JP6398200B2 - 樹脂パターンの形成方法および樹脂パターン形成装置 - Google Patents
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Description
そして、テンプレートの形態としては、平板状の形態の他に、テンプレートの裏面側(転写パターンが形成されている面とは反対側)に凹部を形成することによって、転写パターンが形成されている領域(以下、転写領域と呼ぶ)の厚さを薄くした形態が提案されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、真空中または窒素置換した雰囲気で電子線照射を行う方法は、専用の真空装置等が必要になり、製造コストの増加を招くという問題がある。また、真空中または窒素置換した雰囲気を要する工程は、大気中で行う工程に比べて生産性が低下するという問題もある。
ρB×dB≦0.0667VB 5/3
の関係を満たす、請求項1または請求項2に記載の樹脂パターンの形成方法である。
ρT×dT≦0.0667VT 5/3
の関係を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂パターンの形成方法である。
まず、本発明に係る樹脂パターンの形成方法について説明する。
図1は、本発明に係る樹脂パターンの形成方法の第1の実施形態の例を示す概略工程図である。なお、図1においては、転写パターンが形成されているテンプレート10の転写領域と、転写パターンが転写される被転写基板20の被転写領域を、部分的に拡大して両者の関係を図示している。
なお、図1(a)に示す例においては、樹脂層40と被転写基板20の間にハードマスク層30が形成されている例を示しているが、本発明はこれに限定されず、ハードマスク層30は無くても良い。また、ハードマスク層30は、単層構造のみならず、異なる材料からなる多層構造であっても良い。
テンプレート10の材料としては、例えば、合成石英ガラス、ソーダガラス、蛍石、フッ化カルシウムなどが挙げられる。中でも合成石英ガラスはフォトマスク用基板の材料として実績があり、高品質な基板を安定して入手できることから好ましい。
ハードマスク層30を構成する材料としては、例えば、クロム、モリブデン、タンタル、タングステン等の金属を含む材料などが挙げられる。中でも、クロムはフォトマスクのマスク材料として実績があり、微細なパターン形成に適していることから好ましい。
その後、樹脂パターン層42の不要な残膜部分(図1(d)に示す厚みdrの部分)をエッチング除去し、この不要な残膜部分を除去した樹脂パターンをエッチングマスクとして、ハードマスク層30や被転写基板20を加工することができる。
さらに、紫外線51を照射する樹脂パターン層形成工程(図1(b))と、電子線52を照射する樹脂パターン改質工程(図1(c))とが、一部重畳する関係にあってもよい。
ρT×dT≦0.0667VT 5/3
の関係を満たすように、テンプレート10を設計し、電子線52の加速電圧を選択することが好ましい。テンプレート10の転写領域を透過して樹脂パターン層41に電子線52を作用させることができるからである。
具体的には、テンプレート10の転写領域が2種の異なる層から構成されており、各層の密度および厚みの積が、それぞれ、ρT1×dT1、ρT2×dT2である場合、
ρT1×dT1+ρT2×dT2≦0.0667VT 5/3
の関係を満たすように、電子線52の加速電圧VTを選択するとよい。
ρB×dB≦0.0667VB 5/3
の関係を満たすように、被転写基板20を設計し、電子線52の加速電圧を選択することが好ましい。被転写基板20の被転写領域を透過して樹脂パターン層41に電子線52を作用させることができるからである。
例えば、図1に示す例のように、被転写基板20の上にハードマスク層30が形成されている場合、被転写基板20の被転写領域の密度および厚みの積がρB1×dB1であって、ハードマスク層30の密度および厚みの積がρB2×dB2であるとすると、
ρB1×dB1+ρB2×dB2≦0.0667VB 5/3
の関係を満たすように、電子線52の加速電圧VBを選択するとよい。
それゆえ、大気中で電子線52を照射し、これによりオゾンが発生する場合であっても、樹脂パターン層41はテンプレート10の転写領域と被転写基板20の被転写領域の間に挟まれているため、樹脂パターン層41がオゾンによるアッシングを受けることを防止でき、その結果、樹脂パターン層41の形状劣化を防止できる。
