JP3172598B2 - 末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテル - Google Patents
末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテルInfo
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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- C08F16/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical
- C08F16/12—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an alcohol, ether, aldehydo, ketonic, acetal or ketal radical by an ether radical
- C08F16/14—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐アルカリ性の良好な
ポリマーを一成分とするブロックコポリマー等の合成原
料に好適なポリマーに関する。
ポリマーを一成分とするブロックコポリマー等の合成原
料に好適なポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性のポリビニルアルコールを一成分
とするブロックコポリマー等の合成原料に好適な末端に
チオール基を有するポリビニルアルコールの合成法とし
ては、チオール酢酸を連鎖移動剤に用いて酢酸ビニルを
重合した後、アルカリ触媒により加溶媒分解する方法が
知られている(特開昭58−61746号、特開昭58
−62071号)。
とするブロックコポリマー等の合成原料に好適な末端に
チオール基を有するポリビニルアルコールの合成法とし
ては、チオール酢酸を連鎖移動剤に用いて酢酸ビニルを
重合した後、アルカリ触媒により加溶媒分解する方法が
知られている(特開昭58−61746号、特開昭58
−62071号)。
【0003】しかしながら、上記の方法では、代表的な
非晶性の高分子であるポリアクリル酸エステルもしくは
ポリメタクリル酸エステルの末端にチオール基を導入す
る事ができなかった。この原因は、これらのポリマーは
耐アルカリ性が悪いために、末端に導入されたアセチル
チオ基をアルカリ触媒を用いて加溶媒分解する際に、側
鎖のエステル基も同時に分解されてしまうからである。
非晶性の高分子であるポリアクリル酸エステルもしくは
ポリメタクリル酸エステルの末端にチオール基を導入す
る事ができなかった。この原因は、これらのポリマーは
耐アルカリ性が悪いために、末端に導入されたアセチル
チオ基をアルカリ触媒を用いて加溶媒分解する際に、側
鎖のエステル基も同時に分解されてしまうからである。
【0004】その他の非晶性でかつ耐アルカリ性の良好
なポリアルケニルエーテルについては、近年、いわゆる
リビング重合法(特開昭60−228509号、特開昭
61−103654号、特開昭62−257910号、
特開平1−108202号及び特開平1−108203
号)が見い出されこの方法を用いて、カルボキシル基、
アミノ基または水酸基を末端に有するポリアルケニルエ
ーテルが報告されている(M. Sawamoto et al, Mak
romol. Chem., Macromol. Symp. 13/14,513 (198
8))。しかしながら、これらの末端基を有するポリアル
ケニルエーテルは、ラジカル重合における連鎖移動剤と
しては満足できるものではなく、ラジカル重合によるブ
ロックコポリマーの合成原料には適するものではなかっ
た。
なポリアルケニルエーテルについては、近年、いわゆる
リビング重合法(特開昭60−228509号、特開昭
61−103654号、特開昭62−257910号、
特開平1−108202号及び特開平1−108203
号)が見い出されこの方法を用いて、カルボキシル基、
アミノ基または水酸基を末端に有するポリアルケニルエ
ーテルが報告されている(M. Sawamoto et al, Mak
romol. Chem., Macromol. Symp. 13/14,513 (198
8))。しかしながら、これらの末端基を有するポリアル
ケニルエーテルは、ラジカル重合における連鎖移動剤と
しては満足できるものではなく、ラジカル重合によるブ
ロックコポリマーの合成原料には適するものではなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、耐アルカリ性の良好なポリマーを一成分とするブロ
ックコポリマーの合成原料に好適な片末端もしくは両末
端にラジカル反応性に優れたチオール基を有するポリマ
ーを提供する事にある。
は、耐アルカリ性の良好なポリマーを一成分とするブロ
ックコポリマーの合成原料に好適な片末端もしくは両末
端にラジカル反応性に優れたチオール基を有するポリマ
ーを提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、下記化1で表されるアルケニルエ
ーテル単位からなり、片末端にチオール基を有するポリ
アルケニルエーテル及び下記化1で表されるアルケニル
エーテル単位からなり、両末端にチオール基を有するポ
リアルケニルエーテルを見いだし、本発明を完成させる
に至った。
に鋭意検討した結果、下記化1で表されるアルケニルエ
