JP5510264B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
電磁誘導コイルが磁性金属製の芯金シリンダからなる定着ロールの内部に配置され、電磁誘導コイルにて生成した誘導磁界により定着ロールに渦電流を誘起させて、定着ロールを直接的に加熱する電磁誘導方式の定着装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−186322号公報
本発明の目的は、定着部材から離間した状態にある接触部材からの回転駆動力をこの定着部材に伝達する部材を設けた場合に生じうる定着部材の歪などを抑制可能な定着装置等を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、回転可能に設けられ、記録材上の画像に熱を与え当該画像を当該記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触して配置され当該接触部材に連動して回転し当該接触部材からの回転駆動力を当該定着部材に伝達するとともに、当該定着部材が外力を受け回転し当該定着部材側から回転駆動力が伝達されてきた際には当該接触部材に対して回転を行う回転部材と、を含む定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記回転部材と前記接触部材との間には、当該回転部材が一方向に回転する場合には当該回転部材を当該接触部材に対して回転させ当該回転部材が反対方向に回転する場合には当該回転部材に当該接触部材を連動させ当該接触部材を回転させる回転機構が設けられ、前記定着部材側から前記回転部材に回転駆動力が伝達された際における当該回転部材の前記接触部材に対する前記回転は、当該定着部材により当該回転部材が前記一方向に回転され、前記回転機構によって、当該回転部材が当該接触部材に対し空回りすることで行われることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記回転部材の前記接触部材に連動しての前記回転は、当該接触部材が前記一方向に回転駆動され前記回転機構によって当該回転部材が当該接触部材に追従することで行われることを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動する際、当該接触部材は前記反対方向に回転駆動され、当該接触部材から前記回転部材への回転駆動力の伝達が前記回転機構により遮断されることを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、前記回転部材と前記接触部材との間には、電磁クラッチが設けられ、前記定着部材側から前記回転部材に回転駆動力が伝達された際における当該回転部材の前記接触部材に対する前記回転は、前記電磁クラッチが制御され当該回転部材と当該接触部材との連結が解除されることで可能になることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、回転可能に設けられ、記録材上の画像に熱を与え当該画像を当該記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触し、当該接触部材から回転駆動力が伝達されるとともに伝達された当該回転駆動力を当該定着部材に伝達する伝達部材と、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で当該接触部材が回転駆動する場合に、当該接触部材から前記伝達部材への回転駆動力の前記伝達を遮断する遮断手段と、を含む定着装置である。
請求項7に記載の発明は、前記伝達部材は、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動する場合、当該定着部材に押し付けられるとともに当該定着部材から回転駆動力を受け当該定着部材に追従して回転することを特徴とする請求項6記載の定着装置である。
請求項8に記載の発明は、前記伝達部材と前記接触部材との間には、当該接触部材が一方向に回転駆動する場合には当該接触部材から当該伝達部材へ回転駆動力を伝達し当該接触部材が反対方向に回転駆動する場合には当該接触部材から当該伝達部材への回転駆動力の伝達を遮断する遮断機構が設けられ、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動を行う際、当該接触部材は前記反対方向に回転駆動され、前記遮断手段は、前記遮断機構を用いて回転駆動力の伝達の前記遮断を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の定着装置である。
請求項9に記載の発明は、前記接触部材が前記定着部材から離間し回転駆動力が前記伝達部材により当該定着部材に伝達される際、当該接触部材は前記一方向に回転駆動され、前記遮断機構によって当該伝達部材が当該接触部材に追従することで当該伝達部材が回転し、回転する当該伝達部材により当該定着部材に回転駆動力が伝達されることを特徴とする請求項8記載の定着装置である。
請求項10に記載の発明は、前記接触部材と前記伝達部材との間には電磁クラッチが設けられ、前記遮断手段は、電磁クラッチを用いて回転駆動力の伝達の前記遮断を行うことを特徴とする請求項6記載の定着装置である。
請求項11に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、回転可能に設けられ、前記画像形成部により形成された前記画像に熱を与え当該画像を前記記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触して配置され当該接触部材に連動して回転し当該接触部材からの回転駆動力を当該定着部材に伝達するとともに、当該定着部材が外力を受け回転し当該定着部材側から回転駆動力が伝達されてきた際には当該接触部材に対して回転を行う回転部材と、を含む画像形成装置である。
請求項12に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成部と、回転可能に設けられ、前記画像形成部により形成された前記画像に熱を与え当該画像を前記記録材に定着する定着部材と、前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触し、当該接触部材から回転駆動力が伝達されるとともに伝達された当該回転駆動力を当該定着部材に伝達する伝達部材と、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で当該接触部材が回転する場合に、当該接触部材から前記伝達部材への回転駆動力の前記伝達を遮断する遮断手段と、を含む画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、定着部材の歪や定着部材等におけるキズを抑制可能な定着装置を提供することが可能となる。
請求項2の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、接触部材に対する回転部材の回転を簡易な構成で行うことが可能となる。
請求項3の発明によれば、接触部材に対し回転部材が空回りする構成であっても回転部材を接触部材に連動させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、定着部材の歪などをさらに抑制することが可能となる。
請求項5の発明によれば、回転部材の回転方向に関わらず回転部材を接触部材に対して回転させることが可能となる。
請求項6の発明によれば、定着部材の歪などを抑制可能な定着装置を提供することが可能となる。
請求項7の発明によれば、伝達部材が接触部材に追従する場合に比べ、定着部材のうち伝達部材と接触する部位の単位時間当たりの移動量と、定着部材のうち接触部材と接触する部位の単位時間当たりの移動量との差が小さくなる。
請求項8の発明によれば、接触部材から伝達部材への回転駆動力の伝達の遮断を簡易な構成で行うことが可能となる。
請求項9の発明によれば、接触部材の回転方向によっては回転駆動力の伝達を行わない遮断機構が設けられる場合であっても、定着部材に対して回転駆動力を伝達することが可能となる。
請求項10の発明によれば、接触部材の回転方向に関わらず回転駆動力の伝達の遮断を行うことが可能となる。
請求項11の発明によれば、定着部材の歪や定着部材等におけるキズを抑制可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
請求項12の発明によれば、定着部材の歪などを抑制可能な画像形成装置を提供することが可能となる。