つまり、本発明においては、樹脂パターンのドライエッチング耐性を向上させつつ、真空中または窒素置換した雰囲気を要することなく、樹脂パターンの形状劣化を防止することができる。
また、本発明においては、真空中または窒素置換した雰囲気を必要としないため、上記樹脂パターンの形成を低コストで生産性良く行うことができる。
図2は、本発明に係る樹脂パターンの形成方法の第2の実施形態の例を示す概略工程図である。
この第2の実施形態は、例えば図2に示すように、上記の第1の実施形態におけるテンプレートに、転写領域の厚みよりも大きい厚みを有する領域を含むテンプレートを用い、テンプレート側から樹脂パターン層に電子線を照射して、樹脂パターン層を改質するものである。
例えば、図2(a)に示すテンプレート11は、その内側の領域に転写領域61を有し、転写領域61よりも外側の領域に肉厚の領域62を有しており、領域62の厚みDTは、転写領域61の厚みdTよりも大きくなっている。
一方、強度維持等の観点からは、テンプレートは一定の厚みを有していることが好ましい。
これにより、本実施形態においては、テンプレート11の転写領域61の厚みを薄くしても、テンプレート11の強度は肉厚の領域62によって維持することができる。また、テンプレート11の転写領域61の厚みを薄くできることから、樹脂パターン層の改質工程における電子線52の加速電圧を小さくできる。
図3は、本発明に係る樹脂パターンの形成方法の第3の実施形態の例を示す概略工程図である。この第3の実施形態は、例えば図3に示すように、上記の第1の実施形態における被転写基板に、被転写領域の厚みよりも大きい厚みを有する領域を含む被転写基板を用い、被転写基板側から樹脂パターン層に電子線を照射して、樹脂パターン層を改質するものである。
本実施形態は、特に、裏面側に凹部を形成することによって転写領域の厚さを薄くした形態のテンプレートを製造する場合に好ましい。
例えば、図3(a)に示す被転写基板21は、その内側の領域に被転写領域71を有し、被転写領域71よりも外側の領域に肉厚の領域72を有しており、領域72の厚みDBは被転写領域71の厚みdBよりも大きくなっている。
一方、強度維持等の観点からは、被転写基板は一定の厚みを有していることが好ましい。
これにより、本実施形態においては、被転写基板21の被転写領域71の厚みを薄くしても、被転写基板21の強度は肉厚の領域72によって維持することができる。また、被転写基板21の被転写領域71の厚みを薄くできることから、樹脂パターン層の改質工程における電子線52の加速電圧を小さくできる。
次に、本発明に係る樹脂パターン形成装置について説明する。
図4は、本発明に係る樹脂パターン形成装置の第1の実施形態の構成例を示す説明図である。ここで、図4に示す樹脂パターン形成装置は、特に、上記の本発明に係る樹脂パターンの形成方法の第3の実施形態を実施する際に好適な構成である。
なお、図4においては、煩雑となるのを避けるため、本実施形態に係る樹脂パターン形成装置を特徴付ける構成部分のみを、概略的に図示している。
より具体的には、紫外線照射源130はテンプレート10側に配置され、電子線照射源140は被転写基板21側に配置されている。
図5は、本発明に係る樹脂パターン形成装置の第2の実施形態の構成例を示す説明図である。また、図6は、図5に示す本発明に係る樹脂パターン形成装置を用いて樹脂パターンを形成する方法の一例を示す説明図である。
なお、図5および図6においても、煩雑となるのを避けるため、本実施形態に係る樹脂パターン形成装置を特徴付ける構成部分のみを、概略的に図示している。
また、煩雑となるのを避けるため、以降の説明においては、上記の本発明に係る樹脂パターン形成装置の第1の実施形態と重複する内容については、適宜省略する。
例えば図5に示すように、樹脂パターン形成装置102においては、紫外線照射源130および電子線照射源140は、いずれも、被転写基板保持部120により保持される被転写基板21側に配置されている。
20、21 被転写基板
30 ハードマスク層
40 樹脂層
41、42 樹脂パターン層
51 紫外線
52 電子線
61 転写領域
62 領域
71 被転写領域
72 領域
101、102 樹脂パターン形成装置
110 テンプレート保持部
120 被転写基板保持部
130 紫外線照射源
140 電子線照射源
Claims (10)
- 転写パターンが形成されているテンプレートの転写領域と、前記転写パターンが転写される被転写基板の被転写領域を対向させた状態で、前記転写領域と前記被転写領域の間に介在する樹脂層を硬化させることにより、樹脂パターン層を形成する樹脂パターン層形成工程と、
