JPWO2013147105A1 - ロール状モールド、並びに、ロール状モールド及び素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ロール状モールド
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係るロール状モールドについて説明する。
A)エポキシ樹脂(パターン部として)
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を持ち、光又は熱により重合硬化するものであれば特に限定されない。硬化開始剤としては、酸無水物やカチオン発生剤等を用いることができる。エポキシ樹脂は硬化収縮率が低いため、成形精度の優れた素子200とすることができる点で好ましい。
無機系化合物は、光透過性であることが好ましい。無機系化合物として、例えば金属酸化物が用いられる。
フッ素置換炭化水素基としては、特に分子構造の一端にCF3(CF2)a−基や、CF3・CF3・CF(CF2)b−基等のパーフルオロ基(a及びbは整数)を持つフッ素置換炭化水素基が好ましい。また、パーフルオロ基の長さが炭素数にして2個以上が好ましく、CF3(CF2)a−のCF3につづくCF2基の数は5以上が適切である。
炭化水素化合物としては、シリコーン系離型剤が該当し、これの炭化水素基としては、CnH2n+1のように直鎖でもよい。
図3A及び3Bに示すように、素子200は、構造部30と、樹脂基材40とを備える。ロール状モールド100で作製される素子200としては、マイクロ流路デバイスや、光学素子(撮像レンズ、フラッシュ用レンズ、マイクロレンズアレイ等)が作製可能である。図3A及び3Bでは、例示としてマイクロ流路デバイスを示す。素子200は、後述する図5Cに示す素子集合体80を切断することによって得る。
以下、図4A〜4Gを参照しつつ、ロール状モールド100の製造方法について説明する。
まず、図4Aに示すように、平板状のガラス基材部12の一方の面側に紫外線硬化性樹脂JS1を塗布する。塗布方法として、ディスペンサー、スピンコート、ダイコート等が用いられる。なお、この工程及び以後の工程を含む処理に際して、ガラス基材部12は、平坦な支持台に載置又は吸着される。
次に、図4Bに示すように、インプリント成形により、紫外線硬化性樹脂JS1に対してマスターモールド50の転写面50aの形状を付与する。具体的には、ガラス基材部12上の紫外線硬化性樹脂JS1にマスターモールド50を押圧し、紫外線UVを照射して紫外線硬化性樹脂JS1を硬化させる。硬化後にマスターモールド50からガラス基材部12とともに紫外線硬化性樹脂JS1を離型する。これにより、図4Cに示すように、ガラス基材部12にパターン部11が形成される。その後、ポストキュアを行い、紫外線硬化性樹脂JS1を完全に硬化させる。以上により、表面11pに製品形状を反転したフィルム状モールド10を得る。なお、詳細な形状の図示は省略するが、マスターモールド50の転写面50aには、製品形状である素子200のパターン形状が複数配置されている。マスターモールド50として、例えば金属(電鋳)型、ガラス型、Si型等が用いられる。
次に、図4Dに示すように、フィルム状モールド10のパターン部11上に保護膜13となる無機系化合物の層を形成する。この際、基材12がガラス製であるため、撓みにくくかつ高温にも耐えられるため、高温下での処理が可能である。保護膜13の形成には、例えばCVD法が用いられる。基材12上にパターン部11を形成したフィルム状モールド10をCVD装置のチャンバー60内に固定し、成膜する。CVD法での成膜温度は、60℃〜200℃程度である。温度が高いほど、より緻密な膜が成膜され最適な保護膜13となる。フィルム状モールド10の構成材質の温度特性等も考慮して耐久性が劣化しない範囲で最適な温度を選択する。好ましい成膜温度は、80℃〜150℃程度である。
