JP5513980B2 - 吸収ヒートポンプ - Google Patents

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Description

本発明は吸収ヒートポンプに関し、特に昇温能力の向上を可能にしつつ適切なCOPで運転可能な吸収ヒートポンプに関する。
駆動熱源温度より高い温度の被加熱媒体を取り出す昇温型のヒートポンプである第二種吸収ヒートポンプには、被加熱媒体を利用価値の高い高温水又は高温蒸気として取り出すため、被加熱媒体の昇温幅を大きくするべく、吸収器を多段に構成した多段昇温型吸収ヒートポンプがある。多段昇温型吸収ヒートポンプの一例として、高温側吸収器及び低温側吸収器へ供給する冷媒蒸気を発生させる蒸発器を共通にし、高温側吸収器及び低温側吸収器の作動圧力を等しい圧力にして内圧の上昇を抑制した二段昇温型吸収ヒートポンプ(例えば、特許文献1参照。)や、高温側吸収器へ供給する冷媒蒸気を発生させる高温側蒸発器と、低温側吸収器へ供給する冷媒蒸気を発生させる低温側蒸発器とを個別に設け、高温側吸収器を低温側吸収器よりも高い圧力で作動させて、吸収液の結晶ライン付近への濃度上昇を抑制した二段昇温型吸収ヒートポンプ(例えば、特許文献2参照。)がある。
特開昭59−115952号公報(図2等) 特開2006−112686号公報(図6等)
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の二段昇温型吸収ヒートポンプでは、被加熱媒体を昇温できる幅が限定的であり、昇温能力が不足する場合があった。昇温能力を向上させるためには吸収器をさらに多段に構成することが考えられるが、吸収器を多段にするほど内圧又は結晶の問題が生ずるだけでなく、COP(成績係数)が低下してしまうという問題があった。
本発明は上述の課題に鑑み、昇温能力の向上を可能にしつつ適切なCOPで運転可能な吸収ヒートポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、被加熱媒体Wの流路11を内部に有し、第1の吸収液Saが第1の冷媒蒸気Vrを吸収する際に発生する吸収熱で被加熱媒体Wを加熱する第1の吸収器10と;第1の吸収器10に第1の冷媒蒸気Vrを供給する蒸発器20と;第2の吸収液Sbが第2の冷媒蒸気Vsを吸収する際に発生する吸収熱で蒸発器20内の冷媒液Vfを加熱して第1の冷媒蒸気Vrを生成する、第1の吸収器10よりも作動温度が低い第2の吸収器30と;第1の吸収器10で第1の吸収液Saが第1の冷媒蒸気Vrを吸収して濃度が低下した希溶液Swを直接的又は間接的に導入すると共に、第2の吸収器30で第2の吸収液Sbが第2の冷媒蒸気Vsを吸収して濃度が低下した希溶液Svを導入し、加熱して、希溶液Sx(Sw、Sv)から冷媒を蒸発させて濃度が上昇した中間濃度吸収液Sbを生成する第1の再生器60と;第1の再生器60から中間濃度吸収液Sbを導入し加熱して第1の吸収液Saを生成する第2の再生器50と;第2の吸収器30で発生した吸収熱を、直接的又は間接的に第2の再生器50内に搬送する吸収熱搬送手段51とを備える。ここで、第1の再生器60が、第1の吸収器10で第1の吸収液Saが第1の冷媒蒸気Vrを吸収して濃度が低下した希溶液Swを、直接的に導入することは典型的には第2の吸収器30を介さずに導入することであり、間接的に導入することは典型的には第2の吸収器30を介して導入することである。
このように構成すると、第1の吸収器から導出された希溶液及び第2の吸収器から導出された希溶液の双方が直接的又は間接的に第1の再生器に導入されて中間濃度吸収液とされた後に中間濃度吸収液が第2の再生器で再生されることとなり、溶液の再生に用いられる熱として、第1の再生器に投入された熱が最大限に利用されることとなって、COPを向上させることができる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプ1において、吸収熱搬送手段が、蒸発器20内の第1の冷媒蒸気Vrを内部に流す冷媒蒸気熱源管51であって、第2の再生器50内を通過するように配設された冷媒蒸気熱源管51で構成され;冷媒蒸気熱源管51内を流れる第1の冷媒蒸気の流量を調節する冷媒蒸気熱源流量調節弁51vをさらに備える。
このように構成すると、第2の再生器に投入される熱量を調節することができ、第2の再生器における吸収液の結晶を回避することが可能になる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプ2において、吸収熱搬送手段が、熱媒体tを内部に流す密閉の熱媒体管251であって、第2の吸収器30内及び第2の再生器50内を通過するように配設された熱媒体管251で構成され;熱媒体管251内の熱媒体tを流動させる熱媒体流動装置259であって、熱媒体tの流量を変化させることができるように構成された熱媒体流動装置259とを備える。
このように構成すると、第2の再生器に投入される熱量を調節することができ、第2の再生器における吸収液の結晶を回避することが可能になる。
また、本発明の第4の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、第2の吸収器30に導入される第2の吸収液Sb(Sw)のうち、第2の冷媒蒸気Vsを吸収する第2の吸収液Sb(Sw)の流量を調節する吸収液流量調節手段35、35vを備える。
このように構成すると、第1の冷媒蒸気の生成量に関係する第2の吸収器で発生する吸収熱の量を調節することができ、ひいては第2の再生器に投入される熱量を調節することができて、第2の再生器における吸収液の結晶を回避することが可能になる。
本発明によれば、第1の吸収器から導出された希溶液及び第2の吸収器から導出された希溶液の双方が直接的又は間接的に第1の再生器に導入されて中間濃度吸収液とされた後に中間濃度吸収液が第2の再生器で再生されることとなり、溶液の再生に用いられる熱として、第1の再生器に投入された熱が最大限に利用されることとなって、COPを向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプのデューリング線図である。 参考例に係る三段昇温型吸収ヒートポンプのデューリング線図である。(a)はシリーズフローのもの、(b)はパラレルフローのものを示す。 本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する図である。(a)は模式的系統図、(b)はデューリング線図である。 本発明の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの低温吸収器まわりの部分系統図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を説明する。図1は、吸収ヒートポンプ1の模式的系統図である。吸収ヒートポンプ1は、濃度方向及び圧力方向にそれぞれ昇温する三段昇温型の吸収ヒートポンプである。吸収ヒートポンプ1は、主要構成機器として、第1の吸収液としての高温濃溶液Saが第1の冷媒蒸気としての高温冷媒蒸気Vrを吸収する際の吸収熱で被加熱媒体Wを加熱する第1の吸収器としての高温吸収器10と、高温冷媒蒸気Vrを高温吸収器10に供給する蒸発器としての高温蒸発器20と、高温吸収器10よりも作動温度が低い第2の吸収器としての低温吸収器30と、第2の冷媒蒸気としての低温冷媒蒸気Vsを低温吸収器30に供給する低温蒸発器40と、高温濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収して濃度が低下した希溶液としての高温希溶液Sw及び低温吸収器30において第2の吸収液としての低温濃溶液Sbが低温冷媒蒸気Vsを吸収して濃度が低下した希溶液としての低温希溶液Svを加熱して中間濃度吸収液としての低温濃溶液Sbを生成する第1の再生器としての低温再生器60と、低温濃溶液Sbを高温濃溶液Saに再生する第2の再生器としての高温再生器50と、高温再生器50で低温濃溶液Sbから蒸発した冷媒と低温再生器60で希溶液Sw、Svから蒸発した冷媒とが混合した再生器冷媒蒸気Vgを冷却して凝縮させる凝縮器70とを備えている。
