JP2006275354A - 吸収冷凍機 - Google Patents

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▲燦▼吉 高橋
Takafumi Kunugi
能文 功刀
Akira Yamada
章 山田
Hidehiko Noda
英彦 野田
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Abstract


【課題】 多成分系溶液を用いるのに適し、冷房熱源と冷凍熱源を同時に取り出せ、両者の熱量を任意調節可能な吸収冷凍機の提供。
【解決手段】 吸収冷凍機は、異なる組成比率の二以上の冷媒液の得られる、凝縮温度が異なる二以上の凝縮器、蒸発温度が異なる二以上の蒸発器、吸収温度が異なる二以上の吸収器、二の凝縮器間に配される気液分離器を備えて構成する。各吸収器は吸収冷凍サイクル後流方向に漸次吸収温度が低下するように連設され、冷媒含量の多い希溶液は最低の吸収温度に係る吸収器から該溶液熱交換器を通って該再生器に送られ、再生器からの濃溶液は該溶液熱交換器を通って最高の吸収温度に係る吸収器に戻される溶液のサイクルが形成された構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明は吸収冷凍機に係り、特に臭化リチウム−水系溶液に、他の成分を加えた3成分系の溶液を用いる際に好適な吸収冷凍機の機器構成と系統ならびにその運転制御方法に関する。
従来の吸収冷凍機に一般的に用いられている溶液は、臭化リチウム−水系であり、冷媒が水、吸収液が臭化リチウム水溶液である。さらに、国際公開番号WO2004/087830 A1(特許文献1)に詳述してあるように、冷媒として水、吸収液として臭化リチウム水溶液を用いるのに加え、第3の成分を添加した3成分系の溶液が提案されている。
国際公開番号WO2004/087830 A1
従来の臭化リチウム−水系の溶液を用いる吸収冷凍機は、冷媒が単一組成の水であるために、さらにまた、溶液の蒸気圧特性や結晶化条件が一定にされているために、溶液の加熱温度や、冷水の取り出し温度など、運転条件は厳密に制限されており、かつ冷房用の冷熱出力のみしかできない単機能であった。
次に、3成分系の溶液を用いる場合の課題を、一例として臭化リチウム−水系の溶液に第3成分として1,4ジオキサンを添加した、臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系の溶液の場合について、以下に詳述する。
当該溶液では、冷媒が水と1,4ジオキサンの混合物であるため、再生器における溶液の濃度変化、もしくは溶媒の混合比率変化により、得られる冷媒中の水と1,4ジオキサンの混合比率が異なる。つまり、前述の冷媒の混合比率により蒸気圧特性と凍結温度が変化するために、冷房用の冷熱(以下、冷房用の冷熱を「冷水出力」と記す)から氷点下の冷凍用ブライン(以下、氷点下の冷凍用ブラインを「冷凍出力」と記す)まで広い温度の冷熱出力が可能であるが、従来からある単機能の吸収冷凍機に当該3成分系の溶液を適用しても、冷水出力か冷凍出力かのいずれか一方のみの出力に限定されていた。
また、上述した3成分系溶液は、従来の臭化リチウム−水系溶液が一定の蒸気圧特性であるのに対し、溶液中の水と1,4ジオキサンの混合比率により蒸気圧特性ならびに結晶化温度が変化するために、従来の臭化リチウム−水系の溶液を用いる場合よりも広い温度領域の加熱源で濃縮操作が可能となる。
しかしながら、従来の単機能の吸収冷凍機では溶液中の水と1,4ジオキサンの混合比率を運転中に変えることはできないために、前記3成分系溶液の特徴を有効に活用できなかった。
本発明の課題は、かかる従来技術の問題点を解消し、従来の臭化リチウム−水系の溶液に適していた吸収冷凍機の機器構成に対し、3成分系溶液と、該溶液から得られる冷媒が有する特徴を最大限に発揮できる機器構成と系統ならびに制御方法を提供することである。
さらに本発明の課題は、(1)加熱源温度の低温度化・融通化・可変化、(2)冷熱出力温度の多機能化・可変化、および(3)空気冷却式化の可能な、吸収冷凍機を提供することにある。
上記課題解決の目的を達成するために、本願発明者は、前述の3成分系溶液を用いた吸収冷凍機を運転して得られた知見を基に、当該溶液ならびに当該溶液から得られる冷媒の諸物性値を検討した。その結果、従来の臭化リチウム−水系の溶液に1,4ジオキサンを添加した3成分系溶液を用いるのに好適な吸収冷凍機の機器構成として、凝縮器、蒸発器ならびに吸収器をそれぞれ複数個設け、また気液分離器を設け、あるいはそれらに加えて溶液貯槽、冷媒貯槽を備えた基本構成に基づいて、これらの機器を機能的に接続する系統、およびその制御方法を構成するという解決策に至った。すなわち、本願において特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、次の通りである。
(1) 多成分系の冷媒を用い、再生器、凝縮器機能、蒸発器機能、吸収器機能ならびに溶液熱交換器を備えてなる吸収冷凍機において、
該凝縮器機能としては、組成比率の異なる二以上の冷媒液を得るための、凝縮温度が異なる二以上の凝縮器、
該蒸発器機能としては該凝縮器構成に対応して設けられる蒸発温度が異なる二以上の蒸発器、
該吸収器機能としては該凝縮器ならびに該蒸発器構成に対応して設けられる吸収温度が異なる二以上の吸収器がそれぞれ設けられ、
該二以上の凝縮器は、該再生器の後流方向に漸次その凝縮温度が低下するように、かつ二の凝縮器間には一部凝縮した冷媒を気液分離するための気液分離器を配して設けられ、
該二以上の各吸収器は、吸収冷凍サイクル後流方向に漸次吸収温度が低下するように連設され、
冷媒含量の多い希溶液は最低の吸収温度に係る吸収器から該溶液熱交換器を通って該再生器に送られるとともに、該再生器からの濃溶液は該溶液熱交換器を通って最高の吸収温度に係る吸収器に戻される溶液のサイクルが形成されていることを特徴とする、吸収冷凍機。
(2) 前記気液分離器により分離された冷媒液の一部と、該気液分離器により冷媒蒸気として分離された後に前記凝縮器により凝縮されてなる冷媒液とを混合して、両者の中間的な組成を有する冷媒液を得るための冷媒混合系が設けられていることを特徴とする、(1)に記載の吸収冷凍機。
(3) 前記冷媒混合系は、
前記凝縮器とそれに対応する蒸発器との間に設けられ、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽からの冷媒液送液ラインと、
これに合流し、前記気液分離器からの冷媒液の一部を供給する分岐ラインと、
両ラインの少なくともいずれか一方において設けられる、当該ラインにおける供給冷媒液量を調節するための制御弁と、を備えてなることを特徴とする、(2)に記載の吸収冷凍機。
(4) 前記凝縮器のうち最高の凝縮温度に係る凝縮器を除く凝縮器と、それに対応する前記蒸発器との間には、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽が設けられていることを特徴とする、(1)に記載の吸収冷凍機。
(5) 前記冷媒液貯槽は、貯留する冷媒液量もしくは後流方向に通す冷媒液量を調節するための仕切壁が、内部に設けられていることを特徴とする、(4)に記載の吸収冷凍機。