次に、図4Eに示すように、フィルム状モールド10の保護膜13上に離型膜14となる例えばフッ素系化合物の層を形成・成膜する。これにより、図4Fに示す離型処理されたフィルム状モールド10を得る。離型膜14の形成には、例えばディッピング法が用いられる。具体的には、容器70に入れたフッ素系化合物中に保護膜13を成膜したフィルム状モールド10を浸漬する。なお、離型膜14の形成法として、スピンコート法、スプレー法、蒸着法等を用いてもよい。通常、フッ素系化合物を塗布した後に自然乾燥で溶媒を蒸発させて乾燥塗膜とする。
最後に、図4Gに示すように、フィルム状モールド10のパターン部11が形成されていない他方の面(裏面12q;図1C参照)側を円筒状ロール20の側面20pに貼りつけ、固定する。真空チャックによって貼りつける場合、不図示の真空ポンプを動作させ貼りつける。
まず、図5Aに示すように、樹脂基材40に紫外線硬化性樹脂JS2を塗布する。塗布方法として、例えばダイコート法が用いられる。表面40p上に紫外線硬化性樹脂JS2を塗布された樹脂基材40は、不図示の搬送系によってロール状モールド100下に搬送される。
次に、図5Bに示すように、樹脂基材40上の紫外線硬化性樹脂JS2にロール状モールド100の形状を転写し成形する。具体的には、樹脂基材40上に塗布された紫外線硬化性樹脂JS2に対して上述したロール状モールド100を反時計方向に回転させつつ下側の樹脂基材40方向に押圧し、或いは樹脂基材40をロール状モールド100側に押圧し、押圧部分に裏面側から紫外線を局所的に照射して紫外線硬化性樹脂JS2を硬化させる。例えば、図示のように、成形前の紫外線硬化性樹脂JS2側は、遮光体RTによって紫外線から遮蔽される。樹脂の硬化後又は硬化と並行してにロール状モールド100の回転を継続し、ロール状モールド100から樹脂基材40とともに紫外線硬化性樹脂JS2を離型する。ロール状モールド100を連続的に回転させることにより、硬化後の紫外線硬化性樹脂JS2の離型が実行されるとともに、ロール状モールド100が未硬化の紫外線硬化性樹脂JS2に接触し、連続して複数回転写・離型工程を行うことができる。製造された素子構造体は、ロール状モールド100下から外部に搬送される。以上により、ロール状モールド100のパターン部11が樹脂基材40上の紫外線硬化性樹脂JS2に転写され、図5Cに示すように、所定の大きさの樹脂基材40上に複数の素子200のパターン(凹凸形状31a)が形成された素子集合体80を得る。なお、図5Bのロール状モールド100の断面図において、ロール状モールド100のパターン形状SSを概念的に大きく示しているが、実際には微細な素子200のパターンとなっている。また、樹脂基材40は、ロール状モールド100の側面100aすなわちフィルム状モールド10の表面10aに巻き付けるようにして供給することもできる。
最後に、図5Dに示すように、素子集合体80を破線に沿って切断し個片化する。これにより、図5Dに示す個片化された素子200を得る。切断の方法として、打ち抜き刃90による切断、CO2レーザーによる切断、ダイシングカット等が用いられる。なお、製品によって、個片化せずに顧客へ納品する場合もあり、この場合、素子集合体80を切断しない。
以下、本実施形態の実施例について説明する。
ロール状モールド100の作製において、軸AX方向の長さ100mm、周方向の長さ600mm、総厚み0.15mmのフィルム状モールド10と、軸AX方向の長さ100mm、半径100mmの円筒状ロール20とを用いた。フィルム状モールド10のパターン部11の凸部の高さは、約0.03mmである。フィルム状モールド10のガラス基材部12には、厚さ0.1mmの無アルカリホウケイ酸ガラスを用いた。パターン部11の紫外線硬化性樹脂JS1として、エポキシ系樹脂を用い、総厚0.05mmとした。なお、保護膜13には、SiO2を用い、厚さ20nmに形成した。保護膜13の形成には、CVD法を用いた。また、離型膜14には、ダイキン工業株式会社製 オプツールDSXを用いた。離型膜14の形成には、ディッピング法を用いた。
〔表1〕
表1に示すように、本実施例において、100回の転写後、ガラス基材部12に劣化は見られなかった。一方、比較例において、100回の転写後、樹脂製の基材部に亀裂が発生し劣化が見られた。これにより、基材をガラス製にすることによりロール状モールド100の耐久性が向上したことがわかる。
