JP5514619B2 - 配線検査治具 - Google Patents

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本発明は、配線検査治具に関し、より詳しくは、配線基板の導通、短絡及び絶縁などの電気的な配線検査に用いる配線検査治具に関する。
現在、電子部品などが搭載される配線基板の出荷に際しては、配線パターンの短絡、断線及び絶縁などの異常を発見するための配線検査が行われている。なお、配線基板とは、半導体パッケージ、ICサブストレート、ICプローブヘッド、液晶モジュール、プラズマディスプレイの電極板、ガラス基板及びフィルムキャリアなど様々の配線を含む配線基板類をいう。一般的に、配線検査には、ユニバーサル治具を有する検査装置が使用されている。ユニバーサル治具とは、ユニバーサル検査機に対応する治具をいう。また、専用治具とは、専用検査機に対応する治具をいう。ここで、従来の配線検査装置2000の構造例を図16に例示する。
図16に示す従来の配線検査装置2000は、上部治具としての配線検査治具2500、下部治具としての配線検査治具2100、配線検査治具2500に電気的に接続される上部制御部4000及び配線検査治具2100に電気的に接続される下部制御部3000を備える。なお、配線検査治具及び制御部は、上部及び下部において同一のものを使用するため、以下、下部の配線検査治具2100及び制御部3000の構成について説明することにする。
図16に示す従来の配線検査治具2100は、上板部材2110、第1の中間部材2121、第2の中間部材2122、上面部2131、中間部2132及び下面部2133を有する下板部材2130及び同一長のプローブピン群2140を備える。制御部3000は、図示しないが、検査対象物である配線基板の配線検査の制御を行うスキャナー及び測定部を備える。また、制御部3000は、プローブピン群2140に接触させる配線検査用電極2150を備える。検査対象物である配線基板2300は、第1の検査点2310及び第2の検査点2320を備える。
上板部材2110、第1の中間部材2121、第2の中間部材2122及び下板部材2130は、それぞれが貫通口を有している。このそれぞれの貫通口には、同一長のプローブピン群2140が傾斜をつけて挿入されている。このプローブピン群2140を、傾斜をつけて挿入することで、配線検査治具2100は、配線基板2300の微小ピッチに対応して、検査を行うことができる。プローブピン群2140は、下板部材2130の貫通孔2134に挿入されて、下板部材2130の下面部2133の下部に位置し、配線基板2300の第2の検査点2320と配線検査用電極2150とを接触させる。これによって、配線検査治具2100を用いて配線検査を行うことができる。
上述した従来の配線検査治具2100では、コストを安くするため、プローブピン群2140のリサイクル使用、また、プローブピン群2140の長さを同一長に統一して使用している。配線検査において、プローブピン群2140の長さが同一長のものを使用すると、配線検査用電極2150と配線基板2300の第2の検査点2320とを接触させるプローブピン群2140の傾斜角度が大きい場合、上板部材2110の表面からのプローブピン群2140の先端部の突出量は、小さくなる。一方、配線検査用電極2150と配線基板2300の第2の検査点2320とを接触させるプローブピン群2140の傾斜角度が小さい場合、上板部材2110の表面からのプローブピン2140の先端部の突出量は、大きくなる。すなわち、同一長のプローブピン群2140を使用した場合、挿入する傾斜角度によって、配線基板2300の第2の検査点2320に接触する、上板部材2110の表面から突出したプローブピン群2140の先端部が不揃いとなり大小差が生じる。
このため、配線検査において、配線基板2300の第2の検査点2320とプローブピン群2140の先端部との接触が不安定な状態が生じやすい。プローブピン群2140の先端部が不揃いとなった場合、検査においては所定の圧力を掛けて検査するため、高く突出したプローブピン2140の先端は、第2の検査点2320に強く突き当たる。すなわち、プローブピン群2140の先端部の打痕が大きくなり、配線基板2300に損傷を与える可能性がある。したがって、各第2の検査点2320に突き当たるプローブピンの圧力を抑制することが求められている。
そこで、例えば、特許文献1には、プリント配線板の微細ピッチにも少ない部品点数で組立を容易にし、接触の信頼性を確保する基板検査用治具が提案されている。この特許文献1においては、傾斜をつけて配置される接触子の検査装置側の先端と電極部との間にバネを配設して圧力を抑制しながら接触子と電極部とを接触させて導通検査を行っている。しかし、この特許文献1に記載のプリント配線板の導通検査を行う基板検査用治具では、接触子が接触する電極に刺さり、プリント配線板に打痕がつき、プリント配線板に損傷を与える可能性がある。また、特許文献1においては、接触子に傾斜をつけて配置するため、接触子の長さを考慮して配置する必要があり、作業効率が低下する可能性がある。
特開2009−250917号公報
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、配線検査治具を用いて配線基板の配線検査を行う際に、配線基板へのプローブピン群による打痕を抑制して、配線基板の配線検査の品質が向上し、かつ、プローブピン群の接触が安定することで検査点との接触抵抗の増大を抑えることができ、配線検査のコストを低減することができる配線検査治具を提供することを目的とする。
本発明の一実施の形態に係る配線検査治具は、上面、下面及び上面から穿孔された円形の第1の穿孔と下面から穿孔された円形の第2の穿孔とから形成された複数の第1の貫通孔を備える上板部材と、第1の貫通孔に対応して配設される複数の第3の貫通孔を有し、かつ、上面部、中間部及び下面部を備える下板部材と、上部及び下部を有し、かつ、複数の第3の貫通孔のそれぞれに配置される複数の中間ピンと、同じ長さの複数のプローブピンと、を備え、複数の中間ピンのそれぞれの上部は、下板部材の上面部からそれぞれの中間ピンごとに予め定められた距離で配置され、複数のプローブピンは、それぞれ複数の第1の貫通孔を貫通して下板部材の上面部に対して所定の角度で挿入されて、複数のプローブピンのそれぞれの一端部は複数の第3の貫通孔のそれぞれに配置された中間ピンのそれぞれの上部に接触し、複数のプローブピンのそれぞれの他端部は複数の第1の貫通孔からの突出量が同一である、ことを特徴とする。
