JP2007073832A - パタン転写装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳型と基板とを容易に平行な状態にできるようにする。
【解決手段】エア取込み口より送り込まれたエアは、配管を通過してエア吐出口103より吐出され、基板チャック158の上に固定された基板Wの表面に吹き付けられる。このことにより、浮上ヘッド100は、基板チャック158の上に固定された基板Wの上を、5μm程度の微細な間隔を開けて浮上する。このように、エア吐出口103により、所謂エアベアリングが構成されている。このエアベアリングにより、浮上ヘッド100は、基板Wの上を一定の間隔を保って浮上する。エア吐出口103からのエアの吐出を停止してエアベアリングの動作を停止した後、鋳型ホルダ101を下方に押し出すことで、鋳型131のパタン転写面を基板Wの表面に押し付ける。
【選択図】 図1
【解決手段】エア取込み口より送り込まれたエアは、配管を通過してエア吐出口103より吐出され、基板チャック158の上に固定された基板Wの表面に吹き付けられる。このことにより、浮上ヘッド100は、基板チャック158の上に固定された基板Wの上を、5μm程度の微細な間隔を開けて浮上する。このように、エア吐出口103により、所謂エアベアリングが構成されている。このエアベアリングにより、浮上ヘッド100は、基板Wの上を一定の間隔を保って浮上する。エア吐出口103からのエアの吐出を停止してエアベアリングの動作を停止した後、鋳型ホルダ101を下方に押し出すことで、鋳型131のパタン転写面を基板Wの表面に押し付ける。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋳型を基板に押圧することで任意のパタンを転写するパタン転写装置に関するものである。
LSIをはじめとする半導体デバイスを作成するためには、例えばエッチングのマスクとして用いるレジストパタンや、エッチングにより形成されたエッチングパタンなどの極微細パタンが必要となる。レジストパタンは、基板の上に塗布した感光性樹脂膜に所望のパタンを露光した後、現像及び洗浄(リンス)を経て形成される。感光性樹脂膜は、例えば、紫外線,エックス線,電子線などに感光する樹脂膜である。また、露光は、紫外線や電子線を光源とし、回路(パタン)設計に基づいて形成されたパタンを備えた原板を用い、感光性樹脂膜の上に光源によるパタンの潜像を形成することで行われる。
しかしながら、上述したパタンの形成方法では、高価な露光装置が必要とされ、また、工程数が多いという問題がある。これに対し、近年では、インプリントリソグラフィ(非特許文献1参照)が着目されている。インプリントリソグラフィは、従来よりあるインプリント法と同様の技術である。インプリント法は、DVD(Digital Video Disk)の作製などに利用されており、次に示すようにパタンを形成する技術である。
インプリント法について簡単に説明すると、まず、公知のフォトリソグラフィ技術を用いてシリコン基板の上にマスターモールドとなるパタンが形成された状態とする。次に、電解メッキ法によりニッケルを堆積することで、マスターモールドの上にニッケル層が形成された状態とする。この後、マスターモールドよりニッケル層を引き離す(引き剥がす)ことで、マスターモールドのパタン形状が転写されたニッケルモールド(鋳型)が得られる。
このようにして形成されたニッケルモールドのパタンが転写されているパタン面を、パタン形成対象のレジスト層に押し付けることで、マスターモールドに形成されているパタン形状のレジストパタンが、基板の表面に形成される。このパタンの転写を行うためのパタン転写装置は、型押し機構があればよく、露光装置に比較して遙かに安価である。
従来の金型を用いるパタン転写装置は、押圧、加熱することにより鋳型のパタンを有機材料であるレジストに転写する方法が主流であった。この方法では、アスペクト比の大きな微細パタンを形成した鋳型を用いて、レジストにパタンを転写する。この場合、鋳型をレジスト層から分離する離型時にレジストが鋳型に付着するため、鋳型の表面に離型材(離型剤)の薄い層(離型層)を形成しておくなどの工夫が不可欠である。
図3は、従来よりあるパタン転写装置(インプリント装置)の構成を示す構成図である(特許文献1参照)。図3に示す装置では、試料ステージ300の上に、この平面のXY方向に移動可能とされた試料台306が配置され、試料台306の上に、処理対象となる基板304が固定される。また、試料ステージ300と所定距離離間してプレス機構303が配置され、この試料ステージ300との対向面に鋳型ヘッド302が配置され、鋳型ヘッド302に鋳型301が固定されている。鋳型ヘッド302は、温調機構308−1により温度制御されている。また、試料台306も、温調機構308−2により温度制御されている。また、試料ステージ300の上には、紫外線光源を備えたUVキュアシステム309も備えられている。
