JP2005167166A - 位置制御可能なパターン形成装置及び位置制御方法 - Google Patents

位置制御可能なパターン形成装置及び位置制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 金型のパターンを基板上の正確な位置に転写すること。
【解決手段】 基板200に所定の形状パターンを形成するための金型100を保持する保持ブロック41と、基板200を保持するウエハステージ21と、ウエハステージ21に保持された基板200に金型100を押圧するプレス機構50と、ウエハステージ21及び保持ブロック41を相対移動させる移動機構30と、ウエハステージ21に保持された基板200のパターン及び金型100の相対位置を示す位置情報を検出するためのCCDカメラ84と、金型100の位置を示す位置情報を予め格納した格納手段と、CCDカメラ84が検出した位置情報及び格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、移動機構30を制御する制御手段と、を具備し、正確に位置を制御して基板200に金型100のパターンを転写する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、加工対象物と金型の位置制御方法及びその装置に関するものである。
従来、LSI(大規模集積回路)に代表される微細回路パターンを半導体基板(以下、単に基板と称する)上に形成するには、フォトリソグラフィーと呼ばれる技術が一般に用いられている。この方法は、ステッパと称される露光装置を用い、レチクル(マスク)上に描かれた回路パターンを、縮小光学系を通して基板上のレジスト表面に投影露光し、その露光を基板全域にわたって繰り返すことで、基板上に所定の微細回路パターンを形成するものである。
この方法により形成される基板の集積度を高めるには、回路パターンの線幅を狭めていく必要があり、現在主流の線幅130nmから、今後100nm以下の線幅に移行することが予想されている。
これに対応するには、投影露光に使用する光源の波長を短くする必要があり、現状でも、各露光装置メーカでは紫外(UV)光、遠紫外(DUV)光、極紫外光(EUV)光等、短波長の光を光源とした露光装置の開発を進めている。
しかし、紫外レーザ光源等の短波長の光を光源として用いると、露光装置の投影光学系を構成するレンズやミラー、光源等に、わずかな温度変化や外部振動によって歪みや光源ノイズが生じる。このため、露光装置には、精度の高い温度管理や除振構造が要求され、その結果、この様な一連の機器によって構成される縮小投影式の露光装置は、装置価格が非常に高価となる(例えば数十億円)傾向にある。また、露光装置自体も大掛かりなものとなるため、設置スペースや消費電力が増大する傾向にある。
この様な装置大型化やプロセスコストの高騰を防ぐことを目的として、超微細なパターンを基板上に形成する手法として、ナノインプリンティングプロセス技術が開発されている(例えば、非特許文献1参照。)。
このプロセスは、形成したいパターンが表面に作り込まれた金型を用いて、基板等の加工対象物上に設けられたレジスト材のガラス転移点を超える温度に基板を熱し、その状態で金型を加工対象物面に押し付けて型のパターンを転写する方法である。この方法では、高価なレーザ光源や光学系を必要とせず、加熱用ヒータとプレス装置とを基本とした簡易な構成であるにもかかわらず、金型に作り込まれたパターンをそのまま精度よく転写することが可能となっており、すでにこの方法によって約20nmの線幅を持つ細線が形成された報告がある(例えば、非特許文献2参照。)。
さらには、このようなナノインプリンティングプロセス技術を用いることで、回折格子、フォトニック結晶、導波路、等の光デバイス、マクロチャネル、リアクター等の流体デバイスのような、各種のマイクロチップ、マイクロデバイスの製作も可能な状況が実現しつつある。
G.M.Whitesides,J.C.Love、「ナノ構造を作る新技術」、"日経サイエンズ"、日本経済新聞社、平成13年(2001年)12月1日、31巻、12号、p.30−41 C.M.Sotomayor,et.al.、"Nanoimprint lithography:an alternative nanofabrication approach"、「Materials Science&Engineering C」、Elsevier Science、平成14年(2002年)、989巻、p.1−9
上記のようなプロセスで各種デバイスに対し正確にパターンを形成するには、加工対象物と金型のパターンとの間の正確な位置関係を調整する必要がある。
ここで、フォトリソグラフィーに用いる装置においては、直接パターン領域を観測してパターンを転写することができた。一方、透明ではない金型を用いる熱式のインプリンティング装置においては、パターン領域を直接観測することができないため、まずCCD等の位置検出手段によって加工対象物の位置を検出した後、その位置に金型を移動し、基板と金型のパターンとの位置合わせを行っていた。
しかしながら、熱式のナノインプリンティング装置は、金型のパターンを基板に押圧する際に大きな荷重が装置にかかるため、装置を構成する部材の重量が大きくなる傾向がある。したがって、加工対象物と金型のパターンとの間の位置を検出した後、金型や加工対象物を移動等させた場合には、その重量により装置全体に大きな力がかかり、金型と加工対象物との位置関係に誤差を生じやすいという問題があった。
また、加工対象物の加熱等によって、金型や加工対象物を移動するための移動機構に温度変化が生じると、移動機構に微小な変形が生じ、正確な位置に移動することができなくなるという問題があった。