第3の貫通孔は、中間部の径が上面部及び下面部の径よりも大きく、かつ、上面部及び下面部の径は、中間ピンの径より小さく、複数の中間ピンは、それぞれ同じ長さであり、第3の貫通孔の中間部に配置してもよい。
第3の貫通孔は、下面部及び中間部の径が中間ピンの径より小さい同一の径であり、かつ、上面部において下面部及び中間部の径が上部方向に向かって拡開するテーパ形状であり、複数の中間ピンは、それぞれ同じ長さであり、複数の中間ピンは第3の貫通孔に圧入してもよい。
複数の第1の貫通孔と複数の第3の貫通孔とに対応して配置される複数の第2の貫通孔を有し、上板部材と下板部材との間に配置される少なくとも1つの中間部材をさらに備えてもよい。
本発明によれば、配線検査治具を用いて配線基板の配線検査を行う際に、配線基板へのプローブピン群による打痕を抑制して、配線基板の配線検査の品質が向上し、かつ、プローブピン群の接触が安定することで検査点との接触抵抗の増大を抑えることができ、さらには、同一長のプローブピン群を用いるためコストを低くすることができる配線検査治具が提供される。
本発明の第1の実施の形態に係る配線検査治具を示す斜視図である。 図1のX−X1断面におけるA領域を示す概略断面図である。 (a)は、図2のD領域を示す拡大図、(b)は、図3(a)のE領域の一例を示す拡大図、(c)は図3(a)のE領域の他の例を示す拡大図である。 第1の実施の形態に係る配線検査装置を示す概略断面図である。 (a)は、図4に示す配線検査装置の検査時におけるE領域の一例を示す概略断面図、(b)は、図4に示す配線検査装置の検査時におけるE領域の他の例を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る配線検査治具を示す概略断面図である。 図6のF領域を示す拡大図である。 図6に示す配線検査装置の検査時の状態を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る配線検査治具用上板部材を示す拡大斜視図である。 (a)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材に形成される複数の貫通孔のX−X1を示す断面図、(b)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材に形成される複数の貫通孔のY−Y1を示す断面図、(c)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材に形成される1つの貫通孔を示す上面図である。 (a)〜(c)は、図10(a)に示す1つの貫通孔を形成する場合の第1の穿孔及び第2の穿孔それぞれの中心軸の位置関係とプローブピンの挿入角度の関係とを示す図である。 (a)〜(c)は、プローブピン及び貫通孔の角部と上板部材内部の角h、角iとの関係を示す図である。 第3の実施の形態に係る配線検査装置を示す概略断面図である。 第3の実施の形態に係る配線検査装置を示す概略断面図である。 第3の実施の形態に係る配線検査装置を示す概略断面図である。 従来の配線検査装置を示す概略断面図である。 従来の配線検査治具用上板部材を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。
(第1の実施の形態)
(配線検査治具)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る配線検査治具1100を示す概略図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る配線検査治具1100は、上板部材1110、第1の中間部材1120、第2の中間部材1130、下板部材1140、複数のプローブピン群1150、第1のガイドピン1160、第2のガイドピン1161及びベース部材1162を備える。ここで、図1においては、複数のプローブピン群1150が、A領域、B領域、C領域に配設される様子を示し、A領域、B領域、C領域は、それぞれが異なる本数のプローブピン群1150を有する。なお、図1は例示であり、本発明の第1の実施の形態における複数のプローブピン群1150は、図示した本数に限定されず、数千〜数万のプローブピン群を有する場合もある。
配線検査治具1100の上板部材1110の表面には、複数のプローブピン群1150の各先端部が突出している。すなわち、上板部材1110は、複数の第1の貫通孔1171を有し、プローブピン群1150は、所定の第1の貫通孔1171を貫通して挿入される。
第1の中間部材1120は、複数の第1の貫通孔1171に対応して、複数の第2の貫通孔1172を有する。第2の中間部材1130もまた、複数の第1の貫通孔1171及び複数の第2の貫通孔1172に対応して、複数の第3の貫通孔1173を有する。この第1の中間部材1120及び第2の中間部材1130は、プローブピン群1150の挿入をガイドするために設けられている。
下板部材1140は、上面部1141、中間部1142及び下面部1143を備える。この下板部材1140は、複数の第1の貫通孔1171、複数の第2の貫通孔172及び複数の第3の貫通孔1173に対応して、複数の第4の貫通孔1174を有する。下板部材1140の複数の第4の貫通孔1174には、中間ピン1147がそれぞれに配置される。
複数のプローブピン群1150は、複数の第1の貫通孔1171、複数の第2の貫通孔1172及び複数の第3の貫通孔1173をそれぞれ貫通することで、下板部材1140の上部面1141に対して所定の角度をもって挿入され、複数の第4の貫通孔1174に配置されるそれぞれの中間ピンの上部に接触するまで挿入される。そして、この複数のプローブピン群1150は、上板部材1110の第1の貫通孔1171からの突出量が同一である。複数のプローブピン群1150が第1の貫通孔1171からの突出量が同一であることの詳細については、後述する。
