JP5512921B2 - Aba型トリブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

Aba型トリブロック共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子などの層間絶縁膜や表面保護膜に用いられる感光性樹脂成分の原料として有用なヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、ポリビニルエーテルをソフトセグメントとして含むヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体及びその製造方法に関する。
従来、半導体素子などの層間絶縁膜や表面保護膜には、耐熱性が優れ、又卓越した電気特性、機械的特性等を有するポリイミド樹脂が用いられている。また、生産性の向上や膜形成精度の向上などのために、感光性を付与した感光性ポリイミドや感光性ポリベンゾオキサゾール系樹脂の検討が数多くなされている。しかしながら、これらの感光性ポリイミドや感光性ポリベンゾオキサゾール系樹脂を用いた感光性樹脂組成物は、硬化後の膜減り(体積収縮率)や硬化時の多段階ベークの必要性、雰囲気制御などの問題点を抱えており、工業的には実施しにくいという問題がある。
上記のような問題点を解決するために、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を用いた感光性絶縁樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2など参照)。しかしながら、ポリヒドロキシスチレンやノボラック樹脂は、Tgが高く可撓性に乏しいため、加熱・冷却のサイクルにおいてクラックが入り易いという熱衝撃性の問題があるが、近年半導体素子の高集積化、大型化、封止樹脂パッケージの薄型化・小型化、半田リフローによる表面実装への移行等から、熱衝撃性の著しい向上が要求されている。
硬化物の熱衝撃性を向上させるために、種々の構造単位を導入したアルカリ可溶性樹脂を用いた感光性絶縁樹脂組成物が検討されている。例えば、特許文献3及び4では、アルカリ可溶性樹脂としてヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体が検討されており、得られた硬化物の電気絶縁性および熱衝撃性が向上することが示されている。しかしながら、ヒドロキシスチレンの単独重合体と比較した場合、スチレン類との共重合体は電気絶縁性が向上するものの、熱衝撃性の改善効果はほとんどみられない。
また、特許文献5では、ブタジエンやイソプレンなどのエラストマーブロックをB成分とするヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体を用いた感光性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、ブタジエンやイソプレンからなるエラストマーブロックは、現像液への溶解性や基板への密着性に乏しいため、その割合を高くすることができず、熱衝撃性の改善効果も十分ではなかった。
一方、ヒドロキシスチレンをはじめとするスチレン誘導体は、ビニルエーテル系単量体と重合性が大きく異なるため、ヒドロキシスチレン系単量体とビニルエーテル系単量体の共重合体を得ることは困難であった。
特許文献6では、ハロゲン化有機化合物とルイス酸性を有するハロゲン化金属とを開始剤として、リビングカチオン重合法によりオキシスチレン系単量体とビニルエーテル系単量体の狭分散性共重合体を得る方法が開示されているが、各単量体の重合特性の違いから共重合体中のビニルエーテル単量体の比率を大きくすることはできず、共重合体に取り込まれるビニルエーテル系単量体の比率は多くても15モル%程度であった。また、ここでは、1官能の開始剤を用いてオキシスチレン系単量体とビニルエーテル系単量体とを予め混合して反応させているが、このような系では、はじめに反応が早いビニルエーテル系単量体のみが重合し、続いてオキシスチレン形単量体が重合すると考えられ、一旦オキシスチレン形単量体が付加すると、反応性の大きく異なるビニルエーテル系単量体は反応しないため、得られる重合体はランダム共重合体ではなくジブロック共重合体となり、ABA型トリブロック共重合体を得ることはできなかった。同じ理由から、1官能の開始剤を用いて、オキシスチレン系単量体とビニルエーテル系単量体とを順次反応させてもABA型トリブロック共重合体を合成することは困難であった。
このため、ポリスチレン系重合体と、ビニルエーテル系重合体とを異なる重合条件下で別々に重合し、これを連結させる手法も種々検討されている
例えば特許文献7では、トリメチルシリル基等で保護した水酸基を有する重合開始剤を用いてビニルエーテルをリビングカチオン重合して重合体末端に水酸基を含むポリビニルエーテルを得、ポリスチレン系重合体をカチオン重合する際にこれを停止剤として用いることにより、ポリスチレン系重合体とポリビニルエーテル系重合体からなるブロックポリマーを製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献7で具体的に合成が示されているのはポリスチレンとポリ(t−ブチルビニルエーテル)のジブロックポリマーのみであり、ヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体について合成された例は示されていない。また、特許文献7は、得られたポリスチレン/ポリビニルエーテル系ブロック共重合体を脱保護してポリスチレン/ポリビニルアルコール系ブロック重合体とすることを目的としており、ポリビニルエーテルブロックによるアルカリ可溶性樹脂の特性改善については何ら示唆されていない。