本発明は、このような技術課題に基づいてなされたもので、金型の形状パターンを基板上の正確な位置に転写することができる位置制御可能なパターン形成装置及び位置制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明のパターン形成装置は、加工対象物に所定の形状パターンを形成するための金型を保持する金型保持手段と、前記加工対象物を保持する対象物保持手段と、前記対象物保持手段に保持された加工対象物に前記金型を押圧するプレス機構と、前記対象物保持手段及び前記金型保持手段を相対移動させる移動機構と、前記対象物保持手段に保持された加工対象物のパターン及び前記金型の相対位置を示す位置情報を検出するための位置検出手段と、前記金型の位置を示す位置情報を予め格納した格納手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報及び前記格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、前記移動機構を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする(請求項1)。
また、この発明の第2のパターン形成装置は、加工対象物に所定の形状パターンを形成するための金型を保持する金型保持手段と、前記加工対象物を保持する対象物保持手段と、前記対象物保持手段に保持された加工対象物を加熱可能な対象物加熱手段と、前記対象物保持手段に保持された加工対象物に前記金型を押圧するプレス機構と、前記対象物加熱手段から前記移動機構への熱伝導を抑制する冷却手段と、前記対象物保持手段及び前記金型保持手段を相対移動させる移動機構と、前記対象物保持手段に保持された加工対象物のパターン及び前記金型の相対位置を示す位置情報を検出するための位置検出手段と、前記金型の位置を示す位置情報を予め格納した格納手段と、前記位置検出手段が検出した位置情報及び前記格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、前記移動機構を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする(請求項2)。
この場合、前記対象物加熱手段と前記移動機構との間に設けられ、前記対象物加熱手段から前記移動機構への熱伝導を抑制する断熱手段を具備する方が好ましい(請求項3)。また、前記移動機構を冷却可能な移動機構冷却手段を有する方が好ましい(請求項4)。また、周辺の環境から前記移動機構に至る振動を抑制する免震機構を具備する方が好ましい(請求項5)。また、前記位置検出手段は、前記金型及び前記対象物保持部の相対的な位置を示す位置情報を検出可能な金型位置検出手段を有する方が好ましい(請求項6)。また、前記移動機構は、前記対象物保持部に保持された前記加工対象物の上面に平行な面内で第1の方向に前記金型及び前記対象物保持部を相対的に直線移動可能なX方向移動手段と、前記対象物保持部に保持された前記加工対象物上面に平行な面内で、前記第1の方向と互いに交差する第2の方向に前記金型及び前記対象物保持部を相対的に直線移動可能なY方向移動手段と、前記加工対象物上面に平行な面内で前記金型及び前記対象物保持部を相対的に回転可能な回転手段と、を具備し、前記金型位置検出手段は、前記金型及び前記対象物保持部の第1の方向の相対的な位置を示す位置情報を検出可能なX位置検出手段と、前記金型及び前記対象物保持部の第2の方向の相対的な位置を示す位置情報を検出可能なY位置検出手段と、前記金型及び前記対象物保持部の回転方向の位置を示す位置情報を検出可能なθ位置検出手段と、を具備する方が好ましい(請求項7)
また、この発明の第1の位置制御方法は、格納手段に予め記憶された金型のパターンの位置を示す位置情報に基づいて、金型及び加工対象物を相対的に移動させ、前記金型で前記加工対象物上に所定のパターンを形成する工程と、前記加工対象物に形成されたパターンの位置を示す位置情報を検出する工程と、前記格納手段に予め記憶された金型のパターンの位置情報と前記加工対象物に形成されたパターンの位置情報の誤差を計算し、前記金型のパターンの位置情報を補正して格納手段に記憶する工程と、を有することを特徴とする(請求項8)。
また、この発明の第2の位置制御方法は、加工対象物上の目印の位置情報を検出する検出手段を、格納手段に予め記憶されている目印の位置を示す位置情報に基づいて移動させ、加工対象物上の少なくとも1以上の目印の位置情報を検出する工程と、前記格納手段に予め記憶された目印の位置情報と検出された前記目印の位置情報の誤差を計算する工程と、前記格納手段に予め記憶された目印の位置情報と前記誤差に基づいて、前記金型と前記加工対象物を相対的に移動させ、前記金型で前記加工対象物上の前記目印に対応する領域に所定のパターンを形成する工程と、を有することを特徴とする(請求項9)。
請求項1記載の発明によれば、加工対象物の形状パターンと金型との相対的な位置を示す位置情報を検出し、その位置情報と格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、移動機構を制御することができるので、正確に位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項2記載の発明によれば、対象物加熱手段から移動機構への熱の伝導を抑制する冷却手段を有するので、移動機構が熱により変形し、金型のパターン位置が変化するのを防止することができる。したがって、正確に位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項3記載の発明によれば、対象物加熱手段と移動機構との間に対象物加熱手段から移動機構への熱の伝導を抑制する断熱手段を有するので、移動機構が熱により変形し、金型のパターン位置が変化するのを防止することができる。したがって、正確に位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項4記載の発明によれば、移動機構を冷却可能な移動機構冷却手段を有するので、移動機構が熱により変形し、金型のパターン位置が変化するのを防止することができる。したがって、正確に位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項5記載の発明によれば、周辺の環境から移動機構に至る振動を抑制する免震機構を具備するので、移動機構のぶれにより、金型のパターン位置が変化するのを防止することができる。したがって、正確に位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項6,7記載の発明によれば、位置検出手段は、金型と対象物保持部との相対的な位置を示す位置情報を検出可能な金型位置検出手段を有するので、正確に金型の位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項8記載の発明によれば、格納手段に予め記憶されている金型のパターンの位置情報を、実際に形成したパターンの位置情報によって補正することができるので、金型交換時等に正確に金型の位置を制御して加工対象物の所定位置に金型のパターンを転写することができる。