画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施の形態の定着器の構成を説明する図である。 本実施の形態の定着器の構成を説明する図である。 定着ベルトの断面層構成図である。 加圧ロールの長手方向の構成を説明する図である。 加圧ロールの構成を具体的に説明する図である。 リトラクト機構が加圧ロールを定着ベルトに接離させる際の動作を説明する図である。 駆動モータから加圧ロールへの駆動力の伝達を説明する図である。 本実施の形態のIHヒータの構成を説明する断面図である。 ニップ部での定着ベルトの状態を示す図である。 主制御部が行う画像形成処理の内容の一例を説明するフローチャートである。 用紙の搬送不良が生じた際の定着器の状態を示した図である。 用紙が引っ張られる際の定着器を用紙の搬送方向上流側から眺めた場合の図である。 ウォームアップ動作時等における定着器を用紙の搬送方向上流側から眺めた場合の図である。 定着器の他の形態を用紙の搬送方向上流側から眺めた場合の図である。 動力伝達部材と加圧ロールとの間に電磁クラッチが設けられた定着器を示した図である。 動力伝達部材と加圧ロールとの間に電磁クラッチが設けられた定着器を示した図である。 加圧ロールの他の構成例を示した図である。 パッド部材が設けられた定着器を示した図である。 パッド部材が設けられた定着器を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、画像形成装置1の構成例を示した図である。画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作を制御する主制御部31と、を備えている。さらには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3等との通信を行って画像データを受信する通信部32と、原稿から画像を読み取って読取画像データを生成する画像読取部33と、通信部32にて受信された画像データや画像読取部33によって生成された読取画像データ等に対し予め定められた画像処理を施し画像形成部10に転送する画像処理部34と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部35と、を備えている。
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する構成部であって、並列して配置される4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、矢印A方向に回転しながら静電潜像が形成され、その後にトナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。画像形成ユニット11の各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
また画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙P上に定着させる定着器(定着装置)60と、を備えている。
画像形成部10の画像形成ユニット11の各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に静電転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像が形成される。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印B方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送され、用紙収容容器40から供給される用紙P上に一括して静電転写される。その後、用紙P上に静電転写された合成トナー像は、定着器60によって定着処理を受けて用紙P上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部45に搬送され集積される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着器の全体構成の説明>
次に、本実施の形態の定着器60について説明する。
図2および図3は、本実施の形態の定着器60の構成を説明する図である。図2は用紙Pの搬入側(用紙Pの搬送方向における上流側)から見た定着器60の正面図であり、図3は図2におけるIII−III断面図である。
図2および図3に示すように、定着器60は、支持体69(図2参照)の内部に、交流磁界を生成するIH(Induction Heating)ヒータ63と、IHヒータ63により電磁誘導加熱されるとともに用紙P上のトナー像に熱を与えこのトナー像を用紙Pに定着する定着部材の一例としての定着ベルト61と、定着ベルト61の内部に配置された弾性部材64と、定着ベルト61に接触した状態で回転駆動し定着ベルト61との間に形成されたニップ部N内に位置する用紙Pを搬送するとともにこの用紙Pに圧力を加える加圧ロール62(接触部材の一例)と、定着ベルト61からの用紙Pの剥離を補助する剥離補助部材70(図3参照)と、を備えている。
<定着ベルトの説明>
定着ベルト61は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向における長さが380mmに形成されている。また、図4(定着ベルト61の断面層構成図)に示すように、定着ベルト61は、基材層611と、基材層611の上に積層された導電発熱層612と、トナー像の定着性を向上させる弾性層613と、最外層に被覆された表面離型層614と、からなる多層構造で構成されている。
定着ベルト61の基材層611は、薄層の導電発熱層612を支持するとともに、定着ベルト61全体としての機械的強度を形成する耐熱性のシート状部材で構成される。また、基材層611は、磁界を通過させる物性(比透磁率、固有抵抗)を持った材質、厚さで形成され、基材層611自身は、磁界の作用により発熱しないか、または発熱し難く構成される。具体的には、基材層611は、例えば、厚さ30〜200μmの非磁性ステンレススチール等の非磁性金属や、厚さ60〜200μmの樹脂材料等が用いられる。
定着ベルト61の導電発熱層612は、IHヒータ63にて生成される交流磁界によって電磁誘導加熱される電磁誘導発熱体層である。すなわち、導電発熱層612は、IHヒータ63からの交流磁界が厚さ方向に通過することにより、渦電流を発生させる層である。ここで、IHヒータ63により生成される交流磁界の周波数は、一般に使用される汎用電源による20k〜100kHzである。それにより、導電発熱層612は、周波数20k〜100kHzの交流磁界が侵入し通過するように構成される。
導電発熱層612を構成する材料としては、例えば、Au,Ag,Al,Cu,Zn,Sn,Pb,Bi,Be,Sb等の金属や、これらの金属合金が用いられる。具体的には、導電発熱層612の構成として、厚さ2〜20μm、固有抵抗2.7×10−8Ω・m以下の例えばCu等の非磁性金属(比透磁率が概ね1の常磁性体)が用いられる。また、定着ベルト61を定着可能温度まで加熱するまでに要する時間(以下、「ウォームアップタイム」)を短縮する観点からも、導電発熱層612を薄層にして熱容量を小さく構成する。
定着ベルト61の弾性層613は、シリコーンゴム等の耐熱性の弾性体で構成される。定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。それにより、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するために、弾性層613は用紙P上のトナー像の凹凸に倣って変形するように構成される。例えば、弾性層613は、厚みが100〜600μm、硬度が10°〜30°(JIS−A)のシリコーンゴムが用いられる。
定着ベルト61の表面離型層614は、用紙P上に保持された未定着トナー像と直接接触するため、トナーに対する離型性の高い材質が使用される。例えば、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、またはこれらの複合層等が用いられる。表面離型層614の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト61の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト61の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、表面離型層614の厚さは、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1〜50μmに設定される。なお、定着ベルト61は、単一の材質からなる一層構成としてもよい。例えば、定着ベルト61を50μm程度の厚さのNi等の金属からなる一層として構成としてもよい。
<弾性部材の説明>
本実施の形態の定着器60では、定着ベルト61の内部に、定着ベルト61の全幅に亘って弾性部材64を配置している。弾性部材64は、例えばゴム硬度15〜45°(JIS−A)のゴム、エラストマー等(例えば、シリコーンゴム)の弾性体で構成された外径が30mmの円筒状ロールで形成され、回転軸99に固定(接合)されている。さらに、弾性部材64は、外周面が定着ベルト61の内周面と接着されている。それにより、定着ベルト61は、回転軸99と弾性部材64とからなる弾性体ロールが内部に配置された構成を有し、回転軸99の回転に伴って回転駆動される。
なお、定着ベルト61の内部に配置された弾性部材64の外径が、定着ベルト61の原形(円筒形状)時の直径(例えば30mm)よりも僅かに大きくなるように構成してもよい。それにより、弾性部材64の外周面と定着ベルト61の内周面との接着性が向上する。例えば、弾性部材64を外径31mmとして、原形時の直径30mmの定着ベルト61よりも外径を1mm程度大きく構成することにより、弾性部材64側からの弾性力で弾性部材64と定着ベルト61との接着性が高まる。