第1のガイドピン1160は、検査対象物である配線基板の検査点が複数のプローブピン群1150に接触されるようにガイドする。第2のガイドピン1161は、上板部材1110、第1の中間部材1120、第2の中間部材1130及び下板部材1140をベース部材1162上に支持するために配置される。これによって、ベース部材1162上には、第2のガイドピン1161で固定した上板部材1110、第1の中間部材1120、第2の中間部材1130及び下板部材1140がベース部材1162と所定の間隔をもって配置されることになる。
配線検査治具1100は、コネクタ支持台1210と、該コネクタ支持台1210上にコネクタ1220を備える。このコネクタ1220は、ワンタッチ接続またはケーブル接続で制御部に接続される。また、コネクタ1220には、下板部材1140の中間ピン1147と接続された配線1300が電気的に接続される。ここでは、下板部材1140の中間ピン1147と一体の配線1300を用いて、コネクタ1220に電気的な接続をしているが、下板部材1140の中間ピン1147と一体の配線1300を用いずに、例えば、中間ピン1147に電気的に接続される電極を用いて、電気的に接続してもよい。つまり、配線検査において、電気的に接続していることが確認できればよい。
図1に示した配線検査治具1100を用いて配線検査を行う際には、対向して配置された2つの配線検査治具1100の間に配線基板を挟み込む。この場合には、配線基板の両側にそれぞれ複数設けられた検査点(以下、第1の検査点、第2の検査点という。)と、2つの配線検査治具1100のそれぞれのプローブピン群1150とが接触するようにして挟み込む。そして、2つの配線検査治具1100に圧力を加えて、それぞれの配線検査治具1100のプローブピン群1150がそれぞれ第1の検査点及び第2の検査点に接触するようにする。
次に、図1に示す配線検査治具1100のプローブピン群1150のA領域におけるX−X1断面の拡大図を図2に示す。上述したように、本発明の第1の実施の形態に係る配線検査治具1100は、上板部材1110、第1の中間部材1120、第2の中間部材1130、下板部材1140及びプローブピン群1150を有する。なお、配線検査においては、図2に示した上板部材1110上には、検査対象物である第1の検査点1410及び第2の検査点1420を有する配線基板1400が配置される。
上板部材1110は、複数の第1の貫通孔1171を有して、この第1の貫通孔1171から複数のプローブピン群1150を挿入する。なお、図示はしていないが、上板部材1110の複数の第1の貫通孔1171は、配線基板1400側を上面、第1の中間部材1120側を下面とした場合、上面に形成される孔より下面に形成される孔が大きくなるように形成される。すなわち、この孔の形状は、下面側が拡開したテーパ状又は階段状であることが好ましい。テーパ状または階段状に形成することで、後述するプローブピン群1150を挿入する作業効率が向上する。配線検査を行う際の上板部材1110には、プレスにより押し圧力が加わるため、第1の中間部材1120及び第2の中間部材1130より厚いことが好ましい。
第1の中間部材1120は、複数の第2の貫通孔1172有して、この複数の第2の貫通孔1172は複数の第1の貫通孔1171に対応する。第2の中間部材1130は、複数の第3の貫通孔1173を有して、この複数の第3の貫通孔1173は複数の第2の貫通孔1172と対応する。第1の中間部材1120及び第2の中間部材1130は、プローブピン群1150を挿入する際に、プローブピン群1150をガイドするために配置する。なお、本第1の実施の形態においては、第1及び第2の2つの中間部材を配置しているが、中間部材の数はこれに限定されない。中間部材は、1つでもよいし、3つ配置してもよい。第1の中間部材1120及び第2の中間部材1130は、プローブピン群1150をガイドする必要がない場合、配置しなくてもよい。しかし、プローブピン群1150の強度を考慮すると、少なくとも1層以上中間部材を配置することが好ましい。また、第1の中間部材1120及び第2の中間部材1130の厚みは、上板部材1110より薄いことが好ましい。
図1では図示していないが、第2の中間部材1130と下板部材1140との間にはラバー1135が配置される。ラバー1135は、挿入したプローブピン群1150の落下を防止する。配線検査を行う際には、配線基板を配線検査治具で挟み込む必要がある。その際、配線検査治具1100を反転させると挿入したプローブピン群1150が落下してしまうために、ラバー1135により防止している。なお、本発明の実施の形態では、ラバー1135を用いているが、プローブピン群1150の落下を防止できれば、材質は、ラバーに限定されず、例えば、スポンジ、ビニール、化学繊維類のいずれかであってもよい。
下板部材1140は、上面部1141、中間部1142及び下面部1143で構成する。この下板部材1140は、複数の第4の貫通孔1174を有して、この複数の第4の貫通孔1174は複数の第3の貫通孔1173と対応する。下板部材1140の複数の第4の貫通孔1174には、それぞれに複数の中間ピン1147が配置される。
ここで、第4の貫通孔1174は、断面形状が、中間部が径の大きい円筒状で、上部と下部が径の小さい円筒状の段付きの孔として形成される。この段付きの孔は、下板部材1140の上面部1141側及び下板部材1140の下面部1143側の両側からそれぞれにテーパドリルを用いて穿孔することで形成される。なお、段付きの孔を形成する際に用いるテーパドリルは、一例であってこれに限定されるものではなく、円筒状の段付き孔が形成できるものであれば、いずれのものを用いてもよい。
下板部材1140に形成する段付きの孔について、図2に示す下板部材1140のD領域の拡大図を示す図3(a)を参照して説明する。図3(a)に示す段付きの孔である第4の貫通孔1174は、第1の孔1148と第2の孔1144と第3の孔1149とからなる。第1の孔1148の径と第3の孔1149の径は、第2の孔1144の径より小さい。第2の孔1144には、内部に中間ピン1147が配置される。