請求項9記載の発明によれば、加工対象物に形成された1以上の目印の位置情報を検出して、金型の位置を制御するので、所定の位置に正確にパターンを形成することができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1、図2は、本実施の形態におけるパターン形成装置の全体構成を説明するための図である。
この図1、図2に示すように、パターン形成装置10は、所定の形状パターンが凹凸により形成された金型100を基板(加工対象物)200に転写することで、基板200にパターンを形成するものである。
このパターン形成装置10は、装置本体15と、加工対象物、例えば基板200を保持する基板保持部(対象物保持部)20と、基板200に所定のパターンを形成するための金型100を保持する金型保持部40と、基板保持部20及び金型100を相対移動させる移動機構30と、金型保持部40に保持された金型100を駆動する金型駆動機構(プレス機構)50と、基板200及び金型100の相対的な位置情報を検出可能な位置検出手段と、位置検出手段が検出した位置情報に基づいて、移動機構30を制御する制御手段とを備えている。
図1、図2に示すように、装置本体15は、移動機構30を保持するもので、上面側に基板保持部20を支持する板状の基台16と、基台16の上面両端部に平行に固定される側壁17と、この側壁17と直行する方向であって、側壁17の上面両端部に平行に固定されると共に、金型保持部40を支持する上部ベース18とで構成される。また、装置本体15は、熱伝導性が低く、外力や周囲の温度等により変形し難い剛性の高い材料、例えばグラナイト等の石により形成されている。これにより、周囲の環境の変化によって基板保持部20と金型保持部40との位置関係の誤差の発生を可及的に防止することができる。
また、装置本体15は、基台16の下部に形成される免震機構16aを介して地面等に設置される。これにより、人が歩く振動や他の装置によって生じる振動等、周辺環境から生じる微小な振動の装置本体15への伝達を防止することができる。
図3に示すように、基板保持部20は、基板200を略水平状態で保持するものであり、上面に保持面21aを有した保持ステージ(対象物保持手段)21を備えている。
この保持ステージ21には、保持面21aに多数のバキューム孔(図示無し)が形成されており、このバキューム孔に図示しない負圧源から負圧を作用させることで、保持面21a上に、基板200を吸着保持できる構成となっている。
また、図3に示すように、基板保持部20は、保持ステージ21の下部に形成され、保持した基板200を加熱するためのヒータ22(対象物加熱手段)を備えている。このヒータ22は、図示しないコントローラにより、保持ステージ21上の基板200を所定の一定温度に維持するよう、その作動が制御される。このヒータ22としては、例えば、伝熱ヒータや、後に詳述するセラミックヒータを好適に用いることができる。
さらに、基板保持部20は、ヒータ22の下部に断熱材23(断熱手段)を介して冷却手段24を有しており、ヒータ22で発生した熱が後述するθステージ25側に伝わるのを抑制することができる。したがって、移動機構30や装置本体15が熱により変形して、金型100のパターンと基板との間に誤差が生じるのを防止することができる。
断熱材23としては、熱伝導を妨げるものであればどのような材料でもよく、金属やセラミック等を用いることができるが、好ましくは熱伝導率が0.3W/m・k以下、さらに好ましくは0.25W/m・k以下の材料を用いるのが好ましい。
冷却手段24としては、例えば、アルミニウムや銅などの熱伝導性の高い金属の内部に流路を形成し、この流路内に冷却水等の冷媒を流すように構成したものを用いることができる。この冷却手段24は、例えば図示しないコントローラに接続され、θステージ側の温度を検出する温度検出手段の検出信号に基づいて、θステージ25側の温度が急激に上がるのを抑えるように制御する構成とすることもできる。なお、熱がθステージ25側に伝わるのを防止することができるものであれば、ペルチェ素子等の他の手段を用いることも勿論可能である。
一方、加工対象となる基板200は、例えばポリカーボネート、ポリイミド等の樹脂材料、ガラス材料、シリコン、ガリウム砒素、サファイア、酸化マグネシウム等、成形素材がそのまま基板形状をなしているものを用いることができる。また、基板200として、シリコンウエハやガラスウエハ等からなる基板本体の表面に、樹脂膜、フォトレジスト、配線パターンを形成するためアルミ、金、銀等の金属膜等を薄膜状の被覆層が形成されたものを用いることができる。
図3に示すように、金型保持部40は、下面に支持面41aを有し、この支持面41aで金型100を保持する保持ブロック41(金型保持手段)を備えている。
図4に示すように、この保持ブロック41には、金型100を加熱するヒータ(金型加熱手段)42が内蔵されている。このヒータ42としては、例えば窒化アルミニウム等のセラミック素材で形成され、その内部にヒータ電極としての配線が埋め込まれた、いわゆるセラミックヒータが好適である。このような保持ブロック41では、ヒータ電極に図示しない電源から電流を流すと温度が上昇し、電流を切ると温度が下降する。セラミックヒータは、例えば100℃/秒で温度が上昇する、非常に応答の速いヒータである。このようなヒータ電極に対する電源からの電流供給は、図示しないコントローラによって制御されるようになっている。
また、金型保持部40は、保持ブロック41の上面側に、冷却ブロック(冷却部)43を一体に備えることもできる。この冷却ブロック43は、アルミニウムや銅等の熱伝導性の高い金属で形成され、その内部に流路44が形成され、この流路44には、冷却水等の冷媒を流すことができるようになっている。
このような冷却ブロック43では、流路44に冷媒を流すことで、保持ブロック41及び金型100を冷却する機能を有する。