さらに、吸収ヒートポンプ1は、高温再生器50の内部を通過するように配設された吸収熱搬送手段としての冷媒蒸気熱源管51と、高温吸収器10で加熱された被加熱媒体Wを導入して気体の被加熱媒体Wである被加熱媒体蒸気Wvと液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wqとを分離する気液分離器80と、制御装置99とを備えている。吸収ヒートポンプ1は、本実施の形態では、比較的利用価値の低い低温(例えば80℃〜90℃程度)の排温水hを熱源媒体として低温再生器60及び低温蒸発器40に供給して、利用価値の高い蒸気Wv(例えば、圧力が約0.2MPa(ゲージ圧)を超え、望ましくは0.8MPa(ゲージ圧)程度)を気液分離器80から取り出すことができるものである。
なお、以下の説明においては、吸収液に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「高温希溶液Sw」、「低温希溶液Sv」、「高温濃溶液Sa」、「低温濃溶液Sb」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「吸収液S」ということとする。同様に、冷媒に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「高温冷媒蒸気Vr」、「低温冷媒蒸気Vs」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、吸収液S(吸収剤と冷媒Vとの混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられている。また、被加熱媒体Wは、液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wq、気体の被加熱媒体である被加熱媒体蒸気Wv、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmの総称である。本実施の形態では、被加熱媒体Wとして水(HO)が用いられている。
高温吸収器10は、被加熱媒体Wの流路を構成する加熱管11と、高温濃溶液Saを散布する高温濃溶液散布ノズル12を内部に有している。高温濃溶液散布ノズル12は、散布した高温濃溶液Saが加熱管11に降りかかるように、加熱管11の上方に配設されている。高温吸収器10は、高温濃溶液散布ノズル12から高温濃溶液Saが散布され、高温濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収する際に吸収熱を発生させる。この吸収熱を、加熱管11を流れる被加熱媒体Wが受熱して、被加熱媒体Wが加熱されるように構成されている。高温吸収器10の下部には、散布された高温濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収して濃度が低下した高温希溶液Swが貯留される貯留部13が形成されている。加熱管11は、高温希溶液Swに没入しないように、貯留部13よりも上方に配設されている。このようにすると、発生した吸収熱が加熱管11を流れる被加熱媒体Wに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。貯留部13には、貯留された高温希溶液Swの液位を検出する高温吸収器液位検出器14が配設されていると共に、高温希溶液Swを低温再生器60へ向けて導出する高温希溶液管16の一端が接続されている。
高温蒸発器20は、高温吸収器10に高温冷媒蒸気Vrを供給する構成部材である。高温蒸発器20は、冷媒液Vf及び高温冷媒蒸気Vrを収容する冷媒気液分離胴21と、冷媒液Vfを低温吸収器30の加熱管31に導く冷媒液供給管22と、加熱管31で冷媒液Vfが加熱されて生成された高温冷媒蒸気Vrあるいは高温冷媒蒸気Vrと冷媒液Vfとの冷媒気液混相を冷媒気液分離胴21まで案内する高温冷媒蒸気受入管24と、冷媒気液分離胴21内にて高温冷媒蒸気Vr中に含まれる冷媒Vの液滴を衝突分離させるバッフル板25と、冷媒気液分離胴21内の冷媒液Vfの液位を検出する高温蒸発器液位検出器26とを有し、加熱管31の内面を高温蒸発器20の伝熱面としている。また、高温蒸発器20には冷媒液Vfを導入する冷媒液管29が接続されている。冷媒液供給管22は、冷媒気液分離胴21の冷媒液Vfが貯留されている部分に一端が接続され、他端が加熱管31の一端に接続されている。高温冷媒蒸気受入管24は、冷媒気液分離胴21内の冷媒液Vfの最高液位とバッフル板25との間の高さに一端が位置するように配設され、他端が加熱管31の他端に接続されている。高温蒸発器液位検出器26は、冷媒液管29に配設された二方弁29vと信号ケーブルで接続されており、検出した冷媒液Vfの液位に応じて冷媒気液分離胴21内に導入する冷媒液Vfの流量を調節することができるように構成されている。なお、加熱管31の内部で冷媒液Vfが蒸気に変化して密度が大幅に減少するので、加熱管31を気泡ポンプとして機能させることで、冷媒液供給管22内で冷媒液Vfを圧送するポンプを省略することが可能となる。なお、冷媒液供給管22内に冷媒液Vfを圧送するポンプを設けてもよく、この場合、管内流量を最適化(管内二相流のかわき度の最適化)することで伝熱を改良することも可能となる。
高温吸収器10と高温蒸発器20とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。高温吸収器10と高温蒸発器20とが連通することにより、高温蒸発器20内の高温冷媒蒸気Vrを高温吸収器10に供給することができるように構成されている。高温吸収器10と高温蒸発器20とは、典型的には、高温濃溶液散布ノズル12より上方及びバッフル板25より上方で連通している。
