JP2021095468A - 配位結合性リガンド含有アクリレートモノマー、配位結合性リガンドを均一に含有するアクリレート共重合体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクリレート系・メタクリレート系両方に適用可能で、且つ幅広い共重合組成で均一に配位結合性リガンドが導入可能なモノマー及びそのモノマーを用いた共重合体を提供すること。【解決手段】末端二重結合に隣接して結合するエステル結合と、他方の末端に配位結合性リガンドを有する配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、それらのモノマーとアクリレート又はメタクリレートモノマーとの共重合体である。【選択図】図1
Description
本発明は、配位結合性リガンド含有アクリレートモノマー、配位結合性リガンドを均一に含有するアクリレート共重合体及びそれらの製造方法に関する。
アクリル系ポリマー(ポリエチルアクリレートやポリメチルメタクリレート(PMMA)等)から成るアクリル樹脂は、代表的な高分子材料として活躍している。アクリル樹脂の物性改質は、主に複数モノマーの共重合により、モノマー割合を調節する手法が主流である。その他、相互作用性官能基を導入することによる物性改質方法もあり、これまで、ヒドロキシル(OH)基やカルボン酸(COOH)基が導入されたアクリルポリマーは市場に出回っている。
一方で、配位結合性リガンド含有のアクリル系ポリマーの高効率な合成の開発は不十分で、その合成の達成により、配位結合性リガンドを含有したアクリル系ポリマーの高効率合成が達成されると、金属塩の添加などの添加による物性改質及び無機粒子やフィラー等の分散による物性改質が容易に可能となる。
通常、配位結合性リガンドを側鎖に含むモノマー(例えば4−ビニルピリジン)とアクリル系モノマーはラジカル反応性比が大きく異なるため、配位結合性リガンドを均一に含むポリマーをラジカル重合することはできない。それらのラジカル反応性比の違いは、両モノマー間での側鎖置換基の電子吸引性や共鳴構造安定性の差が主因である。
特許文献1には、式(1)で表されるピリジン誘導体又はその塩が記載されている。
(式中、Xはシアノ基、カルボキシル基、カルボキシル基から誘導される基を示す。R1 およびR3 は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基であり、R2はアルキレン基又はカルボニル基である。R4 、R5 は、同一又は異なって、水素原子、アルキル基を示し、R4 及びR5 は互いに結合して、芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい)
非特許文献1には、アクリレート系モノマー(tert-ブチルアクリレート)と配位結合性ビニルモノマーである2−ビニルピリジンの共重合体について記載されている。両者のラジカル反応性比は大きく異なるという結果が記載されており、共重合体中に配位結合性リガンドが均一に含まれているという記載はない。非特許文献2には、ポリエステルをベースポリマーとし、その側鎖に配位結合性リガンド(ピリジン基)を均一導入するための合成設計が記述されている。一方、アクリレート系共重合体に関する記載はない。
P. Vlcek,et al., Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry,48, 735-741,2010.
M.Hayashi,et al.,Macromolecular Chemistry and Physics,219,1800127,2018.
配位結合性リガンドを側鎖に含むモノマー(例えば4−ビニルピリジン)とアクリル系モノマーはラジカル反応性比が大きく異なるため、配位結合性リガンドを均一に含むポリマーをラジカル重合することはできないという問題がある。その問題に対してアクリレート系・メタクリレート系両方に適用可能で、且つ幅広い共重合組成で均一に配位結合性リガンドが導入可能なモノマー及びそのモノマーによる共重合体を提供する。
(1)末端二重結合に隣接して結合するエステル結合と、他方の末端に配位結合性リガンドを有することを特徴とする配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーである。
「末端二重結合」とは、一方の末端にある炭素原子同士による二重結合(ビニル基)のことである。また、「配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマー」とは、配位結合性リガンド含有アクリレート又は配位結合性リガンド含有メタクリレートモノマーを意味する。
エステル結合V−(C=O)O−R―L(Vはビニル基、Rはアルキル部、Lは配位結合性リガンド部を示す)の構造は、共重合体時のラジカル反応性比の観点から、RはCを二つ以上含むアルキル部が好ましい。配位結合性リガンドの構造は、金属塩との配位結合性の観点から、窒素を含む不飽和環式化合物が好ましい。
(2)前記配位結合性リガンドはピリジン基を含むことを特徴とする(1)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーである。
(3)イソシアネート含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、前記配位結合性リガンドを含みイソシアネート基との高反応性官能基を有する化合物と反応させることを特徴とする配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法である。