また特許文献8では、側鎖にチオカルボニルエステル結合を有するアルケニルエーテルを開始剤とし、特定のチオカルボン酸塩またはチオエステル化合物を停止剤として用いてビニルエーテルをリビングカチオン重合し、重合体の両末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテルを得る方法が開示されている。そして、当該方法により得られた両末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテルを連鎖移動剤として使用して、ラジカル重合可能な種々のビニルポリマーを重合することにより、ポリアルケニルエーテルをセンターブロック(B成分)とするABA型トリブロックポリマーを得ることができること記載されている。しかしながら、特許文献8では、具体的なブロックポリマーの合成例は示されておらず、アルカリ可溶性樹脂の特性改善については何ら示唆されていない。また、特許文献8に開示された重合体末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテルの製造方法では、製造原料として用いされるチオエステル化合物が、工業的に流通している化合物ではなく、その合成も容易でないことから工業的な実施は難しかった。
特開2002−139835号公報 特開2003−215802号公報 特開2007−56108号公報 特開2007−56109号公報 特開2004−240143号公報 特開2003−342327号公報 特開2001−19770号公報 特開平6−116330号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、解像度、電気絶縁性、熱衝撃性、密着性等の特性に優れ、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として有用な、新規なヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体を提供することを目的としている。また、このようなトリブロック共重合体を、簡便で、工業的に優位な重合条件下で製造する方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来ゴム弾性を有しないとされているポリビニルエーテルをソフトセグメントとして用いることにより、基板への密着性や現像液への溶解性を損なうことなく、ポリヒドロキシスチレンに低Tg成分を導入することが可能であること、また、ポリマー鎖の両末端に水酸基を有するポリビニルエーテルを原料として両末端にチオール基を有するポリビニルエーテルを合成し、これを連鎖移動剤としてヒドロキシスチレン系単量体とラジカル重合させることにより、ポリビニルエーテルを高い比率で含むABA型トリブロック共重合体が容易に得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体(I)は、次の一般式(1)
Figure 0005512921
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
で表されるヒドロキシスチレン系繰り返し単位(a1)を含むセグメントAと、次の一般式(2)
Figure 0005512921
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のオキシアルキル基を表す)
で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含むセグメントBとからなり、セグメントAとセグメントBの連結部位が、次の一般式(3)
Figure 0005512921
(Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、aはセグメントAとの結合部位を表し、bはセグメントBとの結合部位を表す)
で表される構造を有しており、かつポリマー鎖に含まれる全繰り返し単位に対する繰り返し単位(a1)の割合が10〜90モル%であり、ポリマー鎖に含まれる全繰り返し単位に対する繰り返し単位(b)の割合が10〜90モル%であることを特徴とする。
また、本発明に係るヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体(II)は、前記共重合体(I)において、セグメントAが、さらに、次の一般式(4)
Figure 0005512921
(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である)
で表されるスチレン又はオキシスチレン系繰り返し単位(a2)を含むことを特徴とする。
これらの共重合体(I)及び(II)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は1000〜100000の範囲であることが好ましい。
前記共重合体(I)は、次の一般式(2)
Figure 0005512921
(式中、Rは前記と同義である)
で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、ポリマー鎖の両末端に一般式(5)
Figure 0005512921
(Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す)
で表される構造を有する末端にチオール基を有するポリビニルエーテル(以下「PVE−S」と記載する)を連鎖移動剤とし、重合開始剤の存在下、次の一般式(6)
Figure 0005512921
(式中、Rは前記式(1)と同義である)