低温吸収器30は、冷媒液Vf及び高温冷媒蒸気Vrの流路を構成する加熱管31と、低温濃溶液Sbを散布する低温濃溶液散布ノズル32を内部に有している。加熱管31は、上述のように、一端に冷媒液供給管22が、他端に高温冷媒蒸気受入管24が、それぞれ接続されている。低温濃溶液散布ノズル32は、散布した低温濃溶液Sbが加熱管31に降りかかるように、加熱管31の上方に配設されている。低温濃溶液散布ノズル32には、低温濃溶液Sbを内部に流す低温濃溶液管38の一端が接続されている。低温吸収器30は、低温濃溶液散布ノズル32から低温濃溶液Sbが散布され、低温濃溶液Sbが低温冷媒蒸気Vsを吸収する際に生じる吸収熱により、加熱管31を流れる冷媒液Vfを加熱して高温冷媒蒸気Vrを生成することができるように構成されている。低温吸収器30は、高温吸収器10よりも低い圧力(露点温度)で作動するように構成されており、高温吸収器10よりも作動温度が低くなっている。低温吸収器30の下部には、散布された低温濃溶液Sbが低温冷媒蒸気Vsを吸収して濃度が低下した低温希溶液Svが貯留される貯留部33が形成されている。加熱管31は、貯留部33よりも上方に配設されている。貯留部33には、貯留された低温希溶液Svの液位を検出する低温吸収器液位検出器34が配設されていると共に、低温希溶液Svを低温再生器60へ向けて導出する低温希溶液管36の一端が接続されている。
低温蒸発器40は、熱源媒体としての排温水hの流路を構成する第1の熱源媒体管としての熱源管41と、冷媒液Vfを散布する冷媒液散布ノズル42とを内部に有している。冷媒液散布ノズル42は、散布した冷媒液Vfが熱源管41に降りかかるように、熱源管41の上方に配設されている。冷媒液散布ノズル42には、冷媒液Vfを内部に流す冷媒液管48の一端が接続されている。冷媒液管48には、冷媒液散布ノズル42に供給する冷媒液Vfの流量を調節する流量調節弁48vが配設されている。低温蒸発器40は、冷媒液散布ノズル42から冷媒液Vfが散布され、散布された冷媒液Vfが熱源管41内を流れる排温水hの熱で蒸発して低温冷媒蒸気Vsが発生するように構成されている。低温蒸発器40は、高温蒸発器20よりも低い圧力(露点温度)で作動するように構成されており、高温蒸発器20よりも作動温度が低くなっている。低温蒸発器40の下部には、凝縮器70から導入し散布された冷媒液Vfのうち蒸発しなかった冷媒液Vfが貯留される貯留部43が形成されている。貯留部43には、貯留されている冷媒液Vfを凝縮器70へと導く冷媒液管45が接続されている。熱源管41は、貯留部43よりも上方に配設されている。貯留部43には、貯留された冷媒液Vfの液位を検出する低温蒸発器液位検出器44が配設されている。低温蒸発器液位検出器44は、冷媒液管48に配設された流量調節弁48vと信号ケーブルで接続されており、検出した冷媒液Vfの液位に応じて低温蒸発器40に導入する冷媒液Vfの流量を調節することができるように構成されている。
低温吸収器30と低温蒸発器40とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。低温吸収器30と低温蒸発器40とが連通することにより、低温蒸発器40で発生した低温冷媒蒸気Vsを低温吸収器30に供給することができるように構成されている。低温吸収器30と低温蒸発器40とは、典型的には、低温濃溶液散布ノズル32より上方及び冷媒液散布ノズル42より上方で連通している。
低温再生器60は、熱源媒体としての排温水hの流路を構成する第2の熱源媒体管としての熱源管61と、低温希溶液Sv及び高温希溶液Swが混合した混合希溶液Sxを散布する混合希溶液散布ノズル62とを有している。本実施の形態では、低温蒸発器40の熱源管41を流れる排温水hと、低温再生器60の熱源管61を流れる排温水hとは同じ温水であり、熱源管41を流れた排温水hがその後熱源管61を流れるように配管(不図示)で接続されているが、各熱源管41、61に異なる熱源媒体が流れることとしてもよい。混合希溶液散布ノズル62は、散布した混合希溶液Sxが熱源管61に降りかかるように、熱源管61の上方に配設されている。低温再生器60は、散布された混合希溶液Sxが排温水hで加熱されることにより、混合希溶液Sxから冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した低温濃溶液Sbが生成され、生成された低温濃溶液Sbが下部に貯留されるように構成されている。低温再生器60の下部には、生成された低温濃溶液Sbを貯留する貯留部63が形成されている。貯留部63は、堰63sによって落下貯留部63aと越流貯留部63bとに分割されており、排温水hで加熱されることによって生成された低温濃溶液Sbが落下してまず落下貯留部63aに貯留され、落下貯留部63aに溜まって堰63sを超えた低温濃溶液Sbが越流貯留部63bに流入するように構成されている。
低温再生器60の落下貯留部63aと低温吸収器30の低温濃溶液散布ノズル32とは、低温濃溶液Sbを流す低温濃溶液管38で接続されている。低温濃溶液管38には、低温再生器60の低温濃溶液Sbを低温吸収器30に圧送する低温溶液ポンプ66が配設されている。低温溶液ポンプ66は、低温吸収器液位検出器34と信号ケーブルで接続されたインバータ66vを有しており、低温吸収器液位検出器34が検出する液位に応じて回転速度が調節され、低温吸収器30に向けて圧送される低温濃溶液Sbの流量を調節することができるように構成されている。混合希溶液散布ノズル62には、混合希溶液Sxを内部に流す混合希溶液管37の一端が接続されており、混合希溶液管37の他端には、高温希溶液管16及び低温希溶液管36が接続されている。低温濃溶液管38及び低温希溶液管36には、低温濃溶液Sbと低温希溶液Svとの間で熱交換を行わせる低温溶液熱交換器68が配設されている。
高温再生器50は、冷媒蒸気熱源管51の一部が内部に配設されている。冷媒蒸気熱源管51は、高温再生器50内で開放されておらず、一端が高温蒸発器20の気相部に接続され、他端が凝縮器70に接続されており、高温蒸発器20内で高温冷媒蒸気Vrの形態の冷媒Vを受け入れ、高温再生器50で冷媒液Vfに形を変えたうえで凝縮器70内へと導くことができるように構成されている。冷媒蒸気熱源管51には、高温再生器50の外側で、内部を流れる高温冷媒蒸気Vrの流量を調節する冷媒蒸気熱源流量調節弁としての熱源流量調節弁51vが配設されている。高温再生器50は、低温再生器60で生成された低温濃溶液Sbを中間濃度吸収液として導入して散布する中間濃溶液散布ノズル52を有している。本実施の形態では、低温濃溶液Sb(濃度の観点からの呼称)が、第2の吸収液(低温吸収器30における濃溶液)と中間濃度吸収液(高温再生器50における希溶液)とを兼ねている。中間濃溶液散布ノズル52は、散布した低温濃溶液Sbが冷媒蒸気熱源管51に降りかかるように、冷媒蒸気熱源管51の上方に配設されている。中間濃溶液散布ノズル52と低温再生器60の越流貯留部63bとは、低温濃溶液Sbを流す中間濃溶液管57で接続されている。高温再生器50は、散布された低温濃溶液Sbが冷媒蒸気熱源管51内を流れる高温冷媒蒸気Vrに加熱されることにより、低温濃溶液Sbからさらに冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した高温濃溶液Saが生成され、生成された高温濃溶液Saが下部に貯留されるように構成されている。
