JP2016057356A - 凹凸構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】型(モールド)の底に樹脂が残存することを抑制し、かつ、型の寿命を延ばすことが可能な凹凸構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】高さが50nm〜1000nm、かつ、ピッチが20nm〜1000nmである凹凸パターンを備える型、および硬化性組成物が塗布された基材を、前記硬化性組成物に前記凹凸パターンを接触させて押圧し、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、前記硬化性組成物を前記凹凸パターンに導入する導入工程と、導入された前記硬化性組成物を硬化する硬化工程と、前記硬化性組成物を硬化させて得られた凹凸構造を備える前記基材を、前記型から離型する離型工程と、を含む、凹凸構造体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、凹凸構造体の製造方法に関する。
ナノインプリントリソグラフィー(NIL)は、モールド(型)と基材とで樹脂を挟み込み、モールドのナノメートルオーダーのパターンを転写する微細加工技術である。なかでも、UVナノインプリントリソグラフィー(UV−NIL)は、反射防止構造を有するフィルム(ARSフィルム)の大量製造に有用な技術であり、ARSフィルムは、半導体等の電子デバイス、光デバイス、記録メディア等に広く利用されている。より具体的には、ARSフィルムは、スマートフォン、タブレット、タッチパネル、太陽電池、LEDなどの表面に貼り付けて使用される。
また、ナノインプリントリソグラフィーの例として、光硬化性樹脂を成形するための微細パターンを表面に有する含フッ素重合体層を備えるテンプレートの製造方法、および該テンプレートの微細パターンが転写された表面を有する光硬化性樹脂の硬化物からなる微細パターン成形体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
他にも、モールド、および該モールドを用いた光硬化性樹脂の硬化物からなる転写微
細パターンを有する基材の製造方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2007−245702号公報 国際公開第2006/059580号
従来、凹凸パターンが設けられたモールドに樹脂を隙間なく充填して凹凸パターンを転写しているが、特に、モスアイ構造のように先端部がとがっている場合の転写に関しては、その先端部が折れやすく、モールドの底に樹脂が残ってしまうという問題がある。その結果、モールドの転写回数(使用回数)が少なくなり、モールドの寿命が短いという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、型(モールド)の底に樹脂が残存することを抑制し、かつ、型の寿命を延ばすことが可能な凹凸構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 高さが50nm〜1000nm、かつ、ピッチが20nm〜1000nmである凹凸パターンを備える型、および硬化性組成物が塗布された基材を、前記硬化性組成物に前記凹凸パターンを接触させて押圧し、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、前記硬化性組成物を前記凹凸パターンに導入する導入工程と、導入された前記硬化性組成物を硬化する硬化工程と、前記硬化性組成物を硬化させて得られた凹凸構造を備える前記基材を、前記型から離型する離型工程と、を含む、凹凸構造体の製造方法。
<2> 前記導入工程では、0.005MPa〜1MPaの圧力で前記型および前記基材を押圧する、<1>に記載の凹凸構造体の製造方法。
<3> 前記凹凸パターンのアスペクト比は10以下である、<1>または<2>に記載の凹凸構造体の製造方法。
<4> 前記硬化性組成物の粘度は、5×10−3Pa・s〜5Pa・sである、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
<5> 前記硬化性組成物を硬化させた後の平膜状態における硬度は、JIS K5600−5−4(1999)に規定されている鉛筆硬度にて、B〜8Hである、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
<6> 前記導入工程では、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さの30%〜80%である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
<7> 前記凹凸パターンの表面に離型処理が施されている、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
<8> 前記硬化性組成物は、光硬化性組成物であり、前記硬化工程は、前記光硬化性組成物に光を照射することにより前記光硬化性組成物を硬化する、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
<9> 前記凹凸構造のピッチに対する前記型の前記凹凸パターンのピッチの割合は、0.8〜1.5である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の凹凸構造体の製造方法。
本発明によれば、型(モールド)の底に樹脂が残存することを抑制し、かつ、型の寿命を延ばすことが可能な凹凸構造体の製造方法を提供することができる。
本実施形態の凹凸構造体の製造工程を示す概略図である。 本実施形態で得られる凹凸構造体を示す概略図である。 実施例1および比較例1におけるインプリント回数と離型力および接触角との関係を表すグラフである。 実施例1および比較例1における波長と反射率との関係を表すグラフである。 実施例1および比較例1における波長と透過率との関係を表すグラフである。 実施例1および比較例1で用いたマスターモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は断面図である。 実施例1において、インプリントを150、250、350回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像である。 比較例1において、インプリントを50、75、100回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像である。 実施例2および比較例2で用いたレプリカモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例2において、インプリントを100回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例2において、インプリントを150回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例2において、インプリントを250回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 比較例2において、インプリントを50回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 比較例2において、インプリントを150回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 比較例2において、インプリントを200回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例2および比較例2で用いたレプリカモールドにおける波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。 