で表されるヒドロキシスチレン系単量体又はこの水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上をラジカル重合させることにより製造することができる。
また、前記共重合体(II)は、次の一般式(2)
Figure 0005512921
(式中、Rは前記と同義である)
で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、このポリマー鎖の両末端に一般式(5)
Figure 0005512921
(Rは前記と同義である)
で表される構造を有する末端にチオール基を有するポリビニルエーテル(PVE−S)を連鎖移動剤とし、重合開始剤の存在下、次の一般式(6)
Figure 0005512921
(式中、Rは前記と同義である)
で表されるヒドロキシスチレン系単量体又はこの水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上と、次の一般式(7)
Figure 0005512921
(式中、R、R及びnは、それぞれ前記式(4)と同義である)
で表されるスチレン又はオキシスチレン系単量体の1種又は2種以上とをラジカル共重合させることにより製造することができる。
上記PVE−Sとしては、両末端に水酸基を有するポリビニルエーテル(以下「PVE−O」と記載する)とメルカプト脂肪酸とを酸触媒の存在下でエステル化反応させて得られたものを用いることができる。
また、上記ラジカル重合は、単量体、連鎖移動剤、重合開始剤の一部又は全量を、各々別々に、もしくは混合した状態で溶媒に溶かし、これを重合温度に加熱した重合系内に滴下する滴下重合法により行うことが好ましい。
本発明のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体は、ポリビニルエーテルをソフトセグメントとして含んでおり、ポリヒドロキシスチレンの熱衝撃性を改善することができるとともに、エーテル結合を有することで基板への密着性や現像液への溶解性にも優れ、半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に適した感光性樹脂成分の原料として好適に用いることができる。また、本発明の製造方法によれば、ポリビニルエーテルをソフトセグメントとして含むヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体を工業的に入手が容易な原料を用いて製造することが可能であり、ラジカル重合法により簡便に重合することができ、工業的により優位な条件下で製造することができる。
以下に、本発明のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体及びその製造方法について具体的に説明する。
本発明の共重合体(I)及び(II)において、上記一般式(1)で表されるヒドロキシスチレン系繰り返し単位(a1)は、上記一般式(6)で表されるヒドロキシスチレン系単量体により形成される。具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノールなどが挙げられる。このうち、p−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノールが好ましく用いられ、特にp−ヒドロキシスチレンが好ましく用いられる。
また、上記一般式(6)で表されるヒドロキシスチレン系単量体の水酸基を、たとえば、t−ブチル基、アセチル基などで保護した単量体も同様に用いることができる。このようなモノマーを用いた場合、得られた共重合体を、公知の方法、たとえば酸触媒下で脱保護し、t−ブチル基、アセチル基などの保護基をヒドロキシル基に変換することにより繰り返し単位(a1)を有する共重合体を得ることができる。
また、本発明の共重合体(II)において上記一般式(4)で表されるスチレン又はオキシスチレン系繰り返し単位(a2)は、上記一般式(7)で表されるスチレン又はオキシスチレン系単量体により形成される。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレンなどが挙げられる。このうち、スチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレンが好ましく用いられ、特にスチレンが好ましく用いられる。
これらのヒドロキシスチレン系単量体及び(オキシ)スチレン系単量体は、それぞれ1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の共重合体(I)及び(II)において、一般式(2)で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)および一般式(3)で表されるセグメントAとセグメントBの連結部位の構造は、一般式(2)で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、このポリマー鎖の両末端に一般式(5)で表される構造を有するポリビニルエーテル(PVE−S)により形成される。
繰り返し単位(b)におけるRの定義において、炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。また、オキシアルキル基の具体例としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基などが挙げられる。
また、一般式(3)及び一般式(5)においてRで表されるアルキレン基の具体的な例としては、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチルメチレン基、エチルメチルメチレン基、n−プロピルメチレン基、イソプロピルメチレン基、エチレン基、メチルエチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、エチルエチレン基、トリメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。