高温再生器50は、低温再生器60と同じ缶胴内に収容されている。本実施の形態では、缶胴の下部に高温再生器50が、上部に低温再生器60が配設されており、両者の間には熱源管61の下方及び側方を囲うように設けられた区画板64が配置されている。区画板64は、高温再生器50と低温再生器60とを完全に隔離するものではなく、両者は互いに連通していて概ね等しい圧力(露点温度)で作動するように構成されている。高温再生器50の高温濃溶液Saが貯留される部分と高温吸収器10の高温濃溶液散布ノズル12とは、高温濃溶液Saを流す高温濃溶液管55で接続されている。高温濃溶液管55には、高温再生器50の高温濃溶液Saを高温吸収器10に圧送する高温溶液ポンプ56が配設されている。高温溶液ポンプ56は、高温吸収器液位検出器14と信号ケーブルで接続されたインバータ56vを有しており、高温吸収器液位検出器14が検出する液位に応じて回転速度が調節され、高温吸収器10に圧送されて高温濃溶液散布ノズル12から散布される高温濃溶液Saの流量を調節することができるように構成されている。高温濃溶液管55及び高温希溶液管16(前述のように、一端が高温吸収器10の貯留部13に接続され、他端が混合希溶液管37に接続されている。)には、高温濃溶液Saと高温希溶液Swとの間で熱交換を行わせる高温溶液熱交換器58が配設されている。
凝縮器70は、冷却媒体流路を形成する冷却水管71を有している。冷却水管71には、冷却媒体としての冷却水cが流れる。凝縮器70は、高温再生器50で発生した冷媒Vの蒸気と低温再生器60で発生した冷媒Vの蒸気とが混合した再生器冷媒蒸気Vgを導入し、これを冷却水cで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管71は、再生器冷媒蒸気Vgを直接冷却することができるように、再生器冷媒蒸気Vgが凝縮した冷媒液Vfに浸らないように配設されている。凝縮器70には、凝縮した冷媒液Vfを高温蒸発器20及び低温蒸発器40に向けて送る冷媒液管75が接続されている。冷媒液管75は、高温蒸発器20に接続された冷媒液管29及び低温蒸発器40に接続された冷媒液管48に接続されており、凝縮器70内の冷媒液Vfを高温蒸発器20と低温蒸発器40とに分配することができるように構成されている。冷媒液管75には、冷媒液Vfを圧送するための凝縮器冷媒ポンプ76が配設されている。冷媒液管75と、冷媒液Vfを低温蒸発器40の貯留部43から凝縮器70へと導く冷媒液管45とには、凝縮器70に流入する冷媒液Vfと凝縮器70から流出した冷媒液Vfとの間で熱交換を行わせる冷媒液熱交換器78が配設されている。
高温再生器50及び低温再生器60と凝縮器70とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。高温再生器50及び低温再生器60と凝縮器70とが連通することにより、高温再生器50及び低温再生器60で発生した再生器冷媒蒸気Vgを凝縮器70に供給することができるように構成されている。高温再生器50及び低温再生器60と凝縮器70とは、上部の気相部で連通している。また、本実施の形態では、高温再生器50及び低温再生器60並びに凝縮器70が、高温吸収器10、高温蒸発器20、低温吸収器30、低温蒸発器40の下方に設けられている。
気液分離器80は、高温吸収器10の加熱管11を流れて加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとを分離する機器である。気液分離器80には、内部に貯留する被加熱媒体液Wqの液位を検出する気液分離器液位検出器81が設けられている。気液分離器80の下部と高温吸収器10の加熱管11の一端とは、被加熱媒体液Wqを加熱管11に導く被加熱媒体液管82で接続されている。被加熱媒体液管82には、被加熱媒体液Wqを加熱管11に向けて圧送する被加熱媒体ポンプ83が配設されている。内部が気相部となる気液分離器80の側面と加熱管11の他端とは、加熱された被加熱媒体Wを気液分離器80に導く加熱後被加熱媒体管84で接続されている。
また、気液分離器80には、蒸気として系外に供給された分の被加熱媒体Wを補うための補給水Wsを系外から導入する補給水管85が接続されている。補給水管85には、気液分離器80に向けて補給水Wsを圧送する補給水ポンプ86と、逆止弁85cと、補給水Wsを温水で予熱する補給水熱交換器87とが、補給水Wsの流れ方向に向かってこの順に配設されている。補給水ポンプ86は、気液分離器液位検出器81と信号ケーブルで接続されており、気液分離器80内の被加熱媒体液Wqの液位に応じて発停が制御されるように構成されている。また、気液分離器80には、被加熱媒体蒸気Wvを系外に供給する被加熱媒体蒸気供給管89が上部(典型的には頂部)に接続されている。被加熱媒体蒸気供給管89には、系外に供給する被加熱媒体蒸気Wvの流量を調節することで気液分離器80内の圧力を調節する圧力調節弁89vが配設されている。気液分離器80には、内部の静圧を検出する気液分離器圧力センサ92が設けられている。圧力調節弁89vは、気液分離器圧力センサ92と信号ケーブルで接続されており、気液分離器圧力センサ92で検出された圧力に応じて開度を調節することができるように構成されている。
気液分離器80は、加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部が蒸発して被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmを導入してもよく、被加熱媒体液Wqのまま気液分離器80に導いて減圧し一部を気化させて混合被加熱媒体Wmとしたものを気液分離させるようにしてもよい。被加熱媒体液Wqを減圧気化するには、オリフィス等の絞り手段を用いることができる。加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部を蒸発させるか否かは、典型的には、被加熱媒体ポンプ83及び/又は補給水ポンプ86の吐出圧力を調節することにより、加熱管11内の圧力を被加熱媒体液Wqの温度に相当する飽和圧力よりも高くするか否かによって調節することができる。
制御装置99は、吸収ヒートポンプ1の運転を制御する機器である。制御装置99は、凝縮器冷媒ポンプ76、被加熱媒体ポンプ83とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、これらの発停や回転速度の調節を行うことができるように構成されている。これまでの説明では高温吸収器液位検出器14の出力を直接入力して制御されることとした高温溶液ポンプ56、低温吸収器液位検出器34の出力を直接入力して制御されることとした低温溶液ポンプ66、及び気液分離器液位検出器81の出力を直接入力して制御されることとした補給水ポンプ86も、制御装置99を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置99に入力して)制御されることとしてもよい。また、制御装置99は、熱源流量調節弁51vと信号ケーブルで接続されており、熱源流量調節弁51vの開度を調節することができるように構成されている。これまでの説明では高温蒸発器液位検出器26の出力を直接入力して制御されることとした二方弁29v、低温蒸発器液位検出器44の出力を直接入力して制御されることとした流量調節弁48v、及び気液分離器圧力センサ92の出力を直接入力して制御されることとした圧力調節弁89vも、制御装置99を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置99に入力して)制御されることとしてもよい。