実施例2および比較例2における波長と反射率との関係を表すグラフである。 実施例2および比較例2における波長と透過率との関係を表すグラフである。 実施例2および比較例2におけるインプリント回数と離型力および接触角との関係を表すグラフである。 実施例3で用いたマスターモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例3において、インプリントを50回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例3における波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。 実施例4において、インプリントを50回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。 実施例4における波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。 実施例1、2および比較例1、2で用いた離型力測定装置を示す概略図である。 従来のナノインプリントで製造される凹凸構造体を示す概略図である。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
〔凹凸構造体の製造方法〕
以下、本発明に係る凹凸構造体の製造方法の一実施形態について説明する。本実施形態に係る凹凸構造体の製造方法は、高さが50nm〜1000nm、かつ、ピッチが20nm〜1000nmである凹凸パターンを備える型、および硬化性組成物が塗布された基材を、前記硬化性組成物に前記凹凸パターンを接触させて押圧し、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、前記硬化性組成物を前記凹凸パターンに導入する導入工程と、導入された前記硬化性組成物を硬化する硬化工程と、前記硬化性組成物を硬化させて得られた凹凸構造を備える前記基材を、前記型から離型する離型工程と、を含む。
本実施形態では、ナノスケールの微細な凹凸パターンを備える型(モールド)に硬化性組成物が塗布された基材を押し付けた後、硬化性組成物を硬化させて基材上に凹凸構造(特に、モスアイ構造)を形成することで、凹凸構造体が得られる。
本実施形態の凹凸構造体の製造方法では、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さ(以下「硬化性組成物の高さ」とも称する。)が凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の量を調整する。通常では、成形パターンの精度の観点から、モールドの凹凸パターンに硬化性組成物が隙間なく充填(フル充填)されるように制御するが、本実施形態では、モールドの凹凸パターンに硬化性組成物が隙間を有して充填(半充填)されるように制御する。
本明細書において、「半充填」とは、モールドの凹凸パターンの底まで隙間なく硬化性組成物が充填(フル充填)されるのではなく、凹凸パターンの底まで硬化性組成物が充填されずに凹凸パターンに隙間が生じるように充填することをいう。
本実施形態のように凹凸パターンに導入される硬化性組成物の量を調整した場合であっても、反射防止性および透過性に関して十分な機能を有する凹凸構造体が得られる。また、モールドの凹凸パターンの底(凹部の底)に硬化性組成物が導入されないため、モールドの底に硬化性組成物が残存することを抑制できる。モールドの底への硬化性組成物の残存を抑制できることから、所望の機能を有する凹凸構造体を繰り返し製造することが可能である。よって、モールドの使用回数を増やす、つまり、モールドの寿命を延ばすことが可能である。
さらに、本実施形態の凹凸構造体の製造方法は、ナノインプリントリソグラフィー(NIL)における生産性の向上およびコストの低下に貢献することが可能である。
硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の量を調整するためには、例えば、硬化性組成物の成分、粘度など;モールドの材質、形状(例えば、高さ、ピッチ、アスペクト比)など;凹凸パターンに硬化性組成物を導入する際の圧力;凹凸パターン表面の離型処理;などを設定すればよい。
以下、これらの事項について詳細に説明する。
(モールド)
本実施形態では、ナノスケールの微細な凹凸パターンを備えるモールドを使用し、具体的には、凹凸パターンの高さが50nm〜1000nmであり、凹凸パターンのピッチが20nm〜1000nmであるモールドを使用する。なお、凹凸パターンの高さは凹部の深さを指し、凹凸パターンのピッチは隣接する2つの凹部底の先端部間の距離(凹部の底が平坦な場合は、隣接する2つの凹部底の中心部間の距離)を指す。
モールドとしては、マスターモールドを用いてもよく、マスターモールドを用いて成形されたレプリカモールドを用いてもよい。レプリカモールドは、マスターモールドよりも安価で量産性に適しているため、レプリカモールドを使用することが好ましい。
マスターモールドの材料としては、例えば、シリコン(Si)、石英、ニッケル(Ni)、シリコンカーバイド(SiC)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、陽極酸化アルミナ、グラッシーカーボンなどが挙げられる。
また、レプリカモールドの無機系の材料としては、シリコン(Si)、ニッケル(Ni)などが挙げられる。レプリカモールドの樹脂系の材料としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ウレタン系UV硬化ポリマー、テフロン(登録商標)、フルオロポリマー、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。
マスターモールドは、例えば、上述した材料の表面に凹凸パターンを形成することで得られる。凹凸パターンを形成する際は、例えば、リソグラフィ、電子ビーム加工、イオンビーム加工、陽極酸化などを材料の表面に施せばよい。
マスターモールドからレプリカモールドを成形する方法は、特に限定されない。例えば、マスターモールドを基板上に設けられた硬化性組成物等の被転写材に押し付けることによって被転写材をモールドの凹凸パターンに充填して成形した後、被転写材を硬化し、マスターモールドを被転写材から離型することにより、マスターモールドの凹凸パターンが転写されたレプリカモールドを作製してもよい。
レプリカモールドを作製する場合には、低い表面張力を持つ、フッ素系モノマー類、シリコン化合物類、フッ化シリコン化合物類から少なくとも1つ以上の化合物を上記硬化性組成物に添加することが好ましい。
低表面張力の化合物としては、例えば、各々の反応基を持たない化合物、反応基を持つ、フッ素化アクリレート、フッ素化メタクリレート、フッ素化エポキシ、シリコンアクリレート、シリコンメタクリレート、シリコンエポキシ、フッ化シリコンエポキシ化合物、フッ化シリコンアクリレート化合物、およびフッ化シリコンメタクリレート化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることが好ましい。
低表面張力の化合物は、硬化性組成物100質量部に対して、0.05質量部〜20質量部添加されていることが好ましく、0.1質量部〜8質量部添加されていることがより好ましい。
モールドの凹凸パターンの高さとしては、50nm〜1000nmであれば特に限定されないが、100nm〜500nmであることが好ましく、100nm〜300nmであることがより好ましい。
