JP5250340B2 - 吸収ヒートポンプ - Google Patents

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Description

本発明は吸収ヒートポンプに関し、特に缶胴の厚さを薄くしてコンパクト化・軽量化を図ることができる多段昇温型第二種吸収ヒートポンプに関する。
低温の熱源から熱を汲み上げて高温の熱源にする機器であるヒートポンプのうち、熱駆動のものとして、吸収ヒートポンプが知られている。吸収ヒートポンプには、駆動熱源として投入した熱量より多くの熱量を得る増熱型のヒートポンプである第一種吸収ヒートポンプと、駆動熱源温度より高い温度の被加熱媒体を取り出す昇温型のヒートポンプである第二種吸収ヒートポンプとがある。第二種吸収ヒートポンプにおいて、被加熱媒体を、利用価値の高い高温水又は高温蒸気として取り出すため、吸収器及び蒸発器を多段に構成した多段昇温型吸収ヒートポンプがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−112686号公報
多段昇温型吸収ヒートポンプにおいては、一般に、被加熱媒体を高温水又は高温蒸気として取り出すために被加熱媒体を加熱する吸収器内の溶液温度を高くしており、これに伴って、当該吸収器に冷媒蒸気を供給する蒸発器の内圧が高くなりがちであった。そのため、上昇する内圧に耐えられるように、缶胴が肉厚に設計され、いきおい装置が大型化・重量化しがちになっていた。
本発明は上述の課題に鑑み、従来よりも缶胴の厚さを薄くしてコンパクト化及び/又は軽量化を図ることができる吸収ヒートポンプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、被加熱媒体Wの流路11を内部に有し、第1の吸収液Saが第1の冷媒蒸気Vrを吸収する際に発生する吸収熱で被加熱媒体Wを加熱する第1の吸収器10と;第1の吸収器10に第1の冷媒蒸気Vrを供給する第1の蒸発器20と;第2の吸収液Sbが第2の冷媒蒸気Vsを吸収する際に発生する吸収熱で第1の蒸発器20内の冷媒液Vfを加熱して第1の冷媒蒸気Vrを生成する、第1の吸収器10よりも内部圧力が低い第2の吸収器30と;第1の蒸発器20の内部圧力と相関関係を有する物理量を検出する第1の検出器91と;第1の蒸発器20の内部圧力があらかじめ定められた上限圧力を超えないように、第1の冷媒蒸気Vrの生成量又は生成温度を調節する調節手段58v(57v、39v)とを備える。
このように構成すると、第1の蒸発器の内部圧力があらかじめ定められた上限圧力を超えないように第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節する調節手段を備えるので、吸収ヒートポンプサイクル内で最も高圧となる第1の蒸発器の耐圧を明確化することが可能になり、当該明確化された圧力に耐えうる構造とすれば足り、従来よりも缶胴の厚さを薄くしてコンパクト化及び/又は軽量化を図ることができる吸収ヒートポンプとなる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収ヒートポンプ1において、内部に熱源媒体hを流す第1の熱源媒体管51と、第1の熱源媒体管51に冷媒液Vfを散布する冷媒液散布装置52と、を有し、第1の熱源媒体管51に散布された冷媒液Vfを熱源媒体hで加熱して第2の冷媒蒸気Vsを生成する、第1の蒸発器20よりも内部圧力が低い第2の蒸発器50を備え;前記調節手段が、第1の熱源媒体管51を流れる熱源媒体hの流量を調節する第1の熱源媒体流量調節手段57v又は冷媒液散布装置52から散布される冷媒液Vfの流量を調節する冷媒液散布流量調節手段58vを含んで構成されている。
このように構成すると、第1の熱源媒体管を流れる熱源媒体の流量を調節すること又は冷媒液散布装置から散布される冷媒液の流量を調節することにより、第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節することができる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図5に示すように、上記本発明の第2の態様に係る吸収ヒートポンプにおいて、第1の蒸発器20よりも内部圧力が低く第2の蒸発器50よりも内部圧力が高い中段蒸発器45であって、第2の吸収器30に第2の冷媒蒸気Vsを供給する中段蒸発器45と;第2の吸収器30よりも内部圧力が低い下段吸収器43であって、下段吸収器43内の吸収液Sが第3の冷媒蒸気Vtを吸収する際に発生する吸収熱で、直接又は間接に中段蒸発器45内の冷媒液Vfを加熱して第2の冷媒蒸気Vsを生成する下段吸収器43とを備え;第2の蒸発器50が、第2の冷媒蒸気Vsを生成することに代えて、第3の冷媒蒸気Vtを生成するように構成されている。
このように構成すると、熱源媒体の温度が比較的(例えば上記本発明の第1の態様と比較して)高くない場合であっても被加熱媒体の温度を上昇させて利用価値の高い高温水又は高温の蒸気を取り出すことができる。熱源媒体の温度が上記本発明の第1の態様と同程度である場合には、被加熱媒体の温度をさらに上昇させることができる。
また、本発明の第4の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係る吸収ヒートポンプ1において、前記調節手段が、第2の冷媒蒸気Vsを吸収する第2の吸収液Sbの流量を調節する第2の吸収液流量調節手段39v又は第2の吸収器30で加熱される第1の蒸発器20内の冷媒液Vfの流量を調節する冷媒液流量調節手段23、23vを含んで構成されている。
このように構成すると、第2の冷媒蒸気を吸収する第2の吸収液の流量を調節すること又は第2の吸収器で加熱される第1の蒸発器内の冷媒液の流量を調節することにより、第1の冷媒蒸気の生成量及び/又は生成温度を調節することができる。
また、本発明の第5の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る吸収ヒートポンプ1において、内部に熱源媒体hを流す第2の熱源媒体管61と、冷媒蒸気を吸収した吸収液Swを第2の熱源媒体管61に散布する吸収液散布装置62と、を有し、第2の熱源媒体管61に散布された冷媒蒸気を吸収した吸収液Swを第2の熱源媒体管61を流れる熱源媒体hで加熱し吸収液Swから冷媒を蒸発させて吸収液Sを再生する再生器60と;内部に冷却媒体cを流す冷却媒体管71を有し、再生器60から冷媒蒸気Vgを導入し冷却媒体cで冷却して冷媒液Vfを生成する凝縮器70と;再生器60で再生された吸収液Saの濃度があらかじめ定められた上限濃度を超えないように、第2の熱源媒体管61を流れる熱源媒体hの流量の調節、吸収液散布装置62から散布される吸収液Swの流量の調節、冷却媒体cの温度の調節、及び冷却媒体cの流量の調節のうちの少なくとも1つの調節を行う制御装置99とを備える。
このように構成すると、再生器で再生された吸収液の濃度があらかじめ定められた上限濃度を超えないように、第2の熱源媒体管を流れる熱源媒体の流量の調節、吸収液散布装置から散布される吸収液の流量の調節、冷却媒体の温度の調節、及び冷却媒体の流量の調節のうちの少なくとも1つの調節を行うので、第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節することによって濃度が高くなりがちになった吸収液が結晶することを防ぐことが可能になり、さらに、吸収液の濃度が高くなることが抑制されることで吸収器における吸収液による冷媒蒸気吸収能力も抑制され、第1の蒸発器の内部圧力が上昇するのを抑制することができる。また、冷却媒体の温度が低下した場合でも、濃度が高くなりがちになった吸収液が結晶することを防ぐことができる。
また、本発明の第6の態様に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る吸収ヒートポンプ1において、第1の吸収器10で加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体Wの蒸気Wvと被加熱媒体Wの液体Wqとを分離する気液分離器80と;気液分離器80の内部圧力と相関関係を有する物理量を検出する第2の検出器92とを備え;気液分離器80の内部圧力が所定の圧力を超えないように、前記調節手段を制御して第1の冷媒蒸気Vrの生成量又は生成温度を調節するように構成されている。
このように構成すると、気液分離器の内部圧力が所定の圧力を超えないようにするので、気液分離器内の圧力の上昇が抑制されて被加熱媒体の飽和温度の上昇が抑制され、第1の吸収器内の温度が上昇しすぎることが抑制されるため、第1の蒸発器の内部圧力が上昇するのを抑制することができる。