(6) 前記溶液熱交換器と最高の吸収温度に係る吸収器との間には、循環する吸収溶液の濃度を調節するための溶液貯槽が設けられていることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の吸収冷凍機。
(7) 再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器ならびに溶液熱交換器を備えてなる吸収冷凍機において、該凝縮器には、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽が設けられていることを特徴とする、吸収冷凍機。
(8) 前記冷媒液貯槽は、貯留する冷媒液量もしくは後流方向に通す冷媒液量を調節するための仕切壁が内部に設けられていることを特徴とする、(7)に記載の吸収冷凍機。
(9) 前記冷媒液貯槽は、前記凝縮器に内蔵されていることを特徴とする、(7)に記載の吸収冷凍機。

(10) 冷媒に水、吸収剤に臭化リチウムよりなる系に1,4ジオキサンを加えた3成分系からなる溶液を用いることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかに記載の吸収冷凍機。
(11) 冷媒に水、吸収剤に臭化リチウムよりなる系に、他の成分を加えた3成分系からなる溶液を用いる吸収冷凍機において、
再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、溶液熱交換器よりなる機器構成のうち、
凝縮器は凝縮温度がそれぞれ異なる複数の凝縮器を有し、
蒸発器は蒸発温度がそれぞれ異なる複数の蒸発器を有し、
さらに吸収器は吸収温度がそれぞれ異なる複数の吸収器を有し、
高温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「高温部凝縮器」)で一部凝縮した冷媒液を気液分離器に導いて気液を分離して未凝縮冷媒を漸次低温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「低温部凝縮器」)に流入させ、
前記分離した冷媒液を高温の蒸発温度に係る凝縮器(以下、「高温部蒸発器」)に送り、
低温部凝縮器で生成した冷媒液は冷媒液貯槽に溜め、複数の流に分けて漸次、低温の蒸発温度に係る凝縮器(以下、「低温部蒸発器」)に送り、
高温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は高温の吸収温度に係る吸収器(以下、「高温部吸収器」)に送られるように接続し、
低温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は低温の吸収温度に係る吸収器(以下、「低温部吸収器」)に送られるように接続し、
再生器から溶液熱交換器を通った冷媒含有量の少ない濃溶液は二つに分流して、
一方は直接高温部吸収器に、他方は溶液貯槽を介して高温部吸収器に送って、冷媒蒸気の吸収による中間濃度溶液を生成し、漸次、低温部吸収器に送り、
ここでさらに冷媒蒸気を吸収して生成した冷媒含有量の多い希溶液は溶液熱交換器を通って再生器に送る、各構成を備え、
かかる構成により、再生器で発生した冷媒蒸気が複数個の凝縮器で凝縮して、組成比率の異なる複数の冷媒液が生成されて流通する冷凍サイクルが形成され、
また、再生器は外部からの熱源で加熱され、前記複数の凝縮器および複数の吸収器は冷却源で冷却される構成を備え、
高温部蒸発器において低温熱源が、また漸次低温となる低温部蒸発器において、漸次低温となる低温熱源が得られることを特徴とする、吸収冷凍機。
(12) (11)に記載の吸収冷凍機であって、前記気液分離器により分離された冷媒液の一部と、該気液分離器により冷媒蒸気として分離された後に前記凝縮器により凝縮されてなる冷媒液とを混合して、両者の中間的な組成を有する冷媒液を得るための冷媒混合系が設けられており、該冷媒混合系は、
該凝縮器とそれに対応する蒸発器との間に設けられ、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽からの冷媒液送液ラインと、
これに合流し、該気液分離器からの冷媒液の一部を供給する分岐ラインと、
両ラインの少なくともいずれか一方において設けられる、当該ラインにおける供給冷媒液量を調節するための制御弁と、を備えてなることを特徴とする、吸収冷凍機。
(13) (11)または(12)に記載の吸収冷凍機であって、複数の凝縮器および吸収器の冷却方式が、少なくとも一部において空冷式であることを特徴とする、吸収冷凍機。
(14) (11)または(12)に記載の吸収冷凍機であって、複数の凝縮器および吸収器の冷却方式が、全て水冷式であることを特徴とする、吸収冷凍機。
(15) (11)または(12)に記載の吸収冷凍機であって、
再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、溶液熱交換器よりなる機器構成のうち、
凝縮器は高温部凝縮器と低音部凝縮器の2器を有し、
蒸発器は高温部蒸発器と低温部蒸発器の2器を有し、
さらに吸収器は高温部吸収器と低温部吸収器の2器を有し、
高温部凝縮器で一部凝縮した冷媒を気液分離器に導いて気液を分離して、未凝縮冷媒を低音部凝縮器に流入させ、
分離した冷媒液は高温部蒸発器に流し、
低音部凝縮器で生成した冷媒液は冷媒液貯槽に溜め、2流に分けて低温部蒸発器に流し、
高温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は高温部吸収器に流れるように接続し、
低温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は低温部吸収器に流れるように接続し、
再生器から溶液熱交換器を通った冷媒含有量の少ない濃溶液は二つに分流し、
一方は直接高温部吸収器に、他方は溶液貯槽を通ったあと合流させて高温部吸収器に流入させ、冷媒蒸気吸収による中間濃度溶液を生成して低温部吸収器に流入させ、
ここでさらに冷媒蒸気を吸収して生成した冷媒含有量の多い希溶液は溶液熱交換器を通って再生器に流入させ、
かかる構成により、再生器で発生した冷媒蒸気が2個の凝縮器で凝縮して、組成比率の異なる2種類の冷媒液が生成されて流通する冷凍サイクルが形成され、
また、再生器は外部からの熱源で加熱され、前記複数の凝縮器および複数の吸収器は冷却空気で冷却される構成を備え、
高温部蒸発器において冷水等の低温熱源が、低温部蒸発器からは、氷点下でも凍結しないブライン等の前記高温部蒸発器で得られる低温よりさらに低温の熱源が得られることを特徴とする、吸収冷凍機。
(16) (12)ないし(15)のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、氷点以上の温度である冷水と氷点下の温度であるブラインを希望する温度にするため、また濃溶液から臭化リチウムが結晶することを回避するために、
濃溶液、希溶液それぞれの濃度を検出するための溶液濃度検出手段、
気液分離器、冷媒液貯槽それぞれから出た冷媒液の濃度を検出するための冷媒液濃度検出手段、
濃溶液の溶液貯槽の入口ならびに出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
溶液ポンプのインバータ、高温部吸収器と低温部吸収器用の空冷ファンのインバータ、高温部凝縮器および低音部凝縮器用の空冷ファンのインバータ、