本発明のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体(I)及び(II)において、ポリマー鎖に含まれる全繰り返し単位に対する繰り返し単位(a1)の割合は10〜90モル%であり、好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%であり、また、繰り返し単位(b)の割合は10〜90モル%であり、好ましくは20〜80モル%であり、より好ましくは30〜70モル%である。ヒドロキシスチレン系繰り返し単位(a1)の割合が少な過ぎると、現像性や密着性が悪くなり、ビニルエーテル系繰り返し単位(b)の割合が少な過ぎると、熱衝撃性の改善効果が得られなくなる。
また、本発明のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体(II)において、セグメントAに含まれる全繰り返し単位に対するヒドロキシスチレン系繰り返し単位(a1)の割合は10〜99モル%であり、好ましくは20〜97モル%であり、より好ましくは30〜95モル%であり、スチレン系繰り返し単位(a2)の割合は1〜90であり、好ましくは3〜80モル%であり、より好ましくは5〜70モル%である。
本発明のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体(I)及び(II)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は1000〜100000であり、好ましくは2000〜50000であり、更に好ましく2000〜20000である。Mwが大きすぎると塗膜形成時に使用される溶剤やアルカリ現像液への溶解性が悪くなり、Mwが小さすぎると塗膜性能が悪くなる。
本発明の共重合体は、上記のPVE−Sを連鎖移動剤として用い、重合開始剤の存在下、前記一般式(6)のヒドロキシスチレン系単量体及び必要に応じて前記一般式(7)の(オキシ)スチレン系単量体をラジカル重合させることにより得ることができる。
連鎖移動剤として用いられるPVE−Sは、一般式(2)で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、このポリマー鎖の両末端に水酸基を有するポリビニルエーテル(PVE−O)を原料とし、酸触媒の存在下でメルカプト脂肪酸と反応させてエステル化することにより得られる。
PVE−Sの原料となるPVE−Oは、例えば国際特許公開WO03/082945号に開示されている方法等により得ることができる。具体的には、ビニルエーテル系繰り返し単位(b)に対応するビニルエーテル系単量体を、多官能開始剤、ルイス酸及び溶媒の存在下に、従来公知のリビングカチオン重合法[例えば、澤本光男、高分子学会編:新高分子実験学2、高分子の合成・反応(1)、242−276頁、共立出版(1995)等]により重合させて、ポリマー鎖の両末端にアセタールを有するポリビニルエーテルを得て、これを加水分解させ両末端にホルミル基を有するポリビニルエーテルに変換し、最後に還元処理することにより得ることができる。
ビニルエーテル系繰り返し単位(b)に対応するビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
多官能開始剤としては、例えばオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル等のオルトギ酸エステル等を用いることができ、ルイス酸としては、例えば塩化アルミニウム、四塩化スズ、三フッ化ホウ素等の金属ハロゲン化物またはその錯体類等を用いることができ、溶媒としては、例えばトルエン等の芳香族炭化水素、塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の飽和炭化水素等を用いることができる。重合温度は−80〜100℃が好ましく、−50〜80℃がより好ましい。
加水分解の方法としては、例えば酢酸と水の混合溶媒中で加熱攪拌する方法等により行うことができ、還元処理としては、例えばラネーニッケル等の金属触媒の存在下に水素を用いて還元する方法、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を使用して還元する方法等により行うことができる。
また、PVE−Oとしては、例えば、協和発酵ケミカル製のTOE−2000H(商品名)等、市販されているものを用いることもできる。
原料PVE−Oの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1000〜100000であり、より好ましくは2000〜50000であり、更に好ましく2000〜20000である。原料PVE−Oの分子量はそのまま得られるPVE−Sの分子量に反映され、分子量が大きいほど、最終的に得られるブロック共重合体中のビニルエーテル系繰り返し単位(b)の含有量が多くなる。従って、原料PVE−Oの分子量は、目的とするブロック共重合体の組成比及び分子量が所望の範囲となるように選択する。PVE−Oの分子量は、上記リビングカチオン重合におけるビニルエーテル系単量体の重合度により制御することができる。また、低分子量のPVE−Oを脂肪族ジカルボン酸などの二官能化合物等を用いて重縮合させ、高分子量化して用いてもよい。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸等を用いることができる。