本発明によれば、第1の蒸発器の内部圧力があらかじめ定められた上限圧力を超えないように第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節する調節手段を備えるので、吸収ヒートポンプサイクル内で最も高圧となる第1の蒸発器の耐圧を明確化することが可能になり、当該明確化された圧力に耐えうる構造とすれば足り、従来よりも缶胴の厚さを薄くしてコンパクト化及び軽量化を図ることができる吸収ヒートポンプとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を説明する。図1は、吸収ヒートポンプ1の模式的系統図である。吸収ヒートポンプ1は、二段昇温型の吸収ヒートポンプである。吸収ヒートポンプ1は、被加熱媒体Wを加熱する第1の吸収器としての高温吸収器10と、第1の冷媒蒸気としての高温冷媒蒸気Vrを高温吸収器10に供給する第1の蒸発器としての高温蒸発器20と、高温吸収器10よりも作動温度が低い第2の吸収器としての低温吸収器30と、高温蒸発器20よりも作動温度が低い第2の蒸発器としての低温蒸発器50と、濃度が低い吸収溶液である希溶液Swを加熱して濃度が高い吸収液である第1の吸収液としての濃溶液Saを生成する再生器60と、再生器60で希溶液Swから蒸発した冷媒である再生器冷媒蒸気Vgを冷却して凝縮させる凝縮器70と、高温吸収器10で加熱された被加熱媒体Wを導入して気体の被加熱媒体Wである被加熱媒体蒸気Wvと液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wqとを分離する気液分離器80と、第1の検出器としての高温蒸発器圧力センサ91と、第2の検出器としての気液分離器圧力センサ92と、制御装置99とを備えている。吸収ヒートポンプ1は、比較的利用価値の低い低温(例えば80℃〜90℃程度)の排温水を熱源媒体として再生器60及び低温蒸発器50に供給して、利用価値の高い蒸気(例えば、圧力が約0.2MPa(ゲージ圧)を超え、望ましくは0.8MPa(ゲージ圧)程度)を気液分離器80から取り出すことができるものである。
なお、以下の説明においては、吸収溶液に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「希溶液Sw」や「濃溶液Sa」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「吸収液S」又は「溶液S」ということとする。同様に、冷媒に関し、ヒートポンプサイクル上における区別を容易にするために、性状やヒートポンプサイクル上の位置に応じて「高温冷媒蒸気Vr」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、吸収液S(吸収剤と冷媒Vとの混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられている。また、被加熱媒体Wは、液体の被加熱媒体Wである被加熱媒体液Wq、気体の被加熱媒体である被加熱媒体蒸気Wv、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmの総称である。本実施の形態では、被加熱媒体Wとして水(HO)が用いられている。
高温吸収器10は、被加熱媒体Wの流路を構成する加熱管11と、濃溶液Saを散布する濃溶液散布ノズル12を内部に有している。濃溶液散布ノズル12は、散布した濃溶液Saが加熱管11に降りかかるように、加熱管11の上方に配設されている。高温吸収器10は、濃溶液散布ノズル12から濃溶液Saが散布され、濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収する際に吸収熱を発生させる。この吸収熱を、加熱管11を流れる被加熱媒体Wが受熱して、被加熱媒体Wが加熱されるように構成されている。高温吸収器10の下部には、散布された濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収して濃度が低下した第2の吸収液としての中間溶液Sbが貯留される貯留部13が形成されている。加熱管11は、中間溶液Sbに没入しないように、貯留部13よりも上方に配設されている。このようにすると、加熱管11の表面に濡れ広がった濃溶液Saに高温冷媒蒸気Vrが吸収されるようになるため、濃溶液Saと高温冷媒蒸気Vrとの接触面積を大きくできると共に、発生した吸収熱が加熱管11を流れる被加熱媒体Wに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。貯留部13には、貯留された中間溶液Sbの液位を検出する高温吸収器液位検出器14が配設されている。
高温蒸発器20は、高温吸収器10に高温冷媒蒸気Vrを供給する構成部材である。高温蒸発器20は、冷媒液Vf及び高温冷媒蒸気Vrを収容する冷媒気液分離胴21と、冷媒液Vfを低温吸収器30の加熱管31に導く冷媒液供給管22と、冷媒液Vfを加熱管31に向けて圧送する高温冷媒液ポンプ23と、加熱管31で冷媒液Vfが加熱されて生成された高温冷媒蒸気Vrあるいは高温冷媒蒸気Vrと冷媒液Vfとの冷媒気液混相を冷媒気液分離胴21まで案内する高温冷媒蒸気受入管24と、冷媒気液分離胴21内にて高温冷媒蒸気Vr中に含まれる冷媒Vの液滴を衝突分離させるバッフル板25と、冷媒気液分離胴21内の冷媒液Vfの液位を検出する高温蒸発器液位検出器26とを有し、加熱管31の内面を高温蒸発器20の伝熱面としている。また、高温蒸発器20には冷媒液Vfを導入する冷媒液管29が接続されている。冷媒液供給管22は、冷媒気液分離胴21の冷媒液Vfが貯留されている部分に一端が接続され、他端が加熱管31の一端に接続されている。高温冷媒蒸気受入管24は、冷媒気液分離胴21内の冷媒液Vfの最高液位とバッフル板25との間の高さで冷媒気液分離胴21の側面に一端が接続され、他端が加熱管31の他端に接続されている。高温冷媒液ポンプ23は、冷媒液供給管22に配設され、圧送する冷媒液Vfの流量を可変にすることができるインバータ23vを有している。高温蒸発器液位検出器26は、冷媒液管29に配設された二方弁29vと信号ケーブルで接続されており、検出した冷媒液Vfの液位に応じて導入する冷媒液Vfの流量を調節することができるように構成されている。なお、加熱管31の内部で冷媒液Vfが蒸気に変化して密度が大幅に減少するので、加熱管31を気泡ポンプとして機能させることで高温冷媒液ポンプ23を省略することが可能となる。
高温吸収器10と高温蒸発器20とは高温冷媒蒸気供給管19を介して接続されており、高温蒸発器20内の高温冷媒蒸気Vrを高温吸収器10に供給することができるように構成されている。高温冷媒蒸気供給管19は、典型的には高温吸収器10の頂部及び高温蒸発器20の頂部に接続されている。
低温吸収器30は、冷媒液Vf及び高温冷媒蒸気Vrの流路を構成する加熱管31と、中間溶液Sbを散布する中間溶液散布ノズル32を内部に有している。加熱管31は、上述のように、一端に冷媒液供給管22が、他端に高温冷媒蒸気受入管24が、それぞれ接続されている。中間溶液散布ノズル32は、中間溶液管38を介して高温吸収器10の貯留部13と接続されており、中間溶液Sbを導入することができるように構成されている。中間溶液散布ノズル32は、散布した中間溶液Sbが加熱管31に降りかかるように、加熱管31の上方に配設されている。低温吸収器30は、中間溶液散布ノズル32から中間溶液Sbが散布され、中間溶液Sbが第2の冷媒蒸気としての中間冷媒蒸気Vsを吸収する際に生じる吸収熱により、加熱管31を流れる冷媒液Vfを加熱して高温冷媒蒸気Vrを生成することができるように構成されている。低温吸収器30は、高温吸収器10よりも低い圧力(露点温度)で作動するように構成されており、高温吸収器10よりも作動温度が低くなっている。低温吸収器30の下部には、散布された中間溶液Sbが中間冷媒蒸気Vsを吸収して濃度が低下した希溶液Swが貯留される貯留部33が形成されている。加熱管31は、貯留部33よりも上方に配設されている。貯留部33には、貯留された希溶液Swの液位を検出する低温吸収器液位検出器34が配設されている。低温吸収器液位検出器34は、中間溶液管38に配設された流量調節弁38vと信号ケーブルで接続されており、検出した希溶液Swの液位に応じて中間溶液散布ノズル32から散布する中間溶液Sbの流量を調節することができるように構成されている。流量調節弁38vよりも下流側の中間溶液管38には、中間溶液散布ノズル32ではなく貯留部33に中間溶液Sbを導くバイパス管39が接続されている。バイパス管39には、中間溶液Sbの流量を調節可能な流量調節弁39vが配設されている。