また、モールドの凹凸パターンのピッチとしては、20nm〜1000nmであれば特に限定されないが、30nm〜500nmであることが好ましく、50nm〜150nmであることがより好ましい。
モールドの凹凸パターンの高さおよびピッチが上記数値範囲内にあることにより、半充填により成形する場合の効果が良好に得られ、反射防止性および透過性に関して十分な機能を有する凹凸構造体を製造することができる。
さらに、モールドの凹凸パターンのアスペクト比(凹凸パターンの高さ/凹凸パターンのピッチ)としては、10以下であることが好ましく、5以下であることが好ましく、4以下であることが好ましい。アスペクト比の下限としては、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。
モールドの凹凸パターンの表面には離型処理が施されていることが好ましい。離型処理により、凹凸パターンの表面に硬化性組成物が付着しにくくなり、後述する離型工程にて基材からモールドが離型しやすくなる。離型処理としては、凹凸パターンの表面に離型剤を塗布する処理が挙げられる。
離型剤としては、公知のものを用いればよく、例えば、公知のフッ素系樹脂、炭化水素系潤滑剤、フッ素系潤滑剤、フッ素系シランカップリング剤等があげられ、中でもフッ素系シランカップリング剤が好ましい。また、離型剤は、1種類のみを使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
モールドの接触角(凹凸構造体作製前)としては、水に対して60°〜180°であることが好ましく、70°〜140°であることがより好ましい。接触角は、全自動接触角計DM−701(協和界面科学社製)を用いて測定した。
(基材)
本実施形態で用いる基材は、硬化性組成物が塗布されており、後述する導入工程および離型工程を経ることにより、凹凸構造が形成される部材である。基材の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリ塩化ビニル、ガラスなどが挙げられる。
また、硬化性組成物が光により硬化する光硬化性組成物の場合、基材は透明性を有することが好ましい。これにより、基材側から光を照射して硬化性組成物を硬化させることが可能である。
基材の形状としては、特に限定されず、基板状、フィルム状、シート状などが挙げられるが、シート状であれば凹凸構造体の各製造工程を連続化でき、高スループット化を図ることができるため好ましい。
また、密着性、帯電防止性、耐擦傷性、耐候性等の特性の改良を目的として、基材の表面に、コーティング、コロナ処理等が施されていてもよい。
(硬化性組成物)
本実施形態で用いる硬化性組成物は、基材上に凹凸構造を形成するために用いられる。具体的には、基材に塗布された硬化性組成物を導入工程にてモールドの凹凸パターンに導入し、導入された硬化性組成物を硬化工程にて硬化することにより、基材上に凹凸構造が形成される。
硬化性組成物としては、例えば、活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化性組成物、熱で硬化する熱硬化性組成物などが挙げられる。また、硬化性組成物としては、活性エネルギー線または熱で硬化するラジカル重合性組成物、カチオン重合性組成物、アニオン重合性組成物等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線などが挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性組成物としては、紫外線、可視光線、赤外光線などの光で硬化する光硬化性組成物が好ましく、中でも紫外線で硬化する光硬化性組成物が好ましい。
光硬化性組成物としては、紫外線、可視光線、赤外光線などの光で硬化する光ラジカル重合性組成物、光カチオン重合性組成物、光アニオン重合性組成物等が挙げられ、中でも光ラジカル重合性組成物としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、光カチオン重合性組成物としてはエポキシ樹脂等の硬化性樹脂が好ましい。
また、光硬化性組成物は、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含むことが好ましく、光硬化性組成物(硬化性組成物についても同様)は、さらに必要に応じて、カップリング剤、有機溶剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、着色剤、無機質充填剤などを含むことが好ましい。
重合性モノマーとしては、例えば、ラジカル重合性モノマー、カチオン重合性モノマーなどが挙げられるが、カチオン重合性モノマーであることが好ましい。
また、光重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤などが挙げられるが、光カチオン重合開始剤であることが好ましい。
−カチオン重合性モノマー−
カチオン重合性モノマーとしては、環状エーテル化合物が好ましく、環状エーテル化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましい。2種類以上のエポキシ化合物またはオキセタン化合物を併用してもよく、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を併用してもよい。
エポキシ化合物としては、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、もしくは脂環型の化合物、これら化合物の変性体が挙げられる。
エポキシ化合物は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、水添ビスフェノールA型エポキシ、水添ビスフェノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、臭素化ビスフェノールA型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、フルオレン型エポキシ、スピロ環型エポキシ、ビスフェノールアルカン類エポキシ、フェノールノボラック型エポキシ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ、臭素化クレゾールノボラック型エポキシ、トリスヒドロキシメタン型エポキシ、テトラフェニロールエタン型エポキシ、脂環型エポキシ、アルコール型エポキシ、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ、トルイジン型エポキシ、アニリン型エポキシ、アミノフェノール型エポキシ、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、ヒンダトイン型エポキシ、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジフェニルエーテル型エポキシ、ジシクロペンタジエン型エポキシ、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエーテル、シリコーン変性エポキシ、ケイ素含有エポキシ、ウレタン変性エポキシ、NBR変性エポキシ、およびCTBN変性エポキシからなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
オキセタン化合物は、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、およびビス−(オキセタン)テレフタレートからなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
−光カチオン重合開始剤−