本第1の実施の形態においては、上板部材1110から突出する下板部材1140で、プローブピン群1150の先端部の高さを一定の高さにするために、中間ピン1147を用いている。ここで、図3(a)に示した中間ピン1147は、導電体で構成され、スプリング状に形成されている。より詳細に図3(b)を参照して説明する。図3(b)は、図3(a)のE領域の拡大断面図である。図3(b)に示すように、中間ピン1147の上部には、プローブピン群1150の接触が容易になるように、カップ状に形成され、中間ピン1147の下部には、中間ピン1147と一体型の配線1300が形成されて制御部に接続される。また、中間ピン1147の他の例を図3(c)に示す。図3(c)に示した中間ピン1147は、導電体で構成され、テレスコピック状に形成されている。図示はしないが、テレスコピック状に形成された中間ピン1147の内部にはバネなどの弾性体が配置され圧力を吸収する。中間ピン1147の上部は、プローブピン群1150の接触が容易になるように、中心部に向かって窪みを有して構成され、中間ピン1147の下部には、中間ピン1147と一体型の配線1300が形成されて制御部に接続される。なお、上述した2つの中間ピン1147の構造は、例であって、プローブピン群1150の先端部の高さを一定の高さにできれば、これに限定されない。
中間ピン1147の直径は、第1の孔1148及び第3の孔1149の径よりも大きく、第2の孔1144の径よりも小さい。ここで、図3(a)を参照すると、中間ピン1147を配置する段付きの孔は、下板部材1140の上面部1141に対する深さd1〜d4がそれぞれ相違していることがわかる。この相違している深さd1〜d4は、プローブピン群1150の先端部が接触する配線基板1400の第2の検査点1420の位置に応じて変更している。
すなわち、プローブピン群1150は、図2に示すように、同一長のプローブピンを用いて、傾斜をつけて配置する。例えば、図2の左端に示すプローブピン1150は、上板部材1110の第1の貫通孔1171に対応する第1の中間部材1120の第2の貫通孔1172、第1の中間部材1120の第2の貫通孔1172に対応する第2の中間部材1130の第3の貫通孔1173、第2の中間部材1130の第3の貫通孔1173に対応する下板部材1140の第4の貫通孔1174の角度をそれぞれθ1として、同一の角度で挿入されている。これは、それぞれの孔の配置位置が各部材を重ね合わせた時に、角度θ1で直線上に位置するように形成されているためである。同様に、他のプローブピン1150の第2、第3及び第4の貫通孔におけるプローブピン群1150の傾斜は、角度θ2、θ3及びθ4で、それぞれが同一の角度を形成するように挿入される。上述した角度θ1、θ2、θ3及びθ4は、検査対象の配線基板の検査点の位置に合わせて決定される。その上で、角度θ1、θ2、θ3及びθ4と段付きの孔の深さd1、d2、d3及びd4が対応して設定され、プローブピン群1150の突出量が一定になるように設定される。
ここで、プローブピン群1150の傾斜をつける角度θ1〜θ4は、下板部材1140の上面部1141に対して、プローブピン群1150が垂直である場合を90°として、90°±20°であることが好ましい。プローブピン群1150の角度が90°±20°を超えると、第1〜第4の貫通孔によってプローブピン群1150の動作が規制されるからである。
本発明では、同一のピン長を有するプローブピン群1150を、所定の角度で配置するためコストを削減でき、微細化した配線基板にも対応できる。この場合に、プローブピン群1150の先端部の突出量を一定にするために、段付きの孔の配置の深さd1〜d4とプロープピン群1150の挿入角度θ1〜θ4を対応させる。これによって、プローブピン群1150の先端部の突出量を一定とすることができる。
なお、図3(b)及び(c)は、配線検査を行う前の状態を示し、中間ピン1147に圧力が加わる前の状態を示している。
本発明の第1の実施の形態に係る配線検査治具1100では、同一長のプローブピン群1150を所定の角度で傾斜させ、下板部材1140の中間ピン1147の位置をそれぞれ調整することで、プローブピン群1150の先端部を一定の高さにしている。プローブピン群1150の先端部を一定の高さにすることにより、配線検査を効率よく行うことができる。
(配線基板の配線検査)
次に、配線検査装置1000を用いて配線基板1400の配線検査を行う場合について図4を参照して説明する。図4に示す配線検査装置1000により配線検査を行う際には、図4に示すように、上述した配線検査治具1100と同一の配線検査治具1100で配線基板1400を挟んで行う。ここで、配線検査装置1000には、上部配線検査治具及び下部配線検査治具に電気的に接続され、配線基板の配線検査を制御する2つの制御部(上部制御部4000、下部制御部3000)が配置されている。この制御部は、図示しないが、スキャナー及び測定部を備えている。配線基板1400の両面を配線検査治具1100で挟み、図4に示す矢印方向に圧力を加えて第1の検査点1410及び第2の検査点1420をプローブピン群1150に接触させる。この際、下板部材1140の中間ピン1147は図5(a)に示すように、中間ピン1147が垂直方向で下側に押し下げられて、中間ピン1147が圧縮している。これによって圧力が吸収される。また、図3(c)に示した他の中間ピン1147を使用した場合には、図5(b)に示すように、中間ピン1147の中間部が垂直方向で下側に押し下げられて、中間ピン1147が圧縮している。これによって圧力が吸収される。なお、本発明の第1の実施の形態では、配線検査の際に、上から圧力を掛ける例を説明したが、圧力を掛ける方向は、これに限定されず、下側から圧力を掛けて配線検査を行ってもよい。