低温蒸発器50は、熱源媒体としての熱源温水hの流路を構成する第1の熱源媒体管としての熱源管51と、冷媒液Vfを散布する冷媒液散布装置としての冷媒液散布ノズル52を内部に有している。冷媒液散布ノズル52は、散布した冷媒液Vfが熱源管51に降りかかるように、熱源管51の上方に配設されている。低温蒸発器50は、冷媒液散布ノズル52から冷媒液Vfが散布され、散布された冷媒液Vfが熱源管51内を流れる熱源温水hの熱で蒸発して中間冷媒蒸気Vsが発生するように構成されている。低温蒸発器50は、高温蒸発器20よりも低い圧力(露点温度)で作動するように構成されており、高温蒸発器20よりも作動温度が低くなっている。低温蒸発器50の下部には、凝縮器70から導入した冷媒液Vf及び散布された冷媒液Vfのうち蒸発しなかった冷媒液Vfが貯留される貯留部53が形成されている。貯留部53には、貯留されている冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル52及び高温蒸発器20に供給するための冷媒液管55が接続されている。冷媒液管55は、冷媒液管29及び冷媒液管58に接続されている。換言すれば、冷媒液管55は、冷媒液管29と冷媒液管58とに分岐している。冷媒液管55には、冷媒液Vfを圧送する蒸発器冷媒ポンプ56が配設されている。冷媒液管55側とは反対側の冷媒液管58の端部は、冷媒液散布ノズル52に接続されている。冷媒液管58には、冷媒液散布ノズル52に供給する冷媒液Vfの流量を調節する流量調節弁58vが配設されている。熱源管51は、貯留部53よりも上方に配設されている。貯留部53には、貯留された冷媒液Vfの液位を検出する低温蒸発器液位検出器54が配設されている。低温蒸発器液位検出器54は、冷媒液管75に配設された二方弁75vと信号ケーブルで接続されており、検出した冷媒液Vfの液位に応じて低温蒸発器50に導入する冷媒液Vfの流量を調節することができるように構成されている。熱源管51の一端は、再生器60から導出された熱源温水hを低温蒸発器50に導く熱源温水管63に接続されている。熱源管51の他端は、熱源温水hを系外に導出する熱源温水管57に接続されている。
低温吸収器30と低温蒸発器50とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。低温吸収器30と低温蒸発器50とが連通することにより、低温蒸発器50で発生した中間冷媒蒸気Vsを低温吸収器30に供給することができるように構成されている。低温吸収器30と低温蒸発器50とは、典型的には、中間溶液散布ノズル32より上方及び冷媒液散布ノズル52より上方で連通している。
再生器60は、第2の熱源媒体流路を形成する熱源管61と、希溶液Swを散布する吸収液散布装置としての希溶液散布ノズル62とを有している。熱源管61には、希溶液Swを加熱濃縮するための熱源媒体としての熱源温水hが流れる。本実施の形態では、低温蒸発器50の熱源管51を流れる熱源温水hと、再生器60の熱源管61を流れる熱源温水hとは同じ温水であり、熱源管61を流れた熱源温水hがその後熱源管51を流れるように、熱源管61の一端と熱源管51の一端とが熱源温水管63を介して接続されている。熱源管61の他端には、系外から熱源温水hを導入する熱源温水管64が接続されている。熱源温水管64と熱源温水管63とは、熱源管61をバイパスするバイパス管64bを介して連通されている。熱源温水管63へのバイパス管64bの接続部には、三方弁63vが配設されている。また、バイパス管64bとの分岐部より上流の熱源温水管64と熱源温水管57とは、熱源温水バイパス管67を介して連通されている。熱源温水管57への熱源温水バイパス管67の接続部には、三方弁57vが配設されている。再生器60は、散布された希溶液Swから冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した濃溶液Saが下部に貯留されるように構成されている。再生器60では、希溶液Swが熱源温水hに加熱されることにより、濃溶液Saと再生器冷媒蒸気Vgとが生成されるように構成されている。
再生器60の濃溶液Saが貯留される部分と高温吸収器10の濃溶液散布ノズル12とは、濃溶液Saを流す濃溶液管65で接続されている。再生器60の近傍の濃溶液管65には、濃溶液Saの温度を検出する再生器温度センサ96が設けられている。再生器温度センサ96は、再生器60の下部に貯留している濃溶液Saの温度を検出するように、再生器60に設けられていてもよい。また、濃溶液管65には、再生器60の濃溶液Saを高温吸収器10に圧送する溶液ポンプ66が配設されている。溶液ポンプ66は、高温吸収器液位検出器14と信号ケーブルで接続されたインバータ66vを有しており、高温吸収器液位検出器14が検出する液位に応じて回転速度が調節されて高温吸収器10に圧送する濃溶液Saの流量を調節することができるように構成されている。希溶液散布ノズル62と低温吸収器30の貯留部33とは希溶液Swを流す希溶液管36で接続されている。希溶液管36には、希溶液散布ノズル62ではなく熱願管61より下方の再生器60内に希溶液Swを導くバイパス管36bが接続されている。バイパス管36bには、希溶液Swの流量を調節可能な流量調節弁36vが配設されている。バイパス管36bの接続部よりも上流側の濃溶液管65及び希溶液管36には、濃溶液Saと希溶液Swとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器68が配設されている。溶液熱交換器68より下流側の濃溶液管65と中間溶液管38とには、濃溶液Saと中間溶液Sbとの間で熱交換を行わせる溶液熱交換器69が配設されている。
凝縮器70は、冷却媒体流路を形成する冷却水管71を有している。冷却水管71には、冷却媒体としての冷却水cが流れる。凝縮器70は、再生器60で発生した再生器冷媒蒸気Vgを導入し、これを冷却水cで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管71は、再生器冷媒蒸気Vgを直接冷却することができるように、再生器冷媒蒸気Vgが凝縮した冷媒液Vfに浸らないように配設されている。凝縮器70には、凝縮した冷媒液Vfの温度(冷媒Vの飽和温度)を検出する凝縮器温度センサ97が設けられている。また、凝縮器70には凝縮した冷媒液Vfを低温蒸発器50に送る冷媒液管75が接続されている。冷媒液管75には、冷媒液Vfを低温蒸発器50に圧送するための凝縮器冷媒ポンプ76と、低温蒸発器50への冷媒液Vfの供給を調節する二方弁75vとが、冷媒液Vfの流れる方向にこの順で配設されている。
冷却水管71を流れる冷却水cは、冷却塔170で生成される。冷却塔170は、タワー内に空気を流動させる冷却ファン171と、冷却水cを散布する冷却水散布ノズル172とを有し、冷却ファン171で流動される空気に対し、冷却水散布ノズル172から散布された冷却水cの一部が気化することにより冷却水cが冷却されるように構成されている。冷却ファン171は、インバータ171vを有し、ファンの回転速度を調節することができるように構成されている。冷却塔170で温度が低下した冷却水cを凝縮器70の冷却水管71に導くように、冷却塔170と冷却水管71の一端とは冷却水往管175で接続されている。冷却水往管175には、冷却水cを圧送する冷却水ポンプ176が配設されている。冷却水ポンプ176はインバータ176vを有しており、ポンプの回転速度を調節して冷却水管71に供給する冷却水cの流量を調節することができるように構成されている。また、冷却水管71を流れて温度が上昇した冷却水cを冷却水散布ノズル172に導くように、冷却水管71の他端と冷却水散布ノズル172とは冷却水還管178で接続されている。冷却水ポンプ176よりも上流側の冷却水往管175と冷却水還管178とは、冷却水バイパス管179で接続されている。冷却水還管178への冷却水バイパス管179の接続部には、冷却水還管178を流れる冷却水cを冷却塔170に導く量と冷却水バイパス管179に導く量とを調節する三方弁179vが配設されている。三方弁179vを調節することにより、冷却水還管178を流れる冷却水cを冷却水往管175を流れる冷却水cに混合させて、冷却水管71に供給する冷却水cの温度を調節することができるように構成されている。
再生器60と凝縮器70とは、相互に連通するように1つの缶胴内に形成されている。再生器60と凝縮器70とが連通することにより、再生器60で発生した再生器冷媒蒸気Vgを凝縮器70に供給することができるように構成されている。再生器60と凝縮器70とは、典型的には、希溶液散布ノズル62より上方で連通している。
気液分離器80は、高温吸収器10の加熱管11を流れて加熱された被加熱媒体Wを導入し、被加熱媒体蒸気Wvと被加熱媒体液Wqとを分離する機器である。気液分離器80には、内部に貯留する被加熱媒体液Wqの液位を検出する気液分離器液位検出器81が設けられている。気液分離器80の下部と高温吸収器10の加熱管11の一端とは、被加熱媒体液Wqを加熱管11に導く被加熱媒体液管82で接続されている。被加熱媒体液管82には、被加熱媒体液Wqを加熱管11に向けて圧送する被加熱媒体ポンプ83が配設されている。内部が気相部となると気液分離器80の側面と加熱管11の他端とは、加熱された被加熱媒体Wを気液分離器80に導く加熱後被加熱媒体管84で接続されている。