気液分離器出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
冷媒液貯槽出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
冷媒混合系における気液分離器後流側(分岐ライン)と、冷媒液貯槽出口(冷媒液送液ライン)の、各流通冷媒液量を調節するための混合制御弁、
がそれぞれ、所定箇所に設けられていることを特徴とする、吸収冷凍機。
(17) (11)ないし(16)のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、臭化リチウム−水系よりなる系に加える他の成分として、1,4ジオキサンを用い、冷媒の組成を、水54〜95%、1,4ジオキサン46〜5%とすることを特徴とする、吸収冷凍機。
(18) (11)ないし(16)のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、臭化リチウム−水系よりなる系に加える他の成分として、1,4ジオキサンを用い、水─臭化リチウム─1,4ジオキサンの3成分よりなる溶液中の水と1,4ジオキサンとの混合割合を、水76〜91%、1,4ジオキサン24〜9%とすることを特徴とする、吸収冷凍機。
これら本発明の主要な特徴を備えた、3成分系溶液を用いるのに好適な吸収冷凍機機器構成例としては、次のようになる。すなわち、
・3成分系溶液として1,4ジオキサンを含んだ臭化リチウム水溶液の濃縮のための再生器と複数個の凝縮器とからなる濃縮器、
・前記溶液の冷媒である水−1,4ジオキサンの複数個の蒸発器と、蒸発した蒸気の吸収操作を行うための複数個の吸収器とからなる希釈器、
・前記再生器から流出する高温の濃厚吸収液と、前記吸収器から流出する低温の希薄吸収液との熱交換を行わせる熱回収器、
・高温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「高温部凝縮器」)で一部凝縮した冷媒蒸気と液体を分離する気液分離器、
・低温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「低温部凝縮器」)で凝縮した冷媒液を貯留する冷媒液貯槽、
・濃溶液を貯蔵する溶液貯槽、
・濃溶液・希溶液および冷媒の濃度検出器、および、
・吐出量が可変できる溶液循環ポンプ、からなる構成である。
本発明の吸収冷凍機は上述のように構成されるため、これによれば、3成分系溶液とこれから得られる冷媒が有する特長を最大限に発揮できる機器構成を提供することができる。そして、吸収冷凍機において、(1)加熱源温度の低温度化・融通化・可変化、(2)冷熱出力温度の多機能化・可変化、および(3)空気冷却式化を実現することができる。
また本発明によれば、たとえば、臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系などの3成分系溶液を用いる吸収冷凍機において、以下の効果を得ることができる。
1)吸収冷凍機1台で、冷水出力と冷凍出力の2種類の冷熱源を製造できる多機能吸収冷凍機を提供することができる。したがって、従来は別途設備であった冷凍設備を不要にできることから、冷凍設備の廉価化、設置面積の大幅な狭小化が可能となる。
2)単一の吸収冷凍機でありながら、冷房用冷水と冷凍用ブラインの熱量をそれぞれの需要に応じて変化させることができ、熱需要に柔軟に対応することができる。
3)吸収器および凝縮器の両方もしくはいずれか片方を空気冷却方式とすることが可能であり、従来の冷却塔に係る煩わしさが解消できる効果があり、全て空気冷却方式とすることにより、民生への導入を促進することができる。
4)設備を複雑にすることなく、氷点下の冷熱の温度を任意に得ることができる。
5)従来、吸収冷凍機では使用が困難であった温度変化の激しい排熱、たとえばコージェネレションシステムにおけるガスタービンや燃料電池の排熱、各種工場排熱、ごみ焼却熱、温泉熱、太陽熱利用などの有効利用が図れると共に、従来より低い温度まで利用することが可能であり、さらに時間と共に温度が変化する太陽熱集熱器により得られる温水を利用することができる。
図8は、本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第1の概念図である。図示するように多成分系の冷媒を用いる本吸収冷凍機は、該凝縮器機能としては、組成比率の異なる二以上の冷媒液を得るための、凝縮温度が異なる二以上の凝縮器C01H、C02L等、該蒸発器機能としては該凝縮器C01H等の構成に対応して設けられる蒸発温度が異なる二以上の蒸発器E01H、E02L等、該吸収器機能としては該凝縮器C01H等ならびに該蒸発器E01H等構成に対応して設けられる、吸収温度が異なる二以上の吸収器A01H、A02L等がそれぞれ設けられ、該二以上の凝縮器C01H等は、再生器G01の後流方向に漸次その凝縮温度が低下するように、かつ二の凝縮器C01H等の間には、一部凝縮した冷媒を気液分離するための気液分離器S01を配して設けられ、該二以上の各吸収器A01H等は、吸収冷凍サイクル後流方向に漸次吸収温度が低下するように連設され、冷媒含量の多い希溶液は最低の吸収温度に係る吸収器(図では、A02L)から溶液熱交換器X01を通って該再生器G01に送られるとともに、該再生器G01Hからの濃溶液は該溶液熱交換器X01を通って最高の吸収温度に係る吸収器(図では、A01H)に戻される溶液のサイクルが形成されていることを、主たる構成とする。
図では、二以上が設けられる上記各機能の構成個数は、いずれも二個の場合が例示されているが、後掲図12に示すように、三個以上であってもよい。また図中の凝縮器は、凝縮器C01Hは凝縮温度がより高温の、凝縮器C02Lはより低温のものを示している。同様に、蒸発器においても蒸発器E01Hは蒸発温度がより高温の、蒸発器E02Lはより低温のものを、また、吸収器においても吸収器A01Hは吸収温度がより高温の、吸収器A02Lはより低温のものを、それぞれ示している。
かかる構成により、本冷凍吸収器では、凝縮温度が異なる二以上の凝縮器C01H、C02L等によって組成比率の異なる二以上の冷媒液が得られ、それに基づき、蒸発温度が異なる二以上の蒸発器E01H、E02L等における、それぞれの冷媒液の蒸発とそれによる冷水等の冷熱の生成、吸収温度が異なる二以上の吸収器A01H、A02L等における各冷媒蒸気の吸収がなされる。
各冷媒蒸気の吸収された溶液は、最終的には最低の吸収温度に係る吸収器A02Lに集められて各溶液が一括された希溶液となり、該吸収器A02Lから、該溶液熱交換器X01を介しての該再生器G01への希吸収液の送液、そして、該再生器G01における濃溶液の再生と冷媒蒸気の生成がなされる。濃溶液は該溶液熱交換器X01を介してまず、最高の吸収温度に係る吸収器A01Hに入って中間濃度溶液となって、漸次吸収温度の低い吸収器に送られ、最終的には最低の吸収温度に係る吸収器A02Lに送られ、溶液のサイクルが形成される。
