JP6111783B2 - インプリント方法およびインプリント装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、さらなる微細化に対応するためには、露光波長の問題や製造コストの問題などから上記のフォトリソグラフィによる方式の限界が指摘されており、次世代のリソグラフィ技術として、テンプレート(モールド、スタンパ、金型とも呼ばれる)を用いるナノインプリントリソグラフィ(NIL:Nanoimprint Lithography)が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料の硬化を阻害して、この未硬化部分の被転写材料を除去する方法が提案されている。
このような場合、テンプレートを離型しようとすると、この部分的に硬化した被転写材料がテンプレートに付着して欠陥を発生してしまうという問題や、この部分的に硬化した被転写材料がテンプレートと共に一旦剥がされた後に被転写基板に再付着して欠陥を発生してしまうという問題が生じていた。
本発明に係るインプリント方法は、転写領域に凹凸パターンが形成されたテンプレートと、被転写基板とを対向させ、テンプレートと前記被転写基板との間に、被転写材料を介在させた状態とし、前記被転写材料を硬化させることによって、前記凹凸パターンに成形された転写層を形成するインプリント方法であって、前記テンプレートと前記被転写基板とを対向させた状態で、前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を、加熱して気化させるものである。
また、本発明においては、インプリントごとに保護膜を形成することも、溶剤を用いたウェット処理も必要としないため、生産性を向上させることができる。特に、連続してインプリントを行うステップアンドリピート方式において、著しく生産性を向上させることができる。
このようなインプリント方法であれば、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料を除去する工程と、転写領域内の被転写材料を硬化させて凹凸パターンに成形された転写層を形成する工程とを、同時に進行できるため、より生産性を向上させることができる。
転写領域内の被転写材料を硬化させる際には、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料も硬化させてしまう場合があるが、この硬化の前であれば、被転写材料を加熱して気化させることが、硬化後よりも容易だからである。
加熱によって気化した被転写材料の濃度を、気体供給により希釈することができ、気化した被転写材料が凝固してテンプレートや被転写基板に再付着することを防止できるからである。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るインプリント方法の第1の実施形態の一例を示す説明図である。である。
本実施形態においては、予めテンプレート1及び被転写基板30の少なくとも一方に、インクジェット法等により被転写材料20を供給し、その後、テンプレート1と被転写基板30とを近接させ、テンプレート1と被転写基板30との間を被転写材料20で満たす。ここで、通常、被転写材料20は余剰に供給されるため、テンプレート1の転写領域10の外側に一部がはみ出すことになる。
例えば、図1(a)、(b)に示すように、本実施形態においては、テンプレート1と被転写基板30との間に被転写材料20を介在させた状態で、転写領域10よりも外側の領域に、テンプレート1側または被転写基板30側から赤外線40を照射することにより、転写領域10よりも外側にはみ出す被転写材料20を加熱する。
また、本実施形態においては、赤外線40を局所的に照射することで、目的とする対象のみを加熱すること、すなわち、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料のみを加熱することができる。
ここで、ナノインプリントリソグラフィに用いられるテンプレートは、一般的に、酸化シリコンを含む材料、または、シリコンを含む材料から構成されており、この酸化シリコン、および、シリコンはいずれも赤外線を透過する性質を有している。
さらに、紫外線照射等の手段によって被転写材料を硬化させる光インプリントの場合、用いられるテンプレートは、通常、合成石英ガラスから構成されており、この合成石英ガラスは上記の波長範囲の赤外線を透過する性質を有している。
それゆえ、本実施形態においては、例えば、図1(a)に示すように、テンプレート1側から赤外線40を照射することにより、テンプレート1を透過した赤外線40によって被転写材料20を加熱することができる。
それゆえ、本実施形態においては、例えば、図1(b)に示すように、被転写基板30側から赤外線40を照射することにより、被転写基板30を透過した赤外線40によって被転写材料20を加熱することができる。
この場合、被転写基板30はレプリカテンプレート製造に用いられる基板になり、その材料は、通常、合成石英ガラスから構成されることになる。
そして、この合成石英ガラスは赤外線を透過する性質を有していることから、この場合も、被転写基板30側から赤外線40を照射することにより、被転写材料20を加熱することができる。
ここで、図3は、本発明に適用可能なテンプレートの一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。なお、煩雑となることを避けるため、図3(a)においては、図3(b)に示す凹凸パターン11の記載を省略している。
さらに、テンプレート3においては、転写領域の厚みが薄いため湾曲容易となり、離型を容易に行うことができる点で好ましい。
そこで、テンプレートの裏面側(凹凸パターンが形成される面とは反対側)に窪み部を形成することによって、転写領域の厚みを薄くして湾曲容易とし、離型に際しては、テンプレートの転写領域を被転写基板側に向かって凸状に湾曲させて、転写領域の外縁部から、順次、部分的に離型していく手法が効果的である。離型時の力を小さくすることができるからである。