また、保持ブロック41は、支持面41aに、複数の吸着用電極45が設けられており、この吸着用電極45に図示しない電源から電圧を印加することで静電力を発生する。保持ブロック41は、吸着用電極45が金型100に対して面接触するようになっており、この吸着用電極45の静電引力により金型100の上面を吸着保持するようになっている。金型100は、そもそも加工精度が高いものであるため、その上面の平面度も精度良く形成することができる。そして、保持ブロック41側の吸着用電極45も平面度を高く形成して、前記の静電引力を利用して金型100を支持することで、金型100をネジやクランプ金具等で保持ブロック41に固定する構造に比較し、金型100と吸着用電極45との密着度を高めることができ、保持ブロック41から金型100への熱伝導を効率よく行うことができる。なお、金具100の保持は、ネジやクランプ金具等の締結具で保持ブロック41に固定する構造、溶接等により保持ブロック41に接合する構造、真空吸着により保持ブロック41に吸着保持する構造、保持ブロック41に嵌着する構造を用いることも、もちろん可能である。
なお、ヒータ42のヒータ電極については、金型100の温度をコントロールするため、コントローラによって電流の供給がコントロールされる構成となっているが、吸着用電極45については、金型100の型交換時以外、常に電圧が印加されて吸着力を発揮するようになっている。
ところで、金型100を保持ブロック41に静電力で吸着させる構成とし、基板200を保持ステージ21に静電力で吸着させる構成とすることも考えられる。しかし、そのような構成とすると、金型100で基板200を成形するときに、保持ブロック41が保持ステージ21に近接したときに金型100と基板200の間で電荷が移動してしまい、その後に金型100を基板200から離間させると、金型100または基板200の一方が他方に吸い付けられてしまう可能性があるため好ましくない。したがって、金型100を保持ブロック41に静電力で吸着させる場合には、基板200を静電力以外の方法で保持ステージ21に保持する方が好ましく、また、基板200を保持ステージ21に静電力で吸着させる場合には、金型100を静電力以外の方法で保持ブロック41に保持する方が好ましい。
また、図4に示すように、金型100は、その下面100aに、所定のパターンを形成するための凹凸101が形成されている。この凹凸101は、金型100を金属やセラミックス等のいわゆる金型素材で形成し、その下面100aに精密機械加工を施すことで形成できる。あるいは金型100の原盤となるシリコン基板等にエッチング等の半導体微細加工技術によって所定のパターンを形成した後、このシリコン基板等の表面にニッケルメッキ法(電気鋳造(エレクトロフォーミング)法)等によって金属メッキを施し、この金属メッキ層を剥離して、凹凸101を有した金型100として用いることもできる。
この金型100は、前述したように保持ブロック41のヒータ42及び冷却ブロック43によって加熱・冷却されるため、なるべく薄型化してその熱容量をできる限り小さくするのが好ましい。
移動機構30は、図1、図2に示すように、金型100及び基板保持部20を相対的に移動可能に構成されるもので、例えば、金型100及び基板保持部20を、基板200上面に平行な面内で第1の方向(以下、X方向と称する)に相対的に直線移動可能なX方向移動手段31と、金型100及び基板保持部20を、基板200上面に平行な面内でX方向と交差する第2の方向(以下、Y方向と称する)に相対的に直線移動可能なY方向移動手段32と、金型100及び基板保持部20を、基板200上面に平行な面内で相対的に回転可能な回転手段33とで構成される。なお、X方向とY方向は、直行する方が好ましい。
X方向移動手段31は、例えば、2つの上部ベース18を囲む略方形筒状に形成され、金型保持部40を保持するXステージ31aと、各上部ベース18に平行に固定され、Xステージ31aにX方向の駆動力を与えるリニアモータLM1と、各上部ベース18に平行に固定され、Xステージ31aをX方向に移動可能に支持するリニアガイドLG1とで構成されている。また、Xステージ31a、リニアモータLM1、リニアガイドLG1は、剛性の高い材料が用いられており、金型100のパターンと基板200との間に誤差が生じるのを防止することができる。
X方向移動手段31をこのように構成することにより、リニアモータLM1の駆動によって保持ブロック41に保持される金型100をX方向に任意の距離で正確に移動することができる。
なお、X方向移動手段の駆動には、リニアモータLM1を用いる場合について説明したが、金型100をX方向に移動することができるものであれば、これに限られるものではなく、例えばXステージを、上部ベース18に固定されたボールネジに連結し、ボールねじに連結された回転式モータの駆動によって移動するものを用いてもよい。
また、Xステージ31aには、移動機構冷却手段、例えば図示しないファンが設けられており、これにより、Xステージ31a内に空気の流れを起こして装置10内の熱を外部に逃がすことができる。したがって、装置10を構成する部材が熱膨張等を起こすのを抑えて、金型100のパターンと基板200との間の正確な位置を制御することができる。
Y方向移動手段32は、例えば、基板保持部20及び後述するθステージ34を保持するYステージ32aと、基台16に固定され、Yステージ32aにX方向と直交するY方向の駆動力を与えるリニアモータLM2と、基台16に固定され、Yステージ32aをY方向に移動可能に支持するリニアガイドLG2とで構成されている。また、Yステージ32a、リニアモータLM2、リニアガイドLG2は、剛性の高い材料が用いられており、金型100のパターンと基板200との間に誤差が生じるのを防止することができる。
Y方向移動手段32を、このように構成することにより、リニアモータLM2の駆動によって基板保持部20に保持される基板200をY方向に任意の距離で正確に移動することができる。
なお、Y方向移動手段の駆動には、リニアモータLM2を用いる場合について説明したが、基板200をY方向に移動することができるものであれば、これに限られるものではなく、例えばYステージを、基台16に固定されたボールネジに連結し、ボールネジに連結された回転式モータの駆動によって移動するものを用いてもよい。