引き続き図1を参照して、吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。まず、冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器70では、高温再生器50及び低温再生器60で発生した再生器冷媒蒸気Vgを受け入れて、冷却水管71を流れる冷却水cで冷却して凝縮し、冷媒液Vfとする。凝縮した冷媒液Vfは、凝縮器冷媒ポンプ76で高温蒸発器20及び低温蒸発器40に向けて圧送される。凝縮器冷媒ポンプ76で圧送された冷媒液Vfは、冷媒液管75を流れた後、冷媒液管29と冷媒液管48とに分流され、冷媒液管29を流れる冷媒液Vfは冷媒気液分離胴21に導入され、冷媒液管48を流れる冷媒液Vfは冷媒液散布ノズル42から散布される。このとき、高温蒸発器20の冷媒気液分離胴21の下部に溜まった冷媒液Vfが所定の液位になるように、高温蒸発器液位検出器26の検出液位に応じて二方弁29vが制御され、低温蒸発器40の貯留部43内の冷媒液Vfが所定の液位になるように、低温蒸発器液位検出器44の検出液位に応じて流量調節弁48vが制御される。
冷媒液散布ノズル42から散布された冷媒液Vfは、熱源管41内を流れる排温水hによって加熱され蒸発して低温冷媒蒸気Vsとなる。低温蒸発器40で発生した低温冷媒蒸気Vsは、低温蒸発器40と連通する低温吸収器30へと移動する。他方、冷媒気液分離胴21に導入された冷媒液Vfは、重力によって低温吸収器30の加熱管31に送られる。加熱管31に送られた冷媒液Vfは、低温吸収器30において、低温蒸発器40で発生して低温吸収器30に移動してきた低温冷媒蒸気Vsが低温濃溶液Sbに吸収される際に発生する吸収熱により加熱され、この加熱により蒸発して高温冷媒蒸気Vrとなる。加熱管31内で発生した高温冷媒蒸気Vrは、冷媒液Vfよりも密度が小さいために高温蒸発器20に向かって上昇し、高温冷媒蒸気受入管24を流れて冷媒気液分離胴21に至り、高温蒸発器20と連通する高温吸収器10へと移動する。さらに、冷媒気液分離胴21に到達した高温冷媒蒸気Vrの一部は冷媒蒸気熱源管51内に入り、高温再生器50内で、中間濃溶液散布ノズル52から散布された低温濃溶液Sbに熱を奪われて凝縮し、凝縮した冷媒液Vfは凝縮器70内に流入する。このように、冷媒蒸気熱源管51内の高温冷媒蒸気Vrは、特別な動力を要しないで凝縮器70へ向けて流れる。
次に吸収ヒートポンプ1の吸収液側のサイクルを説明する。高温吸収器10では、高温濃溶液Saが高温濃溶液散布ノズル12から散布され、この散布された高温濃溶液Saが高温蒸発器20から移動してきた高温冷媒蒸気Vrを吸収する。高温冷媒蒸気Vrを吸収した高温濃溶液Saは、濃度が低下して高温希溶液Swとなる。高温吸収器10では、高温濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、加熱管11を流れる被加熱媒体液Wqが加熱される。ここで、被加熱媒体蒸気Wvを取り出すための気液分離器80まわりの作用について説明する。
気液分離器80には、系外から補給水Wsが補給水管85を介して導入される。補給水Wsは、補給水ポンプ86により補給水管85を圧送され、補給水熱交換器87で温度が上昇した後に気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された補給水Wsは、被加熱媒体液Wqとして気液分離器80の下部に貯留される。気液分離器80の下部に貯留される被加熱媒体液Wqが所定の液位になるように、補給水ポンプ86が制御される。気液分離器80の下部に貯留されている被加熱媒体液Wqは、被加熱媒体ポンプ83で高温吸収器10の加熱管11に送られる。加熱管11に送られた被加熱媒体液Wqは、高温吸収器10における上述の吸収熱により加熱される。加熱管11で加熱された被加熱媒体液Wqは、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして、あるいは温度が上昇した被加熱媒体液Wqとして、気液分離器80に向けて加熱後被加熱媒体管84を流れる。加熱後被加熱媒体管84を、温度が上昇した被加熱媒体液Wqが流れる場合、被加熱媒体液Wqは、気液分離器80に導入される際に減圧され、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された混合被加熱媒体Wmは、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが分離される。分離された被加熱媒体液Wqは、気液分離器80の下部に貯留され、再び高温吸収器10の加熱管11に送られる。他方、分離された被加熱媒体蒸気Wvは、被加熱媒体蒸気供給管89に導出され、蒸気利用場所に供給される。本実施の形態では、0.2〜0.4MPa(ゲージ圧)を超える被加熱媒体蒸気Wvが気液分離器80から導出され、また、排温水hの温度を上昇させることで0.8MPa(ゲージ圧)程度の、あるいはこれらの間の任意の圧力の被加熱媒体蒸気Wvが導出される。
再び吸収ヒートポンプ1の吸収液側のサイクルの説明に戻る。高温吸収器10で高温冷媒蒸気Vrを吸収した高温濃溶液Saは、濃度が低下して高温希溶液Swとなり、貯留部13に貯留される。貯留部13内の高温希溶液Swは、重力及び内圧の差により低温再生器60に向かって高温希溶液管16を流れ、高温溶液熱交換器58で高温濃溶液Saと熱交換して温度が低下した後に、混合希溶液管37に流入する。他方、低温吸収器30では、低温濃溶液Sbが、低温濃溶液散布ノズル32から加熱管31に向けて散布され、低温蒸発器40から移動してきた低温冷媒蒸気Vsを吸収し、その際に発生する吸収熱で加熱管31内を流れる冷媒液Vfを加熱して高温冷媒蒸気Vrとする。低温冷媒蒸気Vsを吸収した低温濃溶液Sbは、濃度が低下して低温希溶液Svとなり、貯留部33に貯留される。貯留部33の低温希溶液Svは、重力及び内圧の差により低温再生器60へ向けて送られる。低温希溶液Svは、低温吸収器30から低温再生器60に向かって低温希溶液管36を流れる際、低温溶液熱交換器68で落下貯留部63aから導出された低温濃溶液Sbと熱交換して温度が低下した後に、混合希溶液管37に流入する。混合希溶液管37に流入した低温希溶液Svは、同じく混合希溶液管37に流入した高温希溶液Swと混合して混合希溶液Sxとなり、低温再生器60に送られる。低温再生器60に送られた混合希溶液Sxは、混合希溶液散布ノズル62から散布される。混合希溶液散布ノズル62から散布された混合希溶液Sxは、熱源管61を流れる排温水h(本実施の形態では約80℃前後)によって加熱され、散布された混合希溶液Sx中の冷媒Vの一部が蒸発し濃度が上昇して低温濃溶液Sbとなり、まず低温再生器60の落下貯留部63aに貯留され、落下貯留部63aの液位が上昇して堰63sを越えた分が越流貯留部63bに貯留される。