該再生器G01にて生成した冷媒蒸気は、より高温の凝縮温度に係る凝縮器C01Hにおいて一部凝縮がなされ、ついで、該気液分離器S01により凝縮したより高温の冷媒液と未凝縮の冷媒蒸気の分離、より高温の蒸発温度に係る該蒸発器E01Hにおける分離された冷媒液の蒸発がなされる。一方、分離された冷媒蒸気は、より低温の凝縮温度に係る該凝縮器C02Lにおいて、より低温の冷媒液生成がなされ、そして、より低温の蒸発温度に係る該蒸発器E02Lにおける蒸発がなされる。このようにして、冷媒は本吸収冷凍機のサイクルを循環する。
図9は、本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第2の概念図である。図示するように本吸収冷凍機は、図8を用い説明した構成に加えて、前記気液分離器S11により分離された冷媒液の一部と、該気液分離器S11により冷媒蒸気として分離された後に前記凝縮器C12Lにより凝縮されてなる冷媒液とを混合する、冷媒混合系B11が設けられた構成とすることができる。
かかる構成により、気液分離器S11により冷媒蒸気とは分離されて蒸発器E11Hに送られる冷媒液の一部は、ラインから分岐された冷媒混合系B11に入り、該冷媒蒸気が該凝縮器C12Lにより凝縮されてなる冷媒液と混合されて、両者の中間的な組成を有する冷媒液が得られる。該冷媒混合系B11における、各冷媒混合比率、各冷媒の流量調整といった混合条件設定のための具体的構成は、後述の実施例も含め、適宜に行うことができる。
図において前記冷媒混合系B11は、前記凝縮器C12Lとそれに対応する蒸発器E12Lとの間に設けられ、蒸発器E12Lに送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽(図示せず。なお図10参照)からの冷媒液送液ラインと、これに合流し、前記気液分離器S11からの冷媒液の一部を供給する分岐ラインと、両ラインの少なくともいずれか一方において設けられる、当該ラインにおける供給冷媒液量を調節するための制御弁と、を備えてなる構成をとることができる。
図10は、本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第3の概念図である。図示するように本吸収冷凍機は図8を用いて説明した構成に加え、最高の凝縮温度に係る凝縮器C31Hを除く凝縮器(H32L)と、それに対応する蒸発器E32Lとの間には、冷媒液貯槽P31Rを設けるものとすることができる。かかる構成により、該冷媒液貯槽P31Rにおける冷媒液の一時貯留の有無、貯留量の制御によって、該蒸発器E32Lに送る冷媒量が調節される。
冷媒送液量の調節については、該冷媒液貯槽P31Rは実施例に後述するように、貯留する冷媒液量もしくは後流方向に通す冷媒液量を調節するための仕切壁を、内部に設けたものとすることができる。
図11は、本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第4の概念図である。図示するように本吸収冷凍機は上述の構成に加え、前記溶液熱交換器X31と最高の吸収温度に係る吸収器A31Hとの間には、溶液貯槽P31Yを設けるものとすることができる。かかる構成により、該溶液貯槽P31Yにおける、再生後の濃溶液の一時貯留の有無、貯留量の制御によって、循環する吸収溶液の濃度を調節することができる。
図12は、本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第5の概念図である。図に例示するように、本吸収冷凍機における凝縮機能、蒸発機能および吸収機能をそれぞれ構成する機器数は、前掲各図に例示した2個とは限定されず、3個ずつでも、あるいは4個以上であっても、本発明に該当する。
図13は、本発明の別の吸収冷凍機の基本構成を示す概念図である。図示するように本吸収冷凍機は、再生器G51、凝縮器C51、蒸発器E51、吸収器A51ならびに溶液熱交換器X51を備える基本構成に加え、該凝縮器C51には、該蒸発器E51に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽P51が設けらた構成とすることができる。
該冷媒液著槽P51の機能、これに仕切壁を設けた構成を採れることは、図11を用いて説明した吸収冷凍機と同様である。実施例に後述するように該冷媒液貯槽P51は、該凝縮器C51に内蔵された構成とすることもできる。
以上説明した本発明吸収冷凍機では、冷媒に水、吸収剤に臭化リチウムよりなる系に1,4ジオキサンを加えた3成分系からなる溶液を用いるものとすることができる。
以下、本発明の実施例について、図を用いつつ詳述する。
図1は、本発明吸収冷凍機の代表的な機器構成と系統を示した説明図である。
主な構成要素は、再生器1、高温部凝縮器2、低音部凝縮器3、高温部蒸発器4、低温部蒸発器5、高温部吸収器6、低温部吸収器7、気液分離器13、冷媒液貯槽17、溶液貯槽30、溶液ポンプ44、濃度検出器55〜58等である。
図1は凝縮器2および3、蒸発器4および5ならびに吸収器6および7をそれぞれ高温と低温の2器設置しているが、2器に限定するものではなく、それぞれを複数器設置することも本発明に包含される。
また、高温部凝縮器2と低音部凝縮器3の両方を空冷式とし、高温部吸収器6と低温部吸収器7の両方を空冷式としているが、前記凝縮器、吸収器共に全て、または一部を水冷式にすることも本発明に包含される。また、加熱源としては熱水のみに限定するものではない。
以下に、一例として臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系の溶液を用いた場合の作動状況を詳述する。
図1に示す本発明からなる吸収冷凍機の詳細を述べるに際し、まず前述の臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系の溶液の諸特性、ならびに当該溶液から発生する水−1,4ジオキサンの混合冷媒の諸特性について、以下説明する。
図2〜5に示す諸特性は、発明者らが前記臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系の溶液を用いて吸収冷凍機を運転して得られた知見を基に、当該溶液ならびに当該溶液から得られる冷媒の諸物性値を基礎的に検討し、把握した結果、得たものである。
図2は、前記した混合冷媒の組成が溶液の濃度によって変化する状況を示すグラフである。横軸は、再生器における当該溶液の濃度、縦軸は、発生する冷媒蒸気を凝縮して得られた冷媒中の組成を表すXc値である。
Xc値とは、溶液中の溶媒もしくは冷媒中の水のモル分率を示す値で、Xc=1の場合は、溶液もしくは冷媒中の組成は水のみであり、1,4ジオキサン成分が零であることを示し、Xc=0の場合は、溶液もしくは冷媒中の組成は1,4ジオキサンのみで、水の成分が零であることを示している。
図2に示される通り、横軸に示す溶液濃度が高くなれば、縦軸に示す冷媒のXc値が大きくなっている。換言すれば、冷媒中の1,4ジオキサン濃度は、濃度が低い溶液から得られる冷媒の方が、濃度が高い溶液から得られる冷媒よりも高いことを示している。
図2から分かるように、Xc値が一定である溶液から発生する冷媒のXc値が溶液の濃度により変化することは、溶液の濃縮操作条件により、異なったXc値の冷媒、すなわち異なった1,4ジオキサン濃度の冷媒が得られることになる。
冷媒のXc値が変化すると、蒸気圧特性、凝固温度が変化する。蒸気圧特性の変化を図3に示し、凍結温度の変化を図4に示して以下に詳述する。