回転手段33は、Yステージ32a上に設けられ、基板保持部20を保持するθステージ33aと、このθステージ33aを回転方向(以下θ方向と称する)に回転可能なモータ(図示無し)、例えばステッピングモータと、ステッピングモータの回転角度を検出し、後述する制御手段にその検出情報を伝達可能なエンコーダ(図示無し)とで構成されている。また、θステージ33aは、剛性の高い材料が用いられており、金型100のパターンと基板200との間に誤差が生じるのを防止することができる。
回転手段33を、このように構成することにより、エンコーダによる検出情報に基づいて制御手段がモータMの駆動を制御し、基板保持部20に保持される基板200を回転方向に任意の角度で正確に回転することができる。
なお、金型保持部40側にX方向移動手段を形成し、基板保持部20側にY方向移動手段及びθ方向移動手段を形成したのは、移動機構30の構成を簡単にして、X方向移動手段、Y方向移動手段、θ方向移動手段の精度を高めるためである。しかし、各移動手段を設ける場所は、金型100及び基板200を相対的に精度よく移動させることができるものであれば、金型保持部40と基板保持部20のどちら側に設けてもよく、例えば、金型保持部40側、あるいは、基板保持部20側に、X方向移動手段、Y方向移動手段、θ方向移動手段の全てを一体的に設けることも可能である。
図2に示したように、金型駆動機構50は、金型100を吸着保持する保持ブロック41を、X方向及びY方向に直行する方向(以下、Z方向と称する)に移動させるものである。この金型駆動機構50は、Xステージ31a内部の上面と下面とに連結される複数本(ここでは4本)の支柱53と、これら支柱53に嵌合されて上下動可能なZステージ54と、Xステージ31aの上面とZステージ54とをZ方向に連結するボールネジ51と、このボールネジ51を回転駆動させるモータ52とから構成されている。そして、このように構成することにより、Zステージ54が、その回転を拘束された状態で上下方向にのみ移動可能に設けられている。また、ボールネジ51の下端部とZステージ54の上面はベアリング機構58を介して連結されており、これによりZステージ54には、ボールネジ51の上下動のみが伝達され、その回転は伝わらないようになっている。
このZステージ54の下面には、支持部材57が固定されているおり、その下部に設けられた超音波振動部材(加振機構)70を介して、保持ブロック41が固定状態で取り付けられている。そして、Xステージ31aの下面に設けられた穴を通って、Z方向に上下動可能に形成されている。
図3に示したように、この超音波振動部材70は、圧電素子71と、圧電素子71の下面に取り付けられた超音波ホーン72とから構成されている。ここで、圧電素子71は図示しない駆動回路により交流電圧が加えられたときに、その交流電圧の周波数で、縦方向、つまり、Zステージ54と保持ブロック41を結ぶ方向(金型100が基板200から離間する方向)の振動を発生する。また、超音波ホーン72は、圧電素子71に接している上端部72aが固定端、下端部72bが自由端となっている。これにより、圧電素子71が振動すると、自由端となっている超音波ホーン72の下端部72b側において、振動が増幅され、超音波ホーン72の下端部72bに取り付けられた金型100において、その振幅が最大となるようになっている。
このように、超音波ホーン72は、固定端となっている上端部72aに対し、自由端となっている下端部72bの振動が大きい(最大振幅となる)ため、上端部72a側については、支持部材57に対しボルト等の適宜の機械的締結部材で固定することが可能であるが、下端部72b側は、機械的締結部材を用いるとこれが振動で折損してしまう可能性がある。このため、保持ブロック41は、超音波ホーン72の下端部72bに対し、機械的締結部材を用いず、接着、低融点金属等を用いた融着(はんだ付け、ろう付け等を含む)、あるいは一般的な溶接等の固定手段により固定されるようになっている。
このような金型駆動機構50によれば、モータ52でボールネジ51を回転駆動させると、これによってボールネジ51は上部ベース18、下部ベース55に対してZ方向に上下動する。このボールネジ51の上下動に伴い、金型100を保持する保持ブロック41が上下動するのである。これにより、金型100がZ方向に上下動し、保持ステージ21上に保持される基板200に対し、接近・離間できるようになっている。
位置検出手段は、基板保持部20と金型100との相対的な位置情報を検出可能な金型位置検出手段と、基板200上のパターン領域と金型100との相対的な位置情報を検出可能なパターン位置検出手段とからなる。位置検出手段をこのように構成することにより、移動機構30の駆動によって基板保持部20や金型100の位置に機械的な誤差が生じても正確に位置情報を検出することができる。
金型位置検出手段は、例えば、Xステージ31aとYステージ32aとのX方向の相対的な位置を検出可能なX位置検出手段と、Yステージ32aのY方向の位置を検出可能なY位置検出手段と、Yステージ32aのθ方向の位置を検出可能なθ位置検出手段とで構成される。
図1に示すように、X位置検出手段81としては、例えば側壁17に固定された2つのレーザ干渉計81a,81bを用いることができる。この場合、一方のレーザ干渉計81aでYステージ32aの上部に設けられたバーミラー85のX方向の位置を測定し、もう一方のレーザ干渉計81bで金型保持部40又はXステージ31aに設けられたミラー(図示無し)のX方向の位置を測定する。ここで、バーミラー85は、位置制御に必要な誤差より小さい平坦な表面を有しており、Yステージが移動しても、レーザ干渉計81aから放出されたレーザが垂直に反射するように設けられている。これにより、レーザ干渉計81a,81bで測定(検出)された位置情報に基づいて、Yステージ32aに対するXステージ31aのX方向の相対的な位置を正確に検出することができる。
図2に示すように、Y位置検出手段82としては、基台16上に固定されたレーザ干渉計82aを用いることができる。この場合、レーザ干渉計82aでYステージ32aの側面に形成されたミラー(図示無し)のY方向の位置を測定する。これにより、レーザ干渉計82aで測定(検出)された位置情報に基づいて、Yステージ32aのY方向の位置を正確に検出することができる。なお、レーザ干渉計を更に1つ設けて金型保持部40のY方向の位置を検出すれば、金型保持部40に対するYステージ32aのY方向の相対的な位置を正確に検出することができる点で好ましい。