ーテル単位からなり、片末端にチオール基を有するポリ
アルケニルエーテル及び下記化1で表されるアルケニル
エーテル単位からなり、両末端にチオール基を有するポ
リアルケニルエーテルを見いだし、本発明を完成させる
に至った。
【0007】
【化1】
(式中、R
1
は水素原子あるいはメチル基を示し、R
2
は
一価の有機基を示す。)
一価の有機基を示す。)
【0008】化1におけるR 2 は一価の有機基を示し、
例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキ
ル基等が挙げられる。それらはヘテロ基で置換されてい
てもよい。
例えばアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシアルキ
ル基等が挙げられる。それらはヘテロ基で置換されてい
てもよい。
【0009】本発明におけるアルケニルエーテル単位と
しては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル、n−ヘキサデシルビニルエーテル、2−
クロロエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、ベンジルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエ
ーテル、エトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシ
エトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシ−2−エ
トキシエトキシエチルビニルエーテル、フェノキシエチ
ルビニルエーテル、p−クロルフェノキシエチルビニル
エーテル、p−メトキシフェノキシエチルビニルエーテ
ル、2−ビニロキシエチルアセテート、2−ビニロキシ
エチルベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−メト
キシベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−クロロ
ベンゾエート、ジエチルビニロキシエチルマロネート、
ジフェニルビニロキシエチルマロネート、2−ビニロキ
シエチルフタルイミド、メチルプロペニルエーテル、エ
チルプロペニルエーテル、イソプロピルプロペニルエー
テル、n−ブチルプロペニルエーテル、イソブチルプロ
ペニルエーテル、シクロヘキシルプロペニルエーテル、
n−ヘキサデシルプロペニルエーテル、2−クロロエチ
ルプロペニルエーテル、ベンジルプロペニルエーテル、
メトキシエチルプロペニルエーテル、エトキシエチルプ
ロペニルエーテル、2−エトキシエトキシエチルプロペ
ニルエーテル、2−エトキシ−2−エトキシエトキシエ
チルプロペニルエーテル、フェノキシエチルプロペニル
エーテル、2−プロペニロキシエチルアセテート、2−
プロペニロキシエチルベンゾエート、2−プロペニロキ
シエチル−p−メトキシベンゾエート、2−プロペニロ
キシエチル−p−クロロベンゾエート、ジエチルプロペ
ニロキシエチルマロネート、ジフェニルプロペニロキシ
エチルマロネート、2−プロペニロキシエチルフタルイ
ミド等からなる単位が挙げられる。
しては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテル、n−ヘキサデシルビニルエーテル、2−
クロロエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、ベンジルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエ
ーテル、エトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシ
エトキシエチルビニルエーテル、2−エトキシ−2−エ
トキシエトキシエチルビニルエーテル、フェノキシエチ
ルビニルエーテル、p−クロルフェノキシエチルビニル
エーテル、p−メトキシフェノキシエチルビニルエーテ
ル、2−ビニロキシエチルアセテート、2−ビニロキシ
エチルベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−メト
キシベンゾエート、2−ビニロキシエチル−p−クロロ
ベンゾエート、ジエチルビニロキシエチルマロネート、
ジフェニルビニロキシエチルマロネート、2−ビニロキ
シエチルフタルイミド、メチルプロペニルエーテル、エ
チルプロペニルエーテル、イソプロピルプロペニルエー
テル、n−ブチルプロペニルエーテル、イソブチルプロ
ペニルエーテル、シクロヘキシルプロペニルエーテル、
n−ヘキサデシルプロペニルエーテル、2−クロロエチ
ルプロペニルエーテル、ベンジルプロペニルエーテル、
メトキシエチルプロペニルエーテル、エトキシエチルプ
ロペニルエーテル、2−エトキシエトキシエチルプロペ
ニルエーテル、2−エトキシ−2−エトキシエトキシエ
チルプロペニルエーテル、フェノキシエチルプロペニル
エーテル、2−プロペニロキシエチルアセテート、2−
プロペニロキシエチルベンゾエート、2−プロペニロキ
シエチル−p−メトキシベンゾエート、2−プロペニロ
キシエチル−p−クロロベンゾエート、ジエチルプロペ
ニロキシエチルマロネート、ジフェニルプロペニロキシ
エチルマロネート、2−プロペニロキシエチルフタルイ
ミド等からなる単位が挙げられる。
【0010】上記のアルケニルエーテル単位は、1種で
も良いが、2種以上を共存させてもよい。また、1種ま
たは2種以上のアルケニルエーテルを重合させた後、別