メルカプト脂肪酸としては、炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状の飽和メルカプト脂肪酸が好ましく、具体的には、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸などが好ましく、特に3−メルカプトプロピオン酸が好ましい。かかるメルカプト脂肪酸は、遊離酸のほか、その酸無水物や酸ハロゲン化物として用いることも可能である。メルカプト脂肪酸の使用量は、原料PVE−Oの1モルに対して通常1.95〜3モル、好ましくは2.0〜2.2モルである。
酸触媒としては硫酸、塩酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、エチレンスルホン酸類、テトラエチレン酸などのスルホン酸類が好ましく用いられ、なかでも入手が容易な硫酸、p−トルエンスルホン酸が特に好ましく用いられる。酸触媒の使用量は特に限定されないが、原料混合物に対して通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜3質量%である。
エステル化反応は、溶媒の存在下で行ってもよく、無溶媒で行っても良い。溶媒を使用する場合、原料PVE−Oやメルカプト脂肪酸と反応しない溶媒であれば特に制限はなく、反応溶媒として一般的に用いられている溶媒を用いることができる。具体的には、ヘプタン、デカリンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロホルム、モノクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒などを用いることができる。
エステル化反応は、通常、原料混合物を攪拌しながら、常圧下、反応温度を60〜200℃、好ましくは90〜140℃に維持し、副生する水を反応系外に除去しながら行われる。反応時間は、反応温度などの条件により異なるが、通常数時間程度である。副生する水を系外に除去する方法としては、水と共沸する溶媒(例えばベンゼン、トルエンなど)を用いたり、モレキュラーシーブスなどの脱水剤を用いる方法が挙げられる。
水洗可能な場合には、反応生成物を炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニアなどのアルカリ性物質の水溶液で中和し、水洗することが好ましい。水洗できない場合にはアミンを加えて中和し、使用した溶媒で洗浄することが好ましい。
かくして得られたPVE−Sを連鎖移動剤とし、重合開始剤の存在下、ヒドロキシスチレン系単量体又はこの水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上をラジカル重合することにより共重合体(I)を、また、ヒドロキシスチレン系単量体又はこの水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上と、(オキシ)スチレン系単量体1種又は2種とをラジカル重合することにより共重合体(II)を得ることができる。
なお、連鎖移動剤(即ち、PVE−S)の使用量が多いほど得られるブロック共重合体の分子量が小さくなるので、連鎖移動剤(即ち、PVE−S)の使用量は、所望の分子量が得られる範囲で選択する。
重合開始剤としては、一般にラジカル重合に使用されている物を特に制限なく使用することができる。具体的には、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などのアゾ化合物;デカノイルパーオキサイド、ウラロイルパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエートなどの有機過酸化物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、重合反応に用いる原料単量体の種類や量、重合温度や重合溶媒により異なるため一概に規定することはできないが、一般に、連鎖移動剤1モルに対して0.01〜10モル、好ましくは0.1〜5モル用いられる。
重合方法は、重合温度の管理及びポリマー回収の点で溶液重合が好ましい。溶液重合としては、例えば、全ての単量体、連鎖移動剤、重合開始剤を重合溶媒に溶解して重合温度に加熱する一括重合法や、単量体、連鎖移動剤、重合開始剤の一部又は全量を、各々別々に、もしくは混合した状態で溶媒に溶かし、これを重合温度に加熱した重合系内に滴下する滴下重合法等を用いることができる。なかでも、得られる共重合体の分子量分布等の諸物性の制御及び再現性の点で、滴下重合法が好ましい。
重合溶媒は、原料単量体、連鎖移動剤及び重合開始剤を安定に溶解し得るものであれば特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、グライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチルなどのエステル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。重合溶媒の使用量には特に制限はないが、通常、単量体1質量部に対し0.5〜20質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。溶媒の使用量が少なすぎると単量体又は共重合体が析出する場合があり、多すぎると重合速度が不十分となる場合がある。
また、重合の反応条件は特に制限されないが、反応温度は一般に50〜100℃程度、反応時間は1〜20時間程度である。