また、気液分離器80には、蒸気として系外に供給された分の被加熱媒体Wを補うための補給水Wsを系外から導入する補給水管85が接続されている。補給水管85には、気液分離器80に向けて補給水Wsを圧送する補給水ポンプ86と、逆止弁85cと、補給水Wsを温水で予熱する補給水熱交換器87Bと、中間溶液Sbと熱交換させて補給水Wsをさらに加熱する補給水熱交換器87Aとが、補給水Wsの流れ方向に向かってこの順に配設されている。補給水ポンプ86は、気液分離器液位検出器81と信号ケーブルで接続されており、気液分離器80内の被加熱媒体液Wqの液位に応じて発停が制御されるように構成されている。補給水熱交換器87Aは、補給水Wsと中間溶液Sbとを熱交換させるように、補給水管85及び溶液熱交換器69よりも上流側の中間溶液管38に配設されている。また、気液分離器80には、被加熱媒体蒸気Wvを系外に供給する被加熱媒体蒸気供給管89が上部(典型的には頂部)に接続されている。被加熱媒体蒸気供給管89には、系外に供給する被加熱媒体蒸気Wvの流量を調節することで気液分離器80内の圧力を調節する圧力調節弁89vと、被加熱媒体蒸気Wvの気液分離器80内への逆流を防ぐ逆止弁89cとが被加熱媒体蒸気Wvの流れ方向に向かってこの順に配設されている。気液分離器80には、内部の静圧を検出する気液分離器圧力センサ92が設けられている。圧力調節弁89vは、気液分離器圧力センサ92と信号ケーブルで接続されており、気液分離器圧力センサ92で検出された圧力に応じて圧力調節弁89vの開度を調節することができるように構成されている。
気液分離器80は、加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部が蒸発して被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが混合した混合被加熱媒体Wmを導入してもよく、被加熱媒体液Wqのまま気液分離器80に導いて減圧し一部を気化させて混合被加熱媒体Wmとしたものを気液分離させるようにしてもよい。被加熱媒体液Wqを減圧気化するには、オリフィス等の絞り手段を用いることができる。加熱管11内で被加熱媒体液Wqの一部を蒸発させるか否かは、典型的には、被加熱媒体ポンプ83及び/又は補給水ポンプ86の吐出圧力を調節することにより、加熱管11内の圧力を被加熱媒体液Wqの温度に相当する飽和圧力よりも高くするか否かによって調節することができる。
高温蒸発器圧力センサ91は、高温蒸発器20の内部の静圧を検出する機器であり、バッフル板25よりも上方で、高温蒸発器20の冷媒気液分離胴21に取り付けられている。高温蒸発器圧力センサ91は、制御装置99と信号ケーブルで接続されており、検出した圧力を制御装置99に信号として送信することができるように構成されている。
制御装置99は、吸収ヒートポンプ1の運転を制御する機器である。制御装置99は、高温冷媒液ポンプ23、蒸発器冷媒ポンプ56、凝縮器冷媒ポンプ76、被加熱媒体ポンプ83、冷却水ポンプ176、冷却ファン171とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、これらの発停や回転速度の調節を行うことができるように構成されている。これまでの説明では高温吸収器液位検出器14の出力を直接入力して制御されることとした溶液ポンプ66、及び気液分離器液位検出器81の出力を直接入力して制御されることとした補給水ポンプ86も、制御装置99を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置99に入力して)制御されることとしてもよい。
制御装置99と三方弁57vとは、信号ケーブルで接続されて第1の熱源媒体流量調節手段として構成されており、制御装置99が送信する信号で三方弁57vの開度を調節することで熱源管51を流れる熱源温水hの流量を調節することができるように構成されている。制御装置99と流量調節弁58vとは、信号ケーブルで接続されて冷媒液散布流量調節手段として構成されており、制御装置99が送信する信号で流量調節弁58vの開度を調節することで冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を調節することができるように構成されている。第1の熱源媒体流量調節手段及び冷媒液散布流量調節手段は、それぞれ低温蒸発器50の能力を調節する低温蒸発器能力調節手段の一形態である。制御装置99と流量調節弁39vとは、信号ケーブルで接続されて第2の吸収液流量調節手段として構成されており、制御装置99が送信する信号で流量調節弁39vの開度を調節することで中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbの流量を調節することができるように構成されている。第2の吸収液流量調節手段は、低温吸収器30の能力を調節する低温吸収器能力調節手段の一形態である。なお、制御装置99によって吐出流量が制御される上述の高温冷媒液ポンプ23もまた、低温吸収器能力調節手段の一形態である。また、制御装置99は、流量調節弁36vに信号を送信して希溶液Swの流量を調節することができるように構成されている。また、制御装置99は、三方弁63v及び三方弁179vにそれぞれ信号を送信して流体の流量配分を調節することができるように構成されている。これまでの説明では高温蒸発器液位検出器26の出力を直接入力して制御されることとした二方弁29v、低温吸収器液位検出器34の出力を直接入力して制御されることとした流量調節弁38v、低温蒸発器液位検出器54の出力を直接入力して制御されることとした二方弁75v、及び気液分離器圧力センサ92の出力を直接入力して制御されることとした圧力調節弁89vも、制御装置99を介して(検出器の出力信号を一旦制御装置99に入力して)制御されることとしてもよい。流量調節弁36v、三方弁63v、三方弁57v、三方弁179v、インバータ171v、インバータ176vは、それぞれ溶液過濃度防止手段の一構成要素である。
引き続き図1を参照して、吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。まず、冷媒側のサイクルを説明する。凝縮器70では、再生器60で蒸発した再生器冷媒蒸気Vgを受け入れて、冷却水管71を流れる冷却水cで冷却して凝縮し、冷媒液Vfとする。凝縮した冷媒液Vfは、凝縮器冷媒ポンプ76で低温蒸発器50へと送られ、貯留部53に貯留される。このとき、貯留部53内の冷媒液Vfが所定の液位になるように、低温蒸発器液位検出器54の検出液位に応じて二方弁75vが制御される。貯留部53内の冷媒液Vfは、蒸発器冷媒ポンプ56により冷媒液管55を流れ、一部は冷媒液管58を介して冷媒液散布ノズル52に送られ、残りは冷媒液管29を介して高温蒸発器20に送られる。冷媒液散布ノズル52に送られた冷媒液Vfは、熱源管51内を流れる熱源温水hによって加熱され蒸発して中間冷媒蒸気Vsとなる。低温蒸発器50で発生した中間冷媒蒸気Vsは、低温蒸発器50と連通する低温吸収器30へと移動する。
高温蒸発器20に送られる冷媒液Vfは、高温蒸発器20内において所定の液位になるように、高温蒸発器液位検出器26の検出液位に応じて制御される二方弁29vを通過して冷媒気液分離胴21に供給される。冷媒気液分離胴21の冷媒液Vfは、高温冷媒液ポンプ23によって低温吸収器30の加熱管31に送られる。加熱管31に送られた冷媒液Vfは、低温吸収器30において、低温蒸発器50で発生して低温吸収器30に移動してきた中間冷媒蒸気Vsが中間溶液Sbに吸収される際に発生する吸収熱により加熱され、この加熱により蒸発して高温冷媒蒸気Vrとなる。加熱管31内で発生した高温冷媒蒸気Vrは、高温冷媒蒸気受入管24を流れて冷媒気液分離胴21に至り、高温蒸発器20と連通する高温吸収器10へと移動する。
次に吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルを説明する。高温吸収器10では、濃溶液Saが濃溶液散布ノズル12から散布され、この散布された濃溶液Saが高温蒸発器20から移動してきた高温冷媒蒸気Vrを吸収する。高温冷媒蒸気Vrを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して中間溶液Sbとなる。高温吸収器10では、濃溶液Saが高温冷媒蒸気Vrを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、加熱管11を流れる被加熱媒体液Wqが加熱される。ここで、被加熱媒体蒸気Wvを取り出すための気液分離器80まわりの作用について説明する。
気液分離器80には、系外から補給水Wsが補給水管85を介して導入される。補給水Wsは、補給水ポンプ86により補給水管85を圧送され、まず補給水熱交換器87Bで温度が上昇した後に、補給水熱交換器87Aで中間溶液Sbと熱交換してさらに温度が上昇して、気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された補給水Wsは、被加熱媒体液Wqとして気液分離器80の下部に貯留される。気液分離器80の下部に貯留される被加熱媒体液Wqが所定の液位になるように、補給水ポンプ86が制御される。気液分離器80の下部に貯留されている被加熱媒体液Wqは、被加熱媒体ポンプ83で高温吸収器10の加熱管11に送られる。加熱管11に送られた被加熱媒体液Wqは、高温吸収器10における上述の吸収熱により加熱される。加熱管11で加熱された被加熱媒体液Wqは、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして、あるいは温度が上昇した被加熱媒体液Wqとして、気液分離器80に向けて加熱後被加熱媒体管84を流れる。加熱後被加熱媒体管84を、温度が上昇した被加熱媒体液Wqが流れる場合、被加熱媒体液Wqは、気液分離器80に導入される際に減圧され、一部が蒸発して被加熱媒体蒸気Wvとなった混合被加熱媒体Wmとして気液分離器80に導入される。気液分離器80に導入された混合被加熱媒体Wmは、被加熱媒体液Wqと被加熱媒体蒸気Wvとが分離される。分離された被加熱媒体液Wqは、気液分離器80の下部に貯留され、再び高温吸収器10の加熱管11に送られる。他方、分離された被加熱媒体蒸気Wvは、被加熱媒体蒸気供給管89に導出され、蒸気利用場所に供給される。本実施の形態では、0.2〜0.4MPa(ゲージ圧)を超える被加熱媒体蒸気Wvが気液分離器80から導出され、また、熱源温水hの温度を上昇させることで0.8MPa(ゲージ圧)程度の、あるいはこれらの間の任意の圧力の被加熱媒体蒸気Wvが導出される。