のアルケニルエーテルを添加してさらに重合させたブロ
ック共重合体でもよい。
も良いが、2種以上を共存させてもよい。また、1種ま
たは2種以上のアルケニルエーテルを重合させた後、別
のアルケニルエーテルを添加してさらに重合させたブロ
ック共重合体でもよい。
【0011】上記のアルケニルエーテル単位の含有量は
特に制限はないが、50モル%以上が好ましく、70モ
ル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ま
しい。
特に制限はないが、50モル%以上が好ましく、70モ
ル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ま
しい。
【0012】本発明のポリアルケニルエーテルの数平均
分子量については特に制限はないが、500〜5000
00が好ましく、1000〜100000がより好まし
い。本発明のポリアルケニルエーテルの分子量はサイズ
排除クロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレ
ン換算により求められる。
分子量については特に制限はないが、500〜5000
00が好ましく、1000〜100000がより好まし
い。本発明のポリアルケニルエーテルの分子量はサイズ
排除クロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレ
ン換算により求められる。
【0013】本発明の片末端または両末端にチオール基
を有するポリアルケニルエーテルは、以下の方法により
得ることができる。下記の化2等で表される側鎖にチオ
カルボニルエステル結合を有するアルケニルエーテル
と、下記の化3で表されるプロトン供給化合物との付加
化合物を重合開始末端として重合する。
を有するポリアルケニルエーテルは、以下の方法により
得ることができる。下記の化2等で表される側鎖にチオ
カルボニルエステル結合を有するアルケニルエーテル
と、下記の化3で表されるプロトン供給化合物との付加
化合物を重合開始末端として重合する。
【0014】
【化2】 (式中、R 3 は水素原子あるいはメチル基を示し、R 4 は
メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル基等のア
ルキル基またはアリール基を示し、nは1〜5の数を示
す。)
メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル基等のア
ルキル基またはアリール基を示し、nは1〜5の数を示
す。)
【0015】
【化3】 (式中、Xは陰イオン生成基を示す。)
【0016】化3の化合物の具体例としては、例えば犠
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、フルオロ
酢酸、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジフルオロ酢酸、ジク
ロロ酢酸、ジブロモ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロ
ロ酢酸、トリブロモ酢酸、塩化水素、臭化水素、よう化
水素、燐酸ジアルキルエステル、燐酸モノアルキルエス
テル、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、フェノール等が挙げら
れ、この中でも酢酸、トリフルオロ酢酸が特に好まし
い。
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、フルオロ
酢酸、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ジフルオロ酢酸、ジク
ロロ酢酸、ジブロモ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロ
ロ酢酸、トリブロモ酢酸、塩化水素、臭化水素、よう化
水素、燐酸ジアルキルエステル、燐酸モノアルキルエス
テル、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、フェノール等が挙げら
れ、この中でも酢酸、トリフルオロ酢酸が特に好まし
い。
【0017】本発明における重合は、従来公知のリビン
グカチオン重合法(特開昭60−228509号、特開
昭61−103654号、特開昭62−257910
号、特開平1−108202号及び特開平1−1082
03号)において使用可能なルイス酸またはプロトン酸
開始剤、添加剤及び溶媒を用いて行うことができ、重合
温度は+60℃以下から好適に選ばれるが、+40℃以
下で重合することが特に好ましい。
グカチオン重合法(特開昭60−228509号、特開
昭61−103654号、特開昭62−257910
号、特開平1−108202号及び特開平1−1082
03号)において使用可能なルイス酸またはプロトン酸
開始剤、添加剤及び溶媒を用いて行うことができ、重合
温度は+60℃以下から好適に選ばれるが、+40℃以
下で重合することが特に好ましい。
【0018】片末端にチオール基を有するポリアルケニ
ルエーテルを合成する場合には、通常一価のアルコール
類を重合停止剤として使用する。両末端にチオール基を
有するポリアルケニルエーテルを合成する場合には、下
記の化4で表されるチオカルボン酸のアンモニウム塩、
下記の化5で表されるチオカルボン酸のヒドロキシアル
キルエステル、もしくは下記の化6で表されるチオカル
ボン酸のアミノフェニルアルキルエステルを重合停止剤