重合反応後は、重合反応液を貧溶媒又は貧溶媒と良溶媒の混合溶媒中に滴下して目的の共重合体を析出させ、更に必要に応じて貧溶媒又は貧溶媒と良溶媒の混合溶媒を用いて洗浄を繰り返し、未反応の単量体、オリゴマー、重合開始剤及びこれらの反応残渣物等を除去し、精製することができる。貧溶媒としては、目的の共重合体が溶解しない溶媒であれば特に制限されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒;トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒などが挙げられる。良溶媒としては、製造工程の管理上、前記した重合溶媒と同じものが好ましい。精製後の共重合体は、精製時に用いた溶媒が含まれているため、減圧乾燥するなどして溶媒を除去することが好ましい。
保護基を脱保護してヒドロキシスチレン系繰り返し単位を得る場合は、例えば溶媒中、塩酸、硫酸などの酸触媒下で、反応温度50〜150℃、反応時間1〜30時間反応を行い、保護基を脱離させてヒドロキシスチレン系繰り返し単位に変換する。脱保護反応は、重合反応後に行っても良いし、精製後に行っても良い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において得られた共重合体の物性評価は以下の方法により行った。
平均共重合組成:13C−NMRの測定結果から求めた。
重量平均分子量Mw及び分散度Mw/Mn:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレ
ン検量線から求めた[RI検出器;カラムはShodex社製KF−864L
×3本;溶離液はテトラヒドロフラン]。
ガラス転移温度Tg:示差走査熱量測定(DSC)法により求めた。
実 施 例 1
下記式(8)で表される、両末端にチオール基を有するポリエチルビニルエー
テル(以下、「PEVE−S」と記載する)の合成:
Figure 0005512921
容量2リットルの三口フラスコに、両末端が水酸基修飾されたポリエチルビニルエーテル(協和発酵ケミカル製、商品名:TOE−2000H)300g、トルエン900g、メルカプトプロピオン酸92.78g、p−トルエンスルホン酸一水和物1.51gを仕込み、室温で10分間攪拌し、完全に溶解させた。この三口フラスコに水分定量受器を取り付け、130℃に加熱したオイルバスに浸漬して攪拌しながら反応させた。水分定量受器で受けた水分量を確認の上、室温まで冷却し、反応を終了した。反応混合液を容量3リットルの分液ロートに移し、反応混合液と同量の3%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて震盪し、下層を抜き出した。次に、0.5N塩酸を300ml加えて震盪し、下層を抜き出した。その後、反応溶液と同量のイオン交換水を加えて震盪し、下層を抜き出す操作を2回繰り返した。上層を受器に移し、硫酸ナトリウム50gを加えて一晩静置した。静置後、濾過により硫酸ナトリウムを除去し、ロータリーエバポレーターでトルエンを除去して、淡黄色液状のポリマー354gを得た。得られたポリマー(PEVE−S)の末端チオール化率を13C−NMRの測定結果から求めたところ、92%であった。また、重量平均分子量Mwは3100、分散度Mw/Mnは2.22であり、また、ガラス転移温度Tgは−60℃であった。
実 施 例 2
下記式(9)で表される、両末端にチオール基を有するポリエチルビニルエー
テル(以下、「PEVE−SS」と記載する)の合成:
Figure 0005512921
容量1リットルの三口フラスコに、両末端が水酸基修飾されたポリエチルビニルエーテル(協和発酵ケミカル製、商品名:TOE−2000H)150g、トルエン450g、コハク酸8.86g、p−トルエンスルホン酸一水和物0.73gを仕込み、室温で10分間攪拌し、完全に溶解させた。この三口フラスコに水分定量受器を取り付け、130℃に加熱したオイルバスに浸漬して攪拌しながら反応させた。水分定量受器で受けた水分量を確認の上、室温まで冷却した。反応混合液にメルカプトプロピオン酸8.75gを追加し、再度130℃に加熱したオイルバスに浸漬して撹拌しながら反応させた。得られた反応液を容量3リットルの分液ロートに移し、実施例1と同様に処理して淡黄色液状のポリマー124gを得た。得られたポリマー(PEVE−SS)の末端チオール化率を13C−NMRの測定結果から求めたところ91%であった。また、重量平均分子量Mwは10500、分散度Mw/Mnは2.06であり、ガラス転移温度Tgは−55℃であった。
実 施 例 3
A成分としてp−ヒドロキシスチレン(以下「PHS」と記載する)ユニット、
B成分としてPEVE−S由来のエチルビニルエーテル(以下「EVE」と記
載する)ユニットを有するABA型トリブロック共重合体の製造:
100mlのメスフラスコに、p−エチルフェノールを脱水素して得られる粗p−ヒドロキシスチレン溶液(p−ヒドロキシスチレン25質量部、p−エチルフェノール40質量部、メタノール23質量部及び水10質量部を含む;残部はオリゴマー)60.64g、実施例1で得られたPEVE−S12.42g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(以下「MAIB」と記載する。)2.16gを投入し、室温で15分攪拌し均一に溶解させた。この反応混合液のうち18.81gを100mlの冷却管を取り付けた三口フラスコに移し、83℃のオイルバスに浸漬して攪拌を開始した。フラスコ内の反応混合液の温度が75℃になったところで残りの反応混合液を2時間かけてフラスコ中に滴下した。滴下終了後更に75℃で4時間30分反応させた後、室温まで冷却し、攪拌を停止した。得られた重合液を、トルエン/ヘキサンの1対1混合液(質量比)290gに投入して共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。ついでアセトン18gに共重合体を再溶解させた。析出/再溶解の操作を更に2回繰り返した後、再度トルエン/ヘキサン混合液290gで共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。得られたもち状の沈殿物を60℃、10torrで1日減圧乾燥させ、淡黄色粉末状の共重合体20gを得た。