再び吸収ヒートポンプ1の溶液側のサイクルの説明に戻る。高温吸収器10で高温冷媒蒸気Vrを吸収した濃溶液Saは、濃度が低下して中間溶液Sbとなり、貯留部13に貯留される。貯留部13内の中間溶液Sbは、重力及び内圧の差により低温吸収器30に向かって中間溶液管38を流れ、補給水熱交換器87Aで補給水Wsと熱交換して温度が低下した後に、溶液熱交換器69で濃溶液Saと熱交換してさらに温度が低下して、低温吸収器30の中間溶液散布ノズル32に至る。その後、中間溶液Sbは、中間溶液散布ノズル32から加熱管31に向けて散布され、低温蒸発器50から移動してきた中間冷媒蒸気Vsを吸収し、その際に発生する吸収熱で加熱管31内を流れる冷媒液Vfを加熱して高温冷媒蒸気Vrとする。中間冷媒蒸気Vsを吸収した中間溶液Sbは、濃度が低下して希溶液Swとなり、貯留部33に貯留される。このとき、貯留部33に貯留される希溶液Swの液位が所定の液位になるように、低温吸収器液位検出器34の検出液位に応じて流量調節弁38vの開度が制御される。
貯留部33の希溶液Swは、重力及び内圧の差により再生器60へ送られる。希溶液Swは、低温吸収器30から再生器60に向かって希溶液管36を流れる際、溶液熱交換器68で濃溶液Saと熱交換して温度が低下する。再生器60に送られた希溶液Swは、希溶液散布ノズル62から散布される。希溶液散布ノズル62から散布された希溶液Swは、熱源管61を流れる熱源温水h(本実施の形態では約80℃前後)によって加熱され、散布された希溶液Sw中の冷媒が蒸発して濃溶液Saとなり、再生器60の下部に貯留される。他方、希溶液Swから蒸発した冷媒Vは再生器冷媒蒸気Vgとして凝縮器70へと移動する。再生器60の下部に貯留された濃溶液Saは、溶液ポンプ66により、濃溶液管65を介して吸収器10の濃溶液散布ノズル12に圧送される。このとき、高温吸収器10の貯留部13に貯留された中間溶液Sbが所定の液位になるように、高温吸収器液位検出器14の検出液位に応じてインバータ66vにより溶液ポンプ66の回転速度(ひいては吐出流量)が調節される。濃溶液管65を流れる濃溶液Saは、まず溶液熱交換器68で希溶液Swと熱交換して温度が上昇し、その後溶液熱交換器69で中間溶液Sbと熱交換してさらに温度が上昇してから高温吸収器10に流入し、濃溶液散布ノズル12から散布される。以降、同様のサイクルを繰り返す。
吸収ヒートポンプ1は、上記のような溶液S及び冷媒Vのヒートポンプサイクルが行われている間、高温蒸発器20に取り付けられた高温蒸発器圧力センサ91が、高温蒸発器20内の圧力を検出している。高温蒸発器20内の圧力を検出して、高温蒸発器20内の圧力があらかじめ定められた上限圧力を超えそうになったら、上限圧力を超えないように、高温冷媒蒸気Vrの生成量又は生成温度を調節する。高温蒸発器20の内圧が上限圧力を超えないようにすることで、缶胴を上限圧力に耐えうるように製造すれば足り、上限圧力未満に抑制しない場合に到達しうる最高圧力に耐えうるような缶胴の設計をしなくて済むため、コンパクトで軽量な吸収ヒートポンプとすることができる。上限圧力は適宜決定することができるが、例えば、ある圧力を境界としてこの圧力を超えると異なる取り扱い(例えばメンテナンス等)が求められるような規制がある場合に、この境界圧力を超えない範囲で決定することができる。なお、高温蒸発器20内の圧力を検出しているのは、高温蒸発器20の内圧がヒートポンプサイクルの中で最も高圧となるためである。
図2のデューリング線図をも参照して、吸収ヒートポンプ1の作用をさらに詳しく説明する。図2のデューリング線図は、縦軸に冷媒V(本実施の形態では水)の露点温度を、横軸に溶液S(本実施の形態ではLiBr水溶液)の温度をとっている。右上がりの線は溶液Sの等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の露点温度0℃を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、縦軸が示す露点温度は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒蒸気Vr、Vs、Vgが飽和蒸気である本実施の形態のヒートポンプサイクルでは、縦軸は主要構成部材10、20、30、50、60、70の内部圧力を表していると見ることもできる。
図2中、吸収ヒートポンプ1の定格運転における溶液Sの状態は溶液線SLで表され、定格運転における冷媒Vの状態は冷媒線VLで表されている。本実施の形態の定格条件(設計条件)は、凝縮器70の冷却水管71に出入りする冷却水cの入口温度が20℃、出口温度が25℃、再生器60の熱源管61に流入する熱源温水hの温度が88℃、低温蒸発器50の熱源管51から導出される熱源温水hの温度が83℃であり、気液分離器80から供給される被加熱媒体蒸気Wvの圧力を0.65MPa(ゲージ圧)に調節している。図2中、状態P10は高温吸収器10の溶液Sの状態を表し、状態P30は低温吸収器30の溶液Sの状態を表し、状態P60は再生器60の溶液Sの状態を表している。図2中、状態P10、P30、P60が水平方向に伸びているのは、等圧下で溶液Sの濃度が変化していることを表している。また、状態P20は高温蒸発器20の状態を、状態P50は低温蒸発器50の状態を、状態P70は凝縮器70の状態をそれぞれ表している。図2から明らかなように、ヒートポンプサイクル中で最も圧力が高くなるのは高温蒸発器20(状態P20)である。したがって、上限圧力を超えないようにするために検出する圧力を高温蒸発器20の内部圧力としている。なお、冷媒Vの蒸気を移動させるために互いに連通している高温吸収器10と高温蒸発器20、低温吸収器30と低温蒸発器50、再生器60と凝縮器70の内部圧力は、厳密に言えば冷媒Vの蒸気の下流側となる方が冷媒Vの蒸気の流動による圧力損失分だけ低くなるが、ほぼ同じ圧力である。
さて、高温蒸発器20の内圧をはじめとする各主要構成部材の内圧が変動する要因の1つとして、冷却水cの温度の変動がある。冷却水cの温度は、冷却塔170内に冷却ファン171によって取り込まれる外気の湿球温度に起因する冷却限度がある。図2中の破線で表された溶液線SCHは、上述の定格条件のうち、例えば夏季に冷却水管71へ入る冷却水cの温度が35℃に上昇したときの、上限圧力を超えないような制御を行わない場合における溶液Sの状態を表す線図である(気液分離器80から供給される被加熱媒体蒸気Wvの圧力は0.65MPa(ゲージ圧)に調節している)。溶液線SCHは、溶液線SLに比べて、露点温度の最大値、すなわち圧力の最大値が上昇している。このように、上限圧力を超えないような制御を行わない場合は、冷却水cの温度の上昇によって高温蒸発器20の内圧が上限圧力を超えて上昇する場合があり得る。
吸収ヒートポンプ1は、高温蒸発器20の内圧が上限圧力を超えて上昇することがないように、高温蒸発器圧力センサ91で高温蒸発器20内の圧力を検出し、高温蒸発器20内の圧力が上限圧力を超えそうになったら(典型的には、上限圧力よりも余裕分だけ低い圧力を検出したら)、制御装置99が流量調節弁58vを絞って冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させる。すると、低温蒸発器50で生成される中間冷媒蒸気Vsの流量が減少し、低温吸収器30において中間溶液Sbが吸収する中間冷媒蒸気Vsが減少するために発生する吸収熱が少なくなり、加熱管31を流れる冷媒液Vfへの伝達熱量が少なくなって、高温冷媒蒸気Vrの生成量が低下し、また高温冷媒蒸気Vrの生成温度も低下して、高温蒸発器20内の圧力が低下する。このようにして、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えることを回避することができる。