低温再生器60の落下貯留部63aに貯留された低温濃溶液Sbは、低温溶液ポンプ66により、低温濃溶液管38を介して低温吸収器30の低温濃溶液散布ノズル32に圧送される。このとき、低温吸収器30の貯留部33に貯留される低温希溶液Svの液位が所定の液位になるように、低温吸収器液位検出器34の検出液位に応じてインバータ66vにより低温溶液ポンプ66の回転速度(ひいては吐出流量)が調節される。低温濃溶液管38を流れる低温濃溶液Sbは、低温溶液熱交換器68で低温希溶液Svと熱交換して温度が上昇してから低温吸収器30に流入し、低温濃溶液散布ノズル32から散布される。他方、越流貯留部63bに貯留された低温濃溶液Sbは、中間濃溶液管57を介して高温再生器50に導入されて、中間濃溶液散布ノズル52から散布される。中間濃溶液散布ノズル52から散布された低温濃溶液Sbは、冷媒蒸気熱源管51内を流れる高温冷媒蒸気Vrによって加熱濃縮されて、冷媒Vの一部が蒸発して濃度が上昇し、高温濃溶液Saとなって、高温再生器50の下部に貯留される。他方、低温濃溶液Sbから蒸発した冷媒Vは、低温再生器60で発生した冷媒Vの蒸気と合流し、再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器70へと移動する。高温再生器50の下部に貯留された高温濃溶液Saは、高温溶液ポンプ56により、高温濃溶液管55を介して吸収器10の高温濃溶液散布ノズル12に向けて圧送され、高温溶液熱交換器58で高温希溶液Swと熱交換して温度が上昇した後に、高温濃溶液散布ノズル12に至る。このとき、高温吸収器10の貯留部13に貯留された高温希溶液Swが所定の液位になるように、高温吸収器液位検出器14の検出液位に応じてインバータ56vにより高温溶液ポンプ56の回転速度(ひいては吐出流量)が調節される。高温濃溶液散布ノズル12に到達した高温濃溶液Saは、高温濃溶液散布ノズル12から散布され、以降、同様のサイクルを繰り返す。
図2のデューリング線図をも参照して、吸収ヒートポンプ1の作用の説明を補足する。図2のデューリング線図は、縦軸に冷媒V(本実施の形態では水)の露点温度を、横軸に吸収液S(本実施の形態ではLiBr水溶液)の温度をとっている。右上がりの線は吸収液Sの等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の原点を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、縦軸が示す露点温度は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒蒸気Vr、Vs、Vgが飽和蒸気である本実施の形態のヒートポンプサイクルでは、縦軸は主要構成部材10、20、30、40、50、60、70の内部圧力を表していると見ることもできる。
図2中、吸収ヒートポンプ1の定格運転における吸収液Sの状態は溶液線SDで表され、定格運転における冷媒Vの状態は冷媒線VDで表されている。図2中、状態P12、P13、P32、P33は、それぞれ高温濃溶液散布ノズル12、貯留部13、低温濃溶液散布ノズル32、貯留部33における吸収液Sの状態を表しており、状態P62、P63、P53は、それぞれ混合希溶液散布ノズル62、貯留部63、中間濃溶液散布ノズル52における吸収液Sの状態を表している。状態P12〜P13、状態P32〜P33、状態P62〜P63〜P52が水平方向に伸びているのは、等圧下で吸収液Sの濃度が変化していることを表している。また、状態P20は高温蒸発器20の状態を、状態P40は低温蒸発器40の状態を、状態P70は凝縮器70の状態をそれぞれ表している。図2から明らかなように、本実施の形態では、高温吸収器10と高温蒸発器20、低温吸収器30と低温蒸発器40、高温再生器50及び低温再生器60と凝縮器70の圧力が、それぞれ等しくなっている。なお、冷媒Vの蒸気を移動させるために互いに連通している高温吸収器10と高温蒸発器20、低温吸収器30と低温蒸発器40、高温再生器50及び低温再生器60と凝縮器70の内部圧力は、厳密に言えば冷媒Vの蒸気の下流側となる方が冷媒Vの蒸気の流動による圧力損失分だけ低くなるが、ほぼ同じ圧力である。
吸収液Sは、溶液線SD上を反時計回りに循環する。状態P62〜63に示すように、低温再生器60では、排温水hから排熱Hhを受けて吸収液Sの温度が上昇すると共に濃度が上昇し、混合希溶液Sxが低温濃溶液Sbとなる。低温再生器60において吸収液Sの濃度の上昇に伴い発生した冷媒Vの蒸気は、高温再生器50で発生した冷媒Vの蒸気と共に再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器70に流入して冷却される(状態P70)。状態P40にある低温蒸発器40の冷媒Vは、排温水hから排熱を受けて低温冷媒蒸気Vsとなり、これを低温吸収器30の低温濃溶液Sbに吸収させて、状態P32〜P33に示すように低温濃溶液Sbの濃度を低下させる。状態P32〜P33における低温濃溶液Sbが低温冷媒蒸気Vsを吸収して発生する吸収熱H20は、状態P20にある高温蒸発器20の冷媒Vを加熱して、これを高温冷媒蒸気Vrとする。そして、吸収熱H20によって発生した高温冷媒蒸気Vrを高温吸収器10の高温濃溶液Saに吸収させて、状態P12〜P13に示すように高温濃溶液Saの濃度を低下させる。状態P12〜P13における高温濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収して発生する吸収熱Hwは、被加熱媒体Wを加熱する。これにより、被加熱媒体Wを、状態P13における高温希溶液Swの温度付近まで温度上昇させることが可能となる。この、被加熱媒体Wの温度が上昇する過程で、加熱されている被加熱媒体液Wqの圧力における沸点を超えると、被加熱媒体蒸気Wvの生成が可能となる。
溶液線SDの下部に相当する高温再生器50では、状態P63〜P53に示すように、高温冷媒蒸気Vrの保有熱H50を受けて吸収液Sの温度が上昇すると共に濃度が上昇し、低温濃溶液Sbが高温濃溶液Saとなる。図2中、高温冷媒蒸気Vrの保有熱H50の移動を示す線図の傾きが大きく、温度変化が小さいように見えるが、高温冷媒蒸気Vrは状態P63〜P53において吸収液Sを加熱する際に気相から液相に状態変化をしており、すなわち潜熱を高温再生器50の吸収液Sに与えている。したがって、高温再生器50の吸収液Sに与えられる保有熱H50は、温度変化に伴う顕熱を与える場合に比べて極めて大きな熱量となり、効果的に低温濃溶液Sbを高温濃溶液Saに再生することができる。また、状態P62〜63における吸収液Sが濃縮する際に用いられるのが排熱Hhなので、排熱Hhを最大限利用することにより高温冷媒蒸気Vrの保有熱H50の利用分を小さくすることができ、COPを向上させることができることとなる。なお、熱源流量調節弁51vの開度を調節することにより高温再生器50の吸収液Sに与えられる保有熱H50の量を調節すことが可能であるため、熱源流量調節弁51vは熱量調節手段の一形態である。