として用いる。
ルエーテルを合成する場合には、通常一価のアルコール
類を重合停止剤として使用する。両末端にチオール基を
有するポリアルケニルエーテルを合成する場合には、下
記の化4で表されるチオカルボン酸のアンモニウム塩、
下記の化5で表されるチオカルボン酸のヒドロキシアル
キルエステル、もしくは下記の化6で表されるチオカル
ボン酸のアミノフェニルアルキルエステルを重合停止剤
として用いる。
【0019】
【化4】 (式中、R 5 及びR 6 は、水素原子、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリ
ール基を示す。)
ロピル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリ
ール基を示す。)
【0020】
【化5】 (式中、R 7 は、水素原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリール
基を示し、nは1〜5の数を示す。)
ル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリール
基を示し、nは1〜5の数を示す。)
【0021】
【化6】 (式中、R 8 は、水素原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリール
基を示し、nは0〜5の数を示す。)
ル、ブチル、フェニル基等のアルキル基またはアリール
基を示し、nは0〜5の数を示す。)
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらの実施例によって何等限定されるものでは
ない。
るが、これらの実施例によって何等限定されるものでは
ない。
【0023】実施例1 三方活栓をつけたガラス容器を準備し、窒素置換後、窒
素ガス雰囲気下で加圧しガラス容器内の吸着水を除去し
た。容器内に2−メトキシエチルビニルエーテル200
ml、酢酸エチル200ml、及び重合溶媒のトルエン
1540mlを入れ、トリフルオロ酢酸0.84mlと
2−ビニロキシエチルチオアセテート1.5mlをトル
エン25ml中で混合した溶液20mlを加え、系内温
度が0℃に達したところでEt 1.5 AlCl 1.5 (1.0
M)のトルエン溶液40mlを加えて重合を開始した。
4時間後、メタノール20mlで重合を停止した。この
場合、重合率は100%(ガスクロマトグラフィーによ
る)で、サイズ排除クロマトグラフィーにより、テトラ
ヒドロフラン中、55℃で測定した標準ポリスチレン換
算の数平均分子量Mn=22000、重量平均分子量M
w=27000、Mw/Mn=1.21であった。ま
た、ポリマーの末端チオール基を水溶液中で過剰のよう
素と反応させて、残ったよう素をチオ硫酸ナトリウムで
滴定することにより、末端のチオール基含有量を定量し
た結果、ポリマー片末端へのチオール基の導入率は10
9%であり定量的にチオール基が導入されていることが
分かった。
素ガス雰囲気下で加圧しガラス容器内の吸着水を除去し
た。容器内に2−メトキシエチルビニルエーテル200
ml、酢酸エチル200ml、及び重合溶媒のトルエン
1540mlを入れ、トリフルオロ酢酸0.84mlと
2−ビニロキシエチルチオアセテート1.5mlをトル
エン25ml中で混合した溶液20mlを加え、系内温
度が0℃に達したところでEt 1.5 AlCl 1.5 (1.0
M)のトルエン溶液40mlを加えて重合を開始した。
4時間後、メタノール20mlで重合を停止した。この
場合、重合率は100%(ガスクロマトグラフィーによ
る)で、サイズ排除クロマトグラフィーにより、テトラ
ヒドロフラン中、55℃で測定した標準ポリスチレン換
算の数平均分子量Mn=22000、重量平均分子量M
w=27000、Mw/Mn=1.21であった。ま
た、ポリマーの末端チオール基を水溶液中で過剰のよう
素と反応させて、残ったよう素をチオ硫酸ナトリウムで
滴定することにより、末端のチオール基含有量を定量し
た結果、ポリマー片末端へのチオール基の導入率は10
9%であり定量的にチオール基が導入されていることが
分かった。
【0024】実施例2 三方活栓をつけたガラス容器を準備し、窒素置換後、窒
素ガス雰囲気下で加圧しガラス容器内の吸着水を除い
た。容器内に、イソブチルビニルエーテル50ml、酢
酸エチル50ml及び重合溶媒のトルエンを385ml
入れ、トリフルオロ酢酸0.56mlと2−ビニロキシ
エチルチオアセテート1mlをトルエン16.64ml
中で混合した溶液5mlを加え、系内温度が0℃に達し
たところで、EtAlCl 2 (1.0M)のトルエン溶
液10mlを加えて重合を開始した。5.5時間後、2
−ヒドロキシエチルチオアセテート2.4gのトルエン
溶液20mlを加えて重合を停止した。この場合、重合
率は87%で、サイズ排除クロマトグラフィ−により、
テトラヒドロフラン中、55℃で測定した標準ポリスチ
レン換算の数平均分子量Mn=15000、Mw=17
000、Mw/Mn=1.13であった。また、ポリマ
ーの末端チオール基をトルエン−メタノール混合溶媒中
で、上記実施例1と同様な方法で定量した結果、ポリマ
ー両末端へのチオール基の導入率は119%でありポリ
マーの両末端に定量的にチオール基が導入されているこ
とが分かった。
素ガス雰囲気下で加圧しガラス容器内の吸着水を除い
た。容器内に、イソブチルビニルエーテル50ml、酢
酸エチル50ml及び重合溶媒のトルエンを385ml