光カチオン重合開始剤としては、オニウム塩類が挙げられる。オニウム塩類としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩などが挙げられる。
オニウム塩類の多くは、ハロゲン金属錯体アニオン(BF 、PF 、AsF 、SbF 、B(C )、(RF)PF6−nなどを対イオンとして有している。さらに[{C5(R2m+[{B(R(式中、Mは中心核遷移金属であり;C5はシクロペンタジエニルを表し;Rはシクロペンタジエニルの炭素に結合する電子供与性置換基であり;nは4又は5であり;mは1又は2であり;lは1又は2であり;Rはホウ素原子(B)に配位する配位子であり、4つのRは同一である)で表される、メタロセンとボラート化合物とを組み合わせたイオン会合体結晶性物質なども光カチオン重合開始剤として挙げられる。
カチオン重合性モノマーとの光重合反応では、カチオン重合性モノマー100質量部に対して光カチオン重合開始剤を0.1質量部〜10質量部の量で配合することが好ましく、0.5質量部〜6質量部の量で配合することがより好ましい。
−カップリング剤−
硬化性組成物は、カップリング剤を含んでいてもよい。これにより、硬化性組成物と基材との密着性を高めることができる。
カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタネート系、アルミネート系などが挙げられる。
カップリング剤としては、例えば、一般式(X)−Si(CH−Yで表されるシランカップリング剤がありXは塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ、アセトキシ基等であり、メチル基を含む場合もある。また、nは0から3である。Yはビニル基、エポキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリル基、アミノ基、スルフィド基、ウレイド基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、スチリル基、メルカプト基等が挙げられる。
カップリング剤としてより具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一つのカップリング剤であることが好ましい。
カップリング剤は、硬化性組成物100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の量で配合することが好ましく、0.5質量部〜5質量部の量で配合することがより好ましい。
−有機溶剤−
硬化性組成物は、有機溶剤により希釈されていてもよい。有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、エーテルアセタールエステル類、ケトン類、窒素化合物類から選ばれる溶剤が挙げられる。
有機溶剤としては、より具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、スチレン、オクタンデカン、石油エーテル、石油ナフサ、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種の有機溶媒であることが好ましい。
有機溶剤は、硬化性組成物100質量部に対して、0.1倍量〜20倍量で使用されることが好ましい。
−硬化性組成物の物性−
硬化性組成物の物性としては、粘度、硬化後の硬度などが挙げられる。
硬化性組成物の粘度としては、25℃で5×10−3Pa・s〜5Pa・s(5cps〜5000cps)であることが好ましく、10−2Pa・s〜0.5Pa・s(10cps〜500cps)であることがより好ましい。
硬化性組成物を硬化させた後の平膜状態における硬度としては、JIS K5600−5−4(1999)に規定されている鉛筆硬度にて、B〜8Hであることが好ましく、3H〜7Hであることがより好ましい。
本実施形態では、モールドの凹凸パターンの底に硬化性組成物が導入されないため、硬化後に硬度が高く、かつ折れやすい硬化性組成物を用いた場合であっても、先端部が折れてモールドの凹凸パターンの底に残存することを抑制できる。
以下、本実施形態の凹凸構造体の製造方法における各工程について図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態の凹凸構造体の製造工程を示す概略図であり、図2は、本実施形態で得られる凹凸構造体を示す概略図である。
本実施形態の凹凸構造体10は、基材1に塗布された硬化性組成物3をモールド2の凹凸パターンに導入する導入工程と、導入した硬化性組成物3を硬化する硬化工程と、硬化させて得られた凹凸構造を備える基材1をモールド2から離型する離型工程と、を含む。
図1の(a)に示すように、インプリント装置100は、ステージ5、プッシュジグ6、送り出しローラ7および巻き取りローラ8を備えている。インプリント装置100は、凹凸構造体10(凹凸構造を備える基材1)を製造するための装置である。
ステージ5は、モールド2を置いて固定するための台である。図1の(a)に示すように、凹凸パターンと、硬化性組成物3が塗布された基材1と、が対面するようにモールド2をステージ5に固定する。
プッシュジグ6は、ステージ5を昇降させるためのものであり、モールド2をステージ5上に固定することにより、モールド2を昇降させる。
モールド2を固定したステージ5を上昇させることにより、硬化性組成物3が塗布された基材1と、モールド2の凹凸パターンと、を接触させることができ、さらに上昇させることにより、硬化性組成物3を凹凸パターンに導入することができる。
また、モールド2を固定したステージ5を下降させることにより、後述するように、凹凸構造を備える基材1をモールド2から離型することができる。
図に示すように、シート状の基材1は、送り出しローラ7および巻き取りローラ8に巻きつけられている。
送り出しローラ7は、巻きつけたシート状の基材1をモールド2が固定されたステージ5側に送り出すためのローラであり、巻き取りローラ8は、巻きつけたシート状の基材1をモールド2が固定されたステージ5側から巻き取るためのローラである。
[導入工程]
本実施形態の凹凸構造体10の製造方法は、図1の(b)に示すように、硬化性組成物3が塗布された基材1および凹凸パターンを備えるモールド2を、硬化性組成物3に凹凸パターンを接触させて押圧し、凹凸パターンに導入される硬化性組成物3の高さが凹凸パターンよりも小さい高さになるように、硬化性組成物3を凹凸パターンに導入する導入工程を含む。
なお、導入工程前に基材1に硬化性組成物が塗布される。硬化性組成物の塗布方法は、特に限定されない。
導入工程では、モールド2を固定したステージ5を一定速度で上昇させることにより、硬化性組成物3が塗布された基材1と、モールド2の凹凸パターンと、を接触させた後、図2の(a)に示すように、硬化性組成物3が塗布された基材1および凹凸パターンを備えるモールド2を一定圧力で押圧する。これにより、凹凸パターンに導入される硬化性組成物3の高さが前記凹凸パターンよりも小さい高さになるように、硬化性組成物3を前記凹凸パターンに導入する。
導入工程では、モールドおよび基材を0.005MPa〜1MPaの圧力で押圧することが好ましく、0.01MPa〜0.2MPaの圧力で押圧することがより好ましく、0.01MPa〜0.03MPaの圧力で押圧することがさらに好ましく、0.01MPa〜0.02MPaの圧力で押圧することが特に好ましい。0.005MPa以上の圧力で押圧することにより、十分な量の硬化性組成物を凹凸パターンに導入することができ、その結果、透過性および反射防止性に関して優れた機能を有する凹凸構造体が得られる。また、1MPa以下の圧力で押圧することにより、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の量を好適に調整することができるため、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンよりも小さい高さになるように調整することができる。