前記テンプレートの転写領域と前記被転写基板の被転写領域の間に前記樹脂パターン層を介在させた状態で、前記テンプレート側または前記被転写基板側のいずれか一方から、若しくは、前記テンプレート側および前記被転写基板側の両方から、前記樹脂パターン層に電子線を照射することにより、前記樹脂パターン層を改質する樹脂パターン層改質工程と、
を含む、樹脂パターンの形成方法。 - 前記樹脂層が紫外線硬化性樹脂であり、
前記樹脂パターン層形成工程において前記樹脂層を硬化させる方法が、前記テンプレート側または前記被転写基板側のいずれか一方から、若しくは、前記テンプレート側および前記被転写基板側の両方から、前記樹脂層に紫外線を照射する方法である、請求項1に記載の樹脂パターンの形成方法。 - 前記樹脂パターン層改質工程が、前記被転写基板側から前記樹脂パターン層に電子線を照射する工程を含んでおり、
前記被転写基板の被転写領域を構成する材料の密度をρB(g/cm3)とし、
前記被転写基板の被転写領域の厚みをdB(μm)とし、
前記電子線の加速電圧をVB(kV)とした場合に、
ρB×dB≦0.0667VB 5/3
の関係を満たす、請求項1または請求項2に記載の樹脂パターンの形成方法。 - 前記被転写基板が、前記被転写領域の厚みよりも大きい厚みを有する領域を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂パターンの形成方法。
- 前記被転写基板が石英ガラスを含む材料から構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂パターンの形成方法。
- 前記樹脂パターン層改質工程が、前記テンプレート側から前記樹脂パターン層に電子線を照射する工程を含んでおり、
前記テンプレートの転写領域を構成する材料の密度をρT(g/cm3)とし、
前記テンプレートの転写領域の厚みをdT(μm)とし、
前記電子線の加速電圧をVT(kV)とした場合に、
ρT×dT≦0.0667VT 5/3
の関係を満たす、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂パターンの形成方法。 - 前記テンプレートが、前記転写領域の厚みよりも大きい厚みを有する領域を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂パターンの形成方法。
- テンプレートを保持するテンプレート保持部と、被転写基板を保持する被転写基板保持部と、紫外線を照射する紫外線照射源と、電子線を照射する電子線照射源と、前記紫外線照射源および前記電子線照射源を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、転写パターンが形成されている前記テンプレートの転写領域と、前記転写パターンが転写される前記被転写基板の被転写領域を対向させた状態で、前記転写領域と前記被転写領域の間に介在する樹脂層を硬化させ樹脂パターン層を形成するために、前記紫外線照射源から前記樹脂層に紫外線を照射するように、前記紫外線照射源を制御するとともに、前記テンプレートの転写領域と前記被転写基板の被転写領域の間に前記樹脂パターン層を介在させた状態で、前記樹脂パターン層を改質するために、前記電子線照射源から前記樹脂パターン層に電子線を照射するように、前記電子線照射源を制御するものであることを特徴とする樹脂パターン形成装置。 - 前記テンプレート保持部により保持されるテンプレートの転写領域と、前記被転写基板保持部により保持される被転写基板の被転写領域が、樹脂層を介して互いに対向している状態において、
前記紫外線照射源と前記電子線照射源が、前記樹脂層を挟んで対向配置される、請求項8に記載の樹脂パターン形成装置。 - 前記テンプレート保持部により保持されるテンプレートの転写領域、または、前記被転写基板保持部により保持される被転写基板の被転写領域に対して、前記紫外線照射源の相対位置を変更する紫外線照射源相対位置変更機構、および、
前記テンプレート保持部により保持されるテンプレートの転写領域、または、前記被転写基板保持部により保持される被転写基板の被転写領域に対して、前記電子線照射源の相対位置を変更する電子線照射源相対位置変更機構、
を備える、請求項8または請求項9に記載の樹脂パターン形成装置。
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