このように構成されたインプリント装置において、試料ステージ300の上で試料台306を移動させてプレス機構303の下部に配置させ、この状態で、プレス機構303により、鋳型301を基板304の上に形成されている高分子膜305に押し付け、鋳型301の形成されているパタンを高分子膜305に転写する。この転写の際に、温調機構308−1及び温調機構308−2により鋳型301及び基板304の温度を制御し、転写に適した温度としている。また、温調機構308−1及び温調機構308−2により鋳型301及び基板304の温度を制御し、離型に適した温度とした状態で、高分子膜305(基板304)より鋳型301を離型している。図3に示す装置では、温度を緻密に制御して、転写及び離型を行っている。なお、パタンが転写された後、試料ステージ300の上で試料台306を移動させてUVキュアシステム309下部に配置させ、高分子膜305に紫外線を照射する。
しかしながら、上述した構成のインプリント装置では、鋳型の押圧が強いため、この押圧を受けるプレス機構303は、高い剛性が必要となる。この結果、プレス機構は、大掛かりとなり、移動させることが容易ではなく、固定して用いることになる。このため、試料台306を試料ステージ300に搭載して、基板304を移動させる構造とならざるを得ない。ところが、近年では、転写対象となる基板が大型化する傾向にあり、大きな基板を移動させる試料ステージ300も大型となる。このような大きな試料ステージ300において、大面積に亘って、鋳型301と基板304とを平行に合わせることは、非常に困難であり、大面積に亘る均一な転写が困難であった。特に、平行の状態に1μm以下の精度が要求されるナノインプリント技術には、上述した装置は適用が困難である。
この問題を解消するために、基板が載置されるステージにばね機構により弾性を与え、基板面が鋳型の面に倣うようにされた技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術は、鋳型の面を基準とし、基板が載置(固定)される側に自由度を持たせて基板の向きを転写ごとに自己調整するようにしたものである。しかしながら、この技術では、大きなステージを一点で支持してステージの表面の向きを可変自在としているため、特殊な支点が必要となる。また、鋳型の側の加圧中心とステージの支点との位置がずれていると、押圧の力が鋳型の全域に均一に加わらなくなるため、これらの調整が必要となる。また、転写を行う毎に、ステージの面が変位して大面積のステージでは振動が発生し、この振動が無くなりステージの位置が安定するまでに時間を要するため、処理の高速化が図り難いという問題もある。
いずれも場合も、従来では、鋳型と基板とを互いに平行な状態とすることが容易ではなく、この問題に対する本質的な解決策がない状況であった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、鋳型と基板とを容易に平行な状態にできるようにすることを目的とする。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、鋳型と基板とを容易に平行な状態にできるようにすることを目的とする。
本発明に係るパタン転写装置は、転写対象の基板を保持する基板台と、基板台の上に配置されて基板台の平面方向に移動する筒状の浮上ヘッドと、この浮上ヘッドの筒内に基板台の方向に移動可能に収容され、基板台に対向する下面に鋳型を固定する鋳型ホルダと、この鋳型ホルダの上面の中央部に配置された球体と、浮上ヘッドの上部に固定されて球体を基板台の方向に押し出す押下手段と、浮上ヘッドを基板台の平面方向に移動する移動手段とを少なくとも備え、浮上ヘッドは、基板台に対向する下面に設けられた吐出口より流体を吐出することで、基板台に保持された基板の表面より浮上するようにしたものである。押下手段により球体を介して鋳型ホルダを押下した状態で、吐出口からの流体の吐出を停止して浮上している状態を解消すると、鋳型ホルダの下面に固定されている鋳型が基板の表面に押し付けられる。
上記パタン転写装置において、浮上ヘッドは、基板台に対向する下面に設けられた吐出口より気体を吐出することで、基板台に保持された基板の表面より浮上するようにすればよい。また、浮上ヘッドは、基板台に対向する下面に設けられた吐出口より液体を吐出することで、基板台に保持された基板の表面より浮上するようにしてもよい。また、鋳型ホルダは、ばね部材により浮上ヘッドの筒内に支持されている。また、移動手段は、浮上ヘッドを基板台の平面のX方向に移動するX軸送り機構と、このX軸送り機構をX方向に直交するY方向に移動するY軸送り機構とから構成されていればよい。この場合、送り機構は、送りねじと、転がり案内と、送りねじを回転させる送りねじモータとから構成されていればよい。なお、送りねじモータは、超音波モータから構成されているとよい。