硬化性組成物として、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの光硬化性樹脂を用いた場合、モールドおよび基材を0.005MPa〜0.03MPaの圧力で押圧することが好ましく、0.01MPa〜0.02MPaの圧力で押圧することがより好ましい。
また、導入工程では、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さの30%〜80%になるように硬化性組成物が導入されることが好ましく、40%〜70%になるように硬化性組成物が導入されることがより好ましく、40%〜60%になるように硬化性組成物が導入されることがさらに好ましい。
凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さの30%以上であることにより、透過性および反射防止性に関して優れた機能を有する凹凸構造体が得られる。また、凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さの80%以下であることにより、モールドの底に硬化性組成物が残存することを好適に抑制できる。
[硬化工程]
本実施形態の凹凸構造体10の製造方法は、図1の(c)に示すように、凹凸パターンに導入された硬化性組成物3を硬化する硬化工程を含む。
本実施形態では、光透過性を有する基材1および光硬化性組成物を用い、かつ、モールド2が固定されている側とは反対側から紫外線(UV)を基材1に照射している。基材1は光透過性を有するため、基材1に照射された紫外線は基材1を透過して硬化性組成物3に照射される。これにより、凹凸パターンに導入されている硬化性組成物3が硬化するため、硬化された凹凸構造が基材1上に形成される。
なお、紫外線を硬化性組成物3に照射する際の照射時間、照射量は、凹凸パターンに導入されている硬化性組成物3を硬化するために十分な量であれば特に限定されない。
[離型工程]
本実施形態の凹凸構造体10の製造方法は、図1の(d)に示すように、硬化性組成物3を硬化させて得られた凹凸構造を備える基材1を、モールド2から離型する離型工程を含む。
離型工程では、モールド2を固定したステージ5を一定速度で下降させることにより、硬化性組成物を硬化して得られた凹凸構造とモールド2の凹凸パターンとの接触が解除される。
このとき、導入工程にて凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さと一致している場合には、図26の(a)に示すように凹凸構造とモールド2の凹凸パターンとの接触面積が大きいため、凹凸構造とモールド2の凹凸パターンとの接触を解除して離型する際に、大きな離型力が必要となる。そのため、凹凸構造の先端部が折れてモールドの底に残存しやすいため、モールドの寿命が短くなるという問題が生じる。
しかし、本実施形態では、導入工程にて凹凸パターンに導入される硬化性組成物の高さが凹凸パターンの高さよりも小さいため、図2の(a)に示すように凹凸構造とモールド2の凹凸パターンとの接触面積が小さく、小さな離型力で凹凸構造とモールド2の凹凸パターンとの接触を解除して離型することができる。そのため、凹凸構造の先端部が折れてモールドの底に残存することが抑制され、モールドの寿命を伸ばすことができる。
また、従来のナノインプリントでは、図26の(b)に示すように、モールド32と同じ凹凸構造を有する凹凸構造体40が得られるが、本実施形態では、図2の(b)に示すように、モールド2の凹凸パターンよりも低い凹凸構造を有する凹凸構造体10が得られる。本実施形態により得られる凹凸構造体10については、従来のナノインプリントで得られる凹凸構造体40と同様に、透過性および反射防止性に関して優れた機能を有している。
[凹凸構造体]
本実施形態にて得られる凹凸構造体については、半充填の状態になるように、モールド2の凹凸パターンに硬化性組成物を導入するため、モールド2の凹凸パターンよりも低い凹凸構造を有する凹凸構造体10が得られる。本実施形態にて得られる凹凸構造体10は、従来のナノインプリントで得られる凹凸構造体40と比較しても、透過性、反射防止性などの機能に遜色がなく、凹凸構造体40と同様、例えば、スマートフォン、タブレット、タッチパネル、太陽電池、LEDなどの表面に貼り付けて使用することが可能である。
したがって、本実施形態にて得られる凹凸構造体は、従来の凹凸構造体と機能面で遜色なく、さらに、従来よりも製造効率に優れており、より低コストでの供給が可能である。
本実施形態にて得られる凹凸構造体の凹凸構造の高さは、モールドの凹凸パターンの高さの30%〜80%であることが好ましく、40%〜70%であることが好ましく、40%〜60%であることがさらに好ましい。
また、凹凸構造体の凹凸構造のピッチに対するモールドの凹凸パターンのピッチの割合は、0.8〜1.5であることが好ましく、0.9〜1.4であることが好ましい。
本実施形態では、紫外線を照射することにより硬化性組成物を硬化させたが、硬化性組成物を硬化させる方法はこれに限定されない。例えば、紫外線以外の活性エネルギー線硬化性組成物を用いた場合には、凹凸パターンに導入されている熱硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化してもよく、熱硬化性組成物を用いた場合には、凹凸パターンに導入されている熱硬化性組成物を加熱することにより硬化してもよい。
熱硬化性組成物としては、熱で硬化する熱ラジカル重合性組成物、熱カチオン重合性組成物、熱アニオン重合性組成物等を用いればよい。
本実施形態では、基材として凹凸構造体の製造効率に優れるシート状の基材を用いた場合について説明したが、シート状以外の基板状またはフィルム状の基材を用いて凹凸構造体を製造してもよい。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
[マスターモールドの作製]
まず、鏡面仕上げグラッシーカーボン(東海カーボン社製)を酸素イオンビームエッチングし、その後、Cr蒸着(30nm)および離型処理(フッ素系離型剤、ダイキン工業社製のオプツールDSXを塗布)を施して、幅15mmのマスターモールドを作製した。
イオンビーム照射(加速電圧300V、照射時間60分)には、電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオンシャワー装置であるEIS−210ER(エリオニクス社製)を用いた。マスターモールド作製の詳細については、N. B. Abu Talip[a]Yusofand J. Taniguchi, Microelectron. Eng. 110, 163 (2013).およびJ. Taniguchi, Y. Kamiya, and N. Unno, J. Photopolym. Sci. Technol. 1, 24 (2011).に記載の通りである。
次に、UV−NIL装置(転写耐久装置、三井電気精機社製)を用いて、ポリエステル(PS)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標) A4300)に塗布された光硬化性組成物(東洋合成工業社製の光硬化性樹脂、PAK−01−CL、粘度5×10−2Pa・s、JIS K5600−5−4(1999)に規定されている硬化後の鉛筆硬度B)にマスターモールドを押し付けて、実施例1および比較例1の凹凸構造体を繰り返し作製した。
〔実施例1〕