なお、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させることに代えて、又はこれと共に、低温蒸発器50の熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させるように三方弁57vを制御してもよい。熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させても、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させる場合と同様に、低温蒸発器50で生成される中間冷媒蒸気Vsの量が減少するため、高温冷媒蒸気Vrの生成量が低下し、また高温冷媒蒸気Vrの生成温度が低下して、高温蒸発器20内の圧力が低下することとなる。あるいは、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させること及び/又は熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させることに代えて、又はこれらと共に、中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させるように流量調節弁39vを制御してもよい。中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させると、中間溶液Sbが吸収する中間冷媒蒸気Vsが減少するために発生する吸収熱が少なくなり、加熱管31を流れる冷媒液Vfへの伝達熱量が少なくなって、高温冷媒蒸気Vrの生成量が低下し、また高温冷媒蒸気Vrの生成温度が低下して、高温蒸発器20内の圧力が低下する。あるいは、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させること及び/又は熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させること及び/又は中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させることに代えて、又はこれらと共に、加熱管31内に供給する冷媒液Vfの流量を減少させるように高温冷媒液ポンプ23を制御してもよい。加熱管31内に供給する冷媒液Vfの流量を減少させると、加熱管31の内面(高温蒸発器20の伝熱部)の伝熱が低下し、低温吸収器30から加熱管31内の冷媒液Vfへの伝達熱量が少なくなって、高温冷媒蒸気Vrの生成量が低下し、また高温冷媒蒸気Vrの生成温度が低下して、高温蒸発器20内の圧力が低下する。
他方、図2中の破線で表された溶液線SCLは、上述の定格条件のうち、例えば冬季に冷却水管71へ入る冷却水cの温度が12.5℃に低下したときの、熱源管61、51を流れる熱源温水hの流量及び冷却水管71を流れる冷却水cの流量を一定にした場合における溶液Sの状態を表す線図である。溶液線SCLは、溶液線SLに比べて、露点温度は上昇していないが溶液Sの濃度が上昇している。露点温度(圧力)が上昇していないため、高温蒸発器20の内部圧力も上限圧力を超えないが、溶液Sの濃度が上昇すると溶液Sが結晶して溶液Sが流動しなくなる可能性が生じる。図2中の結晶線CRLよりも濃度が高くなると溶液Sが結晶するため、溶液Sの結晶を回避する観点から、本実施の形態では、結晶線CRLよりも低濃度の溶液濃度(LiBr水溶液中のLiBrの割合)が63.5wt%を超えないように、以下のように制御している。
図2中の状態PSは、再生器60で濃度が上昇した濃溶液Saが再生器60から導出されるときの温度であると共に、再生器60内の圧力を示している。上述のように、再生器60の圧力は凝縮器70の圧力(露点温度)とほぼ同じであるため、凝縮器70の冷媒Vの温度(凝縮温度=露点温度)から再生器60の圧力を求めることができる。つまり、再生器60から導出される濃溶液Saの温度と、凝縮器70の冷媒Vの温度とから、状態PS(溶液Sの濃度も含む)を求めることができる。制御装置99には、露点温度と、溶液温度と、溶液濃度との関係があらかじめ記憶されている。制御装置99は、再生器温度センサ96で検出された濃溶液Saの温度と、凝縮器温度センサ97で検出された凝縮器70内の冷媒Vの温度とから、溶液Sの濃度を求め、溶液Sの濃度が上限濃度(本実施の形態では結晶に対して比較的大きな余裕を持たせて63.5wt%としている)を超えそうになったら、インバータ176vで冷却水ポンプ176の吐出流量を調節することによって冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させる。すると、凝縮器70で冷媒液Vfに凝縮される再生器冷媒蒸気Vgの流量が減少し、再生器60で希溶液Swから蒸発する冷媒Vの量が減少して、再生器60から導出される濃溶液Saの濃度が低下する。このようにして、溶液Sの濃度が上限濃度を超えることを回避することができる。
なお、冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させることに代えて、又はこれと共に、インバータ171vで冷却ファン171の回転速度を減少させて冷却水cの温度低下を抑制し、冷却水管71に供給される冷却水cの温度を高くすることにより、凝縮器70において凝縮される再生器冷媒蒸気Vgの流量を減少させて、再生器60において希溶液Swから蒸発する冷媒の量を減少させてもよい。あるいは、冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させること及び/又は冷却水管71に供給される冷却水cの温度を高くすることに代えて、又はこれらと共に、再生器60の熱源管61を流れる熱源温水hの流量を減少させるように三方弁63v及び/又は三方弁57vを制御してもよい。熱源管61を流れる熱源温水hの流量が減少すると、希溶液散布ノズル62から散布された希溶液Swから蒸発する冷媒Vの量が減少して、再生器60から導出される濃溶液Saの濃度が低下することとなる。あるいは、冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させること及び/又は冷却水管71に供給される冷却水cの温度を高くすること及び/又は熱源管61を流れる熱源温水hの流量を減少させることに代えて、又はこれらと共に、希溶液散布ノズル62から散布される希溶液Swを減少させるように流量調節弁36vを制御してもよい。希溶液散布ノズル62から散布される希溶液Swを減少させると、希溶液Swから蒸発する冷媒Vの量が減少して、再生器60から導出される濃溶液Saの濃度が低下することとなる。なお、冷却水管71に供給される冷却水cの温度の調節は、三方弁179vを調節して冷却塔170に導入される前の冷却水cを冷却塔170から導出された冷却水cに混合させることにより行ってもよい。また、溶液Sの濃度は、再生器温度センサ96で検出した温度及び凝縮器温度センサ97で検出した温度に基づいて求めることに代えて、再生器60内の希溶液Swの液位を検出することにより求めてもよい。これは、溶液サイクル濃度が濃い状態では、溶液系統(溶液線SL側)から冷媒系統(冷媒線VL側)に冷媒Vが多く放出されて溶液系統内の溶液Sの体積が減少する一方で、溶液系統の中で高温吸収器10及び低温吸収器30に保有される溶液Sの量はほぼ一定となるために溶液系統内の溶液Sの体積の変動は再生器60に現れる事実を利用したものである。この場合、再生器温度センサ96及び凝縮器温度センサ97を設けることに代えて、再生器60内の希溶液Swの液位を検出する再生器液位検出器(不図示)を設けるとよい。
高温蒸発器20等の内圧が変動する要因のうち、冷却水cの温度の変動以外のものとして、熱源温水hの温度が上昇することが挙げられる。
図3は、吸収ヒートポンプ1の熱源温水hの温度が変化したときの状態を示すデューリング線図である。図2と同様、溶液線SLは吸収ヒートポンプ1の定格運転における溶液Sの状態を表している。溶液線SHHは、再生器60の熱源管61に流入する熱源温水hの温度が88℃から96℃に上昇したときの、熱源管61、51を流れる熱源温水hの流量及び冷却水管71を流れる冷却水cの流量を一定にした場合における溶液Sの状態を表している。図3に示されるように、熱源温水hの温度が上昇すると、溶液線SLに比べて、露点温度の最大値、すなわち圧力の最大値が上昇する。つまり、熱源温水hの温度の上昇によって高温蒸発器20の内圧が上限圧力を超えて上昇する場合があり得る。
高温蒸発器20の内圧の上昇が、熱源温水hの温度の上昇に起因する場合であっても、上述した、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えないような制御を行う。つまり、吸収ヒートポンプ1は、高温蒸発器圧力センサ91で高温蒸発器20内の圧力を検出し、高温蒸発器20の内圧の上昇の原因にかかわらず(圧力上昇の要因が、熱源温水hの温度の上昇であるか、冷却水cの温度の上昇であるかにかかわらず)、高温蒸発器20内の圧力が上限圧力を超えそうになったら、制御装置99が、上述した、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させること、及び/又は熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させること、及び/又は中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させること、及び/又は加熱管31内に供給する冷媒液Vfの流量を減少させることを行う。このことにより、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えることを回避することができる。