また、上記のように湾曲容易な形態であれば、テンプレートを被転写材料に接触させる際にも、テンプレートの転写領域を被転写基板側に向かって凸状に湾曲させて、転写領域の中央部を接触させてから、順次、外縁部を接触させていくことで、テンプレートと被転写材料の間に気泡が残留することを抑制することができる。
また、図5に示す被転写基板32のように、一方の面に、その上面がテンプレートの転写領域10と対向する領域35となるメサ構造を有し、反対側の面に、平面視上、領域35を含む窪み部36を有しているような形態であってもよい。
すなわち、被転写基板32においては、被転写基板31と同様に、領域35がメサ構造の上面に設けられているため、インプリント工程おいて、領域35以外の部分がテンプレートと接触することを抑制でき、さらに、領域35の厚みが薄いことからこの領域を湾曲容易とすることができ、離型をより容易とすることができる点で好ましい。
また、上記のように湾曲容易な形態であれば、上述のように、被転写基板上に配設された被転写材料とテンプレートとの間に気泡が残留することを抑制することもできる。
次に、本発明に係るインプリント方法の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明に係るインプリント方法の第2の実施形態の一例を示す説明図である。である。
本実施形態においては、転写領域の外側であって、テンプレートまたは被転写基板のいずれか一方、若しくは、テンプレートおよび被転写基板の両方に、光を受けて熱を発生する光吸収部を設け、この光吸収部に光を照射することにより、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料を加熱する。
また、図6においては、光41をテンプレート1側から照射する例を示しているが、本実施形態においては、光41を被転写基板30側から照射してもよい。
また、インプリントごとに保護膜を形成することも、溶剤を用いたウェット処理も必要としないため、生産性を向上させることができる。特に、連続してインプリントを行うステップアンドリピート方式において、著しく生産性を向上させることができる。
また、テンプレート1に設ける光吸収部51や被転写基板30に設ける光吸収部52を、所望の形状、大きさで所望の位置に配設することで、目的とする対象のみを加熱すること、すなわち、転写領域よりも外側にはみ出す被転写材料のみを加熱することができる。
この場合、図7(a)に示すように、テンプレート1に設けられる光吸収部51は、転写領域10よりも外側であって、転写領域10が形成されている面と同じ面に設けられる。
この場合、テンプレート3に設けられる光吸収部は、図6(a)に示す例と同様に、テンプレート3のメサ構造の側面に設けることができる。
この場合、被転写基板31に設けられる光吸収部52は、図8(b)に示すように、被転写基板31のメサ構造の側面に設けることができる。
また、本実施形態において、用いられる被転写基板の形態は、上述の図5に示す被転写基板32のように、一方の面に、その上面がテンプレートの転写領域10と対向する領域35となるメサ構造を有し、他方の面に、平面視上、領域35を含む窪み部36を有しているような形態であってもよい。
この場合も、被転写基板32に設けられる光吸収部は、図8(b)に示す例と同様に、被転写基板32のメサ構造の側面に設けることができる。
次に、本発明に係るインプリント方法をステップアンドリピート方式に用いた連続インプリントの実施形態について説明する。
図9および図10は、本発明に係るインプリント方法の第3の実施形態の一例を示す概略工程図である。
次に、図9(b)に示すように、テンプレート1を被転写材料20aに接触させて、テンプレート1と被転写基板30との間に被転写材料20aを介在させた状態とし、被転写基板30の背面側から赤外線40を照射することによって、転写領域10よりも外側にはみ出す被転写材料20aを加熱して気化させ、テンプレート1の背面側から紫外線60を照射することによって、転写領域10内の被転写材料20aを硬化させる。
その後、図9(c)に示すように、テンプレート1を離型して、被転写基板30の上に、凹凸パターンに成形された転写層21aを得る。
その後、図10(f)に示すように、テンプレート1を離型して、被転写基板30の上に、凹凸パターンに成形された転写層21bを得る。
次に、本発明に係るインプリント装置について説明する。
本発明に係るインプリント装置は、テンプレートを保持するテンプレート保持部と、被転写基板を保持する被転写基板保持部と、前記テンプレート保持部または前記被転写基板保持部の背面側に配置された紫外線光源と、前記テンプレート保持部または前記被転写基板保持部の背面側に配置され、被転写材料の加熱に用いられる光を照射する光源と、を備えるものである。
ここで、被転写材料の加熱に用いられる光を照射する光源には、赤外線光源を好適に用いることができるが、本発明に係るインプリント装置を、上述の本発明に係るインプリント方法の第2の実施形態に用いる場合には、赤外線光源に限定されず、可視光や紫外線を照射する光源も用いることができる。
例えば、図11に示すように、本発明に係るインプリント装置100は、テンプレート1を保持するテンプレート保持部110と、被転写基板30を保持する被転写基板保持部120と、テンプレート保持部110の背面側に配置された紫外線光源130と、被転写基板保持部120の背面側に配置された赤外線光源140と、を備えている。
ここで、テンプレート保持部110の背面側とは、テンプレート1を保持した状態において、テンプレート110の凹凸パターンが形成された面とは反対側を指し、図11において示すZ方向(Zの矢印方向)の側のことである。