本実施例では、上記のようにして作製したマスターモールドの凹凸パターンに光硬化性組成物を導入する際の圧力は、0.017MPaであり、この圧力で、凹凸構造体の作製を繰り返し行った。この圧力は、マスターモールドの凹凸パターンに導入される光硬化性組成物の高さが当該凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、光硬化性組成物を当該凹凸パターンに導入するために調整した圧力である。
本実施例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物が充填されずに凹凸パターンに隙間が生じるように、硬化性組成物を充填(半充填)した。
凹凸構造体を製造する際の条件は以下の通りである。
樹脂導入時間:15秒
UV照射時間:5秒
UV照射量:620mJ/cm
プッシュジグの昇降速度:200μm/s
〔比較例1〕
本比較例では、マスターモールドの凹凸パターンに光硬化性組成物を導入する際の圧力は、0.05MPaであり、圧力以外は実施例1と同じ条件で凹凸構造体の製造を繰り返し行った。
本比較例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物を充填(フル充填)した。
[レプリカモールドの作製]
次に、実施例1で得られたマスターモールドを用いてレプリカモールドを作製した。具体的には、幅30mmのポリエステル(PS)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標) A4300)に塗布された光硬化性の変性エポキシ樹脂(オーテックス社製、PARQIT X433−3、粘度5〜9×10−2Pa・s、JIS K5600−5−4(1999)に規定されている硬化後の鉛筆硬度4H〜5H)にマスターモールドを押し付け、以下の条件でレプリカモールドを作製した。作製したレプリカモールドに対して80℃で30分間熱処理を施し、離型成分を表面に析出させた。これにより、レプリカモールドに離型性をもたせた。
樹脂導入時間:15秒
UV照射時間:60秒
UV照射量:620mJ/cm
プッシュジグの昇降速度:200μm/s
次に、UV−NIL装置を用いて、ポリエステル(PS)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標) A4300)に塗布された光硬化性組成物(東洋合成工業社製の光硬化性樹脂、PAK−01−CL)にレプリカモールドを押し付けて、実施例2および比較例2の凹凸構造体を繰り返し作製した。
〔実施例2〕
本実施例では、上記のようにして作製したレプリカモールドの凹凸パターンに光硬化性組成物を導入する際の圧力は、0.018MPaであり、この圧力で、凹凸構造体の作製を繰り返し行った。なお、後述するように、この圧力は、レプリカモールドの凹凸パターンに導入される光硬化性組成物の高さが当該凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、光硬化性組成物を当該凹凸パターンに導入するために調整した圧力である。
本実施例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物が充填されずに凹凸パターンに隙間が生じるように、硬化性組成物を充填(半充填)した。
凹凸構造体を製造する際の条件は以下の通りである。
樹脂導入時間:15秒
UV照射時間:5秒
UV照射量:620mJ/cm
プッシュジグの昇降速度:200μm/s
〔比較例2〕
本比較例では、レプリカモールドの凹凸パターンに光硬化性組成物を導入する際の圧力は、0.036MPaであり、圧力以外は実施例2と同じ条件で凹凸構造体の製造を繰り返し行った。
本比較例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物を充填(フル充填)した。
〔実施例3〕
鏡面仕上げグラッシーカーボン(東海カーボン社製)を酸素イオンビームエッチングし、その後、Cr蒸着(30nm)および0.1質量%のCCl13Si溶液に24hディップコーティングを行って離型処理を施して、幅15mmのマスターモールドを作製した。
酸素イオンビームエッチングについては、イオンビームの照射時間を70分に変更した以外は実施例1で用いたマスターモールドの作製条件と同様である。
次に、上記のUV−NIL装置を用いて、ポリエステル(PS)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標) A4300)に塗布された光硬化性組成物(東洋合成工業社製の光硬化性樹脂、PAK−01−CL)にマスターモールドを押し付けて、実施例3の凹凸構造体を繰り返し作製した。
本実施例の凹凸構造体の作製条件については、実施例1の凹凸構造体の作製条件と同様である。
本実施例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物が充填されずに凹凸パターンに隙間が生じるように、硬化性組成物を充填(半充填)した。
〔実施例4〕
オプツールDSX(ダイキン工業社製)の1質量%溶液に24hディップコーティングを行って離型処理を施したこと以外は、実施例3と同様の条件で、幅15mmのマスターモールドを作製した。
次に、上記のUV−NIL装置を用いて、ポリエステル(PS)フィルム(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標) A4300)に塗布された光硬化性の変性エポキシ樹脂(オーテックス社製、PARQIT X433−3)にマスターモールドを押し付けて、実施例4の凹凸構造体を繰り返し作製した。
本実施例の凹凸構造体の作製条件については、UV照射時間を60秒に変更したこと以外、実施例1の凹凸構造体の作製条件と同様である。
本実施例では、凹凸パターンの底まで硬化性組成物が充填されずに凹凸パターンに隙間が生じるように、硬化性組成物を充填(半充填)した。
実施例1、2および比較例1、2について、UV−NIL(インプリント)を繰り返し行った際のマスターモールドおよびレプリカモールドの寿命を評価するため、以下に示す方法で接触角および離型力を測定した。
さらに、実施例1〜4および比較例1、2について、UV−NIL(インプリント)を繰り返し行った場合に、所望の凹凸構造が得られているか否かを確認するため、凹凸構造体のSEM画像を撮影した。
また、実施例1〜4および比較例1、2について、UV−NIL(インプリント)を繰り返し行った場合に、所望の光学特性(反射率、透過率)が得られているか否かを確認した。
(SEM画像)
走査型電子顕微鏡(エリオニクス社製、ERA−8800FE)を用いてマスターモールド、実施例1および比較例1にて得られた凹凸構造体のSEM画像を撮影した。
図6は、実施例1および比較例1で用いたマスターモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は断面図である。また、図7は、実施例1で得られた凹凸構造体のSEM画像であり、図8は、比較例1で得られた凹凸構造体のSEM画像である。
実施例1として、インプリントをそれぞれ150回、250回、350回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像(それぞれ正面左側は上面図、正面右側は水平方向から75°傾斜させた図である)を示し、比較例1として、インプリントをそれぞれ50回、75回、100回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像(それぞれ正面左側は上面図、正面右側は水平方向から75°傾斜させた図である)を示している。
実施例1において、SEM画像ならびにピッチ(Pitch)、凸部の直径(Diameter)および高さ(Height)の値を考慮し、インプリントを150回行った場合と250回行った場合とを比較すると、図7に示すとおり、得られた2つの凹凸構造に大きな相違はなかった。そのため、実施例1では、インプリントを250回行った場合であっても、凹凸構造体を繰り返し作製する際に大きな支障が生じていないことが推測される。