図3に、参考例に係る三段昇温型吸収ヒートポンプのデューリング線図を示す。(a)は吸収液をシリーズフローとしたもの、(b)は吸収液をパラレルフローとしたものである。図3(a)に示すものは、吸収器と蒸発器との組み合わせを三段設けたものであり、低温吸収器ALにおける吸収熱を中温蒸発器EMの冷媒を蒸発させるために用い、中温吸収器AMにおける吸収熱を高温蒸発器EHの冷媒を蒸発させるために用いており、高温吸収器AHは高温蒸発器EHと同圧に、低温蒸発器ELは低温吸収器ALと同圧に、凝縮器Cと再生器Gとが同圧になっている。図3(b)に示すものは、吸収器と再生器との組み合わせを三段設けたものであり、低温吸収器ALにおける吸収熱を中温再生器GMの吸収液を再生させるために用い、中温吸収器AMにおける吸収熱を高温再生器GHの吸収液を再生させるために用いており、高温吸収器AH及び蒸発器Eは低温吸収器AL及び中温吸収器AMと同圧に、低温再生器GL及び凝縮器Cは高温再生器GH及び中温再生器GMと同圧になっている。
本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1のデューリング線図(図2参照)を再度見ると、吸収液Sのサイクルを示す溶液線SDが、濃度方向に二段のサイクルと圧力方向に二段のサイクルとを併合したような三段のサイクルを示すものとなっている。このように構成されていることで、導入される排温水hから被加熱媒体蒸気Wvを生成する昇温幅を大きくすることができる。本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を、参考例に係る三段昇温型吸収ヒートポンプと、デューリング線図において比較してみると、図3(a)に示すものに対して最高圧力が低くなっている。このように、吸収ヒートポンプ1は内圧の上昇を抑制することができ、缶胴の強度の観点からの条件が緩和されると共に、吸収液S及び冷媒Vの循環のためのポンプの必要ヘッドを抑制することができることに伴い動力の増加を防ぐことができる。また、吸収ヒートポンプ1は、図3(b)に示すものに対して吸収液Sの最高濃度が低くなっている。このように、吸収ヒートポンプ1は吸収液Sの濃度の過度の上昇を抑制することができ、吸収液Sの結晶を回避した安定的な運転が可能となる。以上で説明したように、本実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1は、低温再生器60に投入された熱が最大限に利用されることとなって、昇温能力の向上を可能にしつつCOPを向上させることができる。
次に図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2を説明する。図4は、吸収ヒートポンプ2を説明する図であり、(a)は模式的系統図、(b)はデューリング線図である。吸収ヒートポンプ2は、三段昇温型の吸収ヒートポンプである。吸収ヒートポンプ2は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と比較して、高温希溶液管16が(混合希溶液管37(図1参照)ではなく)低温吸収器30内の溶液散布ノズル32Aに接続されている点、低温希溶液管36が(混合希溶液管37(図1参照)ではなく)低温再生器60内の溶液散布ノズル62Aに接続されている点、低温溶液熱交換器68(図1参照)に代えて高温溶液熱交換器58よりも上流側の高温濃溶液管55と低温希溶液管36とに配設されて高温濃溶液Saと低温希溶液Svとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器68Aが設けられている点、低温再生器60の貯留部63が分割されていないと共に低温濃溶液管38(図1参照)及び低温溶液ポンプ66(図1参照)が設けられておらず貯留部63の低温濃溶液Sbはすべて高温再生器50に導かれる点、並びに上記の構成に伴い吸収液Sが高温吸収器10、低温吸収器30、低温再生器60、高温再生器50の順に流れて再び高温吸収器10へ戻るシリーズフローに構成されている点が異なっている。この構成により、吸収ヒートポンプ2では、高温希溶液Swが第2の吸収液となっている。また、吸収ヒートポンプ2は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と比較して、低温吸収器30で発生した吸収熱を高温再生器50へ搬送する吸収熱搬送手段の構成が、一旦高温冷媒蒸気Vrの形態にしたうえで搬送する冷媒蒸気熱源管51(図1参照)に代えて、低温吸収器30と高温再生器50との間で液体の熱媒体tを循環させるクローズド配管の循環熱媒体管251が設けられており、循環熱媒体管251には熱媒体tを循環させる循環熱媒体ポンプ259が配設されている点も異なっている。循環熱媒体管251は、高温再生器50内では冷媒蒸気熱源管51(図1参照)に置き換わる形で配設されているが、低温吸収器30内では加熱管31と併設されている。上記以外の構成は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と同様である。
上述のように構成された吸収ヒートポンプ2は、図4(b)に示すデューリング線図において、吸収液Sが溶液線SD2上を反時計回りに循環する。状態P12〜P13に示すように高温吸収器10で高温濃溶液Saから濃度が低下した高温希溶液Swは、低温吸収器30において低温冷媒蒸気Vsを吸収し、状態P32A〜P33に示すようにさらに濃度が低下して低温希溶液Svとなる。状態P32A〜P33における高温希溶液Swが低温冷媒蒸気Vsを吸収する際には吸収熱H20、H502が発生し、吸収熱H20は状態P20にある高温蒸発器20の冷媒Vを加熱して高温冷媒蒸気Vrとし、吸収熱H502は循環熱媒体管251内の熱媒体tを加熱して高温再生器50に搬送される。低温希溶液Svは、その後低温再生器60に導入され、状態P62A〜P63に示すように排温水hから排熱Hhを受けて吸収液Sの温度が上昇すると共に濃度が上昇して低温濃溶液Sbとなる。その後高温再生器50に導入された低温濃溶液Sbは、状態P63〜P53に示すように、循環熱媒体管251内を流れる熱媒体tによって加熱濃縮され、高温濃溶液Saとなり、再び高温吸収器10へ搬送される。なお、熱媒体tを介して低温吸収器30から高温再生器50へ搬送される熱は、循環熱媒体ポンプ259の吐出流量を変化させることによって調節可能であるため、循環熱媒体ポンプ259は熱量調節手段の一形態である。以上で説明したように、吸収ヒートポンプ2は、低温再生器60及び高温再生器50で低温希溶液Svから高温濃溶液Saに再生される過程において、最初に低温再生器60で吸収液Sが加熱濃縮される際に用いられるのが排熱Hhであり、次いで高温再生器50で吸収液Sが加熱濃縮される際に用いられるのが低温吸収器30における吸収熱H502なので、排熱Hhを最大限利用することができることとなり、COPを向上させることができる。