得られた共重合体のH−NMR及びFT−IRを測定したところ、何れにおいてもチオール基に由来するピークが消失しており、両末端のチオール基が反応してABA型トリブロック共重合体が得られていることが確認された。得られた共重合体の平均共重合組成、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ガラス転移温度Tgを表1に示す。
実 施 例 4
A成分としてPHSとスチレン(以下「ST」と記載する)のランダム共重合
ユニット、B成分としてPEVE−S由来のEVEユニットを有するABA型
トリブロック共重合体の製造:
100mlのメスフラスコに、実施例3で用いたものと同一組成の粗p−ヒドロキシスチレン溶液を21.65gと、スチレンを4.64g、実施例1で得られたPEVE−Sを8.63g、MAIBを1.54g、2−ブタノンを16.02gそれぞれ投入し、室温で15分攪拌し均一に溶解させた。この反応混合液のうち13.12gを100mlの冷却管を取り付けた三口フラスコに移し、83℃のオイルバスに浸漬して攪拌を開始した。フラスコ内の反応混合液の温度が75℃になったところで残りの反応混合液を2時間かけてフラスコ中に滴下した。滴下終了後更に75℃で4時間30分反応させた後、室温まで冷却し、攪拌を停止した。得られた重合液を、トルエン/ヘキサンの1対1混合液(質量比)210gに投入して共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。ついでアセトン13gに共重合体を再溶解させた。析出/再溶解の操作を更に2回繰り返した後、再度トルエン/ヘキサン混合液210gで共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。得られたもち状の沈殿物を60℃、10torrで1日減圧乾燥させ、淡黄色粉末状の共重合体13gを得た。
得られた共重合体のH−NMR及びFT−IRを測定したところ、何れにおいてもチオール基に由来するピークが消失しており、両末端のチオール基が反応してABA型トリブロック共重合体が得られていることが確認された。得られた共重合体の平均共重合組成、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ガラス転移温度Tgを表1に示す。
実 施 例 5
A成分としてPHSユニット、B成分としてPEVE−SS由来のEVEユニ
ットを有するABA型トリブロック共重合体の製造:
1000mlのメスシリンダーに実施例2で得られたPEVE−SSを87.70g、2−ブタノンを87.72g、MAIBをの5.75gそれぞれ投入し、室温で15分攪拌して均一に溶解させた。1000mlのメスフラスコに、実施例3で用いたものと同一組成の粗p−ヒドロキシスチレン溶液396.98gを投入し、攪拌しながら83℃のオイルバスに浸漬した。フラスコ内の温度が75℃を超えたところで、先に調製したPEVE−SSとMAIBを含む溶液を4時間30分かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後更に75℃で1時間反応させた後、室温まで冷却し、攪拌を停止した。得られた重合液に、メタノール140g、トルエン/ヘキサンの4対6混合液(質量比)2280gに投入して共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。この操作を更に3回繰り返し、再度トルエン/ヘキサン混合液2220gで共重合体を析出させ、上澄み液を除去した。この操作を再度繰り返し、得られたもち状の沈殿物を60℃、10torrで1日減圧乾燥させ、淡黄色粉末状の共重合体125gを得た。
得られた共重合体のH−NMR及びFT−IRを測定したところ、何れにおいてもチオール基に由来するピークが消失しており、両末端のチオール基が反応してABA型トリブロック共重合体が得られていることが確認された。また、得られた共重合体のGPCチャートは二峰性の分子量分布を示しており、PHSのホモポリマーが一部生成していることが確認された。共重合体の平均共重合組成、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ガラス転移温度Tgを表1に示す。
比 較 例 1
PHSホモポリマーの合成:
100mlのメスフラスコに、実施例3で用いたものと同一組成の粗p−ヒドロキシスチレン溶液60.60gと、MAIB4.56gを投入し、室温で15分攪拌し均一に溶解させた。この反応混合液のうち16.29gを100mlの冷却管を取り付けた三口フラスコに移し、83℃のオイルバスに浸漬して攪拌を開始した。フラスコ内の反応混合液の温度が75℃になったところで残りの反応混合液を2時間かけてフラスコ中に滴下した。滴下終了後更に75℃で4時間30分反応させた後、室温まで冷却し、攪拌を停止した。得られた重合液を、トルエン/ヘキサンの1対1混合液(質量比)260gに投入してポリマーを析出させ、上澄み液を除去した。ついでアセトン16gにポリマーを再溶解させた。析出/再溶解の操作を更に2回繰り返した後、再度トルエン/ヘキサン混合液260gにポリマーを析出させ、上澄み液を除去した。得られたもち状の沈殿物を60℃、10torrで1日減圧乾燥させ、淡黄色粉末状のポリマー14gを得た。得られたポリマーの平均共重合組成、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、ガラス転移温度Tgを表1に示す。