図3は、冷媒のXc値が変化した際の蒸気圧特性の状況を示すグラフであり、横軸に温度、縦軸に飽和蒸気圧を採ったデューリング線図である。図中の太線が溶液の蒸気圧特性を、細線が冷媒の蒸気圧特性を、それぞれ示している。
図3は、蒸気圧特性を示すと共に、3成分系溶液を用いた吸収冷凍機の操作状況をも示しており、以下に当該溶液を用いた操作状況を述べる。なお、図中の記号Gは再生器(以降[G]と記す)、Cは凝縮器(以降[C]と記す)、Eは蒸発器(以降[E]と記す)、Aは吸収器(以降[A]と記す)における操作状況を示している。
[G]点において、温度Tg2の温度にまで加熱される濃度C1の溶液S1は(3)の点から溶液中の冷媒成分の蒸発が始まり、最終的に(2)まで昇温される。蒸発した冷媒は [C]へ流入し、温度Tc1で凝縮され、冷媒Aとなる。溶液S1から前記冷媒が抜出されたために、溶液S1は濃度はC1からC2へと濃縮され、溶液S2となる。
次に、濃度C2に濃縮された溶液S2は、温度Tg1の温度にまで加熱される状況下では、さらに加熱されて(2)から溶液中の蒸発成分の蒸発が始まり、最終的に(1)まで昇温される。蒸発した冷媒は、前記と同様に [C]へ流入し、温度Tc2で凝縮され、冷媒Bとなる。溶液S2から前記冷媒が抜出されたために、濃度はC2からC3へと濃縮され、溶液S3となる。
一方、溶液S2は[A]において(6)に示すTa2で冷却されているために、[A] [E]共に圧力P2に維持されており、[E]に供給されている冷水などにより加熱されて、冷媒AはTe1で蒸発する。蒸発した冷媒Aの蒸気は溶液S2に吸収され、溶液S2は希釈されて濃度C1の溶液S1になる。
さらに、溶液S3は[A]において(5)に示すTa1で冷却されているために、前述説明と同様に[A] [E]共に圧力P2に維持されており、[E]に供給されている冷凍用ブラインなどにより加熱されて、冷媒BはTe2で蒸発する。蒸発した冷媒Bの蒸気は溶液S3に吸収され、溶液S3は希釈されて濃度C2の溶液S2になる。
以上、3成分系溶液を用いた吸収冷凍機の操作状況を溶液S1、S2、S3などと区分して説明したが、従来の吸収冷凍機においては、これらの現象は一括して行われている。すなわち、[G]において溶液S1は温度Tg1まで加熱され、発生する冷媒蒸気は[C]において凝縮され、冷媒Aから冷媒Bまでの全ての組成を含んだ冷媒液が得られる。
同様に、[A]において溶液S3は温度Ta2で冷却されることにより、圧力P2に維持されており、[E]においては冷媒Aと冷媒Bの全ての組成を含んだ冷媒が蒸発することになる。つまり従来の吸収冷凍機においては、組成比率の相異なる冷媒が同時に流通することはない。
図4は、冷媒の組成により凍結温度が変化する状況を示したグラフである。図示されるように、横軸の冷媒組成Xc値に対し、縦軸の凍結温度は複雑に変化している。Xc値が小さい時には、Xc値の増大と共に凍結温度は漸次低下しているが、あるXc値を境に上昇に転じており、さらにXc値がある特定の範囲では、凍結温度が氷点下になっている。
従来の臭化リチウム−水系の溶液では、冷媒が水であるために、前記の凍結温度が氷点下になることはないが、臭化リチウム−水−1,4ジオキサン系の溶液では冷媒に1,4ジオキサンを含有しているために、凍結温度が氷点下になっている。したがって、当該溶液の特性を有効に活用するには、本発明に係る機器構成が適している。
図5は、溶液中のXc値変化により、蒸気圧特性が変化する状況を示したグラフである。溶液Iと溶液IIは共に濃度がC1であるが、両溶液のXc値が異なるために、同一圧力下における飽和温度に差が生じている。
具体的には、圧力P1において溶液Iの飽和温度はTg1であるが、溶液IIの飽和温度はTg2となっており、圧力P2においては、溶液Iの飽和温度はTa1であるが、溶液IIの飽和温度はTa2となっている。このように、同じ濃度C1であるにも拘わらず、溶液IとIIは異なる蒸気圧特性を示している。
以上述べたように、従来の吸収冷凍機に用いられている臭化リチウム−水系の溶液では、溶液の濃度に無関係に冷媒の組成は常に水であるが、3成分系溶液は、溶液濃度により異なる諸特性を有している。本願発明は、係る諸特性に着目して完成したものである。
本発明により、従来不可能であった単機の吸収冷凍機における複数の仕様の熱出力が可能となり、従来は廃棄されていた低い温度の排熱を利用できる吸収冷凍機を実現することができる。
図1を用いて、本発明に係る、3成分系溶液に適した吸収冷凍機の基本的な機器構成例を説明する。以下の記述中、操作状況をより明確にする目的で図3を引用する。たとえば、図3の点[G]は〔3-[G]〕、温度Tg1は〔3-[Tg1]〕などと略して記載する。また、「再生器1から高温部凝縮器2へのライン内を流通する冷媒蒸気」を「冷媒蒸気10」とし、「再生器1から溶液熱交換器8へのライン中を流通する濃溶液」を「濃溶液28」とするように、吸収冷凍機サイクルを構成するライン中を流通する媒体を表示する。
希溶液46〔3-[S1]〕は再生器1〔3-[G]〕に導入され、熱水9〔3-[Tg1]〕により加熱され冷媒蒸気〔3-[(1)]〕が発生する。該冷媒蒸気10は水と1,4ジオキサンの混合蒸気である。当該混合蒸気の組成割合は、図2に示したように、冷媒蒸気の発生源である溶液の濃度によって変化する。
溶液の加熱により発生した冷媒蒸気10は高温部凝縮器2に導入され、冷媒蒸気の一部は凝縮して冷媒液となる〔3-[冷媒A]〕。該高温部凝縮器2はインバータ47により風量が可変できるようになっているファン12により冷却されており、冷媒Aの凝縮温度〔3-[Tc1]〕に相当する飽和圧力〔3-[P1]〕下で操作される。
先述したように、冷媒の凝縮温度〔3-[Tc1]〕を変化させることは、冷媒の組成を変化させることであり、換言すれば冷媒の飽和蒸気圧や凍結温度を変化させることになる。
一方、再生器1内の溶液は冷媒が蒸発した分だけ濃縮され、該溶液〔3-[S3]〕は濃溶液28から溶液熱交換器8に導入され、後述する低い温度の希溶液45と熱交換して温度が低下し、濃溶液29へと流れる。
前記高温部凝縮器2で凝縮しなかった冷媒蒸気は、気液分離器13に導入され、冷媒液16〔3-[冷媒A]〕と冷媒蒸気14に分離される。冷媒蒸気14は低音部凝縮器3へ導入され、凝縮して冷媒となる〔3-[冷媒B]〕。該低音部凝縮器3も、インバータ47により風量が可変できるようになっており、一定の圧力〔3-[P1]〕の下でも凝縮温度〔3-[Tc2]〕を変化させることが可能である。
気液分離器13を出た冷媒液16〔3-[冷媒A]〕は制御弁50、濃度検出器57を経て高温部蒸発器4に導入〔3-[E]〕され、散布器22から冷水23の伝熱面に散布される。散布された冷媒液〔3-[冷媒A]〕は冷水23により加熱され、冷媒蒸気が発生する。この時の高温部蒸発器4の圧力は〔3-[P2]〕、冷媒の蒸発温度は〔3-[Te1]〕である。
高温部蒸発器4で発生した冷媒蒸気26は高温部吸収器6〔3-[A]〕へ導入される。高温部吸収器6には、濃溶液31が供給されており、前記冷媒蒸気26は該濃溶液31〔3-[S3]〕と接触して、濃溶液に吸収される〔3-[(5)]〕。一方、濃溶液31は冷媒蒸気26の凝縮潜熱と濃溶液自身の希釈熱により温度が上昇すると共に濃度が少し低下した溶液(以降、当該溶液を中間濃度溶液と記す)となる〔3-[S2]〕。
前記した中間濃度溶液は温度が上昇するために、垂直管32内を流下する際に、インバータ48でその風量を可変することができるファン34により冷却〔3-[Ta1]〕され、中間濃度溶液36へと流れる。