上記パタン転写装置において、基板台を浮上ヘッドの方向に上下動させるZ送り機構を備えるようにしてもよい。なお、Z送り機構は、可動部と、この可動部の移動方向を浮上ヘッドの方向に制御するZ案内と、可動部の下側に入り込むくさびと、このくさびを可動部の下面に送り出すくさび送り部とから構成されていればよい。
以上説明したように、本発明によれば、鋳型ホルダが上下移動可能に収容された浮上ヘッドを、基板台に対向する下面に設けられた吐出口より流体を吐出して基板の表面より浮上させるようにしたので、鋳型と基板とが、容易に平行な状態にできるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるパタン転写装置の構成例を示す平面図(a)及び断面図(b),(c)である。図1に示すパタン転写装置は、浮上ヘッド100と、浮上ヘッド100をZ方向に移動自在に保持する浮上ヘッドガイド157と、浮上ヘッドガイド157をX方向に移動させるX軸送り機構152と、X軸送り機構152をY軸方向に移動させるY軸送り機構142及びY軸送り機構147とを備える。なお、図1(a)の紙面横方向がX方向であり、図1(b)の紙面縦方向がY方向である。また、図1に示す転写装置は、Y軸送り機構142及びY軸送り機構147が固定される定盤141の上において、浮上ヘッド100の可動範囲に配置された基板チャック158及びチャックベース159を備えている。基板チャック158は、例えば、真空もしくは静電気により基板Wを固定する基板保持機構を備える。基板チャック158の上に固定された基板Wに、浮上ヘッド100の下面に固定された鋳型を押し付けることで、パタンの転写が行われる。
浮上ヘッド100は、図2に拡大して示すように、浮上パッド102,ヘッド基板104,板ばね固定枠108,ヘッドキャップ支持枠110より構成された筒状の積層構造体の中央部(筒内)に、上下(チャックベース159)方向移動可能に鋳型ホルダ101が内包されている。鋳型ホルダ101は、円板状の上部101aと、直方体の下部101bとから構成され、上部101aの中心線(Z方向)と下部101bの中心線(Z方向)とが一致して接続されている。また、ヘッドキャップ支持枠110の上には、ヘッドキャップ111が固定され、ヘッドギャップ111の内部の中央部に、ダイヤフラム112及び加圧室113が配置されている。これらで、鋳型ホルダ101を押し出す押下手段が構成されている。ダイヤフラム112の外側面は、鋳型ホルダ101の上面に対向して配置され、鋳型ホルダ101の上部101aの上面中央部及びダイヤフラム112の外側面の各々に、加圧球114が当接して配置されている。
また、鋳型ホルダ101は、板ばね109により、浮上ヘッド100の筒内に支持されている。板ばね109の一端がホルダ固定台107により固定され、板ばね109の多端が板ばね固定枠108に固定されている。このように、鋳型ホルダ101は、板ばね109により、上下方向に移動可能に支持されている。なお、板ばね109に限らず、コイルばねなどの他のばね部材により、鋳型ホルダ101を浮上ヘッド100の筒内に支持するようにしてもよい。また、鋳型ホルダ101の基板チャック158側の下面に、鋳型131が固定される。鋳型131は、金属などの導電性材料もしくは半導体より形成され、転写するサブμmオーダのパタンが形成されている。また、鋳型131は、導電性接着剤や導電性ペーストなどにより、鋳型ホルダ101に固定されている。
次に、ヘッド基板104の内部には、エア取り込み口105に連通する配管106が形成され、配管106は、浮上パッド102のエア吐出口103に連通している。図2(c)の平面図に例示するように、浮上パッド102の表面には、4つのエア吐出口103が設けられている。なおエア吐出口103の配置数は4つに限るものではない。平面視で浮上パッド102の中心とした同心円上に均等に3つ以上のエア吐出口103が配置されていればよい。また、浮上パッド102の基板チャック158と対向している表面には、エア吐出口103に続いてリセス103aが形成されている。浮上パッド102の表面は、平坦度が1μm以下に形成されている。このような高い精度の平坦度を得るために、浮上パッド102は、例えば、セラミック(アルミナセラミック)や単結晶シリコンから形成すればよい。なお、ヘッド基板104の下面を、浮上パッド102の表面と同様の構成とし、浮上パッド102を省略することもできる。