このような構成により、定着ベルト61は、後段で説明する接離機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接(押圧しながら接触)して配置されることにより、弾性部材64および加圧ロール62双方の弾性力によって加圧ロール62との間にニップ部Nを形成する。一方、この接離機構によって加圧ロール62が定着ベルト61から離間して配置されることにより、定着ベルト61全体としての原型形状(円柱形状)が復元されることとなる。なお、弾性部材64の機能については、後段で詳述する。
また本実施形態では、図2に示すように、回転軸99の両端部が支持体69に回転自在に支持されている。そして、接離機構により定着ベルト61に加圧ロール62が圧接されている状態では、定着ベルト61の全幅に亘って加圧ロール62が圧接される。これにより、加圧ロール62全体からの摩擦力によって加圧ロール62に従動して定着ベルト61は回転する。一方、定着ベルト61から加圧ロール62が離間した状態では、定着ベルト61の両端部領域において、加圧ロール62の両端部領域に取り付けられた動力伝達部材62B,62C(後段の図5も参照)が圧接され、定着ベルト61は動力伝達部材62B,62Cからの摩擦力によって加圧ロール62に従動回転する。なお、定着ベルト61および加圧ロール62を駆動する機構については、後段で詳述する。
<加圧ロールの説明>
図2に示すように、加圧ロール62は、長手方向に関し、画像形成装置1にて使用される最大用紙(例えば、A3サイズ)の通紙領域(最大通紙領域Rmax)よりも長さの大きいロール本体部62Aを有している。さらに本実施形態では、ロール本体部62Aの両端部領域(最大通紙領域Rmaxの外側領域)に設けられ、加圧ロール62に連動して回転し加圧ロール62からの回転駆動力を定着ベルト61に伝達する動力伝達部材62B,62C(回転部材、伝達部材の一例)が設けられている。動力伝達部材62B,62Cは、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接(押圧しながら接触)される領域であるニップ部Nでの圧力(以下、「ニップ圧」)に対する弾性変形率が、ロール本体部62Aよりも大きく構成されている。ここでの「弾性変形率」とは、ニップ圧が作用した際の単位体積当たりの弾性変形量をいう。
また図3に示すように、加圧ロール62のロール本体部62Aは、例えば発泡させたシリコーンゴム等からなる耐熱性弾性体層621と、例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層622と、で構成されている。また、加圧ロール62のロール本体部62Aは、外径が28mm、軸方向における長さが370mmに形成されている。それにより、軸方向における長さが10mmの動力伝達部材62B,62Cを加えた加圧ロール62全体は、軸方向における長さが390mmとなっている。そして、加圧ロール62全体は、定着ベルト61の回転軸99方向に沿って定着ベルト61と並行して配置され、次段で説明するように、接離機構により定着ベルト61に対して接離するように構成されている。
また図2(後段図6も参照)に示すように、加圧ロール62には、加圧ロール62の回転中心を貫通するように回転軸94が設けられている。そして、回転軸94の一方の端部側には、駆動伝達ギヤ93が固定されるとともに、回転軸94は、支持体69において定着ベルト61方向に関して予め定められた範囲内で移動自在に支持され、かつ回転自在に支持されている。そして、加圧ロール62は、駆動伝達ギヤ93を介して駆動源である駆動モータ90からの駆動力を受けて、自らが図3の矢印C方向に回転する。それにより、加圧ロール62は定着ベルト61を従動させて回転させる。またその際に、加圧ロール62は定着ベルト61を押圧しながら定着ベルト61との接触位置にニップ部Nを形成し、このニップ部Nに、未定着トナー像を保持した用紙Pを通過させることで、熱および圧力によって未定着トナー像を用紙Pに定着する。
<加圧ロールの長手方向の構成の説明>
図5は、加圧ロール62の長手方向(軸方向)の構成を説明する図である。図5(A)は、接離機構(以下、「リトラクト機構」)によって定着ベルト61に圧接された状態での加圧ロール62を示し、(B)は、定着ベルト61から離間された状態での加圧ロール62を示している。なお図5(A)、(B)とも、用紙Pの搬入側(用紙Pの搬送方向における上流側)から見た場合の状態を示している。
図5(A)に示すように、本実施の形態の加圧ロール62では、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接されると、加圧ロール62におけるロール本体部62Aからの押圧力を受けて弾性変形した弾性部材64と、その反力を受けて弾性変形したロール本体部62Aとによってニップ部N(図3も参照)が形成される。その際に、ロール本体部62Aよりも弾性変形率が大きく構成されている動力伝達部材62B,62Cは、定着ベルト61に押し付けられニップ部Nでのロール本体部62Aの表面位置Sと一致する表面位置まで圧縮される。
より具体的に説明すると、動力伝達部材62B,62Cは、環状に形成されるとともに、例えばシリコーンゴムを発泡させたゴム硬度15〜35°(JIS−A)の弾性体(スポンジ)で構成されている。また、動力伝達部材62B,62Cは、ロール本体部62Aよりも小径に形成された動力伝達支持部62J,62Kに取り付けられたワンウェイクラッチCL(回転機構の一例)により支持されている。そして本実施形態では、動力伝達部材62B,62Cは、弾性部材64の反力を受けて弾性変形したロール本体部62Aの外径とワンウェイクラッチCLの外径との差分により形成された空間内に圧縮されて、動力伝達部材62B,62Cの表面位置は、弾性変形したロール本体部62Aの表面位置Sと一致する。これによって、ニップ部Nのニップ圧は、両端部領域においても動力伝達部材62B,62Cの影響を殆ど受けず、主にロール本体部62Aと弾性部材64との弾性力の均衡によって幅方向に亘って均一に設定される。
次に図5(B)に示すように、リトラクト機構は加圧ロール62を定着ベルト61から離間させるに際して、ロール本体部62Aを定着ベルト61から離間させた位置であって、かつ、動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61に圧接(押圧しながら接触)した状態を維持する位置に加圧ロール62を移動させる。すなわち、リトラクト機構は、ロール本体部62Aを定着ベルト61から完全に離間させるが、動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61に圧接している位置に、加圧ロール62を離間させる。そして加圧ロール62を図5(B)における矢印5A方向(定着時の回転方向とは逆方向)に回転させることで、動力伝達部材62B,62Cと定着ベルト61との摩擦力により、加圧ロール62から定着ベルト61に回転駆動力が伝達される。このことによって、加圧ロール62は、ロール本体部62Aを定着ベルト61から完全に離間させた状態で、定着ベルト61を従動回転させる。
<加圧ロールの動力伝達部の構成の説明>
図6は、加圧ロール62の構成を具体的に説明する図である。図6(A)は、動力伝達部材62B,62Cの断面構成を示す図であり、(B)は、動力伝達部材62B,62Cの組み立て構成を示す斜視図である。なお、図6では、一方の端部側の動力伝達部材62Bを示しているが、他方の端部側の動力伝達部材62Cも同様に構成されている。
図6(B)に示すように、本実施形態では、ワンウェイクラッチCLが、ロール本体部62Aと一体的に構成された動力伝達支持部62J,62Kに外嵌して装着されている。そして本実施形態における動力伝達部材62B,62Cは、このワンウェイクラッチCLに外嵌して装着されている。付言すると、ロール本体部62Aと動力伝達部材62B,62Cとの間にワンウェイクラッチCLが配置されている。そして、動力伝達部材62B,62Cは、例えば、外径r1(32mm)と内径r2(26mm)との差の1/2である肉厚d1(=(r1−r2)/2)が3mmに形成されている。また、図6(A)に示すように、動力伝達部材62B,62Cを支持するワンウェイクラッチCLは、外径R2(=r2)が動力伝達部材62B,62Cの内径r2と同じく、26mmで形成されている。それにより、ワンウェイクラッチCLでは、ロール本体部62Aの外径R1(28mm)との外径差の1/2である段差d0が、1mmに設定されている。
一方、リトラクト機構は加圧ロール62を定着ベルト61から離間させるに際して、ロール本体部62Aと定着ベルト61との間隙が例えば1.5mmとなるように設定する。それにより、リトラクト機構によってロール本体部62Aを定着ベルト61から離間させた状態では、肉厚d1が3mmの動力伝達部材62B,62Cが、間隙1.5mmと段差d0(1mm)との合計である厚さ2.5mmに圧縮変形された状態で定着ベルト61と接触(圧接)する。これによって、上記図5(B)に示したように、定着ベルト61は、肉厚d1が例えば3mmから2.5mmに圧縮変形された状態での動力伝達部材62B,62Cの弾性力による摩擦力を受け、加圧ロール62の回転によって従動回転される。この場合の定着ベルト61は、用紙Pの搬送動作を行わないため、定着ベルト61の駆動に必要となる駆動トルクが例えば0.05〜0.1N程度と小さい。そのため、定着ベルト61は、圧縮変形された状態での弾性力に基づく動力伝達部材62B,62Cからの摩擦力によって従動回転する。