θ位置検出手段83は、例えば基台16上に固定されたレーザ干渉計83aを用いることができる。この場合、まず、レーザ干渉計83aによってYステージの側面に形成されたミラー(図示無し)のY方向の位置が測定され、次に、その位置情報と、前記レーザ干渉計82a(Y位置検出手段)が検出した位置情報との差からY方向の位置の微小なずれが計算される。この差から、Yステージ32aが移動等した際に生じるθ方向の微小な位置のずれを検出することができる。
なお、上記説明では、X位置検出手段81、Y位置検出手段82、θ位置検出手段83としてレーザ干渉計を用いる場合について説明したが、X方向、Y方向、θ方向の位置を検出することができるものであればこれに限られず、種々のものを用いることができる。
また、図1に示すように、パターン位置検出手段としては、例えば基板200上の所定位置に形成されたパターンを撮像し、その位置を検出可能なCCDカメラ84を用いることができる。この場合、Xステージ31aの金型100の近傍に設けられたCCDカメラ84は、検出された画像情報を後述する制御手段に伝達し、あらかじめ制御手段に記憶されているパターンの位置と実際に測定されたパターンの位置との差を、画像処理等により計算してその誤差を検出する。これにより、金型100とパターンとの相対的な位置情報を検出することができ、金型の交換時における金型のパターン位置のキャリブレーションを正確に行うことができる。また、基板保持部20や金型保持部40の位置が移動機構等により変動して、位置に誤差が生じても、その誤差を正確に検出することができる。
なお、CCDカメラ84が検出するものはパターンに限られず、例えば基板状に付されたアライメントマークAMを撮像し、その位置を検出することも可能である。
また、CCDカメラ84は、Xステージ31aに形成し、移動機構30の駆動により金型保持部40と一体的に移動させるものでもよいし、移動機構30とは独立した別の移動機構を設けて移動させるものでもよい。
さらに、金型位置検出手段の別の構成としては、例えば金型100上の所定位置に形成された位置情報を撮像し、その位置を検出可能なCCDカメラを基板保持部20に設けることも可能である。
また、X位置検出手段81、Y位置検出手段82、θ位置検出手段83、パターン位置検出手段が検出した位置情報は、後述する制御手段に伝達される。
制御手段(図示無し)は、格納手段例えばメモリに予め記憶されている位置情報及び位置検出手段が検出した位置情報に基づいて、移動機構30を制御し、金型100と保持ステージ21上に保持される基板200のパターンとの相対位置関係を補正するためのものである。このような制御手段の制御としては様々な構成のものを用いることができるが、例えば、メモリに予め記憶された金型100のパターンの位置を示す位置情報と、CCDカメラ84で撮像されたパターンの位置情報と、X位置検出手段、Y位置検出手段、θ位置検出手段によって得られた金型100と基板200との相対的な位置情報とを、CPU(制御手段)によって比較計算する。次に、この計算値に基づいて、金型100のパターンと基板200との位置の誤差を補正するように、X方向移動手段31、Y方向移動手段32、回転手段33の駆動を制御する。これにより、基板200に金型100のパターンを正確に転写することができる。
また、基板200のパターン領域にアライメントマークAM(図9参照)が付されている場合には、まず、所定の位置に形成されたアライメントマークAMをCCDカメラ84で撮像して、アライメントマークAMの位置情報を検出する。次に、その位置情報と、X位置検出手段、Y位置検出手段、θ位置検出手段によって得られた金型100と基板200との相対的な位置情報とを、CPU(制御手段)によって比較計算し、これに基づいて、X方向移動手段31、Y方向移動手段32、回転手段33の駆動を制御する。これにより、金型100に対する基板200上のパターンの位置を正確に補正することができるので、アライメントマークAMの位置に従って金型100のパターンを正確に転写することができる。
以下に、上記のようなパターン形成装置10におけるパターン形成工程について説明する。
パターン形成装置10では、概略としては、図5(a)に示すように、金型100と基板200あるいは基板200上のパターンとのパターン位置の制御を行うと共に、ヒータ42によって金型100を、基板200のガラス転移温度以上に加熱する。その状態で図5(b)に示すように金型100を基板200に押し付け、基板200を加熱する。そして、図5(c)に示すように、金型100を一定時間押し付けて荷重を保持した後、冷却ブロック43によって金型100を冷却し、超音波振動部材70によって金型100に超音波振動を加える。その後、図5(d)に示すように、基板200から引き離す。この一連の工程で、基板200の表層部が、金型100の凹凸101に対応した形状に成形加工されるようになっている。
次に、金型保持部の金型を交換等した際の金型の位置制御方法(初期設定方法)について、図6、図7を用いて詳細に説明する。
まず、保持ブロック41に対し、所定の金型100を保持させる。この状態で、金型駆動機構50は、保持ブロック41を所定のストローク領域の上昇端に位置させておき、保持ブロック41に保持された金型100と保持ステージ21を、互いに離れた位置(初期位置)におく(ステップ1)。
また、保持ステージ21上に、加工対象物となる基板200をセットし、これをバキューム吸着する(ステップ2)。
制御手段は、移動機構30(X方向移動手段31、Y方向移動手段32、回転手段33)を制御し、予め格納手段例えばメモリに記憶されたパターン領域の位置Pまで、金型100を移動させる(ステップ3)。
次に金型駆動機構50を駆動させて基板200の表面にダミーパターンQを形成する(ステップ4)。
続いて、基板200上に形成されたダミーパターンQをCCDカメラ84で撮像して、ダミーパターンQの所定の位置M3,M4の情報(画像情報)を検出する。検出されたダミーパターンQの位置情報M1,M2は、制御手段に伝達される(ステップ5)。