これらのように構成された浮上ヘッド100において、エア取り込み口105より送り込まれたエア(気体)は、配管106を通過してエア吐出口103より吐出され、基板チャック158の上に固定された基板Wの表面に吹き付けられる。このことにより、浮上ヘッド100は、基板チャック158の上に固定された基板Wの上を、5μm程度の微細な間隔を開けて浮上する。このように、エア吐出口103により、所謂エアベアリングが構成されている。このエアベアリングにより、浮上ヘッド100は、基板Wの上を一定の間隔を保って浮上する。
なお、エア取り込み口105には、図示しないフレキシブル配管が接続され、このフレキシブル配管に図示しないエア供給源が連通している。例えば、エア供給源より湿度を調整したエアを供給することで、鋳型ホルダ101の下面に固定された鋳型131と、基板チャック158の上に固定された基板Wとの間の空間の湿度を制御することが可能である。また、エアのかわりに水などの液体(流体)を吐出することで、浮上ヘッド100が、基板チャック158の上に固定された基板Wの上に浮上するようにしてもよい。
以上の説明したように、浮上ヘッド100は、エアベアリングにより基板Wの上を一定の間隔を保って浮上した状態で、XY方向に移動する。このようにして浮上ヘッド100を所定の位置に移動した後、エア吐出口103からのエアの吐出を停止してエアベアリングの動作を停止し、加えて、以下に説明するように、浮上パッド102,ヘッド基板104,板ばね固定枠108,ヘッドキャップ支持枠110,及び浮上パッド102より構成された筒状の積層構造体に対し、鋳型ホルダ101を下方に押し出すことで、鋳型131のパタン転写面を基板Wの表面に押圧する。
エアベアリングの動作を停止した後、まず、加圧室113の内部に、図示しないエア供給機構により加圧されたエアを供給し、加圧供給されたエアにより、ダイヤフラム112を外側(鋳型ホルダ101の側)に突き出させる用に変形させる。このダイヤフラム112の変形により、加圧球114を介し、鋳型ホルダ101が下方(基板チャック158側)に押し下げられる。このことにより、図2(b)に示すように、鋳型ホルダ101の下面に固定されている鋳型131が、浮上パッド102の下面より下方に突出し、突出した状態で基板Wの表面に当接した状態となる。
このとき、エアベアリングは動作が停止されているので、鋳型131には、浮上ヘッド100の全重量が加重されることになる。また、鋳型ホルダ101は、上部101aの上面の中央部に対して、加圧球114より下方の力が加わるので、下部101bの下面に均一に力が加わるようになる。従って、鋳型131が基板Wに押し付けられるときは、浮上ヘッド100の重量が均一な状態で鋳型131に加わるものとなる。従って、鋳型131が基板Wに押し付けられる毎に、いずれのときも、再現性よく同じ荷重が加わる状態となる。加える荷重を変える場合は、例えば、異なる重量のヘッドキャップ111を用いればよい。
また、浮上ヘッド100は、浮上ヘッドガイド157に固定されていなく、全方向に変位可能である。このため、鋳型131のパタン形成面と基板Wのパタン転写面とは、自己整合的に互いに平行な状態となり、鋳型131のパタン形成面が基板のパタン転写面に対して均一に加重された状態で押し付けられる。浮上ヘッド100は、浮上ヘッドガイド157と基板チャック158とのZ方向の位置関係にかかわらず、基板チャック158と常に同様に位置関係を維持する。このように、図1及び図2に示すパタン転写装置によれば、浮上ヘッドガイド157を含む各送り機構のZ方向の位置精度にかかわらず、鋳型131と基板Wとを容易に平行な状態にでき、鋳型131を高い精度で基板Wに押し付ける状態が得られるようになる。
次に、エアベアリングにより浮上している浮上ヘッド100の移動について説明する。まず、X軸送り機構152が、Y軸送り機構142及びY軸送り機構147により、定盤141(基板チャック158)の上をY軸方向に移動する。また、X軸送り機構152により、浮上ヘッドガイド157が、定盤141(基板チャック158)の上をX軸方向に移動する。従って、浮上ヘッドガイド157は、X軸送り機構152,Y軸送り機構142,及びY軸送り機構147により、定盤141(基板チャック158)の上をX軸及びY軸方向に移動する。このように移動する浮上ヘッドガイド157とともに、浮上ヘッド100が、基板チャック158の上をX軸及びY軸方向に移動する。
Y軸送り機構142は、Y軸送りねじ143とY軸転がり案内143aと、Y軸送りねじ143の一端を受ける軸受144と、Y軸送りねじ143の他端に接続されてY軸送りねじ143を回転させるY軸送りねじモータ145と、X軸送り機構152の一端の下面を、レール受け171を介して摺動可能に支持するY軸ガイドレール146とから構成されている。また、図示しないリニアエンコーダにより、10nm以下の分解能でY軸転がり案内143aの位置が検出され、この検出された位置によりY軸送りねじモータ145の動作が制御される。