また、リトラクト機構が加圧ロール62を定着ベルト61に圧接させると、上記図5(A)に示したように、動力伝達部材62B,62Cは、ロール本体部62Aの表面位置SとワンウェイクラッチCLの外周面とにより形成される段差d0(1mm)により形成される空間内に圧縮されて、動力伝達部材62B,62Cの表面位置は、弾性変形したロール本体部62Aの表面位置Sと一致する。これによって、ニップ部Nのニップ圧は、主にロール本体部62Aと弾性部材64との弾性力の均衡によって幅方向に亘って均一に設定される。
なお、動力伝達部材62B,62Cと対向する定着ベルト61内部の弾性部材64の領域に、弾性部材64よりも剛性の高い(弾性変形率の低い)材質からなる薄肉の円筒状部材からなるバックアップ部材を配置してもよい。それにより、リトラクト機構によって加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61に圧接された状態と、定着ベルト61から離間された状態とに対応して、動力伝達部材62B,62Cが予め想定される変形量で弾性圧縮される確実性が高まる。
すなわち、剛性の高い(弾性変形率の低い)バックアップ部材が動力伝達部材62B,62Cからの押圧力を受け止めることから、動力伝達部材62B,62Cは予め想定される変形量で弾性圧縮され易い。そのため、ロール本体部62Aが定着ベルト61に圧接された状態では、動力伝達部材62B,62Cは、ロール本体部62Aの表面位置SとワンウェイクラッチCLの外周面とにより形成される段差d0により形成される空間内に圧縮される確実性が高まる。また、加圧ロール62が定着ベルト61から離間された状態では、動力伝達部材62B,62Cは、予め想定される圧縮変形状態で定着ベルト61と接触(圧接)する確実性が高まる。
<加圧ロールの接離機構の説明>
続いて、上記した加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離する方向に移動させるリトラクト機構(接離機構)について説明する。
上記の図2に示したように、本実施の形態の定着器60は、リトラクト機構として、支持体69に回転自在に支持される回転軸81と、予め定められた角度範囲内で回転軸81を変位させる変位モータ80と、回転軸81の両端部領域であって加圧ロール62の回転軸94に対向する位置に固定され、回転軸81の変位により揺動するカム82,83と、を備えている。さらに、加圧ロール62の回転軸94の両端部領域に接続され、加圧ロール62を定着ベルト61から離間する方向(矢印方向)に付勢するバネ84,85を備えている。
図7は、リトラクト機構が加圧ロール62を定着ベルト61に接離させる際の動作を説明する図である。まず、図7(A)に示すように、カム82,83(図7ではカム82のみを図示)の頂部F0が定着ベルト61の回転軸99方向を向くように、変位モータ80が回転軸81を変位させた状態では、カム82(カム83)の頂部F0が加圧ロール62の回転軸94をバネ84,85の付勢力に抗して定着ベルト61側(矢印方向)に押し込む。それにより、加圧ロール62は、ロール本体部62Aが定着ベルト61を介して弾性部材64を押圧する位置に設定される。
続いて、図7(B)に示すように、カム82(カム83)の頂部F0が定着ベルト61の回転軸99方向とは角度θだけ傾くように、変位モータ80が回転軸81を変位させた状態では、加圧ロール62の回転軸94はバネ84,85(図2参照)の付勢力によりカム82(カム83)の側面F1に沿って、支持体69に設定された移動制限領域Wの範囲内で定着ベルト61側から離間する方向(図7(B)矢印方向)に移動する。それにより、加圧ロール62は、ロール本体部62Aが定着ベルト61から離間した位置に設定される。なお、支持体69に設定された移動制限領域Wは、加圧ロール62を定着ベルト61から離間させるに際して、加圧ロール62の動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61に圧接した状態を維持する範囲、例えばロール本体部62Aと定着ベルト61との間隙が1.5mmとなるように構成されている。
このように、加圧ロール62は、リトラクト機構によって定着ベルト61に対して接離動作を行う。リトラクト機構により加圧ロール62に対する接離動作が行われるのは、定着器60での定着動作の開始時および終了時である。すなわち、定着動作の開始に合わせて加圧ロール62が定着ベルト61に圧接する(押圧しながら接触する)ように設定される。それにより、定着動作時には駆動モータ90(図2参照)からの回転駆動力を受けた加圧ロール62が定着ベルト61を従動回転させる。また、定着動作の前は、加圧ロール62のロール本体部62Aは定着ベルト61から離間した状態が維持され、その状態で定着ベルト61を回転させてIHヒータ63により定着可能温度まで上昇させる動作(以下、「ウォームアップ動作」)が行われる。
<定着ベルトの駆動機構の説明>
次に、加圧ロール62を駆動する機構(以下、「駆動機構」)について説明する。
まず、上記の図2に示したように、本実施の形態の定着器60は、駆動機構として、駆動源としての駆動モータ90と、駆動モータ90の回転軸91に固定された駆動伝達ギヤ92と、加圧ロール62の回転軸94に固定された駆動伝達ギヤ93と、を備えている。さらに、加圧ロール62の回転軸94により揺動自在に支持された揺動支持部材97と、揺動支持部材97に回転自在に支持された回転軸96に固定され、加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ93と結合された伝達ギヤ95と、を備えている。伝達ギヤ95は、リトラクト機構により加圧ロール62に対する接離動作が行われても、揺動支持部材97を介して加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ93との結合が維持される。また、揺動支持部材97は、伝達ギヤ95が駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92に向けて押圧されるように、不図示の付勢手段によって駆動伝達ギヤ92側に付勢されている。
引き続いて、定着器60の駆動機構において、駆動モータ90からの駆動力の伝達について説明する。上記したように、リトラクト機構によって加圧ロール62は定着ベルト61に対して接離動作する。そこで、定着器60の駆動機構は、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態と離間された状態との双方において、駆動モータ90から加圧ロール62に駆動力が伝達されるように構成している。
図8は、駆動モータ90から加圧ロール62への駆動力の伝達を説明する図である。図8(A)は、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態を示し、(B)は、加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間された状態を示している。
上記したように、揺動支持部材97は、伝達ギヤ95が駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92に向けて押圧されるように、付勢手段(不図示)によって駆動伝達ギヤ92側に向かう付勢力Fが作用している。そのため、図8(A)に示すように、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態では、駆動伝達ギヤ92側への付勢力Fが作用する揺動支持部材97に支持された伝達ギヤ95は、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と結合する。また、伝達ギヤ95は加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ93とも結合している。それにより、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と伝達ギヤ95との結合と、伝達ギヤ95と加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ93との結合とにより、駆動モータ90からの回転駆動力が加圧ロール62側に伝達され、加圧ロール62が回転駆動される。そして、加圧ロール62は、定着ベルト61を従動回転させる。