制御手段は、予め記憶された金型のパターンPの所定の位置M1,M2及びCCDカメラ84で撮像して得られたダミーパターンQの位置M3,M4を比較し、その位置の誤差、例えば、X方向の誤差dX、Y方向の誤差dY、θ方向の誤差dθに基づき、格納手段に予め記憶されている金型のパターンの位置を補正して記憶する(ステップ6)。これにより、パターン形成装置10の初期設定が終了する。
このように初期設定を行えば、1の位置情報を検出することにより、予め記憶された金型のパターンと実際の金型のパターンのX方向、Y方向、θ方向のいずれか2つの位置の誤差を補正することができ、2以上の位置情報を検出することにより、予め記憶された金型のパターンと実際の金型のパターンのX方向、Y方向、θ方向の全ての位置の誤差を検出することができる。
なお、Yステージ32aに対するXステージ31aのX方向の位置、Yステージ32aのY方向の位置、Yステージ32aのθ方向の位置は、レーザ干渉計81a、レーザ干渉計81b、レーザ干渉計82a、レーザ干渉計83aによって検出され、制御手段によって補正されている。
次に、パターン102を形成する際のパターン位置の制御方法について、図8、図9を用いて詳細に説明する。
まず、金型駆動機構50は、保持ブロック41を所定のストローク領域の上昇端に位置させておき、保持ブロック41に保持された金型100と保持ステージ21を、互いに離れた位置(初期位置)におく(ステップ11)。
また、保持ステージ21上に、加工対象物となる基板200をセットし、これをバキューム吸着する(ステップ12)。
続いて、制御手段は、移動機構30(X方向移動手段31、Y方向移動手段32、回転手段33)を制御し、予め格納手段例えばメモリに記憶された目印の位置、例えばアライメントマークAMの位置まで、CCDカメラ84(パターン位置検出手段)を移動させる(ステップ13)。なお、位置を検出することができるものであれば目印はアライメントマークに限られず、パターン102の特徴的な部分を目印としてもよい。
次に、保持ステージ21上に吸着固定された基板200上に形成されたアライメントマークAMをCCDカメラ84で撮像して、その位置情報(画像情報)を検出する。検出された位置情報は、制御手段に伝達される(ステップ14)。
制御手段は、予め記憶されたアライメントマークAMの位置と、CCDカメラ84で撮像して得られたアライメントマークAMの実際の位置とを比較計算し、その位置の誤差を検出する(ステップ15)。なお、Yステージ32aに対するXステージ31aのX方向の位置、Yステージ32aのY方向の位置、Yステージ32aのθ方向の位置は、レーザ干渉計81a、レーザ干渉計81b、レーザ干渉計82a、レーザ干渉計83aによって検出され、制御手段によって補正されている。
続いて、予め記憶されたアライメントマークAMの位置と検出して得られた誤差に基づき、制御手段で移動機構30を制御することで、金型100を基板200上の正確な位置に移動する(ステップ16)。
そして、基板200に対し、金型駆動機構50の駆動により金型100を所定時間押し付けることによって、基板上の所定の位置に正確に金型100のパターンを転写することができる(ステップ17)。
その後、金型駆動機構50の駆動により金型100を離型させ(ステップ18)、保持ブロック41を所定のストローク領域の上昇端に位置させて、保持ブロック41に保持された金型100を次のパターン領域に移動させるか、初期位置に戻す。
なお、次のパターン領域に移動させる場合には、パターン102を形成する毎に、あるいは、一定数のパターン102を形成する毎に、CCDカメラ84でパターン102ごとに形成されるすくなくとも1以上の位置情報(画像情報)を検出し、格納手段に記憶されている金型100のパターンの位置と、実際に形成されたパターンの位置との誤差の大きさが一定値以上になったらその誤差を補正するようにしてもよい。
また、基板200上にパターンを複数、例えばN個形成する場合には、ステップ18からステップ13に戻り、次に形成するパターンのアライメントマークAMの位置情報を検出して、逐次パターンを転写するようにしてもよいし、ステップ13とステップ14をN回繰り返して、アライメントマークAMの位置情報を全て検出した後に、パターンを転写するようにしてもよい。
また、検出するアライメントマークAMの数は1個でもよいが、2個以上のアライメントマークAMの位置を検出すれば、各アライメントマークAMのX方向の位置とY方向の位置のズレから、θ方向の誤差も検出し補正することができる点で好ましい。
このようなパターン形成装置10では、加工対象となる基板200として、例えば、ウエハ(加工対象物)を適用することができる。また、基板200としては、他に、微小なドット形状が一定の周期で配列しているフォトニック結晶(加工対象物)や、所定の配線パターンを有した半導体電子回路基板、さらに微小な流路を有した基板(加工対象物)等が適用できる。
また、保持ブロック41のヒータ42をセラミックヒータとし、冷却ブロック43を冷媒を用いた冷却構造としたが、高速に加熱冷却できるものであれば、特にそれらに限定されることはなく、レーザや超音波による加熱、またペルチェ素子による冷却等を用いてもよい。
さらに、このような冷却ブロック43を備えない構成とすることも可能である。
また、パターン形成装置10では、移動機構30や金型駆動機構50を、ボールネジ34、35、51を用いた機構ではなく、油圧機構や空圧機構等を用いたものとすることもできる。また、移動機構30における位置制御は、所望の位置決めが実現できるものであれば、その方式はいかなるものであっても良い。
加えて、基板200に対し、金型100を相対移動させながら複数回のパターン形成を繰り返す構成としたが、一つの基板200に対し、金型100で一回のパターン形成のみを行うような構成であっても良い。
この他、金型100は、微細パターンが形成できるものであれば材質やその製造法は特に限定されるものではない。一方、基板200は、その表層部の成形素材と基板が一体のもの、例えば樹脂基板やガラス基板、あるいは成形素材が基板上に薄く形成されたもの、例えばシリコン基板やガラス基板上に形成された樹脂膜、等、その組み合わせは特に限定されるのもではない。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態におけるパターン形成装置の概略正面図である。 本実施形態におけるパターン形成装置を側面から見た概略断面図である。 基板保持部と金型保持部の構成を示す概略正面図である。 金型保持部の構成を示す概略断面図である。 本実施の形態におけるパターン形成工程を説明する概略断面図である。 本実施の形態における位置制御方法(初期設定方法)を示すフローチャートである。 本実施の形態における位置制御方法(初期設定方法)を説明する図である。 本実施の形態における位置制御方法(パターン位置制御方法)を示すフローチャートである。 本実施の形態におけるパターン位置検出手段による撮像図である。