同様に、Y軸送り機構147は、Y軸送りねじ148とY軸転がり案内148aと、Y軸送りねじ148の一端を受ける軸受149と、Y軸送りねじ148の他端に接続されてY軸送りねじ148を回転させるY軸送りねじモータ150と、X軸送り機構152の他端の下面を、レール受け172を介して摺動可能に支持するY軸ガイドレール151とから構成されている。また、図示しないリニアエンコーダにより、10nm以下の分解能でY軸転がり案内148aの位置が検出され、この検出された位置によりY軸送りねじモータ150の動作が制御される。
上述したように、Y軸方向の移動のために、Y軸送り機構142及びY軸送り機構147を用いることで、以降に説明するX軸送り機構152が2軸の中心に配置されるようになり、両持ちの構造となり安定する。また、2つの送り機構を用いることで、各々の送りねじのリード誤差が平均化され、送り精度の向上が見込める。なお、Y軸送り機構をいずれか一方としてもよいことはいうまでもない。
また、X軸送り機構152は、X軸送りねじ153と浮上ヘッドガイド157と、X軸送りねじ153の一端を受ける軸受154と、X軸送りねじ153の他端に接続されてX軸送りねじ153を回転させるX軸送りねじモータ155と、浮上ヘッドガイド157の下面を摺動可能に支持するX軸ガイドレール156a,X軸ガイドレール156bを備えている。X軸送り機構152では、浮上ヘッドガイド157が、転がり案内となる。また、図示しないリニアエンコーダにより、10nm以下の分解能で浮上ヘッドガイド157の位置が検出され、この検出された位置によりX軸送りねじモータ155の動作が制御される。
ところで、上述した各送り機構において、送りねじモータとしては、超音波モータを用いることが好適である。超音波モータは、自己保持性があり、静止時には電流が流れることなく停止している。このため、送り機構を停止している状態での送りねじモータからの発熱が抑制され、長時間の静止が安定して行える。これに対し、DCモータ,リニアモータ,及びパルスモータなどでは、静止時に温度上昇があり、長時間の静止の精度が低下する。例えば、モータからの発熱により、各部材が局部的に膨張して送り機構全体が変形し、μm以下の高い案内精度が得られなくなる。これに対し、停止時に発熱が抑制された超音波モータによれば、高い案内精度が維持されるようになる。
また、基板チャック158が固定されているチャックベース159は、3カ所において、基台160に固定された板ばね161により、上下方向に変位可能な状態で支持されている。加えて、チャックベース159の下面には、チャックベース159を定盤141の上に移動する3つのZ送り機構162が設けられている。Z送り機構162は、Z案内163と可動部164とくさび165とくさび送り部166とから構成されている。くさび送り部166によりZ案内163方向にくさび165が押し出されると、くさび165の上面の斜面により、この斜面の法線方向の力が可動部164に加わる。このとき、可動部164は、Z案内163によりZ方向のみに移動可能とされているので、可動部164は、加えられた力のZ方向の成分の力により、Z方向に押し上げられる。このようにして押し上げられた可動部164により、チャックベース159は、定盤141の上においてZ方向に移動する。なお、くさび送り部166は、超音波モータより構成すればよい。
なお、上述では、加圧室113を設け、加圧室113に導入されたエア圧によるダイヤフラム112の変形で、加圧球114を押し下げるようにしたが、これに限るものではない。例えば、ヘッドキャップ111に固定されたピエゾ素子の変形により、加圧球114を押し下げるようにしてもよい。また、ヘッドキャップ111に固定された磁気アクチュエータにより、加圧球114を押し下げるようにしてもよい。
100…浮上ヘッド、101…鋳型ホルダ、102…浮上パッド、103…エア吐出口、104…ヘッド基板、105…エア取り込み口、106…配管、107…ホルダ固定台、108…板ばね固定枠、109…板ばね、110…ヘッドキャップ支持枠、111…ヘッドキャップ、112…ダイヤフラム、113…加圧室、114…加圧球、131…鋳型、141…定盤、142,147…Y軸送り機構、143,148…Y軸送りねじ、144,149…軸受、145,150…Y軸送りねじモータ、146,151…Y軸ガイドレール、152…X軸送り機構、153…X軸送りねじ、154…軸受、155…X軸送りねじモータ、156…X軸ガイドレール、157…浮上ヘッドガイド、158…基板チャック、159…チャックベース、160…基台、161…板ばね、162…Z送り機構、163…Z案内、164…可動部、165…くさび、166…くさび送り部。