一方、冷媒液15〔3-[冷媒B]〕は冷媒液貯槽17に流入し、通常は冷媒液19から濃度計58、冷媒液21を経て低温部蒸発器5へ導入され、散布器24によりブライン25の伝熱面上に散布される。散布された冷媒液は〔3-[冷媒B]〕ブライン25により加熱され、冷媒蒸気が発生する。この時の低温部蒸発器5の圧力は〔3-[P2]〕、冷媒の蒸発温度は〔3-[Te2]〕である。
低温部蒸発器5で発生した冷媒蒸気38は低温部吸収器7〔3-[A]〕へ導入される。低温部吸収器7には、中間濃度溶液36が供給されており、前記冷媒蒸気38は該中間濃度溶液36〔3-[S3]〕と接触して、中間濃度溶液に吸収される〔3-[(6)]〕。一方、中間濃度溶液36は冷媒蒸気38の凝縮潜熱と中間濃度溶液自身の希釈熱により温度が上昇すると共に濃度がさらに低下した希溶液となる〔3-[S3]〕。
前記した希溶液は温度が上昇するために、垂直管39内を流下する際に、インバータ49でその風量を可変することができるファン41により冷却〔3-[Ta2]〕され、希溶液43へと流れる。
希溶液43は、インバータ61により流量が可変できる溶液ポンプ44により、低温部吸収器7の下部ヘッダ42から抜出され、濃度計56を経て溶液熱交換器8に流入する。溶液熱交換器8では、先述したように、低い温度の希溶液45は高温の濃溶液28と熱交換して温度が上昇し、希溶液46から再生器1へ導入される。
溶液と冷媒の流れとその作用の概要は以上に述べた通りである。以下、本発明からなる機器構成の吸収冷凍機に、臭化リチウム−水−1,4ジオキサンの3成分系溶液を用いた際の作用を具体的に詳述する。
凝縮器を高温部凝縮器2と低音部凝縮器3に分けることにより、冷媒中の水とジオキサンとの組成比率が異なる冷媒Aと冷媒Bの二種類の冷媒液を得ることが可能となった。かかる組成比率が異なる冷媒は、前述の通り、飽和蒸気圧や凍結温度がそれぞれ異なる値を有している。
該二種類の冷媒の一方〔3-[冷媒A]〕は、高温部蒸発器4に導入されて、たとえば、冷房の熱源に用いることができる比較的高い温度で蒸発せしめ、冷水23を得ることができる。
他方の冷媒〔3-[冷媒B]〕は、低温部蒸発器5に導入されて、たとえば、冷凍熱源に用いることができる氷点下の温度で蒸発せしめ、ブライン25を得ることができる。
さらに、本発明からなる機器構成の吸収冷凍機では、冷媒液貯槽17と溶液貯槽30を有しているために、3成分系溶液に好適な以下に示す操作が可能となる。
気液分離器13を出た冷媒液16は、制御弁50、冷媒濃度検出器57を経て高温部蒸発器4へと流れる系の他に、制御弁50と冷媒濃度検出器57の間に、制御弁52、冷媒濃度検出器58、冷媒液21からなる系統(分岐ライン)を具備し、さらに、制御弁52、冷媒濃度検出器58の間に冷媒液19を接続している。
上記した系統と機器により、冷媒の組成を任意に制御することが可能となり、その結果、冷房用の冷水と、冷凍用のブラインの温度と熱量を任意に可変できることになる。つまりたとえば、組成比率の相異なる冷媒16と冷媒15の任意比率による混合が可能となり、このようにして、所定の組成比率に調節した冷媒を、低温部蒸発器5に送ることによって、所望の冷熱を得ることができる。
従来機では、濃縮操作により得られる冷媒の組成は常に一定であるために、一定温度の冷水のみの出力であったが、本発明の吸収冷凍機では、冷房熱源と冷凍熱源の熱量ならびに当該出力温度を任意に調節することができる。
さらに本発明の吸収冷凍機は、冷媒液貯槽17を有し、該冷媒液貯槽が仕切壁18で室17-aと室17-bとに区分けされ、室17-aは冷媒液19に接続し、室17-bは冷媒液20、制御弁51に接続しており、それぞれ制御弁52と冷媒濃度検出器58の間に接続されていることにある。
夏季等において、冷却空気の温度が高くなった場合には高温部凝縮器2や低音部凝縮器3の冷却性能が低下する。その結果、冷媒蒸気を凝縮できなくなり吸収冷凍サイクルが成立しなくなって、運転不能となる。
しかしながら本発明の吸収冷凍機によれば、3成分系溶液の特徴を効果的に発揮して、冷却空気温度が上昇しても、吸収冷凍サイクルを安定して維持することができる。具体的には、冷却空気の温度が上昇した場合には、冷媒液貯槽17の室17-bに冷媒液を一時貯留して循環冷媒量を減少させ、吸収冷凍サイクルを循環している溶液の濃度を上げることにより、冷媒の凝縮温度を上げ、冷媒凝縮作用を維持できる。
溶液濃度を上げると結晶化の問題が生じるが、溶液の濃度検出器55、56を設け、これにより溶液濃度を監視しつつ運転することによって、かかる問題は解決し、前記作用は円滑になされる。
本発明の吸収冷凍機の特長は、溶液貯槽30を有していることにより、濃溶液をこれに一時貯留することができ、吸収冷凍サイクル中の濃溶液量を調節できることにもある。
濃溶液29からの濃溶液は、濃度検出器55へ流れる一方、制御弁53を介して溶液貯槽30に導入され、制御弁54を介して濃度検出器55へと流れる。したがって、制御弁53と制御弁54を調節することで、溶液貯槽30内への濃溶液の貯留量が調整され、これによって、サイクル内を循環する溶液の濃度を制御することができる。
つまり、サイクル内の濃度を任意に調節できることから、熱水9の温度変化に柔軟に対応できることになり、熱源として熱量・温度共に変化する排熱を利用する際に極めて有効となる。
図6は、以上に述べた制御方法をまとめた説明図である。図示するように、冷水とブラインの温度、濃溶液と希溶液の濃度ならびに冷媒の濃度を所定の値に維持する目的で、制御弁、溶液ポンプ、およびファンを調節する構成とする。
図7は、本発明の他の実施例を示す吸収冷凍機の機器構成と系統を示す説明図である。図1と同様の機能を有する構成要素については、符号を共通化して示す。本例では、図1に示した冷媒液貯槽17は凝縮器62に内蔵されており、図示されていない。室17-aは冷媒19に、室17-bは冷媒20、制御弁51を経由して冷媒21に接続されている。当該機器構成と系統により、室17-bに貯留する冷媒量を制御して溶液の濃度を任意に変化させることが可能である。
本発明による吸収冷凍機が普及すると、
1)温度や熱量の両方もしくはいずれか一方が変動するために、従来は利用が困難であった排熱や、季節・時刻・天候によって激しく変化する太陽熱集熱設備から得られる熱を有効に活用でき、さらに、従来よりも低温まで有効に利用することができる。
したがって、空調・冷凍設備の概念が変わり、工場の排熱を積極的に利用可能な機器・設備として位置付けられる結果、二酸化炭素排出削減効果が顕著であり、地球環境保全に大いに寄与することができる。
本発明による吸収冷凍機が普及すると、
2)従来の吸収冷凍機には不可欠であった冷却塔が不要となり、外気による冷却が可能である。
したがって、家庭における冷房機や冷凍・冷蔵庫の概念が変わり、環境に優しい燃料により、当該設備を直接駆動する機器、ならびに前記燃料により駆動される家庭用発電機器の排熱活用機器として、家庭への導入が促進される。その結果、民生部門における二酸化炭素排出削減効果が顕著であり、地球環境保全に大いに寄与することができる。