入れ、トリフルオロ酢酸0.56mlと2−ビニロキシ
エチルチオアセテート1mlをトルエン16.64ml
中で混合した溶液5mlを加え、系内温度が0℃に達し
たところで、EtAlCl 2 (1.0M)のトルエン溶
液10mlを加えて重合を開始した。5.5時間後、2
−ヒドロキシエチルチオアセテート2.4gのトルエン
溶液20mlを加えて重合を停止した。この場合、重合
率は87%で、サイズ排除クロマトグラフィ−により、
テトラヒドロフラン中、55℃で測定した標準ポリスチ
レン換算の数平均分子量Mn=15000、Mw=17
000、Mw/Mn=1.13であった。また、ポリマ
ーの末端チオール基をトルエン−メタノール混合溶媒中
で、上記実施例1と同様な方法で定量した結果、ポリマ
ー両末端へのチオール基の導入率は119%でありポリ
マーの両末端に定量的にチオール基が導入されているこ
とが分かった。
【0025】
【発明の効果】以上の実施例から、従来公知のリビング
カチオン重合法においてまだ見出されていなかった片末
端または両末端にチオール基を有するポリアルケニルエ
ーテルが得られたことが確認された。
カチオン重合法においてまだ見出されていなかった片末
端または両末端にチオール基を有するポリアルケニルエ
ーテルが得られたことが確認された。
【0026】本発明の片末端または両末端にチオール基
を有するポリアルケニルエーテルを連鎖移動剤に用い
て、ラジカル重合可能な種々のビニルモノマーを重合す
ることにより、ポリアルケニルエーテル(B成分)を1
成分とするAB型及びABA型のブロックポリマーの合
成が可能となる。中でもポリアルケニルエーテルをセン
ターブロック(B成分)とし、ポリスチレン等のハード
セグメントをA成分とするABA型のブロックポリマー
は熱可塑性エラストマーとしての用途が期待される。さ
らに、刺激応答性ポリマーであるオキシエチレン鎖を側
鎖に有するポリビニルエーテルを種々のポリマーとブロ
ック的に重合させることにより種々のポリマーに刺激応
答性を付与できる可能性があり、本発明は工業的な価値
がきわめて高いものである。
を有するポリアルケニルエーテルを連鎖移動剤に用い
て、ラジカル重合可能な種々のビニルモノマーを重合す
ることにより、ポリアルケニルエーテル(B成分)を1
成分とするAB型及びABA型のブロックポリマーの合
成が可能となる。中でもポリアルケニルエーテルをセン
ターブロック(B成分)とし、ポリスチレン等のハード
セグメントをA成分とするABA型のブロックポリマー
は熱可塑性エラストマーとしての用途が期待される。さ
らに、刺激応答性ポリマーであるオキシエチレン鎖を側
鎖に有するポリビニルエーテルを種々のポリマーとブロ
ック的に重合させることにより種々のポリマーに刺激応
答性を付与できる可能性があり、本発明は工業的な価値
がきわめて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 16/14 - 61/30 C07C 327/04 - 327/12 C07C 327/16 C08F 293/00 C08F 2/00 - 2/26 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 下記化1で表されるアルケニルエーテル
単位からなり、片末端にチオール基を有するポリアルケ
ニルエーテル。 【化1】 (式中、R 1 は水素原子あるいはメチル基を示し、R 2 は
一価の有機基を示す。) - 【請求項2】 下記化1で表されるアルケニルエーテル
単位からなり、両末端にチオール基を有するポリアルケ
ニルエーテル。 【化1】 (式中、R 1 は水素原子あるいはメチル基を示し、R 2 は
一価の有機基を示す。)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26523892A JP3172598B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26523892A JP3172598B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテル |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06116330A JPH06116330A (ja) | 1994-04-26 |
JP3172598B2 true JP3172598B2 (ja) | 2001-06-04 |
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ID=17414446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26523892A Expired - Fee Related JP3172598B2 (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | 末端にチオール基を有するポリアルケニルエーテル |
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-
1992
- 1992-10-05 JP JP26523892A patent/JP3172598B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06116330A (ja) | 1994-04-26 |
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