また、図8(B)に示すように、加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間されると、加圧ロール62側の回転軸94および駆動伝達ギヤ93は定着ベルト61から離れる方向(図中矢印)に移動する。そうすると、伝達ギヤ95は、駆動伝達ギヤ92側への付勢力Fが作用する揺動支持部材97の揺動によって、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92の方向(図中矢印)に向けて移動し、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と伝達ギヤ95との結合状態が維持される。それにより、加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間された状態においても、駆動モータ90側の駆動伝達ギヤ92と伝達ギヤ95との結合と、伝達ギヤ95と加圧ロール62側の駆動伝達ギヤ93との結合とにより、駆動モータ90からの回転駆動力が加圧ロール62側に伝達され、加圧ロール62が回転駆動される。そして、加圧ロール62の動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61を従動回転させる。
このように、本実施の形態の定着器60では、定着動作を開始する前であって加圧ロール62のロール本体部62Aがリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接されていない状態に設定されている場合には、動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61を従動回転させる。一方、定着動作が開始され加圧ロール62がリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接された状態においては、加圧ロール62全体が定着ベルト61を従動回転させる。
<IHヒータの説明>
次に、定着ベルト61の導電発熱層612に交流磁界を作用させて電磁誘導加熱するIHヒータ63について説明する。
図9は、本実施の形態のIHヒータ63の構成を説明する断面図である。図9に示すように、IHヒータ63は、例えば耐熱性樹脂等の非磁性体から構成される支持体631と、交流磁界を生成する励磁コイル632と、励磁コイル632を支持体631上に固定する例えばシリコーンゴム等の弾性体で構成された弾性支持部材633と、定着ベルト61の幅方向に沿って複数配置され、励磁コイル632にて生成された交流磁界の磁路を形成する磁心634と、を備えている。またIHヒータ63は、定着ベルト61の幅方向に沿って複数配置され、励磁コイル632にて生成された交流磁界を支持体631の長手方向に均すための調整用磁心639と、磁心634を上部から覆うように保持する磁心保持部材637と、磁心保持部材637を介して磁心634を支持体631側に加圧する例えばシリコーンゴム等の弾性体で構成された加圧部材636と、磁界を遮蔽して外部への漏洩を抑制するシールド635と、励磁コイル632に交流電流を供給する励磁回路638と、を備えている。
支持体631は、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等の耐熱性のある非磁性材料で構成されている。そして、断面が定着ベルト61の表面形状に沿って湾曲した形状で形成され、励磁コイル632を支持する支持面631aが定着ベルト61表面と予め定めた間隙(例えば、0.5〜2mm)を保つように形成され設定されている。
励磁コイル632は、相互に絶縁された例えば直径0.17mmの銅線材を例えば90本束ねたリッツ線が長円形状や楕円形状、長方形状等の中空きの閉ループ状に巻かれて構成されている。そして、励磁コイル632に励磁回路638から予め定めた周波数の交流電流が供給されることにより、励磁コイル632の周囲には、閉ループ状に巻かれたリッツ線を中心とする交流磁界が生成される。励磁回路638から励磁コイル632に供給される交流電流の周波数は、一般的な汎用電源により生成される20k〜100kHzが用いられる。
弾性支持部材633は、例えばシリコーンゴム等やフッ素ゴム等の弾性体で構成されたシート状部材である。弾性支持部材633は、励磁コイル632が支持体631の支持面631aに密着して固定されるように、励磁コイル632を支持体631に対して押圧するように設定されている。
磁心634は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂、パーマロイ、感温磁性合金等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される円弧形状の強磁性体が用いられる。磁心634は、励磁コイル632にて生成された交流磁界による磁力線(磁束)を内部に誘導し、磁心634から定着ベルト61を横切って磁心634に戻るという磁力線の通路(閉磁路)を形成する。それにより、励磁コイル632にて生成された交流磁界の磁力線を定着ベルト61の磁心634と対向する領域に集中させる。
磁心保持部材637の各々は、SUSや樹脂等の非磁性体で形成され、磁心634の一部または全部を覆うようにして磁心634各々を保持する。
調整用磁心639は、例えば焼成フェライト、フェライト樹脂等の高透磁率材質で構成される直方体形状(ブロック形状)の強磁性体が用いられる。そして、調整用磁心639は、磁心634により形成される交流磁界の支持体631長手方向(=定着ベルト61の幅方向)に生じる強弱を均すことにより、定着ベルト61の幅方向の温度むら(温度のばらつき、温度リップル)を低減している。
このように、IHヒータ63は、定着ベルト61の厚さ方向に横切る磁力線を生成して、定着ベルト61の導電発熱層612に単位面積当たりの磁力線の数(磁束密度)の変化量に比例した渦電流Iを発生させる。それにより、導電発熱層612の固有抵抗値Rと渦電流Iの二乗の積であるジュール熱W(W=IR)を導電発熱層612に発生させて、定着ベルト61を加熱する。
<弾性部材の機能の説明>
次に、定着ベルト61の内部に配置された弾性部材64の機能について説明する。
上記したように、本実施の形態の定着器60は、加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離させるリトラクト機構を備えている。そして、定着動作を開始する前に定着ベルト61をIHヒータ63により定着可能温度まで上昇させる動作(ウォームアップ動作)を行う際には、リトラクト機構によって加圧ロール62のロール本体部62Aを定着ベルト61から離間させた位置に設定しておく。それにより、熱容量の小さな定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生し難い状態を設定する。これによって、定着ベルト61を効率的に加熱し、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させる時間(以下、「ウォームアップ時間」)を低減している。なお、ウォームアップ動作中は、加圧ロール62の動力伝達部材62B,62Cが定着ベルト61を従動回転させる。
一方、ウォームアップ動作によって定着ベルト61の温度が定着可能温度に近くなり定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達した時点にて、加圧ロール62はリトラクト機構によって定着ベルト61に圧接される。それにより、定着ベルト61の内部に定着ベルト61の全幅に亘って配置された弾性部材64と、加圧ロール62のロール本体部62Aとの双方の弾性力によって定着ベルト61と加圧ロール62との間でニップ部Nが形成される。そして、ニップ部Nが形成され、定着ベルト61が定着可能温度に到達することにより、ニップ部Nに用紙Pが搬送されて定着動作が開始される。
次の図10は、ニップ部Nでの定着ベルト61の状態を示す図である。図10(A)は、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された場合を示し、(B)は、加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間した場合を示している。
図10(A)に示すように、定着動作中においては、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置される。それにより、ニップ部Nでは、弾性変形しながら定着ベルト61を介して弾性部材64を押圧する加圧ロール62と、加圧ロール62からの押圧力によって弾性変形する弾性部材64とによって、予め定められたニップ圧を持ったニップ部Nが形成される。このように、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置された際には、加圧ロール62からの押圧力を弾性部材64が受けて弾性変形し、ニップ部Nを形成する。ここでのニップ圧は、弾性変形する加圧ロール62と弾性変形する弾性部材64との双方によって予め定められた圧力に安定的に設定される。
一方、図10(B)に示すように、ウォームアップ動作中においては、リトラクト機構によって加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間して配置される。その際には、定着ベルト61全周に亘って、定着ベルト61と弾性部材64との形状が復元される。