以下、第2実施形態に係るロール状モールド等について説明する。なお、第2実施形態に係るロール状モールド等は、第1実施形態のロール状モールド等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
以下、第3実施形態に係るロール状モールド等について説明する。なお、第3実施形態に係るロール状モールド等は、第1実施形態のロール状モールド等を一部変更したものであり、特に説明しない部分は、第1実施形態と同様である。
Claims (22)
- 紫外線硬化性樹脂で形成される微細な凹凸形状を有するパターン部と、
前記パターン部を支持する薄板状のガラス基材部と、
前記パターン部が表側となるように前記ガラス基材部を裏側から支持する、曲面を有する支持部材と、
を備える、ロール状モールド。 - 少なくとも前記パターン部は、表面側に離型膜を有する、請求項1に記載のロール状モールド。
- 前記離型膜は、フッ素系化合物で形成される、請求項2に記載のロール状モールド。
- 少なくとも前記パターン部と前記離型膜との間に保護膜を有する、請求項2に記載のロール状モールド。
- 前記保護膜は、無機系化合物で形成される、請求項4に記載のロール状モールド。
- 前記保護膜の厚みは、5nm以上である、請求項4に記載のロール状モールド。
- 前記保護膜は、SiO2を含む材料で形成される、請求項4に記載のロール状モールド。
- 前記紫外線硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂及びアクリル系樹脂のいずれか一方である、請求項1に記載のロール状モールド。
- 前記ガラス基材部は、厚みが0.1mm以上0.2mm以下であり、最小曲げ半径が50mmである部材で形成される、請求項1に記載のロール状モールド。
- 前記支持部材は円筒状ロールであり、前記ガラス基材部は、真空チャックにより前記円筒状ロールに固定される、請求項1に記載のロール状モールド。
- 前記ガラス基材部は、接着剤及び両面テープの少なくとも一方を用いて前記支持部材に固定される、請求項1に記載のロール状モールド。
- 単一の前記ガラス基材部の周方向の長さは、前記支持部材の周の長さと等しい、請求項1に記載のロール状モールド。
- 複数の前記ガラス基材部を前記支持部材に固定する、請求項1に記載のロール状モールド。
- 平板状のガラス基材部の一方の面側に紫外線硬化性樹脂によって微細な凹凸形状を有するパターン部を形成するパターン部形成工程と、
前記パターン部形成工程後、前記ガラス基材部の他方の面側を、曲面を有する支持部材に固定する固定工程と、
を備える、ロール状モールドの製造方法。 - 前記パターン部形成工程と前記固定工程との間に、前記パターン部の上側に離型膜を形成する離型膜形成工程を備える、請求項14に記載のロール状モールドの製造方法。
- 前記パターン部形成工程と前記離型膜形成工程との間に、前記パターン部の上に保護膜を形成する保護膜形成工程を備える、請求項15に記載のロール状モールドの製造方法。
- 前記パターン部は、インプリントプロセスにより形成する、請求項14に記載のロール状モールドの製造方法。
- 前記離型膜は、ディッピング法を用いて形成する、請求項15に記載のロール状モールドの製造方法。
- 前記保護膜は、CVD法を用いて形成する、請求項16に記載のロール状モールドの製造方法。
- 樹脂基材に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後、請求項1から13までのいずれか一項に記載のロール状モールドの前記パターン部を前記樹脂基材方向に押圧し、紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して前記パターン部の形状を転写固化させる転写工程と、
前記転写工程後、前記紫外線硬化性樹脂から前記ロール状モールドを離型する離型工程と、
を備える、素子の製造方法。 - 前記ロール状モールドが回転し、前記転写工程と前記離型工程とを複数回行う、請求項20に記載の素子の製造方法。
- 前記素子が、マイクロ流路デバイス又は光学素子である、請求項20に記載の素子の製造方法。
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