一方、比較例1において、インプリントを50回行った場合と75回行った場合とを比較すると、図8に示すとおり、得られた2つの凹凸構造に大きな相違があった。そのため、比較例1では、インプリントを75回行う前に、マスターモールドの凹部に樹脂が残存し、凹凸構造体を繰り返し作製する際に大きな支障が生じていることが推測される。
したがって、実施例1の方が比較例1よりもマスターモールドの寿命が長いと考えられる。
さらに、走査型電子顕微鏡(エリオニクス社製、ERA−8800FE)を用いてレプリカモールド、実施例2および比較例2にて得られた凹凸構造体のSEM画像を撮影した。
図9は、実施例2および比較例2で用いたレプリカモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。
また、図10〜12は、実施例2において、インプリントをそれぞれ100回、150回、250回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。SEM画像ならびにピッチ(Pitch)、凸部の直径(Diameter)および高さ(Height)の値を考慮すると、インプリントを250回行った場合であっても、得られた凹凸構造に大きな相違がないことが分かった。
よって、実施例2では、インプリントを250回行った場合であっても、所望の凹凸構造が得られており、レプリカモールドの寿命にまだ達していないと考えられる。
一方、図13〜15は、比較例2において、インプリントをそれぞれ50回、150回、200回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。SEM画像ならびにピッチ、凸部の直径および高さの値から、インプリントを50回行った場合では、得られた凹凸構造とレプリカモールドの凹凸パターンとの間に大きな相違は見られないが、インプリントを150回行った場合では、得られた凹凸構造のピッチおよび凸部の直径が、レプリカモールドのピッチおよび凸部の直径と大きく相違しており、SEM画像(図9、図14)でも両者に大きな差が見られた。さらに、インプリントを200回行った場合では、得られた凹凸構造のピッチおよび凸部の直径が、レプリカモールドのピッチおよび凸部の直径とより大きく相違しているだけでなく、SEM画像(図15)からレプリカモールドの凹凸パターンと対応していない凹凸構造が形成されていることが分かった。
よって、比較例2では、インプリントを150回以上行った場合に、所望の凹凸構造が得られないようになり、レプリカモールドの寿命が過ぎていると考えられる。
また、走査型電子顕微鏡(エリオニクス社製、ERA−8800FE)を用いて実施例3にて使用するマスターモールド、および実施例3にて得られた凹凸構造体のSEM画像を撮影した。
図20は、実施例3にて使用するマスターモールドのSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。
また、図21は、実施例3において、インプリントをそれぞれ50回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。この凹凸構造体では、凹凸形状に乱れは見られなかった。
また、走査型電子顕微鏡(エリオニクス社製、ERA−8800FE)を用いて実施例4にて得られた凹凸構造体のSEM画像を撮影した。
図23は、実施例4において、インプリントを50回行った後に得られた凹凸構造体のSEM画像であり、(a)は上面図であり、(b)は水平方向から75°傾斜させた図である。この凹凸構造体では、凹凸形状に乱れは見られなかった。
(反射率、透過率)
UV−VIS−NIR分光光度計SolidSpec−3700(島津製作所製)を用いて、入社角10°での反射率(絶対反射率)および透過率といった光学特性を評価した。スペクトル領域は300nm〜1000nmであった。
ここで、図16は、実施例2および比較例2で用いたレプリカモールドにおける波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。
図4は、実施例1および比較例1における波長と反射率との関係を表すグラフであり、図5は、実施例1および比較例1における波長と透過率との関係を表すグラフである。実施例1ではインプリント150、250、350回目の凹凸構造体を評価対象とし、比較例1ではインプリント50、75、100回目の凹凸構造体を評価対象とした。
図4、5に示すとおり、実施例1のインプリント150回目の凹凸構造体は、比較例1のインプリント50回目の凹凸構造体と遜色ない反射率および透過率を示し、かつ、比較例1のインプリント75、100回目の凹凸構造体よりも反射率および透過率の結果が良好であった。さらに、比較例1のインプリント75回目の凹凸構造体では可視光領域での反射率が1%よりも大きく、比較例1のインプリント100回目の凹凸構造体では可視光領域での反射率の変動幅が大きくなっていることから、比較例1では、インプリント75回程度でマスターモールドの寿命に達していると考えられる。一方、実施例1のインプリント250回目の凹凸構造体では、可視光領域において、比較例1のインプリント75回目の凹凸構造体よりも低い反射率(1%未満)を示しており、インプリント250回程度であってもマスターモールドの寿命に達していないと考えられる。
したがって、インプリント回数を増やした場合に、実施例1の凹凸構造体の方が比較例1の凹凸構造体よりも優れた反射率および透過率を示しており、実施例1の方が比較例1よりもレプリカモールドの寿命が長いことが分かった。
図17は、実施例2および比較例2における波長と反射率との関係を表すグラフであり、図18は、実施例2および比較例2における波長と透過率との関係を表すグラフである。図17に示すように、実施例2では、インプリント100、150、250回目の凹凸構造体を波長と反射率との関係の評価対象とし、比較例2では、インプリント50、150、200回目の凹凸構造体を波長と反射率との関係の評価対象とした。また、図18に示すように、実施例2では、インプリント100、150、200回目の凹凸構造体を波長と透過率との関係の評価対象とし、比較例2では、インプリント50、100、150回目の凹凸構造体を波長と透過率との関係の評価対象とした。
図17に示すように、実施例2のインプリント100、150回目の凹凸構造体について、比較例2のインプリント50回目の凹凸構造体と同様の反射率を可視光領域で示した。さらに、実施例2のインプリント200回目の凹凸構造体について、比較例2のインプリント150、200回目よりも優れた反射率を可視光領域で示した。また、比較例2では、インプリント200回目の凹凸構造体の反射率が可視光領域で1.0%を大きく超えており、レプリカモールドの寿命に達していると思われるが、実施例2では、インプリント250回目の凹凸構造体であっても反射率が可視光領域で0.7%程度であり、レプリカモールドの寿命に達していないことが分かった。
したがって、インプリント回数を増やした場合に、実施例2の凹凸構造体の方が比較例2の凹凸構造体よりも優れた反射率を示し、かつ、実施例2の方が比較例2よりもレプリカモールドの寿命が長いことが分かった。
図18に示すように、実施例2のインプリント100、150、200回目の凹凸構造体について、比較例2のインプリント50、100、150回目の凹凸構造体とほぼ同様の透過率を可視光領域で示した。しかしながら、実施例2のインプリント100回目の方が、比較例2のインプリント100回目よりも可視光領域での透過率に優れ、実施例2のインプリント150回目の方が、比較例1のインプリント150回目よりも可視光領域での透過率に優れていた。