Figure 0005512921
本発明によって、ソフトセグメントとしてポリビニルエーテルを含む、新規なポリヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック重合体を容易に得ることができ、熱衝撃性や熱安定性、溶媒類への溶解性、基板への接着性に優れた共重合体樹脂を得ることができる。この共重合体樹脂は、このような特性から半導体素子の層間絶縁膜、表面保護膜などの用途に使用される感光性樹脂の原料として有用である。



Claims (7)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表す)
    で表されるヒドロキシスチレン系繰り返し単位(a1)を含むセグメントAと、次の一般式(2)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルコキシアルキル基を表す)
    で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含むセグメントBとからなり、
    セグメントAとセグメントBの連結部位が、次の一般式(3)
    Figure 0005512921
    (Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表し、aはセグメントAとの結合部位を表し、bはセグメントBとの結合部位を表す)
    で表される構造を有しており、
    かつ、ポリマー鎖に含まれる全繰り返し単位に対する繰り返し単位(a1)の割合が10〜80モル%であり、繰り返し単位(b)の割合が20〜90モル%であるヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体。
  2. セグメントAが、さらに、次の一般式(4)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜3の整数である)
    で表されるスチレン又はオキシスチレン系繰り返し単位(a2)を含む請求項1に記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体。
  3. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が1000〜100000の範囲である請求項1又は2に記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体。
  4. 次の一般式(2)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは前記と同義である)
    で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、ポリマー鎖の両末端に次の一般式(5)
    Figure 0005512921
    (Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。)で表される構造を有するポリビニルエーテル(「PVE−S」と記載する)
    を連鎖移動剤とし、重合開始剤の存在下、次の一般式(6)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは前記式(1)と同義である)
    で表されるヒドロキシスチレン系単量体又はその水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上をラジカル重合させることを特徴とする請求項1記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体の製造方法。
  5. 次の一般式(2)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは前記と同義である)
    で表されるビニルエーテル系繰り返し単位(b)を含み、このポリマー鎖の両末端に次の一般式(5)
    Figure 0005512921
    (Rは前記と同義である)
    で表される構造を有するポリビニルエーテル(PVE−S)を連鎖移動剤とし、重合開始剤の存在下、次の一般式(6)
    Figure 0005512921
    (式中、Rは前記と同義である)
    で表されるヒドロキシスチレン系単量体又はこの水酸基を保護した単量体の1種又は2種以上と、次の一般式(7)
    Figure 0005512921
    (式中、R、R及びnは、それぞれ前記式(4)と同義である)
    で表されるスチレン又はオキシスチレン系単量体の1種又は2種以上とをラジカル重合させることを特徴とする請求項2記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体の製造方法。
  6. PVE−Sが、両末端に水酸基を有するポリビニルエーテルとメルカプト脂肪酸とを酸触媒の存在下でエステル化反応させて得られたものであることを特徴とする請求項4又は5記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体の製造方法。
  7. 単量体、連鎖移動剤、重合開始剤の一部又は全量を、各々別々に、もしくは混合した状態で溶媒に溶かし、これを重合温度に加熱した重合系内に滴下してラジカル重合させることを特徴とする請求項4又は5記載のヒドロキシスチレン系ABA型トリブロック共重合体の製造方法。
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