上記したように、ウォームアップ動作中は、リトラクト機構によって加圧ロール62のロール本体部62Aを定着ベルト61から離間させることにより、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じにくい状態を設定している。それによって、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間を低減する構成を実現している。また、その際に、定着ベルト61は、加圧ロール62の動力伝達部材62B,62Cによって従動回転されるように構成されている。
このように、本実施の形態の定着器60では、リトラクト機構によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態、および加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間された状態の双方において加圧ロール62に対して駆動力を伝達する駆動機構を設け、定着ベルト61を従動回転させている。このことにより、定着ベルト61を回転駆動する構成が簡素化され、定着器60の低コスト化、小型化が図られている。
<画像形成処理に関する動作制御の説明>
続いて、画像形成動作の流れについて説明しておく。
図11は、主制御部31が行う画像形成処理の内容の一例を説明するフローチャートである。図11に示したように、主制御部31は、画像読取部33やUI部35や通信部32からの信号等に基づいて、画像読取部33に原稿が置かれるなどのユーザによる画像形成指示前に行われる操作(以下、「ユーザによる操作」)を監視する(ステップ101)。そして、主制御部31は、ユーザによる操作を認識した場合には(ステップ101でYes)、定着器60に対し、駆動モータ90(上記図2参照)をオンして、リトラクト機構により加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61に圧接されていない状態にて定着ベルト61を回転させるように指示する(ステップ102)。さらにその後、主制御部31は、ウォーミングアップ動作の実行を指示する(ステップ103)。
この段階では、加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間しているので、定着ベルト61から加圧ロール62への熱の流出が生じにくい状態となる。それによって、熱容量の小さい定着ベルト61からの熱の流出が抑制され、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させるウォームアップ時間が低減される。一方、ユーザによる操作を認識しない場合には(ステップ101でNo)、主制御部31は、ユーザによる操作の監視を継続する(ステップ101)。
そして、主制御部31は、ウォームアップ動作によって定着ベルト61が定着可能温度に近い温度であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達すると(ステップ104でYes)、リトラクト機構によって加圧ロール62を定着ベルト61に圧接させる(ステップ105)。そして、加圧ロール62が圧接された定着ベルト61が定着可能温度に到達すると(ステップ106でYes)、主制御部31は、画像形成部10に対してトナー像形成動作の開始を指示する(ステップ107)。この段階では、定着ベルト61に加圧ロール62が圧接して配置されるので、弾性部材64および加圧ロール62の双方の弾性力によって定着ベルト61と加圧ロール62との間で予め定められたニップ圧のニップ部Nが形成される。そして、主制御部31は、一連の画像形成処理の完了を認識すると(ステップ108)、再度、ステップ101に戻って、ユーザによる操作を監視する。
ところで本実施形態の定着器60に対し薄い用紙Pなどが搬送された場合、図12(用紙の搬送不良が生じた際の定着器60の状態を示した図)に示すように、定着ベルト61から用紙Pが剥離されない事態が起こり得る。付言すると定着ベルト61に用紙Sが巻き付く事態が発生しうる。そしてこの場合、本実施形態では、不図示のセンサにより用紙Pの搬送不良が検知され、定着器60などの駆動が停止される。また加圧ロール62のリトラクトがなされロール本体部62Aが定着ベルト61から離間した状態となる(動力伝達部材62B,62Cと定着ベルト61との接触は維持される)。またユーザインターフェース(UI)部35を通じ、用紙Pの搬送不良が生じた旨がユーザに通知される。そして、ユーザにより、搬送不良の原因となった用紙Pが除去される。ここで、搬送不良の原因となった用紙Pは、図12の矢印12Aに示すように、用紙Pの搬送方向における上流側に向かって用紙Pを引っ張ることで除去することができる。
ところで用紙Pの搬送方向における上流側に向かって用紙Pが引っ張られる場合、図13(用紙Pが引っ張られる際の定着器60を用紙Pの搬送方向上流側から眺めた場合の図)の矢印13Aに示すように、定着ベルト61に外力が作用し定着時における移動方向とは逆方向に定着ベルト61が移動する。また定着ベルト61のこの移動に伴い、定着ベルト61から動力伝達部材62B,62Cへ回転駆動力が伝達され、動力伝達部材62B,62Cも定着時における回転方向とは逆方向に回転する(矢印13B参照)。ここで本実施形態における定着器60では、上記のとおり、動力伝達部材62B,62Cと加圧ロール62との間に、ワンウェイクラッチCLが設けられている。このため、動力伝達部材62B,62Cが上記のように逆方向に回転する際、動力伝達部材62B,62Cは加圧ロール62に対し空回りするようになる。付言すると、動力伝達部材62B,62Cから加圧ロール62に対し回転駆動力が伝達されないようになる。なお、外力を受け動力伝達部材62B,62Cが定着時における回転方向に回転した場合は、ワンウェイクラッチCLが設けられているために、動力伝達部材62B,62Cに連動して加圧ロール62が回転するようになる。
ここで本実施形態における定着器60では、上記のようにワンウェイクラッチCLを設けたが、このワンウェイクラッチCLを省略して定着器60を構成することもできる。より具体的には、加圧ロール62に対し動力伝達部材62B,62Cを直接取り付けることもできる。ところでこの場合、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触する部位や、動力伝達部材62B,62Cの外周面にキズなどが発生するおそれがある。また、定着ベルト61に歪などが生ずるおそれもある。
詳細に説明すると、本実施形態における加圧ロール62は駆動モータ90に接続されており(図2参照)、加圧ロール62は回転しにくい状態(空転しにくい状態)となっている。このため、ワンウェイクラッチCLが省略され加圧ロール62に動力伝達部材62B,62Cが直接取り付けられている場合にて、動力伝達部材62B,62Cに対し定着ベルト61から回転駆動力が伝達されてきた場合、加圧ロール62が回転せず、定着ベルト61と動力伝達部材62B,62Cとの間で滑りが生じうる。付言すると、加圧ロール62に動力伝達部材62B,62Cが直接取り付けられている場合にて用紙Pが引っ張られ定着ベルト61が移動する場合、加圧ロール62が回転しにくいために、定着ベルト61が動力伝達部材62B,62Cに対し滑るようになる。
そしてこのような滑りが生じた場合、動力伝達部材62B,62Cの外周面や、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触する部位に、キズなどが発生するおそれがある。また、定着ベルト61の幅方向における中央部側は用紙Pから引っ張り力が作用し移動しようとするが、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触する部位は移動が規制される。そしてこの場合、定着ベルト61に歪などが生じやすくなる。このため本実施形態では、このような不具合の発生を抑制するため、上記のようにワンウェイクラッチCLを設けている。ワンウェイクラッチCLが設けられている場合には、上記のとおり、動力伝達部材62B,62Cは加圧ロール62に対し空回りするようになる。そしてこの場合、動力伝達部材62B,62Cと定着ベルト61との間にて生じる上記滑りの発生が抑制される。また定着ベルト61の歪みも生じにくくなる。
なお本実施形態の構成にて、ウォームアップ動作を行う際には、定着時の回転方向と逆方向に加圧ロール62を回転させる。より具体的には、図14(ウォームアップ動作時等における定着器60を用紙Pの搬送方向上流側から眺めた場合の図)の(A)における矢印14Aに示す方向に加圧ロール62を回転させる。なお、加圧ロール62を定着時の回転方向と同じ方向に回転させた場合、ワンウェイクラッチCLがあるために、加圧ロール62から動力伝達部材62B,62Cへ回転駆動力が伝達されず、定着ベルト61の回転が起こらない。このため本実施形態では、ウォームアップ動作を行う際、定着時の回転方向と逆方向に加圧ロール62を回転させる。これにより、加圧ロール62から動力伝達部材62B,62Cへ回転駆動力が伝達され、動力伝達部材62B,62Cが加圧ロール62に追従するようになる。これにより、動力伝達部材62B,62Cは、加圧ロール62に連動して回転する(矢印14B参照)。また動力伝達部材62B,62Cの回転に伴い定着ベルト61に回転駆動力が伝達され定着ベルト61も回転する(矢印14C参照)。