本発明の第1の実施の形態では、下板部材1140における中間ピン1147の配置する深さをプローブピン1150の挿入角度に応じてそれぞれを調整することで、プローブピン群1150の先端部の突出量を同一にすることができる。上述したように、プローブピン群1150は、第1及び第2の検査点と下板部材1140の中間ピン1147により最短距離になり、同一のピン長を用いて、所定の角度で傾斜をつけて配置した場合でも、プローブピン群1150の先端部の突出量を同一にできるため、接触が安定し、且つ品質が向上した配線基板1400の配線検査を行うことができる。
(第2の実施の形態)
(配線検査装置)
図6を基に本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態では、プローブピン群1150の先端部の突出量を同一にするために、図6に示すように、上部1182、中間部1183及び下部1184を有する下板部材1180に形成した、第5の貫通孔1175に同じの長さの中間ピン1181を圧入したことに特徴がある。第5の貫通孔1175は、中間部材1180の上部1182から下部1184にかけて孔が小さくなるように形成される。すなわち、この孔の形状は、上部1182側が拡開したテーパ状であることが好ましい。本発明の第2の実施の形態では、図2に示した下板部材1140を下板部材1180として構成した例を図6に示す。なお、図6に示す下板部材1180は、中間ピン1181を介して配線検査用電極1190に接触する構成以外、図2に示す配線検査治具1100と同一の構成であるため、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
図6に示した下板部材1180は、第5の貫通孔1175を形成した後に、圧入により長さが同一の中間ピン1181を挿入する。中間ピン1181の径は、第5の貫通孔1175の径よりも大きいため、圧力を掛けて挿入する。そして、それぞれの中間ピン1181は、必要に応じて圧力を変えることで、所定の深さまで挿入される。この所定の深さは、対応するプローブピンの傾斜角度に応じて調整される。従って、中間ピン1181の下端部が下板部材1180から突出する量も異なる。なお、検査時において、中間ピン1181は、配線検査用電極1190と接触して、電気的に接続している。配線検査用電極1190の下面には、図示しないが、スプリングが設けられる。スプリングを設けることで、配線検査の際に加わる圧力を吸収することができる。
図7は、図6に示す部分Fを拡大した概略断面図である。図7に示す同一長の中間ピン1181は、プローブピン群1150の所定の角度の傾斜に応じて配置する。そのため、中間ピン1181を挿入しない場合には、プローブピン1150が下板部材1180に対して垂直である可能性がある。また、中間ピン1181が下板部材1180の深さ方向に対して、浅く挿入されている場合は、プローブピンの傾斜が90°±20°である可能性がある。つまり、この中間ピン1181を挿入する第5の貫通孔1175の深さは、プローブピン群1150の所定の傾斜角度によって決定され、これによって、プローブピン群1150の先端部の突出する高さを同一できる。
(配線基板の配線検査)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る配線検査治具1100を用いて配線基板1400の配線検査を行う場合について図8を参照して説明する。図8に示す配線検査装置1000により配線検査を行う際には、配線基板1400を第1の実施の形態のように配線検査治具1100と同一の配線検査治具1100との間に挟んで行う。そして、図8に示す矢印方向に圧力を加えて第1の検査点1410及び第2の検査点1420をプローブピン群1150に接触させる。この際、図8に示すように、下板部材1140の中間ピン1181は、配線検査用電極1190と接触して、電気的な接続が図られる。配線検査用電極1190の下面には、上述したように、中間ピン1181と接触した際に、圧力を吸収するスプリングが設けられる。したがって、中間ピン1181の下端部の突出量が異なり配線検査用電極1190に加えられる圧力が異なっても、吸収することができる。なお、本発明の第2の実施の形態では、配線検査の際に、上から圧力を掛ける側を説明したが、圧力を掛ける方向は、これに限定されず、下側から圧力を掛けて配線検査を行ってもよい。
本発明の第2の実施の形態では、下板部材1180に対して、長さが同じ中間ピン1181の圧入量を変えて配置することで、中間ピン1181の上端部の位置を変え、プローブピン群1150の先端部の突出量を同一にすることができる。したがって、同一のピン長を用いて、所定の角度で傾斜をつけて配置した場合でも、プローブピン群1150の先端部の突出量を同一にできるため、品質が向上し、かつ、プローブピンの接触が安定することで検査点との接触抵抗の増大を抑えることができ効率良く配線基板1400の配線検査を行うことができる。
(第3の実施の形態)
(配線検査治具用上板部材)
本発明の第3の実施の形態について図を基に説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態に係る配線検査治具用上板部材1500の図1に示した領域Aに相当する箇所の拡大斜視図である。本発明の第3の実施の形態は、配線検査治具用上板部材1500に特徴がある。本第3の実施の形態の上板部材1500は、複数の貫通孔1540にプローブピンを挿入するだけで、プローブピンを所定の角度で保持することができる。これは、本第3の実施の形態の上板部材1500の貫通孔1540が、図9に示すように、上板部材1500の厚さの中間位置より深く穿孔される孔の中心がずれるように形成されているためである。この複数の貫通孔1540は、上板部材1500の上面1510側から穿孔された円形の第1の穿孔1515及び上板部材1500の下面1530側から穿孔された円形の第2の穿孔1535から形成され、第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535は、それぞれが上板部材1500を貫通しないように穿孔されている。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る配線検査治具用上板部材1500の上面1510及び下面1530のそれぞれを穿孔して複数の貫通孔1540を形成する方法について図10(a)〜(c)を参照して具体的に説明する。図10(a)〜(c)においては、第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535のそれぞれの穿孔する深さを、上板部材1500の厚さの中間位置より深く穿孔する例について図示しているが、それぞれの穿孔する深さは、これに限定されるわけではない。それぞれの穿孔を、上板部材1500の厚さの中間位置の深さに設定することも可能である。