なお、図3から分かるように、熱源温水hの温度が上昇した場合(溶液線SHH)は、内圧が上昇するのみならず、溶液Sの濃度も同時に上昇する。したがって、制御装置99は、再生器温度センサ96で検出された濃溶液Saの温度と、凝縮器温度センサ97で検出された凝縮器70内の冷媒Vの温度とから溶液Sの濃度を求め、あるいは、再生器液位検出器(不図示)で検出された再生器60内の希溶液Swの液位から溶液Sの濃度を求め、溶液Sの濃度が上限濃度(本実施の形態では63.5wt%)を超えそうになったら、上述した、冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させること、及び/又は冷却水管71に供給される冷却水cの温度を高くすること、及び/又は熱源管61を流れる熱源温水hの流量を減少させること、希溶液散布ノズル62から散布される希溶液Swの流量を減少させること、を行う。このことにより、溶液Sの濃度が上限濃度を超えることを回避することができる。
また、吸収ヒートポンプ1は、気液分離器80内の圧力が所定の圧力を超えないような制御をしている。気液分離器80内の圧力が上昇すると、被加熱媒体液Wqの飽和温度が上昇し、加熱管11を流れる被加熱媒体Wの受熱量が少なくなるために高温吸収器10内の放熱量が減少する。このことによって、高温吸収器10内の温度が上昇し、これに伴って高温吸収器10の内圧が上昇し、高温吸収器10と連通する高温蒸発器20の内圧も上昇する。気液分離器80内の圧力が所定の圧力を超えないような制御をすることにより、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えることを回避することができる。上述の意義から、「所定の圧力」は、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超える圧力になる契機となる圧力である。
本実施の形態では、気液分離器80内の圧力が所定の圧力を超えないような制御として、制御装置99は、気液分離器圧力センサ92で検出された圧力が、所定の圧力よりも低い第2の所定の圧力になるように、圧力調節弁89vを制御する。このようにすることにより、被加熱媒体蒸気Wvの安定した供給が可能になる。被加熱媒体蒸気Wvの供給の安定は、吸収ヒートポンプ1の安定運転、すなわち、冷媒V及び溶液Sのサイクルの安定化をもたらすこととなる。
そして、圧力調節弁89vを全開にしても気液分離器80内の圧力が上昇する場合は、生成される被加熱媒体蒸気Wvの量が利用先に対して過多となっていると推定できるため、制御装置99は、被加熱媒体蒸気Wvの生成量を抑制するために、典型的には、三方弁57vを調節して熱源温水hが熱源管61及び熱源管51をバイパスするようにして、再生器60及び低温吸収器30への入熱を減少させる。この制御により、高温蒸発器20の内圧の上昇を抑制できると共に、被加熱媒体蒸気Wvの供給を安定させることができる。なお、熱源管61及び熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させることに代えて又はこれと共に、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させること、及び/又は中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させること、及び/又は加熱管31内に供給する冷媒液Vfの流量を減少させることを行ってもよい。
これまで説明したように、高温蒸発器20の内圧が上限圧力を超えないようにすることで、缶胴の内圧を明確に制限できる場合、缶胴を上限圧力に耐えうるように製造すれば足り、上限圧力未満に抑制しない場合に到達しうる最高圧力に耐えうるような缶胴の設計をしなくて済むため、コンパクトで軽量な吸収ヒートポンプとすることができる。
図4に、高温吸収器10の断面構造の例を示す。図4(a)は縦断面形状が円形の缶胴10aを有する高温吸収器10Aを表し、図4(b)は縦断面形状が矩形の缶胴10bを有する高温吸収器10Bを表している(両者の区別を容易にするために異なる符号10A、10Bを付している。)。缶胴10aのように円形断面を採用して、缶胴10aの厚さが薄くても耐圧を高めることができる構造とすると、より軽量化を図ることができる。他方、缶胴10bのように矩形断面を採用すると、高温吸収器10Aに見られるような加熱管11及び濃溶液散布ノズル12の外縁と缶胴10aとの間に見られる空間をなくすことができ、よりコンパクトにすることができる。軽量化及びコンパクト化の両方を実現できるかあるいは一方を選択するかは、規定する上限圧力による。
上述のように、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えないような制御を行うと、高温冷媒蒸気Vrの生成量が抑制され、また生成温度が低下することとなる。このことは、気液分離器80における被加熱媒体蒸気Wvの生成量の低下を招来するが、被加熱媒体蒸気Wvの生成量の低下は、年間を通して考えると、一般に、1%未満の減少であるため、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えないように規定するメリットの方が遙かに大きい。
以上で説明した、高温蒸発器20の内部圧力が上限圧力を超えないようにするための制御の中で、冷媒液散布ノズル52から散布される冷媒液Vfの流量を減少させるのに用いる流量調節弁58v、熱源管51を流れる熱源温水hの流量を減少させるのに用いる三方弁57v、中間溶液散布ノズル32から散布される中間溶液Sbを減少させるのに用いる流量調節弁39v、加熱管31に供給する冷媒液Vfの流量を減少させるのに用いるインバータ23vは、すべてを備えていなくてもよく、調節するために利用する手段を設け、調節に使用しない手段は設けなくてもよい。同様に、溶液Sの濃度が上限濃度を超えないようにするための制御の中で、冷却水管71に供給される冷却水cの流量を減少させるのに用いるインバータ176v、冷却水管71に供給される冷却水cの温度を高くするのに用いるインバータ171v又は三方弁179v、熱源管61を流れる熱源温水hの流量を減少させるのに用いる三方弁63v又は三方弁57v、希溶液散布ノズル62から散布される希溶液Swの流量を減少させるのに用いる流量調節弁36vは、すべてを備えていなくてもよく、調節するために利用する手段を設け、調節に使用しない手段は設けなくてもよい。
以上の説明では、熱源媒体が熱源温水hとしたが、排ガスや排蒸気等の熱媒体としてもよい。また、熱源管51及び熱源管61に同じ熱源温水hが流れるとしたが、それぞれの熱源管51、61に異なる熱源媒体が流れるように構成してもよい。
以上の説明では、第1の検出器が高温蒸発器20の内圧を検出する高温蒸発器圧力センサ91であるとしたが、高温蒸発器20の内圧と相関関係のある、例えば、高温吸収器10の内圧を検出する圧力センサ、冷媒Vが飽和している高温蒸発器20の内部温度(飽和温度)を検出する温度センサ等を用いてもよい。同様に、第2の検出が気液分離器80の内圧を検出する気液分離器圧力センサ92であるとしたが、気液分離器80の内圧と相関関係のある、例えば、気液分離器80の内部温度(飽和温度)を検出する(あるいは気液分離器80に導入される被加熱媒体Wの温度を検出する)温度センサ等を用いてもよい。
以上の説明では、気液分離器80で分離した被加熱媒体蒸気Wvを蒸気利用場所に供給することとしたが、例えば高温水での供給を求められる場合等は高温吸収器10で加熱された被加熱媒体液Wqを蒸発させずに高温の被加熱媒体液Wqとして取り出すこととしてもよい。高温の被加熱媒体液Wqは、例えば160℃程度の温水である。被加熱媒体液Wqとして取り出す場合は、気液分離器80を省略して(設けずに)、補給水管85を直接高温吸収器10の加熱管11に接続してもよい。なお、加熱後被加熱媒体管84を流れる被加熱媒体Wが被加熱媒体液Wqの場合(取り出しが被加熱媒体液Wqか被加熱媒体蒸気Wvかは問わない)は、被加熱媒体蒸気Wvが発生しないように加熱後被加熱媒体管84内に圧力をかけることでヒートポンプサイクルが安定する。他方、加熱後被加熱媒体管84を流れる被加熱媒体Wが被加熱媒体蒸気Wvの場合、蒸発する量の1.1〜2倍程度の被加熱媒体液Wqを加熱管11に送れば足り、また加熱後被加熱媒体管84内に圧力をかける必要がないため、被加熱媒体ポンプ83の必要ヘッドは小さくて済み、被加熱媒体ポンプ83の必要動力は、気液分離器80まで被加熱媒体液Wqとして送る場合の1〜2%程度となり、動力を大幅に低減することができる。
以上の説明では、溶液Sの流れ(溶液フロー)として、再生器60で再生された濃溶液Saを高温吸収器10に導き、中間濃度になった中間溶液Sbを低温吸収器30に導き、さらに濃度が低下した希溶液Swを再生器60に戻す、二段昇圧型の吸収ヒートポンプに適したいわゆるシリーズフローであるとした。しかしながら、シリーズフロー以外の、いわゆるリバースフローやパラレルフロー等の他の溶液フローを適用してもよい。ここで、リバースフローとは、再生器60の濃溶液Saを低温吸収器30に導き、中間濃度になった中間溶液Sbを高温吸収器10に導き、高温吸収器10で濃度がさらに低下した希溶液Swを再生器60に戻すフローである。また、パラレルフローとは、再生器60の濃溶液Saを並行して高温吸収器10及び低温吸収器30へ導き、両吸収器10、30で濃度が低下した溶液Sを再生器60に戻すフローである。この他の例として、再生器60を二分割とし、一方の再生器と高温吸収器10との間で溶液Sを循環させると共に、他方の再生器と低温吸収器30との間で溶液Sを循環させる溶液フローを適用してもよい。