またウォームアップ動作が終了し定着動作が行われる際には、駆動モータ90の逆転が行われ、図14(B)の矢印14Dに示す方向に加圧ロール62は回転する。なおこの際、動力伝達部材62B,62Cは、加圧ロール62からではなく定着ベルト61から回転駆動力を受け定着ベルト61に追従して回転するようになる。より具体的に説明すると、加圧ロール62が回転した場合、遮断手段、遮断機構として機能するワンウェイクラッチCLが存在するために、回転駆動力の伝達が遮断され、加圧ロール62から動力伝達部材62B,62Cへは回転駆動力が伝達されない状況となる。一方で、加圧ロール62から定着ベルト61には回転駆動力が伝達される。このため、動力伝達部材62B,62Cは、加圧ロール62からではなく定着ベルト61から回転駆動力を受け定着ベルト61に追従して回転するようになる。
上記では、定着動作が実行される際、ロール本体部62Aの表面位置Sと一致する位置まで動力伝達部材62B,62Cが圧縮される構成を例示した。ところでこのような形態に限られず、図15(定着器60の他の形態を用紙Pの搬送方向上流側から眺めた場合の図)の(A)、(B)に示すように、表面位置Sから動力伝達部材62B,62Cが突出した状態で、定着動作が行われるようにしてもよい。なお図15(B)は、図15(A)の一部を拡大したものである。
ところで、表面位置Sから動力伝達部材62B,62Cが突出し、更に、上述したワンウェイクラッチCLが設けられていない場合、上記と同様、定着ベルト61に歪が生じやすくなる。図15(C)を参照してより具体的に説明すると、表面位置Sから動力伝達部材62B,62Cが突出している場合にて、加圧ロール62が回転駆動すると、ロール本体部62Aの周速(ロール本体部62Aの外周面の移動速度)SBよりも動力伝達部材62B,62Cの周速(動力伝達部材62B,62Cの外周面の移動速度)SAの方が大きくなる。そしてこの場合、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触している部位の単位時間当たりの移動量の方が、定着ベルト61のうちロール本体部62Aと接触している部位の単位時間当たりの移動量よりも大きくなる。
そしてこのように移動量に違いが生じると、定着ベルト61に歪みが生じやすくなる。より具体的に説明すると、定着ベルト61のうちの動力伝達部材62B,62Cと接触している部位と、定着ベルト61のうちのロール本体部62Aと接触している部位との境界(符号K参照)にて、定着ベルト61の歪(変形)が生じやすくなる。そして定着ベルト61の回転に伴いこのような歪が繰り返し発生すると、定着ベルト61に亀裂などが生じるおおそれもある。このため本実施形態では、ワンウェイクラッチCLを設け定着ベルト61の歪を抑制している。
ワンウェイクラッチCLを設けた本実施形態の構成の場合(同図15(B)参照)、上記にて説明したとおり、動力伝達部材62B,62Cは、加圧ロール62からではなく定着ベルト61から回転駆動力を受け定着ベルト61に追従して回転するようになる。そしてこの場合、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触している部位の単位時間当たりの移動量と、定着ベルト61のうちロール本体部62Aと接触している部位の単位時間当たりの移動量との差が、ワンウェイクラッチCLが設けられていない態様(同図(C)にて示した態様)にて生じる差よりも小さくなる。そしてこのように差が小さくなると、定着ベルト61に歪が生じにくくなる。
なお本実施形態の構成にてウォームアップ動作が行われる際には、図14(A)にて説明したのと同様に、矢印14Aに示す方向(定着時の回転方向とは逆方向)に加圧ロール62を回転させる。これにより、動力伝達部材62B,62Cが回転し、動力伝達部材62B,62Cから定着ベルト61に回転駆動力が伝達される。
なお上記ではワンウェイクラッチCLが設けられた場合を例示したが、ワンウェイクラッチCLに替え電磁クラッチを設けることもできる。
図16、図17は、動力伝達部材62B,62Cと加圧ロール62との間に電磁クラッチDCLが設けられた定着器60を示した図である。なお、電磁クラッチDCL以外の構成は上記にて説明した構成と同様となっている。また上記と同様、図16、図17は、用紙Pの搬送方向上流側から眺めた場合の状態を示している。
ここで本実施形態における定着器60にて定着動作が行われる際には、図16(A)に示すように、電磁クラッチDCL(遮断手段の他の一例)がオフとされる。これにより、加圧ロール62と動力伝達部材62B,62Cとの連結が解除され、加圧ロール62から動力伝達部材62B,62Cへ回転駆動力が伝達されない状態となる。そして本実施形態では、加圧ロール62が矢印16Aに示す方向に回転され、加圧ロール62に追従して定着ベルト61が矢印16Bに示す方向に回転するようになる。そして定着ベルト61に追従して動力伝達部材62B,62Cが回転するようになる(矢印16C参照)。ここで本実施形態における構成においても、定着ベルト61のうち動力伝達部材62B,62Cと接触している部位の単位時間当たりの移動量と、定着ベルト61のうちロール本体部62Aと接触している部位の単位時間当たりの移動量との差が小さくなる。このため定着ベルト61に歪が生じにくくなる。
また本実施形態では、定着ベルト61への用紙Pの巻き付きが発生し不図示のセンサにて用紙Pの搬送不良が検知された場合も、主制御部31からの指示により、電磁クラッチDCLがオフに設定される。これにより、加圧ロール62と動力伝達部材62B,62Cとの連結が解除される。そして、図16(B)に示すように、用紙Pの搬送方向における上流側に用紙Pが引っ張られる際には、上記と同様、加圧ロール62に対して動力伝達部材62B,62Cが空回りするようになる。
また本実施形態の構成にてウォームアップ動作が行われる際には、電磁クラッチDCLはオンされ、図17の矢印17Aに示すように、動力伝達部材62B,62Cは加圧ロール62に追従して回転するようになる。そしてこの動力伝達部材62B,62Cの回転に伴い、定着ベルト61が回転するようになる。なお本構成の構成にてウォームアップ動作が行われる際、加圧ロール62は、定着時の回転方向と同じ方向に回転される。
<加圧ロールに設ける動力伝達部材の他の構成の説明>
ここで、加圧ロール62に設ける動力伝達部材62B,62Cに関し、上記にて示した構成以外の他の構成について説明する。例えば上記図5では、動力伝達部材62B,62CがワンウェイクラッチCLを介しロール本体部62Aに支持された構成について説明した。ここでは、動力伝達部材62B,62Cがロール本体部62Aに支持されない構成について説明する。
図18は、加圧ロール62の他の構成例を示した図である。なお、図18(A)は、加圧ロール62の断面構成を示す図であり、(B)は、加圧ロール62の組み立て工程を示す斜視図である。なお、図18では、一方の端部側の動力伝達部材62Bを示しているが、他方の端部側の動力伝達部材62Cも同様に構成されている。また以下では、ワンウェイクラッチCLを用いる場合を例示するが、上記にて説明した電磁クラッチDCLを用いることもできる。
図18(A),(B)に示すように、動力伝達部材62B,62Cは、ロール本体部62Aと別体に構成され、ワンウェイクラッチCLを介して回転軸94に外嵌して装着されている。そして、図18(A)に示すように、動力伝達部材62B,62Cは、ロール本体部62Aとの間に間隙gを持って配置されている。
それにより、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接して配置された際に、弾性変形しながらニップ部Nを形成する加圧ロール62のロール本体部62Aに対し、弾性変形した動力伝達部材62B,62Cが圧接して、ロール本体部62Aの両端部でのニップ圧が不均一となることが抑制される。すなわち、動力伝達部材62B,62Cとロール本体部62Aとを別体に構成することで、動力伝達部材62B,62Cの弾性変形がロール本体部62Aに影響を与え難くなる。さらに、動力伝達部材62B,62Cとロール本体部62Aとの間の間隙gが、弾性変形した動力伝達部材62B,62Cと弾性変形したロール本体部62Aとを非接触に維持することで、動力伝達部材62B,62Cの弾性変形がロール本体部62Aにさらに影響を与え難くなる。このように、図18に示した動力伝達部材62B,62Cの構成により、ロール本体部62Aの両端部でのニップ圧の均一性が確保される。
以上説明したように、上記した実施の形態に係る定着器60は、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させる動作(ウォームアップ動作)中は、加圧ロール62のロール本体部62Aを定着ベルト61から離間させることにより、定着ベルト61から加圧ロール62に熱の流出が生じない状態を設定している。さらに、加圧ロール62が定着ベルト61に圧接された状態、および加圧ロール62のロール本体部62Aが定着ベルト61から離間された状態の双方において、加圧ロール62に対して駆動力を伝達する駆動機構を設け、定着ベルト61を従動回転させている。それによって、定着ベルト61を定着可能温度まで上昇させる時間(ウォームアップ時間)が低減される。また、定着ベルト61を回転駆動する構成が簡素化され、定着器60の低コスト化、小型化が図られている。