符号の説明
AM アライメントマーク
16a 免震機構
21 保持ステージ(対象物保持手段)
22 ヒータ(対象物加熱手段)
23 断熱材(断熱手段)
24 冷却手段
30 移動機構
31 X方向移動手段
32 Y方向移動手段
33 回転手段
41 保持ブロック(金型保持手段)
50 金型駆動機構(プレス機構)
81 X位置検出手段(金型位置検出手段、位置検出手段)
82 Y位置検出手段(金型位置検出手段、位置検出手段)
83 θ位置検出手段(金型位置検出手段、位置検出手段)
84 CCDカメラ(位置検出手段)
100 金型
200 基板(加工対象物)

Claims (9)

  1. 加工対象物に所定の形状パターンを形成するための金型を保持する金型保持手段と、
    前記加工対象物を保持する対象物保持手段と、
    前記対象物保持手段に保持された加工対象物に前記金型を押圧するプレス機構と、
    前記対象物保持手段及び前記金型保持手段を相対移動させる移動機構と、
    前記対象物保持手段に保持された加工対象物のパターン及び前記金型の相対位置を示す位置情報を検出するための位置検出手段と、
    前記金型の位置を示す位置情報を予め格納した格納手段と、
    前記位置検出手段が検出した位置情報及び前記格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、前記移動機構を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とするパターン形成装置。
  2. 加工対象物に所定の形状パターンを形成するための金型を保持する金型保持手段と、
    前記加工対象物を保持する対象物保持手段と、
    前記対象物保持手段に保持された加工対象物を加熱可能な対象物加熱手段と、
    前記対象物保持手段に保持された加工対象物に前記金型を押圧するプレス機構と、
    前記対象物加熱手段から前記移動機構への熱伝導を抑制する冷却手段と、
    前記対象物保持手段及び前記金型保持手段を相対移動させる移動機構と、
    前記対象物保持手段に保持された加工対象物のパターン及び前記金型の相対位置を示す位置情報を検出するための位置検出手段と、
    前記金型の位置を示す位置情報を予め格納した格納手段と、
    前記位置検出手段が検出した位置情報及び前記格納手段に予め記憶された位置情報とに基づいて、前記移動機構を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とするパターン形成装置。
  3. 前記対象物加熱手段と前記移動機構との間に設けられ、前記対象物加熱手段から前記移動機構への熱伝導を抑制する断熱手段を具備することを特徴とする請求項1又は2記載のパターン形成装置。
  4. 前記移動機構を冷却可能な移動機構冷却手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパターン形成装置。
  5. 周辺の環境から前記移動機構に至る振動を抑制する免震機構を具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のパターン形成装置。
  6. 前記位置検出手段は、前記金型及び前記対象物保持部の相対的な位置を示す位置情報を検出可能な金型位置検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のパターン形成装置。
  7. 前記移動機構は、前記対象物保持部に保持された前記加工対象物の上面に平行な面内で第1の方向に前記金型及び前記対象物保持部を相対的に直線移動可能なX方向移動手段と、前記対象物保持部に保持された前記加工対象物上面に平行な面内で、前記第1の方向と互いに交差する第2の方向に前記金型及び前記対象物保持部を相対的に直線移動可能なY方向移動手段と、前記加工対象物上面に平行な面内で前記金型及び前記対象物保持部を相対的に回転可能な回転手段と、を具備し、
    前記金型位置検出手段は、前記金型及び前記対象物保持部の第1の方向の相対的な位置を示す位置情報を検出可能なX位置検出手段と、前記金型及び前記対象物保持部の第2の方向の相対的な位置を示す位置情報を検出可能なY位置検出手段と、前記金型及び前記対象物保持部の回転方向の位置を示す位置情報を検出可能なθ位置検出手段と、を具備することを特徴とする請求項6記載のパターン形成装置。
  8. 格納手段に予め記憶された金型のパターンの位置を示す位置情報に基づいて、金型及び加工対象物を相対的に移動させ、前記金型で前記加工対象物上に所定のパターンを形成する工程と、
    前記加工対象物に形成されたパターンの位置を示す位置情報を検出する工程と、
    前記格納手段に予め記憶された金型のパターンの位置情報と前記加工対象物に形成されたパターンの位置情報の誤差を計算し、前記金型のパターンの位置情報を補正して格納手段に記憶する工程と、
    を有することを特徴とする位置制御方法。
  9. 加工対象物上の目印の位置情報を検出する検出手段を、格納手段に予め記憶されている目印の位置を示す位置情報に基づいて移動させ、加工対象物上の少なくとも1以上の目印の位置情報を検出する工程と、
    前記格納手段に予め記憶された目印の位置情報と検出された前記目印の位置情報の誤差を計算する工程と、
    前記格納手段に予め記憶された目印の位置情報と前記誤差に基づいて、前記金型と前記加工対象物を相対的に移動させ、前記金型で前記加工対象物上の前記目印に対応する領域に所定のパターンを形成する工程と、を有することを特徴とする位置制御方法。
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