「イソシアネート含有アクリレート又はメタクリレートモノマー」とは、イソシアネート含有アクリレート又はイソシアネート含有メタクリレートモノマーを意味する。また、高反応成基としては、水酸基又はアミノ基が好ましい。
(4)前記配位結合性リガンドとなる化合物はピリジン誘導体であることを特徴とする(3)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法である。
(5)(1)又は(2)に記載の配位結合性リガンドを含有するアクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの共重合体である配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体であって、前記配位結合性リガンドが、前記配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体において均一に分布されたことを特徴とする配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体である。
「配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体」とは、配位結合性リガンド均一含有アクリレート共重合体又は配位結合性リガンド均一含有メタクリレート共重合体を意味する。
(6)(1)又は(2)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合による配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体の合成方法である。ラジカル反応性比の観点から、配位結合性リガンド含有アクリレートモノマーを用いた共重合体にはアクリレートを、配位結合性リガンド含有メタクリレートモノマーを用いた共重合体にはメタクリレートを組み合わせることが好ましい。
「末端二重結合」とは、一方の末端にある炭素原子同士による二重結合(ビニル基)のことである。また、「配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマー」とは、配位結合性リガンド含有アクリレート又は配位結合性リガンド含有メタクリレートモノマーを意味する。
エステル結合V−(C=O)O−R―L(Vはビニル基、Rはアルキル部、Lは配位結合性リガンド部を示す)の構造は、共重合体時のラジカル反応性比の観点から、RはCを二つ以上含むアルキル部が好ましい。配位結合性リガンドの構造は、金属塩との配位結合性の観点から、窒素を含む不飽和環式化合物が好ましい。
(2)前記配位結合性リガンドはピリジン基を含むことを特徴とする(1)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーである。
(3)イソシアネート含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、前記配位結合性リガンドを含みイソシアネート基との高反応性官能基を有する化合物と反応させることを特徴とする配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法である。
「イソシアネート含有アクリレート又はメタクリレートモノマー」とは、イソシアネート含有アクリレート又はイソシアネート含有メタクリレートモノマーを意味する。また、高反応成基としては、水酸基又はアミノ基が好ましい。
(4)前記配位結合性リガンドとなる化合物はピリジン誘導体であることを特徴とする(3)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法である。
(5)(1)又は(2)に記載の配位結合性リガンドを含有するアクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの共重合体である配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体であって、前記配位結合性リガンドが、前記配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体において均一に分布されたことを特徴とする配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体である。
「配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体」とは、配位結合性リガンド均一含有アクリレート共重合体又は配位結合性リガンド均一含有メタクリレート共重合体を意味する。
(6)(1)又は(2)に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合による配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体の合成方法である。ラジカル反応性比の観点から、配位結合性リガンド含有アクリレートモノマーを用いた共重合体にはアクリレートを、配位結合性リガンド含有メタクリレートモノマーを用いた共重合体にはメタクリレートを組み合わせることが好ましい。