なお上記では、定着ベルト61をIHヒータ63により加熱する場合を例示したが、ヒータを内蔵したロール状部材を定着ベルト61に接触させ定着ベルト61を加熱してもよい。また上記では、用紙P上のトナー像を定着する定着部材がベルト状の部材(定着ベルト61)であったが、このようなベルト状の部材に限られず、例えばロール状の部材を用いることもできる。また上記では、定着ベルト61の内部全体に配置された弾性部材64により加圧ロール62からの圧力を受ける構成となっていたが、パッド部材を用いて加圧ロール62からの圧力を受けるようにしてもよい。
図19、図20は、パッド部材が設けられた定着器60を示した図である。なお図20は、図19における矢印XX方向から定着ベルト61を眺めた場合の図である。また上記にて説明した機能と同様の機能については同様の符号を用い、ここではその説明を省略する。
本実施形態における定着器60では、定着ベルト61の内部に、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧される押圧パッド63が設けられている。そして本実施形態では、この押圧パッド63と加圧ロール62とが互いに圧接する位置に、ニップ部Nが形成されている。また本実施形態における定着器60では、押圧パッド63よりも定着ベルト61の内方側に、押圧パッド63等の構成部材を支持するホルダ65が設けられている。
また本実施形態における定着器60では、図20に示すように、定着ベルト61の両端部に、定着ベルト61の両端部の断面形状を円形に維持するエンドキャップ部材67が取り付けられている。ここでこのエンドキャップ部材67は、円盤状に形成されている。またエンドキャップ部材67は、定着ベルト61の内側に嵌合される固定部67Aを有している。また、固定部67Aより外径が大きく形成され、エンドキャップ部材67が定着ベルト61に装着された際に定着ベルト61の外周面よりも外側に突出するフランジ部67Bを有している。
また、エンドキャップ部材67は、径方向における中央部に、不図示のベアリング軸受部を有している。そしてエンドキャップ部材67は、このベアリング軸受部を介してホルダ65に取り付けられている。これにより、エンドキャップ部材67はホルダ65を中心として回転するようになっている。付言すると、定着ベルト61もホルダ65を中心として回転するようになっている。なおホルダ65は、図20に示すように、その両端部が支持体69により支持されている。
ここで本実施形態における定着器60においても、定着ベルト61の外周面に動力伝達部材62B,62Cが接触して配置される。これにより、ウォームアップ動作においても加圧ロール62から定着ベルト61に駆動力が伝達されるようになる。なお、動力伝達部材62B,62Cは、定着ベルト61のうち固定部67Aによって内側から支持されている部分に接触させるのが好ましい。この場合、定着ベルト61の撓みや歪みなどが生じにくくなり回転駆動力がより安定して定着ベルト61に伝達される。
1…画像形成装置、10…画像形成部、60…定着器、61…定着ベルト、62…加圧ロール、62B,62C…動力伝達部材、CL…ワンウェイクラッチ、DCL…電磁クラッチ、P…用紙

Claims (12)

  1. 回転可能に設けられ、記録材上の画像に熱を与え当該画像を当該記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触して配置され当該接触部材に連動して回転し当該接触部材からの回転駆動力を当該定着部材に伝達するとともに、当該定着部材が外力を受け回転し当該定着部材側から回転駆動力が伝達されてきた際には当該接触部材に対して回転を行う回転部材と、
    を含む定着装置。
  2. 前記回転部材と前記接触部材との間には、当該回転部材が一方向に回転する場合には当該回転部材を当該接触部材に対して回転させ当該回転部材が反対方向に回転する場合には当該回転部材に当該接触部材を連動させ当該接触部材を回転させる回転機構が設けられ、
    前記定着部材側から前記回転部材に回転駆動力が伝達された際における当該回転部材の前記接触部材に対する前記回転は、当該定着部材により当該回転部材が前記一方向に回転され、前記回転機構によって、当該回転部材が当該接触部材に対し空回りすることで行われることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記回転部材の前記接触部材に連動しての前記回転は、当該接触部材が前記一方向に回転駆動され前記回転機構によって当該回転部材が当該接触部材に追従することで行われることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動する際、当該接触部材は前記反対方向に回転駆動され、当該接触部材から前記回転部材への回転駆動力の伝達が前記回転機構により遮断されることを特徴とする請求項2又は3に記載の定着装置。
  5. 前記回転部材と前記接触部材との間には、電磁クラッチが設けられ、
    前記定着部材側から前記回転部材に回転駆動力が伝達された際における当該回転部材の前記接触部材に対する前記回転は、前記電磁クラッチが制御され当該回転部材と当該接触部材との連結が解除されることで可能になることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  6. 回転可能に設けられ、記録材上の画像に熱を与え当該画像を当該記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触し、当該接触部材から回転駆動力が伝達されるとともに伝達された当該回転駆動力を当該定着部材に伝達する伝達部材と、
    前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で当該接触部材が回転駆動する場合に、当該接触部材から前記伝達部材への回転駆動力の前記伝達を遮断する遮断手段と、
    を含む定着装置。
  7. 前記伝達部材は、前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動する場合、当該定着部材に押し付けられるとともに当該定着部材から回転駆動力を受け当該定着部材に追従して回転することを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記伝達部材と前記接触部材との間には、当該接触部材が一方向に回転駆動する場合には当該接触部材から当該伝達部材へ回転駆動力を伝達し当該接触部材が反対方向に回転駆動する場合には当該接触部材から当該伝達部材への回転駆動力の伝達を遮断する遮断機構が設けられ、
    前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で前記回転駆動を行う際、当該接触部材は前記反対方向に回転駆動され、
    前記遮断手段は、前記遮断機構を用いて回転駆動力の伝達の前記遮断を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の定着装置。
  9. 前記接触部材が前記定着部材から離間し回転駆動力が前記伝達部材により当該定着部材に伝達される際、当該接触部材は前記一方向に回転駆動され、前記遮断機構によって当該伝達部材が当該接触部材に追従することで当該伝達部材が回転し、回転する当該伝達部材により当該定着部材に回転駆動力が伝達されることを特徴とする請求項8記載の定着装置。
  10. 前記接触部材と前記伝達部材との間には電磁クラッチが設けられ、
    前記遮断手段は、電磁クラッチを用いて回転駆動力の伝達の前記遮断を行うことを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  11. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    回転可能に設けられ、前記画像形成部により形成された前記画像に熱を与え当該画像を前記記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触して配置され当該接触部材に連動して回転し当該接触部材からの回転駆動力を当該定着部材に伝達するとともに、当該定着部材が外力を受け回転し当該定着部材側から回転駆動力が伝達されてきた際には当該接触部材に対して回転を行う回転部材と、
    を含む画像形成装置。
  12. 記録材に画像を形成する画像形成部と、
    回転可能に設けられ、前記画像形成部により形成された前記画像に熱を与え当該画像を前記記録材に定着する定着部材と、
    前記定着部材に接触した状態で回転駆動し当該定着部材との間に位置する前記記録材を移動させるとともに当該定着部材からの離間が可能に設けられた接触部材と、
    前記接触部材に取り付けられ、当該接触部材が前記定着部材から離間している状態にて当該定着部材に接触し、当該接触部材から回転駆動力が伝達されるとともに伝達された当該回転駆動力を当該定着部材に伝達する伝達部材と、
    前記接触部材が前記定着部材に接触した状態で当該接触部材が回転する場合に、当該接触部材から前記伝達部材への回転駆動力の前記伝達を遮断する遮断手段と、
    を含む画像形成装置。
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