本発明吸収冷凍機の代表的な機器構成と系統を示した説明図である。 前記した混合冷媒の組成が溶液の濃度によって変化する状況を示すグラフである。 冷媒のXc値が変化した際の蒸気圧特性の状況を示すグラフ(デューリング線図)である。 冷媒の組成により凍結温度が変化する状況を示したグラフである。 3成分系溶液のXc値変化により、蒸気圧特性が変化する状況を示したグラフ(デューリング線図)である。 本発明からなる吸収冷凍機の機器構成と系統における制御方法をまとめて示す説明図である。 本発明の他の実施例を示す吸収冷凍機の機器構成と系統を示す説明図である。
本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第1の概念図である。 本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第2の概念図である。 本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第3の概念図である。 本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第4の概念図である。 本発明の吸収冷凍機の基本構成を示す第5の概念図である。 本発明の別の吸収冷凍機の基本構成を示す概念図である。
符号の説明
1:再生器、2:高温部凝縮器、3:低音部凝縮器
4:高温部蒸発器、5:低温部蒸発器、6:高温部吸収器、7:低温部吸収器
8:溶液熱交換器
9:熱水
10、14、26、38:冷媒蒸気
11、15、33、40:フィン
12、34、41:ファン
13:気液分離器
16、19、20、21:冷媒液
17:冷媒液貯槽、17−a、17−b:室、 18:仕切壁
22、24:散布器
23:冷水、25:ブライン
27、37:上部ヘッダ、35、42:下部ヘッダ
28、29、31:濃溶液
30:溶液貯槽
32、39:垂直管
36:中間濃度溶液
43、45,46:希溶液
44:溶液ポンプ
47、48、49、61:インバータ
50、51、52,53,54:制御弁
55、56、57、58:濃度検出器
59、60:温度検出器
62:凝縮器
63:蒸発器、64:吸収器
65、66:冷却水
67:冷水またはブライン
G01、G11、G21、G31、G41:再生器
C01H、C11H、C21H、C31H、C41H:より高温の凝縮温度に係る凝縮器
C02L、C12L、C22L、C32L、C43L:より低温の凝縮温度に係る凝縮器
C42M:C41HとC43Lの各凝縮器の中間の凝縮温度に係る凝縮器
E01H、E11H、E21H、E31H、E41H:より高温の蒸発温度に係る蒸発器
E02L、E12L、E22L、E32L、E43L:より低温の蒸発温度に係る蒸発器
E42M:E41HとE43Lの各蒸発器の中間の蒸発温度に係る蒸発器
A01H、A11H、A21H、A31H、A41H:最高の吸収温度に係る吸収器
A02L、A12L、A22L、A32L、A42L:最低の吸収温度に係る吸収器
A42M:A41HとA43Lの各吸収器の中間の吸収温度に係る吸収器
X01、X11、X21、X31、X41:溶液熱交換器
S01、S11、S21、S31、S41、S42:気液分離器
B11、B31:冷媒混合系
P21R、P31R、P41R:冷媒液貯槽
P21Y、P31Y、P41Y:溶液貯槽
G51:再生器、C51:凝縮器、E51:蒸発器、A51:吸収器、X51:溶液熱交換器、P51:冷媒液貯槽

Claims (18)

  1. 多成分系の冷媒を用い、再生器、凝縮器機能、蒸発器機能、吸収器機能ならびに溶液熱交換器を備えてなる吸収冷凍機において、
    該凝縮器機能としては、組成比率の異なる二以上の冷媒液を得るための、凝縮温度が異なる二以上の凝縮器、
    該蒸発器機能としては該凝縮器構成に対応して設けられる蒸発温度が異なる二以上の蒸発器、
    該吸収器機能としては該凝縮器ならびに該蒸発器構成に対応して設けられる吸収温度が異なる二以上の吸収器がそれぞれ設けられ、
    該二以上の凝縮器は、該再生器の後流方向に漸次その凝縮温度が低下するように、かつ二の凝縮器間には一部凝縮した冷媒を気液分離するための気液分離器を配して設けられ、
    該二以上の各吸収器は、吸収冷凍サイクル後流方向に漸次吸収温度が低下するように連設され、
    冷媒含量の多い希溶液は最低の吸収温度に係る吸収器から該溶液熱交換器を通って該再生器に送られるとともに、該再生器からの濃溶液は該溶液熱交換器を通って最高の吸収温度に係る吸収器に戻される溶液のサイクルが形成されていることを特徴とする、吸収冷凍機。
  2. 前記気液分離器により分離された冷媒液の一部と、該気液分離器により冷媒蒸気として分離された後に前記凝縮器により凝縮されてなる冷媒液とを混合して、両者の中間的な組成を有する冷媒液を得るための冷媒混合系が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の吸収冷凍機。
  3. 前記冷媒混合系は、
    前記凝縮器とそれに対応する蒸発器との間に設けられ、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽からの冷媒液送液ラインと、
    これに合流し、前記気液分離器からの冷媒液の一部を供給する分岐ラインと、
    両ラインの少なくともいずれか一方において設けられる、当該ラインにおける供給冷媒液量を調節するための制御弁と、を備えてなることを特徴とする、請求項2に記載の吸収冷凍機。
  4. 前記凝縮器のうち最高の凝縮温度に係る凝縮器を除く凝縮器と、それに対応する前記蒸発器との間には、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の吸収冷凍機。
  5. 前記冷媒液貯槽は、貯留する冷媒液量もしくは後流方向に通す冷媒液量を調節するための仕切壁が、内部に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の吸収冷凍機。
  6. 前記溶液熱交換器と最高の吸収温度に係る吸収器との間には、循環する吸収溶液の濃度を調節するための溶液貯槽が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収冷凍機。
  7. 再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器ならびに溶液熱交換器を備えてなる吸収冷凍機において、該凝縮器には、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽が設けられていることを特徴とする、吸収冷凍機。
  8. 前記冷媒液貯槽は、貯留する冷媒液量もしくは後流方向に通す冷媒液量を調節するための仕切壁が内部に設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の吸収冷凍機。
  9. 前記冷媒液貯槽は、前記凝縮器に内蔵されていることを特徴とする、請求項7に記載の吸収冷凍機。
  10. 冷媒に水、吸収剤に臭化リチウムよりなる系に1,4ジオキサンを加えた3成分系からなる溶液を用いることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の吸収冷凍機。
  11. 冷媒に水、吸収剤に臭化リチウムよりなる系に、他の成分を加えた3成分系からなる溶液を用いる吸収冷凍機において、