図10(a)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材1500に形成される複数の貫通孔1540のX−X1を示す断面図、(b)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材1500に形成される複数の貫通孔1540のY−Y1を示す断面図、(c)は、図9に示す本第3の実施の形態に係る上板部材1500に形成される1つの貫通孔1540を示す上面図である。図10(a)及び(b)に示したそれぞれの貫通孔1540は、第1の穿孔1515と第2の穿孔1535とが連結して形成される。各貫通孔1540は、図10(a)のX−X1の断面図及び図10(b)のY−Y1の断面図に示すように、第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535の位置をずらして配置することで、階段状に貫通されている。そして、それぞれの貫通孔1540には、図10(a)に示すように、角h及び角iが形成される。即ち、貫通孔1540は、内部に2つの角を有する。
図10(c)に示した1つの貫通孔1540を形成する場合、上板部材1500の上面1510側から穿孔される第1の穿孔1515の中心軸に対して、下面1530側から穿孔される第2の穿孔1535の中心軸を、X−Y座標で所定の位置にずらして穿孔する。所定の位置は、その貫通孔1540に挿入するプローブピンを傾斜させる所定の角度及び傾斜させる方向に基づいて定められる。ただし、第2の穿孔1535の配置位置は、図10(c)に示した第1の穿孔1515と第2の穿孔1535との連結面における2つの穿孔の交点の距離(図10(c)中に示す「距離W」)が、プローブピンの直径以上になるように設定しなければならない。この距離Wがプローブピンの直径と同一又は小さければ、プローブピンが連結部分に当接して挿入できなくなるからである。
挿入されたプローブピンが、貫通孔1540の上板部材1500の上面及び下面との角部及び貫通孔内部の角h及び角iによって傾斜角度が所定の角度に保持される点について、図11(a)〜(c)を用いてより詳細に説明する。図11(a)及び(b)は、それぞれ、第1の穿孔1515の中心軸に対して第2の穿孔1535の中心軸をずらした例を示し、図11(c)は、第1の穿孔1515の中心軸に対して第2の穿孔1535の中心軸をずらさない(貫通孔が階段状に貫通されていない孔になる)例を示している。
図11(a)〜(c)は、図10(a)に示す1つの貫通孔1540を形成する場合の第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535それぞれの中心軸の位置関係とプローブピン1150の挿入角度の関係とを示す図である。図11(a)及び(b)に示した1つの貫通孔1540を形成する場合、上板部材1500の上面1510側から穿孔される第1の穿孔1515の中心軸に対して、下面1530側から穿孔される第2の穿孔1535の中心軸を、X−Y座標で所定の位置にずらして、第1の穿孔1515と同一の深さで穿孔する。所定の位置は、その貫通孔1540に挿入するプローブピン1150を傾斜させる所定の角度及び傾斜させる方向に基づいて定められる。ただし、第2の穿孔1535の配置位置は、図11(a)及び(b)に示した第1の穿孔1515と第2の穿孔1535との連結面における2つの穿孔の交点の距離Wが、プローブピン1150の直径以上になるように設定している。なお、図11(a)及び(b)においては、1つの貫通孔1540を形成する場合、第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535を同一の深さで穿孔する例について図示しているが、それぞれの穿孔する深さは、同一に限定されるわけではない。第1の穿孔1515及び第2の穿孔1535を異なる深さに穿孔することも可能である。
図11(a)は、第2の穿孔1535の中心軸が第1の穿孔1515の中心軸の近くに設定された例である。図11(b)は、第2の穿孔1535の中心軸を図11(a)より遠くにずらして設定された例を示している。図11(a)においては、形成された貫通孔1540の角hと角iとの貫通孔内部への突出量は小さくなり、従って、プローブピン1150は、上板部材1500の上面の角と、下面の角とによって挿入角度が規制され、小さく傾斜して挿入される。また、図11(b)においては、形成された貫通孔1540の角hと角iとの貫通孔内部への突出量は大きくなり、従って、プローブピン1150は、角hと角iとによって挿入角度が規制され、大きく傾斜して挿入される。一方、図11(c)においては、形成された貫通孔1540は、上面又は下面から一気に貫通して形成されている。従って、プローブピン1150は、上板部材1500に対して垂直に挿入される。このように、第2の穿孔1535の中心軸を、第1の穿孔1515の中心軸に対してX−Y座標で所定の位置にずらすことで、プローブピン1150の傾斜角度を調整できる。この場合、第2の穿孔1535の中心軸をずらす距離によって、挿入されたプローブピン1150の傾斜角度を規制する箇所が変わってくる。形成された貫通孔1540の角hと角iとの貫通孔内部への突出量が小さければ、傾斜角度が小さくなり、角hと角iとの貫通孔内部への突出量が大きければ、傾斜角度が大きくなる。ただし、角hと角iとの貫通孔内部への突出量が大きくなるとプローブピン1150の挿入がスムースに行えなくなるので、できるだけ突出量が小さくなるように設定するのが好ましい。