アクリレート系・メタクリレート系両方に適用可能で、且つ幅広い共重合組成で均一に配位結合性リガンドが導入可能である。また、ワンポッド合成可能であることから、多段階の合成・精製が不必要であり、実用展開に優位である。ピリジンリガンドは配位結合に限らず、イオン結合・水素結合の形成能も有するため、ピリジン基との相互作用性を有する添加物との混合により、材料の幅広い物性改質が可能となるという効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1〜6等に基づき、以下に説明を行うが、本発明の実施の形態を概説すると以下のようである。すなわち、イソシアネート含有アクリレートモノマーと水酸基含有ピリジン化合物を反応させることにより、新規ピリジン基含有アクリレートモノマー(4PA)をまず合成し(反応1)、それをアクリレート系モノマー(EA)とRAFT重合(反応2)により共重合させる。この場合、4PAとEAの二重結合隣接の側鎖部位は電子環境が類似しており(両者ともにエステル基)、両モノマーのラジカル反応性比は比較的近い値となる。そのため、ピリジン基を鎖中に均一に含む高分子試料が得られる。また、イソシアネート基と水酸基が約1:1の仕込み比で高効率に反応するため、以下の反応1(化学式(2))と反応2(化学式(3))に示すように、4PA−co−EAがワンポッド合成で可能である。その結果、4PAモノマー合成時の生成が不必要となる。
図1には、配位結合性リガンド含有アクリレートモノマー(A)として4−ピリジンアクリレート(4PA)、アクリレート又はメタクリレートモノマー(B)としてエチルアクリレート(EA)、及び配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体(C)として4−ピリジンアクリレート−エチルアクリレート共重合体(4PA−co−EA)、並びに、4−ピリジンアクリレートの合成方法である反応1及び4−ピリジンアクリレート−エチルアクリレート共重合体の合成方法である反応2を、それぞれ模式的に示した。
イソシアネート(ICNA)として2-isocyanatoethyl acrylate、配位結合性リガンドとなるピリジン誘導体として4-pyridinemethanol(4PyOH)を用い、両者を適切な溶媒であるDMFに溶解して加熱し(40℃)、ピリジン基を含む新規アクリレート((A)、4PA)を合成することできる(反応1)。そして、合成された4PAが含まれた溶液に、エチルアクリレート(EA)、連鎖移動剤(CTA)及びAIBN(アゾビスイソブチロニトリル、重合開始剤)を加えると、RAFT共重合(RAFT polymerization、反応2)によって、4PA−co−EA共重合体((C))を合成することができる。反応2は反応1を行った同じ反応容器で行うことができるため、4PA−co−EA共重合体の合成は、ワンポッド合成(one-pot synthesis)である。
イソシアネート含有アクリレートとしては、ラジカル重合性の観点から、2-isocyanatoethyl acrylateや2-isocyanatoethyl methacrylate等を選択することができる。一方、配位結合性リガンドがピリジンである場合には、配位結合性リガンドを含む化合物としては、イソシアネートとの反応性の観点から、4-pyridinemethanol、2-pyridinemethanol、4-picolamine等を選択することができる。
付加反応により2-isocyanatoethyl acrylate(TCI製)と4-pyridinemethanol(TCI製)を、1:1.15のmol比でDMF中40℃の下5h反応させ、4−ピリジンアクリレート(4PA)を合成した(実施例1、反応1、転化率100%)。反応1のDMF溶液では、反応物濃度を25%(重量比)とした。そこに、エチルアクリレート(EA)、CTA、AIBNを4PAとのモル比を考慮しながら所望量加え、90℃の下18hでRAFT共重合を行い、4PA−co−EA共重合体を合成した(実施例2、反応2)。反応2では、モノマー仕込みモル比4PA:EAを、2:8、4:6、5:5、6:4、8:2と変化させて行った。RAFT共重合は、モノマー濃度は25%(重量比)、モノマーの全体mol:CTAのmol:AIBNのmol=500:1:0.2とした。すべての重合系において、モノマー転化率を反応性比計算に適当な10〜20%に調整した。なお、反応1と反応2では容量30mLである同じガラス製のナスフラスコを用いた。
一方、実施例1、2において4PAの代わりに4−ビニルピリジン(4VP、Aldrich製)を用いた以外は反応2と同様にして、4VP−co−EAを合成した(比較例1)。
実施例1、2において、4-pyridinemethanolの代わりに2-pyridinemethanolを用いた以外は反応1と反応2と同様にして、2−ピリジンアクリレート−エチルアクリレート共重合体(2PA−co−EA)を合成した(実施例3)。
実施例1、2において2-isocyanatoethyl acrylateの代わりに2-isocyanatoethyl methacrylateを、4-pyridinemethanolの代わりに4-picolamineを、エチルアクリレートの代わりにメチルメタクリレートを用いた以外は反応1と反応2と同様にして、4−ピリジンメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体(4PMA−co−MMA)を合成した(実施例4)。
図2には、モノマー仕込み比1:1で行った4PA−co−EA共重合体の合成時での4−ピリジンアクリレート(4PA)とエチルアクリレート(EA)の経時的な転化率を示した。また、図3には、その合成について2h単位でのGPC測定の結果から、SEC曲線のピークトップの変化を示した。18h重合後の結果、数分子量は約15000であった。
転化率は次のようにして求めた。重DMSO溶媒を用いた1H NMR測定により、モノマー由来のシグナルとポリマー由来のシグナルの積分比を比較することにより求めた。