以上の説明では、二段昇圧型の吸収ヒートポンプとしたが、三段以上の多段昇圧型の吸収ヒートポンプとしてもよい。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2の概略構成図である。吸収ヒートポンプ2は、三段昇温型の吸収ヒートポンプである。吸収ヒートポンプ2は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)の構成に加えて、高温蒸発器20よりも作動温度(内部圧力)が低く低温蒸発器50よりも作動温度(内部圧力)が高い中段蒸発器45と、低温吸収器30よりも作動温度(内部圧力)が低い下段吸収器43とを備えている。図5では、主要構成機器(吸収器、蒸発器、再生器、凝縮器)の概略構成を主に示し、内部の詳細な構成や熱交換器等の付帯機器の図示は省略しているが、吸収ヒートポンプ2は、内部の詳細な構成や熱交換器等の付帯機器も図1に示される吸収ヒートポンプ1と同様に備えている。
吸収ヒートポンプ2の、吸収ヒートポンプ1(図1参照)との主な相違点は、中段蒸発器45は低温吸収器30と中間冷媒蒸気Vsの移動があるように連通して両者はほぼ同じ圧力となっており、下段吸収器43は低温蒸発器50と第3の冷媒蒸気Vtの移動があるように連通して両者はほぼ同じ圧力となっている点、低温吸収器30に供給される中間冷媒蒸気Vsが中段蒸発器45で生成される点、及び低温蒸発器50が生成する冷媒蒸気が第3の冷媒蒸気Vtである点である。他方、最も作動温度(内部圧力)が高い吸収器(高温吸収器10)に被加熱媒体Wを導入し、最も作動温度(内部圧力)が低い蒸発器(低温蒸発器50)に熱源温水hを導入する点は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と同様である。中段蒸発器45には、典型的には低温蒸発器50の下部に貯留されている冷媒液Vfが導入されるが、凝縮器70に貯留されている冷媒液Vfが導入されることとしてもよい。下段吸収器43には、典型的には、低温吸収器30で濃度が低下した希溶液Swが導入されるが、高温吸収器10から中間溶液Sbが導入されることとしてもよく、再生器60から濃溶液Saが導入されることとしてもよい。
なお、吸収ヒートポンプ2が、吸収ヒートポンプ1(図1参照)から中段蒸発器45及び下段吸収器43の主要構成機器を付加したように、一段上位の蒸発器(図5では中段蒸発器45)の冷媒液を加熱蒸発させる吸収器(図5では下段吸収器43)とこの吸収器(下段吸収器43)によって冷媒液が加熱蒸発させられる当該蒸発器(中段蒸発器45)の組を、低温吸収器30と低温蒸発器50との間に複数組設けて三段を超える多段昇温型の吸収ヒートポンプとしてもよい。段数を増加させることにより、吸収ヒートポンプが熱を汲み上げる高さを高くすることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの模式的系統図である。 本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの冷却水の温度が変化したときの状態を示すデューリング線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの熱源温水の温度が変化したときの状態を示すデューリング線図である。 本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを構成する高温吸収器の構造例を示す断面図である。(a)は断面形状が円形の缶胴を有するものの図、(b)は断面形状が矩形の缶胴を有するものの図である。 本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプの概略系統図である。
符号の説明
1 二段昇温型吸収ヒートポンプ
2 三段昇温型吸収ヒートポンプ
10 高温吸収器
11 加熱管
20 高温蒸発器
30 低温吸収器
39v 流量調節弁
43 下段吸収器
45 中段蒸発器
50 低温蒸発器
51 熱源管
52 冷媒液散布ノズル
57v 三方弁
58v 流量調節弁
60 再生器
61 熱源管
62 希溶液散布ノズル
70 凝縮器
71 冷却水管
80 気液分離器
91 高温蒸発器圧力センサ
92 気液分離器圧力センサ
c 冷却水
h 熱源温水
Sa 濃溶液
Sb 中間溶液
Sw 希溶液
Vf 冷媒液
Vg 再生器冷媒蒸気
Vr 高温冷媒蒸気
Vs 中間冷媒蒸気
W 被加熱媒体
Wv 被加熱媒体蒸気
Wq 被加熱媒体液

Claims (5)

  1. 被加熱媒体の流路を内部に有し、第1の吸収液が第1の冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱で前記被加熱媒体を加熱する第1の吸収器と;
    前記第1の吸収器に前記第1の冷媒蒸気を供給する第1の蒸発器と;
    第2の吸収液が第2の冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱で前記第1の蒸発器内の冷媒液を加熱して前記第1の冷媒蒸気を生成する、前記第1の吸収器よりも内部圧力が低い第2の吸収器と;
    前記第1の蒸発器の内部圧力、前記第1の蒸発器の内部温度、及び前記第1の吸収器の内部圧力からなる群より選択された一つの値を検出する第1の検出器と;
    前記第1の蒸発器の内部圧力があらかじめ定められた上限圧力を超えないように、前記第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節する調節手段と;
    内部に熱源媒体を流す第1の熱源媒体管と、前記第1の熱源媒体管に冷媒液を散布する冷媒液散布装置と、を有し、前記第1の熱源媒体管に散布された冷媒液を前記熱源媒体で加熱して前記第2の冷媒蒸気を生成する、前記第1の蒸発器よりも内部圧力が低い第2の蒸発器を備え;
    前記調節手段が、前記冷媒液散布装置から散布される前記冷媒液の流量を調節する冷媒液散布流量調節手段で構成された;
    吸収ヒートポンプ。
  2. 前記第1の蒸発器よりも内部圧力が低く前記第2の蒸発器よりも内部圧力が高い中段蒸発器であって、前記第2の吸収器に前記第2の冷媒蒸気を供給する中段蒸発器と;
    前記第2の吸収器よりも内部圧力が低い下段吸収器であって、前記下段吸収器内の吸収液が第3の冷媒蒸気を吸収する際に発生する吸収熱で、直接又は間接に前記中段蒸発器内の冷媒液を加熱して前記第2の冷媒蒸気を生成する下段吸収器とを備え;
    前記第2の蒸発器が、前記第2の冷媒蒸気を生成することに代えて、前記第3の冷媒蒸気を生成するように構成された;
    請求項に記載の吸収ヒートポンプ。
  3. 前記調節手段が、前記第2の冷媒蒸気を吸収する前記第2の吸収液の流量を調節する第2の吸収液流量調節手段又は前記第2の吸収器で加熱される前記第1の蒸発器内の冷媒液の流量を調節する冷媒液流量調節手段を含んで構成された;
    請求項1又は請求項に記載の吸収ヒートポンプ。
  4. 内部に熱源媒体を流す第2の熱源媒体管と、冷媒蒸気を吸収した吸収液を前記第2の熱源媒体管に散布する吸収液散布装置と、を有し、前記第2の熱源媒体管に散布された前記冷媒蒸気を吸収した吸収液を前記第2の熱源媒体管を流れる熱源媒体で加熱し吸収液から冷媒を蒸発させて吸収液を再生する再生器と;
    内部に冷却媒体を流す冷却媒体管を有し、前記再生器から冷媒蒸気を導入し前記冷却媒体で冷却して冷媒液を生成する凝縮器と;
    前記再生器で再生された吸収液の濃度があらかじめ定められた上限濃度を超えないように、前記第2の熱源媒体管を流れる前記熱源媒体の流量の調節、前記吸収液散布装置から散布される吸収液の流量の調節、前記冷却媒体の温度の調節、及び前記冷却媒体の流量の調節のうちの少なくとも1つの調節を行う制御装置とを備える;
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプ。
  5. 前記第1の吸収器で加熱された被加熱媒体を導入し、前記被加熱媒体の蒸気と前記被加熱媒体の液体とを分離する気液分離器と;
    前記気液分離器の内部圧力と相関関係を有する物理量を検出する第2の検出器とを備え;
    前記気液分離器の内部圧力が所定の圧力を超えないように、前記調節手段を制御して前記第1の冷媒蒸気の生成量又は生成温度を調節するように構成された;
    請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプ。
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