Claims (9)
- 転写対象の基板を保持する基板台と、
前記基板台の上に配置されて前記基板台の平面方向に移動する筒状の浮上ヘッドと、
この浮上ヘッドの筒内に前記基板台の方向に移動可能に収容され、前記基板台に対向する下面に鋳型を固定する鋳型ホルダと、
この鋳型ホルダの上面の中央部に配置された球体と、
前記浮上ヘッドの上部に固定されて前記球体を前記基板台の方向に押し出す押下手段と、
前記浮上ヘッドを前記基板台の平面方向に移動する移動手段と
を少なくとも備え、
前記浮上ヘッドは、前記基板台に対向する下面に設けられた吐出口より流体を吐出することで、前記基板台に保持された基板の表面より浮上する
ことを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項1記載のパタン転写装置において、
前記浮上ヘッドは、前記基板台に対向する下面に設けられた吐出口より気体を吐出することで、前記基板台に保持された基板の表面より浮上する
ことを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項1記載のパタン転写装置において、
前記浮上ヘッドは、前記基板台に対向する下面に設けられた吐出口より液体を吐出することで、前記基板台に保持された基板の表面より浮上する
ことを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のパタン転写装置において、
前記鋳型ホルダは、ばね部材により前記浮上ヘッドの筒内に支持されていることを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のパタン転写装置において、
前記移動手段は、前記浮上ヘッドを前記基板台の平面のX方向に移動するX軸送り機構と、このX軸送り機構を前記X方向に直交するY方向に移動するY軸送り機構とから構成されていることを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項5記載のパタン転写装置において、
前記送り機構は、送りねじと、転がり案内と、前記送りねじを回転させる送りねじモータとから構成されていることを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項6記載のパタン転写装置において、
前記送りねじモータは、超音波モータから構成されていることを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のパタン転写装置において、
前記基板台を前記浮上ヘッドの方向に上下動させるZ送り機構を備えることを特徴とするパタン転写装置。 - 請求項8記載のパタン転写装置において、
前記Z送り機構は、可動部と、この可動部の移動方向を前記浮上ヘッドの方向に制御するZ案内と、前記可動部の下側に入り込むくさびと、このくさびを前記可動部の下面に送り出すくさび送り部とから構成されていることを特徴とするパタン転写装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015138939A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 大日本印刷株式会社 | 樹脂パターンの形成方法および樹脂パターン形成装置 |
US11136667B2 (en) * | 2007-01-08 | 2021-10-05 | Eastman Kodak Company | Deposition system and method using a delivery head separated from a substrate by gas pressure |
-
2005
- 2005-09-08 JP JP2005260830A patent/JP2007073832A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11136667B2 (en) * | 2007-01-08 | 2021-10-05 | Eastman Kodak Company | Deposition system and method using a delivery head separated from a substrate by gas pressure |
JP2015138939A (ja) * | 2014-01-24 | 2015-07-30 | 大日本印刷株式会社 | 樹脂パターンの形成方法および樹脂パターン形成装置 |
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