また、被転写基板保持部120の背面側とは、被転写基板30を保持した状態において、転写層が形成される被転写基板30の面とは反対側を指し、図11において示すZ方向(Zの矢印方向)と反対側のことである。
被転写材料が硬化した後は、テンプレート保持部110及び被転写基板保持部120の少なくとも一方を駆動し、テンプレート1と被転写基板30と離間させる。
また、空間的に配置可能であれば、テンプレート保持部110の背面側、若しくは、被転写基板保持部120の背面側に、紫外線光源130と赤外線光源140の両方が配置されていてもよい。
図12は、本発明に係るインプリント装置の他の例を示す説明図である。
例えば、図12に示すインプリント装置101は、赤外線光源141と被転写基板保持部120との間に、赤外線遮光マスク150を備えている。
この赤外線遮光マスク150は、赤外線40が転写領域に照射されることを遮るものであり、例えば、赤外線を吸収または反射する金属や樹脂などから構成されている。
インプリント装置101においては、この赤外線遮光マスク150を備えることで、転写領域内の被転写樹脂が加熱されてしまうことを抑制できる。
ただし、インプリント装置101においては、この赤外線遮光マスク150を備えることから、紫外線光源130と赤外線光源141は、テンプレート保持部110及び被転写基板保持部120とを挟んで対向配置されることが、より好ましい。同じ側に配置することは、空間的に困難な場合があるからである。
この赤外線吸収部160は、赤外線40の強度を減衰させるものであり、例えば、赤外線40を吸収する金属や樹脂などから構成されている。
また、赤外線吸収部160は、入射した赤外線40が赤外線吸収部150の内部で反射を繰り返して、その強度が減衰するような構造であってもよい。
インプリント装置101においては、この赤外線吸収部160を備えることで、赤外線40が装置内で反射して、望まない箇所に赤外線が照射されることを抑制できる。例えば、転写領域内の被転写樹脂が加熱されてしまうことを抑制できる。また、作業者が赤外線の照射を受けてしまうことも抑制できる。
10・・・転写領域
11・・・凹凸パターン
12・・・窪み部
20、20a、20b・・・被転写材料
21、21a、21b・・・転写層
30、31、32・・・被転写基板
35・・・領域
36・・・窪み部
40・・・赤外線
41・・・光
51、52・・・光吸収部
60・・・紫外線
100、101・・・インプリント装置
110・・・テンプレート保持部
120・・・被転写基板保持部
130・・・紫外線光源
140、141・・・赤外線光源
150・・・赤外線遮光マスク
160・・・赤外線吸収部
Claims (9)
- 転写領域に凹凸パターンが形成されたテンプレートと、被転写基板とを対向させ、前記テンプレートと前記被転写基板との間に、被転写材料を介在させた状態とし、前記被転写材料を硬化させることによって、前記凹凸パターンに成形された転写層を形成するインプリント方法であって、
前記テンプレートと前記被転写基板とを対向させた状態で、前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を、加熱して気化させることを特徴とするインプリント方法。 - 前記転写領域よりも外側の領域に、前記テンプレート側または前記被転写基板側から赤外線を照射することにより、前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。
- 前記転写領域の外側であって、前記テンプレートまたは前記被転写基板のいずれか一方、若しくは、前記テンプレートおよび前記被転写基板の両方に、光を受けて熱を発生する光吸収部を設け、
前記光吸収部に光を照射することにより、前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインプリント方法。 - 前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を加熱しつつ、前記転写領域内の前記被転写材料を硬化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインプリント方法。
- 前記転写領域内の前記被転写材料を硬化させる前に、前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を、加熱して気化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインプリント方法。
- 少なくとも前記転写領域よりも外側にはみ出す前記被転写材料を加熱する間、前記テンプレートの側面に向かって気体を供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインプリント方法。
- テンプレートを保持するテンプレート保持部と、
被転写基板を保持する被転写基板保持部と、
前記テンプレート保持部または前記被転写基板保持部の背面側に配置された紫外線光源と、
前記テンプレート保持部または前記被転写基板保持部の背面側に配置され、被転写材料の加熱に用いられる光を照射する光源としての赤外線光源と、
前記赤外線光源と、前記赤外線光源が配置された側の保持部との間に、前記テンプレートの転写領域への赤外線照射を遮る赤外線遮光マスクと、
を備えることを特徴とするインプリント装置。 - 前記紫外線光源と前記赤外線光源は、前記テンプレート保持部及び前記被転写基板保持部とを挟んで対向配置されることを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。
- 前記赤外線光源が配置された側とは反対側の保持部の背面側に、赤外線の強度を減衰させる赤外線吸収部を備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のインプリント装置。
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