以上説明したように、プローブピン1150の挿入角度は、貫通孔1540を形成する2つの穿孔の直径、プローブピン1150の直径及び同一の深さで穿孔する2つの穿孔の中心軸の位置をずらすことによって調整できる。プローブピン1150の挿入容易性、挿入正確性及びプローブピン1150の検査位置の安定性を勘案して、穿孔の直径及び2つの穿孔のX−Y座標における位置を設定すればよい。
さらに、上記した上板部材1500の貫通孔1540を形成する際の変形例について説明する。本変形例は、第1の穿孔1515の中心軸と第2の穿孔1535の中心軸とをずらすことに加え、第1の穿孔1515と第2の穿孔1535の穿孔されずに残った部分の高さを調整することを特徴とする。これによって、プローブピンの傾斜角度の微調整が可能となる。
挿入されたプローブピンが、貫通孔1540の上板部材1500の上面及び下面との角部及び貫通孔内部の角h及び角iによって傾斜角度が所定の角度に保持される点について、図を用いてより詳細に説明する。図12は、プローブピン1150及び貫通孔1540の角部と上板部材1500内部の角h、角iとの関係を示す図である。図12(a)、(b)及び(c)に示すように、プローブピン1150の傾斜角度は、貫通孔1540を形成する第1の穿孔1515の中心軸に対して第2の穿孔1535の中心軸をずらす位置、プローブピン1150の直径及び2つの穿孔の穿孔されずに残った部分の高さによって変化する。図12(a)、(b)及び(c)において、穿孔の直径、プローブピン1150の直径は同一である。図12(a)及び(b)では、第1の穿孔1515に対する第2の穿孔1535の位置が反対になり、プローブピン1150の傾斜方向が逆向きとなる。なお、図12(a)及び(b)においては、穿孔の直径がプローブピン1150の直径より大きく、かつ穿孔されずに残った部分の高さが低い。このため、図12(a)に示すように、プローブピン1150は、穿孔の角部の1つと角h又は角iとによって保持されたり、又は、図12(b)に示すように、角h及び角iによって保持されたりする。即ち、プローブピン1150の挿入角度に余裕を持つことができる。また、図12(a)、(b)と図12(c)とでは、上板部材1500の穿孔されずに残った部分の高さが異なる。図12(a)及び(b)は、上板部材1500の穿孔されずに残った部分の高さが同一であり、(c)は(a)及び(b)より上板部材1500の穿孔されずに残った部分の高さが高く形成されている。従って、図12(c)においては、プローブピンは穿孔の2つの角部と角h、角iとによって保持される。この場合プローブピンの挿入角度に余裕はない。以上、説明したように第1の穿孔1515の中心軸と第2の穿孔1535の中心軸とをずらすことに加え、第1の穿孔1515と第2の穿孔1535の穿孔する深さを調整することで、挿入されたプローブピンの傾斜角度を微調整することができる。
なお、本第3の実施の形態においては、第1の穿孔1515と第2の穿孔1535との直径は同一に形成しているが、これに限定されない。第2の穿孔1535の直径を第1の穿孔1515の直径よりも大きく設定すれば、プローブピンの傾斜角度を大きく設定することができ、またプローブピンが挿入し易くなるのでより好ましい。ここで、プローブピンを傾斜させる所定の角度とは、上板部材1500の垂直方向において90°±20°であることが好ましい。プローブピンの角度が90°±20°を超えると、貫通孔1540によって、プローブピンの動作が規制されるからである。
以上のように、本第3の実施の形態に係る上板部材1500の貫通孔1540は、2つの穿孔の中心位置をずらして連結させることで形成し、形成した連結部の上下に角h及び角iが形成される。上板部材1500の上面1510側からプローブピンを挿入すると、この2つの穿孔によって形成された連結部の角h及び角iで挿入方向が規制される。従って、挿入されたプローブピンは、貫通孔1540の上板部材1500の上面及び下面との角部及び貫通孔内部の角h及び角iによって傾斜角度が所定の角度に保持される。言い換えれば、プローブピンは所定の角度(90°±20°)で貫通孔1540を貫通することになり、貫通孔1540自体が所定の角度を持つことになる。
なお、上記した本発明の第3の実施の形態は、上板部材1500の貫通孔を形成する場合のみならず、プローブピンをガイドするために用いる中間部材の貫通孔を形成する場合にも応用することができる。中間部材の貫通孔を上記の方法で形成した場合、上述した上板部材1500の場合と同様に、プローブピンの挿入が容易になる効果を得ることができる。
ここで、従来の配線検査治具用上板部材2110について図16及び図17を用いて説明する。従来の配線検査治具は、それぞれ貫通孔が形成された上板部材及び複数の中間部材を用い、それぞれに形成された貫通孔の位置を順次ずらして配置することで、プローブピンを所定の角度で保持する。上板部材及び複数の中間部材に形成される貫通孔は、それぞれの上面又は下面から一気に貫通して形成される。従って、層の厚さが厚い上板部材の貫通孔は長さが長くなり、挿入されるプローブピンの傾斜角度は必然的に規制され、角度の自由度が低下する。そこで、角度の自由度を確保するため、従来の配線検査治具用上板部材2110においては、図17に示すように、貫通孔2650を配置するエリアについて、裏側を削って(これを、「座ぐる」という。)、貫通孔2650の長さを短くして角度の自由度を確保していた。このため、上板部材2110自体の強度が低下し、破損等の原因となっていた。また、上板部材及び複数の中間部材を配置するため、必然的に配線検査治具自体の高さが高くなる。また、1つのプローブピンを下板部材に達するように挿入するには、いくつもの貫通孔を貫通させる必要があるため、作業に長時間を要する。一方、上述した本第3の実施形態の上板部材1500は、貫通孔1540自体が所定の角度を持つため、貫通孔1540にプローブピンを挿入するだけでプローブピンが所定の角度に保持される。従って、中間部材を省略し、又は極力少ない枚数にすることが可能となる。また角度の自由度を確保するために貫通孔1540が配置されるエリアを座ぐる必要がなく、上板部材1500の強度を確保することができる。さらに、プローブピンを貫通孔1540に挿入するだけで所定の角度で下板部材まで容易に挿入できるため、作業効率が飛躍的に向上する。