図4には、合成した4PAの1H NMRの測定結果を示した。その1H NMRの測定結果から、[−CH2OH]に由来するシグナル(A)が消失し、[R−O−CH2−Py]に由来するシグナル(a)が観測されたため、4−ピリジンアクリレート(4PA)が合成されたことが確認された。上記シグナル(A)およびシグナル(a)は、図4に記載したプロトンAとプロトンaに対応する。
なお、1H NMRの測定装置、条件は次のようであった。Bruker Analytik DPX400 spectrometer(400MHz)を用い、溶媒は重DMSOを用いた。測定は25℃で行った。
なお、1H NMRの測定装置、条件は次のようであった。Bruker Analytik DPX400 spectrometer(400MHz)を用い、溶媒は重DMSOを用いた。測定は25℃で行った。
図5には、合成した4PA−co−EAの1H NMRの測定結果を示した。その測定結果から、4PAに由来するシグナル(i)とEAに由来するシグナル(l)が観測されたため、4PA−co−EAが合成されたことが確認された。なお、1H NMRの測定装置、条件は4PAの1H NMRの測定と同様であった。
4−ピリジンアクリレート(4PA)とエチルアクリレート(EA)の転化率が、いかなる重合時間において同等に増加していることから、比較的ランダム性の高い4PA−co−EA共重合体の合成が示唆された。また、転化率が重合時間に対して線形的に増加している点、かつGPCピークが単峰性の状態で高分子量体側へシフトしているという点から、共重合はリビング的に進行していることが示唆される。
図6には、4PA−co−EA共重合体と4VP−co−EA共重合体に対する共重合パラメータのKelen-Tudos(KT)プロットを、それぞれ示した。すなわちKT法に基づき、モノマーの仕込み比およびポリマー中の組成比を用いてプロットを行い、近似直線を作成した。
以下に示すKT式である数式(4)と比較することにより、モノマー反応性比(r)を算出した(rEA=0.83、r4PA=0.98)。モノマー反応性比がほぼ1という結果となり、ポリアクリレート骨格すなわち4PA−co−EA共重合体へピリジン基を均一に分布して導入することに成功したことが分かった。なお、αはモノマー転化率を考慮した補正項である。また、実施例3の2PA−co−EA共重合体においても、rEA=1.03、r2PA=1.04となり、モノマー反応性比がほぼ1という結果となった。一方で、比較例1の4VP−co−EAの結果、rEA=0.38、r4VP=2.90であり、不均一な共重合体であった。実施例4のメタクリレート骨格すなわち4PMA−co−MMAの結果、rMMA=1.27、r4PMA=1.04であり、ピリジン基を均一に分布して導入することに成功したことが分かった。これらの結果から、ピリジン基を均一に分布して導入するためには、二重結合隣接の側鎖部位の電子環境の類似性が重要であることが示唆された。
共重合体が均一であるとは、ラジカル反応性比の観点から、2種のモノマーのラジカル反応性比が0.7<r<1.4が好ましく、0.8<r<1.3がより好ましいことを意味する。
共重合体が均一であるとは、ラジカル反応性比の観点から、2種のモノマーのラジカル反応性比が0.7<r<1.4が好ましく、0.8<r<1.3がより好ましいことを意味する。
アクリル系ポリマーを構成物とした樹脂素材・フィルム素材・エラストマー素材・ゲル(ジェル)素材などに応用が可能である。特に、多種の超分子相互作用性架橋剤の添加により簡便な物性改質が可能である点は、緻密な物性制御を可能にする点で有利である。
Claims (6)
- 末端二重結合に隣接して結合するエステル結合と、他方の末端に配位結合性リガンドを有することを特徴とする配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマー。
- 前記配位結合性リガンドはピリジン基を含むことを特徴とする請求項1に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマー。
- イソシアネート含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、前記配位結合性リガンドを含みイソシアネート基との高反応性官能基を有する化合物と反応させることを特徴とする配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法。
- 前記配位結合性リガンドとなる化合物モノマーはピリジン誘導体であることを特徴とする請求項3に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーの合成方法。
- 請求項1又は2に記載の配位結合性リガンドを含有するアクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの共重合体である配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体であって、前記配位結合性リガンドが、前記配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレート共重合体において均一に分布されたことを特徴とする配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体。
- 請求項1又は2に記載の配位結合性リガンド含有アクリレート又はメタクリレートモノマーと、アクリレート又はメタクリレートモノマーとの可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)共重合による配位結合性リガンド均一含有アクリレート又はメタクリレート共重合体の合成方法。
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