによって、増強することができる。本開示の実施形態によれば、圧力、及びその結果として、基板からスタンプを分離する際に分離方向に作用する力は、中空の空間の容積を大きくすること、導電性ペーストの粘度を大きくすること、硬化時間を短くすること、導電性ペーストに沸点の低い溶媒の添加量を減らすこと、穿孔のサイズを大きくすること(又は、穿孔を設けること)、或いはこれらの組み合わせによって、軽減することができる。上記に照らして、本開示の実施形態は、インプリントリソグラフィプロセスの改良のため、スタンプに作用する所定の、又は所望の力を提供することができる。
[0053] 追加的に又は代替的に提供されうる、インプリントリソグラフィプロセス、例えばSAILプロセスの更なる詳細は、図5に例示的に示される。本書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態によれば、インプリントリソグラフィの方法及びインプリントリソグラフィのスタンプは、ロールツーロールプロセス(R2Rプロセス)に含まれうる、及び/又はロールツーロールプロセス(R2Rプロセス)で利用されうる。インプリントステーションは、ローラ510の軸514の周りに回転できるローラ510を含みうる。図5は矢印512によって回転を示す。ローラ510が回転すると、ローラに取り付けられた、又はローラの一部分であるスタンプ110のパターンは、導電性ペーストの層102にインプリントされる。
[0054] 図5で示されるように、ローラ510は、その上に設けられている、或いはローラの一部分であるスタンプ110を有する。ローラ510と例えば別のローラ502との間の間隙を通して基板100を動かしたとき、スタンプ110のパターンが層102内にエンボス加工される。結果として、パターニングされた層104ができる。矢印503は、他のローラ502の軸504の周りの他のローラ502の回転を示す。図5の矢印101は、ローラ510とローラ502との間の間隙を通る基板100の動きを示す。ローラは矢印5012及び矢印503によって示されているように回転する。例えば、本開示の幾つかの実施形態によれば、矢印101に沿った基板の移送速度は、半径方向に交差する方向の速度、すなわち、ローラの接線速度と同様になる。
[0055] 本開示の実施形態によれば、R2R装置にはインプリントリソグラフィが提供可能で、インプリントフォトグラフィは導電性ペーストで行われ、特に、導電性ペーストは製造されるデバイスの機能的な層になっている。導電性ペーストの層にスタンプ又はインプリントローラをインプリント又はエンボス加工する前に、導電性ペーストが基板に接して、又は基板の上方に提供される。
[0056] 図5は、基板100に接して、又は基板100の上方に導電性ペーストを塗布する堆積ユニット544を示す。導電性ペーストを塗布することによって、導電性材料の層102を準備する。例えば、一又は複数の堆積ユニット544は、メニスカス被覆、スロットダイ被覆、ドクターブレード被覆、グラビア被覆、フレキソ被覆、スプレー被覆を用いて、層102を被覆することができる。導電性ペーストの層102が堆積した後、層102にパターンをエンボス加工してパターニングされた層104を生成するため、スタンプ110が使用される。
[0057] 本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる本開示の幾つかの実施形態によれば、インプリントされた導電性ペーストは硬化ユニット532によって硬化される。硬化ユニット532は、発光ユニット、及び、層でのスタンプのインプリント中に層を硬化するように構成された加熱ユニットからなる群から選択可能で、発光533が行われる。例えば、発光ユニットはUV光で、特に410nm〜190nmの範囲の波長で発光する。別の実施例の発光ユニットはIR光で、特に9〜11マイクロメートルの範囲の波長(CO2レーザー)で発光する。別の実施例の発光ユニットは、IRからUVまでの幅広い光で、特に3マイクロメートルから250nmまでの波長で発光する。この発光は、光学フィルタを使用して、黒体放射の一部だけを選択するようにフィルタ処理されうる。
[0058] 本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせうる更なる実施形態によれば、オプションにより、基板処理の結果を評価する光学的測定ユニットが提供されうる。
[0059] 図5は硬化ユニット532を示す。硬化ユニット532は、スタンプ110が導電性ペーストの層にインプリントされる間に、導電性ペーストを部分的に又は完全に硬化するように構成されている。本開示の実施形態によれば、硬化の程度は、硬化ユニットの強度、例えば、光の強度又は熱放出の強度によって、調整可能である。追加的に又は代替的に、硬化の程度は、ローラ510と基板100の回転速度によって調整可能である。
[0060] 硬化ユニット532による部分硬化の場合には、第2の硬化ユニット534が硬化ユニット532の下流に設けられ、第2の発光535が行われる。第2の硬化ユニット534は、部分硬化しているパターニングされた層104を完全に硬化することができる。
[0061] 本開示の実施形態によれば、導電性ペーストがインプリントリソグラフィによってインプリントされる。インプリントされた材料、例えば、レジスト材料は製品の永続的な部分となりえ、堆積膜を形成する。本書に記載の実施形態は、スタンプによって直接インプリントされる、基板上のパターニングされた層について言及している。すなわち、パターニングされた層は、製品の永続的な部分を形成し、また、製造されたデバイスの層スタックの一部になる堆積膜を形成する。本開示の実施形態によれば、パターニングされた層104は、デバイス内の機能的な層を形成する。
[0062] 図6は、本開示の実施形態による、インプリントリソグラフィでパターニングする方法のフロー図を示している。ボックス602によって示されているように、導電性ペーストの層が提供される。導電性ペーストは0.3Pa・s以上の粘度を有する。導電性ペーストは、本方法によって製造されうるデバイスに機能的な層を形成するように構成されている。ボックス604によって示されているように、方法は、導電性ペーストのパターニングされた層を生成するため、導電性ペーストの層でのスタンプのインプリンティング又はエンボス加工を含む。ボックス606は更に、パターニングされた層の完全な又は部分的な硬化を示す。本開示の他の実施形態と組み合わされうる幾つかの実施形態によれば、スタンプはパターニングされた層から分離され、硬化中に導電性ペーストからスタンプの特徴の中空の空間へ放出されたガスの圧力は特に、スタンプの分離を支援するか、基板のパターニングされた層からスタンプを分離しうる。本開示の他の実施形態と組み合わされうる、なお更なる実施形態によれば、ボックス604は、導電性ペーストの層でのスタンプのインプリンティング又はエンボス加工、特に、導電性ペーストの部分的な硬化、及び導電性ペーストの層からのスタンプの分離を含みうる。
[0063] 本開示の実施形態は、例えば、小さな特徴サイズが提供されうるデバイスの機能的な層を形成する、インプリントリソグラフィによる導電性ペーストのインプリンティングと、中空の空間を考慮して特徴の深さを設けることによって、パターニングされた層の硬化中に導電性ペーストからガスの放出を可能することと、中空の空間に放出されたガスの圧力の増減、特に調整及び/又は制御を可能にするため、中空の空間に流体連結された中空の空間及び/又は開口部を設計することと、中空の空間の圧力により、スタンプ分離の力又はスタンプの分離を支援する力を提供することと、硬化後にパターニングされた層の残存物質を減らすことと、高アスペクト比での導電性材料のパターニングを可能にすることと、フレキシブル基板上での小さな特徴の製造を、特に高い生産性で可能にすることと、及び/又は、自己整合された導電層の製造を可能にすることとを含む、幾つかの利点を有する。
[0064] 以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。