本第3の実施の形態に係る上板部材1500は、従来の配線検査治具の下板部材と組み合わせてもよいし、上述した本発明の第1及び第2の実施の形態に係る下板部材と組み合わせることもできる。それぞれと組み合わせて、配線検査治具とし、その配線検査治具を有する配線検査装置の例を、図13〜図15に示す。図13は、本発明の第3の実施形態に係る上板部材1500を従来の配線検査治具の下板部材2130と組み合わせた配線検査装置を示す断面図である。また、図14は、本発明の第3の実施の形態に係る上板部材1500と本発明の第1の実施の形態に係る下板部材1140とを組み合わせた配線検査装置を示す断面図である。図15は、本発明の第3の実施の形態に係る上板部材1500と本発明の第2の実施の形態に係る下板部材1180とを組み合わせた配線検査装置を示す断面図である。
図13に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る配線検査治具1100は、上板部材1500、下板部材2130及び複数のプローブピン群1150を備える。配線検査治具1100の上板部材1500の表面には、複数のプローブピン群1150の各先端部が突出している。すなわち、上板部材1500は、複数の第1の貫通孔1540を有し、プローブピン群1150は、所定の第1の貫通孔1540を貫通して挿入される。なお、第1の貫通孔1540は、図示しないが、第1の穿孔1515と第2の穿孔1535とを連結させて形成している。
下板部材2130は、上面部2131、中間部2132及び下面部2133を備える。この下板部材2130は、複数の第1の貫通孔1540に対応して、複数の第2の貫通孔1520を有する。
複数のプローブピン群1150は、複数の第1の貫通孔1540及び複数の第2の貫通孔1520をそれぞれ貫通することで、下板部材2130の上部面2131に対して所定の角度をもって挿入される。
図13に示す配線検査装置は、上述した上板部材1500を有することにより、中間部材を省略し、又は極力少ない枚数にすることができる。また、上板部材1500自体の強度を確保することができる。さらにプローブピンを容易に所定の角度で挿入することができ、作業効率を向上させることができる。なお、プローブピン群の上板部材1500からの突出量はそれぞれ異なる。
図14及び図15に示す配線検査装置の構成要素については、上述したため重複する詳細な説明は省略するが、いずれの配線検査装置においても、中間部材を省略し、又は極力少ない枚数とすることができる。また、上板部材1500からのプローブピン群の突出量を同一にすることができる。従って、作業効率の飛躍的な向上、配線検査治具の高さの抑制を図ることができ、また、配線基板の配線検査を行う際に、配線基板へのプローブピン群による打痕を抑制して、配線基板の配線検査の品質が向上し、かつ、プローブピン群の接触が安定することで検査点との接触抵抗の増大を抑えることができ、さらには、同一長のプローブピン群を用いるためコストを低くすることができる。
1000…配線検査装置、1100…配線検査治具、1110…上板部材、1120…第1の中間部材、1130…第2の中間部材、1140…下板部材、1147…中間ピン、1150…プローブピン群、1160…第1のガイドピン、1161…第2のガイドピン、1162…ベース部材、1171…第1の貫通孔、1172…第2の貫通孔、1173…第3の貫通孔、1174…第4の貫通孔、1175…第5の貫通孔、1181…中間ピン、1190…配線検査用電極、1210…コネクタ支持台、1220…コネクタ、1300…配線、1400…配線基板、1410…第1の検査点、1420…第2の検査点、1500…上板部材。

Claims (4)

  1. 上面、下面及び前記上面から穿孔された円形の第1の穿孔と前記下面から穿孔された円形の第2の穿孔とから形成された複数の第1の貫通孔を備える上板部材と、
    前記第1の貫通孔に対応して配設される複数の第3の貫通孔を有し、かつ、上面部、中間部及び下面部を備える下板部材と、
    上部及び下部を有し、かつ、前記複数の第3の貫通孔のそれぞれに配置される複数の中間ピンと、
    同じ長さの複数のプローブピンと、を備え、
    前記複数の中間ピンのそれぞれの上部は、前記下板部材の上面部からそれぞれの前記中間ピンごとに予め定められた距離で配置され、
    前記複数のプローブピンは、それぞれ前記複数の第1の貫通孔を貫通して前記下板部材の上面部に対して所定の角度で挿入されて、前記複数のプローブピンのそれぞれの一端部は前記複数の第3の貫通孔のそれぞれに配置された前記中間ピンのそれぞれの上部に接触し、前記複数のプローブピンのそれぞれの他端部は前記複数の第1の貫通孔からの突出量が同一であることを特徴とする配線検査治具。
  2. 前記第3の貫通孔は、前記中間部の径が前記上面部及び前記下面部の径よりも大きく、かつ、前記上面部及び前記下面部の径は、前記中間ピンの径より小さく、
    前記複数の中間ピンは、それぞれ同じ長さであり、前記第3の貫通孔の中間部に配置されることを特徴とする請求項に記載の配線検査治具。
  3. 前記第3の貫通孔は、前記下面部及び前記中間部の径が前記中間ピンの径より小さい同一の径であり、かつ、前記上面部において前記下面部及び前記中間部の径が上部方向に向かって拡開するテーパ形状であり、
    前記複数の中間ピンは、それぞれ同じ長さであり、前記複数の中間ピンは前記第3の貫通孔に圧入されることを特徴とする請求項に記載の配線検査治具。
  4. 前記複数の第1の貫通孔と前記複数の第3の貫通孔とに対応して配置される複数の第2の貫通孔を有し、前記上板部材と前記下板部材との間に配置される少なくとも1つの中間部材をさらに備えることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一に記載の配線検査治具。
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