以上の吸収ヒートポンプ2の説明では、吸収熱搬送手段が、低温吸収器30と高温再生器50との間で液体の熱媒体tを循環させる循環熱媒体管251と、循環熱媒体管251内の熱媒体tを循環させる循環熱媒体ポンプ259とを有していることとしたが、吸収ヒートポンプ1と同様に低温吸収器30における吸収熱を一旦高温冷媒蒸気Vrの形態にしたうえで搬送する冷媒蒸気熱源管51を有することとしてもよい。逆に、吸収ヒートポンプ1の吸収熱搬送手段が、吸収ヒートポンプ2と同様に、低温吸収器30と高温再生器50との間で液体の熱媒体tを循環させる循環熱媒体管251と、循環熱媒体管251内の熱媒体tを循環させる循環熱媒体ポンプ259とを有することとしてもよい。つまり、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と吸収ヒートポンプ2(図4参照)との間で、吸収液Sのフローの構成と、吸収熱搬送手段とを、相互に入れ替えてもよい。
また、図5の低温吸収器30まわりの部分系統図に示すように、吸収ヒートポンプ1(図1参照)における低温濃溶液管38又は吸収ヒートポンプ2(図4参照)における高温希溶液管16に、内部を流れる吸収液Sを、散布ノズル32、32Aをバイパスして貯留部33に導くバイパス管35を設けると共に、バイパス管35に制御装置99からの信号により開度を調節可能な流量調節弁35vを配設して、低温吸収器30において低温冷媒蒸気Vsを吸収する吸収液Sの散布流量を調節することができることとしてもよい。この場合、バイパス管35及び流量調節弁35vが吸収液流量調節手段を構成することとなる。このように構成すると、低温吸収器30で発生する吸収熱の量を調節することができ、ひいては高温再生器50に投入される吸収熱H50、H502の量を調節することができる。これにより、高温再生器50における吸収液Sの結晶を回避することが可能になる。
以上の説明では、高温吸収器10の高温希溶液Swのすべてを、直接的又は間接的に低温再生器60へ導入することとしたが、高温希溶液Swの一部を低温再生器60へ導入しつつ残りは低温再生器60を飛ばして(抜かして)高温再生器50へ導入することにより高温希溶液Swの加熱濃縮の一部を低温再生器60で行うこととしてもよい。この構成は、換言すれば、吸収液Sのサイクルを、高温吸収器10及び高温再生器50の系統と、低温吸収器30及び低温再生器60の系統とで別個に構成しておいて、高温吸収器10及び高温再生器50の系統の吸収液Sの加熱濃縮の一部を低温再生器60で行うことと同じになり、高温再生器50における吸収液Sの加熱濃縮を少なくすることでCOPを向上させることができる。
以上の説明では、高温再生器50と低温再生器60とが同じ缶胴内に収容されていて、缶胴の下部に高温再生器50が、上部に低温再生器60が配設されていることとしたが、上部に高温再生器50が、下部に低温再生器60が配設されていることとしてもよく、高温再生器50と低温再生器60とが横並びに配設されていることとしてもよい(このように構成する場合は、典型的には、低温再生器60から高温再生器50へ吸収液Sを搬送するポンプを設ける。)。また、高温再生器50で蒸発した冷媒Vの蒸気と低温再生器60で蒸発した冷媒Vの蒸気とが共通の凝縮器70で凝縮されることとしたが、高温再生器50で蒸発した冷媒Vの蒸気を凝縮させる凝縮器と、低温再生器60で蒸発した冷媒Vの蒸気を凝縮させる凝縮器とを個別に設けてもよい。この場合は、高温再生器50及び高温再生器50用の凝縮器と、低温再生器60及び低温再生器60用の凝縮器との組み合わせで、それぞれ別の缶胴に収容される構成とするのが好ましい。
以上の説明では、高温再生器50で発生した冷媒Vの蒸気を、特に他の流体と熱交換させずに凝縮器70へ導くこととしたが、低温再生器60の熱源管61の周辺を通すことによって低温希溶液散布ノズル62から散布された低温希溶液Svを加熱した後に凝縮器70へ導くこととしてもよい。このようにすると、高温再生器50で発生した高温の冷媒Vの蒸気が持つエネルギーを低温再生器60で加熱濃縮される低温希溶液Svに与えることができ、低温再生器60での外部熱源(排温水h)の必要量を低減することができ、COPの向上につながることとなる。
1、2 吸収ヒートポンプ
11 加熱管
10 高温吸収器
20 高温蒸発器
30 低温吸収器
35 バイパス管
35v 流量調節弁
40 低温蒸発器
50 高温再生器
51 冷媒蒸気熱源管
51v 熱源流量調節弁
60 低温再生器
70 凝縮器
251 循環熱媒体管
259 循環熱媒体ポンプ
Sa 高温濃溶液
Sb 低温濃溶液
Sv 低温希溶液
Sw 高温希溶液
Sx 混合希溶液
Vf 冷媒液
Vg 再生器冷媒蒸気
Vr 高温冷媒蒸気
Vs 低温冷媒蒸気
W 被加熱媒体
t 熱媒体

Claims (4)

  1. 被加熱媒体の流路を内部に有し、第1の吸収液が第1の冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱で前記被加熱媒体を加熱する第1の吸収器と;
    前記第1の吸収器に前記第1の冷媒蒸気を供給する蒸発器と;
    第2の吸収液が第2の冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱で前記蒸発器内の冷媒液を加熱して前記第1の冷媒蒸気を生成する、前記第1の吸収器よりも作動温度が低い第2の吸収器と;
    前記第1の吸収器で前記第1の吸収液が前記第1の冷媒蒸気を吸収して濃度が低下した希溶液を直接的又は間接的に導入すると共に、前記第2の吸収器で前記第2の吸収液が前記第2の冷媒蒸気を吸収して濃度が低下した希溶液を導入し、加熱して、前記希溶液から冷媒を蒸発させて濃度が上昇した中間濃度吸収液を生成する第1の再生器と;
    前記第1の再生器から前記中間濃度吸収液を導入し加熱して前記第1の吸収液を生成する、前記蒸発器よりも作動圧力が低い第2の再生器と;
    前記第2の吸収器で発生した吸収熱を、直接的又は間接的に前記第2の再生器内に搬送する吸収熱搬送手段とを備え;
    前記吸収熱搬送手段が、前記蒸発器内の前記第1の冷媒蒸気を特別な動力を要しないで内部に流す冷媒蒸気熱源管であって、前記第2の再生器内を通過するように配設された冷媒蒸気熱源管で構成された;
    吸収ヒートポンプ。
  2. 前記冷媒蒸気熱源管内を流れる前記第1の冷媒蒸気の流量を調節する冷媒蒸気熱源流量調節弁をさらに備える;
    請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 前記第1の再生器で前記希溶液から蒸発した冷媒と前記第2の再生器で前記中間濃度吸収液から蒸発した冷媒とが混合した再生器冷媒蒸気を導入し冷却して冷媒液とする凝縮器を備え;
    前記第1の再生器、前記第2の再生器、及び前記凝縮器が、相互に連通するように1つの缶胴内に形成された;
    請求項1又は請求項2に記載の吸収ヒートポンプ。
  4. 前記第2の吸収器に導入される前記第2の吸収液のうち、前記第2の冷媒蒸気を吸収する前記第2の吸収液の流量を調節する吸収液流量調節手段を備える;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプ。
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