    再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、溶液熱交換器よりなる機器構成のうち、
    凝縮器は凝縮温度がそれぞれ異なる複数の凝縮器を有し、
    蒸発器は蒸発温度がそれぞれ異なる複数の蒸発器を有し、
    さらに吸収器は吸収温度がそれぞれ異なる複数の吸収器を有し、
    高温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「高温部凝縮器」)で一部凝縮した冷媒液を気液分離器に導いて気液を分離して未凝縮冷媒を漸次低温の凝縮温度に係る凝縮器(以下、「低温部凝縮器」)に流入させ、
    前記分離した冷媒液を高温の蒸発温度に係る凝縮器(以下、「高温部蒸発器」)に送り、
    低温部凝縮器で生成した冷媒液は冷媒液貯槽に溜め、複数の流に分けて漸次、低温の蒸発温度に係る凝縮器(以下、「低温部蒸発器」)に送り、
    高温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は高温の吸収温度に係る吸収器(以下、「高温部吸収器」)に送られるように接続し、
    低温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は低温の吸収温度に係る吸収器(以下、「低温部吸収器」)に送られるように接続し、
    再生器から溶液熱交換器を通った冷媒含有量の少ない濃溶液は二つに分流して、
    一方は直接高温部吸収器に、他方は溶液貯槽を介して高温部吸収器に送って、冷媒蒸気の吸収による中間濃度溶液を生成し、漸次、低温部吸収器に送り、
    ここでさらに冷媒蒸気を吸収して生成した冷媒含有量の多い希溶液は溶液熱交換器を通って再生器に送る、各構成を備え、
    かかる構成により、再生器で発生した冷媒蒸気が複数個の凝縮器で凝縮して、組成比率の異なる複数の冷媒液が生成されて流通する冷凍サイクルが形成され、
    また、再生器は外部からの熱源で加熱され、前記複数の凝縮器および複数の吸収器は冷却源で冷却される構成を備え、
    高温部蒸発器において低温熱源が、また漸次低温となる低温部蒸発器において、漸次低温となる低温熱源が得られることを特徴とする、吸収冷凍機。
  12. 請求項11に記載の吸収冷凍機であって、前記気液分離器により分離された冷媒液の一部と、該気液分離器により冷媒蒸気として分離された後に前記凝縮器により凝縮されてなる冷媒液とを混合して、両者の中間的な組成を有する冷媒液を得るための冷媒混合系が設けられており、該冷媒混合系は、
    該凝縮器とそれに対応する蒸発器との間に設けられ、該蒸発器に送る冷媒量を調節するための冷媒液貯槽からの冷媒液送液ラインと、
    これに合流し、該気液分離器からの冷媒液の一部を供給する分岐ラインと、
    両ラインの少なくともいずれか一方において設けられる、当該ラインにおける供給冷媒液量を調節するための制御弁と、を備えてなることを特徴とする、吸収冷凍機。
  13. 請求項11または12に記載の吸収冷凍機であって、複数の凝縮器および吸収器の冷却方式が、少なくとも一部において空冷式であることを特徴とする、吸収冷凍機。
  14. 請求項11または12に記載の吸収冷凍機であって、複数の凝縮器および吸収器の冷却方式が、全て水冷式であることを特徴とする、吸収冷凍機。
  15. 請求項11または12に記載の吸収冷凍機であって、
    再生器、凝縮器、蒸発器、吸収器、溶液熱交換器よりなる機器構成のうち、
    凝縮器は高温部凝縮器と低音部凝縮器の2器を有し、
    蒸発器は高温部蒸発器と低温部蒸発器の2器を有し、
    さらに吸収器は高温部吸収器と低温部吸収器の2器を有し、
    高温部凝縮器で一部凝縮した冷媒を気液分離器に導いて気液を分離して、未凝縮冷媒を低音部凝縮器に流入させ、
    分離した冷媒液は高温部蒸発器に流し、
    低音部凝縮器で生成した冷媒液は冷媒液貯槽に溜め、2流に分けて低温部蒸発器に流し、
    高温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は高温部吸収器に流れるように接続し、
    低温部蒸発器で蒸発した冷媒蒸気は低温部吸収器に流れるように接続し、
    再生器から溶液熱交換器を通った冷媒含有量の少ない濃溶液は二つに分流し、
    一方は直接高温部吸収器に、他方は溶液貯槽を通ったあと合流させて高温部吸収器に流入させ、冷媒蒸気吸収による中間濃度溶液を生成して低温部吸収器に流入させ、
    ここでさらに冷媒蒸気を吸収して生成した冷媒含有量の多い希溶液は溶液熱交換器を通って再生器に流入させ、
    かかる構成により、再生器で発生した冷媒蒸気が2個の凝縮器で凝縮して、組成比率の異なる2種類の冷媒液が生成されて流通する冷凍サイクルが形成され、
    また、再生器は外部からの熱源で加熱され、前記複数の凝縮器および複数の吸収器は冷却空気で冷却される構成を備え、
    高温部蒸発器において冷水等の低温熱源が、低温部蒸発器からは、氷点下でも凍結しないブライン等の前記高温部蒸発器で得られる低温よりさらに低温の熱源が得られることを特徴とする、吸収冷凍機。
  16. 請求項12ないし15のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、氷点以上の温度である冷水と氷点下の温度であるブラインを希望する温度にするため、また濃溶液から臭化リチウムが結晶することを回避するために、
    濃溶液、希溶液それぞれの濃度を検出するための溶液濃度検出手段、
    気液分離器、冷媒液貯槽それぞれから出た冷媒液の濃度を検出するための冷媒液濃度検出手段、
    濃溶液の溶液貯槽の入口ならびに出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
    溶液ポンプのインバータ、高温部吸収器と低温部吸収器用の空冷ファンのインバータ、高温部凝縮器および低音部凝縮器用の空冷ファンのインバータ、
    気液分離器出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
    冷媒液貯槽出口の開閉調節または流量調整を行うための制御弁、
    冷媒混合系における気液分離器後流側(分岐ライン)と、冷媒液貯槽出口(冷媒液送液ライン)の、各流通冷媒液量を調節するための混合制御弁、
    がそれぞれ、所定箇所に設けられていることを特徴とする、吸収冷凍機。
  17. 請求項11ないし16のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、臭化リチウム−水系よりなる系に加える他の成分として、1,4ジオキサンを用い、冷媒の組成を、水54〜95%、1,4ジオキサン46〜5%とすることを特徴とする、吸収冷凍機。
  18. 請求項11ないし16のいずれかに記載の吸収冷凍機であって、臭化リチウム−水系よりなる系に加える他の成分として、1,4ジオキサンを用い、水─臭化リチウム─1,4ジオキサンの3成分よりなる溶液中の水と1,4ジオキサンとの混合割合を、水76〜91%、1,4ジオキサン24〜9%とすることを特徴とする、吸収冷凍機。
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