したがって、インプリント回数が同じ場合に、実施例2の凹凸構造体の方が比較例2の凹凸構造体よりも優れた透過率を有していると考えられる。
図22は、実施例3における波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。図22に示すように、実施例3では、インプリント50回目の凹凸構造体を波長と反射率および透過率との関係の評価対象とした。インプリント50回目の凹凸構造体では、反射率が可視光領域で0.5%程度であり、透過率が90%超であり、良好な光学特性を示した。
したがって、実施例3では、光学特性に優れた凹凸構造体が得られた。
図24は、実施例4における波長と反射率および透過率との関係を表すグラフである。図24に示すように、実施例4では、インプリント50回目の凹凸構造体を波長と反射率および透過率との関係の評価対象とした。インプリント50回目の凹凸構造体では、反射率が可視光領域で0.6%程度であり、透過率が90%超であり、良好な光学特性を示した。
したがって、実施例4では、光学特性に優れた凹凸構造体が得られた。
(接触角測定)
接触角(Contact angle)は、全自動接触角計DM−701(協和界面科学社製)を用い、凹凸パターンの表面に水を滴下して測定した。インプリントを50回行うまでは10回ごとにモールドの接触角を測定し、50回を過ぎた後は、25回ごとにモールドの接触角を測定した。
(離型力測定)
離型力(Release force)は、図25に示す、三井電気精機社製の離型力測定装置20を用いて測定した。なお。図25では、簡略化のため基材1上に形成されている凹凸構造を省略している。
離型力測定装置20は、基材1を固定するための基材ステージ11と、モールド2を固定するためのモールドステージ12と、離型力を検出するロードセル13と、基材ステージ11を上昇させて基材1およびモールド2を離型するプッシュジグ14とを備える。
まず、硬化工程後かつ離型工程前に、凹凸構造を介して接触している基材1およびモールド2(図2の(a)、図26の(a)を参照)を取り出し、離型力測定装置20に設置する。基材1およびモールド2を設置する際は、両面テープを用いて、基材1を基材ステージ11に貼り付け、かつ、モールド2をモールドステージ12に貼り付ける。このとき、離型力測定装置20の回転軸と基材の中心部との距離(図中の矢印部分)が11.5cmになるように、基材1およびモールド2を設置した。
次に、プッシュジグ14を一定速度で上昇させて、基材1とモールド2とを離型し、このときの離型力を測定した。プッシュジグ14の上昇距離は3.0cmであり、上昇時間は3.5秒であり、モールドステージ12に対する上昇後の基材ステージ11の傾斜角は、12.0°であった。なお、基材1とモールド2とを離型するときの離型速度は、垂直方向で0.86(cm/s)であった。
離型力の測定は、インプリントを50回行うまでは10回ごとに行い、50回を過ぎた後は25回ごとに行った。結果を図3、19に示す。図3は、実施例1および比較例1におけるインプリント回数と離型力および接触角との関係を表すグラフであり、図19は、実施例2および比較例2におけるインプリント回数と離型力および接触角との関係を表すグラフである。
図3に示すように、比較例1(Full-filled)では、インプリント回数を増やしたときの接触角の減少および離型力の増加が、実施例1(Half-filled)よりも顕著であり、インプリント回数が150回に到達する前に、離型力が4.0MPaに達した。
一方、実施例1では、インプリント回数を増やしたときの接触角の減少および離型力の増加が、比較例1よりも緩やかであり、インプリント回数が350回になったときでも離型力が4.0MPa以下であった。なお、接触角の減少および離型力の増加は、凹凸パターンに処理した離型剤の効力の低下を意味しており、ある一定の値まで減少あるいは増加するとモールドの寿命に達していると判断できる。
したがって、実施例1の方がマスターモールドを使用した場合にインプリント回数を増加させることが可能であり、マスターモールドの寿命を延ばせることが示された。
図19に示すように、比較例2(Full-filled)では、インプリント回数を増やしたときの接触角の減少および離型力の増加が、実施例2(Half-filled)よりも顕著であった。
一方、実施例2では、インプリント回数を増やしたときの接触角の減少および離型力の増加が、比較例2よりも緩やかであった。
したがって、実施例2の方が比較例2よりもレプリカモールドの寿命が長いと考えられる。
以上により、実施例1、2において、光学特性に優れた凹凸構造体が得られ、かつ、マスターモールドおよびレプリカモールドの寿命を延ばすことができた。さらに、実施例3、4においても、光学特性に優れた凹凸構造体が得られた。
1、31 基材
2、32 モールド(型)
3、33 硬化性組成物
5 ステージ
6 プッシュジグ
7 送り出しローラ
8 巻き取りローラ
10、40 凹凸構造体
11 基材ステージ
12 モールドステージ
13 ロードセル
14 プッシュジグ
20 離型力測定装置
100 インプリント装置

Claims (9)

  1. 高さが50nm〜1000nm、かつ、ピッチが20nm〜1000nmである凹凸パターンを備える型、および硬化性組成物が塗布された基材を、前記硬化性組成物に前記凹凸パターンを接触させて押圧し、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さよりも小さくなるように、前記硬化性組成物を前記凹凸パターンに導入する導入工程と、
    導入された前記硬化性組成物を硬化する硬化工程と、
    前記硬化性組成物を硬化させて得られた凹凸構造を備える前記基材を、前記型から離型する離型工程と、
    を含む、凹凸構造体の製造方法。
  2. 前記導入工程では、0.005MPa〜1MPaの圧力で前記型および前記基材を押圧する、請求項1に記載の凹凸構造体の製造方法。
  3. 前記凹凸パターンのアスペクト比は10以下である、請求項1または請求項2に記載の凹凸構造体の製造方法。
  4. 前記硬化性組成物の粘度は、5×10−3Pa・s〜5Pa・sである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  5. 前記硬化性組成物を硬化させた後の平膜状態における硬度は、JIS K5600−5−4(1999)に規定されている鉛筆硬度にて、B〜8Hである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  6. 前記導入工程では、前記凹凸パターンに導入される前記硬化性組成物の前記凹凸パターンの凹部の深さ方向における高さが、前記凹凸パターンの高さの30%〜80%である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  7. 前記凹凸パターンの表面に離型処理が施されている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  8. 前記硬化性組成物は、光硬化性組成物であり、
    前記硬化工程は、前記光硬化性組成物に光を照射することにより前記光硬化性組成物を硬化する、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
  9. 前記凹凸構造のピッチに対する前記型の前記凹凸パターンのピッチの割合は、0.8〜1.5である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の凹凸構造体の製造方法。
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